手引きで扱った学習項目(文型)を五十音順に並べています。文型名は教科書の見出しの表記に合わせています。同じ文型が別の教科書にもあれば、両方へ飛べます。
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| (あなたは)だれに〜をあげましたか | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | 物を渡した相手を聞く疑問文です。受け取る人の位置に疑問詞「だれ」を入れ、「に」はそのまま残します。答えは「〜にあげました」で、「に」をつけて答えます。「あなたは」は文の形を見せるためのかっこで、実際の会話では相手の名前を使うか、言わないのがふつうです。 |
| (あなたは)だれに〜をもらいましたか | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | 物をくれた相手を聞く疑問文です。「もらいます」の「に」(物が来た元)の位置に「だれ」を入れます。答えは「〜にもらいました」です。同じことを、くれた人を主語にして「だれがくれましたか」と聞くこともでき、そのときの答えは「〜がくれました」になります。学習項目7の「だれにあげましたか」と形は似ていますが、「に」の向きが逆なので、答えの人の立場も逆になります。 |
| 〈いA(〜い)〉/〈なA(〜な)〉そうです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第43課 | 物や人のようすを見て、「見た感じ、〜だと思う」と言う文型です。ケーキを見て「おいしそうです」、友達の顔を見て「元気そうです」のように、まだ確かめていないこと(食べていない味、本人に聞いていない気持ち)を見た目から判断して言います。とくに他の人の気持ちは本人でなければ分からないので、「うれしいです」「寂しいです」と言い切らず、「うれしそうです」「寂しそうです」と言うのが自然です。反対に、色や形のように見ればすぐ分かることには、ふつう使いません。「〜そう」はな形容詞と同じように活用し、名詞の前では「〜そうなN」、動詞の前では「〜そうにV」になります。文法の用語では、イ形容詞・ナ形容詞の語幹に付く様態の「そうだ」で、「いい」「ない」だけが「よさそう」「なさそう」と形を変えます。また「うれしい」「寂しい」のような気持ちの形容詞は、言い切りの形ではふつう話し手自身のことにしか使わない(感情形容詞の人称の制限)ので、他の人の気持ちを言うときはこの形が受け皿になります。 |
| 〈いA(い)〉かったです 〈いA(い)〉くなかったです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第12課 | い形容詞の過去の形です。名詞・な形容詞と違って「です」は変わらず、形容詞そのものが「〜い→〜かった」「〜くない→〜くなかった」と変わります。学習者にとって初めて「語の形が変わる形容詞」なので、第8課の否定「〜くない」と並べて、語の終わりだけが動くと見せます。「いい」は「よかった/よくなかった」と特別な形になります。文法の見方で言えば、イ形容詞は語の終わり(「い」)が活用する語で、過去は「かった」、否定は「くない」で表します。「きれい」「有名」のように「い」で終わっても な形容詞の語があるので、どちらの仲間かは第8課の分類で決めます。 |
| 〈いA(い)〉く/〈なA〉に/Nにします | みんなの日本語 初級Ⅱ 第44課 | 人が自分の意志で、物や事の状態を変えることを言う文型です。第19課の「〜くなります」が「(自然に、または結果として)そうなる」ことを言ったのに対し、「〜くします/〜にします」は「だれかがそうする」ことを言います。変える物は「を」で示し(部屋を暖かくします)、い形容詞は「い」を「く」に、な形容詞と名詞は「に」を付けて「します」を続けます。人に頼むときは「〜くしてください」「〜にしてください」の形でよく使います。 |
| 〈いA(〜い)〉くなります / 〈なA〉/Nになります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第19課 | 物や人の状態が変わることを言う文型です。い形容詞は最後の「い」を「く」に替えて「なります」を付け(寒い→寒くなります)、な形容詞と名詞は「に」を付けて「なります」を付けます(元気→元気になります、医者→医者になります)。「なります」は動詞なので、変わったあとなら「なりました」、これからなら「なります」と時制が変わります。「いい」は例外で「よくなります」です。 |
| 〈いA(〜い)〉ければ/〈なA〉なら/Nなら、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第35課 | 形容詞と名詞の条件の言い方です。い形容詞は「い」を取って「ければ」を付け(安い→安ければ、いい→よければ)、な形容詞と名詞は「なら」を付けます(暇なら、雨なら)。「安ければ、買います」「天気がよければ、山に登ります」のように、前の文が物の様子や天気・時間などの状態なので、うしろに「〜たいです」「〜ませんか」「〜てください」を置いても自然に使えます。ここでの「暇なら」「雨なら」は第25課の「暇だったら」「雨だったら」とほぼ同じ意味の条件で、文型5の「Nなら」(相手の話を受ける)とは使い方が違います。い形容詞の否定は「高くなければ」になります。 |
| 〈いA〉とき、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第23課 | 「寒いとき」「忙しいとき」のように、い形容詞に「とき」を付けて、その状態のときにすることを言う形です。い形容詞は名詞の前に置くときと同じで、「〜い」のまま「とき」に付けます。体の調子・天気・気持ちなど、毎日の生活で変わる状態を言うのに使いやすい形です。「小さいとき」は「子どものころ」の意味でよく使い、そのときはうしろに過去の文が来ます。 |
| 〜あげく | できる日本語 中級 第18課 | 「Vたあげく(に)/Nのあげく(に)」は、長い時間いろいろなことをしたり悩んだりした末に、結局よくない結果になったことを表します(さんざん迷ったあげく、何も買わなかった)。前には「悩む・迷う・さんざん〜・長い〜」のような、時間や苦労がかかったことが来て、後ろには残念な結果や、話し手のあきれた気持ちがこもった結果が来ることが多いです。記事では、生き物が追いつめられていく流れを伝えるのに使われます。第20課の「〜末(に)」はよい結果にも使えて硬く、第11課の「〜結果」は中立に結果を言います。 |
| あげます | できる日本語 初級 第8課 | 物が自分(または話し手)から相手へ動くときの言い方で、あげる人を「は/が」、もらう人を「に」で示します。友達の誕生日に何をあげるか相談するときや、あげたことを話すときに使います。自分の家族や友達がほかの人にあげるときも使えますが、だれかが「わたし」にくれるときには使いません。文法の用語では授受表現(やりもらい)の一つで、物が話し手の側から外へ動くときの動詞です。 |
| 〜あっての〜 | できる日本語 中級 第20課 | 「N1あってのN2」で、N1があるからこそN2が成り立つ、N1がなければN2もない、という強い結びつきを表します。「お客様あっての店」「健康あっての仕事」のように、N2を支えている大切なもの(N1)への感謝や重みを言うときに使い、ST1 では自分がいちばん上に置いたものがほかの全部の土台だと言うのに役立ちます。改まった言い方で、スピーチや作文、あいさつに多く、友達との会話では「〜があるから〜があるんだ」と言うほうがふつうです。「〜からこそ」は文(理由)について理由を強めますが、「あっての」は名詞にだけつき、前の名詞が欠かせない条件であることを言います。「〜あってのことだ」(「皆さんの協力あってのことです」)の形もよく使います。 |
| 〜あとで、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第16課 | ある動作が終わったあとに、次のことをする(または次のことが起きる)ことを言います。前の動作は終わっているので、「あとで」の前はいつもタ形で、あした・来週のようなこれからのことでも「食べたあとで」とタ形を使います。文全体の時は最後の動詞が表します。名詞には「の」をつけて「授業のあとで」と言います。第11課の「〜てから、…」も順番を言いますが、「〜てから」は「まずこれをして、それから」と順番そのものに目が向くことが多いのに対して、「〜あとで」は時間の前後を言う言い方で、二つのことの間に時間があいていてもかまいません。文法の用語で言うと、「〜たあとで」の「た」は話している今より前かどうかではなく、後ろの動作より前に終わっていることを表す相対テンスの「た」で、試験でもこの見方が問われます。 |
| 〜あまり | 学ぼう!にほんご 中級 第25課 | ある気持ちや状態の程度が強すぎたために、ふつうではない、多くは望ましくない結果になってしまったことを表します。前に来るのは、驚き・喜び・心配・緊張・悲しさのような気持ちの名詞や、心配する・急ぐ・気にするのような動詞、まじめだ・慎重だのようなな形容詞です。後ろには、その結果として自分では止められなかったこと(声が出なくなる・泣いてしまう・失敗する・眠れない)が来るので、この課では、思うようにできなかった理由を、気持ちの強さのせいにして説明する言い方として使います。作文やスピーチ、改まった話で使われることが多く、話し言葉では「〜すぎて」がふつうです。副詞の「あまりに(も)〜」や「あまり〜ない」と形は似ていますが、働きは違います。 |
| 〜あまり(に)/あまりの〜に | できる日本語 中級 第20課 | 「〜あまり(に)」は、気持ちや状態の程度が強すぎて、その結果ふつうではないこと(多くは望ましくないこと)が起きたと言う表現です(「心配のあまり眠れなかった」「緊張するあまり、言葉が出なかった」)。「あまりのNに」は、「暑さ・寒さ・痛さ・うれしさ」のような程度を表す名詞の前に置き、「あまりの暑さに倒れそうになった」のように、驚くほどの程度が原因で何かが起きたことを言います。ST2 の記事では「順位を気にするあまり、大切なものが見落とされる」のように、一つのことに気持ちが向きすぎる問題を言うのに使われます。どちらも書き言葉や改まった話の言い方で、会話では「〜すぎて」がふつうです。後ろには自分ではどうにもならなかった結果が来るので、意志や依頼の文は続きません。初級の「あまり〜ない」(「あまり好きじゃない」)とは別の使い方です。 |
| イAかったです/イAくなかったです | できる日本語 初級 第5課 | イ形容詞の過去の形で、休みの日や旅行などが終わったあとの感想を言います。肯定は最後の「い」を「かった」に、否定は第4課の「くないです」を「くなかったです」にします。ST2 では「楽しかったです」「おいしかったです」「寒かったです」のように、「どうでしたか」に答える形としてまず肯定を定着させ、否定を足します。文法の用語で言えばイ形容詞のタ形(過去)で、過去は「い」の部分が受け持ち、「です」は丁寧さを足すだけです。 |
| イAくV/ナA・NにV(形容詞の副詞的用法) | できる日本語 初中級 第7課 | 形容詞や名詞を動詞の前に置いて、どのように動作をするかを言う形です。料理の説明では「細かく切ります」「よく混ぜます」「きれいに並べます」「半分に切ります」のように、切り方・混ぜ方・並べ方をくわしく伝えるのに欠かせません。イ形容詞は「〜く」、ナ形容詞と名詞は「〜に」になり、「いい」は「よく」になります。 |
| イAくします/ナA・Nにします | できる日本語 初中級 第7課 | 人が意図して物の様子を変えることを表します。料理では「火を弱くします」「少し甘くします」「肉を一口の大きさにします」のように、味や大きさ、火の加減を調整するのに使います。初級の「〜くなります/〜になります」は様子が自然に変わることで「火が弱くなります」、こちらは人が変えるので「(人が)火を弱くします」と、助詞も「が」と「を」で違います。第2課の「Nにします」(コーヒーにします)は選ぶ・決める意味で、ここの「大きさにします」とは別だと区別しておきます。 |
| イAくて、〜/ナA・Nで、〜 | できる日本語 初級 第8課 | 形容詞や名詞の文を二つつなぐ形で、イ形容詞は「〜い」を「〜くて」に、ナ形容詞と名詞は「で」にします。人を説明するときに「兄は背が高くて、やさしいです」「母は元気で、明るいです」のように、特徴を続けて言えます。つなぐ二つは、どちらもよいこと、またはどちらもよくないことにするのが自然で、よいことと悪いことを並べるときは第4課の「〜が、〜」を使うことが多いです。形容詞と名詞の「テ形」(中止の形)で二つの性質を並べる形と整理できます。 |
| イAくないです/ナAじゃありません | できる日本語 初級 第4課 | 形容詞の否定の形です。イ形容詞は最後の「い」を「くない」に変えて「〜くないです」、ナ形容詞は名詞と同じく「〜じゃありません」です。相手の「〜ですか」に「いいえ」で答えるときや、ふるさとの町が大きくない、有名じゃない、と正直に伝えるときに使います。文法の用語では活用の一つで、イ形容詞は語の終わりが変わり、ナ形容詞は名詞と同じく後ろにつく形が変わる、という違いとしてまとめられます。 |
| イAくなります/ナA・Nになります | できる日本語 初級 第10課 | 「〜くなります」「〜になります」は、ものごとの状態が変わることを表します。イ形容詞は「い」を「く」に変えて「なります」、ナ形容詞と名詞は「に」をつけて「なります」です。外を歩いているときに「寒くなりましたね」「雨になりましたね」と変化を言い、「じゃ、中に入りませんか」と次の行動を持ちかけるのに使えます。前の状態と比べて「変わった」ことに焦点があるので、変わる前の様子を絵や時刻で先に見せると意味がつかみやすくなります。 |
| いただきます | できる日本語 初中級 第8課 | 「もらいます」の謙譲語で、先生・店長・大家さんなど目上の人や外の人から物をもらったことを、自分を低くして言う形です。主語はもらった人(わたし)で、くれた人は「に/から」で表し、文の形は「もらいます」と同じです。お世話になった人のことをほかの人に話すときにも、その人本人に「〜をいただきました」と言うときにも使います。「食べます・飲みます」の謙譲語としても使う語なので、場面で区別させます。文法の用語では「もらう」の謙譲語Ⅰで、自分の動作を低くすることで、動作の向かう先(物をくれた目上の人)を高めます。 |
| いただきます/〜ていただきます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第35課 | 第14課の「もらいます」の敬語の形(自分の側を低くして言う謙譲の形)です。「わたし」や話し手の側の人が、目上の人から物を受け取るときに使います。受け取る人を「は」、渡した目上の人を「に」または「から」で表します。同じ出来事を、渡した人を主語にすると「先生がくださいました」、受け取った人を主語にすると「先生にいただきました」になります。何かをしてもらったときは「Vて+いただきます」で、「〜ていただきました」は自分が頼んでしてもらったときによく使い、「〜てくださいました」は相手が進んでしてくれた気持ちが出やすい、という傾向があります。食事の前の「いただきます」も同じ言葉です。 |
| いつ/〜はいつですか/〜月〜日 | できる日本語 初級 第1課 | 「いつ」は時を聞く疑問詞で、誕生日を聞くときは「誕生日はいつですか」と言います。答えは「〜月〜日です」。月は「〜がつ」で、4月(しがつ)・7月(しちがつ)・9月(くがつ)の読みが変わります。日は1〜10日・14日・20日・24日に特別な読み(ついたち・ふつか…とおか、じゅうよっか・はつか・にじゅうよっか)があります。 |
| いっしょに〜ませんか/〜ましょう | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第5課 | 相手を誘う言い方と、誘いを受ける言い方です。「いっしょに映画を見ませんか」は「〜ません」に「か」をつけた形ですが、ここでは否定の意味はなく、相手の気持ちをたずねながらやわらかく誘う言い方になります。誘われて応じるときは「ええ、見ましょう」と「〜ましょう」で受けます。「〜ましょう」は自分から「いっしょにしよう」と声をかけるときにも使いますが、相手がまだ決めていない場面では「〜ませんか」のほうがていねいです。断るときは「すみません、ちょっと…」のように、はっきり「〜ません」と言わないほうが自然です。 |
| いつも・よく・ときどき・あまり・全然 | できる日本語 初級 第9課 | どのくらいの回数その動作をするかを表す副詞です。多い順に「いつも」「よく」「ときどき」と並び、「あまり」「全然」は後ろに「〜ません」をつけて、少ないこと・まったくしないことを言います。趣味を話すときに「よく読みます」「あまり読みません」と添えると、相手の話に応じた返事ができます。 |
| 〜います/〜あります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第8課 | ものや人がある場所に存在することを言う文です。人と動物(自分で動く生き物)には「います」、ものと植物には「あります」を使い、場所には「に」をつけます。言い方は二つあり、「机の上に本があります」は〈その場所に何があるか〉を伝える文、「本は机の上にあります」は〈話題のものがどこにあるか〉を伝える文です。何があるかを聞くときは「何がありますか/だれがいますか」、どこにあるかを聞くときは「〜はどこにありますか/いますか」で、何もないときは「何もありません」「だれもいません」と答えます。文法の用語では、場所を先に言う「〜に〜があります」を存在文、話題のものの場所を言う「〜は〜にあります」を所在文と呼んで分けることがあり、「は」と「が」の使い分けを考える入口になります。 |
| いらっしゃいます | できる日本語 初中級 第1課 | 「います」の尊敬語で、目上の人や外の人が「いる」ことを、その人を高めて言います。アルバイトの電話では「店長さんはいらっしゃいますか」と、話したい人がいるかどうかをていねいに聞くのに使います。「行きます」「来ます」の尊敬語でもありますが、この課では「いる」の意味だけを使い、ほかの尊敬語は第7課でまとめます。自分や自分の側の人のことには使いません。 |
| い形容詞普通形、い形容詞文普通体 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第20課 | い形容詞の普通形は、丁寧形から「です」を取った形です。肯定「寒い」、否定「寒くない」、過去「寒かった」、過去否定「寒くなかった」。文の終わりにそのまま使えば普通体の文になります。質問は動詞と同じく「か」を付けず、文末を上げます。4つの形のうち新しい形は一つもなく、「です」を落とすだけなので、学習者がいちばん楽に入れる文型です。終助詞「ね」「よ」はそのまま付きます。 |
| 〜うえに…だ | 学ぼう!にほんご 初中級 第10課 | ある事がらに、同じ向きの事がらをもう一つ重ねて、「それだけでなく、さらに」と言う形です。よい点によい点を重ねる(安いうえに、おいしい)か、困った点に困った点を重ねる(狭いうえに、駅から遠い)のが基本で、重ねることで評価がいっそう強くなります。初級Ⅰの「〜し、…し」より少しかたい響きで、後ろの文に「〜も」が入ることが多いです。題の「…だ」が示すように、後ろには様子や評価を言う文が来て、「〜てください」「〜ましょう」のような相手への働きかけは来ません。 |
| 〜うちに | 中級から学ぶ日本語 第3課 できる日本語 中級 第2課 できる日本語 中級 第7課 | ある状態が続いている間に、その状態が変わる前に何かをする、と言う形。「温かいうちに食べる」は「冷めるとおいしくなくなるから、今のうちに」という気持ちで、後ろには話し手がする・したいこと(勧め・依頼も)が来ることが多い。「忘れないうちに」「暗くならないうちに」のようにない形に付くと「〜になる前に」に近いが、「そうなると困る」という気持ちが強く出る。もう一つ、「〜ているうちに」の形で、ある動作を続けている間に気づかないうちに変化が起きた(話しているうちに眠くなった)という使い方もある。文法の見方では、時を表す従属節の一つで、前の節は「変わる前の状態」を表す。 |
| 〜うちに/ないうちに | 学ぼう!にほんご 中級 第28課 | 初中級では、「熱いうちに食べる」「雨が降らないうちに帰る」のように、状態が変わる前に、今のうちに何かをする使い方を学びました。この課では、もう一つの使い方の「〜ているうちに」を中心にします。ある動作や状態が続いている間に、話し手が意図しないまま、気がつくと変化が起きていた、という意味で、「話しているうちに、外が暗くなっていた」「何度も聞いているうちに、歌を覚えてしまった」のように使います。後ろには「〜なった」「〜てきた」「〜てしまった」「〜ようになった」のような自然な変化が来て、話し手の意志の動作は来ません。「知らないうちに」「気がつかないうちに」も、気づかない間に変化が起きていた、という同じ仲間です。一方、前の使い方の「〜ないうちに」は、「冷めないうちに」「忘れないうちに」のように、手順の中で急ぐところを伝える指示に向いています。 |
| 〜うちに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第2課 | 「Aの状態が続いている間に、Aが変わってしまう前にBをする」という意味です。熱いうちに(冷める前に)食べる、明るいうちに(暗くなる前に)帰る、若いうちに(年を取る前に)いろいろな経験をする、のように、Aはいつか終わる・変わる状態で、話し手には「変わってからでは遅い、だから今」という気持ちがあります。後ろには「〜する」「〜たほうがいい」「〜ておく」のような、話し手がそうしたい・そうするべきだと考える動作が来ることが多いです。このほかに「話しているうちに眠くなった」のように「Aをしている間に、気がつくと変化が起きていた」という使い方もありますが、この課では前の使い方を中心にします。 |
| 〜うちは | 中級から学ぶ日本語 第3課 | ある状態が続いている間は〜だ、とその期間の様子を言う形。「慣れないうちは大変だ」と言えば、「慣れたら大変ではなくなる」というあとの変化が、言わなくても伝わる。「は」が付くことで、その期間とそのあとの期間を比べる気持ちが出る。後ろには「大変だ」「大丈夫だ」「分からない」のような状態や判断が来ることが多く、「〜うちに」のように「今のうちにする」行動を言うのではない。「〜ないうちは〜ない」(自分で作ってみないうちは、手間は分からない)は、「〜してはじめて〜」に近い言い方になる。文法の見方では、「は」は取り立て(対比)のはたらきをしている。 |
| お〜/ご〜 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第36課 | 相手や目上の人の持ち物・家族・様子を表す名詞に「お」「ご」をつけると、その人を高めて言うことになります(お名前・お仕事・お荷物・ご家族・ご住所)。もう一つ、「お+ます形(ます を取った形)+ください」「ご+漢語+ください」は、第11課の「〜てください」をお客様や目上の人に向けて丁寧にした言い方で、受付・店・駅の案内でよく聞きます(お待ちください・お入りください・ご注意ください)。和語には「お」、漢語には「ご」がつくことが多いですが、「お電話・お時間・お元気」のように漢語に「お」がつく語もあります。なお「お茶・お金」の「お」は人を高めるのではなく、言葉をきれいに言うための「お」で、自分のことにも使います。 |
| お〈Vます形〉 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第50課 | この項目は謙譲の形「お〜します」の作り方として扱います。「持ちます→お持ちします」「待ちます→お待ちします」のように、ます形の「ます」を取った形の前に「お」を付け、後ろに「します」を続けると謙譲の形になります。謙譲語は、自分(や自分の側の人)の行為を低く言って、その行為が向かう相手を立てる言い方なので、主語はいつも自分です。荷物を持つ・傘を貸す・知らせる のように、相手のためにする行為や相手に向かう行為に使い、「〜ましょうか」を付けて申し出るときによく使います。もっと改まった場では「します」を「いたします」にして「お持ちいたします」とも言います。文化審議会の「敬語の指針」の分け方では、お〜します は謙譲語Ⅰの代表的な形で、お〜いたします は謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱ(丁重語)を重ねた形とされます。 |
| お〈Vます形〉/ごNください | みんなの日本語 初級Ⅱ 第49課 | 「〜てください」を、お客様や目上の人に向けて丁寧にした言い方です。和語の動詞は「お+ます形+ください」(待ちます→お待ちください、掛けます→お掛けください)、「利用します」のような漢語の動詞は「ご+漢語+ください」(ご利用ください、ご注意ください)になります。店・受付・駅・図書館の案内や、お客様に何かをすすめるときによく使います。特別な尊敬語がある動詞は「ご覧ください」「召し上がってください」のように、その語を使います。文法の上では「お〜くださる」の命令の形で、相手の動作を高めながら頼んだりすすめたりする言い方です。 |
| お〈Vます形〉になります | みんなの日本語 初級Ⅱ 第49課 | 「お+ます形(ます を取った形)+になります」で目上の人の動作を言う形です(帰ります→お帰りになります、待ちます→お待ちになります)。文型1の「〜(ら)れる」より丁寧に聞こえ、先生や上司に直接その人の動作を聞くときによく使います。ただし、ます形が1音の動詞(見ます・寝ます・います)と「します」、それに特別な尊敬語がある動詞(行きます・食べます など)はこの形にせず、文型3の語を使います。漢語の動詞には「ご利用になります」のような「ご〜になります」の形もありますが、この課の練習の中心は和語の動詞です。文化庁の「敬語の指針」の五つの分け方では、「お〜になる」も「〜(ら)れる」も尊敬語に入ります。 |
| お・ご〜です/お・ご〜でしょう | できる日本語 中級 第4課 | 相手の行為や状態を尊敬して言う短い形で、「お持ちです」は「持っています」、「お待ちです」は「待っています」、「ご利用です」は「利用します・利用しています」の尊敬の言い方です。初中級の「おVになります」より短く、受付や窓口の職員がよく使います。「〜でしょうか」にすると「〜ですか」よりやわらかい確かめの質問になり(「カードはお持ちでしょうか」)、「〜でしょう」で終わると相手の様子を推し量る言い方になります(「遠くからいらっしゃって、お疲れでしょう」)。相手のことにだけ使う形で、自分のことは「持っています」、自分が相手のためにするなら謙譲の「お持ちします」と言います。 |
| おVください/ごNください | できる日本語 初中級 第9課 | 店員が客に、何かをしてほしいとていねいに頼む尊敬の言い方です。第7課の「おVになります」と同じく相手の動作を高める形で、「Vてください」を客に向けた言い方にしたものと考えると分かりやすいです。言うのは店の側(内)の人から客(外)へで、同じ店の先輩や店長には使わず、「Vてください」「Vていただけませんか」を使います。漢語の名詞には「ご」をつけ(ご利用ください・ご注意ください)、「見る」「食べる」のように特別な尊敬語がある動詞はそちらを使います(ご覧ください・お召し上がりください)。 |
| おVします/ごNします | できる日本語 初中級 第7課 | 謙譲語で、自分が相手のために何かをするとき、自分の動作を低くして相手を高めます。訪問先では、荷物や皿を運ぶ・手伝いを申し出る・自分の国の写真を見せる、といったときに使い、第6課の「Vましょうか」と合わせて「お持ちしましょうか」の形で申し出によく使います。和語の動詞は「お+Vます(ますを取った形)+します」、「案内します」「説明します」のような漢語の「Nします」は「ご+N+します」になることが多いです(「お電話します」のような例外もあります)。第1課の「申します」「参りました」も広く言えば同じ謙譲語ですが、聞き手に改まって話すための、働きの違う形(謙譲語Ⅱ・丁重語)です。 |
| おVになります | できる日本語 初中級 第7課 | 多くの動詞から規則どおりに作れる尊敬語で、「お+Vます(ますを取った形)+になります」の形です。家の人がいつ帰るか、何を使うか、もう読んだか、など相手の動作を丁寧に聞く・話すときに使います。食べる・見る・行く・来る・いるのように特別な尊敬語がある動詞は、そちらを使います。また、見ます・寝ますのように「ます」を取ると一拍になる動詞は、この形にしません。 |
| お〜いたします/ご〜いたします | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第37課 | 「お〜します/ご〜します」の「します」を「いたします」(「します」を改まって言う語)に替えた形です。行為が向かう相手を立てるのは「お〜します」と同じですが、それに加えて、いま話を聞いている相手に対しても改まった丁寧さを表すので、「お〜します」より一段丁寧になります。先生や学校の上の人とのふだんの会話なら「お〜します」で十分で、店員がお客さんに、会社の人が取引先に話すとき、面接・アナウンス・仕事のメールのようなもっと改まった場面で「お〜いたします」がよく使われます。「お」と「いたす」が重なっていますが、誤りとされる二重敬語ではなく、ふつうに使われる形です。 |
| 〜おかげで/〜おかげだ | できる日本語 中級 第8課 | ある原因によってよい結果になったことを、感謝の気持ちを込めて言う形です。「先輩が教えてくれたおかげで、合格できた」のように、結果がよかったのはその人や物事のおかげだと伝えます。ST2 の記事では、感謝の言葉に「そのおかげでどうなったか」を添えると相手に伝わる、という使い方で出ます。悪い結果には ST3 の「せいで」を使い、「おかげで」を悪い結果に使うと皮肉に聞こえます(「きみのおかげで、遅刻したよ」)。「おかげさまで」は、元気かどうかなどを聞かれたときに相手の気づかいへの礼として使う決まった挨拶です。 |
| 〜おかげで… | 学ぼう!にほんご 初中級 第3課 | 前の部分(人・もの・出来事)が原因や理由になって、よい結果になったことを表します。理由を言うだけでなく、その原因に対する感謝の気持ちが入るのが「から」「ので」との違いで、お礼の言葉の中心になります。後ろには「〜できました」「〜なりました」のような、もう起きた結果を言う文が来ることが多いです。悪い結果の原因を言うときは第17課の「〜せいで」を使います。「おかげで」をわざと悪い結果に使うと、皮肉(相手を責める気持ち)に聞こえます。 |
| お〜します/ご〜します | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第37課 | 自分の行為を「お+ます形の ます を取った形+します」で言うと、その行為が向かう相手(目上の人・お客さん)を立てる謙譲語になります。主語は自分か、家族や同じ会社の人のような自分の側の人で、荷物を持つ・傘を貸す・本を借りる・知らせる のように、相手のためにする行為や相手に向かう行為に使います。第36課の「お〜になります」は相手が主語の尊敬語で、形はよく似ていても主語が反対です。「案内します・説明します・連絡します」のような「N+します」の動詞は、多くの場合「ご+N+します」になります。 |
| 〜おそれがある | できる日本語 中級 第5課 学ぼう!にほんご 初中級 第15課 学ぼう!にほんご 中級 第35課 | 「〜おそれがある」は、よくないことが起きる可能性があると知らせる言い方です。天気予報や速報、注意書きで使う硬い表現で、「大雨のおそれ」「土砂崩れのおそれがあります」のように使います。意味は「〜かもしれない」に近いですが、「かもしれない」はよいことにも悪いことにも使える会話の言い方なのに対して、「おそれがある」は悪いことにだけ使い、公の立場から注意をうながす響きがあります。 |
| お〜になります/ご〜になります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第36課 | 「お+ます形(ます を取った形)+になります」で目上の人の動作を高めて言います(帰ります→お帰りになります、待ちます→お待ちになります)。学習項目1の「〜れます/〜られます」より丁寧に聞こえることが多く、先生や上司に直接、その人の予定や動作を聞くときによく使います。「出席します」「利用します」のような漢語の動詞は「ご+漢語+になります」(ご出席になります・ご利用になります)になります。ます形が1拍の動詞(見ます・寝ます・います)や「来ます」「します」、それに特別な尊敬語がある動詞(行きます・食べます・言います など)はこの形にせず、学習項目4の語を使います。 |
| お名前は?/お国はどちらですか/お仕事は? | できる日本語 初級 第1課 | 初めて会った人に名前・国・仕事をていねいに聞く決まった言い方です。「お」をつけるのは相手のことを聞くときで、自分のことを言うときは「お」をつけません。「お名前は?」「お仕事は?」は文の後ろを省いた言い方で、上げ調子で聞きます。試験の見方で言えば、相手の側のものに「お」をつけて高める待遇表現の入り口で、自分の側(ウチ)と相手の側(ソト)を言い分ける最初の例になります。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 〜(が)いいんじゃない? | できる日本語 中級 第2課 | 友達や家族など親しい相手に、「〜がいいと思う」とやわらかく薦める・提案するくだけた言い方です。「〜がいいよ」と言い切るより、相手に判断を残すので押しつけに聞こえません。名詞のあとでは「〜がいいんじゃない?」(「が」は落ちることもある)、動作を薦めるときは「〜たらいいんじゃない?」「〜たほうがいいんじゃない?」になります。文末は上げ調子で言います。目上の人には使わず、「〜はいかがですか」「〜がいいと思いますが」にします。下げ調子でも「それでいいんじゃない↘」のようにふつうに勧められますが、強く言い切る感じになることがあります。 |
| 〜(か)と思うと/〜(か)と思ったら | できる日本語 中級 第14課 | 「Vた(か)と思うと/思ったら」で、ある出来事が起きたすぐあとに、続けて別の、多くは意外なことが起きた様子を表します。話し手が外から見た他人や物の動きに使い、自分の動作には使いません。後ろは実際に起きたことなので、意志・命令・依頼は来ません。「と思ったら」は話し言葉でもよく使い、「静かだと思ったら、みんな寝ていた」のように「どうしてだろうと思っていたら、実はこうだった」という発見を表す使い方もあります。同じく直後を表す「〜たとたん(に)」は自分の動作にも使える点が違います。 |
| (〜が)〜を占める/〜が占める | できる日本語 中級 第6課 | 全体の中で、あるものがどのくらいの部分・割合になっているかを表します。「森林が町の面積の7割を占める」のように、主語にその部分、「を」の前に全体の中の割合や部分を置きます。「〜が占める割合」のように名詞の前に置く形もよく使います。「〜は全体の7割だ」と同じ内容ですが、「占める」は書き言葉で、地理・統計の説明文やグラフの説明によく出ます。状態を言うので、文の終わりは「占めている」の形も多いです。 |
| 〜が(Vています) | できる日本語 初級 第10課 | 目の前でいま起きていることに気づいて、そのまま相手に伝えるとき、動作をしている人や動物に「が」をつけて「パンダが寝ていますよ」のように言います。話題として前から話していたものではなく、いま新しく目に入ったことを伝える「が」です。第7課の「Vています(動作の進行)」と組み合わせ、「〜ませんか」「〜ましょう」とつなげると、様子を見て一緒に動こうと持ちかけられます。文法の用語では、見たままを伝えるこの「が」を中立叙述の「が」と呼び、「は」との使い分けは試験でもよく取り上げられます。 |
| 〜が(〜人・匹)います | できる日本語 初級 第8課 | 家族やペットなど、人や動物がいることと、その数を言う形です。数は「が」のあと、「います」の前に入れます。人は「〜人」、犬や猫など小さい動物は「〜匹」で数え、聞くときは「何人いますか」「何匹いますか」です。家族を紹介するときは、自分の家族を「父・母・兄・姉・弟・妹」と呼ぶことも、この項目といっしょに練習します。文法の用語では存在文の仲間で、数(数量詞)が名詞から離れて動詞の前に置かれる形(遊離数量詞)にあたります。 |
| 〜が(〜枚)あります | できる日本語 初級 第6課 | 持っている物の数を言う形で、チケットや写真のような薄い物は「〜枚」で数えます。数は「チケットが2枚あります」のように、「が」のあと「あります」の前に置きます。誘うときに「チケットが2枚あります」と言うと、一緒に行こうという気持ちも伝わります。文法の用語では「2枚」のような数と助数詞のまとまりを数量詞と呼び、「が」のあとに離して置くこの形を遊離数量詞の文として説明できます。 |
| 〜が、〜 | できる日本語 初級 第4課 | 文の後ろに「が」をつけて、後ろに反対の内容や違う面を続けます。「小さいですが、にぎやかです」のように、よくない点とよい点を一文で言うと、紹介に正直さが出ます。主語につく「が」とは働きが違い、「です」「ます」の後ろについて文をつなぎます。文法の用語では逆接の接続助詞で、二つの文を一つの複文にします。 |
| 〜か/〜かどうか… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第32課 | 質問の文を、そのまま大きな文の中に入れる形です。「何・だれ・いつ・どこ・どう・いくら」などの疑問詞がある質問は「〜か」、「はい・いいえ」で答える質問は「〜かどうか」をつけて、「わかりません・知っていますか・覚えていません・調べます・聞いてみます・教えてください」などにつなげます。中の文は普通体ですが、名詞とな形容詞は「だ」をつけません(静かかどうか・休みかどうか・いつが休みか)。答えが分からないことを言ったり、人に何かを確かめてもらったりするときに使います。文法の用語では「間接疑問(埋め込み疑問)」と呼ばれる形で、疑問詞のある質問が「〜か」、「はい・いいえ」で答える質問が「〜かどうか」になる、と押さえておくと説明がぶれません。 |
| 〜が…います/…あります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第8課 | 人やものの数を言う形です。数に助数詞(数えるものの種類によって変わる言葉)をつけ、助詞をつけずに動詞のすぐ前に置きます。人は「ひとり・ふたり・3人(さんにん)・4人(よにん)」、決まった数え方(助数詞)がないものは「ひとつ〜とお」、紙のように薄いものは「〜枚」、車や機械は「〜台」、ペンのように細長いものは「〜本」、本やノートは「〜冊」です。第7課の「〜は…が―です」の形を使って「田中さんは子どもが3人います」と言えば、家族や持ち物の数も言えます。数を聞くときは「何人/何枚/何台いますか・ありますか」、ひとつ・ふたつで数えるものは「いくつありますか」です。「3つ」「2人」のような数と助数詞の組み合わせは数量詞と呼ばれ、「りんごが3つあります」のように名詞から離れて動詞の前に置く形は数量詞遊離(遊離数量詞)として扱われます。 |
| 〜が…をくれました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | ほかの人が「わたし」に物を渡したことを、渡した人を主語にして言う動詞です。物の動きは「あげます」と同じですが、受け取るのが「わたし」(または家族など自分の側の人)のときは「あげます」を使わず「くれます」を使います。受け取るのが「わたし」だと分かるときは「わたしに」をよく省きます。渡した人は「が」で示すことが多く、話題として言うときは「は」も使えます。授受表現の説明では、「くれます」は物が話し手の側に来るときにしか使えないという視点の制約が中心になります。 |
| 〜が…を〜てくれました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | ほかの人が「わたし」(や自分の側の人)のために何かをしてくれたことを、してくれた人を主語にして言う形です。テ形に「くれます」をつけます。「来ました」と言うだけなら事実ですが、「来てくれました」と言うと「わたしのために」「ありがたい」という気持ちが入ります。「わたしのために」という意味は「くれました」に含まれているので、元の動詞が「〜に」をとらないとき(手伝います・待ちます など)は「わたしに」をつけません。 |
| 〜があります | できる日本語 初級 第6課 | テスト・アルバイト・パーティー・お祭りのような予定や催しが「ある」ことを言います。第4課の「[場所]に〜があります」は物や建物がある(存在する)ことでしたが、ここでは決まった日や時間に何かが行われることです。誘いを断る理由として「アルバイトがあります」と言うときにもよく使います。 |
| 〜がある | 学ぼう!にほんご 初中級 第6課 | 初級で習った、物があることを言う形の復習です。この課では、地震のあとの部屋や事故の現場のように、どこに、何が、どんな状態であるかを並べて、その場の様子を伝えるのに使います。物の状態は「割れたコップ」「倒れた本棚」のように名詞の前に説明を付けて言います。また、「地震・事故・火事」のような出来事が起きたことも「〜がある」で言い、そのときは場所に「で」を使います(駅前で事故があった)。「本棚が倒れている」が物の変化の結果に注目するのに対して、「倒れた本棚がある」はその場にある物を一つずつ並べる言い方なので、部屋の様子を数え上げるときに使いやすくなります。 |
| 〜がいる | 学ぼう!にほんご 初中級 第6課 | 初級で習った、人や動物がいることを言う形の復習です。この課では、事故や地震の現場のように、その場にいない人にどこに、だれが、どんな様子でいるかを伝える文として使います。初めて伝える情報なので「場所に(は)〜がいる」の形にし、人の様子は「けがをした人」「泣いている子ども」のように名詞の前に説明を付けて言います。人数は「けが人が二人いる」のように「が」のあとに言うと、電話でも聞き取りやすくなります。運転手が乗っているタクシーのように、人が動かしている乗り物にも「いる」を使うことがあります。 |
| 〜か〜かのうちに | 学ぼう!にほんご 中級 第28課 | 前のことが起こるのとほとんど同時に、後ろのことが起こったことを表します。「終わるか終わらないか」のように同じ動詞を肯定と否定で並べ、「もう起こったのか、まだ起こっていないのか、はっきりしないくらいの時」という意味になります。「〜とすぐ」よりも間が短いことを強く言う形で、話し手の驚きやあきれた気持ちがこもることが多いです。後ろには実際に起こった出来事が来るので過去の文が多く、「〜しよう」「〜てください」のような意志・依頼・命令の文は来ません。 |
| 〜がきっかけで | できる日本語 中級 第1課 | ある出来事や物が始まりのひと押しになって、新しいことを始めたり、何かが変わったりしたことを表します。自己紹介で「アニメがきっかけで日本語を始めました」のように、日本語や趣味との出会いを語るのにぴったりです。「〜から/〜ので」はただの理由ですが、「きっかけ」は「それがなかったら始まらなかった、最初のできごと」という気持ちが入ります。似た形の「〜をきっかけに」も同じ意味で、やや書き言葉寄りです。動詞につくときの「の」は、文を名詞のまとまりにする形式名詞(準体助詞)の「の」です。 |
| 〜がきっかけで/をきっかけに | 中級から学ぶ日本語 第13課 | ある出来事がもとになって、何かを始めたり、気持ちや人との関係が変わったりしたことを言う。後ろには「〜ようになった」「〜始めた」「〜ことにした」など、始まりや変化の文が来るのがふつうで、事故や災害のような『原因→結果』(〜で電車が止まった)とは少し違い、間に人の気持ちや選択が入る。「〜がきっかけで」は出来事を話題にして経緯を説明する言い方、「〜をきっかけに」は出来事を区切りにして次の行動に移る言い方で、作文やニュースでは「〜をきっかけに」がよく使われる。前は名詞か、「Vたの/Vたこと」で名詞の形にした文が来る。 |
| 〜かけだ/〜かけの/〜かける | できる日本語 中級 第19課 | 「Vます形+かける」で、動作を始めて途中まで進んだが、まだ終わっていないことを表します(「読みかけの本」「書きかけのメール」)。後ろに名詞が来るときは「〜かけの+N」、文の終わりでは「〜かけだ」です。「壊れる・切れる・取れる」のような変化の動詞につくと、もう少しでそうなるところだという意味になり(「電池が切れかけている」)、壊れかけた物の状態を説明するのに使えます。「話しかける」「呼びかける」は「相手に向けて〜する」という別の動詞で、途中という意味はありません。 |
| 〜かけの… | 学ぼう!にほんご 初中級 第6課 | 「Vかけの N」は、ある動作を始めたが途中でやめて、まだ終わっていない物の状態を言う形です。「飲みかけのコーヒー」は、少し飲んで残っているコーヒーのことです。状況説明では、物が途中のまま残っていることから「だれかが急にその場を離れた」「何かがあって中断した」と、前に起きたことを伝える手がかりになります。また、「壊れる・消える・腐る」のように自然に変わる動詞につくと、「壊れかけのいす」のように、変化が始まっていて、もう少しでそうなる状態を表します。 |
| 〜がする | 学ぼう!にほんご 初中級 第6課 | 「〜がする」は、音・声・におい・味のように耳や鼻や舌で感じるものや、寒気・めまい・吐き気のような体の感じが、自然に起きて感じられることを言う形です。「台所から変なにおいがする」のように、だれがしたかではなく、感じたこと自体を言います。何の音かを具体的に言うときは、「『ドーン』という音がした」のように擬音語(音をまねた言葉)に「という」をつけます。目で見えるもの(光・煙・色)には使わず、「光が見える」「煙が出ている」と言います。 |
| 〜がたい | できる日本語 中級 第9課 学ぼう!にほんご 初中級 第20課 学ぼう!にほんご 中級 第25課 | 「そうすることが、気持ちの上でとても難しい・ほとんどできない」という意味で、信じる・理解する・忘れる・許す・言葉にするのような、心の動きにかかわる動詞と結びつきやすい形です。似た形の「Vにくい」は「読みにくい字」「歩きにくい道」のように物理的な難しさにも広く使い、「〜づらい」は話し手が感じる負担やつらさに重点があります。「〜がたい」はそれより硬い書き言葉で、感想文や評論のように、心を動かされた度合いを改まって言うときに使います。 |
| カタカナ語(Nって何ですか/Nのことです) | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 本文に出るカタカナ語(外来語)の読みと意味を確かめる項目です。あわせて、言葉の意味を尋ねる話し言葉「Nって何ですか」と、それに答える「Nのことです」を扱います。「って」は「は」の話し言葉の形で、相手が知らないかもしれない言葉を取り上げるときに使います。 |
| 〜がち | できる日本語 中級 第6課 | そうなることが多い、そういう傾向がある、という意味で、多くはよくないことに使います。天気なら「曇りがち」「雨がち」、体なら「病気がち」、行動なら「忘れがち」「遅れがち」のように言います。「〜やすい」は物の性質やそうなる可能性(このペンは書きやすい/割れやすい)にも使えますが、「〜がち」は回数が多いこと・その傾向に使い、よいことにはあまり使いません。「〜気味」は「少しそういう感じがする」という程度を表し、「風邪気味」「疲れ気味」のように今の状態に使います。 |
| 〜がちだ | 学ぼう!にほんご 初中級 第15課 | 「そうなることが多い」「そうなりやすい」という傾向を表します。多くは忘れる・遅れる・休む・病気になるなど好ましくないことに使い、話し手が意志でしているのではなく、つい・自然にそうなってしまう、という気持ちが入ります。天気(曇りがち)や季節の体調(冬は体を動かさなくなりがち)の話によく出て、「〜ので、気をつけましょう」と注意の文につながることが多いです。第2課の「〜気味」は「今、少しその様子がある」、「〜がち」は「何度もそうなる・そうなりやすい」で、見ている時間の長さが違います。 |
| 〜かどうか、〜 | できる日本語 初中級 第3課 | 「はい・いいえ」で答える質問を文の中に入れる言い方です。「進学するかどうか、まだわかりません」のように、するかしないか・そうかそうでないかがまだ決まっていないことを言います。疑問詞のある質問は「〈疑問詞〉か」、疑問詞のない質問は「〜かどうか」と分けて使います。文法の用語では「〈疑問詞〉か」と同じ間接疑問文で、「はい・いいえ」で答える疑問文(真偽疑問文)を中に入れる形です。 |
| 〜かと思うと | 学ぼう!にほんご 中級 第28課 | 前のことが起こったすぐあとに、続けて別のことが起こったことを表します。後ろには、前とは反対のことや予想しなかった変化が来ることが多く、話し手の驚きがこもります。「〜かと思う」は「〜したのだな、と思う」ということなので、話し手が外から見たほかの人や物・天気などの様子を言う形で、自分の動作には使いません。後ろにも意志・依頼・命令の文は来ません。「〜ていたかと思うと」で、様子がくるくる変わることも言えます。会話では「〜かと思ったら」がよく使われます。なお、「将来のことを思うと、不安になる」のような、ふつうの「〜と思うと(考えると)」とは別の形です。 |
| 〜かな/Vようかな | できる日本語 初中級 第14課 | 決められないことや分からないことを、ひとりごとのように口に出す言い方です。「何がいいかな」は迷っている気持ち、「花にしようかな」は自分がこれからすることを考えている途中の気持ちを表します。友達との会話で使うくだけた言い方ですが、相手に直接質問しているわけではないので、丁寧に話している相手の前で迷いを口にするときにも出てきます。ST2 では、プレゼントを選ぶ相談で、迷っていることを相手に見せて、案を出してもらうきっかけになります。文法の用語では、終助詞「か」に「な」が重なった形で、聞き手に答えを求めない疑い(ひとりごとの疑問)を表すモダリティの形です。意向形に付くと、まだ決めていない自分の意志を表し、「Vようと思っています」のように決めたことを相手に伝える形とは違います。 |
| 〜か〜ないかのうちに | できる日本語 中級 第15課 | 「AかAないかのうちに」で、A が終わるか終わらないかというほとんど同時のタイミングで次のことが起こったことを表します。SNS の記事なら「投稿するかしないかのうちにコメントがつき始めた」のように、反応の速さを言うのに使えます。「〜たとたん」は「〜したすぐあとに意外なことが起きた」と意外さが中心で、「〜とすぐ」はただ続けて起こることですが、「か〜ないかのうちに」は A がまだ終わりきっていないくらい速いことを強調します。後ろには実際に起きたことを述べる文が来て、「〜しよう」「〜してください」のような意志や依頼は来ません。 |
| 〜かなと思って | できる日本語 中級 第7課 | 誘ったり、何かを渡したり、声をかけたりするときに、「(相手は)〜かもしれないと思ったので」と理由をやわらかく添える形です。「興味があるかなと思って」と言うと、相手の気持ちを決めつけずに、相手のことを考えて声をかけたことが伝わり、断る余地も残せます。後ろの「誘いました」「声をかけました」は言わずに「〜かなと思って。」で止めることが多いです。「〜と思って」だけだと理由をはっきり言う感じになります。くだけた話し言葉なので、目上の人には「〜かと思いまして」のほうが丁寧です。 |
| 〜かねない | できる日本語 中級 第15課 学ぼう!にほんご 中級 第35課 | 「Vかねない」で、よくないことが起こる可能性があるという心配や警告を表します。「個人情報が悪用されかねない」のように、そのままにしておくと悪い結果になりうる、という言い方です。「〜かもしれない」はよいことにも悪いことにも使える推量ですが、「〜かねない」は悪い結果にだけ使います。「〜おそれがある」も悪いことの可能性ですが、ニュースや公式の文書向きでさらに硬く、「〜かねない」はラジオの解説や会話でも使えます。形には「ない」がついていますが、意味は「〜するかもしれない」で、打ち消しではありません。 |
| 〜かねます | できる日本語 中級 第10課 | 動詞のます形の語幹に「かねる」をつけて、「そうしたい気持ちはあるが、立場や事情があってできない」と、ていねいに断る形です。店や駅、ホテルなどが客の希望を断るときに使い、「お答えいたしかねます」「お預かりいたしかねます」のように「いたしかねます」の形でよく聞きます。泳げない・読めないのような能力がないことには使いません。形は「〜かねない」とよく似ていますが、「〜かねない」は「悪いことが起こるかもしれない」という意味で、まったく別の表現です。 |
| 〜かねる | 学ぼう!にほんご 中級 第25課 | しようとしても、したい気持ちがあっても、自分の立場や気持ち、その場の事情から見て、することができないことを表します。能力が足りなくてできないのではなく、「するのは適当ではない」「責任が持てない」という判断なので、客や目上の人の頼みを丁寧に断るときに「〜しかねます」の形で多く使われます(「お答えしかねます」「お引き受けいたしかねます」「分かりかねます」)。「できません」より柔らかく、店・窓口・ビジネスのメールでの決まった言い方として覚えさせます。もう一つ、「決めかねる」「言い出しかねる」のように、気持ちが決まらなかったり、ためらったりして、なかなかできない、という使い方もあり、課の題の「決めかねていました」はこちらです。第35課の「〜かねない」は「かねる」の否定の形ですが、意味は「できる」ではなく「(悪いことが)起こるかもしれない」になるので、続けて学ぶときに必ず並べて整理します。 |
| 〜かのようだ | 学ぼう!にほんご 中級 第35課 | 実際にはそうではない(またはそうだと確かめられない)のに、まるでそうであるように見える・感じられることを表します。初中級の「〜のようだ」(たとえ)は名詞に付けてたとえましたが、「〜かのようだ」は「何もなかった」「全部知っている」のような文の内容そのものをたとえに使えるのが特徴です。「まるで」といっしょに使うことが多く、「何もなかったかのように」「自分の家であるかのように」のような形で、人のふるまいや物事の見かけを描くときによく出ます。この課では、見かけと実際のずれに気づかせる言い方として扱い、「治ったかのように見えても、まだ休んだほうがいい」のように注意やアドバイスの前置きに使えることを示します。 |
| 〜かもしれません | できる日本語 初中級 第5課 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第33課 | 「〜かもしれません」は、そうである可能性があるが、はっきりはわからないときに使います。なくした物の場所を聞かれて「電車の中かもしれません」と見当を言えると、探す手がかりになります。初級の「〜と思います(推量)」はある程度そう考えている言い方で、「かもしれません」はそれより確かさが低く、ほかの可能性も残しています。文法の用語では話し手の判断を表すモダリティの形で、「と思います」「でしょう」より確かさが低いことが試験でも問われます。普通形に付くので、名詞・ナ形容詞で「だ」が落ちる点は「〜と思います」との大きな違いです。 |
| 〜から(に)は | できる日本語 中級 第14課 | 「AからにはB」で、Aという立場や決定になった以上、当然Bすべきだ・Bするつもりだと言います。後ろには「〜なければならない」「〜べきだ」「〜つもりだ」「〜たい」「〜てください」「〜はずだ」のような義務・決意・希望・推量が来て、ただの理由の「〜から」より強い覚悟や当然さが出ます。「からには」と「からは」は意味がほぼ同じで、「からには」がよく使われます。似た「〜以上(は)」と言い換えられることが多く、「〜上は」はさらに硬い言い方です。 |
| 〜からいうと | 学ぼう!にほんご 中級 第24課 | 「Nからいうと、…」は、Nという観点・立場から見て判断すると…だ、ということを表します。Nには「〜の面」「〜の点」「〜の立場」「経験」「常識」のように、物事を見る面や判断のよりどころを表す名詞がよく来ます。「からいえば」「から言って」もほぼ同じ意味です。この言い方がある文は、評価が一つの面からのものだという印なので、文章では「Aの面からいうと〜だが、Bの面からいうと…」のように、二つの面を比べる形でよく出ます。近い言い方の「〜からすると」は、「親からすると」のように人を表す名詞にもつきますが、「からいうと」は人に直接つけるより「〜の立場からいうと」の形にするほうが自然な傾向があります。 |
| 〜からいうと/〜からいって/〜からいえば | できる日本語 中級 第16課 | 「Nからいうと」は、Nの立場・観点・根拠から判断するとという意味で、後ろに話し手の判断や意見が来ます(「経験からいうと」「費用の面からいえば」)。「からいって」は「あの成績からいって、合格は間違いない」のように、根拠から推し量る判断によく使います。ST4 では、自分の経験や相手の今の状況を根拠に挙げて、相手を後押しするのに使います。第11課の「〜からすると/〜から見ると」も近い意味ですが、「親からすると」のように人に直接つけられるのに対して、「からいうと」は人に直接つけにくく、「親の立場からいうと」のように「立場」「目」などを入れます。 |
| 〜からして | できる日本語 中級 第7課 学ぼう!にほんご 中級 第38課 | 「〜からして」には主に2つの使い方があります。1つは「いちばん基本的なところや最初の部分がもう〜だから、ほかはもちろん」という使い方で、「名前からして面白い」「話し方からして違う」のように、一つの例で全体の印象を言います。もう1つは「〜から判断すると」という使い方で、「あの口ぶりからして、何か知っているようだ」のように判断の根拠を表します。交流の体験を話すときには、出会った人の第一印象を伝えるのに使えます。マイナスの評価にもよく使われます。「〜から見ると」(第11課)は立場や視点を言う形で、「一つの例から全体を言う」この使い方とは違います。 |
| 〜からすると/からすれば | 学ぼう!にほんご 中級 第31課 | 「Nからすると」「Nからすれば」は、Nの立場・観点に立って判断するとという意味で、後ろにはその立場から見た判断や評価が来ます。「学生の立場からすると」「利用者からすれば」のように、人や立場を表す名詞に付くことが多く、文章では、書き手がどの立場から意見を言っているかを示す目印になります。もう一つ、「この空の色からすると、夕方には雨になりそうだ」のように、Nを手がかりにして推し量るとという使い方もあり、こちらは後ろに「〜そうだ」「〜だろう」「〜らしい」のような推量の形が来ることが多くなります。「からすると」と「からすれば」の意味の違いはほとんどなく、会話でも文章でも使えます。 |
| 〜からすると/〜からすれば/〜から見ると/〜から見れば | できる日本語 中級 第11課 | 「〜の立場や視点で考えると」の意味で、後ろにその立場から見た判断や評価を言います。結婚の話では「親の世代からすると」「若い人から見れば」のように、立場によって見え方が違うことを示すのに使います。「〜からすると/すれば」は「この数字からすると、〜だろう」のように判断の根拠を示す使い方もよくします。似た「〜にとって」(第3課)は後ろに「大切だ・難しい」のような評価が来やすく、「〜からすると」は意見や推測まで言えます。第8課の「〜にしたら/〜にすれば」は、その人の気持ちになって考える言い方です。 |
| 〜からです | できる日本語 初中級 第14課 | 先に言ったことの理由を、あとから文の終わりで説明する言い方です。「どうしてですか」と聞かれて「〜からです」と答える形と、「〜のは、〜からです」と結果を先に言って理由を後ろに置く形があります。理由が文の中心になるので、相手が理由を知りたいときにはっきり伝わります。ST2 では、プレゼントに選んだ理由や、自分の国でその物をあげない理由を説明するのに使います。文法の用語では、「〜のは〜からです」は理由を文の焦点に置く分裂文(強調構文)の形で、結果を「のは」で先に出し、新しく伝えたい理由を後ろに置きます。「〜ので」はこの形で文を結べないので、文の終わりで理由を言い切るのは「からです」になります。 |
| 〜からでないと | 学ぼう!にほんご 中級 第29課 | 「AてからでないとB」で、Aを先に済ませなければ、Bはできない・しない・してはいけないという順番の条件を表します。後ろには「〜ない」「〜できない」「〜てはいけない」「だめだ」「困る」のような否定や不可の言い方が来ます。「〜てから」が出来事の順番をそのまま言うだけなのに対し、「〜てからでないと」は、その順番を守らないと困るという決まりや話し手の判断を含むので、手続きの説明や「まずこれをしてください」というアドバイスにそのまま使えます。「〜てからでなければ」も同じ意味で、少し硬い言い方です。会話では後ろを言わずに「上司に確認してからでないと…」と止め、今すぐには答えられないことをやわらかく伝える使い方もよくあります。 |
| 〜からといって | できる日本語 中級 第12課 学ぼう!にほんご 中級 第33課 | 「〜という理由だけで、後ろのことがいつも当てはまるわけではない」と、ある理由から当然出てきそうな結論を打ち消す形です。後ろには「〜わけではない」「〜とは限らない」「〜ない」などの否定や、「〜のはおかしい」のような批判が来ます。番組の中では、「ジムに通っていないからといって、体力がつかないわけではない」のように、聞き手の思い込みを正すときによく使われます。単に理由を言う「〜から」とは違い、理由と結論の結びつきを否定するのがこの形の役目です。話し言葉では「〜からって」と縮まります。この課の「〜とは限らない」とよく組み合わさります。 |
| 〜からといって〜わけではない | 中級から学ぶ日本語 第10課 | 「AからといってBわけではない」は、「Aなら当然Bだ」と考えられがちなことを、「Aという理由だけでは、Bとは言えない」と打ち消す言い方。全部を否定するのではなく「必ずしもそうではない」と一部だけを打ち消すので、強すぎない反論や、相手の思い込みをやわらかく直すときに使える。前のAは事実として認めていて、そこから出てくる結論だけを打ち消している点が大事。「からといって」は話し言葉では「からって」とも言い、後ろには「〜わけではない」のほかに「〜とは限らない」「〜というわけではない」がよく来る。文法の用語では、部分否定の言い方の一つとして説明されることが多い。 |
| 〜から〜にかけて | できる日本語 中級 第1課 | 時間や場所のだいたいの範囲を表し、その範囲の中で何かがずっと、またはあちこちで起きることを伝えます。「夕方から夜にかけて雨」「関東から東北にかけて雪」のように、天気予報やニュースでよく使います。「〜から〜まで」は始まりと終わりがはっきりしているときに使い、「〜から〜にかけて」は境目がぼんやりしているときに使う点が違います。そのため、時刻をきっちり決めた予定(会議や授業)にはふつう使いません。格助詞の「に」と動詞の「かける」からできた形で、範囲の終わりの側をゆるく示す複合格助詞(後置詞)として扱われます。 |
| 〜から〜にかけて… | 学ぼう!にほんご 初中級 第15課 | 時間や場所のおおよその範囲を言う表現です。「AからBにかけて」で、Aのあたりで始まりBのあたりまでの幅の中で、あることが続いたり、あちこちで起きたりすることを表します。「〜から〜まで」が始まりと終わりをはっきり区切るのに対して、「〜にかけて」は境目がぼんやりしていて、その範囲にわたって、またはその範囲のどこかで起きることを言います。そのため、天気予報の時間帯(夕方から夜にかけて)や地域の広がり(関東から東北にかけて)、季節の傾向(6月から7月にかけて)によく使われ、営業時間や授業の時間のように時刻が決まっているものには使いません。 |
| 〜からには | 学ぼう!にほんご 中級 第22課 | 「〜以上(は)」とほぼ同じで、「〜のだから、当然〜」「〜するのなら、最後まで〜」という意味です。前にはもう決めたこと・始めたこと・決まった立場が来て、後ろには強い決意・義務・希望(〜たい・〜てほしい・〜つもりだ・〜なければならない)が来ます。「以上(は)」より会話でも使いやすい傾向があり、話し手の気持ちの強さが出る言い方です。「やるからには」「来たからには」のように、自分で選んだことを前に置いて、自分を奮い立たせるときによく使います。後ろに「〜だろう」を置いて、「〜するのだから、きっと〜だろう」という推測を表すこともあります。 |
| 〜から〜まで〈時間・期間〉かかります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第11課 | 「うちから駅まで20分かかります」のように、移動などにかかる時間を言う形です。「〜から〜まで」で出発点と到着点を示し、かかる時間は文型5と同じく助詞なしで「かかります」の前に置きます。手段を言うときは「電車で」のように「で」(第5課)を間に入れます。聞くときは「どのくらいかかりますか」です。この課の会話では、郵便局で荷物が着くまでの日数を聞く場面で使います。「かかります」はお金にも使え、「いくらかかりますか」と聞けます。文法の見方では、「かかります」はかかる物(時間・お金)を「が」で示す動詞で、「時間がかかります」「お金がかかります」と言えます。具体的な長さや金額は、文型5と同じく数量の語として助詞なしで前に置きます。 |
| 〜がる | 中級から学ぶ日本語 第1課 学ぼう!にほんご 初中級 第8課 | ほかの人の気持ち(ほしい・したい・こわい・寂しい・痛い・いや)を、外から見て「そういう様子だ」と言う言い方。自分の気持ちは「ほしい」「〜たい」で言えるが、他人の気持ちは本当は分からないので、態度や様子から判断して「〜がる」で言う。今の様子なら「〜がっている」、性格や繰り返しなら「〜がる」。「がる」が付くと動詞になるので、目的語の助詞は「が」から「を」に変わる(スマホがほしい→スマホをほしがる)。文法の用語では、気持ちや感覚を表す形容詞は話し手以外のことを言い切りにくい(人称の制限がある)ので、他人について言うときに付ける形と説明されることが多い。 |
| 〜かわりに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第14課 | 「かわりに」には大きく二つの使い方があります。一つは代わりにする(取り替え)で、「Aのかわりに、B」が「Aではなく、Bを使う・Bをする」という意味になります(ペンのかわりに鉛筆で書く/電車で行くかわりに、自転車で行く)。もう一つは交換・代償(つり合い)で、「Aかわりに、B」が「Aをしてもらう(Aといういいことがある)、その分Bをする(Bという悪いこともある)」という関係を表します(宿題を手伝ってもらうかわりに、昼ご飯をおごる/この部屋は広いかわりに、駅から遠い)。取り替えではAがなくなり、つり合いではAもBも両方あるのが違いです。アドバイスの場面では、相手の案を別の案に替えて示したり、「その代わり、〜てね」と条件を付けたりするのに役立ちます。 |
| 〜が嫌いです | 学ぼう!にほんご 初中級 第13課 | 初級で習った形の復習です。「嫌い」は「好き」の反対ですが、日本語でははっきり言うと強く聞こえるので、価値や好みを話す場面では言い方の強さを選ぶことが大切です。自分の好みとして食べ物や物事について言うのは問題ありませんが、相手の作った料理や相手が大切にしているものについて「嫌いです」と言うと、きつく聞こえます。やわらげるときは「あまり好きじゃありません」「苦手です」を使います。「Vのが嫌い/Vことが嫌い」の使い分けは「好き」と同じで、「約束を守らないことが嫌いです」のように、自分の価値観を言うのにも使えます。 |
| 〜が好きです | 学ぼう!にほんご 初中級 第13課 | 初級で習った形の復習です。この課では、自分が大切にしているものを語る場面で、好きなものを名詞(Nが好き)だけでなく、行動(Vのが好き/Vことが好き)でも言えるようにします。「のが好き」は会話でふつうに使う言い方で、具体的な動作やその時の楽しさを言うのに合います。「ことが好き」は少し改まった響きがあり、作文や自己紹介のように自分の好みをまとめて述べるときによく使われる傾向があります。どちらも言える場合がほとんどですが、「趣味は〜ことです」のように「です」の前に置くときは「こと」しか使えません。 |
| 〜が好きです/〜が好きですから、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第7課 | 「好き」「嫌い」はな形容詞で、好きなもの・嫌いなものには「が」をつけます。英語の like のような動詞ではないので「を」は使いません。強さは「とても好きです」「好きです」「あまり好きじゃありません」「嫌いです」の順で、「嫌いです」ははっきりした言い方です。後半の「から」は理由を表し、「〜が好きですから」のあとに、そのためにすること(予定・習慣・選んだこと)を続けます。第3課の「〜から…まで」の「から」は時間の始まりで、名詞のすぐあとにつきますが、理由の「から」は「です」「ます」の文のあとにつきます。 |
| 〜きり | 学ぼう!にほんご 中級 第27課 | 「Vたきり」で、ある動作をしたのを最後に、そのあと続いて起きるはずのことが起きないことを表します。「出かけたきり帰ってこない」「借りたきり返さない」のように、後ろには「〜ない」「〜ていない」が来ることが多く、話し手の心配・不満・あきらめがにじみます。前の文を受けて「それきり」「あれきり」とも言い、「去年の夏に一度会った。それきり、会っていない」のように使います。「Nきり」(二人きり・一度きり)は「〜だけ」の意味で別の使い方ですが、「会ったのは一度きりだ」のように、この課の意味とつながることもあります。会話ではよく「〜っきり」と言います。 |
| 〜きる | 学ぼう!にほんご 初中級 第20課 | 動詞のます形に「きる」をつけて、全部・残らず(お金を使いきる・料理を食べきる)、または途中でやめずに最後まで(10キロを走りきる・長い小説を読みきる)することを表します。量や距離が多くて、終わりまで行くのがたいへんなものによく使い、「全部できた」という達成の気持ちが出ます。「できない」と言うときは可能の形「〜きれない」を使い、「食べきれない(量が多くて全部は無理)」「数えきれない(数がとても多い)」のように言います。また、「疲れきる・困りきる」のようにすっかりその状態になる意味もあります。「待ちきれない」は、待っていられないほど楽しみだという気持ちの言い方です。 |
| 〜きる/〜きれる/〜きれない | できる日本語 中級 第16課 | 「Vます形+きる」は、最後まで全部する・残りがないことを表します(「全部食べきる」「お金を使いきる」「力を出しきる」)。「疲れきる」「困りきる」のように状態の動詞につくと「すっかり・完全に」の意味になります。「きれる」はその可能形で「全部〜できる」、「きれない」は量が多すぎたり気持ちが強すぎたりして「最後までできない」ことを表し、「数えきれない」「食べきれない」「待ちきれない」のように使います。「〜てしまう」も終わりまでを表しますが、残念な気持ちが入ることがあり、「きる」は全部・最後までに重点があります。ST5 の「〜ぬく」は、困難を乗り越えてやりとおす意志に重点がある点で違います。 |
| 〜くします/〜にします | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第20課 | イ形容詞の「〜い」を「〜く」に、ナ形容詞と名詞には「に」をつけて「します」を続けると、人が何かの様子をわざと変えることを表します。第15課の「〜くなります/〜になります」は様子が変わること、この課の「〜くします/〜にします」は人が変えることで、「なります」と「します」は、自動詞と他動詞のペアと同じ関係です(音が小さくなります/音を小さくします)。変える物には「を」をつけます。「いい」は「よくします」になります。 |
| 〜くせに | できる日本語 中級 第8課 | 「〜なのに」と同じく、前のことから予想されることと後ろのことが合わないことを表しますが、その人を非難したり軽蔑したりする気持ちが強く出ます。「自分は掃除しないくせに、人には文句を言う」のように、主に他人の態度への不満や愚痴で使います。前と後ろの主語は同じ人でなければなりません。「のに」は自分についての残念な気持ちにも使えて中立的なのに対し、「くせに」は感情的な話し言葉なので、目上の人に直接言うと強い非難になります。 |
| くださいます | できる日本語 初中級 第8課 | 「くれます」の尊敬語で、目上の人や外の人が自分(自分の側)に物をくれたことを、くれた人を主語にして高めて言う形です。くれた人は「が/は」で表します。ます形は「くださいます」、て形は「くださって」で、第1課・第7課の「いらっしゃいます」と同じように、ます の前が「い」になる特別な形です。文法の用語では「くれる」の尊敬語で、「いらっしゃる・おっしゃる・なさる」と同じく、ます形で「る」が「い」になる特別な活用をします。 |
| くださいます/〜てくださいます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第35課 | 第14課の「くれます」の敬語の形です。先生・上司・お客様のような目上の人が、「わたし」や、わたしの家族のような話し手の側の人に物を渡すときに「くださいます」を使います。渡す人は「が」(または「は」)で表し、受け取るのが「わたし」なら「わたしに」は言わないことが多いです。何かをしてくれたときは「Vて+くださいます」で、相手への感謝の気持ちが入ります。辞書形は「くださる」ですが、ます形は「くださります」ではなく「くださいます」になります。第11課の「〜てください」の「ください」も、もとはこの動詞の形です。 |
| 〜くなります | 学ぼう!にほんご 初中級 第18課 | 初級で習った、い形容詞の変化の言い方(高い→高くなります)の復習です。この課では、グラフやアンケートの変化を説明する場面で、数字と組み合わせて正確に言うことに絞ります。「〜から〜に長くなりました」の「に」は変わったあとの値、「1時間長くなりました」のように助詞をつけない数字は変わった差を表します。「多くなる」「少なくなる」は「増える」「減る」とほぼ同じ意味で、レポートやグラフの説明では「増える・減る」もよく使われます。「いい」は「よくなります」です。 |
| 〜くらい/〜ぐらい | できる日本語 中級 第9課 | 4 で学んだ程度の「くらい」とは別に、ここでは「それは大したことではない・少なくともそれだけは」という、軽く見る気持ちや最低限の範囲を表す使い方を扱います。「あいさつくらいは日本語で言える」「それぐらい自分でできるよ」「一回ぐらい失敗しても大丈夫」のように、「は」「なら」「でも」と一緒によく使います。名詞につくことが多く、「これくらい」「そのくらい」のようにこそあ言葉にもつきます。似た気持ちを表す「〜なんか」「〜なんて」は相手を軽く見る気持ちが強く出ることがあるので、「〜くらい」のほうが使いやすい場面が多い形です。 |
| 〜くらい/ほど | 学ぼう!にほんご 中級 第21課 | 初中級で学んだ「〜くらい」「〜ほど」は、どのくらいかを具体的なたとえで説明する形でした。この課では同じ形を、心が動いた大きさを相手に伝えるために使います。「涙が出るくらいうれしかった」「信じられないほど美しかった」のように、実際には起きていない、または起きそうな極端な例を前に置くことで、「とても」では伝わらない気持ちの強さを表します。「死ぬほど」「泣きたいくらい」のように本当にそうなるわけではない誇張も多く、聞き手もそれを分かって聞いています。文末で「〜くらいだ/ほどだ」と言うと、気持ちの大きさをたとえで締めくくることができます。「ほど」のほうが程度が強めに聞こえて少し硬く、作文やスピーチ向き、「くらい(ぐらい)」は会話でよく使われます。 |
| 〜くらい… | 学ぼう!にほんご 初中級 第8課 | ある状態の程度が大きいことを、「〜するくらい」のように具体的なたとえで示します。「信じられないくらい安い」は「とても安い」より、どのくらい安いのかが相手の頭に浮かびます。前には動詞の辞書形・ない形・「〜たい」、形容詞、名詞が来ます。初級の「10分くらい」(およその量)とは別の使い方で、この課では程度を表す「くらい」を扱います。また「くらい」には「これくらいの荷物なら一人で運べる」のように、程度が低い・大したことがないと軽く見る使い方もあり、こちらは「ほど」に置き換えられません。 |
| グラフの言葉 | 中級を学ぼう(中級前期) 第6課 | 円グラフ・折れ線グラフ・棒グラフを読んで説明するための語と言い方を整理する項目です。円グラフでは「〜が全体の〜%を占める」、棒グラフでは「〜が最大で、次いで〜」、折れ線グラフでは「伸びている」「横ばいだ」「減り続けている」「うなぎ上りだ」のように、グラフの種類ごとに使う言葉が決まっています。文型ではなく、発表やレポートで使う表現のまとまりとして扱います。 |
| くれます | できる日本語 初級 第8課 | ほかの人が「わたし」に物をくれるときの言い方で、くれる人を「は/が」で示します。もらう人は「わたし」か、自分の家族など自分の側の人です。「わたしに」はよく省き、「友達がCDをくれました」だけで「わたしに」の意味になります。「もらいます」と同じ出来事を、くれた人を主にして言う形で、くれた人への感謝の気持ちがこもることが多いです。 |
| 〜くれませんか | 学ぼう!にほんご 初中級 第1課 | 相手に、自分(または家族など自分の側の人)のために何かをしてほしいと頼む形です。初級で習った「〜てくれました」の「くれる」を頼みに使ったもので、「〜てください」より相手が断る余地を残すぶん、やわらかく聞こえます。「〜てくれますか」より、否定の形の「〜てくれませんか」のほうが丁寧です。友達や家族には「〜てくれない?」、目上の人や会社の人には「〜ていただけませんか」「〜ていただけないでしょうか」が自然で、「〜てくれませんか」はその中間、同じくらいの立場の人や親しい先輩などに向く言い方です。「〜てもらえませんか」「〜ていただけませんか」は「わたしがしてもらう」の形の頼み方で、意味はほぼ同じですが、少し丁寧に聞こえることが多いです。 |
| 〜げ | できる日本語 中級 第14課 | 形容詞などについて、人の様子からそういう気持ちが感じられることを表します。「楽しげ」「寂しげ」「不安げ」「得意げ」のように、外から見た人の表情や態度に使い、ナ形容詞のように「〜げな顔」「〜げに話す」と使います。様態の「〜そう」は「おいしそう」「雨が降りそう」のように物や天気にも広く使えますが、「〜げ」は主に人の気持ちに限られ、使える語も決まっていて、やや書き言葉的です。描写のスピーチで、見かけた人の様子を一言で生き生きと伝えるのに役立ちます。 |
| 〜げ(=そう(様態)) | 中級を学ぼう(中級前期) 第5課 | 人の気持ちや物の様子が、外から見てそう感じられることを言う形です。「寂しげ」「楽しげ」「不安げ」「得意げ」「満足げ」のように気持ちを表す語のほか、「涼しげ」「怪しげ」のように様子を表す語にも付き、な形容詞として活用します(寂しげな顔・寂しげに笑う・寂しげだ)。「〜そうだ(様態)」とよく似ていますが、「げ」は気持ちや様子を表す一部の語にしか付かず使える語が限られ、やや書き言葉的で文学的な感じがします。人を観察して言う形なので、目上の人の様子に使うと失礼になります。 |
| ご・お〜いたします | できる日本語 中級 第10課 | 初中級で習った謙譲の「おVします/ごNします」の「します」を「いたします」にした形で、一段とていねいな謙譲表現です。話し手(とその側)が、聞き手のために何かをすることを、へりくだって伝えます。ガイドやホテル・駅の人が「ご案内いたします」「お知らせいたします」「お荷物をお預かりいたします」のように使うので、まずは聞いて、だれがだれに何をするのかがわかることを目標にします。「行く・見る・言う」などはこの形にせず、特別な謙譲語(参ります・拝見します・申し上げます)を使います。 |
| ごNします | みんなの日本語 初級Ⅱ 第50課 | 「案内します→ご案内します」「説明します→ご説明します」のように、「N+します」の動詞で、Nの前に「ご」を付けて謙譲の形にする文型です。意味とはたらきは文型1の「お〜します」と同じで、主語は自分、相手のためにする行為や相手に向かう行為に使います。「ご」が付くのは主に漢字の言葉(漢語)の名詞ですが、「お電話します」のように「お」が付く語もあるので、出てきたものから一つずつ覚えます。「勉強します」「運動します」のように相手に向かわない行為には使いません。「敬語の指針」の分け方では、ご〜します は お〜します と同じく謙譲語Ⅰの形で、「ご〜いたします」にすると謙譲語Ⅱの丁寧さも重なります。 |
| ここ/そこ/あそこは〜です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第2課 | 第1課の「これ/それ/あれ」が物を指す言葉だったのに対して、「ここ/そこ/あそこ」は場所を指す言葉です。話し手のいる所が「ここ」、聞き手のいる所やその近くが「そこ」、二人から離れた所が「あそこ」です。話し手と聞き手が並んで同じ所にいるときは、二人のいる所が「ここ」、少し離れた所が「そこ」、遠い所が「あそこ」になります。場所の名前を聞くときは「ここはどこですか」と「どこ」を使います。 |
| ここ・そこ・あそこ/こちら・そちら・あちら | できる日本語 初級 第2課 | 場所を指す言葉で、話し手の近くが「ここ」、聞き手の近くが「そこ」、二人から遠いところが「あそこ」です。「こちら・そちら・あちら」は同じ場所や方向をていねいに言う形で、店員や案内係が客に話すときによく使います。第1課の「お国はどちらですか」の「どちら」も同じなかまです。売り場を聞いた客には「あちらです」と返ってくることが多いので、聞いてわかることを先に固めます。日本語学では指示詞(こそあど)の現場指示の使い方で、話し手と聞き手が離れて向き合うときは「自分の領域・相手の領域・どちらでもない所」で分け(対立型)、二人が並んで同じ側にいるときは「二人の近く・少し離れた所・遠い所」で分けます(融合型)。教室ではまず向き合った形で3つを固め、並んだ形はつまずきの手当てで扱います。 |
| ここはNです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第3課 | ここ・そこ・あそこ は場所を指す指示詞です。話し手のいる場所が「ここ」、聞き手のいる場所が「そこ」、2人から離れた場所が「あそこ」で、第2課の これ・それ・あれ と同じ3つの分け方です。「ここはNです」は、話し手が今いる場所や指している場所が「何の場所か」を言う文で、質問は「ここはどこですか」です。文法用語で言えば、コソアド(指示詞)のうち目の前の場所を指す「現場指示」の用法で、話し手と聞き手の位置で指す先が決まるダイクシスの典型です。 |
| 〜こそ | 学ぼう!にほんご 中級 第21課 | ほかのものではなく、まさにそれだと、一つのものを取り立てて強く言う形です(取り立て=文の中の一つの語を特別に目立たせること)。「は」「が」「を」の代わりに使って「これこそ、ずっと探していた本だ」のように言い、感激や確信が強いときに出ます。決まった言い方として、あいさつの「こちらこそ」、前に失敗したことを次は必ず、という「今度こそ」「今年こそ」があります。理由を強く押し出す「〜からこそ」は、「ほかの理由ではなく、まさにそれが理由だ」という言い方で、感謝や主張を伝える文によく使われます(あなたが支えてくれたからこそ、最後まで続けられた)。 |
| 〜こそ/〜からこそ | できる日本語 中級 第2課 | 「Nこそ」は、ほかではなくまさにそれだと強く取り立てる言い方で、広告では「今こそ」「この冬こそ」のように、今が買いどき・行きどきだと強く呼びかけます。「〜からこそ」は理由を強めて、ほかの理由ではなく、まさにその理由でと言います。「手作りだからこそ、この味が出せる」のように、話し手が大事だと思う理由に使い、「から」よりも主張が強くなります。「は」「が」とちがって話し手の評価や意志が込められるので、だれでも分かるただの事実を言うときには向きません。書き言葉でも話し言葉でも使えますが、広告やスピーチのような強い調子になります。 |
| 〜こと(指示) | できる日本語 中級 第5課 | 文の終わりに「Vること/Vないこと」を置き、決まりや指示を短く書く言い方です。掲示・規則・試験の注意・学校のお知らせなど書かれたものに使い、「〜てください」よりも命令に近い、事務的な響きがあります。会話で人に直接言うことはほとんどなく、先生が規則を読み上げるような場面に限られます。避難の掲示では、してはいけないことを「〜ないこと」で、手順を「〜こと」で並べることが多いです。 |
| 〜ことか | 学ぼう!にほんご 中級 第21課 | 「なんと〜ことか」「どんなに〜ことか」「何度〜ことか」の形で、言い尽くせないほど気持ちが強いことを、感嘆(詠嘆=心から感じ入って言うこと)として表します。形は疑問文のようですが、相手に質問しているのではなく、答えを求めない言い方で、文末は下げて言います。必ず「なんと」「どんなに」「どれほど」「何度」「何回」のような程度や回数を表す言葉といっしょに使い、これらが無いと文として不自然になります。やや書き言葉寄りで、作文・手紙・スピーチや、強い気持ちを込めて振り返る話で使われます。良い気持ち(うれしい・美しい)にも、つらい・あきれた気持ちにも使えます。 |
| 〜ことがあります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第16課 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第34課 | タ形に「ことがあります」をつけて、今までにそれをした経験があるかどうかを言います。「いつしたか」ではなく「今までに一度でもしたか」を言う形なので、きのう・先週のような特定の時の言葉とはいっしょに使いません。経験がないときは「〜たことがありません」、全然ないことを強めるときは「一度も〜たことがありません」です。「〜たことがありますか」と聞かれたら、「はい、あります」「いいえ、ありません」と「あります」だけで答えられます。文法の用語では、過去の一回の出来事を言う「〜ました」に対して、「〜たことがあります」は今の時点でその経験を持っているかを言う形として扱われ、テンス・アスペクトの話では「経験」の用法と呼ばれます。なお、辞書形に「ことがあります」をつけると「ときどきそうする」の意味になり、この課の形とは別のものです。 |
| 〜ことがある/〜こともある | できる日本語 中級 第3課 | 「V辞書形+ことがある」は、いつもではないが、ときどきそうなる・そうする、という頻度を表します。初級で学んだ「Vたことがある」(経験)とは、前の動詞の形が違うだけで意味が変わる点に注意させます。「〜こともある」は「ふだんは違うが、そういう場合もある」と例外を添える感じが強く、発表で「毎朝勉強しているが、起きられないこともある」のように、自分の習慣を正直に補うのに使えます。書き言葉では「〜場合がある」が近い意味です。 |
| 〜ことができます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第15課 | 「〜ことができます」は、二つの意味で使います。一つは人の力で、練習してできるようになったこと(泳ぐことができます・ピアノをひくことができます)です。もう一つはその場所や決まりのうえでできること(この図書館では本を2週間借りることができます)です。名詞だけで言えるときは「日本語ができます」「サッカーができます」と「Nができます」を使い、助詞はどちらも「が」です。できないときは「〜ことができません」、聞くときは「〜ことができますか」と言います。 |
| 〜ことから | 中級から学ぶ日本語 第19課 できる日本語 中級 第6課 学ぼう!にほんご 中級 第24課 | 「Aことから、B」で、Aという事実や様子をもとに(理由・きっかけ・根拠にして)、Bということになった・Bと判断できる、と言う書き言葉の言い方。よく使うのは三つで、①名前や呼び名の由来(形が星に似ていることから「星の砂」と呼ばれている)、②あることが始まったきっかけ(駅から近いことから、留学生に人気が出た)、③見えている事実からの判断(電気が消えていることから、もう帰ったと分かる)。「から」「ので」が自分の事情や気持ちの理由にも使えるのに対して、「ことから」は事実を客観的に示して、そこから導かれることを言うので、説明文やニュース、読み物に多い。後ろに依頼・誘い・意志の文は来にくい。 |
| 〜ことだ | 中級から学ぶ日本語 第7課 できる日本語 中級 第15課 学ぼう!にほんご 中級 第36課 | 「〜するのがいちばん大切だ」「〜しなさい」と、相手に勧めたり忠告したりする言い方。先生・先輩・親など、経験のある人が目下の人や友だちに、短く言い切ることが多い。「〜ないことだ」は「〜しないほうがいい」という忠告。一般論として「学生は〜ものだ」と言う第6課の「〜ものだ」と違い、「〜ことだ」はいま目の前の相手のいまの問題について言う。目上の人に使うと、上から言っているように聞こえる。 |
| 〜ことだから | 学ぼう!にほんご 中級 第35課 | 話し手と聞き手がどちらもよく知っている人の性格やいつもの様子を理由にして、「その人なら、きっと〜だろう」と先を予測するときの形です。「Nのことだから」の N には人を表す言葉(田中さん・あの子・うちの部長)が多く入り、前に「まじめな」「時間に厳しい」のような説明が付くこともあります。後ろには「〜だろう」「〜に違いない」「きっと〜はずだ」のような推量や判断が来ることが多い形です。よい予測(「あの人のことだから、うまくやるだろう」)にも悪い予測(「あの人のことだから、また遅れるだろう」)にも使えます。アドバイスの場面では、予測を言ってから「だから早めに連絡しておいたほうがいい」と、それに合わせた行動をすすめる流れでよく使います。 |
| 〜ことだし | できる日本語 中級 第3課 | 今の状況の一つを理由として挙げ、それを受けて「だから〜しよう」と提案や決心を言う、くだけた話し言葉の形です。後ろには「〜よう」「〜ませんか」「〜たらどう?」「〜ことにする」など、話し手の意志や誘い・すすめが来るのがふつうです。理由を並べる「〜し」と似ていますが、「〜ことだし」は「(ほかにも理由はあるけれど)こういう事情もあるのだから」と、提案に持っていく気持ちがよりはっきりします。「〜から」「〜ので」のようにはっきり原因を言う形ではなく、軽く背中を押す理由です。 |
| 〜ことだろう/〜ことか | できる日本語 中級 第18課 | どちらも話し手の強い気持ちをこめて「とても〜だ」と言う、書き言葉やスピーチの言い方です。「〜ことか」は「どんなに・なんと・何度」などのことばと一緒に「どんなに〜ことか」の形で、実際に感じている・感じた気持ちを強く言います(あの川でどんなに楽しく遊んだことか)。「〜ことだろう(ことでしょう)」も同じように感動を表すほか、ほかの人の気持ちやこれから起きることを想像して「きっととても〜だろう」と言うときにも使います(あの川がなくなったら、村の人はどんなに寂しく思うことでしょう)。第14課の「なんて〜んだろう」は目の前のことに驚く会話の言い方です。形は質問に似ていますが、答えを求める文ではありません。 |
| 〜ことで | できる日本語 中級 第3課 | ある行動をした結果、後ろのような変化やよい効果が生まれる、という手段と結果の関係を表します。生活の工夫を話すときに「スマホをしまうことで、早く眠れるようになった」のように、何をしてどうなったかを1文で言えます。「〜て」でも手段は言えますが、「〜ことで」のほうが「その行動がもとになって」という関係がはっきりします。さらに硬い言い方が「〜ことによって」で、レポートや記事で使います。目的を言う「〜ために」とは向きが逆で、「〜ことで」の後ろには目的ではなく結果が来ます。 |
| 〜ことなく | できる日本語 中級 第18課 学ぼう!にほんご 中級 第22課 | 「V辞書形+ことなく」は、「〜しないで」「〜せずに」と同じく、ある動作をしないまま後ろのことをすることを表します。硬い書き言葉で、ニュース・記事・スピーチに出ます。「一日も休むことなく」「一つも無駄にすることなく」のように、ふつうならしてしまいそうなこと・起きそうなことが起きずに最後までやりとげた、という文脈で使われやすく、ニュースでは取り組みのよい点を強調します。「傘を持たないで出かけた」のような日常の付帯状況を「ことなく」で言うと大げさになります。 |
| 〜ことに | 中級を学ぼう(中級前期) 第4課 学ぼう!にほんご 中級 第21課 | 「残念なことに」「驚いたことに」のように、気持ちを表す語に付けて文の頭に置き、これから言うことに対する話し手の感想を先に述べる形です。後ろには、すでに起きたことや決まっていることが来ます。話し手がこれからしようとすること(意志・命令)には続きません。書き言葉やスピーチで多く、会話では「残念だけど」「びっくりしたんだけど」のように言うほうがふつうです。 |
| 〜ことに(は) | できる日本語 中級 第10課 | 「驚いたことに」「うれしいことに」のように、気持ちを表すことばに「ことに(は)」をつけて文の頭に置き、これから言う事実について話し手がどう感じたかを先に示す形です。旅の紹介では、聞き手に「ここが話の山だ」と知らせる働きがあります。前に来るのは「驚く・困る・うれしい・残念だ・ありがたい・不思議だ」など気持ちを表す語にほぼ限られ、後ろには実際にあったこと(事実)が来ます。後ろに「〜したい」「〜てください」のような意志や依頼は来ません。やや書き言葉的ですが、まとまった話の中ではよく使われます。 |
| 〜ことにしている/していた | 中級から学ぶ日本語 第2課 | 自分で決めたことを、習慣やルールとして続けていることを言う。「毎朝7時に起きる」は事実だけだが、「毎朝7時に起きることにしている」と言うと、そう決めて守っているという気持ちが出る。「〜ことにしていた」は、前はそう決めて続けていたこと(いまは違う、またはそのときはそうしていた)を言う。寮や会社・法律などの決まりは「〜ことになっている」で言い、「ことにしている」は話し手(主語)が自分に決めたルールに使う。 |
| 〜ことにします/〜ということ | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第34課 | 「〜ことにします」は、話し手が自分で考えて、これからすることを決める言い方です。「〜ことにします」はその場で決めるとき、「〜ことにしました」はもう決めたことを人に伝えるときに多く使います。第12課の「Nにします」は物を選ぶ(カレーライスにします)言い方で、動作を決めるときは「こと」を入れて動詞をつなぎます。第23課の「〜つもりです」は前から持っている考えを言い、「〜ことにしました」は「決めた」という点に目が向きます。決めたのが自分ではなく会社・学校などのときは学習項目3の「〜ことになりました」になり、この区別がこの課でいちばん大切です(なお、自分で決めて続けている習慣を言う「〜ことにしています」もありますが、ここでは触れる程度にします)。「〜ということ」は、文の内容をひとまとめにして「そのこと」として扱う形で、「知っています・知らせます・伝えます・聞きました・忘れました」などの前に置いて、聞いた話や決まったことの中身を伝えるときに使います。 |
| 〜ことにする/した | 中級から学ぶ日本語 第2課 | 自分で考えて、何かをする(しない)と決めることを言う。「〜ことにした」は、決めたという結果を人に伝えるときに一番よく使い、「〜ことにする」はその場で決めるとき(じゃあ、今日は休むことにする)に使う。決めるのは話し手(主語)自身で、会社や学校、まわりの事情で決まったときは「〜ことになる」を使う。予定を言う「〜つもりだ」と比べると、迷ったり考えたりしたあとの「決定」という気持ちがはっきり出る。 |
| 〜ことになった | できる日本語 中級 第7課 学ぼう!にほんご 初中級 第11課 | 自分の意志だけで決めたのではなく、まわりの事情や話し合い、ほかの人の決定で「〜することに決まった」と伝える形です。体験談では「教える係を担当することになった」のように、活動の中で起きた変化を伝えます。自分で決めたことでも「〜ことになりました」と言うと、控えめに報告する感じが出ます。自分で決めたことをはっきり言うときは「〜ことにした」(初中級で学習)を使い、「〜ことになっている」は規則や予定が今も続いている状態を言います。 |
| 〜ことになっている | 学ぼう!にほんご 初中級 第11課 学ぼう!にほんご 中級 第30課 | 学校・会社・寮・社会などの決まりや習慣、前から決まっている予定を表します。決めたのは話し手ではなく、規則や組織、まわりとの取り決めで、「〜するように決まっていて、今もそれが続いている」という状態を述べる言い方です。お知らせ・規則・手続きの説明でよく出てきます。「〜なければならない」が義務を直接言うのに比べて、決まりとして客観的に述べるので、言い方がやわらかくなります。否定の「〜ないことになっている」は「してはいけない」という決まりを表すことが多く、話し言葉では「〜ことになってる」と縮まります。 |
| 〜ことになります/〜ことになりました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第34課 | 話し手が自分で決めたのではなく、会社・学校・家族などほかの人が決めたこと、またはいろいろな事情の結果としてそう決まったことを言います。「〜ことにします」は話し手が自分で決める、「〜ことになります」は話し手以外が決める・成り行きでそうなる、という違いで、「する」と「なる」の違いがそのまま意味の違いになっています。「〜ことになりました」は決まったことを人に知らせる形で、転勤・引っ越し・予定の変更などの報告やあいさつによく使います。自分で決めたことでも、結婚・帰国などを人に知らせるときに「〜ことになりました」と言うと、自分の考えを前に出さない控えめな言い方になり、日本語ではよく使われます。「〜ことになります」は、もう決まっている予定や、ある事情からそうなる結果を説明するときに使い、規則や決まりは「〜ことになっています」と言います。 |
| 〜ことには | 学ぼう!にほんご 中級 第29課 | この課では「〜ないことには」の形で、Aしなければ(Aでなければ)、Bはできない・始まらないという前提の条件を表します。Aには、物事を先に進めるためにどうしても必要なこと(実際に見る・本人に聞く・お金が集まる・体が元気だ)が来て、後ろには「わからない」「何とも言えない」「始まらない」「〜できない」のような否定的な結果が来ます。「〜なければ」に近いですが、後ろが肯定にならないことと、「まずそれがそろわないと話にならない」と前提を強く押し出す響きがあることが違います。学習項目1の「〜からでないと」とはよく言い換えられますが、「〜からでないと」が順番(先にAを済ませる)を言うのに対し、「〜ないことには」は必要な前提(Aがそろっていること)を言うので、「体が丈夫でないことには」のように形容詞や名詞の状態にも付けられます。なお、「驚いたことには」のように肯定の形に付く「〜ことには」は、気持ちを強める別の使い方で、第21課の「〜ことに」の仲間です。 |
| 〜ことは〜が | できる日本語 中級 第14課 | 同じ語をくり返して「AことはAが、〜」と言い、Aであることは一応認めるが、十分ではない・問題があると後ろで留保をつける形です。客の注文に「できることはできますが、時間がかかります」と答えると、頭ごなしに断らずに事情を伝えられます。似た「〜けど」は前と後ろの関係を問いませんが、「〜ことは〜が」は前を部分的に認めることに重点があります。「行ったことは行ったが」のように過去形でも使え、会話では「〜ことは〜けど」とも言います。二重否定の「〜ないことはない」とは別の形です。 |
| 〜ことはない | できる日本語 中級 第8課 学ぼう!にほんご 初中級 第14課 学ぼう!にほんご 中級 第32課 | 「そうする必要はない」と相手に伝え、気持ちを楽にさせる言い方です。「そんなに心配することはないよ」のように、落ち込んだり不安になったりしている人を励ますときや、遠慮している人に「わざわざ〜しなくていい」と言うときによく使います。「Vなくてもいい」が単に必要がないことを述べるのに対し、「ことはない」は相手の心配や遠慮を打ち消して励ます気持ちが強く出ます。上から助言するように聞こえることもあるので、目上の人には「〜なくても大丈夫ですよ」などを使うほうが無難です。 |
| この/その/あのN1はN2 のです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第2課 | 「このかばんはわたしのです」のように、「この/その/あの」を名詞の前に付けて物を指す文型です。「これ/それ/あれ」が一語で物を指すのに対して、「この/その/あの」は必ずうしろに名詞が続き、それだけでは使えません。近い・聞き手の側・遠い、の使い分けは文型1と同じです。「これ」で指すか「このN」で指すかの違いは、ここでは「名詞が続くか続かないか」だけで教えます。 |
| この/その/あの〜は…円です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第2課 | 「この/その/あの」は後ろに必ず名詞をつけて、たくさんある物の中から一つを取り出して指す言葉です。第1課の「これ/それ/あれ」はそれだけで物を指せますが、「この」はそれだけでは使えず、「このペン」「その傘」のように名詞といっしょに使います。どれを使うかは第1課と同じで、話し手の近くが「この」、聞き手の近くが「その」、二人から遠い物が「あの」です。値段を聞くときは「いくらですか」と言い、「…円です」で答えます。 |
| このN・そのN・あのN | できる日本語 初級 第2課 | 「この・その・あの」は名詞の前について、どの物かを指します。分け方は「これ・それ・あれ」と同じで、物の名前を言いながら指したいときや、同じ種類の物がいくつも並んでいて一つを選ぶときに使います。店で「このかばん」「あのシャツ」と言えると、何を見たいか、何を買いたいかが店員にはっきり伝わります。文法の用語では「この・その・あの・どの」は連体詞(指示連体詞)で、単独では主語や目的語になれません。ここが代名詞の「これ・それ・あれ」との境目で、「*このはいくらですか」の誤りはこの区別が付いていないところから出ます。 |
| これ/それ/あれはN1 ですか、N2 ですか | みんなの日本語 初級Ⅰ 第2課 | 「これはボールペンですか、シャープペンシルですか」のように、二つの候補を並べて「どちらですか」と聞く文型です。普通の「ですか」の質問と違って、答えは「はい」「いいえ」ではなく、「ボールペンです」のように当てはまるほうの名詞で答えます。前の「ですか」は上げて読み、まだ続くことを示します(後ろの「ですか」は上げても下げても自然です)。文法用語では選択疑問文と呼び、「はい・いいえ」で答える真偽疑問文や、「何」を使う疑問詞疑問文と区別します。 |
| これ/それ/あれはN1 のです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第2課 | 「これはわたしの傘です」の「傘」のように、何の話をしているか分かっている名詞を落として、「これはわたしのです」と言う形です。「の」は残るので、「わたしのです」は「わたしの物です」という意味になります。この課で名詞を落とす練習をするのは持ち主の「の」(文型4)のあとだけです。また、人を表す名詞は落とせません(「田中さんは日本語学校の学生です」を「田中さんは日本語学校のです」とは言いません)。落とせるのは、聞き手にも何の物の話か分かっているときだけです。 |
| これ/それ/あれはNです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第2課 | 目の前の物を指して「これは本です」のように名前を言う文型です。「これ」は話し手の近くにある物、「それ」は聞き手の近くにある物、「あれ」は話し手からも聞き手からも遠い物を指します。話し手と聞き手が同じ場所に並んでいるときは、二人の近くが「これ」、少し離れたところが「それ」、遠くが「あれ」になります。物の名前を聞くときは「これは何ですか」と、第1課の「ですか」に疑問詞「何(なん)」を入れます。文法用語では「これ・それ・あれ」は指示詞(コソアド)で、目の前の物を指すこの使い方を現場指示といいます。 |
| これ/それ/あれは〜です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第1課 | 「これ・それ・あれ」は物を指す言葉で、話し手と聞き手の位置で選びます。話し手の近く(手に持っている物・自分の前にある物)は「これ」、聞き手の近くの物は「それ」、二人から離れた所にある物は「あれ」です。文の形は学習項目1と同じ「〜は…です」で、「〜」の位置に「これ・それ・あれ」が入るだけです。名前が分からない物は「これは何(なん)ですか」と聞き、聞き手の近くの物について聞かれたら、答える側から見ると自分の近くなので「それ」が「これ」に替わります。文法用語では、「これ・それ・あれ」は指示詞(いわゆるこそあど)で、目の前の物を指すこの使い方は現場指示と呼ばれます。話し手の領域と聞き手の領域を分けて「こ」と「そ」を選ぶ型(対立型)と、二人が並んで同じ側から見るときに近くを「こ」、少し離れた所を「そ」、遠くを「あ」とする型(融合型)があり、この課ではまず対立型を、教師と学生が向かい合う形で見せます。 |
| これ/それ/あれは〜の…です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第1課 | 「の」は名詞と名詞をつなぎ、前の名詞が後ろの名詞をくわしく説明します。この課の中心は「わたしのノート」「田中さんのかさ」のような持ち主を表す「の」で、ほかに「英語の辞書」(内容)、「日本の車」(どこの物か)のような使い方もあります。順番は必ず「説明する名詞 → の → 物の名詞」で、逆にはなりません。持ち主を聞くときは「だれの〜ですか」、内容を聞くときは「何(なん)の〜ですか」と、「の」の前に疑問の言葉を入れます。文法用語では、名詞と名詞をつなぐこの「の」は連体修飾の助詞で、前の名詞が後ろの名詞を修飾します。持ち主・内容・産地のように前と後ろの関係がいろいろあっても形は一つなので、学習者は関係ごとに別の言葉を覚える必要はなく、「前の名詞が説明」とだけ押さえればよいのが教えやすい点です。 |
| これ・それ・あれ | できる日本語 初級 第2課 | 物を指す言葉で、話し手の近くの物が「これ」、聞き手の近くの物が「それ」、二人から遠い物が「あれ」です。ST1 の「ここ・そこ・あそこ」と同じ分け方なので、場所の輪の絵をそのまま使います。名前を知らない物でも指して「これはいくらですか」「それは何ですか」と聞けるので、買い物ではとても役に立ちます。相手が「それ」と言った物は、自分の近くにあれば「これ」で答えます。 |
| こんな〜/そんな〜/あんな〜/どんな〜 | できる日本語 中級 第3課 | 名詞の前について、「このような〜」の意味で物の様子や種類を指します。「このN」が特定の一つを指すのに対し、「こんなN」は「このような種類・様子の〜」を指し、驚き・感心・不満などの気持ちが加わることがよくあります。聞き取りでは、相手が今話したことは「そんな」で受け、話し手が自分の側のことや今から話すことは「こんな」で指す、という使い分けが手がかりになります。「あんな」は話し手と聞き手が両方知っていること、「どんな」は様子や種類を聞くときに使います。改まった場面では「このような」「そのような」に言い換えます。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 〜(さ)せていただきます | できる日本語 中級 第10課 | 使役の「(さ)せる」に「〜ていただく」がついた形で、「相手の許しを受けて、自分がそうする」という気持ちを表す、へりくだった言い方です。ガイドや司会、店の人が、これから自分がすることを客に知らせるときによく使います(「ご案内させていただきます」「休憩とさせていただきます」)。前に習った「〜(さ)せていただけませんか」は許可を求める形ですが、この形は許可を得たものとして知らせる形です。「ご・お〜いたします」よりも「相手の許しや恩恵を受けて」という意味合いが強く、使いすぎるとくどく聞こえることがあります。 |
| 〜(さ)せていただけませんか | できる日本語 中級 第8課 みんなの日本語 初級Ⅱ 第48課 | 自分がしたいことを、相手に認めてもらえるよう丁寧に頼む言い方です。使役のテ形「休ませて」に「いただけませんか」がつき、「わたしが休むことを許してもらえないか」という意味になります。初中級の「Vていただけませんか」が相手に何かをしてもらう依頼なのに対し、この形はする人が自分である点が違います。「Vてもいいですか」より丁寧で、目上の人や仕事の場面に合い、「〜させていただけないでしょうか」とするとさらに丁寧になります。 |
| 〜(さ)せられる | できる日本語 中級 第13課 | 使役受身(初中級第13課)の形で、ここでは作品に触れて自然とそういう気持ちや考えになったことを表します。「考えさせられる」「感動させられる」「驚かされる」「泣かされる」のように感情・思考の動詞と結びつき、気持ちを起こしたのは作品のほうだという言い方です。「感動した」は自分の気持ちを言うだけですが、「感動させられた」には作品の力で、思った以上に心が動いたという評価がこもり、作品をほめる言い方になります。受身の「考えられる」(=そう考えることもできる・可能性がある)とは意味がまったく違います。 |
| 〜(さ)せる(誘発) | できる日本語 中級 第8課 | 使役の形で、ある人の行動が原因になって、ほかの人にある気持ちを起こさせることを表します(誘発の使役)。「親を心配させる」「友達を怒らせる」「みんなを笑わせる」のように、心配する・怒る・困る・笑う・泣く・がっかりする・驚くなどの気持ちの動詞に使います。初中級で学んだ使役が「命令して・許してさせる」だったのに対し、こちらはそうしようと思っていなくても、結果として相手の気持ちを動かしてしまうことも表せます。気持ちが起こる人は「を」で表します。 |
| 「さえ・しか・こそ」の整理 | 中級を学ぼう(中級前期) 第8課 | 形も位置も似ている3つの助詞を並べて整理する項目です。3つとも「が」「を」の代わりに名詞の後ろに付いて、その名詞を取り上げて目立たせる働き(取り立て)をします。「さえ」は「水さえ飲めない」のように極端な例を挙げて「ほかはもちろん」と言うか、「〜さえ〜ば」の形で条件を一つに絞ります。「しか」は必ず「〜ない」と一緒に使い、「それ以外は全部ない」と限定します。「こそ」は「ほかではなく、まさにこれ」と強く指し示します。 |
| 〜さえ | 中級から学ぶ日本語 第11課 できる日本語 中級 第7課 | いちばん簡単なこと、ふつうなら当然できる・あるはずのことを一つ取り上げて、「それさえできない(ない)のだから、ほかのことはもちろんだ」と、極端な例で程度を強める言い方。否定の文で使うことが多い(ひらがなさえ読めない)が、肯定の文でも「ふつうなら考えにくい人・ものでも」の意味で使う(子どもでさえ知っている)。話し手の驚き・不満・あきれた気持ちがこもることが多い。文法の用語では取り立て助詞(ある語を取り出して、ほかのものとの関係を示す助詞)の一つで、「も」「まで」「すら」と同じ仲間。「〜さえ〜ば」(それだけで十分だという条件)は別の使い方で、第19課で扱う。 |
| 〜さえ/でさえ | 学ぼう!にほんご 中級 第38課 | 極端な例を一つ挙げて、「それでもそうなのだから、ほかは当然だ」と分からせる形です。「水さえ飲めなかった(水のような簡単なものも飲めなかったのだから、食事はもちろん無理だった)」のように、ふつうなら当然できる・当然知っているはずのものを挙げると、状況のきびしさが伝わります。「が」「を」の位置では「が」「を」の代わりに「さえ」を置き、「に」「と」「で」などはそのあとに付けて「親にさえ」「友達とさえ」とします。主語に立つ人やものを挙げるときは「Nでさえ」の形がよく使われ、「専門家でさえ答えられない問題」のように、その人ですらそうなのだから、ほかの人はなおさら、という意味になります。初中級で学んだ「〜さえ…ば…」(それだけあれば十分という条件)とは、同じ「さえ」でも働きが違います。 |
| 〜さえ…ば | 学ぼう!にほんご 中級 第34課 | 初中級で学んだ「〜さえ…ば」の復習です。「ほかのことはどうでもいい、その一つの条件さえ満たせば、それで十分だ」と、必要な条件を一つに絞って言います。この課では、説明やアドバイスの最後に「これさえ〜ば大丈夫です」とまとめる使い方に集中すると、目標の「上手に説明する」にそのままつながります。また、「あのとき〜さえしていれば」のように過去のことに使うと、そうしなかったことを悔やむ気持ちになることも短く確かめておきます。 |
| 〜さえ…ば… | 学ぼう!にほんご 初中級 第13課 | 「AさえBば、C」で、Aという一つの条件がそろえば、それだけで十分にCになる(ほかのことは問題にならない)という意味です。価値を言う場面では「これさえあれば幸せだ」のように、話し手がいちばん大切だと思うものを強調するのに使います。後ろには「いい・大丈夫だ・できる・〜になる」のような、条件が満たされたときの結果が来ます。「ば」のない「さえ」(漢字さえ読めない)は「〜も」に近い別の意味(極端な例を出す)なので、この課ではいつも「ば」と組にして練習します。 |
| 〜さえ〜ば | 中級から学ぶ日本語 第19課 できる日本語 中級 第12課 | 「Aさえ〜ば、B」で、Aという条件が一つそろえば、それだけでBが成り立つ(ほかの条件は要らない)と言う言い方。話し手の気持ちは「これだけで十分」「これさえあれば大丈夫」で、後ろにはよい結果が来ることが多い(地図さえあれば一人で行ける)。後ろに「〜のに」が付くと「そのたった一つがなかったから、うまくいかなかった」という残念な気持ちになる(あと5分さえあれば、全部解けたのに)。第11課の「〜さえ」(いちばん当然のことさえない)とは、後ろが否定か条件かで別の使い方になる。文法の見方では、取り立ての「さえ」と条件の「ば」が組んで、条件をそれ一つに絞り、それで十分だと言う表現。 |
| さしあげます/〜てさしあげます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第35課 | 第14課の「あげます」の謙譲の形で、「わたし」や話し手の側の人が、先生・上司・お客様のような目上の人に物を渡すときに使います。渡す人を「は」、受け取る目上の人を「に」で表します。主に、目上の人に物を渡したことをほかの人に話すときや、改まった文章で使います。何かをしてあげるときの「Vて+さしあげます」は、敬語の形になっても「あなたのためにしてあげる」という意味が残るので、目上の人に面と向かって「荷物を持ってさしあげます」と言うと、恩を着せるような、押しつけがましい言い方に聞こえます。目上の人に手伝いを申し出るときは「持ちましょうか」や、第37課で習う「お持ちしましょうか」のような言い方にします。 |
| さすが/さすがに/さすがの〜も | 中級から学ぶ日本語 第15課 | 3つの形で意味の向きが違う。「さすが(だ)」「さすが(は)N(だ)」は、評判や期待どおりの結果を見て感心する気持ちで、人をほめるときに使う(さすがプロだ)。「さすがに」は、ふだんは平気なことでも「この場合はやはり〜」と言う形で、後ろに「疲れた」「無理だ」「寒い」のような限界を表す語が来ることが多い(感心の意味で使うこともある)。「さすがの〜も」は、力があると認められている人や物でも、この場合は思いどおりにならなかった、と言う形で、後ろはふつう「〜できなかった」「困った」のような結果になる。3つとも「前から知っている評判・ふだんの様子」と「今の結果」を比べている点が共通で、文法の見方では話し手の評価を表す言い方の一つになる。 |
| 〜させてください/〜ていただけませんか | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第39課 | 「〜させてください」は、使役形のて形に「ください」を付けて、自分がしたいことを相手に許してほしいと頼む言い方です。動作をするのは話し手で、相手は許す人です(きょうは早く帰らせてください=わたしが早く帰ることを許してください)。第13課の「〜てもいいですか」が許可があるかどうかを聞く言い方なのに対して、「〜させてください」は自分の気持ちをはっきり伝えて頼むので、仕事を引き受けたいとき(その仕事はわたしにさせてください)にも使います。「〜ていただけませんか」は、第35課の「〜ていただきます」の可能形「いただけます」を否定の疑問にした形で、相手に何かをしてほしいときのとても丁寧な頼み方です。二つを合わせた「〜させていただけませんか」は、目上の人に自分がしたいことの許可を丁寧に頼むときに使います。 |
| 〜ざるを得ない | 中級から学ぶ日本語 第11課 できる日本語 中級 第19課 学ぼう!にほんご 中級 第25課 | 「本当はしたくない(するつもりはなかった)が、事情があって、ほかに選べる道がないので、そうするしかない」という気持ちを言う。話し手の不本意な気持ちが前に出るのが特徴で、喜んでする行動には使わない。「〜と言わざるを得ない」「認めざるを得ない」のように、言いたくない判断を「そう判断するしかない」と述べる使い方も多く、論説文や改まった報告でよく見る。かたい言い方なので、友だちとの会話では「〜しかない」「〜なきゃいけない」がふつう。文法の用語で言えば、義務や必要を表すモダリティ(話し手の判断や態度を表す表現)の仲間で、「〜なければならない」に「やむを得ず」の気持ちが加わったものと見ることができる。 |
| 〜し、〜(並列) | できる日本語 初中級 第6課 | 文の普通形に「し」をつけて、同じ方向のことがら(よいことならよいこと)を二つ以上並べる言い方です。「お寺も多いし、町もきれいです」のように「〜も〜し、〜も〜」の形でよく使い、一つずつ挙げて重ねていく感じがあります。行きたい場所のよいところを重ねて言うと、提案に説得力が出ます。ていねいな会話では「多いですし」のように前を「です・ます」にすることもあります。 |
| 〜し、〜(理由) | できる日本語 初中級 第6課 | 理由をいくつか挙げて、そこから結論(提案や判断)につなげる言い方です。「近いし、安いし、温泉はどうですか」のように、理由を「し」で重ねてから最後に言いたいことを言います。理由を一つだけ言っても、「ほかにも理由がある」という感じが出ます。「〜から」が一つの理由をはっきり示すのに対し、「し」は理由を並べて挙げるときに向いています。会話では結論を言わずに「〜し」で止めることもあります。 |
| 〜し、…し、―/〜し、…から、― | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第19課 | 理由や特徴をいくつか並べて、だから―だ、と言う言い方です。「この図書館は静かだし、広いし、よく来ます」のように、理由を二つ三つ重ねて言います。並べるのはふつう同じ向きのこと(どちらもいいこと、どちらも困ること)です。「し」の前は第17課の普通の形で、ナ形容詞と名詞は「静かだし」「雨だし」と「だ」が要ります。最後の理由に「から」をつけて「〜し、…から、―」と言うこともでき、理由が一つだけでも「し」を使うと、ほかにも理由がある感じが出ます。文法の用語では理由を並べる接続で、「から」と比べて理由を一つに決めず、ほかにも理由があることをにおわせる言い方だと説明されます。 |
| 〜しかない | できる日本語 中級 第13課 学ぼう!にほんご 初中級 第14課 | 「V辞書形+しかない」で、ほかに方法がないので、そうするより仕方がないという気持ちを表します。あきらめ(「待つしかない」)にも、覚悟(「やるしかない」)にも使います。初中級の「Nしか〜ない」(「三十枚しか撮れない」=それだけ)は数や名詞につく限定で、この課の形は動詞の辞書形につく点が違います。同じ意味の「〜ほかない」(第19課)はやや硬く、「〜ざるを得ない」はさらに書き言葉的で、気が進まないことを仕方なくするときに使います。「しかない」は会話でも文章でも使えます。 |
| 〜じゃない?/〜んじゃない? | できる日本語 中級 第3課 | どちらも上げ調子で言い、話し手の考えを相手にやわらかく伝える、くだけた話し言葉です。「イA・ナA・N+じゃない?」は、話し手がそう思っていることを「〜でしょう?」と相手に確かめたり同意を求めたりする形で、「それ、いいじゃない?」のような評価によく使います。「〜んじゃない?」は「たぶん〜だと思う」という推量や、「〜たらいいんじゃない?」のような控えめな提案を表します。下げ調子で言うと「静かじゃない(=静かではない)」という否定になるので、聞き取りでは上げ調子かどうかが意味の分かれ目です。丁寧に言うときは「〜んじゃないですか」、改まった場では第11課の「〜のではないでしょうか」になります。 |
| 〜すぎます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第29課 | 程度がふつうより大きくて、ちょうどよいところを越えていることを言う形です。「この服は大きすぎます」「ゆうべ食べすぎました」のように、多くの場合「だから困る・よくない」という気持ちがあります。そのため、困った結果を「〜すぎて、…」でつなげると自然になります(重すぎて、一人では運べません など)。「すぎます」はグループⅡの動詞と同じように「すぎて・すぎました・すぎない」と活用します。ほめるつもりで「とても」の代わりに使うと、意味が強く・困ったように聞こえることがあります。 |
| 〜ずにはいられない | 学ぼう!にほんご 中級 第23課 | 意味は「〜ないではいられない」と同じで、我慢しようとしても思わずその行動をしてしまうことを表します。「ず」は「ない」の古い形で、そのぶん少し硬い響きになり、作文・感想文・スピーチなど、書き言葉や改まった話でよく使われます。話し手自身の行動に使うのが基本で、ほかの人について言うときは「〜ずにはいられないようだ」「〜ずにはいられなかったらしい」のように推量の形を付けます。物語や、昔のことを振り返って語る文では、ほかの人のことにもそのまま使われることがあります。 |
| 〜せいで | 学ぼう!にほんご 中級 第24課 | 初中級で習った「〜せいで」を、文章の中での原因の書き方として読み直す項目です。「Aせいで、B」は、Aが原因で、Bという悪い結果になったことを表し、書き手がAを責める・残念に思う気持ちを持っていることが多い言い方です。良い結果には「おかげで」を使い、原因がはっきりしないときは「せいか」を使います。新聞やかたい説明文では、責める気持ちを出さずに原因を書く「〜ため」「〜により」が使われやすく、「せいで」はエッセイや体験談、インタビューの言葉の中によく出る傾向があります。読むときは、「せいで」の前が原因、後ろが悪い結果だと押さえ、書き手がだれ(何)を責めているかまで読み取ります。 |
| 〜せいで/〜せいか/〜せいだ | できる日本語 中級 第8課 | ある原因によって悪い結果になったことを言い、その原因を責める気持ちが入ります。「夜中の音楽のせいで、眠れなかった」のように、愚痴でよく使います。「せいか」は「はっきりとはわからないが、それが原因かもしれない」という推測で、「寝不足のせいか、頭が痛い」のように使います。よい結果は ST2 の「おかげで」、中立に原因を述べるなら書き言葉の「〜ために」や「で」を使います。 |
| 〜せいで… | 学ぼう!にほんご 初中級 第17課 | 前の部分が原因になって悪い結果になったことを表します。原因を指さして「これが悪かった」と責任を向ける言い方で、人や物のせいにするときにも、「私のせいで」と自分の責任を認めて謝るときにも使います。後ろには、もう起きた悪い結果(遅れた・壊れた・眠れなかった)が来ることが多く、「〜しよう」「〜てください」のような意志や依頼の文は来ません。よい結果には第3課の「〜おかげで」を使います。原因がはっきりしないときは「〜せいか」(寝不足のせいか、頭が痛い)と言います。 |
| せっかく | 中級から学ぶ日本語 第7課 | 苦労して手に入れたこと、めったにない機会、だれかがしてくれたことを「大切なのに・むだにしたくない」と思う気持ちを表す副詞。後ろの形で2つに分かれ、「せっかく〜のに」は、それがむだになって残念だ・不満だという気持ち、「せっかく〜(の)だから」は、むだにしないように〜しよう・〜したほうがいいという意志や勧めになる。「せっかくの+名詞」(せっかくの休み)、誘いを断るときの「せっかくですが」もよく使う。ふつうの毎日のことには使わず、手間・時間・お金がかかったこと、珍しいことに使う。 |
| 〜せます/〜させます 使役(1) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第39課 | ある人(させる人)が、ほかの人(する人)に動作をさせる言い方です。この教案では(1)を他動詞の使役、つまり「本を読む」「部屋を掃除する」のように「〜を」をとる動詞の使役として扱います。形は「させる人は する人に …を 〜させます」で、もとの文に「を」がすでにあるので、する人には「に」を付けます。意味は二つあり、相手が嫌がってもさせる強制(母は弟に宿題をさせます)と、相手がしたいことを許してさせる許可(父はわたしに自由に絵をかかせてくれました)です。許可のときは第14課の「〜てくれました/〜てあげました」と合わせた「〜させてくれました」「〜させてあげました」がよく使われます。使役は親から子ども、先生から学生、上司から部下のように、上の立場の人が下の立場の人にさせるときの言い方です。 |
| 〜せます/〜させます 使役(2) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第39課 | 「行く・帰る・来る・走る・座る・遊ぶ」のように「〜を」をとらない動詞(自動詞)の使役です。この教案では(2)を自動詞の使役として扱い、する人に「を」を付けて「させる人は する人を 〜させます」の形で練習します(部長は森さんを大阪へ行かせました)。意味は使役(1)と同じく、強制(先生は熱がある学生をうちへ帰らせました)と許可(父は姉を一人で旅行に行かせてくれました)の両方があります。「待つ」は「人を待つ」とも言える動詞ですが、使役では待つ人を「を」で表し、「友達を待たせる」「お待たせしました」の形でよく使います。また「心配する・笑う・泣く」のような気持ちの動詞も「を」で使い(両親を心配させました)、この場合はわざとさせるのではなく、自分のしたことで相手がそういう気持ちになったという意味です。 |
| 〜せられます/〜させられます 使役受身 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第40課 | 使役受身は、ほかの人に言われて(命令されて)、自分がしたくないことをしたことを、した本人を主語にして言う形です。「わたしは父に部屋を掃除させられました」では、部屋を掃除したのは「わたし」で、掃除するように言ったのは「父」です。多くの場合「いやだったけれど、しかたなくした」という気持ちが入ります。同じことを使役で言うと「父はわたしに部屋を掃除させました」となり、主語が言った人(父)に替わります。また「この映画には考えさせられました」のように、何かを見たり聞いたりして自然にそういう気持ちになった、という意味で使うこともありますが、この課では「しかたなくした」の意味を中心に扱います。 |
| 〜そうだ | 学ぼう!にほんご 初中級 第7課 | 初級で習った伝聞の「〜そうです」の復習です。聞いた話や読んだ情報を伝えるとき、普通体のあとに「そうだ」を付けます。この課では、「〜によると」と組み合わせて出どころをはっきりさせることと、伝える前に聞いた文を普通体に直すことの2つに絞って練習します。伝聞の「そうだ」は形が変わらない文末で、「〜そうだった」「〜そうではない」のような過去・否定の形にはならず、過去や否定は中身のほう(降らない・降った)で表します。見た目から判断する様態の「〜そうだ」(降りそうだ・おいしそうだ)とは前に来る形が違うので、並べて確かめます。 |
| 〜そうです | 学ぼう!にほんご 初中級 第10課 | 見た様子から「〜しそうだ」「〜に見える」と判断して言う形(様態)です。この課では二つの使い方を扱います。一つは、動詞について今にも起こりそうなことを言う使い方(コップが落ちそうです・雨が降りそうです)、もう一つは、形容詞について人や物の見た感じを言う使い方(やさしそうな人・丈夫そうないす)です。初級Ⅱで習った形の復習ですが、紹介の場面では「まだよく知らないけれど、見た感じでは」という控えめな描写として役に立ちます。前の項目の「〜のようだ」が本当ではないたとえなのに対し、「〜そうです」は本当にそうである(そうなる)かもしれないことを言います。普通形につく第7課の伝聞の「〜そうだ」(遅れるそうです)とは、形も意味も違います。 |
| 〜そうです 伝聞 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第32課 | 人から聞いたこと、ニュースや天気予報・本で知ったことを、「自分が見たり決めたりしたことではなく、聞いた情報だ」と示して相手に伝える形です。前は普通体で、な形容詞と名詞は「だ」を入れます(静かだそうです・休みだそうです)。「そうです」の部分は形が変わらず、過去や否定は前の普通体で表します(降ったそうです・降らないそうです)。情報のもとを言うときは、文の初めに「〜によると」「〜の話では」をつけます。第29課の様態「〜そうです」は、マス形の語幹や形容詞の語幹について「見て、そう感じる」ことを言う別の形です。文法の用語では、話し手が情報をどこから得たかを示すモダリティ(証拠性の表現)の一つで、自分の判断を言う「〜と思います」とは役割が違います。 |
| 〜そうです 様態 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第29課 | 見た目や様子から「〜のように見える」と感じたことを言う形です。まだ食べていない料理を見て「おいしそうです」、友達の顔を見て「元気そうです」のように、話し手が直接見て受けた印象を言います。動詞につくと「今にも〜が起こりそうだ」という意味になり、「雨が降りそうです」「棚から落ちそうです」のように、もうすぐ起こりそうなことを言って注意するときにも使います。第24課の「〜ようです」が様子から考えて判断するのに対して、「〜そうです」は見た瞬間の印象に近い言い方です。また、第32課で学ぶ伝聞の「〜そうです」(聞いたことを伝える)とは形がよく似ていますが、前につく形が違います(様態は「おいしそうです」、伝聞は「おいしいそうです」)。 |
| 〜そうです(伝聞) | できる日本語 初級 第15課 | テレビ・雑誌・人の話などで聞いたり読んだりしたことを、自分の考えではなく情報として相手に伝える言い方です。普通形のあとに「そうです」をつけます。どこで知ったかは「テレビで見ました」「先生が言いました」のように前の文で言うと、相手に伝わりやすくなります。友達同士では「〜そうだよ」の形でよく使います。 |
| 〜そうです(予測) | できる日本語 初中級 第6課 | 今の様子や知っている情報から、これから起こりそうなことを言う言い方です。動詞のマス形から「ます」を取って「そうです」をつけ、「雨が降りそうです」「連休は込みそうです」のように言います。第2課の「おいしそうです」(見た感じ)と同じ仲間の形で、動詞につくと「このあと〜する見込みが高い」という意味になります。旅行の準備では、込む・売り切れる・寒くなるといった見込みを言って、だから前もって何かをする、という話につなげます。「降るそうです」(初級第15課・聞いた情報)とは前の形で意味が変わります。 |
| 〜そうにないんですが | できる日本語 中級 第5課 | 「Vそうにない」は、状況を見てそうなりそうもないと話し手が判断する言い方で、様態の「Vそうだ」の否定です。「〜んですが」をつけると、困った状況を説明して、相手の判断や指示を待つ言い方になります(「間に合いそうにないんですが……」)。「Vそうもない」も同じ意味で、「Vそうにありません」はていねいな言い方です。「間に合わないそうです」は人から聞いた話(伝聞)になり、自分の見通しを言うことにはならないので注意します。 |
| そして | できる日本語 初級 第4課 | 二つの文をつないで、前の文に同じ方向のことを付け足します。「ダナンはきれいです。そして、にぎやかです」のように、町のよいところを二つ続けて言うときに使います。前の文と反対のことをつなぐときは、次の項目の「〜が、〜」を使います。文法の用語では、前の文に後ろの文を付け加える接続詞(添加・累加)で、文と文の結束を作る語の一つです。 |
| その一方(で) | 中級から学ぶ日本語 第17課 | 一つの事柄について、前の文とは違う面・反対の面を並べて言う、文と文をつなぐ言い方。「よい面」と「問題の面」のように、両方が同時に本当であることを示すので、本文のような意見文やレポートで論を組み立てるときによく使う。「しかし」が前の文から予想されることと違う結果を言う(逆接)のに対して、「その一方で」は前の文を打ち消さずに、もう一つの面を足して比べる。「Vる/Nである+一方(で)」の形で、1つの文の中でつなぐこともできる。名詞「一方」を使った「〜一方だ(増える一方だ)」は「ますますそうなる」という別の意味なので、ここでは混ぜない。 |
| それから | できる日本語 初級 第5課 | 「それから」は、出来事を起きた順に並べて、次にしたことを足す接続詞です。休みの話では「買い物をしました。それから、映画を見ました」のように、文を二つに分けて順番に言えるので、長い文を作らなくても話が続きます。第4課の「そして」と似ていますが、この課では「その次に」という順番を言うときに「それから」を使わせます。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 〜(っ)きり/〜(っ)きりだ(そのまま) | できる日本語 中級 第19課 | 「Vたきり」で、ある動作や出来事のあと、続いて起こるはずのことが起こらず、そのままになっていることを表します。後ろには「〜ない」「連絡がない」のような内容が続くことが多く、困っている気持ちや心配が表れます。「〜たまま」もそのままの状態を言いますが、「たまま」がその状態で別のことをする・起こることを中立に言う(「窓を開けたまま寝た」)のに対し、「たきり」はそれ以来何も変わっていないことに重心があります。第17課の「〜(っ)きりだ(それだけ)」(二人きり・一度きり)とは意味が違います。「っきり」は話し言葉です。 |
| 〜(っ)きりだ(それだけ) | できる日本語 中級 第17課 | 「Nきり/Nっきり」は、数や範囲がそれだけで、ほかにはないことを表します。「一度きり」「二人きり」「これっきり」のように、数量の語や「これ・それ・あれ」につくことが多く、話し言葉では「っきり」になります。「だけ」と意味は近いですが、「だけ」がいろいろな語につく中立の限定なのに対して、「きり」は「それで終わり・それ以上はない」という気持ちが強く、「一度きりの人生」のように大事さを強める言い方にもなります。「しか〜ない」は否定と組んで少なさを言い、「きり」は肯定の文で使えます。意見の話し合いでは、機会の少なさを根拠にして「だから〜たい」と言うのに使えます。 |
| 〜たいことがあるんですが | できる日本語 中級 第4課 | 本題に入る前に「話したい用件がある」と知らせ、相手が聞く準備をしてくれるのを待つための切り出しの表現です。「お聞きしたいことが」「ご相談したいことが」「お願いしたいことが」のように謙譲の形と組み合わせると、管理人や職員、先生など目上の人にも使えます。「〜んですが」で文を言い切らずに止めることで、相手が「はい、何ですか」と応じる間ができ、言いにくい相談でも切り出しやすくなります。 |
| 〜たいです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第9課 | 自分がしたい動作を言います。動詞のます形から「ます」を取って「たい」をつけ、「食べたいです」「行きたいです」のようにします。「たい」も い形容詞と同じように形が変わるので、したくないときは「食べたくないです」です。「〜を食べたいです」の「を」は「が」になることもありますが、この課ではまず「を」のままで言えるようにします。物がほしいときは学習項目1の「ほしいです」、何かをしたいときは「たいです」と使い分けます。「ます」を取った形は学校文法の連用形にあたり、「たい」は話し手の願望を表す形として、モダリティ(希望)や人称制限の問題で取り上げられます。 |
| 〜たきり | 中級から学ぶ日本語 第17課 | ある動作を一度したあと、その次に起こるはずのこと・ふつうなら続くはずのことが起こらず、その状態が続いていることを言う。後ろには「〜ない」「〜ままだ」「〜ている」のような状態の文が来ることが多く(出かけたきり帰ってこない・一度会ったきり会っていない)、話し手の心配・困った気持ち・あきれがこもりやすい。「寝たきり」は、寝た状態から起き上がれないまま続いていることを言う語として名詞のようにも使い、医療・介護の話題でよく出る。名詞や数に付く「二人きり」「一回きり」は「〜だけ」の意味で、動詞のた形に付く「〜たきり」とは別に扱う。文法の見方では、動作が終わったあとの状態が続くことを言う形なので、アスペクト(動きのどの段階か)にかかわる表現の一つと見てよい。 |
| 〜たくありません | 学ぼう!にほんご 初中級 第4課 | 初級で習った「〜たい」の否定で、自分が「〜したくない」という気持ちを言う形です(「〜たくないです」とも言います)。形は難しくありませんが、誘いや頼みに「行きたくありません」と答えると、理由も相手への気づかいもなく自分の気持ちだけを相手に向けることになり、日本語ではかなり強く、時には失礼に聞こえます。この課では、この形を断りの決まり文句としてではなく、「どんな時なら使ってよいか」を知る項目として扱います。自分の好みや体の調子を話すとき、しつこい勧誘をはっきり断りたいとき、親しい友達との会話では使えますが、目上の人や好意で誘ってくれた人には、理由と「ちょっと…」の言い方に置き換えます。 |
| 〜だけ/〜だけの | できる日本語 中級 第1課 | 「だけ」は範囲をそれだけに限ることを表します。誘う場面では「500円だけ」「のぞくだけでもいい」のように、負担が小さいことを伝えて相手が気軽に来られるようにするのに使えます。名詞を説明するときは「学生だけのパーティー」のように「〜だけの+N」にします。「しか〜ない」も限定を表しますが、「しか」は「少ない・足りない」という気持ちが出て、後ろが必ず否定になる点が違います。文法の用語では、範囲を限る取り立て助詞で、「しか〜ない」とともに限定の取り立てとして整理されます。 |
| 〜だけあって/だけに/だけのことはある | 学ぼう!にほんご 中級 第21課 | 3つとも「だけ」の前に理由になる事実(評判・立場・経験・値段・努力など)を置き、そこから当然そうなる、という気持ちを表します。ここでの「だけ」は「〜だけ(限定)」ではなく、「それにふさわしい程度」という意味です。「〜だけあって」は、前の事実から期待されるとおりの結果で、感心・納得したことを言います(さすがプロだけあって上手だ)。良い評価に使うことが多い形です。「〜だけに」は、「〜だから、なおさら・それだけ一層」という気持ちで、良い結果にも悪い結果にも使えるのが特徴です(楽しみにしていただけに、中止は残念だ)。期待が大きかった分だけ落胆も大きい、という使い方は「だけに」が受け持ちます。「〜だけのことはある」は文末に置き、目の前の結果を見て「〜というのも当然だ、それにふさわしい」と評価します。「さすが〜だけのことはある」の形でよく使われます。3つとも、後ろ(文末)には話し手の感想や評価が来て、依頼や命令は来ないのがふつうです。 |
| 〜だけあって/〜だけのことはある | できる日本語 中級 第10課 | 「Xだけあって、Y」は、Xという評判・地位・努力などから期待されるとおりの、ふさわしい結果Yがあることを、感心して言う形です。「有名な温泉だけあって、お湯がいい」のように、よい評価に使うのがふつうです。「〜だけのことはある」は文の終わりに置いて、「さすが〜だけのことはある」と、結果を見て納得した気持ちを表します。似た「〜だけに」は、期待どおりのことにも、期待が大きかったぶん残念だったこと(「楽しみにしていただけにがっかりした」)にも使えますが、「〜だけあって」は残念な結果にはふつう使いません。「〜から」がただ理由を言うのに対し、この形には「さすがだ」という評価が入ります。 |
| 〜だけじゃなくて、〜も〜 | できる日本語 初中級 第15課 | 「Aだけではない、Bもそうだ」と、範囲を広げて言う形です。話し合いでは、相手の案に「それに加えて」と自分の考えを足したり、問題が思ったより広いことを示したりするのに使います。改まった発表や書いたものでは「〜だけでなく、〜も」と言うことが多く、「じゃなくて」は話し言葉です。 |
| 〜だけに | 中級から学ぶ日本語 第15課 できる日本語 中級 第13課 | 「〜だから、それにふさわしく(やはり)」「〜だから、なおさら」と、前の事情が理由になって、後ろのことがいっそう強くなると言う形。一つは、前の事情から期待されるとおりの結果になる使い方(長く日本に住んでいるだけに、町の店にくわしい)。もう一つは、前の事情があったからこそ、予想と逆の結果に気持ちが強く動く使い方(楽しみにしていただけに、中止になってがっかりした)。どちらも前には、その人や物の立場・経験・努力のように、聞き手も「それならそうだろう」と分かる事情が来る。ただの理由の「から・ので」と違い、後ろにはふつう話し手の評価や気持ちが来て、頼みや誘いは来にくい。 |
| 〜たつもり | 中級から学ぶ日本語 第6課 | 「自分ではそうしたと思っている」という話し手の思いを言い、実際はそうなっていなかったという食い違いを後ろに続けることが多い(説明したつもりだったが、伝わっていなかった)。もう一つは、実際にはしていないのに「した」と見なして行動する使い方(外食したつもりで、そのお金を貯金する)。初級の「辞書形+つもり」がこれからする意志を言うのに対して、た形に付くと、もう済んだことについての自分の思い込みや見なしを言う。「〜ているつもり」「Nのつもり」(冗談のつもり)も同じ仲間で、課の題「つたえる」の「伝えたつもりでも伝わらない」は、この項目でまとめるとよい。 |
| たとえ〜ても… | 学ぼう!にほんご 初中級 第12課 | 初級で習った「〜ても、…」(ある条件でも、後ろのことは変わらない)を、副詞「たとえ」で強める形です。「どんなに極端な条件になっても、後ろのことは変わらない」という強い気持ちを表し、意見を言う場面では、自分の意見や決心が固いことを示すのに使います。「たとえ」は文の前のほうに置き、後ろの「〜ても/〜でも」と必ず組になります(このように、前の言葉が決まった形の後ろの言葉と組になることを「呼応」と言います)。「たら」「ば」「と」とは組みません。「たとえ〜としても」と項目2と組み合わせた形もよく使います。 |
| 〜たところ | 中級から学ぶ日本語 第8課 できる日本語 中級 第7課 | 「〜してみたら、…だった」という意味で、何かをしてみた結果、わかったこと・起きたことを後ろに言う。前の文は話し手がした動作(調べる・聞く・頼む・試す)で、後ろの文は話し手が自分では決められない結果(〜だとわかった・〜と言われた・すぐに返事が来た)になる。後ろが話し手の意志の行動や、頼み・誘いになることはない。報告書・メール・改まった報告で多く使われ、友だちとの会話では「〜たら」のほうがふつう。「〜てみたところ」の形でもよく使う。 |
| 〜たとたん(に) | できる日本語 中級 第14課 | 「Vたとたん(に)」で、ある動作が終わったまさにその瞬間に、予想していなかったことが起きたことを表します。後ろは話し手の意図とは関係なく起きた事実で、「〜しよう」「〜してください」のような意志や依頼は来ません。同じ課の「〜(か)と思うと」と違い、自分の動作にも使え、「外に出たとたん、雨が降ってきた」のように驚きの体験を語るのに向いています。「〜てすぐ」は意志の文にも使える中立の言い方です。 |
| 〜たとたん… | 学ぼう!にほんご 初中級 第17課 | ある動作や変化が起きたすぐあとに、別のことが起きたことを表します。後ろには、話し手が予想していなかったことや、自分ではどうにもできないこと(急に雨が降り出した・電気が消えた・相手の顔色が変わった)が来ることが多く、「びっくりした」気持ちがこもります。そのため、後ろに「〜よう」「〜てください」のような話し手の意志や依頼の文は来ません。自分の意志で続けてした動作(家に帰ってすぐ手を洗った)を言うときは、「〜てすぐ」「〜とすぐ」を使うほうが自然です。多くは過去の一回の出来事について使い、「〜たとたんに」とも言います。 |
| 〜たばかり | 中級から学ぶ日本語 第5課 | ある動作が終わってから、まだ時間があまりたっていないことを言う。大事なのは実際の時間の長さではなく、話す人が「まだ少ししかたっていない」と感じていることで、だから「先月来たばかり」「去年結婚したばかり」のように少し前のことにも使える。後ろに「〜のに」が続くと「まだ新しいのに(不満・残念)」、「〜で/なので」が続くと「まだ慣れていないので(言い訳・理由)」の気持ちが出やすい。文法の見方では、動作が終わったあとの段階を言うアスペクトの表現の一つで、「〜たところだ」よりも話し手の感じ方が入る。 |
| 〜たびに | できる日本語 中級 第8課 | あることをするといつも必ず、同じことが起こる・同じ気持ちになることを表します。「母と話すたびに、元気が出る」のように、くり返す出来事とそのつど起こる結果や気持ちを結びます。「〜とき」は一回のことにも使えるのに対し、「たびに」は何度もくり返すことの一回一回を強調します。「〜と、〜」の習慣の言い方とも近いですが、「たびに」のほうが、毎回そうなるという話し手の実感が強く出ます。ST5 では、意見の根拠となる自分の経験を話すのに使います。 |
| 〜たびに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第8課 | 「Aするたびに、B」で、Aが起きるときはいつも必ずBが起きる、ということを表します。「この歌を聞くたびに、国の家族を思い出す」のように、くり返す出来事と、そのたびに起きる気持ちや習慣を結びます。「〜とき」は一回だけのことにも使えますが、「〜たびに」は何度もくり返すことにしか使いません。後ろには、自然にそうなること(思い出す・新しい発見がある)や、いつもしている習慣が来ることが多い傾向があります。誘う・勧める場面では、「行くたびに〜」が「何度行ってもいい」という理由になります。 |
| 〜たまま、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第16課 | ある動作をしたあとの状態を変えないで、次のことをする(または次のことが起きる)ことを表します。「テレビをつけたまま寝ました」は、テレビがついている状態が続いている中で寝た、という意味です。ふつうは元に戻してから次のことをする場面で、戻さなかったことを言うときによく使うので、「うっかり」「よくない」という気持ちが入りやすい形です。第12課の「〜ないで、…」はその動作をしないこと、「〜たまま」は動作をしてその状態が続くことで、向きが反対です。文法の用語では、前の動作の結果の状態がそのまま続いていることを言う形で、第10課の「帽子をかぶっています」のような、身につけたあとの状態の「〜ています」と見方が近い表現です。 |
| 〜ために、〜(原因) | できる日本語 初中級 第15課 | 前の部分が原因で、後ろの結果が起きたことを言う形です。「から」「ので」より硬い言い方で、ニュースや発表、書いたものでよく使います。第3課の「ために」(目的)と形は似ていますが、目的は「これからそうしたい」こと、原因は「もうそうなっている」ことで、後ろには自分の意志ではどうにもならない結果が来ます。後ろに「〜てください」「〜ましょう」のような頼みやさそいは来にくいので、そのときは「から」「ので」を使います。 |
| 〜ために、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第29課 | 何のためにその行動をするのか、目的を言う形です。「Nのために」は「家族のために働きます」のように、目的や、だれ・何のためになるかを言います。「Vるために」は「大学に入るために、勉強しています」のように、目的を辞書形で言います。第9課の「買い物に行きます」の「に」は行く・来る・帰るのような移動の動詞にしか使えませんでしたが、「〜ために」は後ろにどんな動詞でも来られます。前と後ろの主語は同じ人で、前には自分の意志でする動詞(入る・買う・行く など)が来ます。「Vた/Nの+ために」が原因(雨のために、試合が中止になりました)を表す使い方もありますが、この課では目的に絞って練習します。 |
| 〜たものだ | 中級から学ぶ日本語 第8課 | 昔、よくしていたこと・くり返していたことを思い出して、なつかしい気持ちを込めて言う。「子どものころ、よくこの川で泳いだものだ」のように、「よく」「毎日」「〜ころは」と一緒に使うことが多い。一回だけの出来事には使わず、ある期間のくり返しや習慣について言う。「昔はこのあたりも静かだったものだ」のように、昔の様子を今と比べてなつかしむときにも使う。文の終わりで話し手の気持ちを表す形(モダリティ)の一つで、第6課の「〜ものだ」と形は似ているが、過去の思い出を言う点が違う。 |
| 〜たら | 学ぼう!にほんご 中級 第33課 | 初級で学んだ条件の「〜たら」です。ここでの「〜たら」は順接の条件で、前のことが起きると、予想どおりの結果が後ろに来る使い方です。逆接の課に並ぶのは、予想どおりに進む「〜たら」と、予想を裏切る「〜ても」を対にして見せるためと考えると、教えやすくなります(「雨が降ったら中止です」と「雨が降っても実施します」)。また、「〜たら、〜た」の形で、してみたら、思っていたのと違う結果だったという発見を表すこともあり(「行ってみたら、店が閉まっていた」)、予想と結果のずれを語る文章ではこの使い方もよく出ます。この課では新しい意味を足すより、「〜たら」の後ろに来るのは予想どおりの結果か、それとも意外な発見か、を読み分ける練習に使います。 |
| 〜たら(仮定条件) | できる日本語 初級 第15課 | 「もし〜の場合は」というまだ起きていないことを仮に考えて、そのときどうするかを言う形です。出かける計画を立てるときに「雨だったら」「人が多かったら」と条件を出し合うのに使います。タ形に「ら」をつけるので、第11課のタ形が作れればすべての品詞で同じように作れます。前に「もし」をつけると、仮の話だということがはっきりします。 |
| 〜たら、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第19課 | 「〜たら」は、前のことが起きた場合に、または起きたあとで、後ろのことをする・後ろのことになる、と言う言い方です。使い方は大きく二つで、一つは「雨が降ったら、行きません」のように、起きるかどうか分からないことを仮に考える使い方で、前に「もし」をつけることもできます。もう一つは「授業が終わったら、電話します」のように、必ず起きることについて「それが済んだあとで」と言う使い方で、このときは「もし」をつけません。第15課の「〜と、…」と違い、後ろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たいです」のような頼む・誘う・希望の文が来てもかまいません。文法の用語では条件表現の一つで、仮定の条件(もし〜たら)と、確かに起きることのあとを言う使い方の両方を持ち、「と」に比べて後ろの文の制限が少ない形として扱われます。 |
| 〜だらけ | できる日本語 中級 第5課 | 「Nだらけ」は、よくないものがあちこちにたくさんある・ついている様子を表します(「泥だらけ」「傷だらけ」「ほこりだらけ」「間違いだらけ」)。話し手が汚い・困ったと感じていることが多く、事故やけがのあとの様子を生々しく伝えるのに使います。「いっぱい」は多いことを言うだけで、よいものにも使えますが、「だらけ」はふつうよいものには使いません。 |
| 〜だらけだ | 学ぼう!にほんご 初中級 第6課 | 「Nだらけだ」は、ある場所や物の表面に、Nがたくさんある・一面に付いている状態を言う形です。「床がほこりだらけだ」「作文が間違いだらけだ」のように、話し手が「いやだ・困る・汚い」と思う物によく使い、その気持ちも一緒に伝わります。そのため、花・本・笑顔のような良い物がたくさんあると言いたいときには使わず、「〜でいっぱいだ」を使います。似た形の「〜まみれ」は、汗・泥・油のように表面にべったり付く物に使うことが多く、「間違い」「穴」のように付く物ではない名詞には「だらけ」を使います。 |
| 〜たり、…たりします | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第16課 | いくつかの動作の中から、代表的なものを二つほど例として挙げ、「ほかにもいろいろある」ことを示す言い方です。第11課の「〜て、…て、―ます」は動作を起きた順に全部言いますが、「〜たり、…たりします」は順番は問わず、例を挙げるだけです。文の時(今のこと・過去のこと)と丁寧さは最後の「します」が受け持つので、過去のことなら「〜たり、…たりしました」、したいことなら「〜たり、…たりしたいです」になります。文法の用語では、いくつかの動作から代表を挙げる「例示」の形で、決まった順番に全部を言う第11課の並べ方とは役目が違います。 |
| 〜だろう | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 「〜でしょう」の普通体です。話し手の推量や、断定を避けてやわらげた判断を表します。書き言葉(本文のような説明文・意見文)と、独り言・親しい相手への話し言葉で使い、丁寧に話す場面では「でしょう」になります。 |
| タ形 | できる日本語 初級 第11課 | 動詞の「た」の形です。第7課のテ形の「て・で」を「た・だ」にかえるだけで作れるので、テ形が言えればタ形も言えます。この ST では「VたりVたりします」を作るために使い、ST3 では友達言葉で「行った」「食べた」のように「Vました」の代わりに使います。第13課の「Vたことがあります」にもつながります。 |
| た形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第16課 みんなの日本語 初級Ⅰ 第19課 | 「た」で終わる動詞の形なので「タ形」と呼びます。作り方は第11課のテ形と同じで、テ形の「て」を「た」に、「で」を「だ」に替えるだけです(書いて→書いた、読んで→読んだ)。動詞のグループの分け方も、テ形・ナイ形・辞書形と同じです。この課ではタ形を「〜ことがあります」「〜たり」「〜たまま」「〜あとで」の中でだけ使い、タ形で文を終える言い方は第17課の普通表現まで出しません。文法の用語で言うと、グループIのタ形にはテ形と同じ音便(い・ち・りの「っ」=促音便、み・び・にの「ん」=撥音便、き・ぎの「い」=イ音便)が起きています。音便の名前を学習者に教える必要はありませんが、教師が「3つの音の変わり方と例外の行った」と整理して持っておくと、誤りの直し方が速くなります。 |
| 〜た上で | 中級から学ぶ日本語 第11課 | 「Aた上でB」の形で、まずAをきちんと済ませ、その結果をもとにBをする、という順序と前提を言う。Aには確認する・相談する・説明を聞く・よく考えるのような、Bの前に必要な手続きや準備が来て、Bには決める・申し込む・判断するのような意志的な行動が来る。「〜てから」が時間の順を言うだけなのに対し、「〜た上で」は「Aをしないで Bはしない」という前提の気持ちが入る。改まった話し言葉や書き言葉で使い、窓口の案内・説明書・仕事の報告に多い。名詞の場合は「相談の上で」「確認の上」のように「Nの上(で)」になる。 |
| 〜ついでに | できる日本語 中級 第10課 学ぼう!にほんご 中級 第28課 | 「Xついでに、Y」は、本来の目的Xをする機会を利用して、そのときに一緒にYもする、という意味です。旅行の紹介では「出張で大阪に行ったついでに、奈良まで足をのばした」のように、もともとの目的とおまけの出来事を分けて話すのに使えます。「〜ながら」は二つの動作を同時にすること、「〜とき」はただの時を表すのに対し、「〜ついでに」には「せっかくの機会だから」という気持ちが入ります。辞書形は出かける前や途中のこと(「出かけるついでに」)、タ形はXをしたあとやその場所でのこと(「行ったついでに」)に使うことが多いです。 |
| 〜っけ | できる日本語 中級 第9課 | 前に知っていたはずなのに思い出せないこと、はっきり覚えていないことを、相手に確かめたり、自分に問いかけたりする話し言葉です。「会議、何時だっけ」「あの人の名前、何だったっけ」のように使います。初めて聞くことを質問するときには使いません。「昔はよくこの公園で遊んだっけ」のように、昔のことをなつかしく思い出すときにも使います。丁寧に言うときは「〜でしたっけ」「〜ましたっけ」になります。 |
| 〜っこない | できる日本語 中級 第9課 | 「〜する可能性はまったくない」と強く打ち消す話し言葉で、友達や家族のような親しい相手に、感情をこめて言うときに使います。「そんなにたくさん、一日で覚えられっこない」「今から走っても間に合いっこないよ」のように、話し手の思い込みや不安・不満がこもることが多い形です。似た意味の「〜はずがない」「〜わけがない」は、理由をもとにした判断としても使え、書き言葉にも出ますが、「〜っこない」は会話だけで使います。 |
| 〜つつ | できる日本語 中級 第16課 学ぼう!にほんご 中級 第28課 | 「Vます形+つつ」は、初中級の「〜ながら」と同じく、同じ人が一つの動作をしながら、同時に別の動作をすることを表します(「楽しみつつ学ぶ」「意見を聞きつつ計画を立てる」)。「ながら」より硬い書き言葉で、解説・レポート・パンフレットなどで使い、会話で「テレビを見つつ、ご飯を食べた」と言うと硬すぎて聞こえます。第18課の「〜つつ(も)」(「悪いと知りつつ」=逆接)や第11課の「〜つつある」(変化の途中)と形が同じなので、後ろの続き方で見分けさせます。 |
| 〜つつ(も) | できる日本語 中級 第18課 | 「V-ますつつ(も)」は、「〜と知っている・思っているのに、それと合わないことをしてしまう」という逆接を表します。「悪いと知りつつも」「やめようと思いつつ」のように、知る・思う・言う・気にするなどの心の動きを表す動詞と結びつきやすく、ニュースでは人々の本音と行動のずれを伝えるのに使われます。会話の「〜のに」、第7課の「〜ながら(も)」と意味は近いですが、「つつ(も)」のほうが硬い書き言葉です。「景色を楽しみつつ歩く」のように「も」を付けずに同時進行(=ながら)を表す用法(第16課)もあり、文脈で見分けます。前と後ろの主語は同じ人で、第11課の「〜つつある」(変化が進んでいる)とは別の形です。 |
| 〜つつある | できる日本語 中級 第11課 学ぼう!にほんご 中級 第27課 | 変化が今まさに進んでいて、少しずつある方向へ向かっていることを表す書き言葉です。情報誌や新聞で「〜が広がりつつある」「〜が定着しつつある」のように、生活の傾向を伝えるのによく使います。「〜ている」でも進行は言えますが、「増えている」が今の状態も表せるのに対して、「増えつつある」は変化の途中であることを強調します。前に来るのは「増える・減る・変わる・広がる・回復する」のような変化を表す動詞で、「食べる・読む」のような動作の動詞には付きません。 |
| 〜っぱなし | できる日本語 中級 第18課 | 「V-ますっぱなし」は、①ふつうは止める・閉める・片付けるはずのことをしないで、そのままにしておくこと(水を出しっぱなし、電気をつけっぱなし)、②同じ状態がずっと続くこと(一日中立ちっぱなし)を表します。どちらも「困ったことだ・よくない」という話し手の気持ちがこもることが多く、環境のニュースでは無駄づかいの例として出てきます。第5課の「〜まま」は「窓を開けたまま寝た」のように状態を中立に言うのに対し、「っぱなし」は「閉めるべきなのに」という非難やだらしなさを含みます。話し言葉寄りですが、暮らしの話題ならニュースでも使われます。 |
| 〜っぽい | できる日本語 中級 第1課 | 「〜のように見える・〜の感じがする」と、そのものではないが、その性質に近いことを表す話し言葉です。「子どもっぽい」「白っぽい」のように名詞や色につくほか、「忘れっぽい」「飽きっぽい」のように動詞につくと「すぐ〜する性格だ」という意味になり、性格の自己紹介でよく使います。「〜らしい」は「本当にそのものの性質がよく出ている」(「学生らしい服」)でほめる意味が多いのに対し、「〜っぽい」は「それに似ている」で、「子どもっぽい」のように少しマイナスに聞こえることがあります。形はイ形容詞と同じに変わり、改まった作文や面接では「〜の傾向がある」「〜やすい」などに言い換えます。語の作りとしては、名詞や動詞についてイ形容詞を作る接尾辞です。 |
| 〜っぽい… | 学ぼう!にほんご 初中級 第10課 | 名詞や動詞のます形などについて、「〜の感じがする」「〜の傾向が強い」という性質を表し、全体で一つのい形容詞として活用します。使い方は大きく三つで、①人の性格や様子が〜のように感じられる(子どもっぽい・大人っぽい・男っぽい)、②色や成分が〜に近い・多い(白っぽい・水っぽい)、③動詞のます形について、すぐ〜してしまう傾向がある(忘れっぽい・怒りっぽい・飽きっぽい)です。よくない評価の響きを持つことが多く(子どもっぽい・安っぽい・水っぽい・怒りっぽい)、ほめる意味で使うのは「大人っぽい」などに限られます。「男らしい」「子どもらしい」の「らしい」は、その人や物が本来の性質を十分に持っていることを言うのに対し、「っぽい」はそうではないのに〜に似て見えることや、その性質が強く出ていることを言う場合が多い、と対比すると分かりやすくなります。 |
| 〜つもりだ | できる日本語 中級 第10課 | 初中級の「Vるつもりです」は予定・意志でしたが、ここでは「Vた/Vている+つもりだ」の形で、自分ではそうしたと思っている(でも実際はそうでなかったかもしれない)という気持ちを表します。忘れ物の電話では「降りるときに持って出たつもりだったんですが」のように、自分の記憶と事実がずれていることを伝えるのに使います。「〜と思う」がただの判断であるのに対し、この形は「自分ではそのつもり」という本人の思い込みに重心があり、後ろに「〜が」「〜のに」が続いて、事実が違っていたことを言うことが多いです。「イA/ナAな/Nの+つもりだ」で「自分ではまだ若いつもりだ」のように、本人の思い込みを言うこともできます。 |
| 〜つもりです/〜予定です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第23課 | どちらも、これからすることがもう決まっていることを言います。「〜つもりです」は話し手が自分で決めた意志を表し、「〜(よ)うと思います」より決まっている感じが強く聞こえることが多い形です(来年から、毎朝走るつもりです)。しないと決めていることは「〜ないつもりです」と言います。「〜予定です」は、日程や計画として決まっていることを、決まった事実として伝える言い方です(来月、引っ越す予定です/会議は3時に始まる予定です)。そのため、電車や会議のように人の意志が関係ないことには「予定」は使えますが、「つもり」は使えません。「〜つもりでしたが、…」「〜予定でしたが、…」と続けると、そうするはずだったのに、そうならなかったことを言えます。 |
| 〜づらい | できる日本語 中級 第11課 | その動作をするのに、心や体の負担・抵抗があってしにくい、という気持ちを表します。約束を断る場面では「ちょっと言いづらいんだけど……」と切り出し、相手に悪いと思っている気持ちを先に伝えるのに使えます。「〜にくい」と似ていますが、「〜にくい」は物の性質や客観的なしにくさ(「割れにくいコップ」)にも広く使えるのに対して、「〜づらい」はその動作をする人が感じる苦しさや気まずさが中心です。第9課の「〜がたい」は「信じがたい」のように、ほとんどできないという硬い言い方です。 |
| 〜て、〜(理由) | できる日本語 初中級 第5課 | テ形で前の文をつなぎ、後ろの気持ちや状態が起きた理由を表します。「電車が止まって、遅れました」「道がわからなくて、困っています」のように、困っていることや謝ることの理由を短く言うのに向いています。後ろには「困っています」「すみません」「出られません」のような気持ち・状態・できないことが来て、「〜ましょう」「〜てください」のような誘い・頼み・自分の意志は来ません。それを言いたいときは「〜から」「〜ので」を使います。文法の用語では、テ形による接続のうち「原因・理由」の用法で、「から」「ので」のような接続助詞と違い、後ろに意志・依頼・勧誘のモダリティが来ないという制約が試験で問われます。「遅れて、すみません」のように、謝罪の前置きとして定型化している点も押さえます。 |
| 〜て、…て、―ます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第11課 | 動作を起こる順に二つ、三つとつなげて一文で言う形です。前の動詞をて形にして、最後の動詞だけを「ます/ました」にします。いつのことか(これからか、過去か)と丁寧さは最後の動詞が決めるので、きのうのことなら最後だけ「〜ました」にします。並べた順番がそのまま動作の順番なので、順番を入れ替えると話の中身が変わります。 |
| 〜て、…ました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第19課 | 第11課の「〜て、…て、―ます」では動作を順番に並べましたが、ここでのテ形は「前のことが原因で、後ろのことが起きた」ことを表します。後ろには、気持ち(びっくりしました・困りました・うれしかったです)や、その結果どうなったか(遅れました・休みました)が来ることが多く、すでに起きたことを話すので「〜ました」の形でよく使います。形容詞のテ形(高くて・大変で)も同じように原因を表せます。後ろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たいです」のような頼む・誘う・希望の文は来ないので、そのときは第7課の「から」を使います。文法の用語で言うと、テ形が原因・理由を表す用法で、後ろに頼む・誘う・希望・意志の表明(〜てください・〜ましょう・〜たいです)は来ない、という点がよく問われます。「熱があって、休みました」のように、すでにした過去の事実なら、自分でしたことでも言えます。 |
| 〜て/でたまらない | 中級から学ぶ日本語 第5課 | 気持ちや体の感じがとても強くて、自分ではおさえられないことを言う。「眠い」「痛い」「うれしい」「心配だ」「〜たい」のような、感情や感覚を表す語に付く。主語はふつう話す人自身で、ほかの人について言うときは「〜てたまらないようだ/らしい/そうだ」を付ける。話し言葉でよく使い、似た意味の「〜てならない」より身近で、暑い・痛いのような体の感じにも使いやすい。文法の見方では、話し手の感情・感覚の程度がきわめて強いことを表す表現で、主語が話し手に限られやすい(人称の制限がある)ところが「〜がる」と同じ考え方になる。 |
| 〜て/でならない | 中級から学ぶ日本語 第18課 | ある気持ちや感覚が、自分では抑えられないほど強いと言う形。「心配でならない」「寂しくてならない」「気になってならない」のように、気持ちを表す語のて形に付く。とくに「思える」「感じられる」「悔やまれる」のような、自然にそう感じてしまう動詞(文法用語で言うと自発の動詞)と相性がよく(「気がしてならない」もよく使う)、「〜と思えてならない」で「どうしてもそう思ってしまう」と、考えを控えめに、しかし強く言える。話し手自身の気持ちを言うのが基本で、ほかの人のことは「〜てならないようだ」「〜てならないらしい」と様子として言う。会話より書き言葉や改まった話に多く、意味の近い「〜て/でたまらない」より落ち着いた響きになる。 |
| 〜で…へ(移動表現) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第4課 | 乗り物の名詞に「で」をつけて、何に乗って行くか(行き方)を言います。前の項目の「〜へ行きます」の前に「〜で」を足すだけで、「バスで駅へ行きます」のようになります。乗り物を聞くときは「何(なん)で行きますか」です。この「で」は手段を表すはたらきで、第5課では、この乗り物の「で」の仲間の道具の「で」(スプーンで食べます)と、動作をする場所の「で」が出てきます。歩くときは乗り物ではないので「で」を使わず、別の言い方になる点も学習者の質問によく出ます。文法用語で言えば、この「で」は手段・方法を表す格助詞で、第5課で出る場所の「で」(コンビニで買います)と同じ形なので、何に付いているか(乗り物か場所か)で見分けさせます。 |
| 〜で…を―ました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第5課 | 項目2の「〜で…を〜ます」を、第3課の「〜ました」で過去にして、きのうや週末にしたことを話します。しなかったことは「〜ませんでした」です。「きのう・けさ・先週」のような時の言葉には「に」をつけず、「7時に」のような時刻には第3課と同じく「に」をつけます。曜日は「に」があってもなくてもかまいません。聞くときは「どこで何をしましたか」と、二つの疑問詞を一つの文に入れられます。 |
| 〜で…を―ます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第5課 | 動作をする場所と、動作に使う道具を、どちらも助詞「で」で表します。「コンビニで水を買います」の「で」は「どこで」その動作をするか、「スプーンでカレーを食べます」の「で」は「何を使って」するかです。第4課の「電車で行きます」の「で」(乗り物)は道具の「で」の仲間です。場所を聞くときは「どこで〜ますか」、道具を聞くときは「何で(なんで)〜ますか」と言います。 |
| 〜てあります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第20課 | 他動詞のテ形に「あります」をつけて「Nが〜てあります」と言うと、だれかがわざと(目的があって)したことの結果が、今そこに残っていることを表します。「黒板に地図がはってあります」は、だれかが授業のために地図をはって、今もそのままになっている、ということです。だれがしたかは言わないのが普通で、話し手の関心は今の様子にあります。同じ様子は「自動詞+ています」(電気がついています)でも言えますが、「〜てあります」(電気がつけてあります)には「人がした・準備した」という意味が加わります。 |
| 〜ていきます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第26課 | 動詞のて形に「いきます(行きます)」をつけた形で、今いる所から向こうへ行く動きに、その前やその途中でする動作をつなげて言います。「くだものを買っていきます」は、くだものを買って、それから(くだものを持って)行き先へ向かうことで、行き先に戻ってくる意味はありません。出かける前にすること(「朝ご飯を食べていきます」)や、どうやって行くか(「歩いていきます」「タクシーに乗っていきます」)もこの形で言えます。物や人を向こうへ動かすときは「持っていきます」「連れていきます」と言い、「持ってきます」「連れてきます」とは向きが反対になります。「〜ていきます」にも、これから先の変化を表す使い方(「人が増えていきます」など)がありますが、この教案では場所の移動の使い方に絞ります。文法の用語で言えば、移動の向きを表す「〜ていく」と、時間の中で変化が続く「〜ていく」は別の用法として区別されるので、上の課で変化の使い方に入るときは、この課の矢印の図とは別の図で見せます。 |
| 〜ていただきたいんですが | できる日本語 中級 第4課 | 「Vていただきたい」は「Vてもらいたい」の謙譲の言い方で、目上の人や職員・管理人に、何かをしてほしいと伝えます。「んですが」で文を止めることで、「してください」と言い切らず、引き受けるかどうかを相手に任せる響きになります。「〜ていただけませんか」「〜ていただけないでしょうか」が質問の形で頼むのに対し、「〜ていただきたいんですが」は自分の希望を述べて相手の返事を待つ形です。動作をするのは相手で、自分が何かをする許可を求めるときは「〜させていただきたいんですが」と使役の形にします。 |
| 〜ていただけないかと思って | できる日本語 中級 第17課 | 「Vていただけないかと思って(お電話しました)」は、電話やメールの最初に、用件を直接のお願いではなく「〜と考えて連絡した」という理由の形で伝える言い方です。「〜ていただけないでしょうか」と直接頼むより一歩引いて、引き受けるかどうかを相手が決める余地を残すので、初めての人や目上の人への最初の一言に向いています。会話では「〜と思って……」と文を途中で止めて相手の返事を待つことが多く、改まると「〜と思いまして」、メールでは「〜と思い、ご連絡いたしました」になります。「〜かなと思って」(第7課)は友達どうしで使う、くだけた形です。 |
| 〜ていただけないでしょうか | できる日本語 中級 第17課 | 「Vていただけないでしょうか」は、目上の人に相手の手間になることを、断る余地を残してお願いする、とても丁寧な依頼の形です。「Vてください」は指示に近く、「Vてもらえませんか」「Vていただけませんか」と丁寧さが上がり、そこに「〜ないでしょうか」と疑問の形を重ねることで、さらに控えめになります。メールでは、前に事情と「お忙しいところ恐縮ですが」を置き、後ろに締め切りや方法をはっきり書くと、丁寧でありながら用件がきちんと伝わります。友達や後輩に使うと、かえって距離を感じさせます。 |
| 〜ています(1) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第10課 | 動詞に「ています」をつけて、話しているいま、動作が進んでいることを表します。この教案では(1)を動作の進行(いまテレビを見ている・いま雨が降っている)として扱います。「毎日図書館で本を読みます」はいつもすること、「今、図書館で本を読んでいます」は話しているときに続いている動作で、時の言葉「今」と組にすると違いが見えます。聞くときは「今、何をしていますか」、していないときは「〜ていません」です。 |
| 〜ています(2) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第10課 | 一度始まったことが、そのあともずっと続いている状態を「ています」で表します。この教案では(2)を続いている状態として、住む・働く・結婚する・持つの4つの動詞で扱います。「駅の近くのアパートに住んでいます」は、いま住んでいて、しばらく続く状態です。「結婚しています」は結婚したあとの状態なので、「結婚していますか」と聞かれて、していない人は「いいえ、結婚していません」と答えます。 |
| 〜ています(3) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第10課 | 服・くつ・ぼうし・めがねなどを身につけたあと、それがいまも体にある状態を「ています」で表します。この教案では(3)を身につけている状態として扱います。日本語では体のどこにつけるかで動詞が変わり、上の服は「着ます」、ズボン・スカート・くつは「はきます」、ぼうしは「かぶります」、めがねは「かけます」、ネクタイや時計は「します」です。「毎朝スーツを着ます」は身につける動作、「きょうは黒いスーツを着ています」はつけたあとの様子です。 |
| 〜ています(4) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第20課 | 「閉まる・つく・壊れる」のような、ものの様子が変わる自動詞をテ形にして「います」をつけると、変化が起きたあと、その様子が今も続いていることを表します。「ドアが閉まっています」は、閉まるという変化はもう終わっていて、今ドアが閉まった様子だということです。第10課で習った「〜ています」のうち、動作の途中を言う使い方(食べています)とは違い、今は何も動いていません。「閉まりました」は変化が起きたことを言い、「閉まっています」は今の様子を言います。 |
| 〜ている | できる日本語 中級 第2課 | 店や料理を紹介する文の「〜ている」は、今動いている動作ではなく、いつもそうしていること(習慣)、そうなっている状態(結果の状態)、店や料理の性質を表すことが多いです。「毎朝パンを焼いている」は、今焼いている最中ではなく、店のいつものやり方の紹介です。初級で別々に習った進行・習慣・結果の状態が紹介の文ではまとめて出てくるので、どの用法かを聞き分けることが店の特徴をつかむことにつながります。結果の状態は自動詞の「〜ている」(「サラダがついている」)で言い、他動詞の「〜てある」(「メニューが貼ってある」)は、だれかが準備のためにした結果に目を向ける点が違います。 |
| 〜ておきます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第27課 | 動詞のテ形に「おきます」をつけると、あとのことを考えて、前もってその動作をしておくこと(準備)を表します。「来週試験があるので、単語を覚えておきます」は、試験のときに困らないように今のうちに覚える、ということです。ほかに、次の人のために元の様子にすること(使ったら元の所に戻しておいてください)や、今の様子を変えずにそのままにすること(窓はそのまま開けておいてください)にも使います。初級Ⅰ第20課の「〜てあります」は準備をしたあとに残った結果の様子を言い、この課の「〜ておきます」は準備をする人の動作を言う、という対になっています。話し言葉では「〜とく/〜どく」(買っとく・読んどく)になります。 |
| 〜ております | できる日本語 中級 第10課 | 「〜ています」の「いる」を改まった「おる」にした形で、話し手の側のことを聞き手にていねいに伝えます。車内放送や駅の放送では「5分ほど遅れております」「ご利用をお待ちしております」のように、鉄道会社の側の状態や行いを客に伝えるのに使われ、電車や設備のような物が主語の文にも使います。主語が客や目上の人のときは使わず、尊敬語の「〜ていらっしゃいます」「お〜です」を使います。聞き取りでは、「〜ております」は「〜ています」と同じ情報だと受け取ればよいことを先に確かめます。 |
| 〜で〜がいちばんAです | できる日本語 初級 第6課 | 三つ以上のもの、またはある範囲(町・クラス・一年)の中で、一つが最も〜だと言う形です。範囲を「〜で」で示し、選ばれるものを「が」で表します。聞くときは「この町でどこがいちばんおいしいですか」のように、疑問詞(何・どこ・いつ)に「が」をつけて聞きます。相談の場面で、いくつかの候補から一つに決めるときに使います。 |
| 〜てから、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第11課 | 「AてからB」で、Aが終わったあとでBをする、という順番をはっきり言う形です。学習項目1の「〜て、…て」も順番を表しますが、「〜てから」は「先にAをすませて、それからB」と、前の動作が終わることに重みがあります。人に順番を守ってほしいときの「〜てから、〜てください」や、ふだん決まっている順番を言うときによく使います。いつのことかと丁寧さは、学習項目1と同じく後ろの動詞で表します。 |
| 〜てからでないと/〜てからでなければ | できる日本語 中級 第15課 | 「AてからでないとB(ない)」で、A をしたあとでなければ、B はできない・決められないという条件を表します。断る場面では「店長に確認してからでないと、お答えできません」のように、今すぐ決められない理由を示すのに使います。「〜てから」は単に順番を言うだけですが、「〜てからでないと」は A が必要な条件であることを強く言い、後ろには「できない」「わからない」「無理だ」のような否定や難しさを表す言い方が来ます。「〜てからでなければ」のほうがやや硬く、会話では「〜てからじゃないと」になります。似た「〜ないことには〜ない」は、A がなければ話が始まらないという気持ちが強くなります。 |
| 〜てきました | 学ぼう!にほんご 初中級 第16課 | 「過去から今まで、ある動作を続けてきた」「過去から今まで、少しずつ変わってきた」ことを、今の時点から振り返って言う形です。継続(この10年、毎日日記を書いてきました)と変化(日本の生活に慣れてきました・寒くなってきました)の二つが中心で、変化のときは「だんだん」「少しずつ」がよくつきます。初級の「〜てきます」は「行ってきます」「パンを買ってきます」のように、場所を移動してこちらへ戻ってくる意味でしたが、この課の「てくる」は時間の上でこちら(今)へ近づいてくる使い方です。反対に、今から先へ続く・変わることは「〜ていきます」で言います(これからも続けていきます・ますます変わっていくでしょう)。課の題の「変わっていきます」はこの「ていく」です。 |
| 〜てきます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第26課 | 動詞のて形に「きます(来ます)」をつけた形で、この課では二つの使い方を扱います。一つは、どこかへ行ってその動作をし、また今いる所へ戻ってくることです(「コンビニで飲み物を買ってきます」=行って、買って、ここへ戻る)。出かけるときのあいさつ「行ってきます」もこの使い方で、「行くけれど、また帰ってくる」という気持ちが入っています。もう一つは、物や人をこちらへ(話し手のいる所へ)動かすことで、「持ってきます」「連れてきます」のように言います。「〜てきます」には、時間とともに変わってくることを表す使い方(「寒くなってきました」など)もありますが、この教案では課の題と目次の例に合わせて、場所の移動の使い方に絞ります。文法の用語では、ここでの「きます」「いきます」はもとの「来る・行く」の意味を残しながら前の動詞につく補助動詞で、話し手のいる所を基準に向きを決める点から、直示(ダイクシス)にかかわる表現として説明されます。 |
| 〜てください | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第11課 | 相手に何かをするよう頼んだり、してほしいことを伝えたりする形です。動詞のて形に「ください」をつけます。教室で先生が出す指示(「読んでください」「書いてください」)、店・駅・窓口で人に頼むこと、タクシーで行き先を言うことなど、生活の中ですぐに使えます。丁寧な言い方ですが、相手に行動を求める言い方なので、目上の人に頼むときは「すみませんが、」を前に添えると柔らかくなります。 |
| 〜てくれて、ありがとうございました | 学ぼう!にほんご 初中級 第3課 | 相手が自分のためにしてくれたことを具体的に言って、それにお礼を言う形です。「〜てくれて」の「て」は理由を表し、「〜てくれたので、ありがとう」という意味になります。「ありがとう」だけより、何に感謝しているのかがはっきり伝わります。相手が先生・上司・お客様などのときは、「〜てくださって」「〜ていただいて」にします。もう終わったことへのお礼には「ありがとうございました」、今まさにしてもらっていることや、これからも続くことへのお礼には「ありがとうございます」を使うことが多いです。 |
| 〜てくれない?/〜てくれる? | できる日本語 中級 第3課 | 親しい友達や家族に何かを頼むときの、くだけた依頼の言い方です。「〜てくれる?」は「してくれるか」と直接聞く形で、「〜てくれない?」は否定の形で聞くぶん、相手が断る余地を残す柔らかい言い方になります。どちらも上げ調子で言います。初中級で学んだ「Vてもらえませんか」「Vていただけませんか」の丁寧な依頼を、友達どうしの話し言葉にした形と考えるとつながります。目上の人や初対面の人には使いません。 |
| 〜てしかたがない/〜てしょうがない | できる日本語 中級 第15課 | 気持ちや体の感じが強くて、自分ではおさえられないことを表し、「心配でしかたがない」「気になってしょうがない」のように感情・感覚のことばにつきます。「しょうがない」のほうが話し言葉で、ラジオに届くリスナーのメールや友達との会話によく出ます。「〜てたまらない」も強い気持ちを表しますが、うれしい・ほしいなど気持ちそのものの強さに重点があり、「〜てならない」は「気がしてならない」「思えてならない」のように自然にそう感じてしまうことを言う、やや硬い言い方です。主語はふつう話し手で、ほかの人のことは「〜てしかたがないようだ/らしい」にします。 |
| 〜てしまいました | 学ぼう!にほんご 初中級 第17課 | 初級で習った形の復習です。この課では「全部終わった」という意味より、「失敗した・取り返しがつかない・残念だ」という気持ちを中心に、事故や失敗の報告の中で使います。同じ出来事でも「お皿を割りました」はただの事実、「お皿を割ってしまいました」は「そうするつもりはなかった、すみません」という気持ちが入り、報告やおわびの言葉になります。親しい相手には「〜ちゃった/〜じゃった」になります。この課の「〜せいで」「〜ばかりに」「〜たとたん」の文は、後ろをこの形で結ぶと自然になることが多いです。 |
| 〜てしまいます/〜てしまいました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第27課 | 動詞のテ形に「しまいます」をつける形で、使い方が二つあります。一つは動作を最後まで残さず終えることで、「この仕事はきょう全部やってしまいます」のように「全部」「もう」といっしょによく使います。もう一つはしたくなかったこと・してはいけないことをして、残念だ・困ったという気持ちを表す使い方で、「駅で財布をなくしてしまいました」のように「〜てしまいました」の形で、自分の失敗やうっかりしたことを話すときに多く出ます。この教案では、本の目次の例に合わせて残念な気持ちの使い方を中心にし、終える意味をあとから足します。話し言葉では「〜ちゃう/〜じゃう」(忘れちゃった・飲んじゃった)と短くなります。 |
| 〜てしまったようなんです | できる日本語 中級 第5課 | 3つの形が重なった言い方です。「〜てしまった」は思いがけずよくないことが起きた気持ち、「〜ようだ」は体の感じや様子からの推測、「〜んです」は事情の説明を表します。自分の体のことでも、骨が折れたのか、ひねっただけなのかは自分でははっきりわからないので、「〜てしまったようなんです」と推測の形で医者に伝えるのが自然です。会話では「〜てしまったみたいなんです」「〜ちゃったみたいなんです」とも言います。「〜らしいです」は人から聞いた話に近くなるので、自分の症状にはあまり使いません。 |
| 〜でしょう/だろう | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第17課 | はっきりとは分からないことを、たぶんそうだと予想して言う形です。天気予報やニュースでよく使い、「たぶん」といっしょに使うことも多いです。動詞・い形容詞は普通体にそのままつけ、な形容詞と名詞は「だ」を取ってつけます(あしたは雨でしょう)。「だろう」は普通体の形で、書く文やひとりごとに使い、話し言葉では男性が使うことが多い傾向があります。文の終わりを上げて「〜でしょう?」と言うと、相手も知っているはずのことを確かめる言い方になります。 |
| 〜でしょう/〜だろう | できる日本語 中級 第1課 | 話し手がはっきりとは分からないが、たぶんそうなると推し量ることを表します。天気予報の「晴れるでしょう」が典型で、「でしょう」は丁寧な形、「だろう」は普通形です。「だろう」は文章(新聞・レポート)や、ひとりごと・男性の会話でよく使い、会話では「〜だろうと思う」の形もよく使います。「〜と思います」は話し手の意見、「〜かもしれません」は可能性がもっと低いときで、「でしょう」は根拠をもとにした見通しを落ち着いて伝える言い方です。文末を上げると確認の「でしょう?」になりますが、これは別の課で扱います。文法の用語では、話し手の判断の確かさを表す推量のモダリティ(認識のモダリティ)の形です。 |
| 〜でしょう?/〜だろう?(確認) | できる日本語 中級 第9課 | 相手もそのことを知っているはずだと思って、上がり調子で言って同意を求め、話を先に進める言い方です。「4は『よ』とも読むでしょう?」のように、説明の途中で相手の知っていることを確かめてから次に進むのに使います。文末を下げて言う推量の「〜でしょう」(明日は雨でしょう)とは調子で区別されます。「〜ね」も同意を求めますが、「〜でしょう?」はもっと強く「知っているよね」と押す感じがあり、目上の人には使いにくい言い方です。くだけた会話では「でしょ?」、男性の友達どうしでは「だろう?」「だろ?」もよく使います。 |
| 〜でしょうか | できる日本語 中級 第2課 | 「〜ですか」の代わりに使う、やわらかく丁寧な質問の言い方です。相手に答えを強く求めない聞き方になるので、店の人に在庫を聞いたり、無理かもしれない頼みごとをしたりするときに向いています。頼むときは「〜ていただけるでしょうか」「〜てもらえないでしょうか」の形がよく使われ、「〜てもらえますか」よりも遠慮した言い方になります。第1課の「〜でしょう」(推量)と形は同じですが、ここは話し手が予想を言うのではなく、相手にたずねる使い方です。 |
| 〜てしょうがない/しかたがない | 学ぼう!にほんご 中級 第23課 | 気持ちや体の感覚がとても強くて、自分ではどうにもできない、我慢できないことを表します。「しょうがない」は「しかたがない(=ほかにどうする方法もない)」と同じ意味の話し言葉(もとは「しようがない」)で、「〜てしょうがない」のほうがくだけていて友達との会話向き、「〜てしかたがない」は少し改まった会話や文章でも使えます。「〜てたまらない」と並んで話し言葉でよく使われ、楽しみ・うれしいのようなよい気持ちにも、暑い・だるい・のどがかわくのような体の感覚にも付きます。また、「最近、忘れ物が多くてしょうがない」のように、困っている・あきれている気持ちを込めて言うことが多いのもこの形の特徴です。 |
| 〜です。そして、…です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第6課 | 一つのものについて二つの様子を言うとき、文を二つに分けて「そして」でつなぎます。「この町は静かです。そして、きれいです。」のように、二つの様子が同じ向き(どちらもよい、どちらもよくない)のときに使うのが基本です。二つ目の文では、同じ話題(「この町は」)をくり返さずに言います。形容詞どうしを一つの文でつなぐ形は第11課で習うので、この課では文を二つに分けて言います。「そして」は文と文をつなぐ接続詞で、ここでは二つ目の文が一つ目と同じ向きの情報を足すことを示します。話の流れに合うつなぎ方を選べるかは、文法の用語で言う文と文のつながり(結束性)の問題です。 |
| 〜ですが、…です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第6課 | 二つの様子が逆の向きのとき、「が」で一つの文につなぎます。「この店は高いですが、おいしいです。」は、よくない点(高い)とよい点(おいしい)を並べて、後ろのほうを特に言いたいときの形です。順番を入れ替えて「おいしいですが、高いです」と言うと、言いたいことが「高い」のほうになります。この「が」は文と文をつなぐ言葉で、第7課で習う「〜が好きです」の「が」とは働きが違います。文法の用語では、この「が」は前の文と後ろの文を逆の関係でつなぐ接続助詞で、二つの文を一つの文にまとめます(「そして」は文を二つに分けたまま、二つ目の文の頭に置く接続詞です)。 |
| 〜てたまらない | できる日本語 中級 第9課 学ぼう!にほんご 中級 第23課 | 気持ちや体の感覚がとても強くて、がまんできないほどだという意味です。「うれしくてたまらない」「会いたくてたまらない」「暑くてたまらない」のように、感情・欲求・感覚を表すことばにつきます。話し手自身の気持ちを言うのが基本で、他の人の気持ちを言うときは「〜てたまらないようだ」「〜がっている」などにします。似た形の「〜てしかたがない」「〜てしょうがない」はより会話的、「〜てならない」は気持ちが自然にわいてくる感じがあり、やや硬い言い方です。 |
| 〜てでも | できる日本語 中級 第20課 | 「Vてでも」は、「ふつうはしないような大変なこと・無理なことをしてでも」という意味で、目的をどうしても果たしたいという強い気持ちを表します(「借金をしてでも店を続けたい」)。後ろには「〜たい」「〜つもりだ」「〜なければならない」「〜(よ)う」のような意志・希望・必要の言い方が来るのがふつうです。ST3 では、経営者が考え方を守るためにどこまでの覚悟があったかを語るときに出てきます。4で学ぶ「〜てまで」は、その手段が行き過ぎだという評価や、実際にそこまでの手段をとったことに目を向けるのに対し、「〜てでも」はこれからの前向きな決意に使うという違いがあります。初級の「〜ても」(「雨が降っても行く」)は「その条件でも変わらない」という意味で、自分から大変な手段を選ぶ「〜てでも」とは違います。 |
| 〜てならない | できる日本語 中級 第14課 学ぼう!にほんご 中級 第23課 | 自然にわいてくる気持ちや感覚を、抑えられないほど強く感じることを表します。「気になってならない」「心配でならない」「残念でならない」のほか、「〜ように思えてならない」「〜気がしてならない」のように、自然とそう感じてしまう意味の語とよく結びつきます。書き言葉寄りでやや硬く、投書や作文で自分の思いを述べるときに向きます。似た「〜てたまらない」は「暑くてたまらない」「会いたくてたまらない」のように体の感覚や強い望みに使いやすく話し言葉でも使いますが、「思えてならない」を「思えてたまらない」と言い換えるのは不自然です。 |
| 〜ては/といけない | 中級から学ぶ日本語 第1課 | 「〜てはいけない」は「それをしてはだめだ」という禁止。ルールや注意として相手に向けて言うことが多い。「〜といけない」は「そうなると困る・まずい」という心配で、「〜といけないから、…」のように、前もって何かをしておく理由として使うことが多い。形は似ているが、「ては」は行為を止める言い方、「と」は悪い結果を避ける言い方で、向きが違う。文法の用語では、「てはいけない」は禁止を表す言い方、「といけない」は条件の「と」に「いけない(困る)」という評価が付いた形と説明されることが多い。 |
| 〜てはいけません | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第13課 | ある行為が許されていない(禁止されている)ことを表します。規則・きまり・注意書きのように、話し手の気持ちよりも「そういうきまりになっている」と伝える言い方で、先生が学生に、親が子どもに、のように立場が上の人から下の人へ言うときや、場所のきまりを説明するときに使います。目上の人に向かって直接「〜てはいけません」と言うと強すぎて失礼になります。第12課の「〜ないでください」は相手に頼む言い方で、「〜てはいけません」はきまりとして言う言い方です。「ては」の「は」は「わ」と読みます。 |
| 〜てはじめて | できる日本語 中級 第17課 | 「Vてはじめて」は、あることを実際にして、そのときになって初めて何かがわかったり、できるようになったりしたことを表します。後ろには「わかる・気づく・知る・〜ようになる」など、気づきや変化の言い方が来ることが多く、依頼・命令や「〜よう」のような意志の言い方は来ません。「Vてから」は出来事の順番を言うだけですが、「てはじめて」は「それまではわからなかった」という気づきに重さがあります。意見の話し合いでは、自分の経験を根拠にして「経験しないとわからない」と条件を示すのに使えます。「Nがあってはじめて」の形もあります。 |
| 〜てはならない | 学ぼう!にほんご 中級 第36課 | 「〜てはいけない」と同じく禁止を表しますが、ずっと硬く強い言い方です。法律・規則・施設の注意書き・試験の注意・スポーツのルール、また親や先生が大切な教えとして言う言葉、演説や文章で多く使われます(「試験中は、隣の人と話してはならない」「人の命を軽く考えてはならない」)。個人のその場の気持ちで止めるというより、社会や組織の決まり、守るべき教えとして「決してしてはいけない」と言う響きがあります。日常の会話でふつうに使うと大げさで硬く聞こえるので、会話では「〜てはいけない」「〜ちゃだめ」を使います。この課の中ではいちばん強い禁止で、「〜べきではない(わたしの判断)」「〜ものではない(常識)」より上の段に置けます。 |
| 〜てほしい/〜てもらいたい | できる日本語 中級 第1課 | 自分以外の人に何かをしてもらいたいという希望を表します。自分がしたいことは「〜たい」、他の人にしてもらいたいことは「(人に)〜てほしい」で、その動作をする人は「に」で示します。「〜てもらいたい」も同じ意味で、相手の行為で自分が助かる気持ちがやや強く、改まった場面で使われることが多いです。人以外(天気など)への願いには「雨がやんでほしい」のように「〜てほしい」を使い、お知らせで目上の読み手に向けるときは「〜ていただきたい」とさらにていねいにします。文法の用語では、話し手以外の人の行為への希望を表す形で、「〜てもらいたい」は授受の「もらう」に「たい」がついたものです。 |
| 〜てほしい/ないでほしい | 中級から学ぶ日本語 第4課 | 話す人が、ほかの人にしてもらいたいこと、物事がそうなってもらいたいことを言う。自分がすることは「〜たい」、ほかの人がすることは「〜てほしい」と分けるのが芯。してもらいたい相手は「に」で表し(友だちに手伝ってほしい)、人でない物事は「が」で表す(雨がやんでほしい)。してほしくないことは「〜ないでほしい」。文法の見方では、話し手の希望を表すモダリティの表現で、授受の「〜てもらいたい」とほぼ同じ意味だが、相手に直接言うと要求が強く聞こえることがある。 |
| 〜てまで/〜までして | できる日本語 中級 第20課 | 「Vてまで」「Nまでして」は、ふつうならしないような極端な手段をとってまで何かをする(した)ことを表します。使い方は大きく二つで、一つは「そこまでする必要があるのか」という話し手の否定的な評価(「借金してまで、高い車を買いたくない」「うそをついてまで勝ちたいとは思わない」)、もう一つは、その人がそれほどの手段をとったことを示して決意の強さを伝える使い方です(「仕事を辞めてまで、この道を選んだ」)。ST4 の人物紹介の記事では後者の使い方で、その人が何を手放したかを読み取る手がかりになります。3の「〜てでも」は「どんな手段をとっても〜したい」というこれからの決意で、後ろに意志・希望が来ますが、「〜てまで」は手段の極端さそのものに目を向け、「〜たくない」「〜必要はない」などの評価の言い方や、実際にしたことの説明と一緒に使うことが多いという違いがあります。 |
| 〜てみます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第27課 | 動詞のテ形に「みます」をつけると、結果やようすを知るために、ためしにその動作をすることを表します。「このズボンをはいてみます」は、大きさや似合うかどうかを知るためにはいてみる、ということです。「みます」はもともと「見ます」ですが、この使い方では目で見る意味はなく、ふつうひらがなで書きます。「〜てみたいです」(まだしたことのないことをためしたい)、「〜てみてください」(相手にすすめる)、「〜てみませんか」(さそう)の形でよく使います。 |
| 〜ても | できる日本語 初級 第15課 学ぼう!にほんご 中級 第33課 | 「〜たら」と反対に、その条件があっても、後ろのことは変わらないと言う形です。「雨が降っても行きます」「高くても買います」のように、計画を立てるときに「何があってもする」という気持ちを伝えます。テ形に「も」をつけて作ります。文法の用語では「逆接の条件」と呼ばれ、「〜たら」(順接の条件)と対にして整理されます。 |
| でも | できる日本語 初級 第9課 | 前の文と反対のことや、予想と違うことを次の文の初めで言うときに使う接続の言葉です。「わたしはあまり読みません。でも、映画をよく見ます」のように、相手の話を受けて自分の場合を足すと会話が続きます。第4課の「〜が、〜」は一つの文の中でつなぎますが、「でも」は文を一度切ってから使います。 |
| 〜でも(極端な例) | できる日本語 中級 第1課 | いちばんありそうにない・極端な例を挙げて、「それでさえそうなのだから、ほかはもちろんそうだ」という気持ちを表します。「子どもでもわかる」「おいしい店なら1時間待ちでも並ぶ」のように使い、自己紹介では自分の好きなものや得意なことの度合いを印象的に伝えられます。「も」は単に同じものを足すだけで、「さえ」は「でも」より強く、マイナスの場面(「名前さえ書けない」)でよく使います。同じ「でも」でも、「お茶でも飲みませんか」のように軽く例を挙げる使い方とは別です。文法の用語では、極端な例を挙げてほかを推し量らせる取り立て助詞の「でも」で、「さえ」「も」と同じ仲間として比べられます。 |
| 〜でも(例示) | できる日本語 中級 第3課 | いくつかある選択肢の中から一つを軽く例として挙げ、「ほかのものでもかまわない」という気持ちを表します。「お茶でも飲みませんか」のように、誘い・提案・すすめ・希望の文で使うと、押しつけない柔らかい言い方になります。記事では「まずは単語アプリでも開いてみては」のように、読み手に気軽な一歩をすすめる文に出ます。第1課の「〜でも(極端な例)」(「子どもでもできる」)は「〜さえ」に近い意味で、形は同じでも働きが違います。 |
| 〜ても、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第19課 | 「〜ても」は、前のことがあっても、ふつう考えられる結果にはならない、と言う言い方です。項目2の「たら」の文「あした寒かったら、うちにいます」と並べて「あした寒くても、ジョギングをします」と言うと、同じ前の文から逆の結果になることがよく分かります。これから起きるかもしれないこと(あした雨が降っても)にも、本当にあったこと(薬を飲んでも、治りませんでした)にも使えます。形はテ形に「も」をつけるだけで、第13課の「〜てもいいです」の前半と同じ形です。文法の用語では逆接の条件と呼ばれ、仮定の場合(これから雨が降っても)と、実際に起きた場合(薬を飲んでも治らなかった)の両方に使えることがよく問われます。 |
| 〜てもいいです/〜なくてもいいです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第13課 | 「〜てもいいです」は、ある行為が許されていることを表します。自分がしたいことの許可を求めるときは「〜てもいいですか」と聞き、答えは「ええ、いいですよ」「どうぞ」が自然です。「〜なくてもいいです」は、しなくても問題がない(その必要がない)ことを表し、第12課の「〜なければなりません」と反対の意味になります。形容詞や名詞にもつき、「安くてもいいです」「あしたでもいいです」のように、条件をゆるめて「それでも問題ない」と言うときにも使います。 |
| 〜てもいいですか | 学ぼう!にほんご 初中級 第2課 | 初級で習った、許可を求める基本の形です。この課では、だれに・どのくらい大きなことを頼むかで丁寧さの段を選び分けるところまで広げます。友達や家族には「〜てもいい?」、先生や上司への小さなこと(窓を開ける・質問する)には「〜てもいいですか」、仕事を早く切り上げるなど相手に負担をかけることには「〜てもよろしいでしょうか」、さらに丁寧に頼むときは使役のて形を使った「〜させていただけませんか」を使います。「〜させていただけませんか」は「わたしが〜することを、あなたに許してもらえませんか」という意味で、使役の「させる」がここでは「許す」の意味で使われています。どの段でも、先に理由を言ってからお願いを言い、許可されたらお礼を言うのが自然な流れです。 |
| 〜てもかまいません/〜なくてもかまいません | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第13課 | 「〜てもいいです」「〜なくてもいいです」と同じ意味で、「いいです」を「かまいません」に替えた言い方です。少し改まった、ていねいな響きがあり、店や役所・病院の受付、職員や先生の説明でよく聞きます。「かまいません」は「問題ありません」という意味で、「ません」で終わっていても許可の意味だということが大事です。許可を求めるときに「〜てもかまいませんか」と聞くこともでき、答えは「ええ、かまいませんよ」です。 |
| 〜て以来… | 学ぼう!にほんご 初中級 第16課 | 「過去のある時(きっかけになった出来事)からあと、今までずっと同じ状態が続いている」ことを表します。後ろには「ずっと〜ている」「一度も〜ていない」「〜てきた」のように今まで続いていることを言う文か、「3回引っ越した」「一度だけ国に帰った」のように、その期間の中の回数をまとめて言う文が来ます。「〜てから」と似ていますが、「〜てから」は「Aのあとで一回Bをした」という順番にも使えるのに対し、「〜て以来」は一回の出来事だけを言う文には使いにくく、少し改まった言い方です。また、さっき・きのうのような近い過去より、ある程度長い期間を振り返るときに使います。 |
| テ形 | できる日本語 初級 第7課 | 「〜てください」「〜ています」などを作るもとになる動詞の形です。この課で初めて出て、このあとの多くの文型の土台になります。ます形から作り、1グループは「ます」の前の音によって作り方が変わり、2グループは「ます」を「て」に、3グループは「して」「来て」になります。1グループの「って・んで・いて」は、文法の用語で言うと「音便」(促音便・撥音便・イ音便)で、作り方の規則として問われることが多い所です。 |
| て形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第11課 みんなの日本語 初級Ⅰ 第14課 | 「て形」は、動詞の「ます」の前の形(ます形)から作る活用形です。第10課の「〜ています」で、この形にはもう触れていますが、この課でグループごとの作り方を整理し、「〜て、…て、―ます」「〜てください」「〜てから」の三つの文型に乗せます。グループⅡ・Ⅲは「ます」を「て」に替えるだけで、グループⅠはます形の最後の音(い・ち・り/み・び・に/き・ぎ/し)で4つの型に分かれます。動詞のグループ分けがまだ入っていないクラスでは、ここで先に入れます。第13課の「〜てもいいです」や第14課の「〜てあげました」もこの形に乗るので、口から自然に出るまで練習しておきます。 |
| 〜と、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第15課 | 前のことが起きると、いつも、または当然、後ろのことが起きる、という関係を表します。季節や自然の変わり方(夜になると、寒くなります)、機械の使い方(このボタンを押すと、水が出ます)、道案内(まっすぐ行くと、右に駅があります)でよく使います。「と」の前は動詞の辞書形かない形です。後ろには「いつもそうなること」が来るので、自分の意志や相手へのお願い(〜ましょう・〜てください・〜たいです)は来ません。 |
| 〜と、…ました/〜と、…た | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第38課 | 「〜と、…ました」は、前のことをしたとき、その結果として後ろのことに気づいた・後ろのことが起きた、と言う言い方です。第15課の「春になると、花が咲きます」は「いつもそうなる」ことでしたが、この課の「と」は過去の一回のことで、後ろには話し手が見つけたこと(〜がありました・〜ていました・〜が見えました)や、ひとりでに起きたこと(ドアが開きました・電話が鳴りました)が来ます。後ろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たいです」のような頼み・誘い・希望の文が来ないのは、「と」の決まりです。一方、話し手が自分で続けてしたこと(うちへ帰ると、すぐ寝ました)は、物語や日記では言えますが、この課では扱わず、「〜て」で言わせます。前は過去のことでも辞書形のままで、文の時は後ろの「〜ました」が決めます。「〜と、…た」は同じ意味の普通体で、友達との会話や日記・作文で使います。 |
| 〜と、A/V | できる日本語 中級 第1課 | 「Xと、Y」で、Xが起きると、いつも・必ずYになるという自然な結果やつながりを表します。「雨が降ると、気温が下がります」のように、天気予報や機械の説明、道案内でよく使います。後ろ(Y)には形容詞や動詞で、起きること・状態がきます。そのため、後ろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たい」などの話し手の意志や頼みは来ないのが「たら」との大きな違いで、その場合は「たら」を使います。文法の用語では、条件表現のうち一般条件・恒常条件(いつもそうなる)を表す「と」で、「ば」「たら」「なら」と並べて比べられます。 |
| 〜と、〜た(発見・意外) | 中級から学ぶ日本語 第2課 | 前の文の動作をしたとき(した直後に)、思いがけないことを見つけた・気づいたことを言う。後ろの文は話し手が自分で決められない事実で、過去形(〜た/〜ていた)になる。後ろが「〜ていた」なら、行ったときにはもうその状態だったこと、「〜た」ならその場で起きた出来事。初級の「春になると暖かくなる」のようないつも成り立つ条件の「と」とは違い、一回の出来事の報告で、物語・日記・体験談によく出る。文法の用語では、条件表現の「と」の「発見」の用法と呼ばれることが多い。 |
| 〜と…とどちらが―ですか | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第7課 | 二つのものを比べて、どちらの程度が上かを聞く言い方です。第6課の「AはBより―です」は比べた結果を言う文で、この課はそれを聞く側の文です。答えは「Aのほうが―です」で、「より」を足して「AのほうがBより―です」とも言えます。同じぐらいのときは「どちらも―です」と答えます。「―」には形容詞が入り、項目1の「好き」も入る(「どちらが好きですか」)ので、好みを比べて聞くこともできます。「どちら」は二つから選ぶときの言葉で、くだけた会話では「どっち」になります。 |
| 〜と…へ(移動表現) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第4課 | いっしょに行く相手を「と」で表します。「友達と京都へ行きます」のように、人の名詞に「と」をつけて「〜へ行きます」の前に置きます。相手がいないときは「一人で行きます」と言い、このときは「と」ではなく「で」になります。相手を聞くときは「だれと行きますか」です。この項目で、時・人・乗り物・場所を一文にまとめて言えるようになります。使う場面は週末や休みの予定、出張の報告などで、この項目で「いつ・だれと・何で・どこへ」の枠が全部そろいます。文法用語で言えば、この「と」は動作をいっしょにする相手を表す格助詞(共同の「と」)で、名詞を並べる並列の「と」とは働きが違います。 |
| 〜という… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第38課 | 「N1というN2」は、相手が知らないかもしれない名前(N1)を、それが何の仲間か(N2)といっしょに紹介する言い方です。「ドリアンという果物」「ソンクラーンというお祭り」のように、N2には果物・花・店・町・人のような、だれでも分かる名詞を置きます。名前を聞くときは「何(なん)という〜ですか」と言います。人の名前につけて「山田さんという人から電話がありました」と言うと、話し手もその人をよく知らない感じが出ます。相手もよく知っている物には使わないので、「富士山という山」と言うと、富士山を知らない人に話している感じになります。 |
| 〜というN | 中級を学ぼう(中級前期) 第2課 | 名前・内容・定義を名詞にかぶせる言い方です。「『七福神』という言葉」のように名前を示すときと、「4は死を思わせるという考え」のように内容や考えの中身を示すときがあります。話し言葉では「〜っていうN」「〜ってN」になることが多く、本文のような書き言葉では「〜という」です。「考え・話・うわさ・意見」のように言葉や思考を表す名詞の前では「という」が入るのがふつうで、とくに中身が「〜だ」で終わる文や引用のときは省けません(「来月引っ越す話」のように省けることもあります)。「習慣・事件」のような名詞では「という」がなくてもよく言えます。文法用語では、名詞の中身を説明する連体修飾(内容を表す修飾)の形として扱われます。 |
| 〜というか | できる日本語 中級 第17課 | 「〜というか」は、今言ったことばがぴったりではないと感じて、より合う言い方に言い直すときの話し言葉です。「うれしいというか、ほっとした」のように後ろに言い直しが来る形と、「AというかBというか」のように二つ並べて、どちらとも決めにくい気持ちを表す形があります。「〜というより(も)」(第11課)は「AよりBのほうが正確だ」とはっきり比べて選びますが、「というか」はそこまで比べず、考えながら話している感じが出ます。くだけると「〜っていうか」になり、面接や目上の人へのメールでは避けたほうがよい言い方です。先輩の話では、気持ちや状態をうまく言えないところに出てくるので、聞き取りの目印になります。 |
| 〜ということだ | できる日本語 中級 第2課 学ぼう!にほんご 初中級 第7課 | 相手の説明や読んだ情報を受けて、「つまり〜だ」と言い換えたり、結論をまとめたりする言い方です。店員の説明を聞いて「じゃあ、今日は買えないということですね」と言うと、自分の理解が合っているかを確かめられ、行き違いを防げます。「〜そうだ」は聞いた話をそのまま伝えるだけですが、「〜ということだ」は聞いたことから話し手が引き出した中身を言います。聞いた話を人に伝える「〜ということだ/〜とのことだ」(伝聞)は第11課でくわしく扱うので、この課では確かめの「〜ということですね」「〜ということですか」を中心にします。 |
| 〜ということだ/〜とのことだ | できる日本語 中級 第11課 | 人から聞いたことや、調査・報道で伝えられたことを、そのまま聞き手に伝える伝聞の形です。ニュースの解説では「〜を対象に調べたということです」のように、情報の出どころが話し手自身ではないことを示します。「〜そうだ」より改まった言い方で、「〜とのことだ」はさらに硬く、ニュースや仕事の伝言(「部長は少し遅れるとのことです」)でよく使います。「〜らしい」と違って話し手の推測は入らず、また伝聞の「〜そうだ」は過去の形にできませんが、「〜ということでした」は言えます。 |
| 〜ということになっている | 学ぼう!にほんご 初中級 第11課 | 「ことになっている」に「という」が入った形で、前に普通体の文や名詞をそのまま置けます(「会費は無料ということになっている」)。意味の芯は同じく決まりや取り決めですが、「という」が入ることで、決まりを話し手が外から紹介する響きが出ます。人から聞いた決まりや、規則にそう書かれている決まりを伝えるときによく使います。もう一つ、「表向きは〜ということになっている(が、実際は違う)」のように、公式にはそう扱われているが本当は違うことがあるという建前の含みで使われることも多く、続く文で「でも、実際は〜」と言うときの手がかりになります。どちらの響きかは文脈で決まるので、読むときは後ろに「でも」「実は」が来るかに注意させます。 |
| 〜というと…(1) | 学ぼう!にほんご 初中級 第9課 | この教案では(1)を「話題から連想する」使い方として扱います。「Nというと、…」は、Nという言葉を話題として出し、その言葉から多くの人が思い浮かべること・よく知られたイメージを後ろで言う言い方です。後ろには「〜が有名です」「〜を思い浮かべます」「〜ですね」のような文がよく来ます。会話では、話題を出して相手に話してもらうきっかけになるほか、「日本の夏というと花火ですが、私の国では…」のように、よく知られたイメージを先に出してから自分の話に入ることもできます。 |
| 〜というと…(2) | 学ぼう!にほんご 初中級 第9課 | この教案では(2)を「相手の言葉を受けて確かめる」使い方として扱います。相手が言った名前や言葉がどの人・どの物を指すのかはっきりしないとき、その言葉をくり返して「Nというと、〜のことですか」と聞き、話のずれを防ぎます。「というと?」だけで止めて上がり調子で言うと、「それはどういうことですか、もう少し詳しく」と相手に説明を求める言い方になります。分からないところを確かめてから話を続けられるので、会話を止めずに済みます。 |
| というのも | 中級から学ぶ日本語 第12課 | 前の文で言ったこと(結論・意外なこと・自分の行動)の理由や事情を、あとから付け加えて説明する、文の始めに置く接続の言い方。後ろの文は「〜からだ」「〜のだ」で終わることが多く、これで「理由の説明はここまで」という形が閉じる。先に結論を言って、聞き手・読み手が「どうして?」と思うところに答える流れを作るので、エッセイや少し改まった話で、意外な結論を言ったあとによく使う。「なぜなら」に近いが、「なぜなら」より論理を強く押し出さず、会話でも使いやすい。文法の見方では、二つの文の関係(理由)を示す接続詞で、文と文のつながり(結束性)を作る働きをしている。 |
| 〜というものだ | できる日本語 中級 第12課 学ぼう!にほんご 中級 第36課 | ある物事について、「それがまさに〜だ」「〜と言うのが当然だ」と、話し手が一般的な道理として言い切る形です。投書では「何でも試すのは、かえって危険というものだ」のように、自分の意見を、誰もが認めるはずの考えとして強く述べるときに使われます。個人の好みや感想ではなく、社会の常識や道理に照らした判断に使うのが特徴で、硬く、書き言葉や改まった意見文に多い形です。第5課の「〜ものだ(当然)」は「本来そうするべきだ」と一般的な性質や心がけを言い、「〜というものだ」は目の前の事柄を一つの評価にまとめて断定する点が違います。第20課の「〜というものではない」は「いつもそうだとは言えない」と部分的に否定する形なので、対にして覚えさせます。 |
| 〜というものではない/〜というものでもない | できる日本語 中級 第20課 | 「〜というものではない」は、世の中でよく言われる考えや、ついそう思いがちなことを「いつでもそうだとは言えない」と打ち消す言い方です。「高ければいいというものではない」「長く練習すれば上手になるというものでもない」のように、「〜ば(いい)」「〜さえ〜ば」と一緒に使うことが多く、ST1 で「お金があれば幸せ」のような考えに自分の意見を言うときの中心になります。「〜というものでもない」にすると「そうとも限らない」と少し柔らかくなります。「〜わけではない」が目の前の話から出てくる結論を打ち消す(「お金が嫌いなわけではない」)のに対し、「〜というものではない」は一般的な考え方そのものを打ち消します。「〜とは限らない」は例外があると言うだけですが、「〜というものではない」には「そう考えるのはよくない」という話し手の評価がこもりやすい点も違います。 |
| 〜というものではない・〜というものでもない(=〜わけではない・〜わけでもない) | 中級を学ぼう(中級前期) 第8課 | 「〜という考えは、いつも正しいとは言えない」と、世間でよく言われる考えや相手の主張を、部分的に否定する形です。「安ければいいというものではない」のように、一般的な考えを一度言ってから「でもそれだけではない」と直すときに使います。第1課の「わけではない」と意味は近いですが、「というものではない」は個人の事情より、「一般にそう考えられていること」を否定するときに向きます。「でもない」にすると、「それも違う」と前の否定に足す感じになります。「いつも〜とは限らない」と言い換えられる、部分否定に近い働きの形です。 |
| 〜というより(も) | できる日本語 中級 第11課 | あることを言い表すのに、A という言い方より B という言い方のほうが合っている、と言い直す形です。結婚の話では「結婚は個人の問題というより、家族の問題だ」のように、自分の見方をはっきりさせるのに使います。初級の「A は B より〜」が二つのものの程度を比べるのに対して、「A というより B」は一つのものについて、どう言うのがより正確かを比べている点が違います。「むしろ」と一緒に「〜というより、むしろ〜」とも言います。 |
| 〜というよりも | 学ぼう!にほんご 中級 第32課 | 一つの物事を言い表すときに、前の言い方も間違いとは言えないが、後ろの言い方のほうがより正確だ、ぴったりだと、言葉を選び直すことを表します。「AというよりもB」で、Aを全部打ち消すのではなく、「Aと言うのは少し足りない・少しずれている」と部分的に退けて、Bに言い換えるのがこの形のはたらきです。相手の言い方を直すときにも、自分が最初に言った言葉を言い直すときにも使い、「〜というよりも、むしろ〜」と「むしろ」を添えることもよくあります。「も」を落とした「〜というより」も同じ意味で、会話ではこちらのほうがよく使われます。 |
| 〜というわけだ/〜わけだ | できる日本語 中級 第9課 | 前に述べた事実や理由から、当然そうなるという結論や、「だからそうなのか」という納得を表します。「4649は『よろしく』と読めるから、覚えやすいわけだ」のように、理由を聞いてわかったことを言うのに使います。「〜というわけだ」は、それまでの話を「つまり〜ということだ」とまとめたり言い換えたりするときに多く使います。似た形の「〜はずだ」は、まだ確かめていないことを根拠から推し量る言い方で、理由がわかって納得する「〜わけだ」とは向きが違います。 |
| 〜という意味です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第25課 | 標識・マーク・漢字・ことばの意味を説明するときの言い方です。「XはYという意味です」の形で、Yに意味の中身を普通体で入れます。命令形や禁止形もそのまま入るので、「門の前の『駐車禁止』は、ここに車を止めるなという意味です」のように、標識や注意書きの意味を説明するのにちょうどよい形です。意味を聞くときは「Xはどういう意味ですか」「Xは何という意味ですか」と聞きます。第17課の「日本語で何と言いますか」がことばを聞く質問なのに対して、こちらはことばの意味を聞く質問で、向きが反対です。 |
| 〜といえば/〜というと | できる日本語 中級 第6課 できる日本語 中級 第19課 | ある話題を出して、それを聞いてすぐ思い浮かぶもの・いちばん代表的なものを言う表現です。「北海道といえば、雪まつりですね」のように、その土地や季節の名物・行事を紹介するときに便利です。また、相手が言ったことばを受けて「旅行といえば、来月の連休はどうする?」と話題を広げたり変えたりするときにも使います。「〜というと」もほぼ同じですが、「来週というと、10日ですか」のように相手の言ったことを確かめる使い方もあります。会話でも発表でも使えます。 |
| 〜といえば… | 学ぼう!にほんご 初中級 第9課 | 「Nといえば、…」も、Nから思い浮かぶことを言う言い方で、(1)の「というと」と同じように連想に使えます(「夏といえば花火です」)。違いが出るのは会話の流れの中で、「といえば」は相手の話に出た言葉をきっかけに、そこから思い出した別の話題へ移るときによく使います。「来週、京都へ行くんです」「京都といえば、駅の近くに新しい美術館ができたそうですよ」のように、相手の話を受けながら話を少し横に広げられます。後ろには、話し手が思い出したことや相手に伝えたい新しい話題が来ます。前の言葉を受けずに、ふと思い出したことを話し始めるときは「そういえば」を使います。 |
| 〜といった | できる日本語 中級 第15課 | 「AやBといったN」で、N の中身をいくつか例として挙げます。挙げたもの以外にもあることを含み、後ろには必ずそれらをまとめる名詞(メディア・方法・サービスなど)が来ます。「AやBなどのN」とほぼ同じ意味ですが、「〜といった」のほうが改まっていて、発表や文章に向きます。会話では「〜とか〜とか」「〜みたいな」のほうがふつうです。メディアの使い分けを話すとき、種類をまとめて示すのに使います。 |
| 〜といったら | できる日本語 中級 第10課 | 「Nといったら」は、ある話題を出して、それと聞いてまず思い浮かぶ代表的なもの・いちばんの特色を続けて言う形です。パンフレットでは「この町といったら〇〇」のように、行き先の看板になるものを示すのによく使われます。似た「〜といえば/〜というと」とほぼ同じ場面で使えますが、「〜といったら」は話し言葉的で、気持ちのこもった言い方になりやすい傾向があります。もう一つ、「Nの美しさといったら(ない)」のように、程度がとても大きいことを驚きをこめて言う使い方もあり、こちらは紹介文や語りの中で見かけます。 |
| 〜といっても | 中級から学ぶ日本語 第6課 できる日本語 中級 第11課 学ぼう!にほんご 中級 第33課 | 相手が持ちそうなイメージ(または相手が言った言葉)をいったん受けて、「実際はそこまでではない」「実際はこうだ」と補足する言い方。程度を下げる使い方が多いが、本文のように悪い印象を良い方へ直す使い方もある。後ろには「〜ぐらい」「〜だけ」のように範囲を小さくする言葉が来やすい。文法の見方では、前の内容を認めたうえで、そこから予想されることを限定・訂正する逆接の表現で、「と」は引用の「と」から来ている。 |
| どういう意味ですか/〜という意味です | できる日本語 初中級 第2課 | 知らない言葉の意味を聞いたり説明したりする言い方です。メニューの料理の名前や「大盛り」のような言葉を、一緒にいる人に聞いて注文を決めるときに使います。答えるときは説明の文(普通形)に「という意味です」をつけます。初級第13課の「NというN」と同じ「という」で、前の部分が中身を表します。 |
| どうしたんですか/〜んです | できる日本語 初級 第12課 | 「〜んです」は、目の前の様子やできごとについてわけや事情を説明する言い方で、「どうしたんですか」は相手のいつもと違う様子を見て、そのわけを聞く言い方です。聞かれた人は「頭が痛いんです」のように「んです」で答えると、ただ事実を言うより「だから今こうなっている」という説明として伝わります。ST1 では、体調が悪いことを伝えて早く帰ることを頼むときや、休んだわけを言うときの前置きとして使います。文法用語では「ノダ文」と呼ばれ、説明のモダリティを表す形として扱われます。初級では「目に見える様子のわけを言う」場面に絞って入ると、使いどころがつかみやすくなります。 |
| どうして/〜から | できる日本語 初級 第5課 | 「どうして」は理由を聞く疑問詞で、答えには理由のあとに「から」をつけます。「どうして京都へ行きましたか」「古いお寺がたくさんありますから」のように、感想や出来事に理由をそえると、会話が一往復で終わらずに続きます。理由と結果を一つの文にするときは「〜から、〜」の順で、理由が先に来ます。この課では「から」の前は「です・ます」の形(「高いですから」「雨でしたから」)で練習します。 |
| どうして〈普通形(〜だ→〜な)〉んですか / …〈普通形(〜だ→〜な)〉んです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第26課 | 「どうして〜んですか」で理由をたずね、「〜んです」で理由を説明するやり取りです。理由を聞くときは、「どうして〜ますか」より「どうして〜んですか」のほうが自然で、会話ではふつうこちらを使います。答えるときも、「〜からです」のほかに「〜んです」で事情を説明する言い方がよく使われます。「〜んです」で答えると、ただ理由を述べるより、「こういう事情があるんです」と相手に分かってもらおうとする気持ちが出ます。 |
| どうしますか | できる日本語 初級 第11課 | ある場面で相手がどうするか、どう動くかを聞く言い方です。「病気のとき、どうしますか」のように「〜とき、どうしますか」の形でよく使い、答えは「〜ます」や「〜たり〜たりします」です。「何をしますか」はどんな活動をするかを聞くのに対して、「どうしますか」は困ったときなどにどうするかを聞く感じが強いです。文法の用語で言うと疑問詞を使った疑問文の一つで、答えは「はい・いいえ」ではなく行動の中身になります。 |
| どうやって | できる日本語 初級 第9課 | やり方や手段を聞く疑問詞です。「春巻きはどうやって作りますか」と聞かれたら、テ形をつないで手順を答え、「駅までどうやって行きますか」と聞かれたら、第4課の「[交通手段]で」で答えます。理由を聞く「どうして」(第5課)や、様子を聞く「どうですか」と音が似ているので、何を聞いているかを区別させます。 |
| 〜とおり | 中級から学ぶ日本語 第12課 | 前に言ったこと・見せたこと・予定や予想・書いてあることと「同じように」「同じ状態で」ということを言う。名詞のあとでは「Nのとおり」「Nどおり(予定どおり・説明書どおり)」、動詞のあとでは「Vるとおり」「Vたとおり」の形になる。後ろには「〜とおりに+動詞」(言われたとおりに書く)、「〜とおりだ」(結果は予想したとおりだった)、「〜とおりの+名詞」(思ったとおりの結果)が続く。手本と中身が同じであることを言う言い方なので、見た目や性質が似ていることを言う「〜のように」(父のように背が高い)とは重ならない部分がある。文法の見方では、名詞「通り」を前の文が修飾する形(連体修飾)で、様子・方法を表している。 |
| 〜とおり(に)/〜どおり(に) | できる日本語 中級 第5課 | 「〜とおり(に)」は、前に示されたことと同じようにする・なることを表します(「地図に示したとおりに進んでください」)。動詞や「Nの」のあとは「とおり」、名詞に直接つくときは「どおり」と音が変わります(「指示どおりに」「予定どおり」)。後ろに名詞が来るときは「とおりの+N」「どおりの+N」です。避難の掲示では「係員の指示どおりに」「矢印のとおりに」のように、自分で判断せず決められたやり方に従うことを求める文によく出ます。 |
| 〜とか | できる日本語 中級 第5課 | 文の終わりや「〜とかで」の形で使い、人から聞いた話を、細かいところまでは確かではないという気持ちで伝える言い方です(「線路に木が倒れたとかで、電車が止まっています」)。「〜そうです」が聞いた内容をそのまま伝えるのに対して、「〜とか」は「そのように聞いた」とぼかす響きがあり、話し言葉です。上司への正式な報告では「〜とのことです」「〜そうです」のほうが適切です。「〜とか〜とか」と例を並べる「とか」とは別の用法です。 |
| 〜とか〜とか | 中級から学ぶ日本語 第6課 できる日本語 中級 第1課 | いくつかある中から例をいくつか並べて示す言い方。「〜や〜など」より話し言葉的で、名詞だけでなく動詞の形も並べられる。並べたあとを理由(〜があって)・方法(〜して)・内容(〜、N)で受ける。並べたもののほかにもまだある、という含みが残るので、全部を言い切らないときに便利。文法の見方では、例を挙げて並べる並立の助詞で、「明日休むとか言っていた」のように人の言葉をぼかして引く使い方もあるが、この課では例を並べる使い方を中心にする。 |
| 〜とき、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第18課 | 「〜とき」で、あることをする時や、ある状態の時を言います。前には普通表現が来て、い形容詞はそのまま、な形容詞は「な」、名詞は「の」をつけます(寒いとき・ひまなとき・子どものとき)。動詞は、「とき」の前の動作がまだ終わっていなければ辞書形、もう終わっていればた形で、文の終わりが過去か今かでは決まりません。「国へ帰るとき、空港でお土産を買います」は帰る前(日本の空港で)、「国へ帰ったとき、家族にお土産をあげます」は帰った後(国で)のことです。 |
| 〜とき、Vました | できる日本語 初級 第11課 | 前のある時期や場面を「〜とき」で示し、そのときにしたことを言う形です。「子どものとき、よく外で遊びました」「日本に来たとき、空港で写真を撮りました」のように、後ろを「Vました」にして前のことを話します。「子どものとき」「学生のとき」のように、「とき」の前は過去の形にしなくても、後ろの「ました」で前のことだとわかります。ST1 の「今は〜ています」と並べると、今の私と前の私を比べられます。 |
| 〜とき、Vます | できる日本語 初級 第11課 | 「〜とき」で場面や状態を示し、その場面でいつもすることを言う形です。「暇なとき、映画を見ます」「寂しいとき、家族に電話します」のように、後ろが「Vます」なので、ふだんのこと・習慣になります。今の生活を話すとき、気持ちや天気、困ったことなど場面ごとにすることを伝えるのに使います。文法の用語で言うと「〜とき」は時を表す従属節で、後ろの文(主節)が「ます」か「ました」かで、いつもすることか前にしたことかが決まります。 |
| どこ/〜はどこですか | できる日本語 初級 第2課 | 「どこ」は場所を聞く疑問詞で、「〜はどこですか」の形で、売り場・トイレ・エレベーターなどの場所を聞きます。答えは「4階です」「あそこです」のように、階や「ここ・そこ・あそこ」で返ってきます。第1課の「〜は何ですか」と同じ形で、「何」の代わりに「どこ」が入るだけだと見せると、すぐに使えます。文法の用語では、疑問詞を使った疑問文(疑問詞疑問文)で、「はい・いいえ」では答えられない質問です。第1課の「Nですか」(はい・いいえで答える質問)と並べて、答え方の違いもここで確かめます。 |
| どこかへ行きましたか | できる日本語 初級 第5課 | 「どこか」は場所をはっきり言わない言い方で、「どこかへ行きましたか」は「出かけましたか、出かけませんでしたか」を聞く「はい/いいえ」の質問です。答えは「はい、〜へ行きました」か「いいえ、どこへも行きませんでした」。第3課の「どこへ行きますか」(場所を聞く質問)とは答え方が違うので、二つを並べて教えます。休み明けの会話の入り口としてよく使うので、ST1 のやり取りの2番目の質問として定着させます。 |
| どこのN | できる日本語 初級 第2課 | 「どこのN」は、その物がどこの国・どこの店や会社のものか、どこで作られたかを聞く言い方です。「どこのコーヒーですか」には「ブラジルのコーヒーです」と答えます。レストランやスーパーで、料理の国や産地を聞くのに使います。第1課の「さくら大学の学生」と同じ「NのN」の形で、前の名詞が国や場所になります。 |
| どこへも行きません | できる日本語 初級 第3課 | 「どこへも」のあとに「行きません」を続けると、「どこにも行かない」という全部の否定になります。「何もVません」の場所の版で、週末や休みの日を聞かれて「どこへも行きません」と答えれば、家で過ごすことが伝わります。「へ」と「も」が重なった形のまま覚えさせます。 |
| 〜ところ | 学ぼう!にほんご 中級 第27課 | 「Vたところ、〜」で、あることをしてみたら、こういう結果だった・こういうことが分かった、という流れを表します。前には、聞く・調べる・頼む・試す・開けるのような、話し手(人)が自分の意志でする行為が来ることが多く、後ろには、その結果として起きたことや分かったことを、事実として過去の形で言います。結果は、予想と違う意外なものであることも、予想どおりのものであることもあります。意味は「〜たら」の発見の使い方と近いですが、「〜たところ」は少し硬く、仕事の報告・メール・レポートなど、経過を順に伝える文によく使われます。 |
| 〜ところ(を) | できる日本語 中級 第17課 | 「〜ところ(を)」は、相手が〜という状況にあるのに、そこに入りこんで、と相手の事情に気をつかう言い方で、後ろに「すみません・恐縮ですが・ありがとうございました」のようなおわびやお礼が続きます。「お忙しいところ」「お休みのところ」「お疲れのところ」のように、相手の状況を表す決まった言い方として使うことが多く、メールや電話の最初と最後に置きます。「を」はあってもなくても使えます。第5課の「〜ところを(見られた)」は「ちょうどそのとき」という場面の意味で、ここでは相手の状況への気づかいの意味です。 |
| 〜どころか | できる日本語 中級 第14課 学ぼう!にほんご 中級 第39課 | 「AどころかB」で、Aではなく、実はAとは反対のBだと予想をひっくり返す形です(「慣れるどころか、ますます疲れた」)。もう一つ、「漢字どころか、ひらがなも読めない」のように、程度の高いAはもちろん、もっと基本的なBさえという使い方もあります。どちらも話し手の意外さや不満がこもります。「〜ばかりか」は前のAも成り立ったうえで足すのに対し、反対の向きの「〜どころか」はAを打ち消すのが違いです。似た形の「〜どころではない」は「忙しくて旅行どころではない」のように、それをする余裕がないという意味です。 |
| 〜どころか、かえって | 中級から学ぶ日本語 第10課 | 「AどころかB」は、Aになると思われていた(期待していた)が、実際はそれとはまったく違うBだった、と前を強く打ち消して言う。「かえって」は「予想と反対に」という意味の副詞で、「AどころかかえってB」と組むと、よくなるはずが反対に悪くなった(悪くなるはずが反対によくなった)ことがはっきりする。このほかに「漢字どころか、ひらがなも読めない」のように、「Aはもちろん、もっと簡単なBも〜ない」と程度を強める使い方もあり、こちらには「かえって」は付かない。どちらも話し手の驚きや不満が入るので、期待が見えない淡々とした報告には合わない。 |
| 〜ところだ | 中級から学ぶ日本語 第16課 学ぼう!にほんご 初中級 第1課 | 動作が時間の流れの中で、今どの段階にあるかを言う。「Vるところだ」は始まる直前(今から〜する)、「Vているところだ」はちょうど途中(今まさに〜している)、「Vたところだ」は終わった直後(たった今〜した)。「ところ」はもともと場所の言葉だが、ここでは時間の線の上の一点を指す。文法の見方では、動作のどの段階かを表すアスペクトの言い方。「Vるところだった」は、もう少しでそうなりかけたが実際にはならなかった、という意味になり、危なかったことやほっとした気持ちを言う。 |
| 〜ところだった | できる日本語 中級 第9課 | 「もう少しで〜という悪いことになりそうだったが、実際にはそうならなかった」という意味です。「もう少しで」「危うく」と一緒によく使い、失敗しかけた経験を、ほっとした気持ちとともに話すのに向いています。「乗り過ごしてしまった」が実際に起きたことを言うのに対し、「乗り過ごすところだった」は起きずにすんだことを言います。初中級で学んだ「Vるところです」(今まさにしようとしている)が過去になった形ですが、意味の中心は「起きずにすんだ」点にあります。 |
| 〜ところです/ところへ | 学ぼう!にほんご 中級 第27課 | 初中級で学んだ「〜ところだ」の続きとして、動作がどの段階にあるかと、その場面に別のことが起きる言い方をまとめ直します。「Vるところです」はする直前、「Vているところです」はしている最中、「Vたところです」はした直後で、時間の線の上の一点を指します。「〜ところへ」は、ちょうどその場面に、人がやってきたり電話がかかってきたりしたことを言い、後ろには「来る・現れる・帰ってくる・電話がかかってくる」のような、外から何かが来ることを表す言い方が多く来ます。初中級で学んだ「〜ところに」もほぼ同じように使え、「〜ところを」は、その場面を誰かに見られる・見つかる・助けられるなど、その場面にいる人に働きかける動詞と使う、という違いを押さえておきます。 |
| 〜どころではない | 学ぼう!にほんご 中級 第32課 | ほかにもっと大事なこと・大変なことがあって、今はそれをする余裕も状況もまったくないことを表します。前に来るのは、旅行・花見・勉強・パーティーのような活動の名詞や、「寝ている」「テレビを見ている」のような動作の言葉で、その活動について「それをしている場合ではない」と強く打ち消します。理由は、忙しい・病気・心配事・急な出来事など、話し手の事情や周りの状況で、気持ちとして嫌なのではない点が大切です。会話では「〜どころじゃない」がよく使われます。似た形の「〜どころか」は、「AどころかB」で「Aは当然違う、それより程度がずっと上(または反対)のBだ」という意味で、別の形です。 |
| 〜どころではない/〜どころじゃない | できる日本語 中級 第7課 | ほかにもっと大事なことや大変なことがあって、〜をする余裕がまったくないと強く言う形です。体験談では「最初は〜どころではなかった」の形で、参加する前や始めたばかりのころの余裕のなさを伝えるのによく使われます。「〜どころじゃない」は話し言葉、「〜どころではない」は書き言葉や改まった話で使います。似た「〜どころか」(第14課)は文の途中に来て「〜はもちろん、もっと…」と後ろに続ける形で、文の終わりで「それをする状況にない」と言う「〜どころではない」とは違います(「寒いどころではない」のように、形容詞について程度の強さを言う使い方もありますが、この課では「余裕がない」の使い方を中心にします)。 |
| 〜ところに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第17課 | 「〜ところへ」とほとんど同じで、ちょうどその場面に、別の人や物が来る・別のことが起きることを表します。多くの文は「へ」と「に」を入れ替えても意味は変わりません。違いは傾向で、「ところへ」は後ろが「来る・現れる」のような近づく動きの文になることが多いのに対し、「ところに」は「電話が鳴る・知らせが届く・雨が降り出す」のように、その場面で何かが起きる文にも使いやすい、という点です。教室では「へ=だれかが来る」「に=来る・起きる(もう少し広い)」と整理しておくと迷いにくくなります。 |
| 〜ところへ/〜ところに/〜ところを | できる日本語 中級 第5課 | 「ところ」は動作の段階(する前・している最中・したすぐ後)を表し、その段階で別のことが起きたことを言います。「ところへ/ところに」は、その場面に人が来たり、思いがけないことが起きたりしたとき(「坂を下りているところに、子どもが飛び出してきた」)に使い、二つはほとんど同じ意味です。「ところを」は、その場面の自分を、だれかが見る・助ける・呼び止めるといった動作の対象になるときに使い、後ろに「見られる」「助けられる」のような動詞が来ます。「〜とき」よりも、動作の途中のどの段階だったかがはっきりします。 |
| 〜ところへ/を/に/で/まで | 中級から学ぶ日本語 第16課 | 学習項目2の「ところ」(時間の中のある場面・時点)に助詞を付けて、後ろの文につなぐ形。「〜ところへ/〜ところに」は、ちょうどその時に、だれかが来た・何かが起きたことを言い、後ろは「来る・入ってくる・電話がかかってくる」のような、こちらへ向かってくる出来事が多い。予想していなかったことや、じゃまが入ったことを言う場合が多い。「〜ところを」は、その場面を後ろの動詞の対象にする言い方で、「見る・見られる・見つかる・助ける・起こす」が来る。「お忙しいところを」「お休みのところを」は、相手の都合がよくない時にあえて、という挨拶になる。「〜ところで」は、その時点・区切りで次のことが起きたり、何かをやめたりすること。「〜ところまで」は、その段階まで、という範囲を言う。 |
| 〜ところへ… | 学ぼう!にほんご 初中級 第17課 | ある動作をしようとしている・している・し終わったちょうどその場面に、別の人や物がやって来ることを表します。「ところ」は第1課の「〜ところだ」と同じく動作のどの段階かを表し、「Vる(直前)/Vている(途中)/Vた(直後)」のどれにもつきます。後ろには「来る・帰ってくる・入ってくる・現れる」のような、こちらへ近づく動きの文が来ることが多いです。都合の悪いときに来た話が多いですが、「いいところへ来たね」のように、ちょうどよいときに来たことにも使います。 |
| 〜ところを… | 学ぼう!にほんご 初中級 第17課 | 「その場面を、だれかに見られる・見つけられる・助けられる」のように、場面そのものが後ろの動作の対象になる言い方です。この「を」は後ろの動詞の「を」なので、後ろには「見る・見つける・見かける・助ける・止める・起こす」や、その受身(見られる・助けられる)や「見つかる」が来ます。「へ・に」は場面に別の人や物がやって来る、「を」は場面そのものに働きかける、と分けると使い分けが分かります。「お忙しいところを、ありがとうございます」「お休みのところを、すみません」は、相手の時間をもらうときの決まった言い方です。「忙しいのに、それでも」という気持ちを含む別の使い方なので、上の「を」とは分けて、まとまりで覚えさせます。 |
| 〜としか〜ない | 中級から学ぶ日本語 第3課 | 「〜と言う・思う・考える」の中身を一つにしぼって、それ以外はない、と強く言う形。「偶然としか思えない」は「偶然だと思うほかない」、「おいしいとしか言えない」は「ほかにいい言葉が見つからないほどおいしい」という気持ち。後ろは「言えない・思えない・考えられない」のように可能の否定になることが多く、「〜としか言いようがない」もよく使う。「言わない」のように可能形でない否定にすると、「その人はそれ以外言わない」という説明や不満になる(子どもに聞いても「ふつう」としか言わない)。文法の見方では、「しか」は取り立て助詞で、「と」で引いた言葉や考えを取り立てている。 |
| 〜としたら | 中級を学ぼう(中級前期) 第6課 | 「もし〜だと考えると」と、ある状況をいったん本当だと仮定して、その場合の判断や結論、質問を続ける言い方です。実際にそうかどうかは問いません。「〜とすれば」「〜とすると」もほぼ同じ意味で、書き言葉に多く使われます。後ろには「〜だろう」「〜ことになる」「〜たい」「どうしますか」のような、仮定の上での判断が続きます。試験の用語では、条件表現のうちの仮定条件(まだ起きていない・本当か分からないことを仮に置く条件)にあたります。 |
| 〜としたら/とすれば | 学ぼう!にほんご 中級 第34課 | まだ分からないこと、現実にはそうではないことを仮にそうだと置いて、その場合どうなるかを考えるときの形です。「もし」「仮に」といっしょに使われることが多く、後ろには「〜だろう」「〜はずだ」「〜かもしれない」「どうしよう」「〜たい」のような話し手の判断・推論・気持ちが来ます。また、人から聞いた話や目の前の様子を事実だとして受けて、「もしそれが本当なら、こうなるはずだ」と推論するときにも使います。「〜としたら」は話し言葉でも使いやすく、「〜とすれば」は少し硬く、説明文や論理を順に追う話でよく使われます。「〜たら」と違い、春が来る・朝になるのような必ず起きることには使わないのが特徴です。 |
| 〜としたら/〜とすれば/〜とすると | できる日本語 中級 第15課 | 本当かどうかわからないこと、まだ起きていないことを仮に事実だと考えて、そのときどうなるかを述べます。ラジオで「もしパスワードが知られていたとしたら」のように、心配な状況を仮定して話を進めるのに使います。「〜たら」はふつうの条件にも使えますが、「〜としたら」は「仮にそうだとすると」という仮定の気持ちが強く、人から聞いた話を前提にするとき(「その話が本当だとしたら」)にもよく使います。「〜とすれば」「〜とすると」も同じ意味で、話の筋から結論を導く言い方になりやすく、少し硬めです。会話では「〜としたら」がいちばん広く使えます。 |
| 〜として | 中級から学ぶ日本語 第9課 できる日本語 中級 第6課 | 「N+として」で、ある人や物が、どんな立場・資格・役割・種類で何かをするか、どう扱われるかを言う(留学生として来日した/参考として読む)。後ろには、その立場でする動作や、その立場での扱いが来る。「Nとしての+名詞」で名詞を説明し(親としての責任)、「Nとしては」で「その立場から言えば」と、ほかの立場と比べる気持ちを出す(会社としては反対だ)。後ろに評価(大切だ・難しい)が来るときは、第8課の「にとって」を使う。文法の用語では、いくつかの語がまとまって格助詞のように働く複合格助詞として扱われることが多い。 |
| 〜として〜ない | できる日本語 中級 第12課 | 「一+助数詞」に付いて、「一つも(一人も・一日も)〜ない」と全面的に否定することを強く言う形です。投書では「一日として休まずに続けてきた」「一人として同じ体の人はいない」のように、主張を強めるのに使われます。「一日も休まなかった」と意味は近いですが、「〜として〜ない」のほうが硬く、書き言葉や改まったスピーチで使います。「誰一人として」「何一つとして」の形もよく使います。第6課の「〜として」(「留学生として」=立場・資格)とは別の使い方です。 |
| 〜としては/も | 学ぼう!にほんご 初中級 第12課 | 「Nとして」は、資格・立場・役割(〜の立場で・〜という役目で)を表します。「は」がつくと、ほかの立場のことは置いておいて「この立場から言えば」と立場を取り立てる形になり、「私としては」「学校としては」のように意見文の最初に置くと、だれの立場からの意見なのかがはっきりします。「も」がつくと、「ほかの立場と同じように、この立場でも」という意味になり、同意や協力の気持ちを添えるのに使います(「親としても、うれしいです」)。後ろには、その立場からの意見・判断・気持ち・行動が来ます。 |
| 〜としても | 中級から学ぶ日本語 第18課 できる日本語 中級 第13課 | 「仮に〜だと考えても、結果や結論は変わらない」と言う形。前の文は本当かどうか分からないこと、まだ起きていないこと、または起きる見込みが低いことで、「たとえ」「もし」「仮に」といっしょに使うことが多い。「〜ても」と意味は近いが、「と」が入ることで「〜だと仮に認めたとしても」という仮定の気持ちがはっきりする。後ろの文は、変わらない結論(〜ない・〜だろう・〜つもりだ)や話し手の判断になることが多い。文法の見方では逆接の条件(譲歩)を言う従属節の一つ。 |
| 〜としても… | 学ぼう!にほんご 初中級 第12課 | 「仮にそうなったとしても(そうだとしても)、後ろのことは変わらない」という仮定の逆接です。前の部分には、まだ起きていないこと・起きるかどうか分からないこと・事実かどうか分からないことを置くのが基本で、それを仮に認めたうえで、後ろで予想とは反対のこと、または変わらない結論を言います。意見を言う場面では、相手が出しそうな反論や悪い条件を先に認めて「それでも自分の意見は変わらない」と示すのに便利です。「〜ても」と意味は近いですが、「としても」は「仮に」の感じが強く、起きたことを事実として述べて後ろにそのあと起きたことを続ける文(*きのうは雨が降ったとしても、試合に行きました)には使いません。ただし「遅れたのは仕方がないとしても、連絡はするべきだった」のように、すでに起きたことを一応認めたうえで評価を続ける使い方はあります。「仮に」「もし」「たとえ」と一緒に使うことがよくあります。形が似ている「Nとしても」(項目1・その立場でも)とは別の表現で、名詞につくときは「Nだとしても」と「だ」が入るのが仮定の形です。 |
| 〜とする/される | 中級から学ぶ日本語 第12課 | 「AをBとする」は、Aを(ある基準や決まりで)Bとして決める・扱う・みなすことを言う書き言葉の言い方で、規則・お知らせ・レポートの定義によく使う(60点以上を合格とする)。ニュースでは「(人・組織)は〜としている」の形で、その人や組織の判断・発表を伝える。受身の「〜とされる/とされている」は、世間や専門家の間で一般にそう考えられている・言われていることを、自分の意見としてではなく紹介する言い方。本文の話題のように、「〜とされているが、実は〜」と、よく言われていることと実際を分けて書くときに使う。どれも引用の「と」に「する」が付いた形で、自分で言い切らずに一歩引いて伝える働きがある。 |
| どちらかというと/どちらかといえば | できる日本語 中級 第13課 | 二つのうちはっきりどちらとは言えないが、比べればこちらに近いという、やわらかい判断を表します。リポートでは「お客さんはどちらかというと若い人が多い」のように、全体の傾向を言い切りすぎずに伝えるのに使います。会話でも「どちらかといえば甘い物が好き」のように、自分の好みを控えめに言うときに便利です。「むしろ」は予想と反対のほうをはっきり言う語、「比較的」は他と比べた程度を言う語で、「どちらかというと」は二つを比べて少しこちら寄りという点が違います。「といえば」のほうがやや改まった響きです。 |
| とても・少し/あまり〜ない | できる日本語 初級 第4課 | 形容詞の前について、程度を表します。「とても」は程度が大きいこと、「少し」は程度が小さいことを表し、どちらも肯定の文で使います。「あまり」は否定の形と一緒に使い、「あまり寒くないです」で、寒さの程度が大きくないことを表します。ふるさとの天気や料理の味を、もう少し正確に伝えるのに使います。 |
| とても〜ない | できる日本語 中級 第10課 | 初級の「とても」は「とても広い」のように程度が高いことを表しましたが、「とても〜ない」は後ろに可能の否定(〜られない・〜できない)や「〜とは思えない」が来て、「どうがんばっても無理だ」と強く否定する言い方です。パンフレットでは「一日ではとても回れない」「写真ではとても伝えられない」のように、見どころの多さや美しさをかえって強調するのに使われます。「あまり〜ない」(程度が低い)や「全然〜ない」(まったく〜ない)とは違い、できない・ありえないという不可能の気持ちが中心です。より硬い書き言葉では「とうてい〜ない」とも言います。 |
| 〜と〜とどちらがAですか/〜のほうがAです | できる日本語 初級 第6課 | 二つのものを比べてどちらかを聞く形と、その答え方です。聞くときは「AとBとどちらが〜ですか」、答えるときは選んだほうに「のほう」をつけて「Bのほうが〜です」と言います。友達と行き先や食べる物を決めるとき、「どちらがいいですか」と相手の考えを聞くのに便利です。 |
| 〜とともに | 中級から学ぶ日本語 第14課 | 書き言葉・改まった話し方で使う表現で、意味が3つある。1つ目は「Nとともに」で「Nと一緒に」(家族とともに暮らす)。2つ目は「一方が変わると、もう一方も変わる」で、前に「時代・年齢・技術の進歩」や変化を表す動詞が来て、後ろも変化の文になる(年をとるとともに、体力が落ちる)。3つ目は「同時に」で、二つのことが同じときに起こる、または一つのものが二つの面を持つことを言う(ベルが鳴るとともに走り出す/医者であるとともに作家でもある)。どの意味かは、前の語が人か、変化か、出来事かで見分けられる。 |
| 〜とともに(一緒に) | できる日本語 中級 第13課 | 「N+とともに」で、人や物と一緒に行動したり、一緒にある状態だったりすることを表します。意味は「〜と一緒に」とほぼ同じですが、書き言葉や改まった話し言葉で使う硬い形で、体験談・スピーチ・記事によく出ます。友達との会話で使うと大げさに聞こえるので、話すときは「〜と一緒に」を使います。第9課の「〜とともに(変化)」(「年をとるとともに〜」)とは形が同じで意味が違うので、前が人・仲間・家族などで後ろが行動なら「一緒に」、前後とも変化を表すなら「変化」と見分けさせます。 |
| 〜とともに(変化) | できる日本語 中級 第9課 | 「一方が変わるのに合わせて、もう一方も変わる」という意味で、時代・年齢・技術の進歩など、時間とともに進む変化を表すことばと結びつきます。「時代とともに言葉の意味は変わる」のように、後ろにも変化の内容が来ます。似た形の「〜につれて」「〜にしたがって」も同じような変化を表しますが、「〜とともに」はより硬い書き言葉で、評論や感想文に向いています。「友達とともに」(一緒に)や「卒業とともに帰国した」(同時に)の使い方もあるので、この課では「変化」の意味に絞って練習します。 |
| 〜とともに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第16課 | この課の中心は「Aが変わると、それにつれてBも変わる」という使い方です(年齢とともに体力が落ちる・技術の進歩とともに生活が便利になる)。前にも後ろにも変化を表す言葉が来て、後ろには「〜てきた」「〜ていく」「〜ようになった」がよくいっしょに使われます。「とともに」には、ほかに「〜と一緒に」(家族とともに暮らす)と「〜と同時に」(合図とともに走り出す)の意味もあり、どの意味でも、ふだんの会話よりスピーチ・ニュース・作文などの改まった場面で使う硬い言い方です。友達と話すときは「〜と一緒に」「〜と同時に」や、「〜すると、〜も…」の形で言います。 |
| 〜となると/〜となれば/〜となったら | できる日本語 中級 第16課 | 「〜となると」は、ある状況が実際にそうなる場合、そうなった場合を取り上げて、それならこうなる・こうしなければならないと判断する言い方です(「大学院を受けるとなると、準備が大変だ」「いざ本番となると、緊張する」)。相手から聞いた話や、新しく決まったことを受けて言うことが多いです。初中級の「〜なら」も相手の話を受けますが、「となると」には「それが本当にそうなったら事情が変わる」という重みがあります。「となったら」は話し言葉で、「やるとなったら、最後までやる」のような決意にも使い、「となれば」は「〜しかない」「話は別だ」と結びやすい言い方です。ST4 では友達の不安(「受けるとなると……」)を聞き取って返すのに使います。 |
| どのN | できる日本語 初級 第7課 | 三つ以上ある同じ種類の物の中から、どれかを聞くときの言い方です。「どの」のあとには必ず名詞が来ます。準備の場面で、お皿やコップが何種類もあるときに「どのお皿ですか」と確かめるのに使います。答えは第2課の「このN・そのN・あのN」で返します。 |
| 〜とは〜ことだ/〜とは〜ということだ | できる日本語 中級 第11課 | 新しい言葉や聞き慣れない言葉の意味を説明・定義する形です。情報誌の記事では、話題の言葉を出したすぐあとに「〜とは、〜のことだ」で意味を示してから本題に入ります。「〜とは」は「〜というのは」の書き言葉で、会話では「〜って、〜のことだよ」になります。後ろが名詞なら「〜のことだ」、ある行為を言うなら「V(辞書形)ことだ」、その言葉が結局どういう意味を持つのかを文で言い換えるなら「〜ということだ」を使います。 |
| 〜とは限らない | できる日本語 中級 第12課 | 「いつも〜だとは言えない」「〜でない場合もある」と、一般に正しいと思われていることに例外があることを示す形です。話し合いでは「人気がある健康法が、誰にでも合うとは限らない」のように、相手の意見を一部認めながら、別の見方を示すときに使います。「必ずしも」「〜からといって」「〜ても」と一緒に使われることが多く、この課の「〜からといって」と組み合わせると、思い込みを正す文が作れます。第9課の「〜わけではない」は「全部がそうだというわけではない」と話し手の説明を打ち消すのに対し、「〜とは限らない」は例外の可能性を示します。第3課の「〜はずがない」は「絶対にない」と強く否定するので、強さの違いを並べて示します。 |
| 〜とは思えない | 中級から学ぶ日本語 第4課 | 目の前のことや聞いたことが、ふつうに考えるとそうだとは信じられない、という強い驚きを言う。「初めて作ったとは思えない」「七十歳とは思えない」のように、相手や作品をほめるときによく使う。反対に、「あの人がそんなことを言ったとは思えない」のように、話を疑ったり打ち消したりするときにも使う。文法の見方では、「思える」は自然にそう感じられることを表す自発の動詞で、「〜とは思わない」(自分の意見として思わない)より、どうしてもそう感じられないという感じが強い。「は」は取り立てて意外さを強める。 |
| どれ | できる日本語 初級 第7課 | 三つ以上の物の中から一つを聞くときの言い方で、「どのN」の名詞を言わない形です。何を指しているかが話の中でわかっているときに「包丁はどれですか」のように使います。答えは第2課の「これ・それ・あれ」で返します。 |
| どんなN | できる日本語 初級 第4課 | 「どんな」は名詞の前について、その名詞の様子や性質を聞きます。「どんな町ですか」と聞かれたら、「にぎやかな町です」のように前の項目の「A+N」で答えます。相手のふるさとについて話を広げる質問として使います。文法の用語では、名詞の性質を聞く連体の疑問詞で、後ろに必ず名詞が来ます。 |
| 〜と言います/言う | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第17課 | ほかの人が言ったことを伝える言い方です。言ったことばをそのまま伝えるときは「 」に入れ(先生は「おはよう」と言いました)、内容を伝えるときは普通体にして「と」をつけます(田中さんはあした来ないと言いました)。な形容詞と名詞は「だ」を入れます(あしたは休みだと言いました)。「と」の前の時の形は、言った人が言ったときのままで、「言いました」に合わせて過去にはしません。物の名前を聞くときは「〜は日本語で何と言いますか」と言い、友達との会話では「言う・言った」を使います。 |
| 〜と言っていました | できる日本語 初中級 第11課 | ほかの人から聞いたことを、言った人をはっきり出して別の人に伝える形です。チームのキャプテンや監督の連絡を仲間に伝えるとき「キャプテンが、〜と言っていました」と使います。「〜と言いました」は言ったという事実を言うのに対して、「言っていました」にすると聞いた内容を伝言として伝える感じになります。初級の「〜そうです(伝聞)」はニュースや人の話から知ったことを言い、言った人を出さなくても使えますが、「〜と言っていました」はだれから聞いたかがはっきりしている場面に向いています。 |
| 〜と言われています | できる日本語 初中級 第14課 | 昔から言い伝えられていることや、多くの人がそう考えていることを、話し手自身の意見としてではなく紹介する言い方です。「言う」の受身ですが、誰が言ったかは問題にせず「世の中で一般に言われている」ことを表します。ニュースや人から聞いた話など、もとがはっきりしていることが多い「〜そうです(伝聞)」や、ある人の言葉を伝える「〜と言っていました」とは、話のもとが特定の人や記事ではなく世の中一般である点が違います。ST1 では、行事の意味や縁起の言い伝えを説明するのに使います。文法の用語では、動作をする人を言わない受身で、言う人が世の中の多くの人なので「〜に」を出さずに使います。話し手が自分で言い切るのを避け、一般に通っている話として伝える働きもあります。 |
| 〜と思います | 学ぼう!にほんご 初中級 第12課 | 初級で習った、話し手の意見や判断を表す文末です。この課では意見の文末をどう和らげるかに絞って扱います。「〜べきです」「〜です」と言い切るより、「〜と思います」で自分の考えとして示すほうが、話し合いの場では受け入れられやすくなります。「〜たほうがいいと思います/〜ないほうがいいと思います」は提案や助言の形で、課の題もこの形です。さらに控えめに言いたいとき(目上の人への提案・反対意見を言うとき)は、「〜のではないかと思います」(話し言葉では「〜んじゃないかと思います」)を使います。「私は〜と思います」の「思う」の主語は話し手で、ほかの人の考えを言うときは「〜と思っています」「〜と言っています」になります。 |
| 〜と思います(意見) | できる日本語 初級 第14課 | 「〜と思います」は、自分の意見や感想を、言い切らずにやわらかく伝える形です。「電車が便利です」と言うより「電車が便利だと思います」のほうが、自分の考えとして言っていることがはっきりします。前には普通形が来て、ナ形容詞と名詞は「だ」をつけます。相手の意見を聞くときは「〜はどう思いますか」と言い、理由は第5課の「〜から」で足すと話が続きます。 |
| 〜と思います(推量) | できる日本語 初級 第15課 | 第14課の「〜と思います(意見)」と同じ形で、ここでは確かではないが、たぶんそうだろうと考えることを言います。「日曜日は人が多いと思います」「明日は晴れると思います」のように、計画を立てる前に混み具合や天気を予想するのに使います。「たぶん」「きっと」を前につけると、どのくらい確かかが伝わります。文法の用語では話し手の判断を表すモダリティの形で、「と」は思ったことの中身を受ける引用の「と」です。 |
| 〜と思います/思う | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第17課 | 自分の意見や、はっきり分からないことについての自分の考えを、言い切らずに言う形です。「と」の前は普通体で、な形容詞と名詞は「だ」を入れます(あの店は静かだと思います)。そうではないと考えるときは、「〜ないと思います」のように「と」の前を否定にするのが普通です。ほかの人の考えを言うときは「田中さんは〜と思っています」と「ています」を使います。相手の意見を聞くときは「〜をどう思いますか」と言います。 |
| 〜と思われる/ように思われる | 学ぼう!にほんご 中級 第37課 | 「思われる」は「思う」の自発の形(受身と同じ形)で、「自然にそう考えられる」という意味です。「私は〜と思う」と言うと話し手個人の考えになりますが、「〜と思われる」は「私は」を出さずに、資料や状況から見て、だれが考えてもそうなるだろうという形で、客観的に、そして少し控えめに主張する書き言葉の形です。レポート・論文・新聞・ニュースの説明でよく使われます。「〜ように思われる」は、はっきりした根拠よりも見た感じ・印象からそう感じられる、ということで、「と思われる」よりもさらにやわらかく、言い切りを避けた言い方になります。強く断定するとかえって説得力がなくなる場面(データが少ない・相手の意見に反対する)で、主張の強さを一段下げる道具として使います。 |
| 〜と書いてあります | できる日本語 初中級 第2課 | メニュー・看板・紙などに書かれている言葉や内容を、そのまま伝える言い方です。「と」で書かれている言葉を引き、「書いてあります」で、だれかが書いたものがそこに残っていることを表します(ST2 の「Vてあります」と同じ形)。書いてある場所は「〜に」で言います。 |
| 〜と同時に | できる日本語 中級 第13課 | 二つのことが同じ時に起こること(「発売と同時に売り切れた」)と、一つの物事が二つの面を同時に持つこと(「うれしいと同時に、心配でもある」)を表します。ニュースでは、流行が起きた瞬間や、良い面と困った面の両方を伝えるのに使います。「〜とともに」も同じ時に起こる意味で使えますが、より硬い書き言葉です。第14課の「〜たとたん(に)」は、直後に思いがけないことが起きた驚きを表すので、予定どおりのことには使いません(「開店と同時に客が入った」は事実を伝えるだけ、「開店したとたん客が押し寄せた」は驚きがこもる)。 |
| 〜と読みます | できる日本語 初中級 第2課 | 字の読み方を言ったり聞いたりする言い方です。メニューや看板の読めない漢字を、一緒にいる人に「何と読みますか」と聞き、「〜と読みます」で答えます。「と」は読み方をそのまま引いて示します。友達どうしでは「何て読むの?」とも言います。文法の用語では、言葉をそのまま引いてくる引用の「と」です。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 〈なA〉/Nでした 〈なA〉/Nじゃありませんでした | みんなの日本語 初級Ⅰ 第12課 | 名詞文と な形容詞文を過去にする形です。「です」を「でした」に、「じゃありません」を「じゃありませんでした」に替えるだけで、語そのものは変わりません。昨日の天気・先週の予定・行った場所の様子など、終わったことの評価や説明に使います。第4課の「〜ました」で動詞の過去はすでに知っているので、「過去=終わったこと」の感覚はあり、新しいのは形だけです。文法の見方で言えば、名詞述語文・ナ形容詞述語文のテンス(過去)を、述語の「です」を「でした」にすることで表す形で、語の部分は活用しません。 |
| 〈なA〉な とき、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第23課 | 「暇なとき」「元気なとき」のように、な形容詞に「な」を付けて「とき」につなぐ形です。名詞の前に置くときの「静かな町」と同じ作りです。「暇なとき」は「時間があるとき」の意味で、人を誘ったり、自分の好きなことを言ったりするときによく使います。文法の用語で言うと、な形容詞の連体形(「暇な」)が名詞「とき」を修飾している形で、第8課の「静かな町」と同じ連体修飾です。 |
| ナA・Nでした/ナA・Nじゃありませんでした | できる日本語 初級 第5課 | ナ形容詞と名詞の過去の形で、「にぎやかでした」「いい天気でした」「休みでした」のように、終わったことのようすを言います。ナ形容詞と名詞は「です」を「でした」に、「じゃありません」を「じゃありませんでした」に替えます。イ形容詞と作り方が違うので、ST2 では二つの表を色分けして並べ、どちらの作り方かを形容詞ごとに判断させます。名詞の「雨でした」「休みでした」も同じ表に入るので、名詞の文の過去も一緒に扱えます。 |
| 〜なあ | できる日本語 中級 第3課 | 文の終わりにつけて、感心・驚き・願いなどの気持ちを、ひとりごとのように表します。「いいなあ」「すごいなあ」のほか、「〜たいなあ」「〜たらいいなあ」で願いを言うのによく使います。相手に同意を求める「〜ね」と違い、「〜なあ」は自分の気持ちを口に出す言い方なので、相手の返事を必ずしも求めません。くだけた形なので、発表のような改まった場では「〜たらいいなあと思っています」と「と思う」の中に入れて使うと自然です。 |
| 〜ないうちに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第2課 | 「Aになる前に(Aになってしまうと困るので、その前に)Bをする」という意味です。暗くならないうちに帰る、忘れないうちにメモする、料理が冷めないうちに食べる、のように、Aには話し手が止められない変化(暗くなる・冷める・忘れる・混む・売り切れる)が来ることが多いです。「暗くならないうちに」と「明るいうちに」のように、学習項目2の「〜うちに」と同じことを反対側から言える場合がよくあります。「〜まえに」とも近い意味ですが、「ないうちに」には「そうなってしまう前に、急いで」という気持ちが強く出ます。また、「知らないうちに」「気がつかないうちに」の形で「気がつかない間に変化が起きていた」という使い方もあります。 |
| 〜ないことには | 中級から学ぶ日本語 第18課 | 「〜しなければ、…できない/…分からない」と言い、まずその条件がそろうことが先に必要だと強く言う形。前の文は「これがないと始まらない」という欠かせない条件で、後ろの文は「分からない」「始まらない」「決められない」「どうにもならない」のような否定の形になる。「実際に会ってみないことには、どんな人か分からない」のように、話し手が「まずそれをしなければ」と考えている気持ちが出る。文法の見方では条件を言う従属節で、「〜なければ〜ない」とほぼ同じ意味だが、前の条件を先にそろえる必要性に重みがある。 |
| 〜ないことには〜ない | できる日本語 中級 第4課 | 「Xないことには、Yない」で、Xをしなければ(Xが実現しなければ)Yは実現しない、つまりXが先に欠かせないことを強く言います。施設の職員は「利用者登録をしないことには、予約ができません」のように、手続きの順番と前提を説明するのに使います。「〜なければ〜ない」とほぼ同じ意味ですが、「Xが済まないと何も進まない」という気持ちが強く出ます。後ろには必ず否定や、「わからない」「始まらない」「無理だ」のような否定的な意味の述語が来て、依頼や命令は来ません。 |
| 〜ないことはない | 学ぼう!にほんご 中級 第32課 | 「〜ない」を「ことはない」でもう一度打ち消す二重否定で、まったくできない・しないわけではなく、少しは可能性がある、条件しだいではする、という消極的な肯定を表します。「作れないことはない」は「作れる」とほぼ同じ事実を言いますが、「簡単ではない」「あまり気が進まない」「条件がある」という気持ちが残るので、言ったあとに「けど」「が」で、その条件や気の進まなさを続けることが多い形です。とくに「行けないことはない」「作れないことはない」のように可能形に付けて、「無理でしょう」と言われたことに少しの可能性を認める使い方がよく出ます。「〜ないこともない」と「も」にすると、さらに遠回しでやわらかくなります。 |
| 〜ないことはない/〜ないこともない | できる日本語 中級 第16課 | 否定を2つ重ねて、まったく〜ないわけではないという、部分的で控えめな肯定を表します。「行けないことはない」は「条件が合えば行ける。でも積極的ではない」というためらいを含みます。ST2 では、相手の意見を全部は否定せずに少し認めるときに使い、「〜気持ちもわからないことはないですが、〜」と自分の意見につなげます。「〜ないこともない」は「〜ないことはない」より少しやわらかく、ためらいが強めです。第8課の「V辞書形+ことはない」(〜する必要はない)とは形が似ていますが意味がまったく違い、近い表現の「〜わけではない」は「全部がそうだというのではない」と前の判断を打ち消す言い方です。 |
| 〜ないで、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第12課 | ある動作を「しないまま」で、後ろの動作をすることを言います。「コーヒーを飲まないで、うちを出ました」は、コーヒーを飲まない状態でうちを出たという意味です。第11課の「〜て、…」(飲んで、出ました)の反対の形として教えると分かりやすくなります。この形には「AをしないでBをする(Aの代わりにBをする)」という使い方もありますが、この課ではまず「しないまま」の意味から入るのがよいでしょう。文法の用語では、しない状態で後ろの動作をする「付帯状況(の否定)」と、「代わりに」を表す「代替」の二つの用法に分けて説明されることが多く、原因・理由を表す「〜なくて」との使い分けがよく問われます。 |
| 〜ないで/ずにいる | 中級から学ぶ日本語 第1課 | 「しない」という状態を、わざと、または我慢して続けていることを言う。「〜ていない」が「まだしていない」という事実だけなのに対して、「〜ないでいる」「〜ずにいる」は「したいけれどしない」「言いたいけれど言わない」のように、本人の気持ちや事情が後ろにある。「〜ずに」は「〜ないで」より書き言葉的で、本文のような読み物の文によく出る。「いる」が付くことで、しない状態がある時間続いていることを表し、アスペクト(動きの局面)で見ると状態の継続にあたる。 |
| 〜ないでください | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第12課 | 相手に「しないでほしい」ことを丁寧に頼む言い方です。第11課の「〜てください」の反対で、ない形に「でください」を付けます。お店や病院の注意、先生から学生への注意、友達へのお願いなど、相手に何かをやめてほしいとき・しないでほしいときに使います。目上の人に強く言うと失礼になることがあるので、「すみませんが」を前に付けるとやわらかくなります。文法の用語では否定の依頼(禁止の依頼)にあたり、発話行為としては相手に行動を求める言い方の一つです。 |
| 〜ないではいられない | 学ぼう!にほんご 中級 第23課 | そうしないでいようと思っても、気持ちが抑えられず思わずその行動をしてしまうことを表します。「いられない」は「〜ないという状態のままでいることができない」ということです。「〜てならない」「〜てたまらない」が気持ちそのものの強さを言うのに対し、こちらは気持ちが強くて行動に出てしまうことを言うので、前に来るのは、言う・聞く・確かめる・手伝う・食べるのような、ふつうは自分の意志でする動詞です。意味は次の「〜ずにはいられない」と同じで、こちらのほうが少しやわらかく、話し言葉でも使えます。文法の見方で言うと、意志動詞のない形に付いて「その状態にとどまれない」ことを言う形で、結果として話し手はその行動をしています。 |
| 〜ないではいられない/〜ずにはいられない | できる日本語 中級 第13課 | そうしたい気持ちを抑えられず、どうしてもしてしまうことを表します。体験談では、熱中している人の気持ちの強さを伝える表現としてよく出ます(「新しいレンズが出ると、見に行かずにはいられない」)。「ずにはいられない」のほうが硬く書き言葉的で、「ないではいられない」はやや話し言葉寄りです。似た形の「〜わけにはいかない」(第15課)は義務や事情から「しないことはできない」という意味、「〜てしかたがない」(第15課)は気持ちの状態(「気になってしかたがない」)を言う形で、この課の形は気持ちに押されて行動してしまう点が違います。主語はふつう話し手で、他の人のことは「〜ずにはいられないようだ」のように外から見た形で言います。 |
| 〜ないと、〜 | できる日本語 初中級 第15課 | 「Aしなかったら、よくないBになる」と言って、Aをする必要があることを伝える形です。準備の話し合いでは、締め切りや分担を確かめて「だから今これをしよう」と仲間を動かすのに使います。後ろには「間に合わない」「困る」「分からない」のような、よくない結果が来ます。後ろを言わずに「早く決めないと。」で止めると、「〜なければなりません」のくだけた言い方になります。 |
| 〜ないものか | 中級から学ぶ日本語 第19課 | 「何とか〜ないものか(ないものだろうか)」の形で、むずかしいと分かっていても、何とかしてそうなってほしい・そうできないだろうか、という強い願いを言う言い方。自分の力だけではどうにもならないことに向かって言うことが多く、可能形(〜られないものか)や「何とか」「どうにか」と一緒に使うことが多い(何とか安く行けないものか)。形は否定でも、意味は「そうなってほしい」という願い。いっぽう辞書形+ものか(あんな店、二度と行くものか)は「絶対に〜しない」という強い否定・決意で、意味が反対に近いので、この課で必ず並べて見せる。書き言葉や、改まった相談・独り言のような言い方で、友だちとの会話では「〜ないかなあ」がふつう。文法の見方では、話し手の願望を表すモダリティの表現。 |
| 〜ないものでしょうか | できる日本語 中級 第20課 | 「Vないものでしょうか」は、実現が難しいとわかっていることについて、「なんとか〜できないだろうか」と相手に可能性を尋ねる形で、遠回しに強い希望を伝える言い方です(「もう少し安くならないものでしょうか」「予約の日を変えていただけないものでしょうか」)。ST5 では、幹事が店の決まりや条件どおりにはいかない希望を、店の人に押しつけずに頼むときに使います。「〜ていただけませんか」はふつうのていねいな依頼、「〜ていただけないでしょうか」はさらに控えめな依頼ですが、「〜ないものでしょうか」は「難しいのは承知のうえで、何か方法はないか」と相手の判断にゆだねる響きがあり、無理なお願いや交渉の場面に向きます。「なる」「できる」「〜ていただける」のナイ形につくことが多く、ひとりごとで「なんとかならないものか」と言うこともあります。簡単な頼みごとに使うと大げさに聞こえます。 |
| 〜ないわけにはいかない | 学ぼう!にほんご 初中級 第4課 | 「〜わけにはいかない」の前を「ない形」にした形で、「しないわけにはいかない」=「しないでいることはできない」、つまり本当はしたくない(または、しなくてもすみそうな)ことでも、事情や義理を考えるとしなければならないという意味になります。否定が二つ重なるので、向きは「〜わけにはいかない」(する → できない)と反対になり、意味は「〜なければならない」に近くなります。ただ、「なければならない」が決まりや必要をそのまま言うのに対し、「ないわけにはいかない」には、気が進まないけれど周りとの関係や立場を考えて仕方なく、という気持ちがにじみます。断りでは、自分がしなければならない別の用事を理由に出すときに使います。 |
| ナイ形 | できる日本語 初級 第10課 | ナイ形は動詞の「〜ない」の形で、この課では「〜ないでください」を作るために使います。第7課のテ形・第9課の辞書形と同じく、動詞のグループで作り方が決まっています。のちに友達言葉(普通形)の否定にもなるので、ここで三つのグループの作り方をしっかり身につけさせます。日本語教育ではこの形を「ナイ形」と呼び、学校文法では未然形に助動詞「ない」がついた形にあたります。 |
| ない形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第12課 みんなの日本語 初級Ⅰ 第17課 | 動詞の否定の形「ない形」を作ります。この本では辞書形がまだ出ていないので、知っている「ます形」から作ります。グループの分け方は第11課のて形と同じで、グループⅠは「ます」の前の音を「い段」から「あ段」に変えて「ない」を付けます(書きます→書かない)。「ます」の前が「い」の動詞(買います・会います・使います)は「あ」ではなく「わ」になります。グループⅡは「ます」を取って「ない」を付け、グループⅢは「します→しない」「来ます→こない」です。「あります」だけは特別で、ない形は「ない」です。この課では、ない形は文型の部品として使い、「ない」だけで文を終える言い方(普通の話し方)はまだ使いません。文法の用語では、ない形は学校文法の「未然形+ない」にあたります。日本語教育では活用を「ます形・て形・ない形」のように形の名前で呼ぶことが多く、この呼び方の違いも試験で問われます。 |
| 〜ながら | 学ぼう!にほんご 中級 第33課 | 初級で学んだ「〜ながら」は、二つの動作を同時にすること(音楽を聞きながら勉強する)でした。この課の「〜ながら」は逆接で、「〜のに」「〜けれども」に近く、前の事実から予想されることと違うことが後ろに来ることを表します。逆接になることが多いのは、前に「知っている」「ある」「いる」のような状態を表す言葉や、形容詞・名詞が来るときで、「知っていながら黙っていた」「子どもながら、しっかりしている」のように使います。動作の動詞でも「注意されながら、同じ間違いをくり返す」のように逆接に読める文があるので、最後は前後の意味で見分けます。「残念ながら」「勝手ながら」「わずかながら」「我ながら」などは決まった言い方として、会話でもお知らせの文でもよく使われます。全体としてはやや硬い言い方で、「〜ながらも」と「も」を付けると逆接であることがはっきりします。 |
| 〜ながら(も) | できる日本語 中級 第7課 | 「〜という状態なのに、それでも…」と、前と後ろが予想に反してつながる(逆接の)形です。初中級で学んだ「Vながら(同時に2つのことをする)」とは意味が違い、ここでは「狭いながらも」「知っていながら」のように、状態を表すことばにつくのが特徴です。「〜のに」と比べると不満や驚きの気持ちは弱く、やや硬い書き言葉寄りの言い方で、「も」をつけると「それでも」の気持ちが強まります。「残念ながら」「勝手ながら」などの決まった言い方は会話でもよく使います。 |
| 〜ながら(逆接) | 中級から学ぶ日本語 第2課 | 「〜のに」「〜けれども」に近く、前のことから考えると予想しない後ろのことがある、と言う。前は動作ではなく状態や事実(知っている・分かっている・狭い・残念)で、「知っていながら、言わなかった」のように、話し手の驚きや不満、反省の気持ちが出ることが多い。「〜ながらも」の形もよく使い、書き言葉や改まった話に多い。「残念ながら」「勝手ながら」「わずかながら」のような決まった言い方も多いので、まとめて覚えさせるとよい。同時の「ながら」と形が同じなので、前の語が続けてする動作か、状態・評価の語かで見分ける。 |
| 〜ながら(同時) | 中級から学ぶ日本語 第2課 | 一人の人が、二つの動作を同じときにしていることを言う。後ろの動作が主で、「ながら」の前はそれをしているあいだに一緒にしている動作。「音楽を聞きながら勉強する」は勉強が主、「勉強しながら音楽を聞く」は音楽が主になる。主語は前後で同じで、前の動詞は続けてする動作(聞く・歩く・話す)がふつう。「アルバイトをしながら大学に通う」のように、長い期間ずっと並行していることにも使える。 |
| 〜ながら、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第11課 | 一人の人が二つの動作を同じ時にするときに使う形です。動詞のます形から「ます」を取って「ながら」をつけ、そのあとに主な動作を言います。主な動作は後ろのほうで、「ながら」の前の動作はそれに添えるものです。この課のほかの項目と違い、て形ではなくます形から作ります。二つの動作は同じ人がするもので、別々の人の動作には使いません。 |
| 〜なければなりません | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第12課 | しなければいけないこと、しないと困ることを言う言い方です。決まりや約束、予定などで、自分の気持ちとは関係なくそうする必要があるときに使います。ない形の「ない」を「なければ」に変えて、「なりません」を付けます。長い形なので、「なければ」と「なりません」を二つに分けて言わせると口に乗りやすくなります。「〜なければなりませんか」と聞かれて「いいえ」と答える言い方(しなくてもいい)は次の課で習います。文法の用語では義務・必要を表すモダリティ(当為)の表現で、形は条件の「〜なければ」に「なりません」が付いた、否定を二つ重ねたつくりです。 |
| 〜なさい | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第25課 | ます形の「ます」を取って「なさい」を付ける命令の言い方です。親が子どもに、先生が生徒に言うなど、上の立場の人が下の立場の人に言うときに使い、男性も女性も使います。命令形より少しやわらかく聞こえますが、命令であることは同じなので、友達や目上の人には使いません。テストや教科書の指示(「正しいものを選びなさい」「次の文を読みなさい」)にもよく出るので、学習者にとっては読んでわかることが大切です(試験問題では「選べ」「答えよ」のような命令形で書かれることもあります)。あいさつの「おやすみなさい」「ごめんなさい」も同じ「なさい」です。「〜なさい」には決まった否定の形がないので、しないように言うときは「〜てはいけません」「〜ないようにしなさい」(第24課)などを使います。 |
| 〜なら、〜 | できる日本語 初中級 第4課 | 相手が言ったこと(これからしたいこと・話題に出たこと)を「〜なら」で受けて、それについての情報や勧めを返す形です。第1課の「Nなら〜」は名詞を受けていましたが、ここでは「泳ぐなら」「安い店がいいなら」のように動詞や形容詞も受けます。「なら」の前のことはまだ起きていなくてよく、「日本の料理を作るなら、この店で材料を買うといいですよ」のように、後ろのことのほうが先に起きる場合にも使えます。文法の見方では条件表現の一つで、相手の発話や話に出たことを前提として受ける「なら」にあたります。 |
| 〜なら、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第21課 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第28課 | この課の「なら」は、相手が言ったことや話に出たことを受けて、「それについて言うと…」と、情報・勧め・自分の考えを続ける言い方です。「京都へ行きたいです」と言われて「京都なら、秋がいいですよ」と返すように、前の名詞は相手の話から取ってくるのが基本で、後ろには「〜がいいですよ」「…ほうがいいです」「〜にありますよ」のような文がよく来ます。「それなら」の形で文の頭に置くと「その話だったら」という意味になり、相手の話を受けて別の案を出すときに便利です。相手の話を受ける感じがあるので、何の話もないところで自分から話題を出すときには「は」を使います。この教案では名詞につく形と「それなら」を扱い、動詞や形容詞につく「なら」は第28課の「〜なら、…」で広げます。 |
| 〜なら… | 学ぼう!にほんご 初中級 第9課 | 初級Ⅱの第21課で習った、相手の話に出た話題を受ける「なら」の復習です。この課では会話を進める道具として、相手が出した話題を「Nなら、…」で受けて、相手が知りたいこと・役に立つ情報を返す使い方に絞ります。「ホチキス、ありますか」「ホチキスなら、事務室で借りられますよ」のように、後ろには相手の質問や希望に答える情報・勧めが来ます。「といえば」が話を別の方向へ広げるのに対して、「なら」は相手の話題の上にとどまって答える、という違いを並べて見せると、この課の項目の中での位置がはっきりします。 |
| 〜なり(に) | 中級から学ぶ日本語 第16課 | 「Nなりに」「Nなりの」で、十分ではない・限りはあるが、その人やものの程度・立場に合ったやり方で、という意味。「子どもなりに考えた」は、大人ほどではないが子どもとしてできるかぎり考えた、ということ。自分について「私なりに」「自分なりに」と言うと、まだ足りないところがあると謙遜しながら、努力したことを伝える言い方になる。「自分なりの方法」のように「の」で名詞を修飾することも多い。い形容詞・な形容詞では「狭いなら狭いなりに」「下手は下手なりに」のくり返しの形で、その条件に合ったやり方で、という意味になる。 |
| 〜なんて | 中級から学ぶ日本語 第5課 | ある事がらを取り上げて、「意外だ・信じられない・あきれた・ばかばかしい」という話す人の気持ちを添える。「電車の中で化粧するなんて」のように文に付けると驚きやあきれ、「漢字なんて」のように名詞に付けると「そんなもの」と軽く見る気持ちになる。後ろには「信じられない」「ひどい」「びっくりした」のような評価の言葉が来るか、評価を言わずに「〜なんて。」で終えることもある。うれしい驚き(「合格したなんて、夢みたい」)にも使えるが、この課では「あきれる」気持ちと合わせて扱う。文法の見方では、「など」「などと」が話し言葉で変わった形で、話し手の評価を添える取り立ての表現。 |
| 〜なんて(驚き) | できる日本語 中級 第3課 | ある事実を取り上げて、それが意外だ・信じられないという驚きや感心(ときに不満)を表します。後ろに「驚いた」「すごい」「信じられない」などの気持ちが続くことが多く、会話では気持ちを言わずに「〜なんて。」で終えることもあります。くだけた話し言葉の形で、記事でも読み手に語りかける部分に出ます。硬い書き言葉では「〜とは」が近い意味で使われます。第12課で学ぶ「〜なんて/〜なんか」(軽く見る気持ち)と形は同じなので、ここでは驚きのほうだけを扱います。 |
| 〜なんて/〜なんか/〜など | できる日本語 中級 第12課 | ある物事を「たいしたものではない」「価値が低い」と軽く扱ったり、低く見たり、自分のことを控えめに言ったりする形です。投書や話し合いでは、「新しい方法を試すなんて意味がない」「サプリなんかに頼るのは」のように、ある考えを退けたり批判したりするときに使われます。「など」は書き言葉や改まった場面、「なんか」「なんて」は話し言葉です。「なんて」は「毎日10キロ走るなんて無理だ」のように文にも付けられます。第3課の「〜なんて(驚き)」は意外さに驚く使い方で、こちらは軽く見る・否定する評価が中心です。「お茶なんかどう?」のように例を挙げてやわらかく勧める使い方もあるので、文脈で見分けさせます。目上の人やその持ち物に使うと失礼になります。 |
| なんて〜んだろう/なんて〜だろう | できる日本語 中級 第14課 | 目の前のものや出来事に強く心を動かされたとき、「なんて〜んだろう」で「本当に〜だ」という驚きや感動を表します。疑問の形ですが質問ではないので、文の終わりは上げずに下げて言います。「なんて〜んだろう」は形容詞・動詞の文でよく使い、「なんていい天気だろう」「なんて親切な人だろう」のように名詞で終わるときは「なんて〜だろう」の形になります。書き言葉では「何と〜ことだろう」とも言います。前に習った(第3課)「〜なんて(驚き:〜なんて知らなかった)」とは位置も働きも違い、ここでは「なんて」が文の頭に来ます。 |
| な形容詞、な形容詞文 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第20課 | な形容詞の普通形は、「です」を「だ」に替えた形です。肯定「暇だ」、否定「暇じゃない」、過去「暇だった」、過去否定「暇じゃなかった」。「だ」は文を言い切る形ですが、質問では落として「暇?」と上げて言い、答えでも「うん、暇」のように落とすことが多いです(「暇だ」と言い切ると強く聞こえます)。「ね」「よ」を付けるときは「暇だね」「暇だよ」と「だ」が付きます。名詞とまったく同じ変化なので、文型4と組にして教えます。 |
| 〜に…います/…あります/…かかります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第8課 | 時間の長さや回数を言う形です。学習項目2の数と同じように、期間(1年・3か月・2週間・5日・2時間など)は助詞をつけずに動詞の前に置きます。「来月、大阪に2週間います」は、その場所にいる長さを言う文で、ます形ならこれからの予定、「去年、名古屋に半年いました」なら過去の長さです。「1週間に3回授業があります」の「に」は、どの期間の中で何回あるかを言う使い方です。「この仕事に3日かかります」は、何かのために必要な時間やお金を言う文で、「うちから学校まで電車で30分かかります」のように、移動の時間にも使います。長さを聞くときは「どのぐらい」、だいたいの数には「〜ぐらい」をつけます。文法の用語で言えば、「3時に」のように時点を表す語は「に」をとり、「3時間」のように期間を表す語は助詞をつけずに述語にかかる、という時点と期間の区別がこの項目の芯で、期間や回数を表す語も数量詞の仲間として扱われます。 |
| 〜に…ます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第3課 | この本で初めて動詞が出る項目です。「起きます」「寝ます」のような動詞の「ます」の形で、毎日のこと(習慣)や、これからすることを言います。動作をする時刻には「に」をつけて「11時に寝ます」と言います。ただし「毎朝」「毎晩」「毎日」のように数字のない時の言葉には「に」をつけません。何時にするかを聞くときは「何時に〜ますか」です。文法の用語で言うと、時刻の「に」は動作の時を示す格助詞で、「ます」の形は過去ではない時(非過去)を表します。 |
| 〜にあたって/あたり | 学ぼう!にほんご 中級 第30課 | 何か大事なことをする節目のとき(始める・新しい段階に入る・終える)に、ということを表す改まった形です。意味は「〜に際して」と重なるところが多く、どちらも「〜のときに」と言い換えられますが、「〜にあたって」は開店・入学・新年度・引っ越しのような始まりの節目にも、閉会・卒業・退職のような終わりの節目にも使い、「その大事なことに向き合うので、そのために〜する・〜をお願いする」という気持ちを込めて使われることが多い形です。そのため、あいさつ・式辞・説明会の冒頭や締めくくり・新しい制度の案内などでよく聞きます(「閉会にあたって、ひとことごあいさつ申し上げます」)。「〜にあたり」はさらに硬く、書き言葉や改まったあいさつで使われます。 |
| 〜にあたって/〜にあたり | できる日本語 中級 第17課 | 「〜にあたって」は、何か大事なことを始める・行う、その機会にという意味で、後ろに前もってする準備や心構え、あいさつが続きます。お知らせや案内、式のあいさつで使う改まった言い方で、「にあたり」はさらに書き言葉らしくなります。「〜際(に)」(第5課)はくり返し起こる場面にも使えますが、「にあたって」は就職活動・入学・開店のような節目になる出来事に使うのがふつうです。「〜とき」は日常の何でもない場面にも使える中立の言い方です。 |
| 〜にあたり/にあたって(は) | 中級から学ぶ日本語 第20課 | 「Nにあたって/Vるにあたって」の形で、入学・就職・開店・引っ越し・発表のような、生活や仕事の節目になる大切なことを始めるとき・するときに、という意味を表す。後ろには、そのために準備すること、気をつけること、お願いやあいさつが来ることが多い。「〜にあたり」はさらに改まった言い方で、式のあいさつ・案内文・会社の文書によく出る。「は」を付けた「〜にあたっては」は「その場合には」と場面を取り立て、注意やお願いが続くことが多い。食事や買い物のような日常の小さなことには使わない。文法の見方では、時を表す改まった後置詞(複合的な助詞)の一つで、「〜とき」「〜際(に)」の仲間。 |
| 〜において/〜における | できる日本語 中級 第1課 | 「〜において」は、出来事が行われる場所・時・分野を示し、意味は「〜で」に近い書き言葉です。お知らせ・案内・論文・ニュースなど改まった文章で使い、友達との会話で使うとかなり硬く聞こえます。後ろに名詞をつなぐときは「〜における+N」(「本校における取り組み」)の形になります。「〜で」の意味のうち、道具・方法・原因の「で」には使えないので、「〜で」と何でも置き換えられるわけではありません。文法の用語では、名詞について格助詞のようにはたらく複合格助詞(後置詞)の一つで、「〜について」「〜によって」と同じ仲間として整理されます。 |
| 〜において… | 学ぼう!にほんご 初中級 第11課 | 行事や活動が行われる場所・場面を示す書き言葉で、意味はほぼ「で」と同じです。お知らせ・案内・式のあいさつ・ニュース・論文など改まった文章で使い、「卒業式は本校の講堂において行われます」のように、「行う・開く・開催する」などの出来事を表す動詞といっしょに出ることが多いです。場所だけでなく、時(「江戸時代において」)や分野・場面(「日本語教育において大切なこと」)も表します。名詞を説明するときは「〜における+名詞」(「大学における研究」)になります。物や人がある・いる場所(「に」で表す場所)には使えません。会話で使うと、かたすぎて聞こえます。 |
| 〜に〜が〈Vて形〉あります | みんなの日本語 初級Ⅱ 第30課 | 「壁にカレンダーが掛けてあります」のように、だれかが目的があってした動作の結果が、いまもそのまま残っている様子を言う文型です。使えるのは「掛けます・貼ります・置きます・並べます」のような他動詞だけで、もとの文の「を」は「が」になります(カレンダーを掛けます→カレンダーが掛けてあります)。第29課の「窓が開いています」(自動詞+ています)は目の前の状態を言うだけですが、「窓が開けてあります」は、だれかが何かのために開けた、という気持ちが入ります。動作をした人は文に出しません。 |
| 〜に〜があります・います | できる日本語 初級 第7課 | 場所を先に言って、そこに何があるか・誰がいるかを伝える形です。道に迷ったとき、周りの目印を「前にスーパーがあります」のように伝えるのに使います。聞き手がまだ知らない物を新しく出すときの言い方で、「〜は〜にあります」(知っている物の場所を言う)と、何を先に言うかが違います。文法の用語では「存在文」と呼ばれ、新しく出す物を「が」で示すことから、「は」と「が」の使い分けの入口にもなります。 |
| 〜にかかわらず/〜にかかわりなく | できる日本語 中級 第4課 | 「Nにかかわらず」は、Nの違いや差(年齢・性別・国籍・天候・経験の有無など)に関係なく、後ろのことが同じように成り立つことを表します。利用案内では「年齢にかかわらず、どなたでもご利用いただけます」「経験の有無にかかわらず参加できます」のように、使える人や条件の幅を示すのによく出ます。書き言葉で硬く、会話では「〜に関係なく」がふつうで、「にかかわりなく」もほぼ同じ意味です。形の似た「〜にもかかわらず」(「雨にもかかわらず、大勢の人が来た」)は「〜のに」という逆接で意味がまったく違うので、読むときは「も」があるかどうかを必ず確かめさせます。 |
| 〜にかけては | 中級から学ぶ日本語 第20課 できる日本語 中級 第16課 | 「Nにかけては」の形で、そのことについてはだれにも負けないほど優れている・自信がある、と言う。後ろには「だれにも負けない」「自信がある」「右に出る者はいない」「〜が一番だ」のようなプラスの評価が来る。人の能力や技術、会社や店の得意なことについて言うことが多く、話し手が人をほめるときにも、自分の得意なことを言うときにも使う。動詞のときは「Vることにかけては」と「こと」を入れる。形の似た「〜から〜にかけて」(範囲を言う:夜から朝にかけて雨が降る)とは別の形。文法の見方では、話題を取り立てる「は」を含む言い方で、評価がプラスに限られる「〜については」と考えると分かりやすい。 |
| 〜にかけては/かけても | 学ぼう!にほんご 中級 第34課 | 「〜という分野・点に限って言えば」と話の範囲を絞り、その分野ではほかのだれにも負けない、いちばん優れていると言うときの形です。前に来るのは、料理の腕・計算・足の速さ・記憶力・サービスのような能力・技術・性質の分野で、後ろには「だれにも負けない」「自信がある」「右に出る者はいない」「町で一番だ」のような高い評価や自信が来ます。自分のことにも、人・店・会社・製品のことにも使え、紹介文や自己PR、評判を伝える説明でよく使われます。「〜にかけても」は「ほかの点だけでなく、この分野でも」という意味で、すでに一つ長所を言ったあとに、もう一つの長所を足すときに使います。 |
| 〜にかわって…が | 学ぼう!にほんご 初中級 第14課 | 「N1にかわって、N2が〜する」は、本来N1がするはずのことを、N2が代わりにする(代理)という意味です。N1は、その役目を持っている人(担当者・社長・先生・司会など)で、病気や留守などでその人ができないときに使います。後ろの「が」は、だれが代わりにするのかを新しく知らせる働きをしていて、「私が」「森が」のように代わりにする人が来ます。あいさつ・案内・会議など改まった場面の言い方で、会話では「Nのかわりに」、さらにくだけると「(私が)代わりに〜する」と言うのがふつうです。学習項目3の「かわりに」が物や行動を取り替える・つり合わせるのに対して、「にかわって」は人が本来の人の役目を引き受けることに中心があります。社会の移り変わりを言う文(手紙にかわって、メールが使われるようになった)では、人以外も入ります。 |
| 〜にきまっている | できる日本語 中級 第8課 | 話し手が「絶対にそうだ」と強く思い込んでいることを表す話し言葉です。根拠を示さずに言い切るので、愚痴の中では「どうせ〜にきまってる」のように相手を決めつける気持ちが出ます。似た形の「〜はずだ」は理由や根拠があって当然そう考える言い方、「〜に違いない」は強い確信ですがやや書き言葉的です。「にきまっている」は感情が出やすい口語なので、レポートや改まった場面では使いません。話し言葉では「にきまってる」と縮まります。 |
| 〜にこしたことはない | できる日本語 中級 第20課 | 「〜にこしたことはない」は、「〜のほうがいいのは当然だ、それよりいいことはない」という意味で、多くの人が認める一般的な判断を言います(漢字では「越したことはない」)。後ろに「が・けど」を続けて、「でも、それがいちばん大事なわけではない」「できなくても仕方がない」と続けることが多く、ST1 で二番目以下に置いたものを「あるといいけれど、いちばんではない」と位置づけるのに便利です。「〜たほうがいい」は目の前の相手への助言、「〜に限る」は「〜がいちばんだ」という話し手の強い主張ですが、「〜にこしたことはない」は一般論として控えめに認める言い方です。会話でも作文でも使えます。 |
| 〜にしたがって | できる日本語 中級 第18課 | 「〜にしたがって」は、一方が変わっていくと、それに合わせてもう一方も変わっていくことを表します(気温が上がるにしたがって、すめる場所が狭くなる)。前にも後ろにも「増える・減る・上がる・〜くなる」のような変化を表すことばが来ます。第5課の「〜につれて」とほぼ同じ意味で入れ替えられることが多いですが、「にしたがって」のほうがやや硬く、記事や説明文に多く出ます。また「係の人の指示にしたがって」のように「(決まり・指示)のとおりに」という意味もあり、こちらは「につれて」では言えません。一回だけの出来事の原因と結果には使えません。 |
| 〜にしたがって… | 学ぼう!にほんご 初中級 第18課 | 使い方が二つあります。一つ目は「〜につれて」とほぼ同じで、一つのことが変わるのに合わせて、もう一つのことも変わることを表します。このときは前も後ろも変化を表す言葉で、多くの場合「につれて」と入れ替えても意味は変わりません。二つ目は、指示・規則・案内・説明などに合わせて、そのとおりに行動することを表す使い方で(係の人の指示にしたがって避難する)、こちらは前が変化でなくてもよく、後ろに「〜てください」のような働きかけも来ます。この二つ目の使い方は「につれて」にはありません。「したがって」は「従う」から来ていて、「につれて」より少し硬く聞こえることが多い表現です。 |
| 〜にしたら | 学ぼう!にほんご 中級 第31課 | 「N(人)にしたら」は、その人の身になって、その人の気持ちを考えてみるとという意味です。後ろには、その人が感じていそうなこと(うれしい・迷惑だ・つらい・〜と思っている)が来て、「〜だろう」「〜かもしれない」「〜のだ」で結ぶことが多い形です。「からすると」が立場からの判断にも、様子を手がかりにした推量にも広く使えるのに対し、「にしたら」は人(や、人のように気持ちを考えられる動物・会社など)に限られ、相手を思いやる響きが強くなります。文章では、書き手が自分とは別の人の気持ちを代わりに述べている目印になるので、そのあとに「しかし」「とはいえ」で書き手自身の意見に戻ることがよくあります。同じ意味で「〜にすれば」「〜にしてみれば」も使われます。 |
| 〜にしたら/〜にすれば/〜にしてみたら/〜にしてみれば | できる日本語 中級 第8課 | その人の立場に立って考えると、という意味で、自分とは違う人の気持ちや考えを想像して言うときに使います。「先生にしてみれば、毎日質問に来る学生は頼もしいだろう」のように、後ろには「〜だろう」「〜と思う」「〜かもしれない」など、想像や推測の言い方が多く来ます。「〜にしてみたら/〜にしてみれば」は「その人の身になってみると」という気持ちがより強く出ます。似た形の「〜にとって」は「学生にとって大切だ」のように評価を言うのに対し、こちらはその人の気持ちや言い分を思いやる点が違います。人や組織について使い、物には使いません。 |
| 〜にしては | できる日本語 中級 第7課 学ぼう!にほんご 中級 第31課 | 「〜という条件から普通に予想されることと比べると、意外にも…」と評価する形です。誘うときには「無料のイベントにしては内容が充実している」「初心者向けにしては本格的だ」のように、イベントのよさを伝えるのに使えます。後ろには予想と違う評価が来ます。似た「〜わりに」(第2課)はイ形容詞やナ形容詞にも広くつき、「程度のつり合いがとれていない」ことを言うのに対し、「〜にしては」は「(条件・立場)であることを考えると」という前提を、名詞や動詞で示すことが多いです。話し言葉でも書き言葉でも使います。 |
| 〜にしても/〜にしろ/〜にせよ | できる日本語 中級 第11課 | 「たとえ〜の場合でも」「〜ということは認めるが、それでも」の気持ちで、前の条件に関係なく後ろが成り立つと言う形です。記事では「どの暮らし方を選ぶにしても、〜が大切だ」のように、疑問詞(どこ・どれ・何・いつ)と組んで「どの場合でも」の意味でよく使います。「〜ても」と意味は近いですが、「〜にしても」は前のことを一度受け入れてから話し手の判断を言う響きがあり、後ろには意見・評価・忠告が来やすいです。「〜にしろ」「〜にせよ」はさらに硬い書き言葉で、会話では「〜にしても」を使います。第12課では「〜にしても〜にしても」と二つを並べる形を学びます。 |
| 〜にしても〜にしても/〜にしろ〜にしろ/〜にせよ〜にせよ | できる日本語 中級 第12課 | 二つ(または対になる二つの場合)を並べて、「どちらの場合でも後ろのことは同じだ」と言う形です。相談の場面では、迷っている二つの選択肢を並べて、「どちらに決めても、まずこれをしなければならない」と状況を整理するのに使います。「〜にしても〜にしても」は話し言葉でも書き言葉でも使い、「〜にしろ〜にしろ」「〜にせよ〜にせよ」はより硬く、書き言葉や改まった話で使います。第11課の「〜にしても」が一つの場合を仮に認めて「それでも」と続けるのに対し、こちらは二つの場合を両方挙げる点が違います。「〜ても〜ても」は「どんなにしても」のくり返しの意味になりやすく、対になる二つの選択肢を整理するのはこの形の役目です。 |
| 〜にします | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第12課 | いくつかの中から一つを選んで決めたことを言う言い方です。喫茶店やレストランで注文するとき(コーヒーにします)、プレゼントや日にちを決めるとき(土曜日にします)によく使います。選ぶものの名詞に「に」を付けて「します」と言います。相手に「何にしますか」と聞いて、選んでもらうこともできます。その場で決めたことは「〜にします」、もう決めてあることを話すときは「〜にしました」が多く使われます。文法の用語では「決定」を表す言い方で、格助詞「に」が選んだ結果を示しています。第20課の「〜くします/〜にします」(様子を変える)とは形が同じでも意味が違います。 |
| 〜にしろ | 学ぼう!にほんご 中級 第29課 | 使い方は二つあります。一つは「AにしろBにしろ」の形で、AでもBでも、どちらの場合でも後ろのことは変わらないことを表します。AとBには、出席・欠席、賛成・反対、電車・バスのように対になる2つが来ます。「何にしろ」「どちらにしろ」「いずれにしろ」のように疑問詞に付けて、どんな場合でも、と話をまとめることもできます。もう一つは「(たとえ)Aにしろ」の形で、Aを仮に、または事実として認めたうえで、それでも後ろのことは変わらないと言う使い方で、「〜としても」に近い意味です。後ろには話し手の判断・意見・依頼・すべきことが来やすく、手順の説明では「どちらを選ぶにしろ、まず〜」の形で、選ぶ前に共通してすることを示すのに便利です。やや硬い形で、会話では「〜にしても」、文章では「〜にせよ」もよく使われます。 |
| 〜にしろ〜にしろ | 中級から学ぶ日本語 第11課 | 「AにしろBにしろ」の形で、二つ(またはいくつか)の場合を並べて、「AでもBでも、どちらの場合でも後ろのことは変わらない」と言う。AとBには対になる語(行く・行かない/賛成・反対)や同じ仲間の語(電車・バス)が来る。後ろには、どちらにも当てはまる判断・注意・依頼(〜必要がある・〜てください・〜は同じだ)が来ることが多い。「〜にせよ〜にせよ」はさらにかたい言い方、「〜にしても〜にしても」は少しやわらかい言い方で、意味はほぼ同じ。「どんな理由があったにしろ」のように一つだけで「たとえ〜としても」の意味でも使う。文法の用語では、「〜ても」と同じ逆の条件を並べて「どれでも同じ」と言う言い方で、条件表現の仲間に入る。 |
| 〜にすぎない | 中級を学ぼう(中級前期) 第8課 できる日本語 中級 第17課 学ぼう!にほんご 中級 第37課 | 「ただ〜だけだ、それ以上のものではない」と、程度や価値、範囲を低く見積もって言う形です。「ほんの」「ただの」「単なる」「一部」などと一緒に使うことが多く、「大したことではない」「全体の中の一部にすぎない」という気持ちを表します。本文のような意見文では、筆者が「それは一つの要素にすぎない」と、ある考え方を小さく見せるときに使われます。言い換えるなら「〜だけだ」ですが、「それ以上の価値はない」という話し手の評価が加わる、硬めの書き言葉の文末表現です。 |
| 〜について/ついての | 学ぼう!にほんご 中級 第26課 | 初中級で学んだ「〜について」を、この課では「〜に関して」と比べながら使い直します。話す・聞く・考える・調べる・説明する・書く・知っている などの話題や対象を示す形で、会話でも文章でも使える、いちばん基本の形です。名詞の前では「〜についての N」になります(「マナーについての質問」)。「〜に関して/関する」と意味はほぼ同じですが、「について」のほうがやわらかく、友達との会話や授業・仕事の指示の始めなど、日常の話でよく使われます。名詞の前は、会話や身近な文章なら「についての」、お知らせ・記事の見出し・書類の題なら「に関する」が選ばれることが多い、と整理しておくと使い分けやすくなります。 |
| 〜について… | 学ぼう!にほんご 初中級 第1課 | 話す・聞く・調べる・考える・書くなどの動作が、何を内容・テーマにしているかを示します。後ろに動詞が来るときは「NについてVる」、名詞が来るときは「Nについての+名詞」(〜についての質問・〜についての資料)になります。頼みごとでは、最初に「〜についてお聞きしたいことがあるんですが」と用件の中身を示すと、相手は何の話かが分かったうえで聞くことができます。メールや改まった手紙、お知らせでは「〜につきまして」という丁寧な形もよく使われます。 |
| 〜につき | できる日本語 中級 第2課 できる日本語 中級 第7課 | 張り紙や掲示で使う、とても改まった書き言葉で、二つの使い方があります。一つは理由で、「改装中につき休業」は「改装中なので休みます」という意味です。もう一つは単位ごとで、「お一人様につき2点まで」は「一人あたり2点まで」という意味です。理由の「につき」は「〜のため」に近いですが、さらに硬く、店や施設のお知らせでおもに使います。似た形の「〜について」(話題・「値段について聞く」)とは意味がまったく違います。 |
| 〜につけ(て) | できる日本語 中級 第7課 | 「〜するたびに、いつも自然に(ある気持ちになる・思い出す)」と表す形です。前には「見る」「聞く」「考える」など何かに触れる動詞が来ることが多く、後ろには「思い出す」「なつかしくなる」「心配になる」のような自然にわき上がる気持ちが来ます。「〜たびに」(第8課)はくり返すたびに何かが起きることを広く言えますが、「〜につけ」はやや硬く、気持ちの動きに使うことが多いです。「何かにつけて(何かあるたびに)」「いいにつけ悪いにつけ(いいときも悪いときも)」は決まった言い方として会話でも聞きます。 |
| 〜につれて | 中級から学ぶ日本語 第10課 できる日本語 中級 第5課 | 「AにつれてB」は、Aが少しずつ変わっていくのと一緒に、Bも少しずつ変わっていくことを言う。AにもBにも変化を表す言葉が来るのがいちばんの特徴で、Aには「時間が経つ・慣れる・増える・近づく・年をとる」、Bには「〜ようになる・〜てくる・だんだん・増える・減る」がよく合う。一度で終わる出来事や、変わらない状態には使わない。後ろは自然に起こる変化の報告なので、話し手の意志や頼みの文は置きにくい。文法の用語では、二つの変化が比例して進むこと(相関関係)を言う複文の言い方として扱われることが多い。 |
| 〜につれて… | 学ぼう!にほんご 初中級 第18課 | 一つのことが変わっていくと、それに合わせてもう一つのことも少しずつ変わる、という関係を表します。「Aにつれて、B」のAにもBにも、変化を表す言葉(増える・減る・上がる・〜くなる・〜になる・近づく・慣れる・年をとる など)が来るのが大事な点です。一回で終わる出来事や、変わらない状態には使いません。話し言葉でも書き言葉でも使い、レポートやニュースでは「〜につれ」という少し硬い形も見られます。 |
| 〜にとって | 中級から学ぶ日本語 第8課 できる日本語 中級 第3課 学ぼう!にほんご 中級 第31課 | 「Nの立場から見ると」「Nから考えると」という意味で、そのものごとの値打ちや重さを、ある人・ある集まりの立場から評価して言う。後ろには「大切だ」「難しい」「ありがたい」「問題だ」「宝物だ」のような評価・判断の言葉が来るのがふつうで、行動や相手への態度(優しくする・反対する)は来ない。同じものでも、立場が変わると評価が変わることを言うのに向いていて、この課の「思い込み」の話題とも結びつく(大人にとっては簡単なことでも、子どもにとっては難しい)。文法の用語では、名詞の後ろについて助詞のように働く「複合助詞(複合格助詞)」の一つとして扱われることが多い。 |
| 〜にとって… | 学ぼう!にほんご 初中級 第13課 | 「Nにとって」は、Nの立場から見るとどうかという評価を言う形です。後ろには「大切だ・必要だ・難しい・ありがたい」や「〜は…だ」のような評価・判断の言葉が来て、「する・話す」のような動作の動詞は来ません。Nには人だけでなく、会社・町・植物のような「影響を受ける側」も入ります(植物にとって、水と光は欠かせない)。前の課の「〜としては」はある立場の人が意見を言うときの形(社員としては、こう考えます)で、「にとって」はそのNにとっての価値を言う形、と分けると整理しやすくなります。 |
| 〜になった | 学ぼう!にほんご 初中級 第11課 | 名詞やな形容詞+「になった」で変化の結果を表す、初級の「〜になります」の復習です。この課では、お知らせで予定の日時・場所・内容が前と変わったことを伝える使い方に絞ります(「説明会は水曜日から金曜日になりました」「会場は301教室になりました」)。「中止・延期・休講になりました」のように、予定がどうなったかを一語で伝える形もよく使います。「N1からN2になりました」では前(N1)と後(N2)の両方がわかるので、読むときは何が・何から・何に変わったかの3つを取り出させます。学習項目5の「ことになった」は動詞の前に付いて「新しく〜すると決まった」、「になった」は名詞に付いて「予定の中身が別のものに変わった」と、前に来る形で見分けられます。 |
| 〜になります | 学ぼう!にほんご 初中級 第18課 | 初級で習った、な形容詞と名詞の変化の言い方(便利になります・大学生になります)の復習です。この課では、グラフの説明で特に役に立つ「数量の名詞+になる」(2倍になる・半分になる・30%になる・1万人になる)と、順位や割合が変わったことを言う形に絞ります。「〜倍になる」「半分になる」は変わったあとの量を表します。動詞の変化(話せるようになる・使うようになる)は「〜ようになります」で、「になります」を直接動詞に付けることはできません。 |
| 〜になります/〜くなります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第15課 | ものや人のようすが変わることを言います。い形容詞は最後の「い」を「く」に替えて「なります」をつけ(暑い→暑くなります)、な形容詞と名詞は「に」をつけて「なります」をつけます(静かになります・医者になります・春になります)。「いい」だけは「よくなります」になります。もう変わったことは「〜くなりました」「〜になりました」と言い、第9課の「〜たいです」と組み合わせると「〜になりたいです」で将来の希望が言えます。 |
| 〜には | できる日本語 中級 第4課 | 「Vるには」は「〜するためには」の意味で、目的を言い、そのために何が必要か・どうすればいいか・どのくらいかかるかを後ろで言います。施設の利用案内では「団体で利用するには、利用者登録が必要です」「会議室を使うには、2週間前までに申し込んでください」のように、手続きの条件を示すのによく出ます。「〜ために」と違い、後ろには「必要だ」「〜なければならない」「〜てください」「〜がいい」「時間がかかる」「遠い」のような条件や評価が来て、「〜ために毎日練習した」のような実際にした行為の報告には使いません。「私には難しい」の「には」(人や対象を取り立てる)とは別のものなので、前が動詞の辞書形や動作の名詞かどうかで見分けます。 |
| 〜にほかならない | できる日本語 中級 第18課 | 「Nにほかならない」は、「まさに〜だ。それ以外ではない」と強く言い切る言い方です。記事や論説、スピーチで使う硬い書き言葉で、筆者が原因や本質をはっきり示したいところに出てきます。理由を言い切るときは「〜からにほかならない」の形になります。第17課の「〜にすぎない」は「ただ〜だけだ」と小さく見る言い方で、強く言い切るという点は似ていますが、向きが反対です。 |
| 〜にもかかわらず | 中級から学ぶ日本語 第14課 できる日本語 中級 第16課 | 前の事実から当然予想されることと反対の結果になったことを言う逆接の表現。意味は「〜のに」に近いが、書き言葉・改まった話し方で使い、報告・ニュース・論文などで事実として述べるときによく出る。後ろは実際に起きたこと・今の状態で、命令・依頼・誘い・話し手の意志(〜てください・〜ましょう・〜つもりだ)は来ない。名詞に直接付けることもでき(雨にもかかわらず)、文の初めに「(それ)にもかかわらず、〜」と接続詞のように置くこともある。「も」のない「〜にかかわらず」は「〜に関係なく」という別の意味なので、区別して扱う。 |
| 〜にもまして | できる日本語 中級 第20課 | 「Nにもまして」は、「Nも〜だが、それ以上に」という意味で、前のNも程度が高いことを認めたうえで、後ろのことがさらにそうだと言います。「以前にもまして忙しい」は以前も忙しかったことを含み、ただの「以前より忙しい」より差が強く出ます。「何にもまして」「誰にもまして」「いつにもまして」のように疑問詞につくと「ほかの何(誰・いつ)よりも」という意味になり、ST1 でいちばん上のものを言うのに使えます(「何にもまして健康が大切だ」)。書き言葉や改まった話で使う硬めの言い方で、会話では「〜よりも」「何よりも」がふつうです。 |
| 〜によって | 中級から学ぶ日本語 第12課 | 「AによってBが違う」の形で、Aが変わればBも変わる、Aの一つ一つでBが同じではないことを言う(国によって、あいさつの仕方が違う)。後ろには「違う・異なる・さまざまだ・変わる」が来ることが多い。また「AによってBを分ける」の形で、分けたり決めたりするときの基準も言える(血液型によって、人を4つのタイプに分ける)。「Nによっては」は、いくつかある中で特別な場合を取り出す言い方(人によっては、毎日血液型の占いを見る)。名詞の前では「Nによる+N」(地域による違い)。第7課の「によって」が手段・原因を言うのに対して、この課は「違いのもと」「分ける基準」の使い方。 |
| 〜によって(さまざまだ) | できる日本語 中級 第2課 | 「Nによって」は、Nが違えばそれに応じて中身も違う、という意味で、後ろには「さまざまだ」「違う」「異なる」「変わる」のような違いや変化を表すことばが来ます。「日によっておかずが変わる」は、日ごとにおかずが同じではないことを言っています。後ろが一つの結果(「安い」)のときは、「店によっては安い」(一部の店では安い)と「は」を入れます。原因を表す「〜によって」(第5課)や、受身の動作主を表す「〜によって」とは別の使い方です。話し言葉でも書き言葉でも使え、硬い文では「〜により」「〜によりさまざまである」になります。 |
| 〜によって(原因) | 中級から学ぶ日本語 第7課 | 何かが起きた原因を言う書き言葉の言い方。ニュースや説明文で、地震・台風・事故・社会の変化のような、出来事のもとになったことを前に置く。後ろには人の意志でしたことより、起きたこと・変わったこと(止まる・壊れる・増える・変わる)が来ることが多い。名詞の前では「〜による+名詞」(台風による被害)。手段の「によって」と形は同じなので、「人がそれを使って何かをした」のか「それのせいで何かが起きた」のかで見分ける。 |
| 〜によって(手段) | 中級から学ぶ日本語 第7課 | 何を使って、または何をもとにしてそれをするかを言う書き言葉の言い方。話し言葉の「で」(話し合いで決める)にあたるが、ニュース・レポート・説明文など、かたい文で使う。前に来るのは方法・手段・よりどころになることがら(話し合い・調査・インターネット・外見)が多く、バスや箸のような身近な道具にはふつう使わない。名詞を後ろに続けるときは「〜による+名詞」(話し合いによる解決)になる。 |
| 〜によって/〜により/〜による | できる日本語 中級 第13課 | ここでは、物事が広がった手段・きっかけ(「SNS によって広まった」)と、受身の文でだれがしたか(「若い店主によって始められた」)を表します。第5課の「原因」、第2課の「〜によって(さまざまだ)」と形は同じなので、前後の文から意味を決めさせます。手段は「〜で」でも言えますが、「によって」は改まった言い方で、ニュースや記事に多く出ます。「により」はさらに硬く、名詞を修飾するときは「〜による+N」(「SNS による宣伝」)になります。情報の出どころを言う「〜によると」とは別の形です。 |
| 〜によって/〜により/〜による(原因) | できる日本語 中級 第5課 | 「Nによって/Nにより」は、出来事が起きた原因を表します。「台風によって」「地震により」のように、ニュースや速報、お知らせで使う硬い書き言葉で、「により」はさらに改まった言い方です。後ろに名詞が続くときは「Nによる+N」(「大雨による被害」)になります。会話の「Nで」(「雨で電車が遅れた」)と意味は近いですが、「によって」は自然現象や事故などの社会的な出来事に使い、寝坊のような個人の事情にはあまり使いません。受身の動作をする人を表す「によって」や、「国によってさまざまだ」の「によって」とは別の用法です。 |
| 〜によっては | できる日本語 中級 第14課 | 「Nによっては」で、Nのうちのある場合にはこうなる、と一部の場合を取り出して言います。「〜によって(さまざまだ)」が「Nごとに違う」と全体の違いを言うのに対して、「〜によっては」は「中にはこういう場合もある」と特定の結果を示すのが違いです。そのため後ろには「〜こともある」「〜場合がある」「〜できる」のような可能性の表現がよく来ます。応対の場面では「日によっては」「お部屋によっては」と条件をつけて代わりの案を出すのに使えます。 |
| 〜によると… | 学ぼう!にほんご 初中級 第7課 | 情報をどこから得たか(出どころ)を文の最初に示す言い方です。ニュース・天気予報・新聞・調査・人の話など、話し手が自分で見たり確かめたりしたのではない情報に使い、文末は「〜そうだ」「〜ということだ」「〜らしい」のような、聞いた話だとわかる形で結ぶのが基本です。出どころを先に言うので、聞く人は「これは話し手の意見ではなく、聞いた話だ」と最初からわかります。文末の「〜らしい」は聞いた話をもとにした推量で、出どころがはっきりしないうわさや、話し手が内容に自信を持てないときに多く、名詞には「だ」を付けずに「休みらしい」と言います。少し硬い「〜によれば」、ニュースで使う丁寧な「〜によりますと」もあります。 |
| 〜にわたって | 学ぼう!にほんご 中級 第30課 | 期間・回数・場所の範囲を表す言葉に付いて、その初めから終わりまで全体に、ある状態や行為が続く・広がることを表します。「3日間にわたって」「長年にわたって」「全館にわたって」「多くの分野にわたって」のように使い、話し手がその期間や範囲を長い・広いと感じていることを伝えることが多い形です。工事・休業・調査・会議・雨のお知らせやニュースでよく使われる改まった言い方で、「〜にわたり」はさらに硬く、名詞の前では「〜にわたるN」「〜にわたったN」となります。聞き取りでは、前に来る日付・期間・場所がいちばん大事な情報になります。 |
| 〜にわたって/〜にわたり/〜にわたる | できる日本語 中級 第16課 | 期間・範囲・回数を表す名詞について、その全体に広く及ぶことを表します。「3日間にわたって試験が行われた」「全国にわたる大雪」のように、期間や範囲が長い・広いことを印象づける硬い書き言葉で、ニュースや記事でよく使います。第1課の「〜から〜にかけて」は始まりと終わりを示して、だいたいその間という幅を言うのに対して、「にわたって」は全体を通して切れずに続く・広がることに重点があります。第6課の「〜を通じて」(「一年を通じて暖かい」)は期間中ずっと同じ状態であることを言います。「にわたり」は書き言葉で文を続ける形、名詞の前は「にわたる+N」です。 |
| 〜に囲まれている/〜に囲まれた | できる日本語 中級 第6課 | 「囲む」の受身で、ある場所の周りがすべて山や海などである状態を表します。地理の説明では「町は山に囲まれている」のように文の終わりに、または「山に囲まれた町」のように名詞の前に置いて使います。「〜に面している」は一つの方向だけが海や道に接していることなので、周りぜんぶを表す「〜に囲まれている」とは違います。人について「家族に囲まれて暮らす」のようにも使い、その場合は温かい感じが出ます。 |
| 〜に違いない | 中級から学ぶ日本語 第16課 できる日本語 中級 第18課 学ぼう!にほんご 中級 第37課 | 話し手が何かの手がかりから「きっと〜だ」「ほかの可能性はほとんどない」と強く確信していることを言う。手がかりは目で見た事実のこともあるが、経験や直感からそう思う場合にも使える。物語・作文・説明文などの書き言葉に多く、会話では「きっと〜と思う」「〜に決まってる」のほうがふつう。文法の見方では、話し手の判断を表すモダリティの一つで、確信の強さは「〜かもしれない」<「〜だろう」<「〜に違いない」の順に強くなる。話し手自身のこれからの行動(意志)には使わない。 |
| 〜に沿って/〜に沿う/〜に沿った | できる日本語 中級 第4課 | 「Nに沿って」は、川・道・線路・壁のように長く続くもののそばを、離れずに同じ方向に進む・並ぶことを表します。道案内では「川に沿って5分ほど歩いてください」のように使い、名詞を説明するときは「線路に沿った道」「海岸に沿う道路」の形になります(「沿う」は書き言葉寄り)。「道をまっすぐ行く」は道の上を進むことですが、「川に沿って行く」は川の横を進むことで、川そのものの上を進むわけではありません。「計画に沿って」「ご希望に沿った」のように、決まった方針や希望から外れないという意味にも広がります。 |
| 〜に応じ(て)/〜に応じた | できる日本語 中級 第12課 | 前の名詞(年齢・体力・目的など)の違いや変化に合わせて、後ろのことを変えることを表します。番組では「年齢や体の状態に応じて運動の量を変える」のように、一人一人に合ったやり方を勧めるときに使われます。名詞の前では「〜に応じた+N」になり、「〜に応じ」は書き言葉や改まった話で使う形です。第2課の「〜によって(さまざまだ)」は「違いがある」ことを述べるだけですが、「〜に応じて」は違いに合わせて何かを変える・選ぶという動きがあります。「〜に合わせて」と近い意味ですが、「〜に応じて」のほうが硬く、説明や案内の言葉らしく聞こえます。 |
| 〜に応じて… | 学ぼう!にほんご 初中級 第19課 | 前の名詞(ニーズ・レベル・年齢・希望・量など)が人や場合によって違うとき、それに合わせて後ろのことを変える・決めることを表します。「人数に応じて部屋を決める」「働いた時間に応じて給料が決まる」のように、前が変われば後ろも変わる、という対応の関係です。動詞「応じる」はもともと「相手の求めや問いかけにこたえる」という意味です(取材に応じる)。似た「〜によって」は違いがあることを言うだけでも使えますが(国によって習慣が違う)、「〜に応じて」は違いに合わせて何かを変えるときに使い、規則・料金・サービスの説明によく出ます。 |
| 〜に加え(て) | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 「すでにあるものの上に、さらに別のものが重なる」と付け足す言い方です。「AだけでなくBも」と情報を積み上げるときに使い、「Aに加えてBも」の形が多いです。説明文・レポート・ニュースのような書き言葉や改まった話し言葉で使い、ふだんの会話では「〜だけじゃなくて」「〜のほかに」が普通です。AとBは同じ方向の情報(どちらも良い点、どちらも負担など)になります。 |
| 〜に関して/〜に関する | できる日本語 中級 第15課 | 「Nに関して」で、話や文章の内容が N についてであることを表し、「Nに関するN」の形で名詞を修飾します。意味は「〜について」とほぼ同じですが、より改まった書き言葉で、記事の見出し・アンケート・お知らせによく出ます。会話では「〜について」がふつうです。記事を読むときは、「〜に関する」の前を見れば何の話かがつかめます。 |
| 〜に関して/関する | 学ぼう!にほんご 中級 第26課 | 話・質問・調査・決まり・情報などが何を対象にしているかを示します。意味は「〜について」とほぼ同じですが、「〜に関して」のほうが硬く、お知らせ・ニュース・報告・説明会・ビジネスのメールなど、改まった話や書き言葉でよく使われます。名詞の前では「〜に関する N」になり、「個人情報に関する注意」「新しい制度に関するお知らせ」のように、記事の見出しや書類の題名によく出てきます。「関する」は「関係する」ということなので、その話題だけでなく、それに関係すること全体を広く指す感じがあります。丁寧な話では「〜に関しまして」、話題を取り立てて言うときは「〜に関しては」も使われます。 |
| 〜に関わらず | 学ぼう!にほんご 中級 第40課 | 前に来る事柄の違いや程度が、後ろのことの条件にならないこと、つまり「〜に関係なく」という意味を表します。前には、天候・年齢・性別・経験・量のようにいろいろな値や段階がある名詞か、「するしない」「行く行かない」「多い少ない」のように対立する二つ、または「〜かどうか」が来ます。募集・案内・規則の文章でよく使われ、「天候に関わらず実施します」のように、どんな場合でも同じだと知らせるときに使います。漢字では「関わらず」「拘らず」とも、ひらがなで「かかわらず」とも書きます。 |
| 〜に基づいて | 学ぼう!にほんご 中級 第26課 | 決まり・データ・調査の結果・事実・経験・計画などを根拠や基準にして、考えたり、決めたり、何かを作ったりすることを表します。何を根拠にしているかをはっきり示すので、「法律に基づいて手続きをします」「アンケートの結果に基づいて、メニューを変えました」のように、説明・報告・お知らせなど、理由をきちんと示したい文章でよく使われます。名詞の前では「〜に基づいた N」「〜に基づく N」(「事実に基づいた映画」「経験に基づく助言」)、書き言葉では「〜に基づき、〜」も使われます。「〜通りに」が手本と同じ形にすることを言うのに対し、「〜に基づいて」は手本をそのまま写すのではなく、それを土台にして判断する・作ることを言います。 |
| 〜に基づいて/〜に基づく/〜に基づいた | できる日本語 中級 第20課 | 「Nに基づいて」は、データ・調査・法律・経験・事実など、しっかりした根拠をよりどころにして、判断したり行動したりすることを表します。ST2 の記事では、点数が何を根拠に決められているかを読み取る手がかりになります。文の途中では「に基づいて/に基づき」、名詞の前では「に基づくN/に基づいたN」になり、「に基づき」はより硬い書き言葉です。「〜をもとに(して)」は材料や出発点にして新しいものを作る(「実話をもとにした映画」)ときによく使いますが、「〜に基づいて」は根拠から外れずに判断・実行することに重心があり、規則や法律には「に基づいて」が自然です(「法律に基づいて手続きをする」)。 |
| 〜に限って/限り/限らず | 学ぼう!にほんご 中級 第40課 | 名詞に「に限る(=そのものだけにしぼる)」が付いた形で、三つの言い方があります。「Nに限り」は「Nだけ」という限定で、「先着20名に限り」「本日に限り」のように、お知らせや店の案内などの改まった文でよく使います。「Nに限って」も限定ですが、会話では「急いでいる日に限って電車が遅れる」のように、ほかの時は大丈夫なのに、よりによってその時だけ困ったことが起こるという不満や意外な気持ちを込めて言うことが多く、「うちの子に限ってそんなことはしない」のように、その人だけはそうではないと信じる言い方もあります。「Nに限らず」は反対に、しぼらないこと、つまり「Nだけでなく(ほかも)」という意味で、後ろに「も」「みんな」「広く」などが来ます。 |
| 〜に限らず | 中級から学ぶ日本語 第20課 できる日本語 中級 第14課 | 「Nに限らず」の形で、Nだけではなく、ほかのものも同じだ、と範囲を広げて言う。Nには、その話題ですぐに思い浮かぶ代表的なものが来て、後ろには「〜も」「だれでも」「どこでも」「みんな」のように範囲が広いことを示す語が来ることが多い。「Nだけの話ではない」といったん打ち消してから広げる言い方なので、「〜だけでなく」より書き言葉に寄り、説明文・案内文・ニュースによく出る。反対に範囲を一つにしぼるのが「Nに限り(Nだけ)」「Nに限って(ほかはともかくNの場合は特に)」で、形が似ているので並べて区別させたい。文法の見方では、取り立て助詞の「だけ」「も」に近いはたらきをする複合的な形。 |
| 〜に限り | できる日本語 中級 第2課 | 看板やチラシで、特別なサービスが受けられる条件(日・人・数)をしぼるときの書き言葉です。「本日に限り」は「今日だけ」、「先着20名様に限り」は「最初に来た20人だけ」という意味です。意味は「〜だけ」に近いですが、硬く改まった言い方なので、ふつうの会話では「今日だけ」と言います。名詞を修飾するときは「本日限りのセール」のように「限りの」の形になります。「〜に限る」(第6課・「暑い日は冷たいそばに限る」=それがいちばんいい)や、「〜に限って」(「急いでいるときに限って」=よりによって)とは意味が違います。 |
| 〜に限る | できる日本語 中級 第6課 | 「〜がいちばんいい」という話し手の考えを強く言う表現です。「暑い日は冷たいそばに限る」「疲れたときは早く寝るに限る」のように、ある状況では何がいちばんかを、自分の経験から言い切ります。客観的な事実ではなく話し手の主観なので、友達への助言や会話でよく使い、目上の人には「〜がいいと思います」のほうが無難です。似た形の「〜に限り(本日に限り、半額)」は「〜だけ」という限定の意味で、まったく別の表現です。 |
| 〜に行きます/来ます/帰ります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第9課 | 何をするために行くか(来るか・帰るか)、行く目的を言います。動詞のます形から「ます」を取った形に「に」をつけ、「買いに行きます」「勉強しに来ました」のようにします。行く場所は第4課と同じ「へ」で言うので、「スーパーへ野菜を買いに行きます」のように、場所と目的を一つの文に入れられます。「買い物」「散歩」のように動作を表す名詞は、そのまま「に」をつけて「買い物に行きます」と言えます。文法用語では、移動の動詞(行く・来る・帰る)の前の「連用形+に」は目的を表す形で、目的の部分には自分の意志でする動作(意志動詞)が入ります。 |
| 〜に際して | 学ぼう!にほんご 中級 第30課 | ふだんとは違う、ある特別な機会や場面のときに、ということを表し、そのときに何をするか・何に気をつけるかを言う改まった形です。入学・卒業・退職・帰国のような人生の節目にも、利用・申し込み・出発のような手続きの場面にも、緊急・災害・故障のような起きてしまった出来事にも使えるのが、次の「〜にあたって」より広い点です。施設の利用案内や注意書き、放送でよく使われ、「ご利用に際しては」「申し込みに際しての注意」のような形で出てきます。放送ではもう少しやわらかい「〜の際は」(お降りの際は)もよく聞くので、同じ意味の仲間として一緒に聞かせます。 |
| 〜に住んでいます | できる日本語 初級 第8課 | 今どこで生活しているかを言う形です。「住む」は今の住まいを言うとき「住んでいます」の形で使い、「住みます」は引っ越しの予定など、これからのことになります。場所には「で」ではなく「に」をつけます。家族を紹介するときに、だれがどこにいるかを伝えるのに使います。文法の見方では、「ている」が動作の進行ではなく、今の状態が続いていることを表す用法です。 |
| 〜に先立って | 学ぼう!にほんご 中級 第30課 | ある大事な出来事(式・大会・開館・工事・発売など)の前に、その準備や前置きとして何かをすることを表します。意味は「〜の前に」に近いですが、ただ時間の順番を言うのではなく、後ろの出来事のために前もってすることに使うのが特徴です。改まった形で、司会のあいさつ、館内放送、行事の案内、ニュースなどでよく聞きます。放送や司会では「〜に先立ちまして」、書き言葉では「〜に先立ち」の形もよく使われ、名詞の前では「〜に先立つN」となります。 |
| 〜に先立って/〜に先立ち | できる日本語 中級 第13課 | 「Aに先立って、B」で、大事な催しや行事Aの前に、その準備や関係のあるBを行うことを表します。イベントのリポートやお知らせで、開幕・発売・公開などの前に行われたことを伝えるのによく出ます。「〜前に」はどんなことにも使えますが、「に先立って」は公式の行事や改まった場面に使う硬い言い方で、日常の小さなこと(「寝るに先立って歯をみがく」)には使いません。「に先立ち」はさらに硬く、名詞を修飾するときは「〜に先立つ+N」(「開幕に先立つ記者会見」)になります。 |
| 〜に対して | できる日本語 中級 第11課 学ぼう!にほんご 中級 第39課 | 二つのものを並べて、一方はこうだが、もう一方はそれと反対・大きく違う、と対比する形です。調査の解説では「自炊する学生が四割なのに対して、ほとんどしない学生も三割いる」のように、数字の違いをはっきり示すのに使います。初級の「〜は〜が、〜は」より改まっていて、書き言葉やニュースでよく使われます。「〜一方(で)」も対比に使えますが、「一方」は同じものの別の面を付け足すときにも使える点が違います。第12課で学ぶ「〜に対して(対象)」(「先生に対して失礼だ」)は気持ちや行動を向ける相手を表す別の用法なので、ここでは二つを比べる用法に絞ります。 |
| 〜に対して/〜に対する(対象) | できる日本語 中級 第12課 | 前の名詞が、気持ち・態度・行動などが向けられる相手や対象であることを表します。記事では「睡眠に対する関心」「眠れないことに対する不安」のように、何に向けた気持ちや考えかを示すのに使われます。名詞の前は「〜に対する+N」(「〜に対してのN」とも)になります。第11課の「〜に対して」は「AはBだ。それに対してCはDだ」と二つを比べる使い方で、同じ形でも役目が違うので並べて確かめます。「〜について」は話や考えの中身(話題)を示し、「〜に対して」は気持ちや行動が向かう先を示します(「睡眠について書く」/「質問に対して答える」)。「〜にとって」は「その人の立場から見ると」という評価の基準で、これとも区別します。 |
| 〜に対して… | 学ぼう!にほんご 初中級 第13課 | 気持ち・態度・動作が向かう相手や対象を表します。後ろには「答える・反対する・説明する」のような動作や、「厳しい・優しい・失礼だ」のような態度を表す言葉が来ます。「先生に失礼だ」のように「に」だけでも言えることが多いですが、「に対して」にすると相手に向けているという意味がはっきりし、少し改まった言い方になります。学習項目1の「にとって」がNの立場から見た評価なのに対して、「に対して」はNに向けた動き・態度です。このほかに二つのことを比べる使い方(兄はにぎやかなのに対して、弟は静かだ)もありますが、この課では相手・対象の意味だけを扱います。 |
| 〜に代わって/〜に代わり | できる日本語 中級 第6課 | 一つは、それまでのものの代わりに別のものが使われるようになったことを表します(かやに代わって、金属の屋根が増えている)。もう一つは、ある人の代わりに別の人が何かをすることを表します(社長に代わって、部長があいさつする)。「〜の代わりに」は日常の小さな取り替え(肉の代わりに豆腐を使う)にも使える会話的な言い方ですが、「〜に代わって」は時代の移り変わりや役目の交代を述べるやや硬い言い方です。「〜に代わり」は書き言葉で、文の途中で使います。 |
| 〜に伴って/〜に伴い/〜に伴う | できる日本語 中級 第19課 | 一方が変わると、それにつれてもう一方も変わること、またはある出来事が起きることに合わせて別のことが起こることを表します。ニュース・解説・お知らせなどで使う硬い書き言葉で、「〜に伴い」は文章でさらに改まった形、名詞につなぐときは「〜に伴う+N」です。第5課の「〜につれて」も変化どうしを結びますが、につれては少しずつ進む変化どうしにしか使えないのに対し、に伴っては「工場の移転に伴い」のような一度きりの出来事にも使えます。「危険を伴う仕事」の「〜を伴う」(〜を含む)とは別の形です。 |
| 〜に伴って… | 学ぼう!にほんご 初中級 第16課 | 「Aが変わる・起こるのにともなって、Bも変わる・起こる」という意味で、社会・町・会社・制度のような大きなものの変化を言うときによく使います(人口の増加に伴って・駅の開業に伴って)。「とともに」の変化の使い方と近いですが、「に伴って」には「一緒に」の意味はなく、前に人は来ません。また、少しずつ進む変化だけでなく、「Aが起こるので、その結果Bも起こる」という一回の出来事にも使え、お知らせや掲示でよく見ます(事務所の移転に伴い、電話番号が変わります)。ニュース・新聞・お知らせなどで使う硬い言い方で、書くときは「〜に伴い」、名詞を修飾するときは「〜に伴う+N」(工事に伴う通行止め)になります。後ろには、話し手の意志や誘い(〜よう・〜ましょう)はあまり来ません。 |
| 〜に反し(て)/〜に反する/〜に反した | できる日本語 中級 第7課 | 「予想・期待・希望・規則などとは反対に」と表す形です。交流の体験を話すときには「予想に反して、すぐに仲良くなれた」のように、思っていたことと実際が逆だったことを伝えるのに使えます。「規則に反する行為」のように、決まりを破ることを言う使い方もあります。硬い言い方で発表や作文に向き、ふだんの会話では「思っていたのと違って」と言うことが多いです。「〜と違って」はどんな違いにも使えますが、「〜に反して」は予想や期待、決まりなど、前もってあった考えや基準と逆になる場合に使います。 |
| 〜に反して | 学ぼう!にほんご 中級 第39課 | 予想・期待・予報・希望・意志など、前もって考えていたこと・望んでいたことと逆の結果になったことを表します。「予想に反して」は「予想とは反対に」という意味で、後ろには実際に起きたことが来ます。「(自分の)意志に反して」は、本当はしたくないのに、命令や事情でそうすることになった、という意味です。また、「規則に反して」「法律に反する」のように、決まりを守らない(違反する)という意味でも使います。名詞の前では「〜に反するN」(期待に反する結果)の形になります。新聞・ニュース・レポートなどの書き言葉でよく使われ、会話では「予想と違って」「思ったより」と言うことが多い形です。 |
| 〜に比べ(て) | できる日本語 中級 第6課 | あるものを基準にして、もう一つのものの程度を比べるときに使います。「海沿いの町に比べて、盆地の町は夜が涼しい」のように、前に比べる基準、後ろに比べた結果を言います。初級の「〜より」とほぼ同じ内容ですが、「〜に比べ(て)」は基準をはっきり示して述べる言い方で、説明文やレポートでよく使います。「比べ」は書き言葉の中止形で、「比べて」はどちらにも使います。「〜と比べて」もほぼ同じ意味です。 |
| 〜に比べて… | 学ぼう!にほんご 初中級 第5課 | 「AはBに比べて〜」の形で、Bを基準(ものさし)にしてAの程度を述べる言い方です。「AはBより〜」とほぼ同じ意味ですが、「に比べて」は何を基準にしているかを文の前に出すので、数字や調べたことを示しながら説明するときによく使います。去年と今年、昔と今のように、時間の違いを比べて変化を言うのにも使います。後ろには「高い・多い・増えた・少し暖かい」のような、程度の違いを表す内容が来ます。 |
| 〜に備えて | できる日本語 中級 第6課 | これから起こるかもしれないことに対して、前もって準備をすることを表します。「冬の大雪に備えて、屋根を急にする」「地震に備えて、水を用意しておく」のように、前に起こりうること、後ろにする準備を言います。「〜のために」は目的を広く表しますが、「〜に備えて」は災害・病気・試験など、来るかもしれない事態に対する準備に使うのが特徴です。「〜に備えた+N」(地震に備えた家)、書き言葉では「〜に備え、」の形もあります。 |
| 〜ぬく | できる日本語 中級 第16課 学ぼう!にほんご 初中級 第20課 | 「Vます形+ぬく」は、苦しいことや難しいことがあっても、最後までやりとおすことを表します(「最後まで走りぬく」「やりぬく」「守りぬく」)。「考えぬく」「悩みぬく」のように「とことん・徹底的に」の意味にもなります。ST3 の「〜きる」も最後までを表しますが、「食べきる」「使いきる」のように量を全部終えることにも使える中立的な言い方なのに対して、「ぬく」は困難を乗り越える意志や努力に重点があり、食べる・飲むのような日常の動作にはあまり使いません。解説やスピーチなど、やや改まった場面でよく使います。 |
| 〜ね(確認) | できる日本語 初級 第6課 | 決まったことや、自分が聞いたことが合っているかを、相手に確かめるときに文の終わりにつけます。約束の最後に「じゃあ、日曜日の6時に駅の前ですね」と言うと、二人の約束がそろっているかを確かめられます。第4課の「〜ね(共感)」は同じ気持ちを表すものでしたが、こちらは確かめるためのもので、相手の「はい」を待つ言い方になります。 |
| 〜ね(共感) | できる日本語 初級 第4課 | 文の終わりの「ね」で、相手と同じ気持ちや感じ方であることを表します。相手が「寒いです」と言ったときに「寒いですね」と返したり、一緒に食べた料理に「おいしいですね」と言ったりします。相手の話を受け止めて会話をやわらかくつなぐ働きがあり、ふるさとの話を聞いたあとの一言として使います。 |
| 〜のことだから | 中級から学ぶ日本語 第13課 | ある人(や店・会社)の性格やいつもの様子をよく知っているので、そこから『きっと〜だろう』と判断することを言う。後ろには「〜だろう」「〜はずだ」「〜に違いない」「〜んじゃないかな」など、予想や判断の言い方が来ることが多い。よい予想にも(まじめな彼のことだから、もう準備しているだろう)、困った予想にも(あの人のことだから、また遅れてくるよ)使え、話し手がその人をよく知っているという親しさが出る。また「子どものことだから、大目に見よう」のように、相手の立場や性質から『しかたがない』と判断する使い方もある。 |
| 〜のことなんですが | できる日本語 中級 第8課 | 相手に相談やお願いをする前に、何についての話なのかを先に示して切り出す言い方です。「〜んですが」の「が」は前置きで、このあとに事情や頼みごとが続くことを相手に知らせます。目上の人にいきなり本題を言わず、相手が話を聞く準備をできるようにするはたらきがあります。似た形の「〜についてなんですが」はやや改まった言い方、「〜の件なんですが」は仕事やメールでよく使う硬い言い方です。 |
| 〜のことになると/〜のこととなると | できる日本語 中級 第8課 | ある話題になると、その人がふだんと違う態度になることを表します。「彼はサッカーのことになると、話が止まらない」のように、夢中になる・急に真剣になる・人が変わったようになる、といった様子を言うときに使います。後ろには、その人のいつもの傾向が来るのがふつうで、一回だけの出来事にはあまり使いません。「〜のこととなると」はやや改まった、書き言葉寄りの言い方です。似た形の「〜といえば」は話題から連想することを言うだけで、人の態度の変化は表しません。 |
| 〜のだろうか | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 「〜のでしょうか」の普通体で、書き言葉で使います。筆者が読者に向けて、あるいは自分自身に向けて、疑問を投げかける形です。説明文では、このあとに筆者の答えや説明が続くことが多く、読むときは「問い→答え」の構造を見つける目印になります。 |
| 〜ので、〜 | できる日本語 初中級 第1課 | 前に理由や事情を言い、後ろで結果・頼み・断りを言う形です。初級の「〜から」と同じく理由を表しますが、「〜ので」は事情を説明する、やわらかい感じになりやすく、面接や目上の人への頼み・断りでよく使われます。働ける時間を伝えるときや、休みたい・遅れるといった事情を伝えるときに使います。 |
| 〜ので、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第21課 | 「〜ので」は、前の文が理由や原因で、後ろの文がその結果や、それを受けてすることだ、と言う言い方です。初級Ⅰの第7課の「から」と同じく理由を表しますが、「ので」は自分の事情をそのまま説明する感じになり、言い方がやわらかく聞こえます。そのため、先生や会社の人にお願いする・謝る・休みたいと伝える場面でよく使われ、文を「〜ので……。」と途中で止めて、断る気持ちをやわらかく伝えることもできます。前は第17課の普通の形で、ナ形容詞と名詞は「静かなので」「雨なので」と「な」になります。 |
| 〜のではないでしょうか/〜んじゃないでしょうか | できる日本語 中級 第11課 | 自分の意見や推測を、言い切らずに控えめに相手に示す形です。発表や話し合いで「〜と思います」より柔らかく、聞き手に「そう思いませんか」と考えを差し出す響きがあります。形は否定の疑問ですが意味は肯定で、「必要なのではないでしょうか」は「必要だと思う」ということです。文の終わりは質問のように上げず、下げて言います。「〜のではないでしょうか」は発表や作文向き、「〜んじゃないでしょうか」は話し言葉で、友達どうしなら第3課の「〜んじゃない?」になります。 |
| 〜のに、〜 | できる日本語 初中級 第10課 | 前の文から「当然こうなる」と思ったことと、実際の結果が違うときに使い、不満・残念・驚きの気持ちを込めます。「予約したのに、名前がありません」。「〜が」「〜けど」でもつなげますが、「〜のに」のほうが気持ちが強く出ます。後ろの文には、相手への頼み(〜てください)や誘い(〜ましょう)、自分の意志は来ません。文法の用語では逆接の接続助詞で、同じ逆接の「が・けど」と違って話し手の不満や意外さが乗り、後件が実際に起きたことに限られる点が試験で問われます。 |
| 〜のに、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第21課 | 「〜のに」は、前のことから考えるとふつうはこうなると思っていたのに、本当はそうならなかった、と言う言い方で、話し手の不満・残念な気持ち・驚きがこもります。「たくさん勉強したのに、テストはよくありませんでした」のような残念なことにも、「この店は安いのに、おいしいです」のような思ったよりよかったことにも使えます。後ろは本当に起きたことや今の様子で、第19課の「〜ても」が「あした雨が降っても」のようにまだ分からないことにも使えるのに対して、「のに」はもう分かっている事実にしか使いません。そのため、後ろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たいです」のような頼む・誘う・希望の文は来ません。 |
| 〜のは〜です(強調構文) | できる日本語 初中級 第6課 | いちばん伝えたいことを文の最後の「〜です」の前に置いて、目立たせる言い方です。「わたしは京都に行きたいです」を「わたしが行きたいのは京都です」と言いかえると、答えの中心が「京都」だとはっきりします。行き先の相談で、たくさんある希望の中からいちばん言いたい点を示すときに使います。理由を目立たせるときは「〜のは〜からです」の形になります。 |
| 〜のみならず | できる日本語 中級 第13課 学ぼう!にほんご 中級 第40課 | 「AのみならずB(も)」で、Aだけでなく、それより範囲の広いBにも及ぶことを表します。ニュースや記事で、流行が広がっている様子を伝えるときによく使われます(「若者のみならず、中高年にも」)。意味は初中級の「〜だけじゃなくて〜も」と同じですが、かなり硬い書き言葉で、会話では「〜だけでなく」「〜だけじゃなくて」を使います。後ろには「も」「まで」が来ることが多く、Bのほうが意外な内容や広い範囲になります。 |
| 〜のもと(で)/〜のもとに | できる日本語 中級 第20課 | 「Nのもとで/Nのもとに」は、ある人の指導や保護、ある条件や考え方の下で、何かが行われることを表します(「先生の指導のもとで研究する」「両親のもとで育つ」「〜という考えのもとに会社を作った」)。漢字では「下」と書くことがありますが、この表現では「した」ではなく「もと」と読みます。ST4 の人物紹介では、誰に学んだか、どんな支えや条件の中で活動しているかを読み取るのに使われます。「のもとで」は、人の下で学ぶ・働く・育つのように、その環境の中で動作が続くことを言うのに多く、「のもとに」は「〜という目標のもとに」「〜の名のもとに」のように考えや名目を土台にして何かを行うときや、「〜の協力のもとに」のような改まった書き言葉に多く使われます。どちらも硬めの言い方で、会話では「先生に教わって」「祖父母と暮らして」のように言うことが多いです。 |
| 〜のようだ | 学ぼう!にほんご 初中級 第10課 | あるものを、実際にはそうではないと分かったうえで、よく似た別のものにたとえて言う形です(比喩)。人や物の様子を相手に絵として浮かばせる力があり、紹介や描写でよく使います(太陽のような人・雪のように白い)。「まるで」といっしょに使うと、たとえであることがはっきりします。初級Ⅱの「〜ようです」は様子から考えた推量(どうも風邪のようです=たぶん風邪だ)で、本当にそうである可能性があるのに対し、たとえの「〜のようだ」は本当ではないことが分かっている点が違います。話し言葉では「〜みたいだ」もよく使います。 |
| 〜のような/〜のように(例示) | できる日本語 中級 第6課 | いくつかあるものの中から代表的な例を挙げて示す言い方です。「豚肉や梅干しのような物を食べるといい」のように、例を挙げて相手にイメージを持たせるので、助言のときに便利です。名詞の前では「〜のような+N」、動詞の前では「〜のように+V」になります。「まるで子どものような人」のような「たとえ(比喩)」の使い方とは違い、ここでは実際にその仲間に入るものを例として挙げます。会話では「〜みたいな」も使います。 |
| 〜の代わりに/〜に代わって | できる日本語 中級 第8課 | どちらも本来のものや人の代わりを、別のものや人が務めることを表します。「Nの代わりに」は話し言葉で広く使い、人にも物にも使えます(「ペンの代わりに鉛筆を使う」「店長の代わりにわたしが行く」)。「Nに代わって」は改まった言い方で、あいさつや放送、書き言葉に多く出ます。古いものが新しいものに置き換わるときにも使いますが(第6課)、この課では人の役目をほかの人が引き受ける用法を扱います(「社長に代わって、部長がごあいさつします」)。ST1 では、休ませてもらう代わりに自分が別の日に入る・友達が自分の代わりに入る、という代案を出すときに使います。 |
| 〜の中から… | 学ぼう!にほんご 初中級 第19課 | 「から」は起点を表し、たくさんあるものの中から一つ(いくつか)を取り出す・選び出すことを表します。後ろには「選ぶ・選び出す・決める・探す・取り出す」などの動詞が来ます。「〜の中で」が範囲の中で比べて一番を言うのに対して、「〜の中から」は選ぶ動作のほうに焦点があります。選ぶときの基準(〜をもとに・〜に応じて)と一緒に、選考や決め方の説明によく出てきます。また、「かばんの中から財布を出す」のように、物が出てくるところにも使います。 |
| 〜の中で… | 学ぼう!にほんご 初中級 第19課 | 「Nの中で」で比べる範囲を決め、その範囲の中で「一番〜」を言ったり聞いたりします。初級で習った「〜と〜とどちらが〜ですか」は二つを比べる形でしたが、三つ以上を比べて一番を言うときはこの形を使います。聞くときは「Nの中で、何/どれ/だれ/どこが一番〜ですか」、答えは「〜が一番〜です」で、疑問詞とそれに答える名詞には「が」がつきます。範囲が集団や場所なら「クラスで一番」「日本で一番」のように「で」だけでも言えます。説明や報告の文章では、「応募者の中で最も経験が長い人」のように、基準を決めて順位をつけるときにも使います。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| (〜は)どうでしたか | できる日本語 初級 第5課 | 「どうでしたか」は、相手が経験した出来事の感想を聞く言い方です。第4課の「〜はどうですか」が今のようすを聞くのに対し、「どうでしたか」は終わったことを聞くので、答えは形容詞や名詞の過去になります。「旅行はどうでしたか」「天気はどうでしたか」のように、話題を「〜は」で前に出して聞くと、感想を一つずつ広げられます。目上の人には「いかがでしたか」と言うことがあることも一言添えます。 |
| (〜ば)〜ほど | できる日本語 中級 第3課 | 「AばAほどB」は、Aの程度が進むのにともなって、Bの程度も進むことを表します。同じ語を「ば」の形と辞書形でくり返し、「ば」の部分を省いて「Aほど、B」とも言います(意味は同じで、省いたほうがやや簡潔に聞こえます)。記事では「続ければ続けるほど効果が大きくなる」のように、筆者のすすめを支える理屈によく使われます。「〜につれて」も二つの変化が並んで進むことを表しますが、前後に変化を表す動詞が来ることが多いのに対し、「〜ば〜ほど」は「早ければ早いほどいい」のように後ろに評価の言葉も来ます。 |
| 〜は(取り立て) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第17課 | 主語ではない名詞(目的語・時・場所)を文の前に出して「は」を付け、話題にしたり、ほかのものと対比したりする使い方です。「を」「が」は「は」に置き換わり、「に」「で」「へ」は「には」「では」「へは」のように重ねます。この課では「薬は〜」「明日は〜」のように、文型1〜3と組み合わせて出てきます。「取り立て」は、文の中のある部分を特に取り上げて示す、という意味の文法用語です。格助詞の「を」「が」は「は」と重ねずに置き換え、それ以外の格助詞は「には」「では」のように重ねる、という区別が要点で、取り立て助詞と格助詞の違いを説明するときの基本の例になります。 |
| 〜ば、…(1) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第28課 | 「〜ば、…」は、前のことが成り立てば後ろのことが成り立つ、という条件と結果の関係を言う形です(この教案では(1)を条件と結果の使い方として扱います)。「この薬を飲めば、熱が下がります」のように、後ろの結果を得るために何が要るか、という条件のほうに重みがあり、「どうすれば〜ますか」で方法を聞くのにもよく使います。「氷は、温めれば水になります」のように、いつもそうなることにも使えます。第19課の「〜たら」と同じように使える場面も多いですが、「〜ば」には「駅に着いたら、電話します」のような「〜したあとで」の使い方がありません。また、前と後ろが同じ人で前の文が動作のとき、後ろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たいです」などの頼み・誘い・希望を置くと不自然になることが多く、そのときは「〜たら」を使います。前の文が状態(ある・いる・形容詞・ない形・可能形など)なら、後ろに頼む文を置いても自然です(時間があれば、手伝ってください)。文法の用語では条件表現の一つで、まだ起こっていないことを仮に置く「仮定条件」にも、いつもそうなる「一般条件(恒常条件)」にも使えます。 |
| 〜ば、…(2) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第28課 | 同じ言葉を「〜ば〜ほど」の形でくり返し、前のことの程度が増えると、後ろのこともそれに合わせて変わることを言います(この教案では(2)を「〜ば〜ほど」として扱います)。「練習すればするほど、上手になります」「早ければ早いほど、いい席が取れます」のように、前は ば形、後ろは辞書形(イ形容詞は「〜い」、ナ形容詞は「〜な」)に「ほど」を付けます。後ろの文は「〜くなります」「〜ようになります」のような変化の言い方や、「よく〜」「たくさん〜」のような程度の言い方になることが多く、一回だけのできごとには使いません。「〜ば」を使わずに「練習するほど、上手になります」と言うこともできますが、この課では「〜ば〜ほど」の形をそろえて練習します。 |
| 〜ば/〜なら(ば)/〜たら、〜(のに/けど/が/…) | できる日本語 中級 第8課 | 実際とは反対のことを仮定して、残念な気持ちや後悔、不満を表す言い方です(反実仮想)。「もっと早く言ってくれれば、手伝ったのに」は、実際には言ってくれなかったので手伝えなかった、という意味になります。文末の「のに」は後悔や相手への不満、「けど」「が」はやわらかい残念な気持ちを表し、「〜ばよかった」もよく使われます。ふつうの条件文(「雨が降れば、中止します」)とは違い、前の部分は実際には起こらなかったことだと、文末の「〜た+のに/けど」で聞き手にわかります。ST5 では、意見の根拠として自分の後悔の経験を話すときに使います。 |
| 〜は[春・○月・一年中……]、Aです | できる日本語 初級 第4課 | 場所を話題にしてから、季節や月を置き、そのころの天気を形容詞で言う文です。「ダナンは夏、暑いです」「東京は1月、寒いです」のように、季節や月の言葉は助詞をつけずにそのまま入れます(「ダナンは夏は暑いです」「ダナンの夏は暑いです」も自然な言い方です)。「一年中」を使うと、季節によって変わらないことを言えます。「〜は」で場所を話題にしてから時期を言い添える文で、時期を表す語は助詞なしで後ろの形容詞にかかっています。 |
| 〜は[名詞修飾]です | できる日本語 初級 第13課 | 動詞などの文を名詞の前に置いて、その名詞がどんなものかを説明する形です。「ここはわたしがよく行く店です」のように、ただ「店」と言うよりも、自分とのつながりや特徴がはっきりするので、おすすめを言うときに使えます。名詞の前に置く動詞は普通形(辞書形・タ形・ナイ形など)で、「ます」の形は入りません。名詞の前の文の中の「は」は「が」になります。文法の用語では連体修飾(名詞を修飾する節)と呼びます。 |
| 〜は〈V辞書形〉のに/Nに〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第42課 | 物や道具が何をするときに役に立つかを言う文型です。「このはさみは花を切るのに使います」「このかばんは旅行に便利です」のように、主題(〜は)に物を置き、「〜のに」「Nに」のあとに「使います」「便利です」「いいです」「役に立ちます」「必要です」などが続きます。動詞のときは辞書形に「の」を付けて名詞のようにしてから「に」を付け、名詞のときは「Nに」だけです。ここの「のに」は「の(こと)+に(目的)」で、第45課で出る「〜のに(それなのに)」とは別のものです。 |
| 〜は〈いA(〜い)〉Nです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第8課 | い形容詞で名詞を修飾する形です。い形容詞は「大きいかばん」「新しい本」のように、語の形を変えずにそのまま名詞の前に置きます。な形容詞(文型3)には「な」が要るのに対して、い形容詞は何も足さない、という対比がこの課の最後の整理です。「いい」も「いい人」「いい本」とそのまま付きます。色の語(白い・黒い・赤い・青い)は い形容詞なので、「〜さんの傘はどれですか」「あの青い傘です」のように、物を指して選ぶ練習に向いています。文型3と同じ連体修飾ですが、い形容詞は辞書に載っている形のまま名詞に続くので、新しく覚える形がありません。 |
| 〜は〈なA〉なNです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第8課 | な形容詞で名詞を修飾するときの形です。名詞の前に置くときは「静かな町」「親切な人」のように、な形容詞と名詞の間に「な」を入れます。この「な」が「な形容詞」という名前のもとで、述語のとき(文型1)には出てこなかったものです。できた名詞句は「〜は静かな町です」のように文の述語にも、「きれいな花をあげます」のように目的語にもなります。「どんな N ですか」という質問とセットで練習します。文法用語では連体修飾(名詞を修飾する形)の一つで、な形容詞は名詞の前に来たときだけ「な」が現れる、というのが い形容詞との境目です。 |
| 〜は〈言語〉で〜です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第7課 | ある言葉を別の言語で何と言うかを、聞いたり答えたりする形です。「『ありがとう』は英語で何ですか」「『Thank you』です」のように、話題にする言葉を「は」で取り上げ、「〈言語〉で」で言語を示します。文型1の「〈言語〉で」が名詞文の中に入った形で、動詞はありません。教室で分からない言葉を聞くための道具になるので、ここで覚えると以後の授業で学習者自身が使えます。 |
| 〜は…が―ます/です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第7課 | まず「は」で話題(町・店・人など)を出し、そのどの部分について言うのかを「が」で示して、最後に形容詞や動詞でその特徴を言う形です。「この町は冬が長いです」は、冬の長さについて「この町」の特徴を言っています。人なら「田中さんは背が高いです」、店なら「この店はラーメンがおいしいです」のように使い、話題全体の特徴を部分で説明するのがこの形のはたらきです。「ます」の文では、「わかります」のように「を」ではなく「が」をとる動詞が入り、「わたしは日本語が少しわかります」となります。 |
| 〜は…ことです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第15課 | 動詞の辞書形に「こと」をつけると、「〜すること」というひとまとまりの名詞として使えます。この課では「趣味は〜ことです」「夢は〜ことです」の形で、自分が好きでいつもすることや、これからしたいことを説明します。趣味が名詞一つで言えるときは「趣味は音楽です」でもよく、「何をするのか」まで言いたいときに「趣味は音楽を聞くことです」と「〜こと」を使います。聞くときは「趣味は何ですか」です。 |
| 〜は…て、―です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第11課 | 人や物、町などの様子を、形容詞を二つつなげて一文で言う形です。前の形容詞を「て」の形にします。イ形容詞は最後の「い」を「くて」に、ナ形容詞は「で」にしてつなぎ、「いい」だけは「よくて」になります。つなぐ二つは、どちらもよいこと、どちらもよくないことのように同じ向きの評価にするのが自然で、よいこととよくないことを言うときは第6課の「〜ですが、…です」を使います。名詞も「で」でつなげます(「田中さんは先生で、…」)。 |
| 〜は…です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第1課 | 「〜は…です」は、「〜」について「…だ」と言う名詞の文です。「は」は何について話すか(話題)を示す助詞で、読むときは「わ」です。「です」は名詞のあとについて文を丁寧に終える言葉です。この課では「〜」に人(わたし・〜さん)、「…」に名前・国(〜人)・仕事が入り、文末に「か」をつけると、語順を変えずに質問の文になります。話題が分かっていれば「わたしは」は言わなくてよいので、自己紹介では最初の一文だけに「わたしは」をつければ十分です。否定の形(〜じゃありません)は目次の学習項目には挙がっていないので、教科書の練習で扱っているかを見てから足すかどうかを決めます。文法用語で言うと、「〜は…です」は名詞が述語になる名詞述語文で、「は」は主題(題目)を示す助詞です。試験や教師用の文法書では、この「は」と、新しい情報を示す「が」の違い(主題と主語)がよく取り上げられますが、第1課では「は」の前が話題、後ろが言いたいこと、とだけ押さえれば足ります。 |
| 〜は…に―をあげました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | 自分(または話題の人)がほかの人に物を渡すことを「あげます」で言います。渡す人を「は」、受け取る人を「に」、物を「を」で表します。物は「わたし」から外へ、または第三者から第三者へ動きます。ほかの人が「わたし」に物を渡すときは「あげます」ではなく、学習項目5の「くれます」を使います。文法用語では、あげます・もらいます・くれますの三つをまとめて授受表現と呼び、だれの側から言うか(視点)で動詞が決まる点が説明の中心になります。 |
| 〜は…に―を〜てあげました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | 物ではなく「すること(行為)」をほかの人のためにするとき、動詞のテ形に「あげます」をつけます。「教えました」と言うだけなら事実ですが、「教えてあげました」と言うと「相手のためにした」という気持ちが加わります。元の動詞の助詞はそのまま使い、「に」は元の動詞が「〜に」をとるとき(貸します・教えます・見せます など)だけ使います。文法用語では、テ形のあとに付く「あげます・もらいます・くれます」を補助動詞と呼び、物ではなく行為の恩恵がだれからだれへ動くかを表します。 |
| 〜は…に―を〜てもらいました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | ほかの人が自分のために何かをしてくれたことを、してもらった側から言う形です。してもらった人を「は」、してくれた人を「に」で表し、テ形に「もらいます」をつけます。自分から頼んでしてもらったときによく使い、「ありがたい」という気持ちが入ります。してくれた人の行為の助詞(「〜を」など)はそのまま残ります。 |
| 〜は…に―をもらいました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第14課 | 物を受け取る人の側から言う動詞です。受け取る人を「は」、渡してくれた人を「に」、物を「を」で表します。「あげます」の「に」は物が行く先でしたが、「もらいます」の「に」は物が来た元(相手)を表すので、向きが逆になります。渡した相手が人ではなく会社や学校のときは「から」を使うのが自然で、人のときも「から」を使えます。 |
| 〜は…より―です | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第6課 | 二つのものを比べて、片方の様子を言う文です。「AはBより〜です」の形で、話題のAについて、Bを比べる相手(基準)にすると〜だ、と言います。「より」は比べる相手のほうにつきます。差が大きいときは「ずっと」をつけて「ずっと寒いです」と言えます。二つのうちどちらかを聞く言い方は第7課で習うので、この課では言い切る形を練習します。文法の用語で言えば「より」は比べる基準を表す格助詞で、話題を表す「は」とは働きが違います。英語のように形容詞の形が変わる(big→bigger)ことはなく、形容詞は「寒いです」のままで、比べる相手を「より」で足すだけだと見せると負担が軽くなります。 |
| 〜は…時から…時までです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第3課 | 店・銀行・授業・休み時間などが、何時に始まって何時に終わるかを言う形です。「から」は始まりの時、「まで」は終わりの時を表します。文の形は第1課の「〜は…です」と同じ名詞文なので、新しく覚えるのは時刻の読みと「から」「まで」の二つです。始まりだけ、終わりだけを言うときは「10時からです」「8時までです」と片方だけでも言えます。文法の用語で言うと「から」「まで」は格助詞で、時の始まり(起点)と終わり(終点)を示します。 |
| 〜はA+Nです | できる日本語 初級 第4課 | 形容詞を名詞の前に置いて、その名詞がどんなものかを言います。イ形容詞はそのまま(大きい町)、ナ形容詞は「な」をつけます(にぎやかな町)。「ハノイはにぎやかです」よりも「ハノイはにぎやかな町です」のほうが、何について話しているかがはっきりするので、ふるさとを紹介する文によく使います。文法の用語では連体修飾の一番簡単な形で、第13課の「[名詞修飾]」で動詞を名詞の前に置く形の土台になります。 |
| 〜はAです | できる日本語 初級 第4課 | 「AはBです」のBに形容詞を入れ、町や物の様子を言います。形容詞には「大きい・小さい・新しい」のように「い」で終わるイ形容詞と、「にぎやか・静か・きれい・有名」のように名詞の前で「な」がつくナ形容詞の2種類があります。肯定の文の形はどちらも「〜です」で同じですが、次の否定の形や名詞の前の形で違いが出るので、ここで2種類に分けて覚えさせます。この課では辞書の見出しの形に合わせて、ナ形容詞は「な」をつけない形(にぎやか・静か)で板書し、名詞の前に出たときだけ「な」がつく、と順に見せます。 |
| 〜はNが上手です・下手です | できる日本語 初級 第8課 | 人が何をうまくできるか・できないかを言う形で、できることは「が」で示します。家族や友達の紹介で「姉は歌が上手です」のように、その人の得意なことを伝えるのに使います。「上手」は人をほめる言葉なので、自分のことには使わず、自分のことは「下手です」「あまり上手じゃありません」と言うのが自然です。ほめられたら「いいえ、まだまだです」と返す習慣も合わせて見せます。 |
| 〜はNです | できる日本語 初級 第1課 | 「AはBです」で、話題(A)について名前・国・仕事などを言う、いちばん基本の名詞文です。「は」は話題を示し、読むときは「わ」です。自己紹介では「わたしは」を省いて「田中です」とだけ言うことが多いので、その形も最初から聞かせます。文法の用語で言うと名詞を述語にした「名詞文(名詞述語文)」で、「は」は文の主題を示す助詞です。 |
| 〜はいくらですか | できる日本語 初級 第2課 | 「いくら」は値段を聞く疑問詞で、「〜はいくらですか」と聞き、「〜円です」と答えます。値段を言うには数字を100・1,000・1万の位まで読めることが要り、300(さんびゃく)・600(ろっぴゃく)・800(はっぴゃく)・3,000(さんぜん)・8,000(はっせん)のように音の変わるところがあります。買い物では値段を聞き取れることが大切なので、言う練習より先に、聞いて数字を書く練習をたくさん入れます。 |
| 〜は〜が、〜は(対比) | できる日本語 初級 第11課 | 二つのことを「は」で並べ、違いをはっきりさせる言い方です。「平日は忙しいですが、週末は暇です」のように、前と後ろで反対のこと・違うことを言います。今の生活を話すとき、曜日や時間、食べ物などを比べて言うのに使います。「が」は第4課の「〜が、〜」、「は」は第10課の取り立ての「は」(ほかと比べて、それを特に取り上げる)と同じはたらきです。 |
| 〜は〜がAです | できる日本語 初級 第8課 | 人やものについて、その一部分や一つの面がどうかを言う形です。「は」で話題の人を出し、「が」でその部分(背・髪・目・声など)を示して、形容詞で説明します。「兄は背が高いです」は「兄の背」の話ではなく、「兄はどんな人か」を説明する文です。ST2 では、写真の人の見た目や特徴を言うのに使います。文法の用語では、「は」で主題を、「が」でその中の部分を示す文(「象は鼻が長い」と同じ型)で、「は」と「が」の違いを考えるときによく例にされる形です。 |
| 〜ばかりか | 学ぼう!にほんご 中級 第38課 | 「Aばかりか、Bも」で、Aだけでも十分なのに、さらに程度の重いBまであることを表します。「〜だけでなく」と近いですが、後ろのBのほうが意外なこと・程度の重いことで、「も」「まで」「さえ」と一緒に使って驚きや感心を込めることが多い形です。よいこと同士・よくないこと同士のように、AとBは同じ向きのことを並べます。少し改まった、書き言葉寄りの形なので、面接や作文で自分の経験や成果を足していくときに合います。後ろには、命令・依頼・誘い・意志の文はふつう来ません。 |
| 〜ばかりだ/〜一方だ | できる日本語 中級 第12課 | 変化が一つの方向にだけ進み続けていることを言う形です。「不安になるばかりだ」「仕事がたまる一方だ」のように、相談の場面で、状況がどんどん悪くなっていくことを伝えるのに使います。「〜ばかりだ」はほとんど悪い方向の変化に使い、話し手の困った気持ちが強く出ます。「〜一方だ」も悪い変化に多く使いますが、「利用者は増える一方だ」のように良し悪しを言わない変化にも使え、ニュースや説明文にもよく出ます。第11課の「〜つつある」は変化が進んでいる途中を落ち着いて述べる書き言葉で、止まらずに進み続けるという話し手の受け止め方は「〜一方だ」のほうが強く出ます。 |
| 〜ばかりでなく/〜ばかりか | できる日本語 中級 第14課 | 「Aだけでなく、Bも」と範囲を広げる形です。「〜ばかりでなく」は「〜だけでなく」を少し硬くした言い方で、書き言葉やスピーチに向きます。「〜ばかりか」はさらに強く、後ろに「Bまで・Bさえ」のような意外で程度の大きいことが来て、書き手の驚きや非難がこもります。そのため「〜ばかりか」の後ろには「〜しよう」「〜してください」のような意志や依頼は来にくく、事実を述べる文になります。投書では、驚いた事実を重ねて書くときによく使われます。 |
| 〜ばかりに | 中級から学ぶ日本語 第18課 できる日本語 中級 第15課 | 「ただそれだけのことが原因で、思わなかった悪い結果になってしまった」と言う形。前の文は小さな原因(一言多かった・確かめなかった・外国人である)で、後ろの文は話し手にとって残念な結果になり、「〜てしまった」と後悔の気持ちがいっしょに出ることが多い。後ろには命令・誘い・これからの意志は来ず、起きてしまったことや今の困った状態が来る。もう一つ、「Vたい+ばかりに」で「どうしても〜したいという気持ちだけで、無理なことまでした」と言う用法もあり、こちらは結果が悪いとは限らない。文法の見方では原因・理由を言う従属節の一つで、「〜せいで」に近いが、「たったそれだけで」という原因の小ささに重みがある。 |
| 〜ばかりに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第17課 | 「それだけのことが原因で、思ってもいなかった悪い結果になってしまった」という残念な気持ち・後悔を表します。前の部分は、ちょっとしたことや一つのことが多く、「それさえなければ、こんなことにならなかったのに」という気持ちが入ります。話し手自身の行動(一言言った・確認しなかった)について使うことが多く、後ろは「〜てしまった」「〜なくなった」のような悪い結果で、意志や依頼の文は来ません。「〜せいで」は原因を指さして責任を向ける言い方、「〜ばかりに」はその一点を悔やむ言い方、と分けると分かりやすくなります。「Vたいばかりに」は「どうしても〜したくて、そのために無理なことをしてしまった」という使い方です。 |
| 〜はこちら/そちら/あちらです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第2課 | 学習項目1の文の前と後ろを入れ替えると、「食堂はあそこです」のように、探している場所がどこにあるかを言う文になります。この形で使う「こちら/そちら/あちら」は「ここ/そこ/あそこ」の丁寧な言い方で、「この方向」という向きの意味も持ちます。受付や店の人が客に案内するときや、目上の人や知らない人に場所を聞くときに使います。聞くときは「〜はどちらですか」で、「どこですか」より丁寧です。 |
| 〜はずがありません | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第33課 | 理由から考えて、そんなことはありえないと強く打ち消す言い方です。人のうわさや思い込み、聞いた話に対して「そんなことはない」と返すときによく使い、確かさの線のいちばん左(ありえない)に置かれます。学習項目3の「〜ないはずです」は「理由から考えて、そうではないと思う」という落ち着いた判断で、「〜はずがありません」はそうである可能性そのものを強く否定する点が違います。「〜はずはありません」とも言い、友達との会話では「〜はずがない」になります。「来ないはずがありません」のように打ち消しの形につけると、「きっと来る」という強い肯定になります。 |
| 〜はずがない | 中級から学ぶ日本語 第9課 できる日本語 中級 第3課 | 根拠や常識から考えて、「そんなことは絶対にありえない」と強く打ち消すときに使う。「〜ないはずだ」が「たぶん〜ないだろう」という落ち着いた判断なのに対して、「〜はずがない」は可能性そのものを認めない強い否定で、驚きや「信じられない」という気持ちがこもりやすい。相手の言ったことやうわさを打ち消す場面(「まさか、そんなはずがない」)でよく使い、話し言葉では「〜はずない」と「が」が落ちることも多い。文法の用語では、否定の判断を表すモダリティの表現の一つ。 |
| 〜はずだ | 中級から学ぶ日本語 第9課 できる日本語 中級 第2課 | 話し手が、知っている事実や理由をもとに「当然そうだ」と確信をもって判断するときに使う。根拠があることが大切で、ただの想像や願いには使いにくい(根拠がはっきりしないときは「〜と思う」「〜かもしれない」)。もう一つ、分からなかったことの理由が分かって「なるほど、それなら当然だ」と納得するときにも使う(窓が開いている。寒いはずだ)。過去の「〜はずだった」は、予定や見込みではそうなるはずだったのに、実際は違ったことを言う。文法の用語では、話し手の判断を表すモダリティの表現の一つで、確信の強い推量として扱われる。 |
| 〜はずです | 学ぼう!にほんご 初中級 第15課 | 初級で習った形の復習です。根拠(聞いた予報・決まっている予定・知っている事実)から考えて、当然そうなると話し手が判断していることを表します。この課では、予報やニュースで聞いた情報を根拠にして「だから〜はずだ」と予測を言い、予定を立てる場面に絞って使います。予報の文では「〜でしょう」「〜見込みです」が普通で、それを聞いた人が「予報では〜から、〜はずです」と自分の判断として言う、という役割の違いを押さえると、この課の四つの項目が一つの流れでつながります。予測が外れたときの「〜はずだったのに」にも少し触れます。 |
| 〜はずです/〜ないはずです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第33課 | 予定・決まり・知っている事実など、はっきりした理由から考えて「きっとそうだ」と判断する言い方です。気持ちや感じではなく理由から筋道を立てて出した結論なので、「〜から、〜はずです」と理由を添えて言うことが多いです。打ち消しは「〜ないはずです」で、理由から考えてそうではないと判断していることを表します。自分がこれからすることには使わず、自分の予定や考えは「〜つもりです」(第23課)で言います。これまでの形も合わせた5つをまとめると、聞いた話・情報から「らしい」、自分で見た・感じたことから「ようだ」、聞いた話をそのまま伝える「そうだ(伝聞)」、理由から確かだと思う「はずだ」、確かではない「かもしれない」です。 |
| 〜はちょっと… | できる日本語 初級 第6課 | 誘いや提案を断るとき、「いいえ」「行きません」とはっきり言わずに、都合の悪いもの(日・時間・場所など)を「〜は」で出して「ちょっと…」と言いよどむ言い方です。言葉の後ろを言わないことで、相手に悪いと思っている気持ちが伝わります。前に「すみません」、後ろに理由(「アルバイトがあります」など)を添えると、ていねいな断り方になります。 |
| 〜は〜という意味です | みんなの日本語 初級Ⅱ 第33課 | 「『土足禁止』は『靴で入るな』という意味です」「『無料』はお金がいらないという意味です」のように、言葉や標識、マークの意味を説明する文型です。「という」の前には、言いかえた言葉や、普通形の文が入ります。説明したい言葉を「は」で示し、意味を「〜という意味です」で言います。意味を聞くときは「〜はどういう意味ですか」と聞きます。命令形・禁止形は標識の意味を説明するときによく「という」の前に入るので、文型1とつなげて練習できます。 |
| 〜はどうですか | できる日本語 初級 第4課 | 相手に物や場所の印象・様子を聞く質問です。「日本の料理はどうですか」「東京の冬はどうですか」のように聞き、相手は形容詞で答えます。「どんなN」が名詞の性質を聞くのに対し、「どうですか」は相手の感じ方や評価を聞く言い方です。日本での生活の感想を聞かれたときに答えられるようにもしておきます。 |
| 〜はどうですか(提案) | できる日本語 初級 第6課 | 相手に一つの案(場所・時間・日など)を出して、それでいいかを聞く言い方です。第4課の「〜はどうですか」は相手の考えや様子を聞くものでしたが、ここでは「駅の前はどうですか」「5時はどうですか」のように、自分の案を相手にすすめます。答えは「いいですね」で受けるか、「〜はちょっと…。〜はどうですか」と別の案を出して返します。 |
| 〜はともかく | 学ぼう!にほんご 中級 第38課 | 前に挙げたことを今は問題にしないで脇に置き、後ろの、もっと大事なことや言いたいことに話を進める形です。「Aはともかく、B」で、「Aについては今は言わない(Aはまだ分からない・十分ではないかもしれない)が、Bは〜だ」という意味になります。前のAは、足りない点・まだ決まっていないこと・あまり重要でないことが多く、後ろのBに話し手の主張や評価が来ます。面接では、弱点や経験の少なさを先に認めてから、やる気や得意なことに話を移す言い方として使えます。「〜はともかくとして」とも言い、「〜かどうかはともかく」「何を言われるかはともかく」のように、疑問の形にも付きます。 |
| 〜はともかく(として) | 中級から学ぶ日本語 第19課 できる日本語 中級 第16課 | 「Aはともかく(として)、B」の形で、Aのことはいまは問題にしないで脇に置き、話し手が本当に言いたいBのほうを取り上げる言い方。Aが大事ではないと言っているのではなく、「Aについての判断はいまはしない」という態度を示す。Bには評価や判断が来ることが多く、「見た目はともかく、味はいい」のように、Aには少し不満があってBをよく言う形がよく使われる。「〜かどうかはともかく」「いつ行くかはともかく」のように、まだ決まっていないことを脇に置くのにも使う。「〜ならともかく」(初めてならともかく、三回目なら覚えてほしい)は「Aなら分かるが、Bは困る」という別の使い方なので、この課では発展として触れる程度にする。文法の見方では、話題を示す「は」に「ともかく」が付いた、取り立ての表現の一つ。 |
| 〜は〜に〈Vて形〉あります | みんなの日本語 初級Ⅱ 第30課 | 文型1と同じ「〜てあります」を、話題にしたい物を「は」で前に出して言う形です。「カレンダーはどこですか」と聞かれて「カレンダーは壁に掛けてあります」と答えるように、どこにどうしてあるかを説明するときに使います。第10課の「Nは〈場所〉にあります」と同じ関係で、「が」の文(何がありますか)と「は」の文(〜はどこですか)を、質問によって使い分けます。 |
| 〜は〜にあります | できる日本語 初級 第7課 | 話題にしている物や場所(〜は)がどこにあるかを言う形です。「トイレはどこですか」と聞かれて答えるときや、目印の位置を伝えるときに使います。位置は「Nの上・下・中・前・後ろ・隣・近く」のように「の」でつないで言います。動かない物・建物・植物には「あります」を使います。文法の用語では、主語を「は」で示して場所を述語にする「所在文」にあたり、「〜に〜があります」(存在文)と対にして扱われます。 |
| 〜は〜にいます | できる日本語 初級 第7課 | 人や動物(〜は)がどこにいるかを言う形です。「あります」との違いは、主語が人・動物かどうかです。道に迷ったときに「今、駅の前にいます」と自分の場所を伝えたり、「先生はどこにいますか」と人を探したりするときに使います。場所を示す「に」は「あります」と同じなので、ここでは動詞を選ぶことに練習を集中させます。 |
| 〜ば〜ほど | 中級から学ぶ日本語 第9課 | 一方の程度が変わると、それにつれてもう一方の程度も変わることを言う(考えれば考えるほど分からなくなる/技術が進めば進むほど、情報を守るのが難しくなる)。前と後ろはどちらも、程度が上がったり下がったりするものでなければならず、一回だけの出来事には使わない。前の「〜ば」を省いた「〜ほど」(新しいほど高い)も同じ意味で、短く言いたいときや書き言葉に多い。「早ければ早いほどいい」「多ければ多いほど助かる」のように後ろに「いい」「助かる」が来ると、相手に希望や条件を伝える言い方になる。文法の用語では、条件表現の「ば」を使って比例の関係を表す表現。 |
| 〜はもちろん/〜はもとより | できる日本語 中級 第10課 | 「N1はもちろん、N2も」は、N1は言うまでもなく当然で、それに加えてN2もそうだ、と範囲を広げて言う形です。N1にはだれでも思いつく当たり前のもの、N2には意外なもの・範囲の広いものを置きます。「〜はもとより」は意味はほぼ同じですが、より硬い書き言葉で、パンフレットや案内文・あいさつ文に向きます。「〜だけでなく〜も」が二つを対等に並べるのに対し、この形には「N1は当然」という気持ちが入るのが違いです。 |
| 〜は〜よりAです | できる日本語 初級 第6課 | 二つのものを比べて、話題にしているほう(「〜は」)が、もう一方(「〜より」)と比べて〜だと言う形です。「より」は比べる基準のほうにつきます。相談の中で、選んだ理由を説明するときに使います(「『さくら』は『ひまわり』より安いです」)。「どちらが〜ですか」への答えとしては「〜のほうが〜です」と同じことを、基準を見せて言い直す形になり、「より」は比べる基準を示す助詞として扱います。 |
| 〜は問わず… | 学ぼう!にほんご 初中級 第19課 | 前の名詞(年齢・性別・国籍・経験など)を条件にしない・区別しない、どれでもかまわない、という意味です。「問う」はここでは「問題にする・条件にする」という意味で、「問わず」は「問わないで」に当たる書き言葉の形です。募集のお知らせ・案内・規則など書かれた説明によく出て、会話なら「〜は関係ありません」「〜でも大丈夫です」に当たります。「〜を問わず」とも言い、「は」にするとほかに条件はあるが、これは条件にしないという対比が出やすくなります(年齢は問わず、日本語で会話ができる方)。前に来るのは、いろいろな場合がある名詞(年齢・季節)や、反対の組の語(男女・昼夜・経験の有無)です。 |
| 〜ふうに | できる日本語 中級 第3課 | やり方や様子を「このように・そのように」と示す言い方で、「こんなふうに」「どんなふうに」の形でよく使います。生活の工夫を聞く場面では、相手が「どんなふうに」したのか、具体的なやり方を聞き出すのに便利です。文の内容を受けるときは「〜というふうに」の形になります。「このように」「〜ように」は書き言葉や改まった話でも使えるのに対し、「〜ふうに」は話し言葉で多く使われます。「鳥のように飛ぶ」のように、名詞に直接つけて「〜のように」の代わりにすることはできません(「*鳥ふうに」)。ただし「何も知らないふうに話す」のように、様子やふりを表す使い方はあります。 |
| 〜へ…(移動表現) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第4課 | 移動を表す動詞「行きます・来ます・帰ります」と、行き先を示す助詞「へ」を学びます。「へ」は書くときは「へ」、読むときは「え」です。「行きます」は今いる所から離れていく動き、「来ます」は話し手のいる所へ近づく動き、「帰ります」はうちや国など自分のもといる所へ戻る動きです。第3課の時の言い方と「〜ました」を合わせて、「-月-日に〜へ行きます」「きのう〜へ行きました」のように予定も前のことも言えます。行き先を聞くときは「どこへ行きますか」です。「行きます」と「来ます」の選び分けは話し手がどこにいるかで決まるので、母語の go/come と同じとは限りません。文法用語で言えば、「へ」は移動の向き・行き先を示す格助詞で、「行く・来る」の使い分けは話し手の位置を基準にする直示(ダイクシス)の問題です。 |
| 〜べきだ/べきではない | 中級から学ぶ日本語 第13課 学ぼう!にほんご 中級 第36課 | 話し手が『そうするのが当然だ・正しい』と考えることを言う。規則や事情で決まっていることを言う「〜なければならない」と違い、話し手の意見・判断として言うのが芯で、「〜べきだと思う」の形でよく使う。「〜べきではない」は『そうするのは正しくない』という強い忠告、「〜べきだった」は、しなかったことへの後悔や相手への批判になる。文法の見方では、話し手の判断を表すモダリティ(文の終わりで話し手の気持ちや判断を表す部分)の一つで、義務・当然を表す形として「〜なければならない」「〜ものだ」と並べて問われやすい。 |
| 〜べきだ/〜べきではない/〜べき | できる日本語 中級 第19課 | 話し手が「そうするのが当然だ・正しい」と判断していることを強く言う形です。「〜なければならない」が規則や必要から来る義務を言うのに対し、「〜べきだ」は話し手の考え(何が正しいか)を言い、「〜たほうがいい」より強く聞こえます。そのため、目上の人に向かって「先生は〜べきです」と言うと押しつけがましく、意見を言う場では「〜べきだと思います」「〜べきではないでしょうか」とやわらげるのがふつうです。「〜べきだった」は、しなかったことへの後悔を表します。話し言葉でも書き言葉でも使い、やや硬めです。 |
| 〜へ〜に行きます | できる日本語 初級 第5課 | 行き先を「〜へ」、何をしに行くか(目的)を「〜に」で表して、「北海道へスキーに行きます」「デパートへ買い物に行きます」のように言います。目的の部分には、「Vます」の「ます」を取った形(見に・食べに)か、「スキー・買い物・旅行・食事」のような動作を表す名詞が入ります。ST3 では「Vたいです」と合わせて「〜へ〜に行きたいです」と、次の休みの希望を具体的に言わせます。「来ます」「帰ります」にも同じ形が使えます。 |
| 〜ほうがいい | 学ぼう!にほんご 初中級 第14課 | 初級で習った形の復習です。この課では、相談された問題に対してどのくらいの強さでアドバイスするかを選ぶ中で使います。「Vたほうがいい」「Vないほうがいい」は、話し手が二つを比べて、こちらがいいとはっきりすすめる言い方で、言い切ると強く、目上の人には押しつけに聞こえることがあります。「〜たらどうですか」は相手に考えてもらう提案で少しやわらかく、「〜てみたら?」はさらに軽い言い方です。逆に、より強いほうには学習項目2の「〜しかない」があり、文の終わりに「〜と思います」「〜かもしれません」を付けると、どの形も一段やわらかくなります(この課の題のように「〜させたほうがいいと思います」と使役と組み合わせることもできます)。 |
| 〜ほか(は)ない | 学ぼう!にほんご 中級 第37課 | ほかに方法も選ぶ道もないので、そうするしかない、という結論を表す形です。本当はそうしたくない・残念だという気持ちがあっても、事情を考えると残る道はそれだけだ、というあきらめや覚悟が入ることが多い形です。初中級で学んだ「〜しかない」と意味は同じですが、「〜ほか(は)ない」のほうが硬く、意見文・説明文・改まったあいさつで使います。「〜よりほか(は)ない」「〜ほかしかたがない」の形もあります。意見文では、いくつかの方法を比べてだめな理由を一つずつ言ってから、最後に「だから〜ほかない」で結論を一つに絞る、という使い方ができます。 |
| 〜ほかならない | 学ぼう!にほんご 中級 第37課 | 「AはBにほかならない」で、「Aはまさに・ほかでもないBだ」と、ほかの可能性を消して一つに言い切る形です。「ほかならない」は「ほかのものではない」ということで、「〜だ」よりもずっと強い断定になります。ものごとの本当の姿・原因・責任を「これだ」と示すときに使い、とくに「〜のは、〜からにほかならない」の形で、理由を一つに絞って強調することがよくあります。硬い言い方なので、意見文・論文・スピーチ・あいさつで使い、友達との会話ではふつう「〜こそ〜だ」「まさに〜だ」などを使います。「〜にすぎない」が小さく評価するのに対し、こちらは大事なものとして示すので、二つを並べると「AはBにすぎない、と言う人もいるが、実はCにほかならない」という主張の形が作れます。 |
| 〜ほしいです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第9課 | 自分が手に入れたい物を「Nがほしいです」で言います。ほしい物には「が」をつけます。「ほしい」は い形容詞なので、第6課の形容表現と同じように「です」をつけて言い、否定は「ほしくないです」になります。この課では、話し手(わたし)の気持ちを言う文と、相手に「何がほしいですか」と聞く文だけを練習します。文法用語では、「ほしい」は話し手の気持ちを表す感情形容詞で、言い切りの文では主語が「わたし」に限られる(人称制限)と説明されます。 |
| 〜ほど(比喩) | 中級から学ぶ日本語 第4課 | 「目が回るほど忙しい」のように、状態の程度がどのくらいかを、具体的なできごとや大げさなたとえで言う。本当に目が回るわけではなく、「それくらいひどく・強く」という気持ちを伝える言い方で、課のテーマ「たとえる」の中心になる文型。「死ぬほど」「涙が出るほど」「信じられないほど」のように、決まった組み合わせで使われるものも多い。文末に置いて「忙しくて、目が回るほどだ」とも言う。文法の見方では、程度を表す助詞「ほど」の用法で、似た「くらい」と言い換えられることが多い。 |
| 〜ほど/〜くらい/〜ぐらい | できる日本語 中級 第9課 | 気持ちや状態の程度がどのくらいかを、具体的な様子やたとえで表す言い方です。「飛び上がるほどうれしかった」「涙が出るくらい笑った」のように、前に「それほどの様子」を置いて、後ろの気持ちや状態の強さを伝えます。「ほど」はやや改まった言い方で、「死ぬほど」「信じられないほど」のような程度の高いことに使いやすく、「くらい/ぐらい」は会話的で、程度の高いことにも「少し恥ずかしいくらい」のような軽い程度にも使えます。経験の発表では、「とてもうれしかった」を「〜ほどうれしかった」と言い換えると、聞き手に気持ちが伝わりやすくなります。 |
| 〜ほど… | 学ぼう!にほんご 初中級 第8課 | 「くらい」と同じく、程度をたとえで示します(夜も眠れないほど心配した)。「くらい」より程度が強く、大げさに聞こえ、少し硬いので、書き言葉やあらたまった話でよく使われます。「ほど」は程度が高いときにしか使わず、「これくらいなら平気」のように軽く見る使い方はできません。もう一つ大事なのが「N1はN2ほど〜ない」の比較で、「今年の夏は去年ほど暑くない」は「去年のほうが暑かった」という意味です。この比較にはふつう「ほど」を使い、後ろは否定の形になります。「Nほど〜Nはない」(この店ほど安い店はない)は、それがいちばんだという言い方です。 |
| 〜ほど〜はない | できる日本語 中級 第19課 | 「Nほど〜ものはない」で、Nがいちばん〜だと話し手が強く感じていることを表します。「Nがいちばん〜だ」と意味は近いですが、比べた結果を言うというより、気持ちをこめて言い切る形です。人のときは「〜ほど〜人はいない」と言います。「AはBほど〜ない」(AはBに及ばない、という比べた結果の打ち消し)と形が似ていて取り違えやすいので、ここで並べて区別します。会話でも文章でも使い、意見を言う場で自分の考えを強く出したいときに便利です。 |
| 〜ほど〜はない/いない | 中級から学ぶ日本語 第4課 | 「AほどBはない」で、Bの中でAがいちばんだと、話す人の強い気持ちをこめて言う。「Aがいちばん〜だ」と意味は近いが、ほかのものと一つずつ比べた結果を言うというより、「Aに並ぶものは思いつかない」という感動や実感を言う。物には「ない」、人や動物には「いない」。文法の見方では、否定の形を使って最上級を言う比較の表現で、初級の「AはBほど〜ない」(AはBに届かない)とは文の組み立ても意味も違う。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 〜まい | できる日本語 中級 第20課 学ぼう!にほんご 初中級 第13課 学ぼう!にほんご 中級 第22課 | 「〜まい」には二つの使い方があります。一つは「決して〜しない」という話し手の強い否定の意志で、「二度と同じ失敗はするまい」「〜まいと決める/〜まいと思う」の形でよく使い、ST3 のインタビューでは経営者が「これだけはしない」と決めたことを語るのに出てきます。もう一つは「〜ないだろう」という否定の推量で(「この雨では、客は来るまい」)、こちらは今では主に書き言葉です。どちらも硬く古めかしい響きがあり、ふだんの会話では、意志なら「〜ないつもりだ」「絶対に〜ない」、推量なら「〜ないだろう」と言います。「〜ないつもりだ」が予定や考えを言うのに対し、「〜まい」は自分に言い聞かせるような強い決意がこもります。話し手以外の人の意志を言うときは「〜まいとしている」「〜まいと決めていたそうだ」のようにします。 |
| 〜まえに、… | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第18課 | ある動作をするより先に、別の動作をすることを言います。「まえに」の前の動詞は、いつの話でも辞書形です。「日本へ来るまえに、国で日本語を勉強しました」のように、文の終わりが過去でも「来る」のままで、「来た」にはなりません。名詞のときは「食事のまえに」と「の」をつけ、「3年」「1時間」のような期間には「の」をつけずに「3年まえに」と言います。ただし「3年まえに」は「今から数えて3年前」という時を言う形で、「AのまえにB」という動作の順番とは意味が違うので、板書では別の行に分けます。第16課の「〜あとで」はた形につくので、「まえに=辞書形、あとで=た形」と対にして覚えさせます。 |
| 〜ました | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第3課 | 「起きます」を「起きました」にすると、もう終わったこと(過去)を表します。作り方は「ます」を「ました」に替えるだけで、どの動詞でも同じです。きのう・けさ・ゆうべのような過去の時の言葉といっしょに使うことが多く、聞くときは「何時に〜ましたか」です。「ます」は毎日のことやこれからのこと、「ました」は終わったこと、と時間の線の上で分けて考えさせます。文法の用語で言うと、「ます」と「ました」の違いはテンス(非過去と過去)の違いです。 |
| ます形の作り方 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第13課 | 「行きます」から「ます」を取った「行き」の部分を「ます形」と呼びます。この課の文型2・3で初めて、ます形に別のものを付けて使います(〜たいです/〜に行きます)。動詞のグループ分けはまだ扱わず(第14課のて形で初めて要る)、ここでは「ます を取ると ます形」とだけ押さえます。 |
| 〜ませんか | 学ぼう!にほんご 初中級 第8課 | 初級で習った、相手を誘う・勧める形です。この課では形そのものより、誘う前に事情や内容を添える流れを練習します。「〜んですが、よかったら〜ませんか」のように、まず理由や様子を言ってから最後に「〜ませんか」で相手の気持ちを聞くと、誘いがやわらかくなり、相手も断りやすくなります。「〜ませんか」はするかどうかを相手に決めてもらう言い方で、「〜ましょう」はいっしょにすることがほぼ決まっているときに使います。物や体験を勧めるときは「〜てみませんか」、友達には普通体の「〜ない?」になります。 |
| まだ〈Vて形〉いません | みんなの日本語 初級Ⅱ 第31課 | 「レポートはまだ書いていません」のように、ある動作がまだ終わっていない・まだしていないことを言う文型で、「これからする(つもりだ)」という気持ちが入ります。第7課の「もう〜ました」の問いへの否定の答えとして使うことが多く、「もう出しましたか——いいえ、まだ出していません」となります。「〜ませんでした」は過去のある時にしなかったことを言う形なので、「まだ」といっしょには使いません。短く「いいえ、まだです」と答えることもできます。 |
| まだあります/もうありません | できる日本語 初級 第7課 | 物が残っているかどうかを伝える言い方です。「まだあります」は「まだ残っている」、「もうありません」は「全部なくなった」という意味です。パーティーで飲み物や料理が残っているかを聞くときに「ジュースはまだありますか」と言い、なければ「もうありません」と答えます。第6課の「もうVました/まだです」(したかどうか)とは向きが違うので、並べて区別します。 |
| 〜まで | 中級から学ぶ日本語 第7課 | ふつうはそこまでしない、そこまでは含まれないと思われるものを加えて、「それも」「そんなことも」と言う言い方。いくつかある中で、いちばん意外なもの・程度が上のものに付けることが多く、話し手の驚き・あきれた気持ち・感心が出る。初級の「駅まで歩く」「5時まで働く」(終わりの場所・時間)とは別の使い方で、文法では取り立て助詞のはたらきにあたる。「が」「を」の位置では「が」「を」が消え(子どもまで化粧をする・手術までする)、「に」「で」などはそのまま残る(犬にまで服を着せる)。 |
| 〜まま | 中級から学ぶ日本語 第13課 できる日本語 中級 第5課 | ある状態が変わらずに続いている中で、次のことをする・次のことが起きることを言う。「めがねをかけたまま寝てしまった」のように、ふつうなら変えるはずの状態を変えなかったときに使うことが多く、話し手の『そのままでは変だ』『しまった』という気持ちが出やすい。前は動詞のタ形・ナイ形、形容詞、名詞で、どれも『ある時点から変わっていない状態』を表し、「このまま」「そのまま」「昔のまま」は今の状態を変えないことを言う。文法の見方では、前の部分が後ろの動作のときの様子を言う従属節(付帯状況)にあたる。 |
| 〜みたいです(比況) | できる日本語 初中級 第10課 | 本当はそうではないが、何かによく似ていることをたとえて言う形です。「この駅はお城みたいです」は、駅だけれどお城に似ている、という意味です。名詞の前では「みたいなN」、動詞や形容詞の前では「みたいにV」になります。ST1 の「〜みたいです(様態)」と形が同じなので、「本当にそうだと判断している」のか「似ているだけ」なのかを場面で見分けます。改まった言い方は「〜のようです」です。文法の用語では「比況」(たとえ)で、同じ形の「推定」(様態)と並んで、「ようだ・みたいだ」の2つの用法の見分けが試験でよく問われます。 |
| 〜みたいです(様態) | できる日本語 初中級 第10課 | 見たこと・聞いたこと(目の前の様子・音・人の動きなど)を手がかりにして、「たぶん〜だ」と判断して言う形です。店の前に人がいない、電気もついていない、という様子から「今日は休みみたいです」と言います。話し言葉で、友達など同じ立場の人との会話でよく使います。第2課の「Aそうです(様態)」が見た目の印象をそのまま言う(おいしそう)のに対して、「みたいです」は手がかりから考えた判断を言います。文法の用語では、見たこと・聞いたことを根拠にした推定のモダリティで、改まった「ようだ」の話し言葉の形にあたります。 |
| 〜みたいなんですが/〜ようなんですが | できる日本語 中級 第4課 | 見たり聞いたりしたことから「たぶん〜だ」と判断したことを、言い切らずに伝え、相手に確かめてもらったり対応してもらったりする前置きにする言い方です。「上の階から水が漏れているみたいなんですが」と言うと、原因を決めつけずに状況を説明できるので、管理人に相談するときに相手を責める調子になりません。「みたい」は話し言葉、「よう」はそれより改まった言い方で、管理人や職員には「ようなんですが」のほうが丁寧に聞こえます。人から聞いた話をそのまま伝えるときは「〜らしいんですが」「〜そうなんですが」のほうがはっきりします。 |
| 〜も…なら、〜も… | 学ぼう!にほんご 初中級 第5課 | 学習項目2と同じ並べ方で、「〜も」のあとの述語がナ形容詞や名詞のときの形です。「交通も便利なら、家賃も手ごろだ」のように良い点を重ねるのにも、「道も不便なら、店も少ない」のように悪い点を重ねるのにも使います。「なら」はナ形容詞・名詞の「だ」を条件の形にしたもの(=〜であれば)なので、別の文型ではなく、学習項目2の形が述語に合わせて変わったものと考えると覚えやすくなります。同じ名詞をくり返す「親も親なら、子も子だ」は、両方をよくないと責める決まった言い方で、ほめるときには使いません。良い点と悪い点が両方あると言いたいときは、述語を「ある・いる」にして学習項目2の「〜もあれば/〜もいれば」を使うのが自然です。 |
| 〜も…ば、〜も… | 学ぼう!にほんご 初中級 第5課 | 一つの物や場所について特徴を二つ「〜も」で対にして並べ、「AもそうだしBもそうだ」と言う形です。「〜し、〜し」と似ていますが、二つの点をきれいに対にするので、紹介や説明の中で特徴を印象づけられます。使い方は三つあります。①良い点を重ねる(値段も安ければ、味もいい)。②悪い点を重ねる(部屋も狭ければ、駅からも遠い)。③良い点と悪い点、賛成と反対のように、反対の物が両方あることを言う。③はほとんど「〜もあれば、〜もある」「〜もいれば、〜もいる」の形で使い、「いろいろある」とまとめる気持ちが出ます。①②では、あとに「だから人気がある」「だから引っ越したい」のような結論がよく続きます。 |
| もうVました | みんなの日本語 初級Ⅰ 第7課 | 「もう」は、その動作がすでに終わったことを表します。「もう〜ましたか」と聞かれて、終わっていれば「はい、もう〜ました」、まだなら「いいえ、まだです」と答えます。「〜ました」は第4課の過去の形ですが、ここでは「いつしたか」ではなく「終わったかどうか」を聞く使い方で、「まだ」は「これから」とセットで覚えさせます。「いいえ、まだ〜ませんでした」は誤りです。「まだ〜ていません」は第31課で扱うので、この課は「まだです」で止めます。 |
| もうVました(経験)/まだです | できる日本語 初級 第6課 | 日本に来てから、ある場所に行ったか、ある物を食べたり見たりしたかを確かめる言い方です。「もう行きましたか」と聞き、行ったなら「はい、もう行きました」、まだなら「いいえ、まだです」と答えます。約束を決める前に、相手がまだ行ったことのない場所を選ぶために使うことが多いです。「まだです」は短い決まった答え方で、「まだ行きませんでした」とは言いません。 |
| もうVましたか(完了)/まだVていません | できる日本語 初級 第10課 | 「もうVましたか」は、ある時点までにその動作が済んだかどうかを尋ねる言い方です。済んでいれば「はい、もうVました」、済んでいなければ「いいえ、まだVていません」と答え、短く「いいえ、まだです」とも言えます。集合のあとや出発前に、食事・トイレ・切符などを済ませたかを確かめ合うのに使います。第6課の「もうVました(経験)/まだです」と形は似ていますが、ここでは「この先する予定のことが、今の時点で済んでいるか」に焦点があります。 |
| 〜ものだ | 中級から学ぶ日本語 第6課 学ぼう!にほんご 中級 第36課 | ある物事の一般的な性質や、そうなるのが自然・当然だということを、話し手個人の考えとしてではなく「世の中ではそういうものだ」という形で言う。使い方は3つで、①性質・傾向(人は忙しいとまわりが見えなくなるものだ)、②社会の常識としての「するのが当たり前」(借りた物は早めに返すものだ)、③しみじみとした感慨(時間がたつのは早いものだ)。②は相手への忠告として働くので、目上の人に向けると説教のように聞こえる。文法の見方では、話し手の判断や態度を表すモダリティの表現の一つ。 |
| 〜ものだ/〜ものではない(当然) | できる日本語 中級 第5課 | 「〜ものだ」は、社会の常識や物事の自然な性質として「ふつうはそうするのが当然だ」と言う表現で、否定は「〜ものではない(そうするべきではない)」です。特定の人に一回だけ指示するのではなく、だれにでも当てはまる一般的な心得として述べるのが特徴で、注意書きの説明の文や、目上の人が若い人に教えるときに使います。「〜べきだ」は話し手の意見としての強い主張で、「〜ものだ」は「世の中ではそういうものだ」という一般論の響きです。会話では「〜もんだ/〜もんじゃない」になります。昔を思い出す「〜ものだ」とは別の用法です。 |
| 〜ものだ/〜もんだ | できる日本語 中級 第16課 | 「Vたものだ」は、過去によくくり返していたことを、懐かしい気持ちをこめて思い出す言い方です。「よく」「毎日のように」「子どものころは」と一緒に使うことが多く、話し言葉では「〜たもんだ」「〜たもんです」になります。初中級の「Vていました」(過去の習慣)は事実をそのまま述べるだけですが、「〜たものだ」には「あのころは〜だったなあ」という話し手の感慨が入ります。一度だけの出来事や、ごく最近のことには使いません。第5課の「V辞書形+ものだ」(当然・一般的な傾向)とは前の形が違うので、タ形かどうかで見分けさせます。 |
| 〜ものだから | 中級から学ぶ日本語 第16課 学ぼう!にほんご 初中級 第4課 | 理由を言う形で、とくに「そうするしかなかった」「仕方がなかった」と、自分のしたこと(遅刻・失敗・約束を守れなかったこと)の言い訳や事情の説明をするときに使う。理由そのものを伝えるより、「わかってほしい」という話し手の気持ちが出る。後ろの文は起きてしまった事実や結果で、命令・誘い・話し手の意志(〜しなさい・〜ましょう・〜つもりだ)は来にくい。会話では「〜もんだから」「〜もので/もんで」とも言い、目上の人に謝るときは「〜ものですから」「〜もので」がよく使われる。文法の見方では「から」「ので」と同じ原因・理由の従属節だが、話し手の主張よりも事情の説明に寄った言い方。 |
| 〜ものですから/〜ものだから/〜もので | できる日本語 中級 第8課 | 理由を述べる言い方で、特に相手に迷惑をかけるときや頼みごとをするときに、自分ではどうにもならない事情だったと説明するはたらきがあります。「から」で言い訳をすると自分の判断を押し出すように聞こえやすいのに対し、「ものですから」は事情をやわらかく差し出す感じになります。「ものですから」は丁寧、「ものだから」は普通の話し言葉、「もので」は短く控えめで、話し言葉では「もんだから」「もんで」にもなります。後ろに「〜しなさい」のような命令や強い指示は来にくく、お願いは「〜させていただけませんか」のような控えめな形と組み合わせると自然です。 |
| 〜ものではない | 中級から学ぶ日本語 第6課 | 「〜ものだ」の否定で、「そういうことはしないのが常識だ」という形で、相手に「〜しないほうがいい」と注意・忠告する言い方。禁止の「〜てはいけない」のように規則として止めるのではなく、世の中の常識を持ち出して言うので、親が子どもに、先輩が後輩に教えさとすような上からの響きがあり、目上の人には使えない。もう一つ、可能形などと組んで「そう簡単には〜できるものではない」と、ことの難しさを言う使い方もある。この課の話題(命令・禁止の伝わり方)と合わせると、同じ注意でも言い方によって相手の受け取り方が変わることを考えさせやすい。 |
| 〜ものなら | 学ぼう!にほんご 中級 第34課 | 「もし〜なら」と仮定する形ですが、前に来る動詞の形によって意味が二つに分かれます。一つは可能形+ものならで、「実現はむずかしいと分かっているが、もしできるなら」という気持ちを表し、後ろには「〜たい」「〜てほしい」のような願いや、「やれるものならやってみろ」のような挑戦・挑発が来ます。もう一つは意向形+ものならで、「もし〜しようものなら」つまり「少しでもそんなことをしたら」という意味になり、後ろには「大変なことになる」「怒られる」のような困った結果・大げさな警告が来ます。前の形は、可能形はむずかしいこと、意向形はしようと思えば簡単にできてしまうことを仮定している、という違いを押さえると、二つを取り違えにくくなります。 |
| 〜ものの | 学ぼう!にほんご 中級 第33課 | 「〜けれども」と同じ逆接ですが、書き言葉や改まった話で使われる硬い言い方です。前の事実を認めたうえで、そこから予想される次の段階に進まなかった・うまくいかなかったことを後ろで言うことが多く、「引き受けはしたものの、気が進まない」「申し込んだものの、まだ準備ができていない」のように、気持ちや状況が前に進まない様子を表します。後ろには命令・依頼・誘い・強い意志の文は来ません。「とはいうものの」の形で文の頭に置き、前の文の内容を認めながら反対の内容を続けることもあります。 |
| 〜ものの(=けれども) | 中級を学ぼう(中級前期) 第8課 | 「前のことは事実として認めるが、そこから期待されることは続かない」という逆接の接続で、「けれども」の書き言葉です。「申し込んだものの、まだ返事がない」のように、前半には実際に起きたこと・している状態が来て、後半にその結果として当然あるはずのことが実現していない、という流れが多い形です。「〜のに」のような不満や意外さの気持ちは弱く、事実を淡々と並べる調子なので、レポートや意見文に向きます。「けれども」「が」に置き換えて文が成り立つかで確かめられる、逆接の書き言葉の形です。 |
| 〜ものの/〜とはいうものの | できる日本語 中級 第11課 | 前のことを事実として認めながら、後ろで、そこから期待されることとは違う結果や状態を言う逆接です。解説では「勉強の時間は増えたものの、まだ一時間に届かない」のように、よい変化を認めたうえで足りない点を言うのに使います。「〜けれど」「〜のに」より硬い書き言葉寄りの表現で、「〜のに」のような不満の気持ちはあまり強くありません。「〜とはいうものの」は「〜とは言われているが、実際は」の気持ちで、季節や世間一般の言い方を受けることが多く(「十月とはいうものの」)、文の始めで「とはいうものの、〜」と接続詞のようにも使えます。 |
| 〜も〜ば〜も/〜も〜なら〜も | できる日本語 中級 第16課 | 2つのことを「AもBも」と並べる言い方で、使い方は2つあります。1つは同じ方向の評価を重ねて強める使い方(「駅も近ければ、家賃も安い」=とても条件がいい)、もう1つは違う人や場合を並べて「いろいろある」と示す使い方(「賛成する人もいれば、反対する人もいる」)です。ST2 では後者で、意見がいろいろあることを認めてから自分の意見を言うのに使います。「〜し、〜し」は理由を並べる言い方、初中級の「〜だけじゃなくて、〜も」は後ろを強調する言い方で、「〜も〜ば〜も」は2つを同じ重さで並べます。動詞・イ形容詞は「ば」、ナ形容詞・名詞は「なら」を使い、会話でも書き言葉でも使えます。 |
| もらいます | できる日本語 初級 第8課 | 物を受け取る人の側から言う形で、もらう人を「は/が」、くれた人を「に」か「から」で示します。自分がもらったプレゼントを話すときに「わたしは姉にかばんをもらいました」のように使います。くれたのが学校や会社など人でないときは「から」を使います。 |
| 〜もん/〜んだもん | できる日本語 中級 第9課 | 理由を言って、自分の言動や気持ちは当然だと相手にわかってもらおうとする話し言葉です。「だって」と一緒に使うことが多く、「だって、わからないんだもん」のように言い訳や甘え、不満の気持ちがこもります。子どもや若い人、親しい間柄で多く使われ、目上の人や仕事の場面では使いません。一方で 3 のやり取りのように、「あんなに練習したんだもん(だから大丈夫)」と、相手を励ます理由を言うのにも使えます。「〜ものですから」は丁寧な理由・言い訳で、「〜もん」はそのくだけた形と考えるとわかりやすい形です。 |
| 〜もんだ/〜ものだ | できる日本語 中級 第7課 | ここでは、年配の人が昔をなつかしんで「(昔は)よく〜したものだ」と語るときの形を中心に扱います。「Vたものだ」は過去に何度もくり返していたことを、なつかしい気持ちを込めて言う言い方で、1回だけの経験には使いません(その場合は「〜たことがある」)。また「月日がたつのは早いものだ」のように、しみじみと感じたことを言う使い方もあります。「もんだ」はくだけた話し言葉の形で、年配の人の語りでよく聞きます。「〜ものだ」には「人には親切にするものだ」という当然・忠告の使い方(第5課)もあり、回想の使い方では前がタ形になる点で区別できます。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 〜(よ)うとする | できる日本語 中級 第4課 | 「V(よ)うとする」は、ある動作をしかけた・始めようとしたその時点を表します。「〜ようとしたら/〜ようとしたとき/〜ようとしても」の形で、その動作がうまくいかなかったり、別のことが起きたりした状況を説明するのによく使い、管理人に困りごとを伝えるときは「鍵をかけようとしたら、回らないんです」のように、何をしようとして何が起きたかを順に言えます。「〜てみる」が実際にやって結果を確かめることなのに対し、「〜ようとする」はやろうとした段階に重点があり、最後までできなかったことが多いです。他の人について「〜ようとしない」と言うと、言われてもする気がないことを表します。 |
| 〜(よ)うともしない | 中級から学ぶ日本語 第5課 | するはずのこと、したほうがいいことを、しようとする気持ちさえ見せない様子を言う。「も」が入ることで「少しも〜しようとしない」と強くなり、話す人の不満・非難・あきれた気持ちが出る。主語はふつう話す人以外の人で、「声をかけても」「目の前にいるのに」のように、それをする機会や理由がある状況と一緒に使うことが多い。文法の見方では、意志や試みを言う「意向形+とする」に取り立ての「も」が入り、それを否定した形。 |
| 〜(よ)うにも〜ない | できる日本語 中級 第18課 | 「V意向形+にも+V可能形の否定」で、しようと思っても、何かの事情があってできないことを表します(運ぼうにも運べない、捨てようにも捨てられない)。同じ動詞をくり返すのが基本で、「連絡しようにも、電話番号がわからない」のように後ろでできない理由を直接言う形もあります。「〜たくても〜ない」と近いですが、「ようにも」は実際にしようとしてみたのに、車がない・時間がないなどの外の事情に阻まれている感じが強く、少し改まった言い方です。物を譲る場面では、自分ではできない事情を説明して、相手に取りに来てもらうなどのお願いにつなげます。 |
| 〜(より)ほかない/〜(より)ほかしかたがない | できる日本語 中級 第19課 | ほかに方法がないので、そうするしかない、というあきらめや覚悟を表します。意味は第13課の「〜しかない」と同じですが、少し硬く、「よりほかない」「ほかしかたがない」はさらに改まった言い方です。この課の ST4 の「〜ざるを得ない」も近い意味ですが、ざるを得ないは外の事情に追い込まれて、したくないことをする気持ちが強く、ほかないはほかに打つ手がないという結論のほうに重心があります。意見を言う場では、「ふつうは反対だが、この条件ならしかたがない」と条件つきで認めるときに使えます。 |
| 〜やすいです/〜にくいです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第9課 | 物について、その動作が楽にできるか、むずかしいかを言います。動詞のます形から「ます」を取って「やすい」をつけると楽にできること(読みやすい・歩きやすい)、「にくい」をつけるとしにくいこと(読みにくい・書きにくい)を表します。この形では、話題にする物(本・くつ・はし・漢字)を「は」で出して、「この本は読みやすいです」のように言います。どちらも い形容詞と同じように使えるので、名詞の前に置いて「使いやすいパソコン」とも言えます。「やすい」「にくい」は動詞の連用形について新しい い形容詞を作る形で、語構成の見方では、動詞と形容詞の要素が結びついた一語の形容詞として扱います。 |
| 〜やら〜やら | できる日本語 中級 第12課 | いくつかの例を挙げて、「ほかにもいろいろあって」という気持ちを込める形です。記事では「仕事の悩みやら寝る前のスマホやら」のように、眠れない原因がたくさんあることを表すのに使われています。あれもこれもあって大変だ、整理がつかない、という話し手の気持ちが出やすく、「〜やら〜やらで大変だ/忙しい」の形でよく使います。「うれしいやら恥ずかしいやら」のように、入り混じった気持ちを言うこともできます。第1課の「〜とか〜とか」は話し言葉で中立に例を挙げ、「〜や〜など」は書き言葉で整然と挙げるのに対し、「〜やら〜やら」は雑多さ・煩わしさの響きがある点が違います。 |
| やります/〜てやります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第35課 | 第14課の「あげます」を、自分より下の人や物に使う形です。弟・妹・自分の子どものような年下の家族、犬や猫などの動物、花や木などの植物に物を渡すときに使い、「花に水をやる」「犬にえさをやる」はよく使う言い方です。何かをしてあげるときは「Vて+やります」です。ただし、いまは動物や植物、自分の子どもにも「あげます」を使う人が多く、「やります」は少し乱暴に聞こえると感じる人もいます。よその家の子どもには「あげます」がふつうです。学習者には、聞いて分かること、自分で言うときは「あげます」でも誤りではないことを伝えます。 |
| 〜よ | できる日本語 初級 第6課 | 文の終わりに「よ」をつけて、相手が知らないと思うことを教えたり、自分の考えを伝えて相手の背中を押したりします。誘うときに「おいしいですよ」「楽しいですよ」と添えると、行ってみようと思わせる言い方になります。強く言いすぎると押しつけに聞こえるので、目上の人には使いすぎないように気をつけます。文法の用語では文の終わりで話し手の伝え方を表す終助詞で、「ね」と並べて、相手と自分のどちらが情報を持っているかで使い分けを説明するのが分かりやすいです。 |
| 〜ようがない | 中級から学ぶ日本語 第8課 できる日本語 中級 第18課 学ぼう!にほんご 中級 第25課 | 「したい・しなければならない」と思っても、そのための方法・手段・手がかりがなくて、どうやってもできないことを言う。「よう」は「方法・やり方」の意味で、「〜ようがない」は「やり方がない」がもとの形。能力が足りないのではなく、状況や情報がそろっていないためにできない、という言い方になることが多い(電話番号を知らないから連絡しようがない)。気持ちについて「何とも言いようがない」「残念としか言いようがない」と言うと、ぴったりの言葉が見つからないほどだ、という意味になる。可能の否定(〜られない)を、方法の面から強めた言い方と見ることができる。 |
| 〜ようです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第24課 | 見たこと・聞いたこと・感じたことなど、目の前の様子や手がかりから「たぶんそうだ」と判断して言う形です。ポイントは、話し手が自分で手がかりを持っていることで、第17課の「〜でしょう」は手がかりがなくても予想として言えるのに対して、「〜ようです」は「何かを見て・聞いて」そう判断した感じが出ます。言い切りを避けてやわらかく伝えるときにもよく使い、店の人が「きょうはもうないようです」と答えるような場面が典型です。似たものにたとえる使い方(まるで〜のようです)もありますが、この教案では様子からの判断を中心に扱います。 |
| 〜ようです(様態) | できる日本語 初中級 第10課 | 「〜みたいです」と同じく、見たこと・聞いたことから判断して言う形で、「みたいです」より改まった言い方です。駅員やホテルの人、先生など丁寧に話す相手や、アナウンス・お知らせ・メールでよく使います。同じ出来事でも、友達には「休みみたいです」、先生には「休みのようです」と、相手によって選ぶ練習をします。文法の用語では、見たこと・聞いたことを根拠にした推定のモダリティで、人から聞いた情報の「らしい」や、見た目の印象の「そうだ」と並べて、根拠の違いが試験でよく問われます。 |
| 〜ようでは | 中級から学ぶ日本語 第17課 | 「そんな様子・そんなやり方なら、よい結果にはならない」と、相手や今の状態を批判したり心配したりする言い方。前に今の好ましくない様子(遅刻する・すぐあきらめる・人の話を聞かない)を置き、後ろに「〜ない」「だめだ」「困る」「無理だ」のような悪い結果や否定の評価が来る。「〜ては」(そうすると悪い結果になる)に近いが、「〜ようでは」は「そんな程度・そんなふうなら」と、今の様子を一段低く見る気持ちが強いので、目上の人には使いにくい。話し言葉では「〜ようじゃ」になる。文法の見方では、後ろに否定的な結果が来る条件の表現で、話し手の評価(モダリティ)がこもる形と見てよい。 |
| 〜ように(同様) | できる日本語 中級 第9課 | 「前に言ったこと・だれかが示したこと・よく知られていることと同じように」という意味で、文の初めに置いて、これから言う内容がそれと一致することを示します。「先ほど述べたように」「グラフが示すように」「ご存じのように」のように、説明文や発表で話の筋をつなぐのによく使います。感想文では「詩が語っているように」「タイトルが表しているように」と、作品の中の根拠を示してから自分の読みを述べるのに使えます。目的を表す「〜ように」(聞こえるように大きな声で話す)や、たとえを表す「Nのように」とは別の使い方です。 |
| 〜ように… | 学ぼう!にほんご 初中級 第3課 | 「Nのように」の形で、手本・例として人やものを挙げ、「それと同じように」という意味を表します。この課では特に「〜のように〜たい(なりたい)」と、あこがれの人を手本にして自分の目標を言う使い方が大切で、お礼の言葉を「これから」の話で締めくくるときに使えます。名詞を説明するときは「〜のような+名詞」になります。「先生が言ったように」のように動詞につくと、「その内容のとおりに」という意味になります。初級で習った「〜ようにします」(そうなるように努力する)とは使い方が違うので、混ぜないようにします。 |
| 〜ようにします | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第24課 | 「なるべく〜する」「〜しないように気をつける」という、ふだんの行動の心がけを言う形です。一度だけの行動ではなく、努力して続けることや気をつけることに使うのが中心です。「〜ようにしています」は今続けている心がけ(毎朝野菜を食べるようにしています)、「〜ようにします」はこれからの心がけ(あしたから遅れないようにします)です。相手に心がけを頼むときは「〜ようにしてください」と言い、学校や会社の注意・お願いでよく使います。 |
| 〜ようになっている | できる日本語 中級 第2課 | 機械・アプリ・店のサービスなどが、そうなる仕組みに作られていることを説明する言い方です。「このアプリは近くの店が地図で見られるようになっている」は、アプリがそう作られていることを言っています。初中級の「〜ようになります」が「できなかったことができるようになる」という変化を言うのに対し、「〜ようになっている」は今の仕組みや状態の説明です。規則として決まっていることを言う「〜ことになっている」とも違い、こちらは物や仕組みのはたらきに目を向けます。「〜と、〜ようになっている」の形で、操作と結果をセットで説明することが多いです。 |
| 〜ようになります | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第24課 | 前はできなかったこと・しなかったことが、時間がたって、できるように・するように変わったことを言う形です。能力の変化は可能形につけ(漢字が読めるようになりました)、習慣の変化は辞書形につけます(毎朝走るようになりました)。「分かる」「見える」のように、もともとできる・できないを表す動詞はそのまま辞書形につけます。反対に、していたことをしなくなった・できなくなったときは「〜ないようになりました」より「〜なくなりました」を使うのが普通です。名詞や形容詞の変化は、第15課の「〜になります/〜くなります」で言います。 |
| 〜ようになる/〜なくなる(習慣) | 中級から学ぶ日本語 第1課 | 前はしていなかった行動を、するのが当たり前になった(習慣が変わった)ことを言う。A-1 の能力の変化ではなく、行動の習慣の変化。反対は「〜なくなる」で、前はしていた行動をしなくなったこと。本人が決めたというより、生活が変わった結果として自然にそうなった、という言い方になることが多い。A-1 と形は同じ。境目は動詞の意味で、可能形や「分かる・見える・聞こえる・できる」のように能力を表す動詞なら能力の変化、「見る・作る・食べる」のようにふつうの動作の動詞なら習慣の変化になる。 |
| 〜ようになる/〜なくなる(能力) | 中級から学ぶ日本語 第1課 | 前はできなかったこと(分からなかったこと・見えなかったこと)が、できる状態に変わったことを言う。「できる」だけだと今の状態を言うが、「できるようになる」は変化を言うので、頭の中に「前」と「今」の2つがある。反対は「〜なくなる」で、前はできたことができない状態に変わったこと(読めなくなる・聞こえなくなる)。変化の途中なら「〜ようになってきた」。文法の用語では、可能表現に変化の「なる」が付いた形で、状態が変わったことを表すと説明される。 |
| 〜ように思う | できる日本語 中級 第10課 | 普通形に「ように思う」をつけて、記憶や印象がはっきりしないことや、言い切りたくないことを、やわらかく言う形です。忘れ物の電話では「2時ごろの電車だったように思います」のように、確かではないけれど自分が覚えている範囲を伝えるのに使えます。「〜と思う」が自分の判断・意見をはっきり言うのに対し、「〜ように思う」は「そういう感じがする」という印象に近く、より控えめです。「〜気がする」も近い意味ですが、「〜ように思う」のほうが改まった場面にも合います。自分の意志や予定(行こうと思う)には使いません。 |
| 〜よね | できる日本語 中級 第1課 | 自分がそう思っていることを、相手も知っている・同じ考えだろうと見込んで確かめる言い方です。「よ」は相手の知らないことを伝え、「ね」は相手に同意を求めますが、「よね」は「わたしはこう思うけど、合ってるよね?」と念を押す気持ちです。上げ調子だと確認(「授業ないよね↗」)、下げ調子だと共感(「楽しかったよね↘」)に聞こえます。友達を誘う前に相手の予定を確かめるときにちょうどよく使え、目上には「〜ですよね」と丁寧形にします。文法の用語では「よ」と「ね」が重なった終助詞で、話し手と聞き手のどちらが知っているか(情報のなわばり)で使い分けが決まります。 |
| より〜 | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 副詞の「より」で、「今よりもっと」「一層」という意味です。「よりよい」「より多く」「より早く」のように形容詞・副詞の前に置きます。比較の「AよりB」と同じ語ですが、比べる相手を言わずに使う点が違います。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 〜らしい | 中級を学ぼう(中級前期) 第6課 | 見たり聞いたりした情報をもとに、「どうやらそうのようだ」と判断したり、人から聞いた話として伝えたりする言い方です。自分で確かめたわけではなく、話し手が少し離れたところから言っている感じがあります。読み物では、筆者が断定できない情報をこの形で書くことが多く、読むときは「筆者が確かめていない部分」の目印になります。試験の用語ではモダリティ(話し手の判断や態度を表す形)のうち、伝聞・推量を表す形として扱われます。 |
| 〜らしいです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第33課 | 人から聞いた話・読んだもの・まわりの様子などの外から入ってきた情報をもとに、「どうもそうだ」と判断して伝える言い方です。自分で直接見て確かめたことではないので、話し手は少し距離を置いて言っていて、本当かどうかの責任は持たない響きがあります。第32課の伝聞「〜そうです」は聞いた話をそのまま伝える言い方で、「らしい」はそこに話し手の判断が少し入り、情報の出どころがはっきりしないうわさにもよく使います。第24課の「〜ようです」は自分の目や耳で感じたことからの推量で、「らしい」はそれより人から聞いた情報によりかかった言い方です。なお「男らしい」「子どもらしい」のように名詞について「〜にふさわしい」を表す「らしい」は別の用法なので、この課では扱いません。 |
| 〜らしいです(伝聞) | できる日本語 初中級 第12課 | 人から聞いたことや、ニュース・インターネットで見たことを、「そういう話だ」と聞いた情報として伝える形です。初級の「〜そうです(伝聞)」と似ていますが、「らしい」は情報の出どころがはっきりしないときや、聞いた話を少し距離を置いて伝えるときに使われることが多いです。話し言葉では「〜らしいですよ」の形で、相手に知らせるのによく使います。名詞につく「Nらしい」には「その特徴がよく出ている」(「学生らしい服」)という別の使い方もあります。 |
| 〜れます/られます 受身(1) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第30課 | この教案では受身(1)を直接の受身として扱います。「母が子どもをしかりました」のように、ある人がほかの人に何かをした出来事を、された人の側から「子どもは母にしかられました」と言う文です。能動の文で「を」(動詞によっては「に」)が付いていた人が主語になり、「が」が付いていた人(した人)には「に」を付けます。ほめる・しかる・呼ぶ・頼む・誘う・招待する・注意する など、人が人に向けてする動作の動詞でよく使い、うれしいこともいやなことも言えます。日本語では、自分にかかわる出来事は「わたし」を主語にして話すことが多いので、「母がわたしをしかりました」より「(わたしは)母にしかられました」のほうが自然に聞こえる傾向があります。 |
| 〜れます/られます 受身(2) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第30課 | この教案では受身(2)を持ち主の受身として扱います。ほかの人が自分の体の一部や持ち物に何かをしたとき、体や持ち物ではなく持ち主(わたし)を主語にして「わたしは電車で足を踏まれました」と言う文です。能動の文「隣の人がわたしの足を踏みました」の「わたしの」が前に出て主語になり、「足を」はそのまま「を」で残ります。した人には受身(1)と同じく「に」を付けます。この形は、持ち主が困った・いやだったと感じたときに使うことが多く、話し手の気持ちが伝わります(「お客さんに料理をほめられました」のようにうれしいことにも使えます)。 |
| 〜れます/られます 受身(3) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第30課 | この教案では受身(3)を迷惑の受身(自動詞の受身)として扱います。泣く・来る・帰る・休む・座る・降る のような「を」を取らない動詞(自動詞)でも受身形が作れ、その場合はほかの人や天気のせいで、自分が困ったという気持ちを表します。能動の文「赤ちゃんが泣きました」には「わたし」が出てきませんが、受身の文「(わたしは)赤ちゃんに泣かれました」にすると、そのせいで自分が困ったことになります。泣いた人・来た人(天気なら「雨」)には「に」を付けます。「雨に降られる」はこの形のよく使われる言い方です。困った気持ちを表す形なので、うれしいことには使いません。なお、「夜遅くまでピアノを弾かれる」のように「を」を取る動詞でも同じような迷惑の受身が作れますが、この課では自動詞の文に絞ります。 |
| 〜れます/られます 受身(4) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第31課 | この教案では、受身(4)を物や出来事が主語になる受身として扱います。第30課の受身は人が主語で、その人がほかの人に何かをされたことを言う形でした。この課の受身は物や出来事を主語にして、「何が・どうされたか」を伝えます。した人がわからないとき、だれがしたかは大事ではないとき、多くの人がしていることを言うときに使い、ニュース・お知らせ・物の説明によく出ます。した人はふつう文に出しませんが、「世界中の人に」「多くの人に」のように、する人の広がりを言うときは「に」で言えます。日本語教育の文法では、このように物や出来事が主語になる受身を非情の受身と呼び、人が主語の受身(第30課)と分けて扱います。 |
| 〜れます/られます 受身(5) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第31課 | この教案では、受身(5)を作った人・建てた人を「〜によって」で言う受身として扱います。建物・作品・発明・発見など、ある人の手で世の中に出た物を主語にして、それをした人を「〜によって」で表します。建てる・作る・書く・描く・発明する・設計するのように物を新しく生む動詞では、した人はふつう「に」ではなく「によって」で言います。歴史や作品の説明、案内板、発表のような、少しかたい話し方・書き方で使われます。文法の上では、動作をした人を表す「に」の代わりに「によって」を使う受身で、作る・建てるのような物を生み出す動詞と強く結びつきます。会話の中で自分や身近な人のしたことを言うときは、受身にせず「〜が〜ました」と言うのがふつうです。 |
| 〜れます/〜られます 尊敬 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第36課 | 尊敬語は、先生・上司・お客様のような目上の人や、よく知らない人の動作を高めて言う言い方です。いちばん作りやすいのが、動詞を「〜れる/〜られる」の形にする方法で、形は第30課の受身形とまったく同じです。受身の文と違うのは、主語が動作をする目上の人で、助詞がもとの文のまま変わらないことです(部長は新聞を読みました→部長は新聞を読まれました)。会社の中の会話やニュース・書いた文でよく使われ、「お〜になります」(学習項目3)より敬意は少し軽く聞こえることが多いです。 |
| 〜れる/られる+そうです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第32課 | 第30・31課の受身形を普通体にして、伝聞の「そうです」をつけた形です。お寺・お城・作品などがいつ、だれによって作られたかや、事件・出来事のように、自分で見たのではなく案内板・本・ニュースで知ったことを伝えるときによく使います(この橋は町の人たちによって作られたそうです)。人が主語の受身(先生にほめられた・財布を盗まれた)にも使え、友達から聞いた出来事を別の人に伝えるときに便利です。受身形は最後が「る」なので、普通体はグループⅡの動詞と同じように「〜られる・〜られた・〜られない・〜られなかった」となります。述語の中では「建て(動詞)+られ(受身)+た(過去)+そうです(伝聞)」の順に並び、ヴォイス・テンス・モダリティの順に後ろへつく形の典型なので、受身を先に作ってから伝聞をつける、という手順で練習させます。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| 「わけがない・わけではない」の整理 | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 形が似ている2つを並べて整理する項目です。「わけがない」は「ありえない」と全部を否定し、「わけではない」は「全部がそうだとは限らない」「そういう意味で言ったのではない」と一部を否定したり、相手の受け取り方を直したりします。前の項目の「わけがない」が出たところで並べておくと、取り違えを早めに防げます。文法の見方で言うと、「わけではない」は文全体ではなく一部や相手の受け取り方を打ち消す部分否定の形として扱われることが多く、「全部ではない」と言い換えられるかどうかが目安になります。 |
| 〜わけがない | 中級から学ぶ日本語 第15課 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 できる日本語 中級 第18課 学ぼう!にほんご 初中級 第10課 | 理由や根拠があって、「絶対に〜ない」「〜はずがない」と強く打ち消す言い方。相手の考えや、うわさ・可能性を強く否定するときに使い、「あんなにまじめな人がうそをつくわけがない」のように、前に根拠が来ることが多い。話し言葉では「〜わけない」「〜わけないじゃない」の形にもなる。「〜はずがない」とほぼ同じ意味で言い換えられることが多いが、「わけがない」のほうが「そんなことはありえない」という話し手の気持ちが強く出やすい。文の終わりの「わけ」には「〜わけだ」(当然そうなる)「〜わけではない」(全部がそうではない)もあり、意味がまったく違う。 |
| 〜わけだ | 中級から学ぶ日本語 第10課 | 前に分かっている事実や理由から考えて、「だから当然そうなる」「なるほど、それでそうなのか」と結論を出す言い方。相手の説明を聞いて納得したとき(なるほど、それで込んでいるわけだ)と、自分の説明を「つまり〜ということだ」とまとめて言い換えるとき(1日8時間で週5日だから、40時間働くわけだ)によく使う。どちらも、当て推量ではなく、筋道をたどって出した結論である点が大事。文法の用語では、話し手の判断や説明を表すモダリティの一つとして、「のだ」と並べて扱われることが多い。 |
| 〜わけではない | 学ぼう!にほんご 中級 第32課 | 相手が持っている思い込みや、前の話から当然そう考えられることを、「そうだとは限らない・全部がそうなのではない」と打ち消すことを表します。「わけ」は「理由・当然の結論」なので、「〜わけではない」は「当然〜だろう、という結論にはならない」という意味です。「全部・みんな・いつも・必ずしも・全く」などと組み合わせると、「全部ではない(一部はそうだ)」という部分否定になります(「全く〜ないわけではない」なら「少しはある」)。また、「嫌いなわけではない」のように、相手が考えていそうな理由を打ち消して、本当の理由をあとに続けるときにもよく使います。学習項目2の「〜ないことはない」との違いは向きで、「〜ないことはない」は「少しはできる・する」と自分から認める答え、「〜わけではない」は相手や自分の思い込みを打ち消す答えです。たとえば、納豆が出たのに手をつけない人が「納豆が嫌いなわけではないんです。おなかがいっぱいで」と言えば、嫌いだろうという相手の思い込みを打ち消しています。「納豆は食べないことはないです」と言えば、食べることは食べると、少し気が進まない調子で認めています。 |
| 〜わけではない/〜というわけではない | できる日本語 中級 第9課 | 前の話や、ふつう考えられることを全部は打ち消さず、「必ずしもそうではない」と一部だけ否定する言い方です。「『大丈夫』がいつも断りになるわけではない」「日本人がみんな敬語を上手に使えるというわけではない」のように、「いつも」「みんな」「全部」「必ずしも」と一緒によく使います。強く打ち消す「〜わけがない」(そんなことはありえない)とは意味が大きく違うので注意が必要です。「〜というわけではない」は、相手の受け止め方を「そういうことではない」と言い直すときにも使います。 |
| 〜わけにはいかない | 中級から学ぶ日本語 第17課 学ぼう!にほんご 初中級 第4課 学ぼう!にほんご 中級 第23課 | 能力の上ではできるが、立場・責任・約束・決まり・相手との関係などの事情を考えると「〜することはできない」と言う形。可能形の「できない」が能力や条件を言うのに対して、「〜わけにはいかない」は「本当はしたい(してもいい)が、事情があってしない」という話し手の判断が入る。「Vない+わけにはいかない」は「しないことはできない」=事情があって「しなければならない」で、気が進まないが仕方なくする気持ちがこもることが多い。「も」を入れた「〜わけにもいかない」は「ほかの方法と同じように、それもできない」と、迷っている気持ちを表す。命や看護のような話題では、家族の立場から「割り切れないが、やめるわけにはいかない」のような判断を言うのにも使える。 |
| 〜わけにはいかない/〜わけにもいかない | できる日本語 中級 第15課 | 「Vるわけにはいかない」で、能力ではなく、立場・決まり・常識・人間関係などの事情から、そうすることはできないことを表します。断る場面で「ほかのお客様の映像をお見せするわけにはいかないんです」のように、気持ちはあってもできない理由がある、と伝えるのに使えます。「〜できない」は能力や物理的にできないことにも使えますが、「わけにはいかない」は事情による不可能だけです。「Vないわけにはいかない」は「しないのは許されない=しなければならない」の意味になります。「〜わけにもいかない」は「(ほかの方法と同じく)それもできない」で、「断るわけにもいかず、困った」のように板ばさみの気持ちを表します。 |
| わたしは〈人〉に〈Vて形〉あげます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第24課 | 話し手が、ほかの人のために何かをすることを言う形です。第7課の「あげます」で物を渡したように、ここでは行為を相手のためにします。受ける人の示し方は文型4と同じで、もとの動詞の助詞のままです(「友だちに本を貸してあげます」「友だちを駅まで送ってあげます」「友だちの荷物を持ってあげます」)。「してあげる」は自分が相手に恩をかけている言い方なので、その相手に向かって直接言うと押しつけがましく聞こえます。相手に申し出るときは第14課の「〜ましょうか」を使い、「〜てあげました」はその場にいない人に、自分がしたことを話すときに使うのが自然です。文法では補助動詞の「〜てあげる」と呼びます。ポライトネスの見方では、相手に直接「〜てあげます」と言うことは、相手に借りを負わせる言い方になり、相手の面子を脅かすことがある、と説明できます。 |
| わたしは〈人〉に〈Vて形〉もらいます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第24課 | ほかの人が自分のために何かをしてくれて、自分が助かったことを、受ける側(わたし)を主語にして言う形です。第7課の「もらいます」は物を受け取る動詞でしたが、ここでは物の代わりに「行為」を受け取ると考えます。してくれた人には「に」が付きます。ただ事実を言うのではなく、「してもらってありがたい」という気持ちが入るのがこの形の大事な点です。文法では補助動詞の「〜てもらう」と呼び、本動詞の「もらう」の受け取る意味が、行為から受ける恩恵に広がったものと説明します。相手に頼んでしてもらった場合にも、相手が自分から進んでしてくれた場合にも使えますが、自分が頼んだことがはっきりしているときは「〜てもらいました」のほうが自然に聞こえます。 |
| わたしは〈人〉にNをあげます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第7課 | 物を人に渡すことを表します。渡す人が「は」、受け取る人が「に」、渡す物が「を」です。「あげます」のほかに、「貸します」「教えます」「送ります」「(電話を)かけます」も同じ「〈人〉に」の形を取り、人から人へ物や情報が向かう動詞の仲間として扱います。この課では渡す人が「わたし」か第三者で、受け取る人は「わたし」以外です。受け取る人が「わたし」になる形(「くれます」)は第24課で扱うので、ここでは出しません。 |
| わたしは〈人〉にNをいただきます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第41課 | 「わたしは先生に辞書をいただきました」のように、目上の人や、あまり親しくない人から物を受け取るときの言い方です。矢印の向きと意味は第7課の「もらいます」と同じで、受け取る自分の動作を低くして言うことで、渡してくれた相手を高める謙譲語(へりくだって言うことば)です。渡した人には「もらいます」と同じく「に」が付き、「から」を使うこともあります。主語はいつも受け取る側の「わたし」なので、言わないことが多いです。 |
| わたしは〈人〉にNをもらいました | みんなの日本語 初級Ⅰ 第7課 | 物を人から受け取ることを表します。受け取る人が「は」、渡した人が「に」、物が「を」です。文型3の「あげます」と向きが逆で、同じ出来事を受け取る側から言う形です。「もらいます」のほかに「借ります」「習います」も「〈人〉に」を取り、相手から自分の方へ物や知識が来る動詞の仲間です。渡した人は「から」でも言えますが、この課では「に」で統一して練習します。 |
| わたしは〜にNをやります | みんなの日本語 初級Ⅱ 第41課 | 「わたしは犬にえさをやります」「花に水をやります」のように、動物や植物、自分の子どもや弟・妹など、自分より下の人に物を与えるときの言い方です。矢印の向きは第7課の「あげます」と同じです。ただ、今の日本語では動物や植物にも「あげます」を使う人が多く、人に「やります」を使うとぞんざいに聞こえることもあります。そのため、自分から使うのは動物・植物と、自分の家族の年下の人の話に限ると教えるのが安全です。 |
| 〜わりに | できる日本語 中級 第2課 学ぼう!にほんご 中級 第31課 | 「〜わりに」は、ある程度(値段・年・大きさなど)からふつう考えられることと、実際が違うことを表します。「値段のわりに量が多い」は、この値段ならこのくらいだろうという予想より量が多い、という意味で、よい方向にも悪い方向にも使えます(「高いわりにおいしくない」)。「〜のに」は事実どうしの食い違いへの驚きや不満が強く出ますが、「〜わりに」は程度を比べて評価する言い方です。「〜にしては」(第7課)は「子どもにしては」のように、立場や身分から期待される基準と比べるときに多く使います。会話では「〜わりには」の形もよく使います。 |
| 〜わりに(は) | 中級から学ぶ日本語 第20課 | 「AわりにB」の形で、Aという程度や条件から予想されることと、実際のBが合わないことを言う。Aには値段・年・量・時間・努力のように「どのくらいか」を考えられることが来て、Bにはそれと比べた話し手の評価が来る。評価はプラス(安いわりにおいしい)にもマイナス(高いわりにおいしくない)にもなる。「は」を付けると、予想とのずれがやや強く出る。「のに」ほど不満や残念な気持ちは強くなく、比べて評価する言い方。文法の見方では、逆接に近い従属節の一つ。なお、単独の「わりに(わりと)」は「わりに安い(思ったより)」のような副詞としても使われるが、この項目とは別に扱う。 |
| 〜を(は)問わず | 学ぼう!にほんご 中級 第40課 | 初中級で学んだ「〜は問わず」の続きで、「問わず」は「問わない(=問題にしない・条件にしない)」の書き言葉の形です。「〜を問わず」は「〜に関係なく、どれでも・だれでも」という意味で、前には年齢・性別・国籍・経験・季節のようないろいろな種類や値がある名詞や、男女・昼夜・内外・有無のような対になった名詞が来ます。募集・案内・規則の文章でよく使い、「経験を問わず、歓迎します」のように範囲の広さを示します。「は」を使った「〜は問わず」「〜は問いません」は、ほかの条件はあるけれど「その点は」問題にしない、という取り立ての響きがあり、募集の文の条件の欄によく見られます。意味は「〜に関わらず」と近いですが、「〜を問わず」は名詞に付くのがふつうで、動詞の対(するしない)には「〜に関わらず」のほうが使われることが多い形です。 |
| 〜を…ます | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第5課 | 動作が向かう相手(もの)を助詞「を」で表します。「パンを食べます」「コーヒーを飲みます」「本を読みます」のように、「を」の前が食べる物・飲む物・読む物になります。「を」は書くときは「を」、読むときは「お」と同じ音です。何をするかを聞くときは「何を(なにを)〜ますか」と言い、「します」は「テニスをします」「勉強をします」のように、スポーツや勉強の言葉と組み合わせて使えます。 |
| 〜をVます | できる日本語 初級 第3課 | 「を」は動作の向かう相手・もの(目的語)を表します。「日本語を勉強します」「アルバイトをします」のように、何をするかを動詞の前に言います。「を」は書くときは「を」、読むときは「お」と同じ音です。文法の用語では「を」は格助詞で、ここでは動作の対象(目的語)を示します。 |
| 〜をきっかけにして | 学ぼう!にほんご 中級 第24課 | 「Aをきっかけにして、B」は、Aという出来事が始まりになって、それまでになかったB(新しい行動・気持ちの変化・状態の変化)が起きた、ということを表します。「して」を省いた「〜をきっかけに」もよく使われ、「〜がきっかけで」「〜をきっかけとして」の形もあります。Aは、出会い・事故・病気・引っ越し・ニュースなど、ある時点で起きた一つの出来事であることが多く、Bはそのあとに続く変化です。「ことから」が判断や名前の根拠を示すのに対して、「をきっかけにして」は時間の流れの中で「変化が始まった点」を示すので、読むときはBが「〜ようになった」「〜始めた」のような変化の言い方になっているかを見ると見つけやすくなります。 |
| 〜を〜として | できる日本語 中級 第4課 | 「N1をN2として」は、N1をN2という役割・目的・立場のものとして扱う・使うことを表します。施設の紹介では「図書館の学習室を試験勉強の場所として使っている」「公民館を地域の集まりの場として利用している」のように、その施設を自分がどう位置づけて使っているかを言うのに使えます。「N1をN2にする」(「空いている部屋を物置にする」)がN1を変えてN2の状態にすることなのに対し、「〜として」はN1そのものは変えずに、どういう役割で使うかを言います。話し言葉でも使えますが、発表では少し改まった響きになります。 |
| 〜をはじめ | 中級から学ぶ日本語 第15課 | 同じ仲間の中から、いちばん代表的なもの・よく知られたものを一つ挙げて、「それだけでなく、ほかにもいろいろある」と言う形。後ろには「など」「多くの」「さまざまな」「皆さん」のように、たくさんあることを表す語が来ることが多い。「〜をはじめとして」「〜をはじめとする+名詞」の形もあり、どれもスピーチ・案内・ニュース・あいさつなど改まった場面でよく使う。初級の「〜や〜など」が例を並べるだけなのに対して、「〜をはじめ」は最初に挙げたものがその仲間の中心・代表だという見方が入る。 |
| 〜をはじめ(として)/〜をはじめとする | できる日本語 中級 第6課 | いくつかあるものの中から、いちばん代表的なもの・目立つものを最初に挙げ、「それだけでなく、ほかにもたくさん」と続ける言い方です。「灯台をはじめ、商人の家や資料館などがある」のように、後ろには同じ仲間のほかのもの(「〜など」「多くの〜」)を続けるのがふつうです。「〜や〜など」は対等に並べますが、「〜をはじめ」は最初のものを代表として目立たせます。改まった紹介や案内文、あいさつで使い、名詞の前では「〜をはじめとする+N」になります。 |
| 〜をはじめ/はじめとして | 学ぼう!にほんご 中級 第38課 | 初中級で学んだ「〜をはじめ」の続きです。いちばん代表的な例を一つ挙げて、それを含む全体へ話を広げる形で、「Aをはじめ、Bなど(多くの〜・〜全員)」のように、後ろには必ずAを含んだグループ全体が来ます。「〜をはじめとして」は少し改まった言い方で、名詞の前では「〜をはじめとする(をはじめとした)N」の形になります。挙げる例は、その中で目立つもの・中心になるもの(社長・首都・代表的な料理など)が自然です。改まった形なので、面接で自分の関わった仕事や人の広がりを説明したり、あいさつやスピーチで関係者を挙げたりする場面で使われます。 |
| 〜をはじめ… | 学ぼう!にほんご 初中級 第9課 | 「AをはじめB」は、Bというまとまり・全体の中から、いちばん代表的なもの・目立つものAを一つ先に挙げて言う言い方です。AはBの一部なので、後ろのBには、Aを含む全体を表す「N+など」「多くのN」「〜たち」「〜全員」のような言葉が来ます。「社長をはじめ、社員全員が…」のように、Aにはふつう、その中でいちばん重要な人・よく知られたものを置きます。やや改まった言い方で、あいさつ・案内・紹介の文章や発表によく出ます。くだけた会話では「〜とか」「〜など」で言うことも多いので、この課では、自分の国や町を紹介する場面で使う形として練習します。 |
| 〜をめぐって | 学ぼう!にほんご 中級 第26課 | ある事柄を中心にして、いろいろな人の意見が分かれたり、議論や対立が起きたりしていることを表します。「めぐる」はもとは「周りを回る」という意味で、一つの問題の周りで何人もの人が話し合ったり争ったりしている様子を思い浮かべると分かりやすい形です。そのため後ろには、議論する・話し合う・対立する・争う・意見が分かれる・問題が起きる・裁判になる のような動詞や言葉が来ます。ニュースや新聞、報告など書き言葉で多く使われ、名詞の前では「〜をめぐる N」(「計画をめぐる議論」)、書き言葉では「〜をめぐり、〜」も使われます。一人で調べる・説明する・書く のように、議論や対立のない動作には使いません。 |
| 〜をめぐって/〜をめぐり/〜をめぐる | できる日本語 中級 第19課 | あることを中心に、いくつかの立場の人が議論したり、対立したり、争ったりすることを表します。後ろには「議論する」「意見が分かれる」「対立する」「問題が起こる」のような語が来ます。「〜について」は話題を中立に示すだけで、説明する・話すなどにも広く使えますが、「〜をめぐって」は人々の考えがぶつかり合っている場合に使い、一人がする説明には使いません。第15課の「〜に関して」も硬い話題の示し方ですが、対立の意味はありません。ニュースや解説で使う硬い言い方で、「〜をめぐり」はさらに文章的、名詞につなぐときは「〜をめぐる+N」です。 |
| 〜をもとに(して)/〜をもとにした | できる日本語 中級 第9課 | 「〜を材料・手がかりにして、新しいものを作る・考える」という意味です。「経験をもとにして小説を書く」「アンケートの結果をもとに計画を立てる」のように、前のものから何か新しいものが生まれる関係を表します。名詞を説明するときは「〜をもとにしたN」になります。似た形の「〜に基づいて」は、法律・規則などをよりどころにして、それから外れないように行うことに重点があり、「法律に基づいて処分する」とは言っても「法律をもとに処分する」はあまり言いません。データや調査の結果なら「結果をもとに決める」も自然です。 |
| 〜をもとに… | 学ぼう!にほんご 初中級 第19課 | 前の名詞を材料・根拠・土台にして、何かを作ったり、決めたり、判断したりすることを表します。後ろには「作る・書く・決める・判断する・計算する・考える」のような、何かを生み出したり決めたりする動詞が来ます。材料は形を変えて結果の中に生きている、という感じで、「実際にあった話をもとにした映画」「アンケートの結果をもとにした計画」のように使います。似た「〜に基づいて」はやや硬く、規則・法律・データなど、外れてはいけない根拠に使うことが多いです。 |
| 〜を契機に(して)/〜を契機として | できる日本語 中級 第19課 | ある出来事を転機として、大きな変化や新しい動きが始まったことを表します。ニュース・解説・論文などの硬い書き言葉で、国や社会、組織の方針が変わるような話によく使います。第1課の「〜がきっかけで」は個人的なことにも会話にも広く使えるのに対し、「〜を契機に」は改まった文章向けで、日常の小さなことに使うと大げさに聞こえます。後ろには「方針を変えた」「〜が始まった」「関心が高まった」のような変化・始まりの内容が来ます。「〜が契機となって」の形もあります。 |
| 〜を中心に(して)/〜を中心として | できる日本語 中級 第6課 | ある場所・人・物事を真ん中(いちばん大事な所)にして、周りに広がったり集まったりすることを表します。場所なら「駅を中心に町が広がっている」、人なら「若い人を中心に人気がある」、内容なら「文法を中心に復習する」のように使います。「〜の周りに」は位置だけを言いますが、「〜を中心に」は「そこが中心で、そこから広がる・集まる」という見方まで表します。「〜を中心として」はやや硬く、名詞の前では「〜を中心とした+N」「〜を中心とする+N」になります。 |
| 〜を中心に… | 学ぼう!にほんご 初中級 第19課 | 前の名詞がいちばん大事な部分・真ん中で、そのまわりにほかのものも含まれることを表します。「九州地方を中心に(雨が降る)」のような場所の範囲、「会話を中心に(授業をする)」のような内容の主な部分、「20代を中心に(人気がある)」のような人の範囲を言います。「〜をもとに」が何を材料・根拠にしたかを言うのに対して、「〜を中心に」は中身のどこがいちばん大きいかを言います。ほかのものも含まれる、という含みがあるのがこの形の特徴です。 |
| 〜を通じて | 学ぼう!にほんご 中級 第24課 | 「Nを通じて」には二つの使い方があります。一つは、情報・気持ち・人のつながりが、Nを間に通って伝わる・手に入ることを表す使い方で、Nには人・メディア・活動などが来ます(「友人を通じて知り合った」「ボランティア活動を通じて学んだ」)。もう一つは、Nに期間を表す言葉が来て、その期間の全体ずっと、という意味を表す使い方です(「一年を通じて暖かい」)。読むときは、前の名詞が人やメディアか、期間かを見て、どちらの意味かを決めます。「〜を通して」もほぼ同じ意味で使われますが、「〜を通じて」のほうが少しかたい文章に出やすい傾向があります。 |
| 〜を通して/〜を通じて | できる日本語 中級 第15課 | 「Nを通して」で、情報や人とのつながりが、N というなかだち(人・メディア・活動)を経て届くことを表します。第6課で出た形のくり返しで、この課では「SNS を通して知った」「先輩を通じて紹介してもらった」のように、メディアや人を経て情報を得る使い方を中心にします。「Nで」は道具・手段を広く表しますが、「〜を通して」はそれを経て何かが伝わる・つながる場合に使い、はさみや箸のような道具には使いません。「〜を通じて」のほうがやや硬く、「一年を通じて(ずっと)」のように期間の全体を表す使い方もあります。 |
| 〜を通じて/〜を通して | できる日本語 中級 第6課 | 2つの使い方があります。一つは、ある期間のあいだずっと、という意味です(一年を通じて温暖だ)。もう一つは、何かを手段や仲立ちにして、という意味です(ボランティアを通じて地域の人と知り合う/友達を通して紹介してもらう)。「通じて」と「通して」はほとんど同じように使えますが、「通じて」のほうがやや硬く、人を仲立ちにするときは「〜を通して」がよく使われます。道や場所を体が通り抜けるときは「公園を通って駅へ行く」のように「通る」を使い、この表現は使いません。 |
| 〜を背にして | できる日本語 中級 第4課 | 「Nを背にして」は、Nに背中を向けた向き、つまりNを後ろにして立つ・進むことを表します。道案内では「駅を背にして、まっすぐ行ってください」のように、聞き手が立つ向きを決める出発点として使い、「Nを右に見て」「Nを左手に見ながら」と並んでよく出ます。電話では方向が言葉だけで伝わるので、まず自分の体の向きを決めてからメモを取ることが大切です。「Nに背を向けて」もほぼ同じ意味で、「Nを背に」と「して」を省くこともあります。 |
| 〜を問わず | できる日本語 中級 第17課 | 「Nを問わず」は、「Nがどうであっても関係なく」という意味で、募集や案内の条件によく出る書き言葉です。前に来るのは「国籍・年齢・経験・学部・男女」のように中にいくつかの違いを含む名詞や、「経験の有無」「昼夜」「文系・理系」のような対になる語です。「〜にかかわらず」(第4課)とほぼ同じ意味ですが、「にかかわらず」は「行くかどうかにかかわらず」のように文の形も受けやすく、「を問わず」は名詞につくことが多い言い方です。「〜に限らず」(第14課)は「〜だけでなく、ほかも」と範囲を広げる言い方で、意味の向きが少し違います。 |
| 〜んだから/〜のだから | できる日本語 中級 第11課 | 話し手も聞き手も知っている、または当然受け入れるはずの事情を理由として示し、だから〜するのが当たり前だ、と後ろで判断・忠告・依頼・不満を言う形です。約束を断られた側が「仕事なんだから、しかたないよ」と相手の事情を受け入れるとき、また「明日早いんだから、もう寝たら?」と忠告するときに使います。「〜から」「〜ので」はただ理由を述べるだけですが、「〜のだから」は「わかっているでしょう」と相手に納得を求める響きがあります。そのため、断る側が自分の事情に使うと押しつけがましく聞こえることがあり、断る側は「〜んだ」「〜て」で事情を言うほうが角が立ちません。「〜んだから」は会話、「〜のだから」は書き言葉や改まった話し方です。 |
| 〜んだって | できる日本語 初中級 第15課 | 人から聞いたことや、どこかで読んだことを、親しい人に伝える友達言葉です。「〜そうです(伝聞)」の話し言葉のくだけた形にあたり、話し合いの中で「こんな話があるよ」と話題を出すのに使います。上げ調子の「〜んだって?」にすると、聞いた話が本当かどうか相手に確かめる言い方になります。先生や目上の人には「〜そうです」「〜と言っていました」を使います。 |
| 〜んだろう/〜のだろう | できる日本語 中級 第5課 | 「〜んだろう/〜のだろう」は、ある出来事についてその理由や事情を推測する言い方です(「たぶん熱中症だったんだろう」)。「どうして〜んだろう」の形では、答えのわからない理由を自分に問いかける気持ちを表します(「どうしてあんなに落ち着いていられたんだろう」)。ふつうの「〜だろう」が出来事そのもの(起きるか・そうであるか)を推測するのに対し、「〜んだろう」は目の前の事実の背景にある事情を考えるときに使います。会話では「〜んだろう」、ていねいな会話では「〜んでしょう」、書き言葉では「〜のだろう」です。 |
| 〜んですが、〜 | できる日本語 初中級 第4課 | 自分の事情や希望を「〜んですが」で先に言い、そのあとに質問や頼みを続ける形です。いきなり「店はどこですか」と聞くより、なぜ聞くのかが相手に伝わるので、初めて話しかける人にも聞きやすくなります。第3課の「〜んです」に「が」をつけた形で、後ろを言わずに「〜たいんですが……」で止めても、相手が察して教えてくれることが多いです。話し言葉では「〜んですけど」もよく使います。文法の見方では、ノダ文の「前置き」のはたらきにあたり、言わずにおいた後ろの部分(教えてください、など)を相手に察してもらう言い方です。 |
| 〜んですか/〈疑問詞〉〜んですか/〜んです | できる日本語 初中級 第3課 | 「〜んですか」は、相手の話を聞いて興味を持ち、理由や事情をもっと知りたいときの聞き方です。「何になりたいんですか」「どうして日本の大学に行きたいんですか」のように疑問詞といっしょによく使います。答えるときや自分の事情を説明するときは「〜んです」を使います。初級で習った「どうしたんですか/〜んです」と同じ形で、ここでは相手の夢や計画について話を広げるのに使います。文法の用語ではノダ文(のだ・んです)で、話の背景にある事情について説明を求めたり、説明を与えたりする形です。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| (Nの)V方 | できる日本語 初級 第7課 | 動詞のます形から「ます」を取って「方」をつけると、「〜するやり方」という名詞になります。準備の場面で「この料理の作り方を教えてください」のように、やり方を聞くのに使います。もとの文で「を」だった名詞は、「の」でつなぎます(料理を作ります→料理の作り方)。「方」がついた形は名詞なので、「作り方がわかりません」「作り方は簡単です」のように「が」「は」もつきます。 |
| 〈V/いA/なA/N 普通形(〜だ→〜な)〉ので、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第39課 | 理由を言う形です。第9課の「から」と同じく「どうして」に答えますが、「ので」は事情を客観的に、やわらかく説明する感じがあり、許可を求める・頼む・誘いを断る・わびる、といった相手に気をつかう場面でよく使います。文型1・2の「て」「で」と違って、後ろに「〜てもいいですか」「〜ていただけませんか」のような働きかけを置くことができます。「から」は話し手の判断や言い分を強く出すことがあるので、目上の人に許可を求めるときは「ので」のほうが自然に聞こえることが多いです。前は普通形で、な形容詞と名詞の現在肯定は「だ」が「な」に変わります(第26課の「〜んです」と同じ接続)。 |
| 〈V/いA/なA/N 普通形(〜だ→〜な)〉のに、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第45課 | 前の文から当然こうなると思ったのに、実際には違う結果やようすになった、ということを言う文型です。前には事実として決まっていること(もう起きたこと・いまのようす・予定として決まっていること)が来て、後ろにはそれと合わない実際の結果やようすが来ます。話す人の不満・残念な気持ち・驚きがいっしょに伝わります(予約したのに、席がありませんでした/あしたテストなのに、弟は遊んでいます)。気持ちが入るので、「〜が、〜」「〜けど、〜」より強く聞こえます。後ろには、話す人の意志や相手への働きかけ(〜ます(意志)・〜てください・〜ましょう・〜たいです など)は来ません。第42課の「〜のに使います」(目的の「のに」)とは別のものです。文法の用語で言うと逆接の確定条件を表す接続助詞で、「〜ても」(逆接の仮定条件)と対になります。 |
| 〈V/いA/なA/N 普通形(〜だ→〜な)〉んですか | みんなの日本語 初級Ⅱ 第26課 | 相手の様子や持ち物を見て、または話を聞いて、「それはどういうことですか」と事情をたずねる言い方です。ただの質問(「行きますか」)と違い、目の前の何か(見たこと・聞いたこと)がきっかけになっていることを相手に示します。そのため、関心を持っていることが伝わり、会話が自然に始まります。一方で、きっかけが無いのに使ったり、目上の人に何度も使ったりすると、問い詰めているように聞こえることがあります。話し言葉では「んです」、書き言葉では「のです」になります。文法の用語では「ノダ文」と呼ばれ、話し手が目の前の状況や前の話と結びつけて説明を求めたり示したりする、説明のモダリティの一つとして扱われます。 |
| 〈V/いA/なA/N 普通形(なA 〜だ→〜な・N 〜だ→〜の)〉ようです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第47課 | 見たこと・聞こえたこと・においなど、その場の様子を手がかりにして、話し手が「たぶんこうだ」と判断する言い方です(推量)。はっきり確かめたわけではないので断定は避けますが、手がかりがあるぶん、ただの想像よりは根拠がある言い方になります。「どうも」を前に置くと「よく分からないが、どうも〜らしい」という気持ちが強まります。第32課の「〜でしょう」が予想や見通しを言うのに対して、「〜ようです」は目の前の手がかりから判断していることが前に出ます。 |
| 〈V/いA/なA/N 普通形(なA・N 〜だ)〉かどうか、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第40課 | 疑問詞のない疑問文(「はい」か「いいえ」で答える疑問文)を、ほかの文の中に入れる言い方です。「あしたは晴れますか」を「あした晴れるかどうか、わかりません」のように言い、はい・いいえのどちらなのかが分からない、確かめたい、心配だ、という気持ちを表します。作り方は文型1と同じで、普通形にして「かどうか」を付け、な形容詞と名詞の現在肯定は「だ」を付けません(便利かどうか・本当かどうか)。疑問詞があるときは「か」、ないときは「かどうか」で、二つを混ぜて「×何時に来るかどうか」とは言いません。後ろには「わかりません」「確かめます」「聞いてみます」「心配です」などが来ます。 |
| 〈V/いA/なA/N1 普通形(〜だ→〜な)〉のはN2です | みんなの日本語 初級Ⅱ 第38課 | 「わたしは小さな村で生まれました」を「わたしが生まれたのは小さな村です」と言い直すように、いちばん伝えたいことを文の最後のN2に置いて強める言い方です。前半の[普通形+の]は「〜したもの・〜したところ・〜した人・〜した時」などを指し、後半のN2がその答えになります。相手の質問に答えるときや、相手の思い込みを直すときに自然に使えます。な形容詞と名詞の現在肯定は、第26課の「〜んです」と同じく「だ」が「な」に変わります。 |
| 〈V1 て形〉から、V2 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第16課 | V1 が終わったあとで V2 をする、という前後の順序をはっきり言う形です。文型1の「〜て、〜て」も順番どおりに並べますが、「〜てから」は「V1 のあとで」という点を強く出すので、「何をしてから何をするか」を伝えたいときに使います。1つの文の中では1回だけ使うのが普通で、文全体の時制は V2 で決まります。文法の用語で言うと、時の前後関係を表す従属節で、形は似ていても理由の「〜から」(第9課)とは別のものです。 |
| 〈V1 ない形〉ないで、V2 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第34課 | いつもすること、またはすると思われていることを「しないで」、その代わりに別のことをする、と言う文型です。「バスに乗らないで、歩いて帰ります」は、乗るはずのバスに乗らず、代わりに歩く、という意味です。文型3では一つの動作のやり方を言っていましたが、ここでは二つの別の動作があり、一つを選ばずにもう一つを選んでいます。前後の動作は同じ人がします。文法の説明では、この用法を「代わりの動作(代替)」の ないで と呼び、文型3の付帯状況の ないで と分けて扱うことが多いです。 |
| 〈V1 ます形〉ながらV2 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第28課 | 「音楽を聞きながら勉強します」のように、同じ人が二つの動作を同時にすることを言う文型です。主な動作は後ろのV2で、前のV1は「どんなふうにしているか」を添える動作です。ですから「勉強しながら音楽を聞きます」と言うと、聞くほうが主な動作になります。また「働きながら大学に通っています」のように、同じ時間でなくても、ある期間に二つのことを並べて続けている場合にも使います。過去か現在か、丁寧かどうかはV2で表し、V1はいつも ます形 から ます を取った形です。文法の用語で言うと、同時の動作を表す従属節で、南不二男の分類では主節への結びつきがいちばん強い類(A類)に入れられます。 |
| 〈V1辞書形〉/〈V1 ない形ない〉ように、V2 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第36課 | 「忘れないように、手帳に書いておきます」「後ろの人にも聞こえるように、大きい声で話します」のように、V1 で目標や望む状態を示し、V2 でそのためにする行動を言う文型です。「ように」の前には、自分の力だけでは決められないことを表す形が来ます。可能形(読める・話せる)、「見える・聞こえる・届く・間に合う」のような動詞、そして「忘れない・遅れない・風邪をひかない」のようなない形です。V2 は自分で決めてする動作(書いておく・練習する・早く出る)です。V1 と V2 の主語は同じでも違ってもかまいません。「漢字を読む」「家を買う」のように自分で決めてする動作をそのまま目的にするときは、第42課の「〜ために」を使うので、この課では「ように」の前は可能形とない形を中心に練習します。 |
| 〈Vた形〉/〈Vない形ない〉ほうがいいです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第32課 | 「病院へ行ったほうがいいです」「無理をしないほうがいいです」のように、相手のために「こうするのがいい」「こうしないのがいい」と助言する文型です。するほうを勧めるときは動詞のた形に、しないほうを勧めるときはない形に「ほうがいいです」を付けます。た形を使っていても過去の意味ではなく、これからのことについての助言です。相手にはっきり行動を勧める言い方なので、目上の人に使うと強く聞こえることがあり、会話では「〜ほうがいいですよ」と「よ」を付けて、相手を心配している気持ちを添えることが多いです。 |
| 〈Vた形〉/Nのあとで、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第34課 | ある動作や出来事が終わって、その後に別のことをする(した)と言う文型です。動詞に付くときは必ず た形 で、これからのことを言う文でも「宿題をしたあとで、テレビを見ます」のように た形 を使います。名詞に付くときは「仕事のあとで」「授業のあとで」のように「の」を入れ、出来事を表す名詞に使います。第16課の「〜てから」と意味が近いですが、「あとで」は二つのことの時間の前後をはっきり言いたいときによく使います。試験の見方では、「〜たあとで」の た は「過去」ではなく、前の動作が後ろの動作より先に終わっていることを表す相対テンスの例としてよく取り上げられます。 |
| 〈Vた形〉/Nのとおりに、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第34課 | だれかがした動作や、説明書・図など手本になるものと「同じように」動作をする、と言う文型です。「わたしがしたとおりに、してください」は、先に見せたやり方を真似してほしいときの言い方で、動詞は た形 になります。名詞に付くときは「説明書のとおりに」「図のとおりに」のように「の」を入れます。これから言うことを手本にするときは「今から言うとおりに、折ってください」のように辞書形も使いますが、この課の中心は た形 と名詞の形です。文法の見方では、「とおり」は前に節や名詞を受けて働く形式名詞で、「〜とおりに」の部分全体が後ろの動作の仕方を説明しています。そのため「とおり」の前は、名詞を説明するときと同じ普通形になります。 |
| 〈Vた形〉ことがあります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第19課 | これまでにある経験をしたかどうかを言う文型です。動詞のた形に「ことがあります」を付けて、「富士山に登ったことがあります」のように言います。「きのう映画を見ました」が「いつ・何をしたか」という一回の出来事を言うのに対して、「〜たことがあります」は「(いつかは言わないが)今までにその経験がある」ことを言います。そのため、「きのう」「けさ」のような最近の決まった時の語や、毎日することには使いません。否定は「〜たことがありません」、経験が一度もないことを強く言うときは「一度も〜たことがありません」です。 |
| 〈Vた形〉ばかりです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第46課 | 動作が終わってから、まだあまり時間がたっていないと話し手が感じていることを言う文型です。「〜たところです」が終わった直後のその時点だけを言うのに対し、「〜たばかりです」は話し手の気持ちで決まるので、「先月日本へ来たばかりです」「去年結婚したばかりです」のように、時間がかなりたっていても使えます。そのため「まだ慣れていない」という理由や、「まだ新しいのに」という不満の前置きによく使われ、「買ったばかりなのに、もう壊れました」のように第45課の「のに」と結びつきやすい形です。「〜たばかりのN」で名詞を説明することもできます。 |
| 〈Vた形〉ら、〜(確定条件) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第25課 | 「駅に着いたら、電話をかけてください」のように、これから必ず起こることがあって、それが終わったあとで何をするかを言う文型です。形は文型1と同じですが、起こることが決まっているので「もし」は付けません。前の文のことが起こってから、うしろの文のことをする、という順番がはっきりしていて、予定・約束・頼みを言うときによく使います。「12時になったら」「授業が終わったら」のように、時間や決まった予定とよく結び付きます。文法の用語では「確定条件」(起こることが決まっている条件)と呼ばれ、文型1の仮定条件と形は同じでも、条件が成り立つことが話し手に分かっている点で分かれます。試験では、「〜たら」の「た」が過去ではなく、前のことが終わった(完了した)ことを表す、という見方で問われます。 |
| 〈Vた形〉り、〈Vた形〉りします | みんなの日本語 初級Ⅰ 第19課 | いくつかある動作の中から、例として二つぐらいを挙げて言う文型です。「日曜日は掃除したり、洗濯したりします」は、日曜日にすることの中から掃除と洗濯を例として挙げていて、ほかのこともするかもしれない、という含みがあります。動作の順番は表しません(順番を言うのは第16課の「〜て、〜て」)。時制は最後の「します」で決まり、過去なら「〜たり、〜たりしました」、希望なら「〜たり、〜たりしたいです」になります。 |
| 〈Vて形〉、〈Vて形〉、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第16課 | 2つ以上の動作を、した順に並べて1つの文にする言い方です。て形には時制がなく、文全体が現在のことか過去のことかは、最後の動詞(〜ます/〜ました)で決まります。並べる順番は動作の順番そのままなので、順番を入れ替えると意味が変わります。「それから」で文を切っていた(第6課)ところを、1つの文で言えるようになる、と考えると学習者に伝わりやすいです。文法の用語で言うと、テ形の用法のうち「継起(動作が続けて起こる)」に当たり、テ形の節はそれ自体では時制を持ちません。 |
| 〈Vて形〉/〈Vない形〉ないで〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第34課 | 後ろの動詞が本当にする動作で、前の「〜て」「〜ないで」は、その動作を「どんなふうに」「どんな状態で」するかを表す文型です。「しょうゆをつけて食べます」は食べるときのやり方、「傘をささないで行きます」は行くときの状態を言っています。二つの動作を順番に並べる第16課の「〜て、〜て」とは違い、ここでは前の部分が後ろの動作の説明になっています。否定は「〜なくて」ではなく「〜ないで」の形にします。文法用語では、この「〜て/〜ないで」を付帯状況(後ろの動作に付いてくる状態ややり方)と呼びます。 |
| 〈Vて形〉/〈Vない形〉なくて、〜 / 〈いA(い)〉くて/〈なA〉で、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第39課 | 前の文が原因、後ろの文がその結果として起きた気持ちや状態を言う形です。後ろには「びっくりしました・安心しました・困りました・うれしいです・寂しいです」のような気持ちや、「わかりません・食べられません」のような「できない」状態がよく来ます。前の出来事が自然に後ろの気持ちにつながる、一続きの言い方です。後ろには話し手の意志や働きかけ(〜たいです・〜てください・〜ましょう・〜つもりです など)は来ません。否定の原因は「〜なくて」で言い、「〜ないで」は使いません。「遅れて、すみません」のように、わびるときにも、自分がしたことを前に置いて同じ形を使います。 |
| 〈Vて形〉いただきます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第41課 | 目上の人や、あまり親しくない人に何かをしてもらったことを、受ける側(わたし)を主語にして言う形で、第24課の「〜てもらいます」の謙譲の言い方です。してくれた人には「に」が付きます。「〜てもらいます」と同じく、してもらってありがたいという気持ちが入るので、お礼やあいさつ、スピーチでよく使います。第26課で頼むときに使った「〜ていただけませんか」は、この「いただきます」を可能形にして疑問にした形だった、とここでつなげると、形の理由が分かります。 |
| 〈Vて形〉います | みんなの日本語 初級Ⅰ 第14課 みんなの日本語 初級Ⅱ 第28課 | 今その動作をしている最中であることを表します。「今、何をしていますか」「本を読んでいます」のように「今」といっしょに使うと意味がはっきりします。否定は「〜ていません」。この課で扱うのは目の前で進んでいる動作だけで、「結婚しています」「住んでいます」のような結果の状態や、「毎日〜ています」のような習慣は第15課に回します。「います」は人や動物の存在の「います」と形が同じですが、ここでは「雨が降っています」のように物が主語でも「います」のままです。 |
| 〈Vて形〉います(結果の状態) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第15課 | 動作が終わって、その結果が今も続いていることを表します。「結婚します」は結婚するという出来事ですが、「結婚しています」は結婚した状態が続いている、つまり「既婚である」という意味です。「住みます」「知ります」「持ちます」も同じで、「大阪に住んでいます」「田中さんを知っています」「車を持っています」は今の状態を言っています。第14課の「今 食べています」(動作の進行中)と形は同じでも、この課の動詞は進行の意味にならないので、動詞ごとに意味を押さえます。「知っています」の否定は「知りません」で、「知っていません」とは言わないのが特別です。 |
| 〈Vて形〉います(習慣的行為・職業) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第15課 | 同じ動作をくり返していること、特に仕事や職業を表します。「父は銀行で働いています」は、今この瞬間に働いているのではなく、銀行員として働き続けているという意味です。「大学で経済を研究しています」「英語を教えています」「この店は野菜を売っています」も同じ使い方です。「毎日〜ます」と言っても習慣は表せますが、「〜ています」は仕事や活動が続いていることに焦点があります。文型3と同じ形なので、場面で「状態」か「くり返し」かを分けて見せます。 |
| 〈Vて形〉おきます(準備) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第30課 | 「旅行の前にホテルを予約しておきます」のように、あとで困らないように、また、あとのことがうまくいくように、前もってしておく動作を言います。「〜の前に」「〜までに」と一緒に使うことが多いです。「予約します」だけでも事実は伝わりますが、「予約しておきます」と言うと「あとのために」という目的がはっきりします。前もってしたことの結果がいま残っているときは、文型1の「〜てあります」で言えます(予約しておきました→予約してあります)。 |
| 〈Vて形〉おきます(措置) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第30課 | 物を使ったあとや、何かが終わったあとに、次に困らないように片づけたり元に戻したりしておく、という使い方です。「食べたら、お皿を洗っておいてください」「会議が終わったら、いすを並べておいてください」のように、頼む形や、第25課の「〜たら」と一緒に出ることが多いです。文型3の準備と同じ「あとのために」ですが、こちらは「使った・終わった」あとの始末に重心があります。 |
| 〈Vて形〉おきます(放置) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第30課 | いまの状態を変えないで、そのままにしておく、という使い方です。「暑いですから、窓を開けておいてください」は、窓がもう開いているなら「閉めないでください。いまのままがいいです」という意味になります。「そのままにしておいてください」もよく使います。相手が変えようとしたときにも、「窓を閉めましょうか」「いいえ、そのままにしておいてください」のように、相手の申し出を断る場面でよく出ます。 |
| 〈Vて形〉ください | みんなの日本語 初級Ⅰ 第14課 | 相手にある動作をするように頼む・指示する・勧める言い方です。先生が学生に出す指示、客が店の人やタクシーの運転手に頼むこと、家に来た人に「どうぞ食べてください」と勧めることまで、同じ形で言えます。丁寧な形ですが、目上の人に「こうしてください」と頼むには直接すぎることがあるので、「すみませんが」「ちょっと」を前に付けてやわらげる言い方もいっしょに出します。第3課の「Nをください」(物をもらう)と似ているので、こちらは動詞のて形に付く、という点を強調します。 |
| 〈Vて形〉くださいます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第41課 | 目上の人が自分のために何かをしてくれたことを、してくれた人を主語にして言う形で、第24課の「〜てくれます」の尊敬の言い方です。文型4の「〜ていただきます」と同じ出来事を、見る側を変えて言ったものと考えると分かりやすく、どちらにも「ありがたい」という気持ちが入ります。受ける人の示し方は第24課と同じで、もとの動詞の助詞のまま(わたしに・わたしを・わたしのNを)です。受けるのが自分の子どもなど自分の側の人のときにも使えます。 |
| 〈Vて形〉くださいませんか | みんなの日本語 初級Ⅱ 第41課 | 目上の人や知らない人に、丁寧に頼むときの言い方です。第14課の「〜てください」も丁寧な形ですが、相手にしてほしいことをそのまま言う形なので、目上の人に頼むには少し強く聞こえることがあります。「〜てくださいませんか」は、文型2の「くださいます」を否定の疑問にして、するかどうかを相手に決めてもらう形にしたもので、ずっと柔らかくなります。第26課の「〜ていただけませんか」も同じくらい丁寧な頼み方で、どちらを使ってもよく、「いただけませんか」のほうが少し丁寧だと感じる人が多いようです。 |
| 〈Vて形〉しまいました(遺憾) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第29課 | 「財布をなくしてしまいました」「コップが割れてしまいました」のように、思ってもいなかった困ったことが起きて、残念だ・困った・申し訳ないという気持ちを言う文型です。形は文型3と同じですが、こちらは気持ちを伝えるのが中心で、ふつう「〜てしまいました」の過去の形で使います。自分の失敗を言うときは「なくす・忘れる・落とす」のような他動詞(「を」)が多く、物が勝手にそうなったと言うときは「壊れる・割れる」のような自動詞(「が」)が多いです。会話では第26課の「んです」を付けて「〜てしまったんです」と言い、事情を説明して助けを頼む前置きにすることがよくあります。文法の用語では、話し手の残念な気持ちを表すこの意味は、アスペクトではなく話し手の気持ち(モダリティ)に近い用法として、文型3の完了の意味と分けて扱われます。 |
| 〈Vて形〉しまいます/しまいました(完了) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第29課 | 「宿題はもう全部やってしまいました」のように、ある動作を最後まで終える・すっかり終えたことを言う文型です。「書きました」と言うより「残らず全部」「片づけた」という感じが強くなります。「〜てしまいました」で終えたこと、「〜てしまいます」でこれから全部終えるつもりであることを言い、「もう」「全部」「〜までに」といっしょによく使います。「〜てしまいます」はこれからのことなので、「今晩中に」「あしたまでに」のような時の言葉を付けると意味がはっきりします。文法の用語では、「〜てしまう」は動作が終わりまで行くことを表すアスペクトの形として説明され、文型4の気持ちの意味(モダリティに近い意味)と同じ形を持っています。 |
| 〈Vて形〉はいけません | みんなの日本語 初級Ⅰ 第15課 | 「〜することは許されない」という禁止を表します。決まりや規則(教室・図書館・病院・標識)を言うときの形で、文型1の「〜てもいいですか」に「いいえ」と答えるときにも使います。個人的なお願いで「しないでほしい」と言うときには強すぎるので、その言い方は第17課の「〜ないでください」で習うと予告しておきます。 |
| 〈Vて形〉みます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第40課 | 結果や様子がまだ分からないことを、知るために実際にやってみることを表します。「この服を着てみます」は、似合うかどうか・サイズが合うかどうかを知るために着る、という意味です。「〜てみてください」で人にすすめ、「〜てみたいです」でまだしたことのないことへの興味を言えます。実際にその動作をするのが前提なので、「しようとしたができなかった」ことには使いにくい言い方です(「早く起きてみました」は、実際に早く起きたという意味になります)。また、毎日決まってすることには使いません。文型1・2の「〜か/〜かどうか」と組み合わせて、「合うかどうか、着てみます」のように使うことが多いです。 |
| 〈Vて形〉も、〜 / 〈いA(い)〉くても、〜 / 〈なA〉でも、〜 / Nでも、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第25課 | 「雨が降っても、散歩します」のように、前の文のことがあっても、うしろの文のことは変わらない、と言う文型です。普通なら「雨が降ったら、散歩しない」と考えるところを、その予想と反対になることを言うときに使います。動詞は て形 に「も」、いA は「〜い」を取って「〜くても」、なA と N は「〜でも」を付けます。「いくら考えても、分かりません」のように「いくら」と一緒に使うと、「どんなにしても」という気持ちが強くなります。文法の用語では「逆接の仮定条件」と呼ばれ、文型1の「〜たら」(順接の条件)と反対の向きになります。試験では、普通なら予想される結果と反対のことがうしろの文に来る、という見方と、「いくら」「どんなに」のような語が前に来て意味を強める点が問われます。 |
| 〈Vて形〉もいいですか | みんなの日本語 初級Ⅰ 第15課 | 相手に「〜してもかまいませんか」と許可を求める言い方です。答えは「ええ、どうぞ」「ええ、いいですよ」のように受け入れるか、「すみません、ちょっと……」のように断ります。断るときに「いいえ、いけません」と言うのはかなり強いので、ふつうの場面では使わないことも一緒に教えます。て形に「も」が付くことで「〜しても、問題ない?」という意味になります。 |
| 〈Vて形〉やります | みんなの日本語 初級Ⅱ 第41課 | 自分の子どもや弟・妹、動物のために何かをすることを言う形で、第24課の「〜てあげます」と同じ向きです。「子どもに絵本を読んでやりました」「犬を散歩に連れて行ってやります」のように、受ける人の示し方はもとの動詞の助詞のままです。文型3の「やります」と同じく、今は年下の家族や動物にも「〜てあげます」を使う人が多いので、聞いて分かることを中心にし、自分で使うのは家族や動物の話に限ると教えます。友だちや目上の人に使うと、相手を下に見ていると聞こえます。 |
| 〈Vて形〉来ます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第43課 | どこかへ行って、そこで何かをして、また今いる場所へ戻ってくる、という一続きの動きを一言で言う文型です。「ちょっと飲み物を買って来ます」は「行く→買う→戻る」をまとめた言い方で、席や部屋を少しの間離れるときによく使います。「来ます」は「戻ってくる」の意味なので、今いる場所に戻ることが前提です。「〜て来ました」は、もう用事をして戻ったことを言います。「来ます」は話し手のいる場所に近づく動きを表す語なので(ダイクシス)、話し手のいる所に戻らない用事には使いません。 |
| 〈Vない形〉ないでください | みんなの日本語 初級Ⅰ 第17課 | 相手に「〜しないで」と頼む表現です。第14課の「〜てください」の否定にあたります。第15課の「〜てはいけません」が規則としての禁止で強いのに対して、「〜ないでください」は話し手の頼みや気遣いとして使うので、医者の指示や係の人の案内に合います。「心配しないでください」のように、相手の気持ちを和らげる言い方にもなります。形の面では、第14課の「〜てください」の「て」の位置に「ないで」が入った形で、肯定と否定の依頼が一組になります。 |
| 〈Vない形〉なくてもいいです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第17課 | 「〜する必要はない」「〜しなくてもかまわない」という意味です。文型2「〜なければなりませんか」に「いいえ」で答える形として入れると、2つの文型が対になって覚えやすくなります。第15課の「〜てもいいです」(許可)と形が似ていますが、こちらは「しなくてよい」で、「してはいけない」(禁止)ではありません。モダリティでいえば「不必要」を表す形で、義務を表す「〜なければなりません」を否定したときの答えにあたります。 |
| 〈Vない形〉なければ、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第35課 | 「急がなければ、間に合いません」のように、「そうしないと、困ったことになる・できない」と言う形です。ない形の「ない」を「なければ」に替えて作ります(い形容詞の「〜い→〜ければ」と同じ変え方です)。うしろには「〜ません」「〜られません」「困ります」のような、よくない結果が来ることが多く、相手に「だから、してください」と遠回しに伝えるはたらきもあります。第17課の「〜なければなりません」は、この「〜なければ」に「なりません(だめです)」が付いた形なので、ここでつなげて見せると、学生には前に覚えた形の意味が見えます。 |
| 〈Vない形〉なければなりません | みんなの日本語 初級Ⅰ 第17課 | 「〜する必要がある」「〜しないと困る」という義務・必要を表します。形は否定が2つ重なっていますが、意味は肯定で、「します」の側です。自分のこと(予定・決まり・医者に言われたこと)を言うときに使うことが多く、「〜なければなりませんか」と聞かれたら、「いいえ」の答えは文型3の「〜なくてもいいです」になります。「〜ません」で終わるのに否定ではないことが、学習者のいちばん大きな混乱のもとです。文法用語ではモダリティのうち義務・必要を表す形です。話し言葉では「〜なければいけません」「〜なきゃ」も聞きますが、この課では「なりません」の形にそろえて練習します。 |
| 〈Vます形〉/〈いA(い)〉/〈なA〉すぎます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第44課 | 動作や状態の程度が、ちょうどいいところを越えていることを言う文型です。動詞はます形から「ます」を取った形に、い形容詞は最後の「い」を取った形に、な形容詞はそのままの形に「すぎます」を付けます。程度が多すぎて困る・よくない、という気持ちで使うことがほとんどです。「すぎます」は動詞(グループII)として活用するので、「食べすぎて」「飲みすぎないでください」「高すぎました」のように形を変えて使えます。 |
| 〈Vます形〉そうです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第43課 | 目の前のようすを見て、「もうすぐそうなる」「このままだとそうなる」と話し手が判断していることを言う文型です。黒い雲を見て「雨が降りそうです」、机の端に置いた本を見て「落ちそうです」のように、まだ起こっていないことの見通しを言います。根拠は話し手がいま見ているようすで、人から聞いた話ではありません。「今にも」「もうすぐ」といっしょに使うことが多く、名詞の前では「〜そうなN」の形になります。文法の用語では、話し手の判断を表すモダリティの一つで、「様態」の「そうだ」と呼ばれます。第47課の伝聞の「そうだ」とは付く形が違い(降りそう/降るそう)、教師向けの試験や参考書でもこの二つは並べて説明されます。 |
| 〈Vます形〉たいです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第13課 | 話し手がしたいことを言う文型です。動詞のます形に「たい」を付けます。「〜たい」が付いた形はい形容詞と同じ活用で、「〜たくないです」「〜たかったです」「〜たくなかったです」になります。目的語は「を」のままでも、「が」に替えてもかまいません(「ビールを飲みたいです」「ビールが飲みたいです」)。「Nが欲しいです」と同じく、質問の「〜たいですか」は近い相手に使い、目上の人には使いません(上司に「コーヒーを飲みたいですか」は失礼で、「コーヒーはいかがですか」「〜ませんか」で代える)。ほかの人のことを言い切る形にも使いません。この課で出る「何か」「どこか」と組み合わせると、「何か食べたいです」「どこか(へ)行きたいです」のように言えます。 |
| 〈Vます形〉ましょうか | みんなの日本語 初級Ⅰ 第14課 | 相手のために自分が何かをすることを申し出る言い方です。「(わたしが)持ちましょうか」のように、する人は話し手で、相手は「すみません、お願いします」と受けるか、「いいえ、けっこうです」と断ります。第6課の「いっしょに行きましょう」は相手を誘う言い方で、こちらは相手の負担を引き受ける申し出なので、「いっしょに」が付かない・「か」で終わる、という形の違いと、相手が困っている状況から導入します。 |
| 〈Vます形〉やすい/にくいです(意志動詞) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第44課 | 人がする動作(意志動詞)のます形に「やすい」「にくい」を付けて、その動作をするのが楽か、大変かを言う文型です。「〜は」で話題になるのは人ではなく、動作の対象・道具・場所になる物です(このペンは書きやすいです=このペンで書くのが楽)。物や場所の性質を評価する言い方なので、その物の形や作りが理由になります。「やすい・にくい」は い形容詞として活用し、「書きやすくて」「住みやすい町」「読みにくかったです」のように使えます。 |
| 〈Vます形〉やすい/にくいです(無意志動詞) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第44課 | 人の意志とは関係なく起こる変化や出来事(無意志動詞: 汚れます・割れます・乾きます・起きます など)のます形に「やすい」「にくい」を付けて、そうなることがよくあるか、なかなかそうならないかを言う文型です。文型2が「人がするのが楽か大変か」だったのに対して、こちらは「その変化が起こりやすい性質や傾向」を言います。主語は変化する物(白いシャツは汚れやすいです)や、時期・場所(雨の日は事故が起きやすいです)です。よい変化にも悪い変化にも使え、「やすい=よい」ではないことに注意させます。 |
| 〈V意向形〉と思っています | みんなの日本語 初級Ⅱ 第31課 | 「来年、大学院で勉強しようと思っています」のように、話し手がしようと考えている計画を言う文型です。「と思っています」は、その考えを少し前から持ち続けていることを表します。「と思います」も使えますが、こちらは話しているその時に考えた・決めた感じになることが多いです。ほかの人の計画を言うときは「〜さんは国へ帰ろうと思っています」のように「と思っています」を使い、「と思います」は使いません。 |
| 〈V辞書形〉/〈Nの〉ために、Vます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第42課 | 「〜ために」の前に目的を、後ろにその目的のためにする動作を言う文型です。「国へ帰るために、お金をためています」のように、前も後ろも同じ人が自分の意志でする動作になるのが基本で、前の動詞は辞書形を使います。名詞のときは「Nのために」で、「健康のために、毎朝走ります」のような目的のほかに、「家族のために、働きます」のように「その人の役に立つように・その人を思って」という意味にもなります。第36課の「〜ように」も目的を言いますが、「ように」の前は「読める」「忘れない」「上手になる」のように自分の意志だけでは決められないことが来る、という点で分かれます。 |
| 〈V辞書形〉/〈Nの〉予定です | みんなの日本語 初級Ⅱ 第31課 | 「来月、大阪の支店へ出張する予定です」「会議は3時に終わる予定です」のように、もう決まっている予定を言う文型です。「つもりです」は話し手の意志ですが、「予定です」は会社やほかの人が決めたこと、時間割のように決まっていることにも使え、自分の意志とは限りません。そのため、会議・電車・式などの物や行事を主語にして言うこともできます。名詞には「の」を付けて「出張の予定です」「来週の予定です」とします。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vた形〉とき、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第23課 | 「とき」の前の動詞を辞書形にするか、た形にするかで意味が変わります。辞書形(「帰るとき」)は、うしろの動作がその動作の前、または途中に起こることを表し、た形(「帰ったとき」)は、その動作が終わった後に起こることを表します。決め手は今から見た過去・未来ではなく、二つの動作の順番です。だから、来年のことでも「来年国へ帰ったとき、家族に会います」とた形を使い、きのうのことでも「きのう家を出るとき、電気を消しました」と辞書形を使います。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vて形〉いる/〈Vた形〉ところです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第46課 | ここでの「ところ」は場所ではなく、時間の流れの中の「点」を言います。辞書形に付くと動作が始まる直前(これから出かけるところです)、「〜ている」に付くと動作のちょうど途中(今、ご飯を食べているところです)、た形に付くと動作が終わった直後(たった今着いたところです)を表します。相手に「いま自分がどの段階にいるか」を伝えたいときの言い方で、電話や来客で「今いいですか」と聞かれて答える場面によく使います。「〜ています」が今している事実を言うのに対し、「〜ているところです」は「ちょうどその最中だ」とその時点を取り立てて言う感じがあります。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vない形〉/〈Vた形〉/〈いA〉/〈なA〉な/Nの場合は、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第45課 | 「もしそういう状況になったら」という仮定の状況を示し、そのときにどうするか、どうなるかを言う文型です。学校や会社の規則、店の案内、説明書など、起こるかもしれないいくつかの状況を想定して、それぞれの対応を決めておく話によく使います。後ろには「〜てください」「〜なければなりません」「〜ことができます」のような指示・決まり・案内や、「どうしたらいいですか」という質問がよく来ます。「〜たら」と意味は近いですが、「場合は」は少しかたい言い方で、お知らせや説明の文に向いています。また、きのう実際に起きた一回だけのことには使いません。文法の用語で言うと、「場合」は前の文に説明される名詞(形式名詞に近い使い方)で、全体で仮定の条件を表します。前に来る形が名詞を説明する形(連体形)になるのはそのためです。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vない形〉ない/〈いA〉/〈なA〉な/Nのはずです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第46課 | 予定・規則・聞いた話などの根拠があって、話し手が「当然そうなる・そうであるに違いない」と判断していることを言う文型です。「たぶん来るでしょう」が推量を言うだけなのに対し、「来るはずです」には「きのう『行きます』と言っていたから」のような根拠があり、話し手の確信が強くなります。自分の意志で決めることには普通使わず(自分で決めた帰国を「来年国へ帰るはずです」とは言いません)、それは第31課の「つもりです」で言います。前に来る形は名詞を説明するときと同じで、な形容詞は「な」、名詞は「の」を付けます。教科書の文型は辞書形・ない形ですが、「もう着いたはずです」のようにた形も使えます。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vない形〉ないとき、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第23課 | 「わからないとき、先生に聞きます」のように、ある状況になったときにどうするかを言う形です。「とき」は名詞なので、前の動詞は普通形(ここでは辞書形・ない形)で、「とき」のあとに「、」を打って、そのときにすることを続けます。文の終わりの「〜ます/〜ました」で丁寧さが決まるので、「とき」の前は丁寧形にしません。「時間がないとき」「雨が降るとき」のように、決まった状況でいつもすることを言うときによく使います。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vない形ない〉つもりです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第31課 | 「来年の3月に国へ帰るつもりです」のように、話し手がもう決めている意志や計画を言う文型です。「意向形と思っています」より、はっきり決めている感じが強くなります。しないと決めているときは「〜ないつもりです」を使います(「たばこはもう吸わないつもりです」)。人の意志を聞くときに使うこともできますが、目上の人に「〜つもりですか」と直接聞くと、失礼に聞こえることがあります。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vない形ない〉ようにしています | みんなの日本語 初級Ⅱ 第36課 | 「毎日運動するようにしています」「夜遅く甘い物を食べないようにしています」のように、自分で気をつけて、ふだん続けていることを言う文型です。「〜ようにします」で「これからそうするように気をつける」という決心を、「〜ようにしています」でそれを習慣として続けていることを表します。第15課の「〜ています(習慣)」は事実として毎日していることを言うだけですが、「〜ようにしています」には「できるだけそうしようと気をつけている」という気持ちが入ります。そのため、いつも必ずできているとは限らないことにも使え、「できるだけ」といっしょによく使います。 |
| 〈V辞書形〉/〈Vない形ない〉ようにしてください | みんなの日本語 初級Ⅱ 第36課 | 「授業に遅れないようにしてください」「薬は毎日飲むようにしてください」のように、相手にこれから続けて気をつけてほしいことを頼む文型です。第14課の「〜てください」、第17課の「〜ないでください」が今その場の一回の動作を頼むことが多いのに対して、「〜ようにしてください」は、ふだんの習慣や、これから何度もある場面での注意を頼みます。そのため、先生や医者、会社の上の人がルールや注意を伝えるときによく使い、その場の動作を直接頼むのではなく、気をつける方向を示す言い方なので、決まりや注意を伝える響きがあります。今すぐ一回だけしてほしいこと(窓を開ける・ここに名前を書く)には使いません。 |
| 〈V辞書形〉/Nの/〈期間〉まえに、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第18課 | 「〜まえに」のあとの動作が先に起こることを言います。動詞は辞書形で、主文(あとの文)が過去でも「まえに」の前は辞書形のまま変わりません(「日本へ来るまえに、日本語を勉強しました」)。名詞には「の」を付け(食事のまえに)、期間(1時間・3日・2年)には「の」を付けずに「3年まえに」とします。期間に付くときは「〜前のことだ」という意味で、動作の順序ではなく「いつ」を言う使い方です。第16課の「〜てから」は先にする動作を前に言う形で、「まえに」はあとにする動作を前に言う形です。 |
| 〈V辞書形〉と、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第23課 | 「このボタンを押すと、お湯が出ます」のように、前の動作をすると、そのあと必ず・自然にうしろのことが起こる、という関係を言う形です。機械の使い方、道順(「まっすぐ行くと、右に駅があります」)、自然のこと(「春になると、暖かくなります」)を言うのによく使います。うしろには、話す人の意志や頼み(「〜てください」「〜たいです」「〜ましょう」)は来ません。前の動詞は辞書形(否定なら「〜ないと」)で、た形にはしません。文法の用語では、前のことが成り立つといつもうしろのことが起こる関係を表す条件表現の一つで、うしろに意志を表す文が来ないのが「と」の大きな特徴です。 |
| 〈V辞書形〉のがAです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第38課 | 第9課の「Nが好きです」「Nが上手です」のNの場所に、[V辞書形+の]を入れる文型です。好き・嫌い・上手・下手・速い・遅いなど、「人がどうか」を言う形容詞といっしょに使い、「わたしは歌うのが好きです」「父は歩くのが速いです」のように、その人の好み・得意・苦手・速さを言います。文型1の「〜のは」が行為そのものの評価なのに対し、こちらは人(「〜は」で示す)について述べる文だと考えると分けやすくなります。 |
| 〈V辞書形〉のに/Nに〜かかります | みんなの日本語 初級Ⅱ 第42課 | ある目的をはたすのに、どれだけの時間やお金が必要かを言う文型です。「駅まで行くのに30分かかります」「家を建てるのに、お金がたくさんかかります」のように、「〜のに」「Nに」で目的を言い、そのあとに時間やお金の量と「かかります」を続けます。第11課の「〜から〜まで〜かかります」は移動の時間でしたが、この課では「何をするのに」かを言えるので、仕事・勉強・買い物などにも広がります。「かかります」の代わりに「要ります」を使って、必要な物や量を言うこともできます。 |
| 〈V辞書形〉のはAです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第38課 | 動詞の辞書形に「の」を付けると、「〜すること」という意味の名詞のまとまりになります。それを「は」で話題にして、後ろに「難しい・楽しい・危ない・大変だ」などの形容詞を置き、その行為そのものについての評価や感想を言う文型です。だれがしても言えるような一般的な評価に使うことが多く、「の」の代わりに第18課の「こと」を使っても意味はほとんど変わりません。「の」の中の文の目的語には、もとの文と同じ「を」がそのまま残ります。 |
| 〈V辞書形〉のを忘れました | みんなの日本語 初級Ⅱ 第38課 | するはずだったこと・するつもりだったことを、忘れてしなかったと言う文型です。「傘を忘れました」は物を置いてきたことですが、「かぎを掛けるのを忘れました」は「かぎを掛ける」という行為をしなかったことを言います。「の」の前は、したかどうかが問題の行為なので、過去のことでも辞書形を使います。「〜のを忘れないでください」の形で、相手に注意するときにもよく使います。 |
| 〈V辞書形〉ようになりました | みんなの日本語 初級Ⅱ 第36課 | 「漢字が読めるようになりました」「毎朝新聞を読むようになりました」のように、前はできなかったこと・しなかったことが、時間がたって、できるように・するように変わったことを言う文型です。可能形に付くと能力の変化(泳げるようになりました)、ふつうの動詞に付くと習慣の変化(自分で料理を作るようになりました)になります。第19課の「〜くなります/〜になります」は形容詞や名詞の変化でしたが、ここでは動詞の変化を言います。「〜ようになりましたか」と聞かれて、まだ変わっていないときは「いいえ、まだ〜ません」で答えます。できていたことができなくなったときは「〜ないようになりました」より「〜なくなりました」がふつうです(このごろ泳げなくなりました)。 |
| 〈V条件形〉 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第35課 | 「行けば」「食べれば」のような動詞の形を条件形と呼び、「このボタンを押せば、ドアが開きます」のように、うしろのことが成り立つための条件を言います。作り方は三つのグループで決まり、グループIはます形の前の「い段」の音を「え段」に変えて「ば」を付け、グループIIは「ます」を「れば」に替え、グループIIIは「します→すれば」「来ます→来れば(くれば)」をそのまま覚えます。第25課の「〜たら」と同じ意味で使える場面も多いですが、「〜ば」は「その条件があれば、こうなる」と条件のほうに重みがあり、「駅に着いたら、電話します」のような「〜したあとで」の使い方はありません。また、前の文が動作の動詞で、特に前とうしろの主語が同じとき、うしろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たいです」のような頼み・誘い・希望を置くと不自然になることが多いので、初級ではそのときは「〜たら」を使う、と線を引いておくと安全です。 |
| 〈V普通形〉のを知っていますか | みんなの日本語 初級Ⅱ 第38課 | ある出来事や事実を、相手がもう知っているかどうかをたずねる文型です。ニュースやうわさ、学校や会社の予定などを話題にするときによく使います。知らせたい内容を普通形で言い、「の」を付けて「知っていますか」の目的語にします。普通形なので、これから起こること(辞書形)・もう起こったこと(た形)・否定(ない形)のどれも入ります。答えは「はい、知っています」、知らなかったときは「いいえ、知りませんでした」で、「知っていません」とは言いません。 |
| Aがっています | できる日本語 初中級 第14課 | ほかの人の気持ちや望みを、外から見た様子として伝える言い方です。日本語では「ほしい」「寂しい」「〜たい」のような気持ちの言葉を、ほかの人について「〜はほしいです」とそのまま言い切ることはしないので、「ほしがっています」「行きたがっています」のように「がる」をつけます。ST2 では、プレゼントを相談するときに、贈る相手が何をほしがっているかを伝えるのに使います。文法の用語では、感情・感覚・願望を表す形容詞や「〜たい」は、話し手自身のことは言い切れてもほかの人のことは言い切れない(人称の制限)ので、接尾辞「がる」を付けて外から見た様子を表す動詞にします。「がっています」の「ている」は、いまその様子が続いていることを表します。 |
| Aすぎます | できる日本語 初中級 第2課 | 程度がちょうどよいところを超えていて困ることを表します。「大きすぎます」「高すぎます」のように、品物のどこが合わないかを言い、買わない理由や別の物を頼む理由にします。ふつうはよくないことに使います。「すぎます」は動詞と同じように変わり、「高すぎました」「大きすぎて、〜」とも言えます。 |
| Aそうです(様態) | できる日本語 初中級 第2課 | 品物や料理を見た感じから「〜のようだ」と判断して言う形です。まだ確かめていないこと(味・重さ・値段・使い心地など)について、見た目から感想を言うときに使い、買い物の場面で友達と品物を見比べるのに欠かせません。色や形のように見ただけで分かることには使いません。初級第15課の伝聞の「〜そうです」とは形も意味も違うので、並べて区別させます。文法の用語では様態の「そうだ」と呼ばれ、話し手が見た目からどう判断したかを表すモダリティの一つです。 |
| AそうにV | できる日本語 初中級 第10課 | 人の様子を外から見て、その人がどんな様子で何をしているかを言う形です。「子どもがおいしそうにアイスを食べています」。第2課の「Aそうです(様態)」を、第7課の形容詞の副詞的用法と同じように動詞の前に置いた形です。外から見た様子を言うので、目の前の人や写真の人を説明するときに使います。文法の用語では、様態の「そうだ」がナ形容詞と同じ形で変わったもので、名詞の前では「楽しそうな人」、動詞の前では「楽しそうに話す」になります。 |
| AよりBのほうが〜 | 学ぼう!にほんご 初中級 第5課 | 初級で習った、二つを比べて「Bのほうが上だ」と言う形の復習です。この課では、表や資料で集めた情報を比べたあと、最後にどちらを選ぶかをはっきり言う文として使います。「AはBに比べて〜」が基準を立てて違いを説明する形なのに対して、「AよりBのほうが〜」は選んだ結果を言う形なので、説明の最後に置くと話のまとまりがよくなります。動詞どうしを比べるときは「〜するより〜するほうが」で、「ほうが」の前には「の」を入れません(「より」の前は「歩くのより」とも言えます)。打ち消しで言うときは「AはBほど〜ない」になります。 |
| N(人)は〈場所〉にいます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第10課 | 話題にしている人や動物がどこにいるかを言う形で、文型4の「います」版です。「〜さんはどこにいますか」と居場所を尋ね、「会議室にいます」「国にいます」のように答えます。遠くにいる家族や、今その場にいない同僚について話すときによく使う形で、短く答えるなら「〜さんは会議室です」も使えます。 |
| N(物)は〈場所〉にあります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第10課 | 話し手も聞き手も知っている物を話題にして、その物がどこにあるかを言う形です。文型1が「〈場所〉に何がありますか」(新しい情報は物)に答える文だったのに対して、こちらは「Nはどこにありますか」(新しい情報は場所)に答える文で、物が「は」で前に出て場所が後ろに来ます。場所を短く答えるだけなら第3課の「〈場所〉です」でもよく、「ペンは机の上です」と「ペンは机の上にあります」は同じ場面で使えます。文法の用語ではこれを所在文と呼び、文型1の存在文とは「が/は」の選び方と語順で対になります。教師研修や試験でも、この2つの文の違いは「は」と「が」の典型例として出てきます。 |
| N(物/こと)が受身V | みんなの日本語 初級Ⅱ 第37課 | 「来月、公園でお祭りが行われます」「駅の前に新しいビルが建てられました」のように、物や出来事を主語にして、それがどうされたかを伝える文型です。このような文では、だれがしたかは大事でない・言わなくても分かる・たくさんの人がしている、ということが多く、する人は言わないのがふつうです。「が」を使うのは、その出来事を新しい知らせとして伝えるとき(ニュースや案内)で、「何がありましたか」「何がありますか」に答える文に近い使い方です。 |
| N(物/こと)は受身V | みんなの日本語 初級Ⅱ 第37課 | 「この橋は100年前に造られました」のように、話題にしている物や出来事を「は」で示し、それについて「いつ・どこで・何から作られたか」などを説明する文型です。文型3の「が」が新しい知らせを伝えるのに対し、「は」は相手もすでに知っている物、目の前にある物について説明するときに使います。作った人・見つけた人・考えた人を言いたいときは、「に」ではなく「によって」を使うことが多く(「この絵は有名な画家によって描かれました」)、材料は、形が見えるものは「で」、形が変わって見えないものは「から」で言うのが目安です。 |
| N/〈V辞書形〉ことができます(状況可能) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第18課 | 形は文型1と同じですが、人の能力ではなく「その場所・そのやり方で、できる・できない」という状況を言います。「図書館で本を借りることができます」のように、主語は言わず「〜で」「〜から」などの場所や手段が先に立ちます。禁止の「〜てはいけません」(第15課)は「してはだめ」というルール、「〜ことができません」は「ここではできない」という事実の言い方で、後者のほうがやわらかく聞こえます。 |
| N/〈V辞書形〉ことができます(能力) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第18課 | 人が持っている能力(できること)を言う文型です。名詞なら「日本語ができます」「ピアノができます」、動詞なら辞書形に「こと」を付けて「泳ぐことができます」の形にします。動作の対象は「を」ではなく「が」で受けます。第9課の「上手です」は「じょうずか へたか」の評価、こちらは「できるか できないか」なので、「できますが、上手じゃありません」という言い方が成り立ちます。 |
| N1 とN2 とどちらがAですか。 / …N1 のほうがAです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第12課 | 2つのものを並べて、どちらの程度が上か尋ねる形と、その答え方です。選ぶ相手が2つのときは、人でも物でも場所でも時でも、疑問詞は「どちら」を使います。答えは「〜のほうが」で選んだ方を言い、同じなら「どちらも〜です」と答えます。疑問詞が主語なので助詞は「が」で、「は」にはなりません。文法の見方で言えば、2つの中から選ばせる疑問詞疑問文で、疑問詞「どちら」が主語なので「が」で示し、答えでも選んだものを「が」で示します。 |
| N1 はN2 に受身V | みんなの日本語 初級Ⅱ 第37課 | 「先生がわたしを褒めました」という出来事を、されたほうの「わたし」から言うと「わたしは先生に褒められました」になります。これが受身の基本の文型で、動作を受けた人(N1)を「は」で、動作をした人(N2)を「に」で示します。日本語では、自分や自分に近い人に起きたことを、その人の立場から話すことが多く、「先生がわたしを褒めました」より「(わたしは)先生に褒められました」のほうが自然に聞こえる場面がよくあります。褒められる・招待される のようにうれしいことにも、叱られる・注意される のように困ったことにも使います。 |
| N1 はN2にN3 を受身V | みんなの日本語 初級Ⅱ 第37課 | 「隣の人がわたしの足を踏みました」のように、自分の体の一部や持ち物に何かをされたとき、日本語では「わたしの足は」ではなく「わたしは隣の人に足を踏まれました」と、困った人(N1)を主語にして言います。された物や体の部分(N3)は「を」のまま残るのが、文型1との違いです。財布を盗まれる・パソコンを壊される・服を汚される のように、迷惑や困った気持ちを伝えることが多い文型ですが、「先生に作文を褒められました」のように、うれしいことに使う場合もあります。 |
| N1 はVますが、N2はVません | みんなの日本語 初級Ⅱ 第27課 | 「肉は食べますが、魚は食べません」のように、二つのものを並べて「こちらはする、こちらはしない」と対比する文型です。対比される名詞を「は」で取り立て、前半と後半を「が」でつなぎます。もとの文で「が」や「を」だった名詞は「は」に替わり(漢字が読めます→漢字は読めますが)、「に」「へ」「で」などは「東京へは行きますが、大阪へは行きません」のように「は」をあとに付けます。第17課で出た「〜は(取り立て)」と同じ働きで、ここでは文型1の可能形の文を材料にして、できることとできないことを対比させます。 |
| N1 もN2です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第1課 | 「も」は「〜も同じだ」という意味の助詞で、前に出た文と同じことを別の N1 について言うときに、「は」の代わりに使います。「は」と「も」は同じ場所に入り、一緒には使いません。前の文があって初めて使える形なので、必ず2文で練習します。「〜さんも〜ですか」に「いいえ」で答えるときは「も」が使えず、「〜は〜じゃありません」に戻ります。 |
| N1(国名/会社名)のN2 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第3課 | 「の」で、物が作られた国やメーカー(会社)を表します。「日本の車」「スイスの時計」のように、N1が国名・会社名、N2が物です。質問は「どこのNですか」で、答えは「〜のNです」または「〜のです」と短くもできます。第2課の「N1のN2(内容)」「N1のN2(持ち主)」と同じ形で、「の」の意味がもう1つ増えることになります。 |
| N1でN2 がいちばんAです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第12課 | ある範囲の中で、程度がいちばん上のものを言う形です。「N1で」が範囲(グループ・場所・時)、「N2が」が選ばれるものです。尋ねるときは、範囲に合わせて「何」「だれ」「どこ」「いつ」を「が」で立てます。2つから選ぶ文型4と違って、3つ以上や、まとまり全体(日本料理・家族・1年)から選ぶときの形です。文法の見方で言えば、ほかの言語の最上級に当たる言い方で、「で」は範囲(比べる仲間の集まり)を示します。「いちばん」は副詞なので、形容詞の形はそのままです。 |
| N1にN2 を使役V (強制) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第48課 | 「先生は学生に作文を書かせました」「母は子どもに野菜を食べさせます」のように、もとの動詞が「書く・食べる・掃除する」のような他動詞(「〜を」を取る動詞)のときの使役の文です。もとの文の「を」はそのまま残るので、する人は「を」ではなく「に」で示します。文型1の「人を」と並べると、「を」が一つの文に二つ並ばないように、する人の助詞が「に」に替わる、と一本の筋で説明できます。意味は文型1と同じで、上の立場の人が下の立場の人にさせることです。 |
| N1にN2 を使役V (容認) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第48課 | 「母は子どもに好きなおもちゃを選ばせました」「先生は学生に辞書を使わせました」のように、他動詞の使役で、本人がしたいことを許す・させてあげる、という意味を言う文です。形は文型2と同じで、する人を「に」、もとの目的語を「を」で示します。強制か容認かは、文型3と同じく本人がしたいかどうかで決まり、「好きな」「自由に」「〜たいと言ったので」や「〜させてくれます」があると許す意味が分かりやすくなります。文型5の「〜させていただけませんか」は、この容認の使役を自分に向けて願い出る形なので、ここで「許す使役」をしっかり作っておきます。 |
| N1のN2 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第1課 | 「の」は名詞と名詞をつなぎ、前の名詞が後ろの名詞を説明します。この課では「所属」の意味だけを扱い、N1 に会社・大学など、N2 に人(社員・学生・先生)が入ります(「〜の社員」=その会社に属する社員)。「の」の意味は課が進むごとに増える(第2課で内容・持ち主)ので、ここでは「大きいもの の 中の人」と覚えさせます。 |
| N1のN2(持ち主) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第2課 | 「わたしの本」「田中さんの傘」のように、前の名詞がうしろの物の持ち主を表す「の」です。持ち主を聞くときは「だれの傘ですか」と、疑問詞「だれ」に「の」を付けます。第1課で出た「〜の学生」のような所属の「の」も同じ形ですが、ここでは「だれの物か」に絞って教え、「の」の意味の分類には深入りしません。 |
| N1のN2(内容) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第2課 | 「コンピューターの本」「日本語の辞書」のように、前の名詞がうしろの名詞の中身や種類を説明する「の」です。「何についての」「どんな種類の」と考えると分かりやすく、「英語の新聞」なら英語で書かれた新聞、「コンピューターの本」ならコンピューターについて書かれた本です。説明するほうが前、説明されるほうがうしろ、という語順をここで固めます。 |
| N1は 文 N2 です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第22課 | 「これは姉が描いた絵です」のように、文の述語になる名詞(N2)を、その前に置いた文で説明する文型です。第8課で「大きい家」「静かな町」と形容詞が名詞を説明した場所に、文がそのまま入ると考えます。説明する文は普通形(第20課)で、文の中の主語は「は」ではなく「が」になります。名詞とな形容詞の非過去の肯定だけは「だ」を使わず、「日本人の友だち」「元気な人」のように第2課・第8課の形のままです。日本語では説明が名詞の前に来るので、文が終わってから名詞が出ます。文法用語では連体修飾(名詞修飾節)と呼び、「節の中は普通形」「節の中の主語は は ではなく が(の でもよい)」の二点が、試験でも問われる見方です。 |
| N1は〈いA(い)〉くて、 〜 / 〈なA〉/N2で、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第16課 | 1つの人や物について、2つ以上の性質を並べて1文で言う形です。い形容詞は「い」を取って「くて」、な形容詞と名詞は「で」でつなぎます。動詞のて形と同じく、文が現在か過去かは最後で決まります。並べるのは同じ方向の評価(よい+よい、よくない+よくない)で、「広いですが、暗いです」のように反対の評価を並べるときは第8課の「〜が」を使います。文法の用語で言うと、形容詞のテ形(連用形)と「名詞+で」(「だ」の連用形)で文をいったん止めて次につなぐ「並列」の言い方です。 |
| N1はN2 です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第1課 | 「N1 は N2 です」は、N1 について「N2 だ」と言う文です。「は」は「いま何について話すか」を示す助詞(主題を示す助詞)で、「です」は文を丁寧に終える語です。この課では N1 に人(わたし・〜さん・あの人)、N2 に名前・国・職業が入ります。日本語では分かっている主題は言わなくてよいので、「わたしは」は最初の一度だけでよい、ということもここで伝えます。 |
| N1はN2 ですか | みんなの日本語 初級Ⅰ 第1課 | 文の終わりに「か」を付けると質問の文になります。語順は変わらず、文末を上げて言います。答えは「はい、N2 です」「いいえ、N2 じゃありません」です。「だれ」のような疑問の語は、聞きたいところ(N2 の位置)にそのまま入れます(「あの人はだれですか」)。「どなた」は「だれ」の丁寧な言い方で、相手や話題の人が目上のときに使います。 |
| N1はN2がAです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第16課 | N1 を話題にして、その一部や性質(N2)がどうかを形容詞で言う文です。「佐藤さんは髪が長いです」の「髪」は佐藤さんの体の一部で、「が」で示します。N1 は人だけでなく場所や物でもよく、「京都は寺が多いです」のように町や国の特徴を言うときにも使います。「背が高い」「頭がいい」は、この形の決まった言い方としてまとめて覚えさせます。文法の用語で言うと、「は」が話題(主題)を、「が」が形容詞の主語を示す文で、いわゆる「象は鼻が長い」の型です。 |
| N1はN2じゃありません | みんなの日本語 初級Ⅰ 第1課 | 「です」の否定の形です。「N1 は N2 ではない」と言うときに使い、N2 の語は変わらず「です」の部分だけが「じゃありません」に替わります。「じゃありません」は話し言葉の形で、改まった場面や書き言葉では「ではありません」になります。この課では「じゃありません」だけを練習し、「ではありません」は聞いて分かればよい、と割り切ります。 |
| N1はN2よりAです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第12課 | 2つのものを比べて、N1の方が程度が上だと言う形です。「より」は比べる相手(基準)に付き、「N2と比べると」の意味です。形容詞の形を変えずに比べられ(英語の -er のような比較の形は無い)、い形容詞・な形容詞のどちらも使えます。過去のことも「きのうはきょうより寒かったです」と言えます。質問は「N1はN2よりAですか」で、答えは「はい、〜より〜です」か「いいえ」になります。差が大きいことを言いたいときは「ずっと」を形容詞の前に入れます。文法の見方で言えば、「より」は比較の基準を示す格助詞で、この文は2つのものの程度の差を言う比較の文です。「より」の文は比べた結果を言うだけなので、「この本はあの本より高いです」と言っても、この本が高い本だとは限りません。 |
| N1を使役V (強制) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第48課 | 「母は弟を塾へ行かせました」「課長は新しい社員を支店へ研修に行かせました」のように、上の立場の人(親・先生・上司)が、下の立場の人に動作をさせることを言う文型で、もとの動詞が「行く・帰る・休む・泳ぐ」のような自動詞のときの形です。させる人を「は」で、する人を「を」で示します。もとの文「弟が塾へ行きます」の「が」が「を」になり、「へ」「で」など場所の助詞はそのまま残ります。ただし「道を渡る」「公園を散歩する」のように、もとの文にすでに「を」があるときは、「を」が二つ並ぶのを避けて、する人を「に」で言うことが多いです(子どもに一人で道を渡らせる)。 |
| N1を使役V (容認) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第48課 | 「父は娘を留学させました」「子どもを公園で遊ばせます」のように、本人がしたいと思っていることを、上の立場の人が許す・させてあげる、という意味の使役の文です。形は文型1とまったく同じで、自動詞のとき、する人を「を」で示します。強制か容認かは形では分からず、本人がそれをしたいかどうかという場面で決まります。「行きたいと言ったので」「好きなだけ」「自由に」のようなことばや、「〜させてくれました」「〜させてあげます」の形があると、許す意味がはっきりします。 |
| Nが〈V(自動詞)て形〉います | みんなの日本語 初級Ⅱ 第29課 | 「窓が開いています」「電気が消えています」のように、ある変化が起きたあと、その結果がいまも続いている状態を、目に見えたまま言う文型です。使う動詞は、人がわざとする動作ではなく、物がひとりでにそうなることを表す自動詞(開きます・閉まります・壊れます・割れます・汚れます など)で、主語の物には「が」が付きます。第14課の「雨が降っています」は動作がいま続いていることでしたが、この課の「ています」は「変わって、そのまま」です。どちらの意味になるかは動詞で決まり、一瞬で変わる動詞(開く・壊れる・止まる)は結果の状態に、時間をかけて続く動詞(降る・走る)は動作の続きになります。文法の用語で言うと、これは「ている」のアスペクトのうち結果の状態(結果残存)の用法で、「開く・壊れる」のような変化を表す動詞(瞬間動詞・変化動詞)に「ている」が付くとこの意味になります。 |
| Nがあります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第9課 | この課の「あります」は、物がどこにあるかを言う第10課の文ではなく、「持っている」(お金・時間・車・チケット)と「予定がある」(約束・用事・仕事)の意味です。持ち主は「〈人〉は」、持っているものや予定が「が」で示されます。否定「ありません」は「持っていない・予定がない」。文型5の理由として「時間がありませんから」のようによく使います。 |
| Nができます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第27課 | 「公園の前に新しいパン屋ができました」のように、建物や店、道などが新しく作られて生まれる、ということを言う「できます」です。「友達ができました」のように人との関係が生まれるときや、「晩ご飯ができました」のように準備が終わるときにも使います。第18課の「日本語ができます」(能力)、文型1の「します→できます」(可能形)と同じ形なので、この課では「新しく生まれる・出来上がる」という三つ目の意味を切り分けて、場所を「に」で示すことを押さえます。 |
| Nができます/Vることができます(状況) | できる日本語 初級 第10課 | 第9課では「〜ができます」で人の能力を言いましたが、ここではその場所やそのときの状況で、してもよい・することが可能という意味で使います。「この動物園ではえさをあげることができます」「案内所でベビーカーを借りることができます」のように、施設にどんなサービスがあるかを尋ねたり伝えたりするときの形です。人に今その場の許可をもらう「〜てもいいですか」に対して、こちらは場所のきまりやサービスとして「できるかどうか」を聞きます。 |
| Nができます/Vることができます(能力) | できる日本語 初級 第9課 | その人に、ある力や技があることを言います。スポーツ・料理・言葉など「〜をすること」が中に入っている名詞なら「テニスができます」「日本語ができます」、そうでなければ辞書形を使って「ギターを弾くことができます」「漢字を読むことができます」と言います。できないときは「できません」で、「少し」「あまり」「全然」を添えると程度も伝えられます。文法の用語では可能表現の一つで、のちに習う可能動詞(弾ける・泳げる)と同じ意味を、辞書形と「ことができる」で表す形です。 |
| Nがほしいです | できる日本語 初級 第5課 | 「Nがほしいです」は、話し手が物を手に入れたいという気持ちを言います。ほしい物は「が」で表し、「ほしい」はイ形容詞なので「ほしくないです」「ほしかったです」とST2 で習ったイ形容詞の過去と同じように変わります。基本は自分の気持ちを言う形で、相手には「何がほしいですか」と聞けますが、ほかの人の気持ちをそのまま「〜さんは〜がほしいです」とは言いません。 |
| Nからすると | 中級を学ぼう(中級前期) 第2課 | 「Nの立場から見ると」「Nを基準に判断すると」という意味です。人や立場(学生・親・外国人)を前に置いて、その人の見方で意見を言うときと、根拠(話し方・様子)を前に置いて判断を言うときがあります。後ろには「〜だ」「〜と思う」「〜だろう」のような判断や意見が来やすく、根拠の使い方では「〜だろう」「〜らしい」「〜ようだ」と結びつきやすいです。「Nにとって」は後ろに「大切だ・難しい」のような評価が来やすい点で使い分けます。 |
| Nがわかります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第9課 | 「わかります」は、意味が取れる・理解できることを表す動詞です。対象(言語・言葉・授業など)は「を」ではなく「が」で示します。程度は「よく・だいたい・少し」(肯定)と「あまり・全然」(否定とセット)の副詞で言います。「〜がわかりますか」と聞かれたら「はい、〜わかります」「いいえ、〜わかりません」で答えます。 |
| Nが可能V | みんなの日本語 初級Ⅱ 第27課 | 「日本語が話せます」「漢字が読めません」のように、可能形で「できる・できない」を言う文型です。意味は第18課の「〜ことができます」と同じで、生まれつきや練習で身についた能力(泳げます)と、その場の状況で可能かどうか(この店でカードが使えます)の両方に使います。いちばん大事なのは助詞で、もとの文で「を」だった名詞は、可能形の文では「が」になります(漢字を読みます→漢字が読めます)。「に」「で」「へ」「と」などほかの助詞は変わりません。 |
| Nが見えます/Nが聞こえます | できる日本語 初級 第10課 | 「見えます」「聞こえます」は、見ようとしなくても目に入る、聞こうとしなくても耳に入ることを表し、見えるもの・聞こえるものには「が」をつけます。道に迷って電話するとき「今、銀行が見えます」「電車の音が聞こえます」と言えば、相手に今いる場所の手がかりを伝えられます。自分から見る・聞く「Nを見ます/聞きます」とは、助詞もはたらきも違います。文法の用語では、話す人の意志に関係なく起こることを表す無意志動詞で、「見る」「聞く」とは別の語として扱います。 |
| Nが見えます/聞こえます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第27課 | 「窓から海が見えます」「隣の部屋から声が聞こえます」のように、見ようとしなくても目に入る、聞こうとしなくても耳に入る、ということを言う文型です。「見えます」「聞こえます」は可能形ではなく、それ自体が一つの動詞で、目や耳に入ってくるものを「が」で示します。可能形の「見られます」「聞けます」は、テレビで試合が見られます、ラジオで音楽が聞けます、のように、見よう・聞こうと思えば(その場所や道具があるから)できる、という意味で、ここに違いがあります。 |
| Nが好きです/嫌いです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第9課 | 「好き」「嫌い」は、意味は英語の like などの動詞に近いですが、日本語ではな形容詞です。好きな対象は「を」ではなく「が」で示します。種類を聞くときは「どんなNが好きですか」。程度は「とても」「あまり(〜ません)」「全然(〜ません)」で言います。「嫌いです」は強い言い方なので、ふだんの会話では「あまり好きじゃありません」とやわらげることが多い、と一言そえておきます。 |
| Nが好きです・嫌いです | できる日本語 初級 第5課 | 好きなもの・嫌いなものを「Nが好きです」「Nが嫌いです」で言います。好き・嫌いの対象は「が」で表し、「好き」「嫌い」はナ形容詞なので、否定は「好きじゃありません」になります。「嫌いです」ははっきりしすぎる場面が多いので、日常の会話では「あまり好きじゃありません」(第4課の「あまり〜ない」)を使うことが多いと、場面とセットで教えます。ST3 では、相手の好きなことを聞いて、次の休みにしたいことの話につなげます。 |
| Nが上手です/下手です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第9課 | 「上手」「下手」は技能の高さ・低さを言うな形容詞で、対象は文型1と同じく「が」で示します。「〜さんは〜が上手ですね」は相手をほめる言い方で、自分のことには「上手」を使わず、「あまり上手じゃありません」「まだ下手です」のように言うのが普通です。「上手」は技術の話で、好きかどうかとは別のことだと分けておきます。 |
| Nが欲しいです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第13課 | 話し手が、その物を手に入れたいと思っていることを言う文型です。「欲しい」はい形容詞で、欲しい物は「が」で示します(「Nが好きです」と同じ形)。活用もい形容詞と同じで、「欲しくないです」「欲しかったです」「欲しくなかったです」になります。質問の「何が欲しいですか」は友達や家族など近い相手に使う形で、目上の人に物を勧めるときは第7課の「〜はいかがですか」を使います。また、ほかの人の気持ちを言い切る形(「田中さんは車が欲しいです」)には使いません。 |
| Nさえ〜ば/〜なら | 中級を学ぼう(中級前期) 第8課 | 「Nがあれば(Nがよければ)、ほかは何も要らない」と、条件を一つだけに絞って言う形です。「さえ」が「これだけで十分」という気持ちを表し、「〜ば」「〜なら」がその条件を仮定します。「お金さえあれば」「天気さえよければ」のように、話し手の願いや、ある結果が出るための最低限の条件を言うときに使います。動詞は「Vマスさえすれば」「Vてさえいれば」の形にもなります。文法の見方では、取り立て助詞「さえ」と条件表現「ば・なら」を組み合わせて「必要な条件はそれ一つ」と示す形です。 |
| NしかVません | みんなの日本語 初級Ⅱ 第27課 | 「ひらがなしか書けません」「千円しかありません」のように、「それだけ」と限って言う文型で、必ず文末が否定になります。意味は「それ以外はない」ですが、「それだけでは少ない・足りない」という話し手の気持ちが入るところが「だけ」と違います。「だけ」は「ひらがなだけ書けます」のように肯定の文で使い、事実を言うだけで気持ちは入りません。「しか」は「が」「を」の代わりに付き、「に」「で」「へ」などの助詞には「ここでしか」「日本語でしか」のようにあとに付きます。 |
| Nじゃなくて、〜/Vるんじゃなくて、〜 | できる日本語 初中級 第4課 | 相手の聞き違いや思い違い、自分の言い間違いを、「AじゃなくてB」で正しいほうに言い直す形です。道案内では「左じゃなくて、右です」「曲がるんじゃなくて、まっすぐ行くんです」のように、違うところだけを取り出して直すので、相手が何を間違えたかがすぐわかります。動作を直すときは「Vるんじゃなくて、Vるんです」と、第3課の「〜んです」の形で後ろを言うことが多いです。文法の見方では「AではなくB」の話し言葉の形で、打ち消す部分と正しい部分を対にして示す、訂正・対比の言い方です。 |
| Nだらけ | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 名詞に付いて、「それが一面にたくさんある」「それが多すぎる」という状態を表します。泥・ごみ・傷・間違い・借金のように、話し手が「よくない」「困った」と感じるものに使うのが基本で、好ましいものには使いません。全体を見わたして「〜ばかりだ」とあきれる・困る気持ちが入ります。文法の見方では、名詞に付いて話し手のマイナスの評価を加える接尾語の一つと整理できます。 |
| Nって何ですか | できる日本語 初中級 第14課 | 聞いたことのない語や、意味がよく分からない語について、その中身を聞く話し言葉の言い方です。「って」は「というのは」をくだけた形にしたもので、相手が言った語をそのまま受けて聞き返します。ST1 では、日本人が学習者の国の行事の名前を聞いて聞き返すときにも、学習者が日本の行事の名前を聞いて聞き返すときにも使います。「です・ます」をつければ目上の人にも使えますが、改まった場では「Nというのは何ですか」のほうが落ち着きます。文法の用語では、「って」は話題を取り上げる話し言葉の形で、「というのは」「とは」が縮まったものにあたります。「〜は何ですか」が目の前の物や答えのある物を聞くのに対し、「〜って何ですか」は耳にした語の意味そのものを聞く、と分けて押さえます。 |
| Nで〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第39課 | 出来事・自然・病気などの名詞(地震・台風・火事・事故・雨・雪・病気・風邪・けが)に「で」を付けて、原因を言う形です。後ろには、その結果どうなったか(倒れました・止まりました・遅れました・休みました)を言います。文型1と同じく、後ろに「〜てください」「〜ましょう」のような働きかけは来ません(「休みました」のような、起きたことの報告はかまいません)。原因になる名詞は出来事を表す語で、人の名前を原因にすることはふつうしません。「で」は場所(第6課)・乗り物(第5課)・道具(第7課)でも使うので、この課の「で」は「どうして?」の答えになる「で」だと区別させます。 |
| Nですか/はい、(〜は)Nです/いいえ、(〜は)Nじゃありません | できる日本語 初級 第1課 | 文の終わりに「か」をつけると質問になり、「はい」か「いいえ」で答えます。否定は「Nじゃありません」です。相手の名前や仕事を確かめるときに使い、違っていたら正しいほうを続けて言うと会話が続きます。文法の用語では「はい・いいえ」で答える真偽疑問文で、疑問詞の質問(「何ですか」「いつですか」)とは答え方が違います。「じゃありません」は「ではありません」の話し言葉の形です。 |
| NとN | できる日本語 初級 第1課 | 名詞を「と」で並べ、二つ以上を全部挙げます。趣味が二つあるときに「サッカーと映画です」のように言います。ここで並べるのは名詞だけです。「と」は挙げたものが全部だと示す並べ方で、一部だけを挙げる「NやNなど」(第3課)とはここが違います。 |
| NというN | できる日本語 初級 第13課 | 相手が知らないかもしれない物・店・場所・人の名前を出すときに使います。前に名前、後ろに「店」「温泉」「人」のような種類を言って、「『さくら』という店」のように何の名前なのかがわかるようにします。経験の話の中で、初めて出てくる名前を紹介するのに便利です。「という」は「と言う」から来た形ですが、ここでは名前と種類をつなぐはたらきだけをしているので、ひらがなで書きます。 |
| Nというのは〜 | できる日本語 初中級 第14課 | 相手が知らない語を取り上げて、それが何かを説明する言い方です。「Nというのは、〜のことです」「Nというのは、〜日です/お祭りです」のように、最後を「〜のことです」「〜という意味です」などで結ぶと説明の形が整います。「Nって」より改まっていて、発表や説明に向きます。ST1 では、行事の名前を出したあと、何の日か・いつか・何をするかを順に足していく、説明の最初の一文になります。文法の用語では、引用の「という」に名詞の代わりをする「の」と「は」が付いて、語そのものを話題として取り立てる形で、答えの文は語の定義の文になります。 |
| Nとともに(=〜と一緒に) | 中級を学ぼう(中級前期) 第4課 | 基本の「Nとともに」は「〜と一緒に」の書き言葉で、人や物と行動を共にすることを表します(家族とともに暮らす)。発展1(☆1)の「Vルとともに」は2つのことが同時に起きることを表し(卒業するとともに国へ帰った)、名詞でも出来事を表す語なら同じ意味になります(終了のベルとともに席を立った)。発展2(☆2)の「Vル/Nとともに」は、一方が変化すると、それにつれてもう一方も変わる関係を表します(医療技術の進歩とともに死亡率が下がった)。3つとも形は同じなので、前に来るのが「人・物」「出来事」「変化」のどれかで意味を見分けさせます。 |
| Nと申します | できる日本語 初中級 第1課 | 「Nといいます」をていねいにした名乗り方で、自分を低くして相手に改まって名前を伝えます。初級の「鈴木です」より改まった言い方で、面接・電話・目上の人に初めて会うときの最初の一言に使います。名前のほかに「さくら日本語学校の鈴木と申します」のように所属をつけて言うこともよくあります。 |
| Nなら〜 | できる日本語 初中級 第1課 | 相手の質問や話に出たもの、またはいくつかの中から一つを取り上げて、「それについてなら〜」と言う形です。面接で全部はできないとき、「日曜日はちょっと……。土曜日なら働けます」のように、条件を限って言えることを伝えるのに使います。「土曜日は働けます」でも言えますが、「なら」を使うと「ほかはともかく、それなら」という気持ちが出ます。 |
| Nなら、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第35課 | 相手が言った話題を受けて、「それについてなら、こういう情報があります・こうするといいです」と言う「なら」です。「温泉に行きたいんですが」と言われて「温泉なら、北海道がいいですよ」と答えるように、相手の言った名詞をそのまま「Nなら」で取り上げ、うしろに勧めや情報を続けます。文型3の「雨なら」は自分で「もし雨だったら」という条件を立てる言い方でしたが、こちらは相手の言葉を受けるのが出発点なので、話のいちばん初めには使いにくい、という点で区別します。 |
| Nなんかどうですか | できる日本語 初中級 第14課 | いくつかある中から一つを例として出し、軽く勧める言い方です。「なんか」は「など」の話し言葉で、「これに決めてください」と押しつけず、ほかにも案がある感じを残します。改まった場では「Nなどいかがですか」と言います。ST2 では、プレゼントに迷っている人に、案を出すのに使います。文法の用語では、「なんか」は例を挙げる取り立て助詞「など」の話し言葉の形で、勧める文では一つを例として出して言い切りを避け、相手が断りやすいようにする働きがあります。 |
| Nにします | できる日本語 初中級 第2課 | いくつかの中から選んで決めたことを言う形です。レストランで注文を決めるとき「わたしはカレーにします」と言い、一緒にいる人に自分の選んだ物を伝えます。「Nをください」が店員に頼む言い方なのに対して、「Nにします」は自分の決定を言う言い方で、友達にも店員にも使えます。「飲み物は」「デザートは」のように「は」で選ぶものの種類を先に出すと言いやすく、決めたあとは「Nにしました」と言います。 |
| Nにします(選択) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第44課 | いくつかの中から一つを選んで決めたことを言う文型です。店で注文を決めるとき(コーヒーにします)、ホテルの部屋や日にちを決めるとき(会議は金曜日にします)などに使います。「何にしますか」と聞かれて「Nにします」と答えるのが基本の形で、もう決めたことは「Nにしました」と言います。文型4の「N1をN2にします」が物の状態を変えることだったのに対し、こちらは変えるのではなく「選ぶ」意味だと区別させます。 |
| Nにとって | 中級を学ぼう(中級前期) 第6課 | 「その人・その立場から見れば」という意味で、後ろには「大切だ」「難しい」「意味がある」のような評価や判断が続きます。「私にとって家族は一番大切だ」のように、誰の目で見た評価かをはっきりさせる言い方です。後ろに「賛成だ」「反対だ」のような意見・態度や、「行きたい」のような希望は置きにくく、そこは「〜としては」「〜は」で言います。 |
| NのN | できる日本語 初級 第1課 | 名詞と名詞を「の」でつなぎ、前の名詞が後ろの名詞の所属や持ち主などを表します。自己紹介では「〜大学の学生」「〜会社の社員」「日本語学校の学生」のように、どこに属しているかを言うのに使います。後ろの名詞が話の本体で、前の名詞はそれを説明する、という向きが大切です。文法の用語で言えば名詞が名詞を修飾する連体修飾の一つで、「の」は所属・持ち主・国(日本の料理)など幅広い関係をつなぎます。第2課の「誰のN」「どこのN」はこの形を質問にしたものです。 |
| Nのとき、〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第23課 | 「子どものとき」「病気のとき」のように、名詞に「の」を付けて「とき」につなぐ形です。名詞と名詞をつなぐ「〜の〜」と同じ作りです。「子どものとき」「学生のとき」はその人の昔のことを言うのに使い、名詞の形は変えずに、うしろの文を過去にして言います。「休みのとき」「病気のとき」は、今も繰り返す状況を言うのにも使います。 |
| NのようなN | できる日本語 初中級 第14課 | 相手がよく知っている物を例に出して、話している物がどんなものかを伝える言い方です。「日本のお盆のような行事です」と言えば、相手は知っている行事から中身を想像できます。前の N が例やたとえ、後ろの N が説明したい物の種類になります。くだけた会話では「NみたいなN」とも言います。ST1 では、行事の説明の最後に、日本の似た行事を添えるのに使います。文法の用語では、「ようだ」の比況(似ているものにたとえる)の用法が名詞の前で「ような」の形になったもので、連体修飾にあたります。「ケーキのような甘い物が好きです」のように例を挙げる用法(例示)もありますが、ST1 の説明は、知らない行事を知っている行事にたとえる比況の使い方です。 |
| Nは(取り立て) | できる日本語 初級 第10課 | 「Nは」は、文の中の名詞を前に取り出して、「そのことについて言うと」と話題にする言い方です。注意やきまりでは「写真は、ここで撮ってください」「中では食べないでください」のように、何についての注意かを先に言うと、聞く人にすぐ伝わります。「を」「が」のついた名詞は「は」に変わり、「に」「で」のついた名詞は「には」「では」になります。文法の用語では「は」は取り立て助詞で、格助詞の「を」「が」とは入れ替わり、「に」「で」とは重なる、という点が試験でもよく問われます。 |
| Nは〈V(自動詞)て形〉います | みんなの日本語 初級Ⅱ 第29課 | 文型1と同じ「変わって、いまもその状態」の意味ですが、物を「は」で話題として取り上げ、その物がどうなっているかを説明する文型です。「このいすは壊れています」「あのコップは割れています」のように、「この・その・あの」で指した物や、相手の質問に出てきた物について答えるときに使います。文型1が見たまま気づいたことを言う(新しく目に入った)のに対して、文型2は「その物について言えば」という話し方です。「〜から、使わないでください」「取り替えてください」のように、だからどうしてほしいかを後ろに続けることが多いです。「は」と「が」の違いで言えば、文型1は目に入った物をそのまま言う(中立叙述の「が」)、文型2は物を主題にして説明する、という対応になります。 |
| Nは〈いA〉です/Nは〈いA(〜い)〉くないです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第8課 | い形容詞を述語にする文です。い形容詞は「大きい」「新しい」のように語の最後が「い」で終わり、肯定はそのまま「です」を付けますが、否定は最後の「い」を「くないです」に替えます(大きい → 大きくないです)。な形容詞と違って語の形が変わるので、この課で初めて「形を変える」練習が入ります。「いい」だけは例外で、否定は「よくないです」になります。否定には「〜くありません」という形もありますが、まずは「〜くないです」で統一して練習したほうが混乱が少ないでしょう。文法用語ではイ形容詞と呼び、学校文法の「形容詞」にあたります。 |
| Nは〈なA〉です/Nは〈なA〉じゃありません | みんなの日本語 初級Ⅰ 第8課 | な形容詞を述語にして、人・物・場所の様子や性質を言う文です。な形容詞は「静か」「親切」「暇」のように、語の形のまま「です」を付けて肯定、「じゃありません」を付けて否定にします。つまり第1課の名詞文「学生です/学生じゃありません」とまったく同じ形で、ここが い形容詞(文型2)との最大の違いです。質問は「〜は静かですか」のほかに、様子をたずねる「〜はどうですか」があり、答えには程度の「とても」(肯定)・「あまり」(否定)を添えます。学校文法では「形容動詞」と呼ばれる語で、日本語教育では名詞の前の形から「な形容詞」と呼びます。 |
| Nは〈場所〉です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第3課 | 指示詞ではなく、場所の名前(部屋の名前・-階・国名など)で物や人の居場所を言う文です。「電話は2階です」「山田さんは会議室です」の「です」は「電話=2階」という意味ではなく、「〜にあります/います」の代わりに居場所を示す働きです。「-階」はこの文型で初めて出るので、読み方(1階 いっかい・3階 さんがい・何階 なんがい・地下1階)を先に押さえます。日本語学では、この「です」は文脈で分かる述語(ここでは「にあります/います」)の代わりをしていると見ることができ、「ぼくはうなぎだ」の型(うなぎ文)と並べて説明されることがあります。 |
| NばかりVています/Vてばかりいます | できる日本語 初中級 第13課 | 「ゲームばかりしています」「遊んでばかりいます」のように、同じものや同じことだけをくり返していて、ほかのことをしない様子を言います。多くは「それはよくない」という不満や心配の気持ちが入ります。ST2 では、子どものころの自分を「マンガばかり読んでいました」のように振り返ったり、親が心配していたことを話したりするのに使います。「Nばかり」はするもの、「Vてばかり」は動作そのものに注目します。文法用語では「ばかり」は取り立て助詞で、「は」「も」「しか」と同じように、ほかのものと比べてそれだけを取り出すはたらきをします。 |
| Nはここ/そこ/あそこです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第3課 | 物や人が「どこにあるか・いるか」を、指示詞で答える文です。「トイレはあそこです」「田中さんはそこです」のように、主題が物や人で、述語が場所になります。文型1と語順が逆で、文型1は「この場所は何か」、文型2は「Nはどこか」を言います。第10課の「〜にあります/います」を習う前に、「です」だけで居場所が言える最初の形です。質問は「Nはどこですか」です。文の型で言えば、「どこに何があるか」を言う存在文に対して、「Nはどこにあるか」を言う所在文を、「です」だけで言った形です。 |
| Nはこちら/そちら/あちらです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第3課 | ここ・そこ・あそこ の丁寧な言い方です。もともと「こちら=こっちの方向」のように方向を指す語なので、受付や店で手で方向を示しながら案内するときによく使います。質問は「どちら」です。第1課で人を紹介した「こちらは〜さんです」と同じ語で、場所・方向・人のどれにも使える丁寧な指示詞です。待遇表現として見ると、敬語の動詞を使わずに指示詞を替えるだけで丁寧さを出す例で、店や受付の人が客に向かって使うのが典型です。 |
| Nは-円です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第3課 | 値段を言う文と、値段を尋ねる「いくらですか」です。数字は第1課の1〜100に百・千・万が加わり、日本語の4桁区切り(1万=10,000)がここで初めて出ます。300・600・800・3,000・8,000 の音の変化(さんびゃく・ろっぴゃく・はっぴゃく・さんぜん・はっせん)と、1万を「いちまん」と読むことが聞き取り・発音の要点です。音の変化を日本語学の用語で言えば、さんびゃく・さんぜんは連濁、ろっぴゃく・はっぴゃく・はっせんは促音化(ろっぴゃく・はっぴゃくではさらに「ひ」が「ぴ」に変わる)で、数と単位が結びつくときの典型的な例です。 |
| Nは-歳です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第1課 | 年齢は「数+歳」で言います。聞くときは「何歳ですか」、丁寧に聞くときは「おいくつですか」です。数が言えることが前提なので、この項目の前に 0〜100 の数を入れます。「歳」が付くと読みが変わる数があり(1歳 いっさい・8歳 はっさい・10歳 じゅっさい)、20歳は「はたち」という特別な読みです。同じ変化は 11・18・21・30 などでも起きます。 |
| Nは-時から-時までです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第4課 | 店や施設の開いている時間、休みや試験の時間のように、始まりと終わりを「〜から〜まで」で言う文です。「から」が始まり、「まで」が終わりで、どちらか片方だけでも使えます(「何時までですか」)。曜日にも付けられます(「月曜日から金曜日まで」)。会話の題「そちらは何時までですか」は、この「まで」だけの質問に、電話の相手の場所を指す「そちら」(第3課)が付いた形です。 |
| Nは〜曜日です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第4課 | 曜日を言う文です。「きょうは何曜日ですか」「休みは何曜日ですか」のように、日や予定が何曜日かを聞いて答えます。主語になるのは「きょう」「あした」などの日を表す語と、「休み」「試験」「会議」のような予定の名詞です。7つの曜日の名前を覚えることが中心で、文の形そのものは「NはNです」と同じです。 |
| Nまでに〜 | できる日本語 初中級 第4課 | 「Nまでに」は、その時より前のどこかで一度その動作をすませる、という期限を表します。図書館の本を返す日、ゴミを出す時間、書類を出す日など、町の生活では期限のある話がよく出ます。初級の「〜まで」はその時まで動作や状態が続くことを表すので、「5時まで働きます」と「5時までに帰ります」の違いを、時間の線で見せて区別させます。文法の見方では、「まで」は動作や状態が続く終わりの点、「までに」は動作がすむ期限で、後ろの動詞が続く動作か一回で終わる動作かによって選ばれます。 |
| Nも | できる日本語 初級 第1課 | 「も」は「は」の代わりに使い、前に言ったことと同じだと表します。相手の趣味や国が自分と同じとき「わたしも映画です」と返すと、共通点ができて会話が続きます。文法の用語では「は」と同じ取り立て助詞の仲間で、「は」の位置にそのまま入ります。前の人と違うときは「わたしは〜です」と「は」に戻すので、「も」と「は」の選び分けがこの項目の中心になります。 |
| NやNなど | できる日本語 初級 第3課 | 「や」で名詞を並べ、最後に「など」をつけると、ほかにもあるけれどその中からいくつかを例として挙げる言い方になります。第1課の「NとN」が全部を挙げるのに対し、「NやNなど」は代表を挙げるだけです。毎日の食事や買い物の話で、全部を言わずに済ませるのに便利です。 |
| Nらしい・Nらしさ・Nらしく | 中級を学ぼう(中級前期) 第5課 | 「Nらしい」は「いかにもNという感じがする」「Nの典型的な性質を持っている」という意味で、い形容詞と同じように活用します(春らしい天気・学生らしい服装・自分らしい生き方)。名詞の形「Nらしさ」はその性質そのもの、「Nらしく」は副詞の形です。「〜らしい」には別に、聞いたことや様子から判断する「〜らしい(どうも〜のようだ)」があり、形が同じなので、この課では「典型」の意味を中心に扱い、必要なら見分け方を添えます。 |
| Nを(〜つ)ください | できる日本語 初級 第2課 | 注文や買い物で数を言うときは、「Nを+数+ください」の順にします。数は「ひとつ・ふたつ・みっつ…とお」の「〜つ」で数え、物の形にかかわらず使えるので、初級ではまずこれで注文できるようにします。数を聞くときは「いくつ」です。11より上は「じゅういち」のように数字だけで言います。文法の用語では、「コーヒーをふたつ」の数は名詞から離れた位置に置かれる数量詞(遊離数量詞)で、注文や買い物では「ふたつのコーヒー」と名詞の前に置くよりこちらがふつうです。 |
| NをVます(他動詞) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第6課 | 動作の対象(何を食べるか、何を見るか)を助詞「を」で示す文型です。「を」の前の名詞は動作を受けるもの、後ろの動詞は「食べます・飲みます・見ます・読みます・書きます・買います・撮ります・聞きます」のように、対象がないと意味が完成しない動詞(他動詞)です。第4課で習った「ます・ません・ました・ませんでした」の4つの形は、そのまま この枠の中で使えます。 |
| Nをください | できる日本語 初級 第2課 | 店で買う物を決めたとき、その物を言って「Nをください」と伝えます。「を」はほしい物・買う物を示す助詞で、この課で初めて出ます。値段を聞いて決めたあと「じゃ、これをください」と言えば、買い物のやり取りがひと回りします。「ください」は相手に物を渡してくれるよう頼む言い方で、店では「買います」の代わりになります。文法では「を」は動作の対象を表す格助詞(ヲ格)で、第3課の「〜をVます」で動詞と一緒にもう一度出てきます。 |
| Nを中心に(=〜を基点にして) | 中級を学ぼう(中級前期) 第5課 | あるものを真ん中・いちばん大事なものとして、そのまわりに範囲や活動が広がる、という意味です。「駅を中心に店が集まる」のような場所の広がりにも、「若者を中心に人気がある」のような人や物事の範囲にも使います。あとに動詞が続くときは「〜を中心に」、名詞を修飾するときは「〜を中心とするN」「〜を中心としたN」の形になることが多いです。 |
| V(よ)う | できる日本語 初中級 第9課 | 意向形(第3課)を文の終わりで使い、親しい相手を誘ったり、自分で「そうしよう」と決めたりする話し言葉の形です。「〜ましょう」の普通体にあたり、同じ立場のアルバイト仲間や友達どうしで「休憩しよう」「一緒に片づけよう」と声をかけ合うときに使います。店長や先輩には「〜ましょう」「〜ましょうか」を使い、「〜(よ)う」は使いません。「〜(よ)うか」にすると、相手の気持ちを聞く誘いや申し出になります。 |
| V(移動動詞)テいる | 中級を学ぼう(中級前期) 第3課 | 「来る・行く・帰る・入る・出る・着く」のような移動を表す動詞に「ている」が付くと、「移動している最中」ではなく、「移動したあとの状態がそのまま続いている」ことを表します。「田中さんは大阪に行っている」は「今、大阪にいる」の意味です。「食べている」(進行中)と同じ形なので、意味の違いに気づかせる項目です。☆同じ形が、「多くの外国人が日本に来ている」のように主語が多数で出来事がくり返されるときは、「状況が動いている・変わりつつある」という意味で読めることがあります(一人の状態ではなく、全体の傾向)。文法の見方では、「〜ている」のうち結果の状態(結果残存)を表す用法で、移動動詞では移動が終わったあとの状態を表します。 |
| Vすぎです | できる日本語 初中級 第2課 | 「Vすぎ」は「Vすぎます」の「ます」の前の部分を名詞のように使った形で、度を超えていることを「〜すぎです」と言い切ります。人の注文や様子を見て「それは食べすぎですよ」「頼みすぎですよ」と一言で注意したり、からかったりするときに使います。「Vすぎます」が動作そのものを動詞として言うのに対して、「Vすぎです」は目の前の様子を一つの判断にまとめて言い、「よ」を付けると相手への注意になります。文法の用語では、動詞の「ます」の前の形(連用形)が名詞になった形(転成名詞)で、「食べすぎ」「飲みすぎ」は一語の名詞として辞書にも載ります。 |
| Vすぎます | できる日本語 初中級 第2課 | ある動作をちょうどよい量や回数を超えてしてしまうことを表します。「昨日、食べすぎました」のように自分のしたことを振り返ったり、「頼みすぎないでください」と注意したりします。「すぎる」は「食べる」と同じ2グループの動詞として変わるので、「すぎました」「すぎて」「すぎない」と形を作れます。ST1 の「Aすぎます」と同じ「すぎます」で、前に動詞がつく形です。 |
| Vせてくれます/Vせてもらいます | できる日本語 初中級 第13課 | 「父が留学させてくれました」「父に留学させてもらいました」のように、自分がしたいことを上の立場の人が許してくれて、それがありがたかったという気持ちを表します。使役の許可の意味に、第8課の「Vてくれます」「Vてもらいます」のありがたい気持ちを足した形です。「くれます」は許した人が主語(「父が」)、「もらいます」は自分が主語で、許した人に「に」がつきます(「父に」)。ST2 では使役受身(いやだったこと)と対にして、親や先生がさせてくれたことを感謝の気持ちを込めて話すのに使います。 |
| Vそうです(直前の様態) | できる日本語 初中級 第9課 | 見た様子から「今にもそうなる、もうすぐそうなる」と言う形です。第2課の「Aそうです」が見た様子を、第6課の「〜そうです(予測)」が様子から考えた先のことを言ったのと形は同じで、ここでは「落ちそう」「なくなりそう」のように、すぐ起きそうなことを周りに知らせて、事故や品切れを防ぐのに使います。仕事中の声かけでは「あ、落ちそうです」「袋がなくなりそうです」と短く言えることが大切です。 |
| Vたあとで、〜/Nのあとで、〜 | できる日本語 初中級 第5課 | 「AたあとでB」は、Aが終わってからBが起きた・Bをする、という前後の順番を表します。なくしたときの様子を説明するときに「お金を払ったあとで、電車に乗りました」のように行動を順に並べると、どこでなくしたか相手が考えやすくなります。初級の「Vてから」と近いですが、「てから」は前のことを済ませてから次をする手順を言う感じが強く、「あとで」は「Aが終わったあとの時間に」という言い方です。文法の用語では、前の節のタ形が「後ろの出来事より前に終わっている」ことを表す相対テンスの例で、「あとで」の前は主文が過去でも未来でも必ずタ形です。「*買い物するあとで」が多いのは、学習者が主文の時制に合わせようとするためです。 |
| Vたいです | できる日本語 初級 第5課 | 「Vたいです」は、話し手がその動作をしたいという気持ちを言います。ST3 では「北海道へ行きたいです」「家でゆっくり休みたいです」のように、次の休みの希望を言うのに使います。作り方は「Vます」の「ます」を取って「たい」をつけるだけで、「たい」はイ形容詞と同じに「たくないです」「たかったです」と変わります。「Nがほしいです」と同じく基本は自分の気持ちを言う形で、相手には「何をしたいですか」と聞けます。 |
| Vたことがあります | できる日本語 初級 第13課 | 今までにその経験があるかどうかを言う形です。いつしたかではなく、「経験があるか、ないか」が大事なときに使います。友達の経験を聞いて情報をもらうときは「〜たことがありますか」と聞き、「はい、あります」「いいえ、ありません」と答えます。経験がないときは「〜たことがありません」です。文法の用語では、今までのことをふり返って言う「経験」の表し方として扱われ、テンス・アスペクトの話の中で出てきます。 |
| Vタところに(=場所に) | 中級を学ぼう(中級前期) 第5課 | 「〜たところ」が場所を表す使い方です。「駅を出たところに」は「駅を出た、その場所に」という意味で、道順や物の位置を説明するときに使います。「出る・曲がる・渡る・上がる・進む」のような、動くことを表す動詞に付きます。☆の「Vタところで」は、同じ場所を「で」で受けて、そこで何かをする(待つ・会う・写真を撮る)と言う形です。時間の意味の「〜たところだ(〜したばかり)」「〜たところで(〜しても無駄だ)」とは別の使い方なので、分けて扱います。 |
| Vタとたん(=〜するとすぐに) | 中級を学ぼう(中級前期) 第4課 | 前の動作や変化が起きたその瞬間に、次の事柄が起きたことを表します。後ろには、話し手が予想していなかった出来事や、自然に起きた変化が来るのがふつうで、話し手がこれからしようと思っていること(意志・命令・依頼)は置けません。すでに起きたことを述べる形なので、文末は過去形が多くなります。「〜たとたんに」と「に」を付けた形もあり、意味は同じです。 |
| Vたばかりです | できる日本語 初中級 第11課 | ある動作をしてから、まだあまり時間がたっていないことを表します。どのくらいを「まだ」と感じるかは話す人の気持ちで決まり、3か月前でも半年前でも「日本に来たばかりです」と言えます。慣れていない理由やよくわからない理由を言うときに使い、「引っ越したばかりなので、まだよくわかりません」のように「〜ので」とよくいっしょに使います。第10課の「Vたところです」は動作のすぐあとのことにしか使わないので、ここで違いを見せます。 |
| Vたほうがいいです/Vないほうがいいです | できる日本語 初級 第12課 | 相手のために、こうしたほうがいい・こうしないほうがいいと助言する言い方です。するほうを勧めるときはタ形、しないほうを勧めるときはナイ形に「ほうがいいです」をつけます。ST2 では、調子の悪い友達に「早く寝たほうがいいですよ」「無理しないほうがいいです」のように言い、「よ」をつけると相手の知らないことを教える感じが出ます。「ほう」が入っているとおり、二つのやり方を比べて一方を勧める言い方なので、どうするか迷っている相手や、気づいていない相手に向きます。 |
| Vたら、〜(確定条件) | できる日本語 初中級 第3課 | 「Vたら、〜」で、前のことが必ず起こる、または起こると決まっていて、それが終わったあとで後ろのことをする、と言います。初級で習った「もし〜たら」(仮定条件)と形は同じですが、ここでは「卒業したら」「国へ帰ったら」「春になったら」のように、そのときが来るとわかっていることに使い、「もし」はつけません。予定を話すときは、後ろに「〜ます」「〜(よ)うと思っています」「〜つもりです」が来ます。文法の用語では条件表現の一つですが、ここでの「たら」は仮定ではなく、前のことが実現した時点を足場にして後ろを言う確定の条件で、時間の前後を表すはたらきに近くなります。 |
| Vたら、〜た(発見) | できる日本語 初中級 第5課 | 「AたらBた」で、Aをしたときに、思っていなかったBに気がついたことを表します。「かばんを開けたら、カードがありませんでした」「ホームに着いたら、電車はもう出ていました」のように、困ったことに気づいたときの様子を説明するのに使います。後ろは自分の意志でしたことではなく、見つけたこと・分かったことで、過去の形になります。第3課の「Vたら、〜(確定条件)」はこれからのことの順番で、こちらはもう起きたことを話す使い方です。文法の用語では条件表現「たら」の中の「発見・きっかけ」の用法で、前件が過去の1回の出来事、後件が話し手の意志によらない出来事(発見・結果)になり、主文がタ形になる点が「仮定条件」と区別されます。試験では「と・ば・たら・なら」の中で、過去の1回の出来事を言えるのが「と」と「たら」であることが問われます。 |
| Vたらいいです | できる日本語 初中級 第4課 | どうすればうまくいくかを聞くときに「どうしたらいいですか」「どこで買ったらいいですか」のように使い、答えるときにも「〜たらいいですよ」と一つのやり方を勧めます。疑問詞(どう・どこで・何を・いつ)といっしょに使う質問の形をまず覚えさせると、生活の中ですぐ役に立ちます。初級の「Vたほうがいいです」ほど強く言い切らず、いくつかあるやり方のうち一つを教える感じです。文法の見方では、条件の形「〜たら」に「いい」がついて勧めや助言を表す形で、評価のモダリティの一つとして扱われます。 |
| Vたらどうですか | できる日本語 初中級 第12課 | 相手の困りごとを聞いて、「こうしてみては」と軽く勧める言い方です。決めるのは相手で、押しつけない響きがあります。初級の「Vたほうがいいです」は「そうするのがいい」とはっきりアドバイスする形で、「Vたらどうですか」のほうが軽い提案です。友達や同じ立場の人に使うことが多く、目上の人にそのまま言うと、えらそうに聞こえることがあります。 |
| VたりVたりします | できる日本語 初級 第11課 | いくつかの行動の中から代表的なものを二つほど挙げ、ほかにもあることを伝える言い方です。第3課の「NやNなど」の動詞版と考えるとわかりやすいです。休みの日にすることのように、決まった順番がなく、いろいろなことをするときに使います。いつのことかは最後の「します」「しました」で表します。文法の用語では動作の例を並べる言い方で、「たり」を1つだけ使う「掃除したりします」(ほかにもする)という使い方もありますが、この課ではまず二つ並べる形で練習します。 |
| Vて、〜 | できる日本語 初級 第9課 | テ形で文をつなぎ、動作を起こった順番に続けて言います。「朝起きて、公園を走って、朝ご飯を食べました」のように、いくつかの動作を一つの文で話せます。過去か今かは最後の動詞で決まるので、テ形の部分は過去の話でも「〜て」のままです。手順を説明するときにも同じ形を使います。文法の用語では、テ形の「継起」(動作が続いて起こること)の用法にあたります。 |
| Vて、〜/Vないで、〜(付帯状況) | できる日本語 初中級 第12課 | 「AてB」「AないでB」で、Bをするときの様子・状態(何を身につけて、何をしたままで、何をしないで)を表します。体調の場面では「マスクをして寝る」「朝ご飯を食べないで来た」のように、症状の原因や対処のしかたを伝えるのに使います。初級の「Vて、〜」(順番)と違い、AとBは同時です。前の項目の「Vないで、〜」(代わりに)とは形が同じなので、意味で見分けます。 |
| Vテ/N 以来 | 中級を学ぼう(中級前期) 第3課 | ある出来事をきっかけにして、そのあとずっと同じ状態や習慣が続いていることを表します。「〜てから」に似ていますが、「以来」は「それからずっと」という継続の意味が強く、後ろには続いている状態やくり返していることが来ます。一度きりの出来事(「〜て以来、一度行った」)には使いにくく、「昨日以来」のようなごく最近のことにも使いにくい形です。書き言葉と、改まった話し言葉で使います。文法の見方では、ある時点を起点として、そこから今までの継続を述べる形です。 |
| Vてあげます | できる日本語 初中級 第8課 | 自分(または自分の側の人)がほかの人のために何かをすることを、相手のためになる行為として言う形です。初級第8課の「あげます」が物を渡すことだったのに対し、ここではすることそのものを相手に渡します。この ST では、困っている人を手伝った経験を話すときと、親しい友達に「持ってあげようか」と手助けを申し出るときに使います。相手のためにしてやるという気持ちが出るので、目上の人に直接は使いません。文法の用語では、「あげる・もらう・くれる」が動詞のテ形に付いて行為の恩恵の受け渡しを表す補助動詞の用法(授受表現)で、試験では恩恵が誰から誰へ向かうかと、目上の人に直接使いにくい理由が問われます。 |
| Vてあります | できる日本語 初中級 第2課 | だれかが何かのためにしたことの結果が、そのまま残っている様子を表します。レストランでテーブルにはしやお水が置いてある、壁にメニューが貼ってある、のように、店の人が準備した状態を見て言うときに使います。「置く」「貼る」「書く」のように「〜を」をとる動詞を使い、残っている物は「が」で言います。初級第15課の「Vています(結果の状態)」は「ドアが開いています」のように「〜が」の動詞で、だれがしたかには目を向けない、と並べて区別させます。文法の用語では「てある」は他動詞の結果の状態を表す形で、動作をした人を言わなくても、だれかがしたことが分かる点が「ている」との違いです。 |
| Vてあります(完了) | できる日本語 初中級 第6課 | 誰かが目的があってしたことの結果が今も残っていて、準備がもうできていることを伝える言い方です。「ホテルはもう予約してあります」は、予約したという動きよりも「済んでいるから心配ない」という今の状態を言います。第2課で使った「〜と書いてあります」と同じ形で、ここでは準備が済んだことを相手に報告するのに使います。自動詞の「Vています」(初級第15課「窓が開いています」)が誰がしたかを考えない言い方なのに対し、「Vてあります」は人が何かのためにした結果だという感じがあります。 |
| Vていきます | できる日本語 初中級 第10課 できる日本語 初中級 第15課 | 動きが話し手から離れていくことを表します。「鳥が山のほうへ飛んでいきます」「人がたくさんお寺の中へ入っていきます」。同じ動きでも、話し手がどこにいるかで「てきます」か「ていきます」かが決まります。文法の用語では「いく」が補助動詞になった形で、「てくる」と対になって話し手を基準にした方向(ダイクシス)を表します。「これから寒くなっていきます」のように変化がこの先も続く使い方もありますが、この課では目の前の動きの方向に絞ります。 |
| Vていただきます | できる日本語 初中級 第8課 | 「Vてもらいます」の謙譲語で、目上の人に何かをしてもらったことを、自分を低くして言う形です。してくれた人は「に」で表し、受けたわたしが主語です。お世話になった人のことをほかの人に話すときや、「〜ていただいて、ありがとうございました」と本人にお礼を言うときに使います。第5課の「Vていただけませんか」は、この形を使った頼み方です。文法の用語では補助動詞「Vてもらう」の謙譲語Ⅰで、受けた自分を主語にして、行為をしてくれた目上の人(「に」で示す人)を高めます。 |
| Vていただけませんか | できる日本語 初中級 第5課 | 「Vていただけませんか」は、相手に何かをしてもらいたいとき、相手が「できるかどうか」を尋ねる形で丁寧に頼む言い方です。第2課の「Vてもらえませんか」の「もらう」を謙譲の「いただく」にしたもので、知らない人・駅員・店長・先生など、自分より立場が上の人や、自分のために手間をかけてくれる人に使います。してくれるのは相手で、頼む自分が「いただく」側です。文法の用語では、授受動詞「もらう」の謙譲語Ⅰ「いただく」を可能の形にして否定疑問にした依頼表現で、相手の負担を軽くする配慮(ポライトネス)が形に出ています。試験では「てもらえませんか・ていただけませんか・てくださいませんか」の丁寧さの順と、だれが動作をするかが問われます。 |
| Vていました(過去の習慣) | できる日本語 初中級 第13課 | 「子どものころ、毎日公園で遊んでいました」のように、過去のある期間にくり返ししていたこと(習慣)を言います。「〜ころ」「〜とき」「毎日」「よく」などの時のことばと一緒に使うことが多く、一回だけしたことを言う「Vました」と分けて使います。ST1 では、町で見た子どもと自分の子どものころを比べて、「私は子どものころ〜ていました」と経験を話すのに使います。初級で習った「Vています(習慣)」の過去の形です。文法用語で言えば、「ている」の反復・習慣の用法を過去のテンスにしたもので、アスペクトとテンスを分けて見ると整理しやすくなります。 |
| Vています(結果の状態) | できる日本語 初級 第15課 | 「開く」「閉まる」「つく」「消える」「止まる」「並ぶ」など、一回で変わってしまう動きの動詞に「ています」をつけると、変わったあとの様子が今も続いていることを表します。「店が閉まっています」は「今、閉めている途中」ではなく「閉まった状態が見える」という意味です。町を歩いていて目の前の様子を友達に話すときに使います。アスペクトの用語では「結果の状態(結果の残存)」と呼ばれ、進行と結果のどちらになるかは、動詞が変化を表すか動作を表すかで決まります。 |
| Vています(習慣) | できる日本語 初級 第11課 | ある期間ずっと続けていることを言う形です。「毎朝ジョギングしています」「週に3回アルバイトしています」のように、今の生活で続けていることを話します。第3課の「Vます(習慣)」でも習慣は言えますが、「Vています」は「このごろ・今の生活で続けている」という感じが出やすく、今の暮らしを紹介する場面によく合います。形は第7課の動作の進行、第8課の職業と同じです。 |
| Vています(職業) | できる日本語 初級 第8課 | その人がふだん続けている仕事を言う形です。第7課の「Vています」は今している動作でしたが、ここでは「銀行で働いています」「小学校で英語を教えています」のように、毎日続いていることを表します。「父は会社員です」(第1課の名詞文)の代わりに、どこで何をしているかまで言えるので、家族の紹介がくわしくなります。聞くときは「何をしていますか」「お仕事は?」です。 |
| Vています(装着動詞) | できる日本語 初級 第13課 | 服やめがね、帽子などを身につけた結果、今その状態であることを言う形です。「着ます」は身につける動作で、「着ています」は身につけている今の様子です。人を紹介したり、その場にいる人を見分けたりするとき、「青いシャツを着ている人」のように名詞修飾と一緒に使うと便利です。身につける物によって動詞が変わります。文法の用語では「ている」の結果の状態の用法にあたり、第15課の「Vています(結果の状態)」の先取りになります。 |
| Vています(動作の進行) | できる日本語 初級 第7課 | 今まさに動作が続いていることを表す形です。パーティーの最中に「山本さんは台所でお茶をいれています」のように、その場にいない人や周りの人が今何をしているかを伝えるのに使います。「〜ます」だけでは習慣や予定に聞こえるので、「今」していることにはこの形を使います。文法の用語では「アスペクト」(動作がどの段階にあるか)の表し方の一つで、「〜ています」はこのあと職業・習慣・結果の状態にも使い方が広がります。 |
| Vている間に、〜 | できる日本語 初中級 第7課 | 前の動作が続いているあいだに、その時間の中で別のことをして終えることを表します。料理の説明では「お湯を沸かしている間に、野菜を切ります」のように、二つの手順を同時に進めることを伝えるのに使います。前と後ろで動作する人が違ってもよく、「私が巻いている間に、油を温めてください」と役割を分けて頼むこともできます。「間に」のあとはその時間の中で済むことで、時間全体ずっと続くことを言うときは「間」(「〜ている間、ずっと〜」)を使います。 |
| Vておきます(準備) | できる日本語 初中級 第6課 | あとで困らないように、ある時までに前もって何かをすることを表します。旅行の前に「ホテルを予約しておきます」「行き方を調べておきます」と言えば、旅行のための準備として今のうちにする、という意味になります。「誰がするか」をはっきりさせて分担を決めるときに便利です。友達同士では「予約しとく」「調べとく」のように縮めて言うことが多いです。 |
| Vておきます(放置) | できる日本語 初中級 第9課 | ある状態を、目的があって「そのままにする」ことを表します。第6課の「Vておきます(準備)」が前もって何かをすることだったのに対し、ここでは「窓は開けておいてください」「電気はつけておきます」のように、今の状態を変えずに続けることに重点があります。仕事では、次の人や客のために物をどうしておくかを伝えるのに使い、「Vておいてください」「Vておいてもいいですか」の形でよく使います。話し言葉では「開けとく」「置いといて」と縮まるので、聞いてわかるようにしておきます。 |
| Vてから、〜 | できる日本語 初級 第12課 | 一つのことが終わったあとで次のことをする、という順番をはっきり言う形です。病院では「ご飯を食べてから、この薬を飲んでください」のように、医者が薬を飲む時や、することの順番を指示するときによく使います。第9課の「Vて、〜」も順番に続けて言えますが、「Vてから」は前のことが終わるのを待つ、という順番の決まりに重みがあります。前のことが終わってから後ろのことをする、という時の関係を表す従属節の一つで、「から」が付いていても、わけを表す第5課の「〜から」とは別の形です。 |
| Vてきました | できる日本語 初中級 第15課 | 過去のある時から今までのあいだに、少しずつ変化が続いてきたことを言う形です。発表では、グラフの線を指しながら「〜年前から今まで、こう変わってきた」と説明するのに使います。「増えました」はその結果だけを言いますが、「増えてきました」は今までの流れも一緒に伝えます。「増える・減る・変わる・〜くなる・〜になる」のような変化を表す動詞と一緒に使うことが多いです。 |
| Vてきます | できる日本語 初級 第10課 できる日本語 初中級 第10課 | 「Vてきます」は、ある場所へ行って何かをし、また今の場所に戻ってくることを表します。集合のあとや出発前に「ちょっとトイレに行ってきます」「飲み物を買ってきます」と言うと、すぐ戻るつもりだと周りに伝わるので、大勢で動くときに欠かせない一言です。第5課の「〜へ〜に行きます」は行くことに重点があり、「Vてきます」は戻ってくることまで含みます。 |
| Vてください | できる日本語 初級 第7課 | 相手に何かをしてほしいと頼んだり、作業の指示を出したりする形です。パーティーの準備で「このトマトを切ってください」のように、家の人が手伝う人に頼むときに使います。ていねいな言い方ですが、指示の響きもあるので、目上の人に頼むときは「すみませんが」を前につけると柔らかくなります。 |
| Vてくださいます | できる日本語 初中級 第8課 | 「Vてくれます」の尊敬語で、目上の人が自分のためにしてくれたことを、その人を主語にして高めて言う形です。した事実を話すときは「〜てくださいました」、本人にお礼を言うときは「〜てくださって、ありがとうございました」(第5課の「〜て(理由)」)になります。お礼では「〜ていただいて」と「〜てくださって」のどちらも使え、主語をどちらから見るかが違うだけです。初級第7課の「Vてください」は頼む言い方で、この形とは別です。文法の用語では補助動詞「Vてくれる」の尊敬語で、試験では「Vてくださる」と「Vていただく」の主語の違い(する人か受ける人か)と、それぞれで相手に付く助詞(が/に)がよく問われます。 |
| Vテくる | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 動詞のて形に「くる」を付けて、今までなかったもの・見えなかったものが現れる、という意味を表します。「芽が出てくる」「涙が出てくる」「霧が出てくる」のように、話し手の目の前に何かが現れる場面で使います。移動の「来る」ではなく、「こちらに向かって現れる・始まる」という方向の気持ちが付いた形です。「暖かくなってくる」のように変化の始まりを表す使い方も同じ仲間です。試験では、補助動詞としての「くる」が出現や変化の始まりを表す例として、移動の「来る」との区別が問われやすいところです。 |
| Vてくれます | できる日本語 初中級 第8課 | ほかの人が自分(や家族など自分の側の人)のために何かをしてくれたことを、した人を主語にして言う形です。受けるのは「わたし」なので「わたしに」はふつう言いません。「Vてもらいます」と同じ出来事を、した人の側から言う形で、した人への感謝の気持ちがはっきり出ます。第5課の「〜て、〜(理由)」と合わせた「〜てくれて、ありがとう」は、友達へのお礼の言い方になります。文法の用語では、話し手(とその内の人)が受け手になるときに使う授受の補助動詞で、恩恵の向きが話し手の側に決まっている点が「Vてあげます」との大きな違いです。 |
| Vてしまいました(後悔) | できる日本語 初中級 第5課 | 「Vてしまいました」は、してはいけないこと・したくなかったことが起きてしまい、困った・残念だという気持ちを添えて言う形です。「財布をなくしました」は事実だけですが、「なくしてしまいました」と言うと、困っていることが相手に伝わり、助けを頼む前置きになります。友達との話では「なくしちゃった」と縮めることが多いですが、窓口や目上の人には「てしまいました」を使います。文法の用語では、「てしまう」は動作の完了を表すアスペクトの形で、そこから「取り返しがつかない」という話し手の気持ち(モダリティ)が出てきます。第9課で出る「Vてしまいます(完了)」はこの完了の面で、この課は気持ちの面から先に入ります。 |
| Vてしまいます(完了) | できる日本語 初中級 第9課 | 「全部終わらせる」「最後までやってしまう」ことを表します。第5課の「Vてしまいました(後悔)」は残念な気持ちを表しましたが、ここでは残念さはなく、「先にこれを洗ってしまいます」のように、仕事を区切りよく片づける意志や、すっかり終わったことを言います。仲間に「〜てしまいますね」「〜てしまうね」と言うと、自分がそこまで引き受けることを伝えられます。話し言葉では「洗っちゃう」「やっちゃった」と縮まります。 |
| Vてはいけません | できる日本語 初級 第14課 | 「Vてはいけません」は、してはいけないこと(禁止)をきまりとして伝える形です。寮・電車・図書館などのルールを、まだ知らない人に教えるときに使います。きまりを言う形なので、目の前の相手に直接お願いするときは第10課の「Vないでください」のほうがやわらかく聞こえます。「Vてもいいですか」と聞かれて「いいえ、Vてはいけません」と答えることもできますが、強く聞こえるので、場面によっては「すみません、ちょっと…」と答えさせます。 |
| Vてみます | できる日本語 初中級 第2課 | どうなるか、どんな感じかを知るために試しにやってみることを表します。店で服を着たり、かばんを持ったり、試食をしたりするときに使い、「Aそうです」で見た目を言ったあと、本当にそうか確かめる動きにつながります。初級第10課の「Vてもいいですか」と合わせた「着てみてもいいですか」は、店員に試着を頼む決まった言い方として覚えさせます。文法の用語では、テ形のあとに付いて意味を添える補助動詞の一つで、あとで出る「Vておきます」「Vてしまいます」と同じ仲間です。 |
| Vてもいいですか | できる日本語 初級 第10課 | 「Vてもいいですか」は、その場所でしてもいいかどうか、相手に許可を求める言い方です。見学先や乗り物の中など、きまりがわからない場所で、係の人やガイドに聞くときに使います。答えは「はい、いいですよ」「どうぞ」、だめなときは第6課の「〜はちょっと…」や、このあと習う「〜ないでください」で返ってくることが多いので、両方を聞き取れるようにします。 |
| Vてもらいます | できる日本語 初中級 第8課 | ほかの人の行為で自分が助かったことを、受けた人(わたし)を主語にして言う形です。してくれた人は「に」で表し、教える・送るのように物や情報が相手から移る動詞では「から」も使えます。頼んでしてもらったときにも、頼まずにしてもらったときにも使えます。この ST では、日本に来てから親切にしてもらった経験を話すのに使います。文法の用語では授受の補助動詞のうち受け手を主語にする形で、してくれた人に付く「に」と「から」の使い分けや、同じ出来事を「Vてくれます」で言い換えたときに主語と助詞が入れ替わることが試験で問われます。 |
| Vてもらえませんか | できる日本語 初中級 第2課 | 相手に何かをていねいに頼む言い方です。客が店員に、学生が先生に、というように、相手にしてもらう立場から使います。「もらえる」は第1課の可能動詞(もらう→もらえる)で、「〜してもらうことはできませんか」と相手の都合を聞く形になっているので、「Vてください」より柔らかく聞こえます。文法の用語では、授受表現の「もらう」と可能の形が合わさった依頼の表現で、相手がしてくれる側、自分が受け取る側に立ちます。 |
| Vナイずに(は)いられない(=〜ないではいられない) | 中級を学ぼう(中級前期) 第6課 | 気持ちや体が自然に動いてしまって、しないでいることができない、という意味です。「涙を流さずにはいられない」なら、我慢しようとしても涙が出てしまう、という感じです。「ずに」は「ないで」の書き言葉の形で、「〜ないではいられない」は同じ意味で話し言葉にも使いやすい形です。自分の意志で止められることではなく、気持ちが抑えられない場面で使います。 |
| Vないで、〜 | できる日本語 初中級 第12課 | 「AないでB」で、ふつうならすることや予定していたAをしないで、代わりにBをすることを表します。体調不良の場面では「病院へ行かないで、家で寝ていました」「薬を飲まないで、ゆっくり休みました」のように、自分がどう対処したかを伝えるのに使います。同じ課の「Vて、〜/Vないで、〜(付帯状況)」は、Bをするときの様子を言う形で、こちらは「Aの代わりにB」です。 |
| Vないでください | できる日本語 初級 第10課 | 「Vないでください」は、相手に何かをしないように頼む言い方で、見学先の注意やバスの中のお願いでよく聞きます。学習者がまず身につけたいのは、この形を聞いてすぐに「してはいけないこと」だとわかることです。自分が言うときは、前に「すみませんが」をつけると、注意がやわらかくなります。 |
| Vナイないと、Vナイないからだ | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 前の文で述べたことの理由を、「AしなければBできない(から)」という形で説明する言い方です。「〜ないと」は「それをしないなら」という条件で、後ろには「〜ない」「〜できない」のような否定が来て、Aが欠かせないことを表します。文末の「〜からだ」は「なぜなら〜からだ」と理由を言う書き言葉の形で、「〜からです」の普通体です。説明文で「大変なことを続ける理由」を述べるときによく出ます。 |
| Vながら、〜 | できる日本語 初中級 第11課 | 一人の人が、同じ時期に二つのことを続けていることを表します。この ST では「アルバイトをしながら、日本語学校に通っています」のように、生活の中で二つのことを並行してしているのを地域の人に話すときに使います。文の中心は後ろのことで、「ながら」の前はそれといっしょに続けていることです。その場で体が二つの動作を同時にする使い方(同時進行)は ST2 で扱います。 |
| Vながら、〜(同時進行) | できる日本語 初中級 第11課 | 一人の人が、同じときに二つの動作をすることを表します。ST1 の「アルバイトをしながら学校に通う」は長い期間に二つのことを続ける使い方でしたが、ここは「旗をふりながら応援する」「メモを取りながら監督の話を聞く」のように、その場で二つの動作を同時にしている場面です。後ろが中心の動作で、前はそれといっしょにしている動作です。 |
| Vなくてもいいです | できる日本語 初級 第14課 | 「Vなくてもいいです」は、しなくてもかまわない、する必要がない、ということを表します。「Vなければなりませんか」と聞かれて、必要がないときに「いいえ、Vなくてもいいです」と答えます。ルールを説明するとき、しなければならないことと、しなくてもいいことを分けて言えると、聞く人が安心します。ナイ形の「ない」を「なくてもいいです」に変えて作ります。 |
| Vなくなります | できる日本語 初中級 第11課 | 前はしていたことを、今はしない、という変化を表します。「Vるようになります」の反対向きの変化で、「朝ごはんを食べなくなりました」のように習慣がなくなったことを言います。可能動詞のナイ形につけると「できなくなった」の意味になります(夜、よく眠れなくなりました)。地域の人に困っていることや少し残念な変化を話すときによく使います。 |
| Vなければなりません | できる日本語 初級 第14課 できる日本語 初中級 第3課 | 「Vなければなりません」は、きまりや事情があって、しなければならないこと(義務)を言う形です。ごみの出し方、書類の出し方、寮のきまりなど、生活のルールを伝えるときによく使います。ナイ形の「ない」を「なければなりません」に変えて作ります。形が長いので、最初は「なければ」と「なりません」に分けてゆっくり言わせます。 |
| Vにくいです | できる日本語 初中級 第2課 | その物を使って何かをするのが難しい・面倒だという使い心地を表します。「このペンは書きにくい」のように、この課では物について言い、品物の欠点を言って買うかどうか決めるときに使います。「にくい」は「い」で終わる形容詞と同じように変わり、「書きにくくないです」「書きにくいペン」とも言えます。 |
| Vにくいです(傾向・性質) | できる日本語 初中級 第12課 | 人や物がなかなかそうならない・そうなりにくい性質があることを表します。「この靴は滑りにくい」「このコップは割れにくい」「太りにくい食べ物」のように、使っている物や食べ物のよさを伝えるのによく使います。第2課の「Vにくいです」(〜するのがむずかしい)と形は同じなので、前の動詞が自分の意志で決められるかどうかで見分けます。 |
| Vました/Vませんでした | できる日本語 初級 第5課 | 「Vます」の過去が「Vました」、「Vません」の過去が「Vませんでした」で、休みの日などにしたこと・しなかったことを言います。第3課の「Vます」は予定や習慣を表しましたが、ここで「きのう・先週・週末」のような過去の時の語といっしょに使うと、終わったことを話せるようになります。グループに関係なく「ます」を「ました」に替えるだけなので、形の負担は軽く、時の語との組み合わせに練習の時間を使います。文法の用語で言えば、丁寧形の述語にテンス(過去)が加わった形で、ここで初めて「過去と非過去」の対立を扱います。 |
| Vましょう | みんなの日本語 初級Ⅰ 第6課 | 「いっしょに〜しよう」と相手に働きかける言い方です。相手も同じ気持ちだと分かっているときに使うので、「〜ませんか」の誘いに「ええ、〜ましょう」と応じる場面がいちばん自然です。また、時間や場所がもう決まっているときに「じゃ、1時に駅で会いましょう」と確認したり、教師が「始めましょう」「休みましょう」と教室で合図したりするのにも使います。相手に選ばせる「ませんか」と違って、こちらから押す形なので、初めて目上の人を誘うときには向きません。 |
| Vましょうか | できる日本語 初級 第7課 できる日本語 初中級 第6課 | 自分が何かをすることを申し出る言い方です。パーティーで家の人が忙しそうなときに「手伝いましょうか」「窓を開けましょうか」と言います。受けるときは「はい、お願いします」「ありがとうございます」、断るときは「いいえ、大丈夫です」と答えます。第6課の「Vましょう」(一緒にしようと誘う)と形が似ていますが、ここでは「わたしがしますか」という意味です。 |
| Vます(習慣) | できる日本語 初級 第3課 | ST2 と同じ「Vます」の形で、毎日・毎週くり返すこと(習慣)も言えます。予定か習慣かは形ではなく、「明日」か「毎日」「毎朝」かのような一緒に使う時のことばで決まります。ST3 では「毎朝、何時に起きますか」のように、ふだんの生活を聞き合うのに使います。 |
| Vます(予定) | できる日本語 初級 第3課 | 動詞の「ます」の形は、これから先のこと(予定)を言うのに使います。日本語の動詞には英語の will のような未来だけの形はなく、「明日」「来週」「8月は」のような時のことばと一緒に言うことで予定だとわかります。ST2 では、休みの時期に何をするかを言うために、まず「行きます・帰ります・します・勉強します」などをまとまりとして覚えさせます。文法の用語では、この「ます」の形は過去に対する非過去の形で、予定と習慣の両方を受け持ちます。 |
| Vます/Vません/Vました/Vませんでした | みんなの日本語 初級Ⅰ 第4課 | 動詞の丁寧な形の4つの組です。「ます」は現在の習慣とこれからのこと(非過去)、「ました」は過去のことを表し、「ません」「ませんでした」がそれぞれの否定です。質問は文の最後に「か」を付け、答えは「はい、Vます」「いいえ、Vません」の形です。この教科書では動詞を「ます」の付いた形で覚えるので、学習者にとってはこれが動詞の基本の形になります。「ます」は「今している」という意味にはならない点が大切です(「今している」は第14課の「〜ています」で扱います)。 |
| Vマスかねない | 中級を学ぼう(中級前期) 第8課 | 「このままでは悪い結果になるかもしれない」と、話し手が心配している可能性を言う形です。「〜かもしれない」と違って、悪い結果にしか使いません。前に原因(忙しすぎる・寝ていない・確認していない)を言い、「そのせいで〜しかねない」と続けるのが基本の形で、相手に注意を促したり、意見文で危険を指摘したりするときに使います。文法の見方では可能性を表す文末表現(モダリティ)の一つで、その中でもマイナスの評価に限られる点が特徴です。 |
| Vマスつつある(=だんだん〜ている) | 中級を学ぼう(中級前期) 第5課 | ある変化が今まさに進んでいる途中だ、という意味の書き言葉です。「増える」「減る」「変わる」「なる」「広がる」のような、変化を表す動詞に付きます。「〜ている」との違いは、「壊れている」が「もう壊れた状態」を表すのに対し、「壊れつつある」は「壊れる途中」を表す点です。新聞・レポート・説明文で使い、会話では「だんだん〜てきている」のほうが自然です。 |
| Vません | できる日本語 初級 第3課 | 「Vます」の「ます」を「ません」に変えると、その動作をしないことを表します。予定の話では「わたしは帰りません」のように、相手と違う予定を言ったり、休みの日にしないことを言ったりするのに使います。どの動詞も「ます→ません」の同じ変え方です。 |
| Vませんか | みんなの日本語 初級Ⅰ 第6課 | 相手を誘う言い方です。「飲みますか」は相手が飲むかどうかを尋ねる普通の質問ですが、「飲みませんか」は「わたしと いっしょに飲むのはどうですか」という誘いになります。否定の形で聞くことで、相手に断る余地を残した、ていねいな誘い方になります。多くの場合「いっしょに」といっしょに使います。応じるときは「ええ、いいですね」「ええ、〜ましょう」。断り方は第9課で本格的に扱うので、この課では「すみません、ちょっと……」程度にとどめます。 |
| Vませんか/Vましょう | できる日本語 初級 第6課 | 「Vませんか」は、相手の気持ちを聞きながら誘う言い方で、形は否定の質問でも意味は「一緒にどうですか」です。誘われて受けるときや、もう一緒にすると決まったことを進めるときは「Vましょう」と言います。誘う側はまず「Vませんか」で聞き、相手が受けたら二人で「Vましょう」と言う、という順で使うと押しつけになりません。形は否定の疑問文でも、はたらきは誘いなので、文の形とはたらきがずれる例(間接的な発話行為)として説明できます。 |
| Vやすいです | できる日本語 初中級 第2課 | その物を使って何かをするのが楽だ・簡単だという使い心地を表し、「Vにくいです」の反対です。品物のよいところを言って、買う物を決める決め手にします。「にくい」と同じくイ形容詞のように変わり、「使いやすいかばん」「使いやすくて、軽いです」と言えます。 |
| Vやすいです(傾向・性質) | できる日本語 初中級 第12課 | 第2課の「Vやすいです」は「(人が)〜するのが簡単だ」という意味でしたが、ここでは人や物が自然にそうなりがちだ・そうなる性質があるという意味です。「冬は風邪をひきやすい」「このシャツは乾きやすい」のように、体質や季節、物の性質を話すときに使います。前に来るのは「ひく」「なる」「疲れる」「乾く」のように、自分の意志では決められない動詞が多いです。よいことにも悪いことにも使えます。 |
| Vル/Nの たびに(=〜の時はいつも) | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 「そのことが起こるときは、いつも必ず」という意味です。あることが繰り返し起こり、そのたびに同じことが起こる・同じ気持ちになる、と言うときに使います。回数は多くても少なくてもかまいませんが、毎日の当たり前の動作には使わず、何かの出来事や機会のあとに反応や発見が続く、という形が多い表現です。 |
| Vル/Nの 途中 | 中級を学ぼう(中級前期) 第4課 | 動作や出来事が始まってから終わるまでの間のある時点を表します。「帰る途中で」「会議の途中で」のように、「途中」のあとに「で」や「に」が付いて、そのときに起きたことや、そこで中断したことを言います。出来事が起きた時点を言うときは「で」が多いですが、「帰る途中に事故にあった」「行く途中にコンビニに寄った」のように「に」も使えます。「途中にコンビニがある」のように場所を言うときは「に」になります。「途中まで」「途中から」の形もあります。動詞は「帰る途中」のように る形が基本で、「帰っている途中」も使えますが、「帰った途中」とは言えません。 |
| Vる/Vない ほど | 中級を学ぼう(中級前期) 第2課 | 動作や状態の程度を、たとえや具体的な例で表す言い方です。「泣きたいほど悔しい」は、悔しさの程度を「泣きたい」というたとえで示しています。話し言葉では「ぐらい・くらい」も使いますが、「死ぬほど」のような極端なたとえには「ほど」を使います。「〜ほどだ」の形で文を終えることもあります(寒くて、手が動かないほどだった)。「練習すればするほど上手になる」の「〜ば〜ほど」は、一方が増えるともう一方も増える比例の言い方で、この項目とは別の使い方です。 |
| Vル/Vナイない ように | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 「〜ように」で、人に頼んだこと・命じたこと・注意したことの内容を表します。「早く来るように言われた」「遅れないように注意された」のように、後ろに「言う・頼む・注意する・伝える」などが来て、「〜てください」「〜ないでください」と言われた内容を間接的に伝える形です。掲示や連絡では、後ろの動詞を省いて「〜ように。」で文を終えることもあります。 |
| Vル/Vナイない(という)ことになる | 中級を学ぼう(中級前期) 第6課 | ある前提や条件から考えると、結果としてそう言える、という推論の結びです。「1日2時間勉強すると、1週間で14時間勉強することになる」のように、計算や論理の結果を言い、「つまり〜ということだ」と言い換えられます。前に「〜としたら」「〜なら」が来ることが多い形です。あわせて☆の2つを扱います。「〜ことになっている」は、規則や予定のように他の人や組織が決めて今そうなっていることを表し、「〜ことにしている」は、自分で決めて続けている個人の習慣を表します。 |
| Vること/N こそ | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 「ほかのものではなく、まさにこれ」と取り立てて強調する助詞です。「こちらこそ」「今度こそ」のような決まった言い方から入ると、意味がつかみやすくなります。書き言葉では「〜こそ〜だ」の形で、筆者がいちばん言いたいことを示すのに使われます。 |
| Vること/N ほど〜はない・いない | 中級を学ぼう(中級前期) 第2課 | 「〜がいちばん〜だ」を、否定の形で強く言う言い方です。「母の料理ほどおいしいものはない」は「母の料理がいちばんおいしい」と同じ意味で、話し手の気持ちが強く出ます。人には「いない」、物や事柄には「ない」を使います。初級の「AはBほど〜ない」(2つの比較)と形が似ていますが、こちらは後ろに「もの・こと・人+はない」が来て、ほかのすべてと比べてNが一番だと言います。事実を淡々と言うなら「いちばん」、感動や強い評価を込めるなら「ほど〜はない」が合う傾向があり、話し言葉では「Nぐらい〜はない」もほぼ同じ意味で使われます。 |
| Vることです | できる日本語 初級 第9課 | 「趣味は+Vることです」で、趣味を動詞を使って言います。第1課の「趣味は映画です」は名詞だけでしたが、「映画を見ることです」「日本の映画を見ることです」のように、何をどうするかまで詳しく言えるようになります。動詞を「こと」で名詞のようにして「です」の前に置く形です。文法の用語でいうと、この「こと」は動詞を名詞のはたらきにする形式名詞で、「Vること」のかたまり全体が「趣味は」の述語になります。 |
| Vることにします/Vないことにします | できる日本語 初中級 第12課 | 自分の意志で「こうする」と決めることを表します。「明日から毎朝走ることにします」は今ここで決めたことを言う形で、「〜ことにしました」と言うと、もう決めたことを人に伝える形になります。健康の話の終わりに「わたしも〜ことにします」と言うと、聞いた話を受けて自分の行動を決められます。第9課の「Vることになっています」は自分が決めたのではない決まりや予定、第3課の「Vるつもりです」は前から持っている考え、という違いがあります。 |
| Vることになっています(予定) | できる日本語 初中級 第9課 | 話し手が自分で決めたのではなく、店や会社などで決まった予定を伝える形です。ST1 の規則と同じ形ですが、ここでは「来週から新しい人が入ることになっています」のように、決まった日の予定を言います。第3課の「〜つもりです」が自分の意志で決めた予定だったのに対し、「〜ことになっています」は周りで決まったことなので、シフトや店の予定を仲間に伝えたり、誘いを断る理由を言ったりするのに合います。 |
| Vることになっています/Vないことになっています(規則) | できる日本語 初中級 第9課 | 職場や学校など、その集団で決まっていることを伝える形です。話し手が自分で決めたことではなく、「ここではそうする決まりだ」と説明するので、先輩が新しく入った人にルールを教えるときによく合います。「Vなければなりません」が相手の義務を強く言うのに対し、「〜ことになっています」は決まりそのものを説明する言い方なので、言われた側も受け取りやすくなります。 |
| Vるために、〜/Nのために、〜(目的) | できる日本語 初中級 第3課 | 「〜ために」で、後ろのことを何のためにするか、目的を言います。夢や目標を話したあとに「そのために何をしているか」を続けると、話がはっきりします。「ために」の前の動詞は、自分の気持ちでする動作(行く・入る・なる・勉強する など)で、前と後ろは同じ人の動作です。初級の「〜に行きます」も目的を言いますが、そちらは「行く・来る」の前だけで使い、「ために」は後ろの動詞を選びません。文法の用語では目的を表す従属節で、前の動詞が意志動詞であることがこの形の条件です。自分で決められないこと(話せるようになる・忘れない など)を目的にするときは、初中級の後の課で出る「〜ように」を使い、第15課では同じ「ために」が原因の意味でも出るので、この課では目的だけに絞ります。 |
| Vるつもりです/Vないつもりです | できる日本語 初中級 第3課 | 「Vるつもりです」は、もう心の中で決めている予定を言います。「〜(よ)うと思っています」より決め方がはっきりしていて、「卒業したら国へ帰るつもりです」と言うと、もうそう決めた感じになります。しないと決めたことは「Vないつもりです」で言います。文法の用語では話し手の意志を表す形式の一つです。「帰るつもりはありません」と言うと、そうする気持ちがまったくないことを強く打ち消す言い方になり、「帰らないつもりです」(帰らないと決めた)とは少し意味が違います。 |
| Vると、〜 | できる日本語 初級 第14課 | 「AとB」で、Aをすると必ず・いつもBになる、という結びつきを表します。ボタンを押すと水が出る、まっすぐ行くと駅がある、のように、機械の使い方や道順、自然のきまりを説明するのに向いています。ST1 では操作(A)とその結果(B)をつないで、初めて見る人に使い方を教えます。後ろ(B)には、自然に起きることや、そこにある物を言い、「〜てください」「〜ましょう」のような頼みや誘いは来ません。 |
| Vると、Nがあります | できる日本語 初中級 第4課 | 道案内で、「まっすぐ行く」「右に曲がる」などの動作をすると、その先に何が見えるかを言う形です。「この道をまっすぐ行くと、交差点があります。その交差点を右に曲がると、左に図書館があります」のように、動作と目印を交互に足していくと、聞く人が頭の中で道をたどれます。初級の「Vると、〜」と同じ「と」で、前の動作をすれば必ず後ろのことが起きる、という関係を表します。後ろには目印があることや見えることが来て、「〜てください」のような頼みは来ません。文法の見方では条件表現の「と」で、前の動作のあとに後ろの事態が見つかる・成り立つことを表し、後ろに意志や依頼の文が来ないという制約があります。 |
| Vるといいです | できる日本語 初中級 第4課 | 自分が知っていることや経験から、「こうするとうまくいく・得をする」というやり方を相手に勧める形です。「夕方に行くといいですよ(安くなります)」のように、勧める理由をあとに続けるとよく伝わります。質問には「〜たらいいですか」のほうが多く使われるので、この課では、聞くときは「たら」、勧めるときは「たら」「と」のどちらでもよい、と整理します。「晴れるといいですね」のように、そうなってほしいという気持ちを言う使い方もあるので、聞いたときに混乱しないよう一言ふれておきます。「〜たらいい」と同じく、条件の形に「いい」がついて勧めを表す言い方で、文法では評価のモダリティにまとめられます。 |
| Vるところです/Vているところです/Vたところです | できる日本語 初中級 第10課 | 動作のどの段階にいるかを言う形です。「Vるところ」はこれから始める直前、「Vているところ」は今ちょうどその途中、「Vたところ」は終わったすぐあとです。旅行中に電話やメッセージで「今どうしているか」を伝えるときに使います。文法の用語では、動作の局面(直前・最中・直後)を表すアスペクトの形です。「Vたところ」は終わったすぐあとのごく短い時間だけを言い、電話で「今は手が離せない」「今ちょうど〜した」と事情を伝える場面に向いています。 |
| VるのがA | できる日本語 初中級 第1課 | 動詞の辞書形に「の」をつけると、動作を名詞のように扱えます。初級の「Nが好きです」「Nが上手です」の N の位置に動作を入れて、「料理を作るのが好きです」「絵をかくのが上手です」のように、好きなこと・得意なことを言います。「好き・嫌い・上手・下手・得意・苦手・速い」などの前では「〜のが」になります。新しい友達と、自分の好きなことや得意なことを話すのに使います。 |
| Vるのに〜/Nに〜(目的・用途) | できる日本語 初中級 第12課 | 「AのにB」「NにB」で、Aという目的・用途にとって、その物や方法がどうか(いい・便利だ・役に立つ・使う・時間やお金がかかる)を言います。健康の場面では「このアプリは歩いた距離を見るのに便利です」「しょうがは風邪にいいです」のように、使っている物や食べ物を紹介するのに使います。後ろには評価や必要のことばが来て、「走ります」のような意志の動作は来ないのが、同じ目的を表す「Vるために」との違いです。 |
| VるのはA | できる日本語 初中級 第1課 | 「Vるの」を話題にして、その動作がどうかを言う形です。「日本語で電話するのは難しいです」「友達と料理を作るのは楽しいです」のように、「難しい・簡単だ・楽しい・大変だ・おもしろい・便利だ」など、動作の評価を言うのに使います。新しい友達と日本の生活の感想を話すときによく使います。「〜のが」は好き・上手などの気持ちや能力の対象を言うとき、「〜のは」は動作を話題にしてどうかを言うとき、と分けて練習します。 |
| Vるのはどうですか | できる日本語 初中級 第15課 | 話し合いの中で「こういうやり方もある」と案を出し、みんなの意見を聞く言い方です。「Vたらどうですか」は相手一人に何かをすすめる言い方ですが、「Vるのはどうですか」は一つのアイデアとして机の上に出す感じで、グループで何かを決めるときに使いやすい形です。友達どうしでは「〜のはどう?」と言います。 |
| Vルまでもない・Vルまでもなく〜(=する必要はない/ないが〜) | 中級を学ぼう(中級前期) 第3課 | 「わざわざ〜するほどのことではない」「〜しなくても分かる・できる」という意味です。そのことが簡単・当然・小さいことなので、その行動は要らない、と言います。「〜必要はない」に近いですが、「それほどのことではない」という評価が入る点が違います。「言うまでもない」は決まった言い方です。「Vルまでもなく〜」は「〜するまでもなく、…だ」と文を続ける形で、「その行動をしなくても、…」という意味になります。文法の見方では、必要がないことを述べる形に、話し手の評価(その程度のことだ)が加わったものです。 |
| Vるように、〜/Vないように、〜 | できる日本語 初中級 第9課 | 後ろの動作を何のためにするか(目的)を言う形で、前には「聞こえる・見える・わかる」のように自分の意志で決められない動詞、可能動詞、ナイ形が来ます。第3課の「〜ために」は「買うために」のように自分の意志でする動作が前に来るので、ここで二つの使い分けを整理します。ST1 では、ルールに理由をそえて「お客様によく聞こえるように、大きい声で言います」のように後輩に説明するときに使います。 |
| Vるようにしています/Vないようにしています | できる日本語 初中級 第12課 | 毎日の生活の中で、そうするように気をつけて続けていること(努力して続けている習慣)を表します。「毎日野菜を食べるようにしています」「夜遅く食べないようにしています」のように、健康のために気をつけていることを話すのに使います。ただ「食べています」と言うより、「意識して続けている」気持ちが出ます。第9課の「Vるようにしてください」(相手に頼む)、第11課の「Vるようになります」(変化)と形が似ているので、並べて区別します。 |
| Vるようにしてください/Vないようにしてください | できる日本語 初中級 第9課 | 相手に「いつも気をつけてそうするように」と頼む形です。「Vてください」「Vないでください」がその場の一回の行動を直接頼むのに対し、「〜ようにしてください」はこれから続けて心がけてほしいことを、少しやわらかく伝えます。店長や先輩など、指導する立場の人が後輩やアルバイトに言うのがふつうで、後輩から先輩や店長には使いません。 |
| Vるようになります(習慣の変化) | できる日本語 初中級 第11課 | 前はしなかったことを、今は習慣としてするようになった、という変化を表します。第1課の「読めるようになりました」(能力の変化)は可能動詞についていましたが、ここでは辞書形について、生活のしかたが変わったことを言います。地域の人に「日本の生活に慣れましたか」と聞かれたとき、変わったことを具体的に答えるのに使い、ふつうは「〜ようになりました」の形で話します。 |
| Vるようになります(能力の変化) | できる日本語 初中級 第1課 | 前はできなかったことが、今はできる状態に変わったことを言う形です。可能動詞(または「Vることができる」)の辞書形に「ようになります」をつけ、日本に来てからの変化を話すときは、ふつう「〜ようになりました」と過去の形で言います。初級の「上手になりました」(形容詞・名詞の変化)に対して、こちらは動作ができるようになった変化を言います。新しい友達に「日本に来てどうか」を話すときの中心の形です。 |
| Vる前に、〜/Nの前に、〜/[時間]前に、〜 | できる日本語 初級 第12課 | あることをする前に別のことをする、という時を表します。動詞は辞書形に、名詞は「の」をつけて「前に」が続きます。時間の長さ(「30分」「2日」)に直接「前に」がつくと、「今から(あることから)その分だけさかのぼった時」を表し、病院では「2日前に熱が出ました」と症状が始まった時を言ったり、「手術の1時間前に来てください」のように指示を聞いたりするのに使います。文が過去でも「昨日、寝る前に薬を飲みました」と辞書形のままなのは、「前に」の前の形が話している今ではなく後ろの動作から見た時を表すためで、文法では相対テンスの例として扱われます。 |
| V意向形 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第31課 | この項目は意向形の作り方として扱います。「行きましょう→行こう」「食べましょう→食べよう」のように、意向形は「〜ましょう」の普通形にあたり、友達や家族との普通体の会話で「いっしょにしよう」と誘うとき、「(自分が)しよう」と決めるときに使います。「〜ましょうか」は「〜(よ)うか」になります。作り方はグループで決まり、グループIは辞書形の最後の音を う段 から お段 に変えて「う」を付け(書く→書こう)、グループIIは「る」を「よう」に替え(食べる→食べよう)、グループIIIは「する→しよう」「来る→来よう(こよう)」です。 |
| V命令形/V禁止形 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第33課 | この項目は命令形と禁止形の作り方として扱います。命令形は「書け」「食べろ」のように、相手に強く「しなさい」と言う形、禁止形は「書くな」「食べるな」のように、強く「してはいけない」と言う形です。どちらもとても強い言い方なので、会話で使うのは、男性が親しい友達や年下の人に言うとき、上の立場の人が下の人に言うとき、火事など急いで知らせるとき、スポーツの応援(がんばれ)などに限られ、標識や掲示(止まれ)でよく目にします。作り方は、命令形がグループIは辞書形の最後の音を う段 から え段 に変える(書く→書け)、グループIIは「る」を「ろ」に替える(食べる→食べろ)、グループIIIは「する→しろ」「来る→来い(こい)」で、禁止形はどのグループも辞書形に「な」を付けるだけです。 |
| 文型 | 教科書・課 | 意味・はたらき |
|---|---|---|
| (数字)は | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 数量を表す言葉に「は」を付けて、「少なくともそのくらい」「最低でもその数」という意味を表します。「3時間は寝たい」「1万円はかかる」のように、話し手が「それより下ではない」と見積もる数です。同じ数に「も」を付けると「多い」と驚く気持ち、「しか〜ない」だと「少ない」という評価になるので、3つを並べて教えると分かりやすい項目です。 |
| 〜。〈普通形(〜だ→〜な)〉んです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第26課 | 相手に聞かれたことや、その場の状況について、話し手が「実はこういう事情なんです」と説明を加える言い方です。「どうしたんですか」と聞かれて「頭が痛いんです」と答える、約束に遅れて「すみません。目覚まし時計が鳴らなかったんです」と自分から事情を言う、といった使い方が代表的です。同じ内容を「頭が痛いです」と言うと、ただの報告になり、相手の問いや状況とのつながりが弱く聞こえます。ただし、何の状況もないのに「わたしは〜なんです」と言うと、何かの言い訳をしているように聞こえることがあります。 |
| [〈物〉は]〈人〉がくれます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第24課 | 持ち物について話すとき、物を話題(は)にして「この時計は父がくれました」と言う形です。物が「は」で前に出たので、くれた人には「が」が付きます。「この時計は何ですか」「すてきですね」のように、ある物が話題になったときに、その物の出どころを答える自然な言い方です。だれがくれたかを聞くときも「その時計はだれがくれましたか」とこの形になります。文の組み立てで言うと、物が「は」で取り立てられて文の題目になり、くれた人が新しい情報として「が」で示される形です。 |
| [V]のを見ました | できる日本語 初中級 第13課 | 自分の目で見た動作や出来事を、「子どもが電車で席を譲るのを見ました」のように文ごと「の」でまとめて、「見ました」の目的語にする形です。ST1 では、町で見かけた子どもや親の様子を、見たまま友達に伝えるのに使います。見たときにその動作が続いていたなら「Vているのを見ました」、始めから終わりまで見た一回の動作なら「Vるのを見ました」と言います。「の」の前は普通形で、中の主語には「が」を使います。文法の見方では、「の」で文を名詞のようにまとめる名詞節で、「見る」「聞く」のように目や耳でとらえる動詞の前では「こと」ではなく「の」を使います。 |
| [期間]に[〜回・冊・本](助数詞) | できる日本語 初級 第9課 | 「1週間に2回」「1か月に3冊」のように、ある期間の中でどのくらいの回数・量をするかを言います。「に」は「その期間の中で」という意味です。数えるものによって助数詞が変わり、回数は「回」、本や雑誌は「冊」、映画は「本」で数えます。頻度の副詞より具体的に言えるので、趣味の話がはっきりします。 |
| [原因]で | できる日本語 初級 第15課 | 名詞のあとに「で」をつけて、出来事が起きた原因を言います。「台風で電車が止まりました」「雨でお祭りが中止になりました」のように、ニュースやお知らせで、予定が変わった理由を伝えるときによく使います。後ろには、自分の意志ではどうにもならない結果が来ることが多いです。文法では格助詞「で」の用法の一つ(原因・理由)として扱われ、場所や手段の「で」と同じ形のまま意味が分かれる点がよく問われます。 |
| [言語]で | できる日本語 初級 第2課 | 「で」は使う手段を表す助詞で、「日本語で」「英語で」のように言語につくと、その言語を使って言うことを表します。「これは日本語で何ですか」と聞けば、名前を知らない物の日本語を教えてもらえます。教室でも、わからない語を聞くときにすぐ使える言い方です。文法の用語では手段・方法を表す格助詞「で」で、第4課の「[交通手段]で」(バスで)と同じ「で」です。第3課の「[場所]で」とは働きが違いますが、この課では区別を説明せず、「〜語で」をひとかたまりで覚えさせれば足ります。 |
| [〜個、〜時間、〜杯…/N]しか〜ない | できる日本語 初中級 第12課 | 「しか」は後ろに必ず否定の形をとり、「それだけで、足りない・少ない」という話し手の気持ちを表します。数量につけると「少ない」、名詞につけると「それ以外はない」の意味です。体調不良の場面では「3時間しか寝ていない」「おかゆしか食べられない」のように、原因や症状を伝えます。「だけ」は量をそのまま言い、満足しているときにも使えますが、「しか〜ない」は少なさ・足りなさを強く言う、という違いがあります。 |
| [〜個、〜時間、〜杯…]も〜 | できる日本語 初中級 第12課 | 数や量のことば(数+助数詞)に「も」をつけて、話し手がその数・量を「多い」と感じていることを表します。体調不良の場面では「コーヒーを5杯も飲んだ」「せきが2週間も続いている」のように、ふつうより多いことが原因や症状だと伝えるのに使います。ふつうの量なら「も」はつけません。初級の「Nも」(同じ)とは働きが違います。 |
| [交通手段]で | できる日本語 初級 第4課 | 「で」を乗り物の後ろにつけて、何を使って移動するかを言います。第2課の「[言語]で(日本語で)」と同じく、手段を表す「で」です。日本までの時間を言うときに「飛行機で5時間です」のように時間とセットで使うほか、第3課の「〜へ行きます」と組み合わせて「バスで学校へ行きます」とも言えます。格助詞「で」の用法で言えば「手段・方法」にあたり、第3課の動作の場所の「で」とは同じ形で働きが違います。 |
| [国]の[方角・位置] | できる日本語 初級 第4課 | 「[国]の北・南・東・西・真ん中」で、町が国の中のどのあたりにあるかを言います。第1課の「NのN」と同じ「の」で、前に広い場所(国)、後ろにその中の位置を置きます。国の名前だけでは相手に町の場所が分からないので、ふるさとを紹介するときの最初の一言になります。文法の用語で言えば、「北・南・真ん中・近く」は位置を表す名詞で、「の」で前の名詞と結ぶ名詞句の一つです。 |
| [時間]から[時間]までVます | できる日本語 初級 第3課 | ST1 の「〜から〜まで」を動詞文に入れ、動作が続く時間の幅を言います。「9時から5時まで働きます」のように、アルバイトや授業の時間を話すのに使います。この形のときは、時刻のあとに「に」はつけません。 |
| [時間]から[時間]までです | できる日本語 初級 第3課 | 「から」は始まり、「まで」は終わりを表し、開いている時間や授業の時間の幅を言います。施設に問い合わせるときは「〜は何時から何時までですか」と聞き、答えも「〜から〜までです」の名詞文になるので、第1課の「〜はNです」の形のままで話せます。時刻だけでなく、曜日や日にちにも使えます。 |
| [時間]に | できる日本語 初級 第3課 | 動作をする時刻や日にちを言うとき、「6時に起きます」「4月20日に」のように数字のついた時のことばには「に」をつけます。一方、「今日・明日・来週」のように今を基準にした時のことばと、「毎日・毎朝」のような「毎〜」には「に」をつけません。曜日は「に」をつけてもつけなくても言うことが多いです。文法の用語では、この「に」は動作の時点を示す格助詞です。 |
| [場所]から[場所]までどのくらいですか/〜時間 | できる日本語 初級 第4課 | 二つの場所のあいだにかかる時間を聞き、「〜時間です」と答えます。第3課の「[時間]から[時間]まで」の「から・まで」を、ここでは場所に使います。「どのくらい」は量や長さを聞く言葉で、ここでは時間の長さを聞いています。「〜時(じ)」は時刻、「〜時間(じかん)」は長さだと区別させるのが大事です。 |
| [場所]で | できる日本語 初級 第3課 | 「で」は動作をする場所を表します。「図書館で勉強します」「コンビニで働きます」のように、その場所で何をするかを言います。第2課の「[言語]で」の「で」(何を使ってするか)とは別のはたらきなので、場所の名前が前にあるときの「で」として教えます。文法の用語では、この「で」は動作の場所を示す格助詞です。 |
| [場所]で〜があります | できる日本語 初級 第6課 | お祭り・コンサート・試合のような催しが、どこで行われるかを言う形です。催しが「ある」ときは、場所に「で」を使います。第4課の「[場所]に〜があります」(公園に池があります)は物がそこに存在することで「に」を使うので、催しか物かで助詞が変わります。誘うときは、この形で催しを伝えてから「一緒に行きませんか」と続けることが多いです。 |
| [場所]に〜があります | できる日本語 初級 第4課 | ある場所に何があるかを言う文です。場所に「に」、ある物に「が」をつけ、「あります」で終えます。ふるさとの名所(海・山・お寺・市場など)を挙げて町の紹介を具体的にするのに使います。この課では物や場所の名前だけを扱い、人や動物の「います」は第7課以降に回します。 |
| [場所]へ | できる日本語 初級 第3課 | 「へ」は移動の方向や行き先を表し、「行きます・来ます・帰ります」と一緒に使います。休みの予定では「国へ帰ります」「大阪へ行きます」のように、どこへ動くかを言うのに使います。「へ」は読むときは「え」と同じ音です。文法の用語では「へ」は格助詞で、移動の方向・行き先を示します。 |
| [場所]を | できる日本語 初級 第10課 | 「を」は動く動作といっしょに使うと、通っていく場所や、出ていく・降りる場所を表します。「道をまっすぐ行きます」「橋を渡ります」「公園を通ります」のように、道を教えたり教わったりするときに必ず出てくる形です。「バスを降ります」「駅を出ます」のように、そこから離れる場所にも「を」を使います。「渡る」「通る」のように「を」の前に通る場所が来る動詞は、試験では格助詞「を」の用法(移動の経路・起点)として問われます。 |
| [〜人]で | できる日本語 初級 第8課 | 何人でいっしょに何かをするかを言う形で、人数のあとに「で」をつけます。「一人で」は「だれといっしょでもなく」という意味です。ST1 では「友達と二人で住んでいます」「家族4人で住んでいます」のように、だれとどう暮らしているかを言うのに使います。人数には自分も入ることを押さえます。 |
| [人]と | できる日本語 初級 第5課 | 「[人]と」は、いっしょに何かをする相手を表します。休みの話では「友達と映画を見ました」「家族と旅行しました」のように、誰とその出来事をしたかを足すのに使い、「誰と行きましたか」と聞けます。「友達と一緒に」と「一緒に」を足しても同じ意味で、話し言葉ではよく足します。格助詞の用語では「共同」(いっしょに動作する相手)の「と」で、第1課の名詞を並べる「と」とは役割が違います。 |
| [道具]で | できる日本語 初級 第7課 | 「で」の前に道具を置いて、何を使って動作をするかを表します。準備の場面で「この包丁で切ってください」「はさみで開けてください」のように、使う物を指定するのに使います。第4課の「バスで来ます」の「で」、第2課の「日本語で話します」の「で」と同じ仲間で、「何を使って」を表します。文法の用語では、格助詞「で」の用法の一つ(手段・道具)にあたります。 |
| [名詞修飾]は〜 | できる日本語 初級 第13課 | 説明のついた名詞を「は」の前に置いて、文の話題にする形です。「駅の前にあるスーパーは安いです」のように、どの物・どの場所のことを話しているかをはっきりさせてから、それについての情報を伝えます。質問に答えて情報をあげるときや、いくつかある中から一つを取り出して話すときに使います。名詞修飾の中の時(行く/行った)は、文の最後の時とは別に決まり、「きのう行った店は安いです」のように中だけ過去にもできます。 |
| [名詞修飾]を/へVます | できる日本語 初級 第13課 | 説明のついた名詞を、「を」や「へ」の前に入れて文の中で使う形です。「駅の前にあるスーパーへ行きます」「日本人がよく見る番組を教えてください」のように、ほしい物や行きたい場所を具体的に言えるので、知りたい情報をはっきり伝えて質問できます。名詞修飾の部分がどんなに長くても、後ろの「を」「へ」と動詞は変わりません。 |
| 〈期間〉Vます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第11課 | 「3時間勉強します」「日本に1年います」のように、動作や状態がどれだけ続くかを、期間の語を動詞の前に置いて言う形です。期間の語には助詞を付けません。期間の語は「〜分・〜時間・〜日・〜週間・〜か月・〜年」で、だいたいの長さは後ろに「〜ぐらい」を付けて言います。長さを聞くときは「どのくらい」です。第4課の「9時から12時まで」が始めと終わりを言うのに対して、「3時間」はその長さを言います。文法の見方では、期間の語は数量の語と同じく助詞なしで述語の前に置かれ、副詞のように働きます。「いつ」に答える時点の語(〜時・〜曜日・〜月)には「に」が付き、「どのくらい」に答える期間の語には付かない、という対比が要点です。 |
| 〈期間〉に〈-回 〉 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第11課 | 「1週間に2回」「1か月に1回」のように、ある期間の中で何回するかという頻度を言う形です。「回」は回数の助数詞で、1・6・8・10 のときは「いっかい・ろっかい・はっかい・じゅっかい」と音が詰まります。聞くときは「何回(なんかい)」です。期間のあとの「に」は「その期間のうちで」という意味で、第4課の「7時に」(時点を示す に)とは働きが違います。文法の見方では、この「に」は時点を示す「に」ではなく、ある期間あたりの割合を示す「に」で、格助詞「に」の用法の一つとして整理できます。「回」は物ではなく動作の回数を数える助数詞です。 |
| 〈疑問詞〉か、〜 | できる日本語 初中級 第3課 | 「何」「どこ」「いつ」などの疑問詞を使った質問を、文の中に入れる言い方です。「どこの大学に行くか、まだ決めていません」「何を勉強するか、考えています」のように、まだ答えが決まっていないこと・知らないことを言うときに使います。後ろには「決めます」「考えます」「わかりません」「教えてください」などが来ます。文法の用語では、疑問文を文の一部として中に入れる間接疑問文(埋め込み疑問文)で、疑問詞のある疑問文を入れる形です。 |
| 〈乗り物〉で行きます/来ます/帰ります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第5課 | 乗り物の名詞に「で」をつけて、何に乗って行くかを言います。この「で」は手段を表す助詞で、第7課で道具や言語(はしで・日本語で)に広がります。「歩いて」は乗り物ではないので「で」をつけず、そのまま「歩いて行きます」と言います。乗り物を聞くときは「何で(なんで)行きますか」です。文法の用語では、この「で」は手段・方法を表す格助詞で、動作の場所を表す「で」(第6課)とは別の用法として扱います。 |
| 〈場所〉でVます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第6課 | 動作が行われる場所を助詞「で」で示します。第5課の「〈場所〉へ行きます」の「へ」は移動の行き先、この課の「で」は「そこで何かをする」という動作の場所で、同じ「駅」でも「駅へ行きます(向かう)」「駅で買います(そこで買う)」と助詞が変わります。第5課の「電車で行きます」の「で」(乗り物・手段)と字は同じですが、はたらきが違うので、別のものとして教えます。文の順序は「〈時〉〈場所〉で〈N〉を〈V〉ます」が基本です。 |
| 〈場所〉にN(人)がいます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第10課 | ある場所に人や動物がいることを言う形です。動詞が「います」になるほかは文型1と同じで、「に」は人や動物がいる場所を表します。「います」は人と、犬・猫などの自分で動く生き物に使い、木や花は生きていても「あります」です。聞くときは、人なら「だれがいますか」、動物なら「何がいますか」です。文法の説明では、この区別を有情(人・動物)と非情(物・植物)の違いとして整理することがあります。 |
| 〈場所〉にN(物)があります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第10課 | ある場所に物が存在することを、場所を先に立てて言う形です。「に」は物がある場所を表し、「あります」は机・本・木のように自分で動かないものに使います。第9課の「時間があります」「車があります」(持っている・予定がある)と同じ動詞ですが、この課では「〈場所〉に」と組んで「そこにある」という意味になります。聞くときは「〈場所〉に何がありますか」、いくつか例を挙げて答えるときは「N1やN2(など)があります」です。文法の用語では、場所を先に立てて「何があるか」を伝えるこの形を存在文と呼び、文型4の所在文(物を「は」で話題にして「どこにあるか」を伝える形)と対で扱います。 |
| 〈場所〉の〈位置〉にNがあります/います | みんなの日本語 初級Ⅰ 第10課 | 上・下・前・後ろ・右・左・中・外・隣・近く・間のような位置のことばを使って、物や人の細かい場所を言う形です。基準になる物や場所に「の」を付けて「机の上」「駅の前」のようにひとまとまりの場所にし、そこに文型1・2の「に〜があります/います」を続けます。「間」だけは基準が2つ要るので「N1とN2の間」になります。「隣」は横に並んでいて間に何もない関係、「近く」は距離が近いことを表し、同じではありません。 |
| 〈場所〉へ〈Vます形〉/Nに行きます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第13課 | どこへ何をしに行くか、移動の目的を言う文型です。「に」の前には動詞のます形(食べに・見に・泳ぎに)か、「します」を付けて動詞になる名詞(買い物に・食事に・散歩に・花見に)を置きます。後ろの動詞は「行きます・来ます・帰ります」の移動の動詞です。語順は「場所へ + 目的に + 行きます」が基本ですが、「目的に + 場所へ」の順でも言えます。ます形の前には「を」で目的語を置けます(「食堂へ昼ご飯を食べに行きます」)。 |
| 〈場所〉へ行きます/来ます/帰ります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第5課 | 移動を表す動詞3つと、行き先を示す助詞「へ」を学びます。「へ」は書くときは「へ」、読むときは「え」です。「行きます」は今いる所から離れる動き、「来ます」は話し手がいる所(または話し手の側)へ近づく動き、「帰ります」はうちや国など自分の本来いる所へ戻る動きです。「どこへ行きますか」と聞き、行かないときは「どこ[へ]も行きません」と「も」をつけて答えます。文法の用語で言うと「へ」は移動の方向(向かう先)を表す格助詞で(到着する点をはっきり言うのは「に」)、「行く・来る」の使い分けは話し手の位置を基準にするダイクシス(直示)の問題です。 |
| 〈人〉が(わたしに)Nをくださいます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第41課 | 「先生がわたしに本をくださいました」のように、目上の人が話し手に物をくれるときの言い方で、第24課の「くれます」を尊敬語(相手を高めることば)にしたものです。矢印の向きは「くれます」と同じで、外から「わたし」に向かってきます。受け取るのが話し手の子どもなど自分の側の人のときにも使えます(先生が子どもに絵本をくださいました)。辞書形は「くださる」ですが、ます形は「くださります」ではなく「くださいます」になる特別な動詞で、第14課の「〜てください」の「ください」もこの動詞から来ています。 |
| 〈人〉と行きます/来ます/帰ります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第5課 | いっしょに行動する相手を「と」で表します。第4課で習った「土曜日と日曜日」の「と」は名詞を並べる使い方で、この課の「友達と行きます」の「と」は相手を表す使い方です。相手がいないときは「一人で行きます」と言い、このときは「と」ではなく「で」になります。相手を聞くときは「だれと行きますか」です。文法の用語では、この「と」は共同の相手を表す格助詞(共格)で、名詞を並べる並列の「と」とは働きが違います。 |
| 〈人〉は〈Vて形〉くれます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第24課 | ほかの人が自分のために何かをしてくれたことを、してくれた人を主語にして言う形です。文型3の「〜てもらいます」と同じ出来事を、見る側を変えて言っていると考えると分かりやすく、どちらにも「ありがたい」という気持ちが入ります。行為を受ける人の示し方は、もとの動詞の助詞のままです。「貸します」なら「わたしに」、「送ります(人を駅まで)」なら「わたしを」、物が自分の持ち物なら「わたしの〜を」になります。文法では補助動詞の「〜てくれる」と呼び、文型1の「くれます」と同じく、恩恵が外から話し手の側へ向かうことを表します。してくれた人が自分から進んでしたことにも、こちらが頼んだことにも使えます。 |
| 〈人〉はわたしにNをくれます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第24課 | ほかの人が話し手(わたし)に物を渡すとき、「あげます」ではなく「くれます」を使います。第7課の「あげます」は「わたし」から外へ向かう動詞で、外から「わたし」に向かってくるときは使えません。受け取る人が話し手の家族など、話し手の側の人のときにも「くれます」を使うことがありますが、この課では「わたし」に絞って教えます。「わたしに」は分かりきっているので、実際の会話では省くことが多いです。文法の用語では、あげます・もらいます・くれます をまとめて授受動詞(やりもらいの動詞)と呼び、このうち「くれます」だけが、物が話し手の側へ向かってくることを動詞そのもので表します。 |
| 〈道具・手段〉でVます/〈言語〉でVます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第7課 | 動作に使う道具や手段を「で」で表します。「はしで食べます」「パソコンでメールを書きます」のように、「何を使ってその動作をするか」を言う形です。言語も手段の一つなので、「日本語でメールを書きます」「英語でレポートを書きます」と同じ「で」を使います。第5課の〈乗り物〉で(移動の手段)はこの「で」の仲間ですが、第6課の〈場所〉で(動作をする場所)は別の役目なので、三つを並べて整理しておきます。 |
| 〈日時〉に行きます/来ます/帰ります | みんなの日本語 初級Ⅰ 第5課 | いつ行くかを時の言葉で表します。第4課の「-時に起きます」の「に」を、日付・月・年・曜日に広げます。数字で言う時(-時・-日・-月・-年)には「に」をつけ、きのう・きょう・あした・先週・来月・来年・毎日のように今を基準にして言う言葉には「に」をつけません。曜日は「に」をつけてもつけなくてもかまいません。時を聞くときは「いつ」で、「いつ」には「に」をつけません。文法の用語では、この「に」は時点を表す格助詞です。「あした・来週」のように話している時を基準にして決まる時の名詞は、助詞をとらずにそのまま副詞のように使う、と整理できます。 |
| 〈普通形(〜だ→〜な)〉んですが、 / 〈Vて形〉いただけませんか | みんなの日本語 初級Ⅱ 第26課 | まず「〜んですが、」で自分の事情を言い、そのあとで「〜ていただけませんか」とていねいに頼む言い方です。「〜んですが、」は話の前置きで、これから頼みたいことや聞きたいことの背景を相手に知らせるはたらきをします。「〜ていただけませんか」は、第14課の「〜てください」よりずっとていねいで、目上の人や知らない人に頼むときに使います(「いただけ」はこの段階ではかたまりで覚え、形の成り立ちは可能形を習う第27課以降でよい)。事情が相手に伝われば、頼みの部分を言わずに「〜んですが……」で止めることも会話ではよくあります。 |
| 〈普通形(〜だ→〜な)〉んですが、 / 疑問詞〈Vた形〉らいいですか | みんなの日本語 初級Ⅱ 第26課 | 「〜んですが、」で自分の状況を言い、そのあとで「どこに(何を・どう・だれに)〜たらいいですか」と、どうすればよいかを相手にたずねる言い方です。やり方・場所・相手などがわからなくて、アドバイスや指示がほしいときに使います。「〜たら」は第25課で習った形で、「〜たらいいですか」全体で「どうするのがよいか」を聞く意味になります。答えるほうは「〜たらいいですよ」「〜てください」で教えます。 |
| 〈普通形(なA・N 〜だ)〉かもしれません | みんなの日本語 初級Ⅱ 第32課 | 「あしたは風が強いかもしれません」のように、そうなる可能性があることを言う文型です。「でしょう」が「たぶんそうなる」と見込むのに対して、「かもしれません」は「そうならないこともあるが、そうなる可能性もある」という言い方で、確かさはふつう「でしょう」より低くなります。接続は「でしょう」と同じで、動詞・い形容詞の普通形はそのまま、な形容詞と名詞は「だ」を取ります(暇かもしれません・休みかもしれません)。「もしかしたら」と一緒に使うと、可能性が低いことを言う感じがはっきりします。 |
| 〈普通形(なA・N 〜だ)〉でしょう | みんなの日本語 初級Ⅱ 第32課 | 「午後は晴れるでしょう」のように、まだはっきりしていないことを、話し手が「たぶんそうなる・そうだ」と見込んで言う文型です。天気予報やニュースのように、知っていることから先のことを推し量って言うときによく使います。動詞・い形容詞・な形容詞・名詞の普通形に付けますが、な形容詞と名詞は「だ」を取って「静かでしょう」「雨でしょう」の形にします。「たぶん」「きっと」と一緒に使うことが多く、「きっと」を付けると確かさが高くなります。第21課の上がり調子の「〜でしょう?」は相手に確かめる言い方で、ここの下がり調子の「でしょう」とは働きが違います。 |
| 〈普通形〉し、(〈普通形〉し、)〜から | みんなの日本語 初級Ⅱ 第28課 | 「どうしてこの店によく来るんですか」「安いし、おいしいですから」のように、理由を並べて、最後の理由にだけ「から」を付ける形です。第26課の「どうして〜んですか」と聞かれて答えるときによく使い、結論(だからよく来ます)は言わなくても伝わります。かっこの部分は省いてもよく、「〜し、〜から」で理由二つ、「〜し、〜し、〜から」で理由三つになります。「から」の前は第9課と同じで、丁寧に話すときは「〜ですから」「〜ますから」の形になります。 |
| 〈普通形〉し、〈普通形〉し、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第28課 | 「駅から近いし、部屋も明るいし、このアパートにします」のように、理由をいくつか並べて、そのあとに結論(決めたことや考え)を言う文型です。第9課の「〜から」が理由をはっきり一つ示すのに対して、「〜し」は「ほかにも理由はあるが、たとえば」という気持ちで並べるので、言い方がやわらかくなります。結論を言わずに「仕事も忙しいし、時間もないし……」で止めると、はっきり「できません」と言わずに断る気持ちを伝えられます。会話の題の言い方がこの使い方です。語用論の見方で言うと、言いさしの断りは「断る」という発話行為をことばにせず理由だけで伝える間接的な言い方で、相手の面子をつぶさない配慮(ポライトネス)の例として扱えます。 |
| 〈普通形〉し、〈普通形〉し、それに〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第28課 | 「この部屋は広いし、明るいし、それに駅から近いです」のように、同じ向きの事がらをいくつも並べて、「それだけではない、まだある」という気持ちで言う文型です。「し」は普通形に付き、二つ目、三つ目と重ねられます。「それに」は「そのうえ」という意味の接続のことばで、最後にもう一つ付け足すときに使います。良い点を並べるなら全部良い点、困る点を並べるなら全部困る点にそろえるのが自然です。並べる名詞には「が」より「も」がよく付き、「ほかにもある」感じが強くなります(料理も作れるし、歌も歌えるし)。丁寧に話す場面では「広いですし」のような形も聞きますが、この課では普通形で練習します。文法の用語で言うと、「し」は並列の接続助詞、「それに」は付け加え(累加)の接続詞です。 |
| 〈普通形〉そうです | みんなの日本語 初級Ⅱ 第47課 | ニュース・新聞・人の話など、ほかから得た情報を、自分の判断を加えずにそのまま相手に伝える言い方です(伝聞)。話し手は「わたしはそう聞いた」と言っているだけなので、内容が本当かどうかの責任は情報の出どころにあります。だれから聞いたか・どこで読んだかは「〜によると」「〜の話では」で文の前に置くことが多いです。第33課の「〜と言っていました」はある人が言ったことを伝えるのに対して、「〜そうです」はニュースや一般の情報にも広く使えます。 |
| 〈普通形〉でしょう? | みんなの日本語 初級Ⅰ 第21課 | 相手も同じように知っている、または感じているはずのことを、「そうですよね?」と確かめる文型です。「この料理、おいしいでしょう?」のように文末を上げて言い、相手は「ええ、おいしいです」「ええ、そうですね」と応じます。「ですか」の質問が「分からないから聞く」のに対して、「でしょう?」は「自分はそう思っていて、相手の同意を求める」形です。普通形に付きますが、な形容詞と名詞は「静かでしょう?」「休みでしょう?」のように「だ」を付けません。ここは文型1の「だと思います」と逆なので、必ず並べて見せます。文末を下げて言う推量の「〜でしょう」は第32課で扱うので、この課では上げ調子の確認だけにします。 |
| 〈普通形〉と思います(意見) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第21課 | 物事について自分がどう考えるかを言う文型です。「日本の電車は便利だと思います」のように、形は文型1とまったく同じで、違いは中身が「分からないことの見込み」ではなく「自分の考え」であることです。意見を聞くときは「日本の交通についてどう思いますか」と、話題を「〜について」で示して「どう思いますか」と聞きます。答えは「〜と思います」で返し、相手と同じ意見なら「わたしもそう思います」と言います。「そう」は相手が言った内容を指します。「思います」は話し手自身の考えを言う形なので、相手の考えは「〜と思いますか」と質問の形で聞きます。 |
| 〈普通形〉と思います(推量) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第21課 | はっきり分からないことについて、「たぶんこうだろう」という話し手の見込みを言う文型です。「あしたは寒いと思います」のように、「思います」の前に普通形の文をそのまま入れます。「と」は前の文を「思います」の中身として引く印で、ここでは意味を説明せず「と思います はセット」と覚えさせます。名詞と な形容詞の現在肯定は「休みだと思います」「便利だと思います」のように「だ」が要ります。「違うと思う」ことは「来ないと思います」のように中の文を否定にして言い、「〜と思いません」の形はこの課では出しません。副詞「たぶん」をいっしょに使うと、見込みであることがはっきりします。 |
| 〈普通形過去〉ら、〜(仮定条件) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第25課 | 「もし雨が降ったら、うちにいます」のように、まだ起こっていない、起こるかどうか分からないことを仮に考えて、そのときどうするか・どうなるかを言う文型です。前の文が条件で、うしろの文がそのときのことです。形は普通形の過去(た形・〜かった・〜だった)に「ら」を付けますが、過去の意味ではありません。うしろの文には「〜たいです」「〜てください」「〜ませんか」のような、したいこと・頼み・誘いも来ます。文の初めに「もし」を付けると、仮の話だということがはっきりします。文法の用語では「仮定条件」で、前の文が成り立つかどうかが分からない条件です。試験では「〜たら」「〜ば」「〜と」「〜なら」の使い分けとして問われます。第23課の「〜と」と違って、「〜たら」はうしろの文に意志・依頼・勧誘を置けます。 |
| 〈物/こと〉が/は〜(ら)れています | みんなの日本語 初級Ⅱ 第37課 | 「この国では英語とフランス語が話されています」「このお菓子は昔から作られています」のように、受身形に「〜ています」を付けて、ある物や事が今も広く、続けて行われていることを言う文型です。一回きりの出来事を言う「〜(ら)れました」と違い、今の様子・習慣として説明するときに使います。世界中で読まれている・使われている・輸出されている のように、国や町、商品の紹介によく出てきます。する人は「たくさんの人」なので、言わないのがふつうです。 |
| 〈文〉から(理由)、〈文〉 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第9課 | 前の文が理由、後ろの文がその結果や行動です。理由の文は丁寧形のまま(〜ですから/〜ますから)で、「から」は理由の文のすぐ後ろに付きます。「どうして〜か」と理由を聞かれたら、理由だけを「〜からです」で答えます。会話では、誘いを断るときの理由(「用事がありますから」)として使い、結果の文を「ちょっと……」でぼかす言い方も一緒に出します。 |
| 「〜」と言います | できる日本語 初級 第14課 | 決まった言葉や、物の呼び方を紹介するときに「「〜」と言います」と言います。ご飯を食べる前の「いただきます」、家を出るときの「いってきます」のように、日本でその場面に言う言葉を教えるのによく使います。物や言葉の呼び方を聞くときは「〜は日本語で何と言いますか」と言い、答えは「「〜」と言います」です。ST1 では、使い方の説明と一緒に、その場面で言う言葉も教えられるようにします。 |
| 「〜」と書いてあります/読みます | みんなの日本語 初級Ⅱ 第33課 | 「入り口に『禁煙』と書いてあります」「この漢字は『いりぐち』と読みます」のように、紙や標識に何が書かれているか、字をどう読むかを言う文型です。「と」は第21課の「〜と言います」と同じ引用の「と」で、書かれている言葉や読み方をそのまま「 」に入れて前に置きます。「書いてあります」は第30課の「〜てあります」で、だれかが書いて、その字がいまそこにある、という状態を表します。聞くときは「何と書いてありますか」「何と読みますか」と、「何を」ではなく「何と(なんと)」を使います。文法の用語で言えば、「 」の中は書かれた言葉をそのまま入れる直接引用で、第21課から続く引用の「と」の使い道を、話した言葉から書かれた字や読み方へ広げたものです。 |
| 「意志動詞・無意志動詞」の整理 | 中級を学ぼう(中級前期) 第5課 | 動詞を2つに分けて整理する項目です。意志動詞は「行く・読む・話す」のように、するかしないかを自分で決められる動作の動詞です。無意志動詞は「ある・できる・見える・困る・(雨が)降る・(物が)落ちる」のように、自分の意志では決められないこと(状態・能力・自然の変化・感情)を表す動詞です。この区別は文型を使えるかどうかに直接関わります。意向形(〜よう)・「〜つもりだ」・命令形・「〜ないでください」・目的の「〜ために」は意志動詞にしか付かず(原因の「雨が降ったために」は別の使い方)、「〜ように」「〜てしまう(残念)」「〜てくる(変化)」は無意志動詞とよく一緒に使われます。 |
| 「数字」について読む・書く | 中級を学ぼう(中級前期) 第2課 | 大きな数(万・億)、小数、分数、割合(パーセント・割)、概数(約・およそ・〜前後)の読み方と書き方を扱う項目です。文型ではありませんが、本文やグラフを読むときに数字で止まる学生が多いので、独立して時間を取る価値があります。日本語は万・億と4桁ごとに位が上がるので、3桁区切りのカンマの書き方と読みの区切りがずれることが、学習者のつまずきの中心になります。ここで読みを固めておくと、グラフを説明する言葉(第6課)や「3時間はかかる」のような数量の言い方(第7課)に進んだときに、数ではなく言い方に集中できます。 |
| 「接続詞・副詞」の整理 | 中級を学ぼう(中級前期) 第7課 | 課の本文と学習項目に出た接続詞・副詞をまとめて整理する項目です(文型ではありません)。新出語には「すると」「さらに」「再び」「ようやく」「たっぷり」「どうしても」などが挙がっていて、話の順序や展開を示す語(すると・さらに・再び)と、程度や気持ちを表す語(ようやく・たっぷり・どうしても)に分けて見ると整理しやすくなります。どの語を扱うかは手元の教科書で確かめてください。 |
| 「文」/〈普通形〉と言います | みんなの日本語 初級Ⅰ 第21課 | 人が言ったことを伝える文型です。言った言葉をそのまま「」に入れて「『あした休みます』と言いました」と言う形と、内容だけを普通形にして「あした休むと言いました」と言う形の二つがあります。「」に入れるときは言葉がそのままなので丁寧形のまま、普通形にするときは「です・ます」が消えます。誰が言ったかは「〜は」で示し、多くは過去の「言いました」で使います。「食べる前に『いただきます』と言います」のように、挨拶や決まり文句を説明するときは現在形になります。人が言ったことを聞くときは「〇〇さんは何と言いましたか」です。 |
| 〔疑問語疑問文〕より、〜 | 中級を学ぼう(中級前期) 第2課 | 「何を食べるか」「どこで買うか」のような疑問文をひとまとまりにして、「〜より、〜のほうが大切だ」のように比べる言い方です。比べるものが物ではなく「どうするか」という問いになるのが特徴で、意見文でよく使います。疑問文を名詞のように文の中に入れた形は、文法用語では埋め込まれた疑問文(間接疑問)と呼ばれます。名詞やな形容詞で終わる問いは「だ」を付けずに「か」で受け(どんな人か・どこが静かか)、後半には「〜のほうが大切だ」「〜で決まる」のように何を重く見るかを言う文が続きます。 |
| …ほうがいいです | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第18課 | 相手のためにすすめたり、注意したりするときの言い方です。「早く寝たほうがいいです」のように動詞のた形につけますが、この「た」に過去の意味はありません。しないほうがいいことは「〜ないほうがいいです」で、ない形につけます。「〜てください」(第11課)が頼んだり指示したりする言い方なのに対して、「ほうがいいです」は、するのとしないのとではこちらがよい、と判断して伝える言い方なので、理由を「〜から」(第7課)で添えると自然になります。目上の人に直接言うと押しつけに聞こえることがあるので、初級では友達・同僚どうしの場面で練習します。 |
| 〜以上(は) | 学ぼう!にほんご 中級 第22課 | 「〜のだから、当然〜」という意味です。前には、もう決まって変えられない事実や、自分の立場・役目(引き受けた・約束した・学生である など)が来て、後ろには、そこから当然出てくる義務・決意・判断(〜なければならない・〜つもりだ・〜べきだ・〜はずだ・〜わけにはいかない・〜しかない)が来ます。「は」はあってもなくても意味は同じですが、「以上は」と言うと前の事実を強く取り立てる感じになります。ややかたい表現で、書き言葉や改まった話(あいさつ・スピーチ・会議)でよく使います。数の「3人以上」の「以上」とは別の使い方です。 |
| 〜以上(は)/〜上は | できる日本語 中級 第17課 | 「〜以上(は)」は、「〜という立場や事情になったのだから、当然〜」という意味で、後ろに「〜なければならない・〜べきだ・〜つもりだ・〜しかない」のような決意・義務・当然の判断が来ます。「〜から」はただ理由を言うだけですが、「以上」は「もう変えられない事実」を前に置いて、そこから逃げられない結論を言う強さがあります。「〜から(に)は」(第14課)とほぼ同じ意味で、「上は」はさらに硬く、「こうなった上は」のように決意を述べる改まった場面で使われます。先輩の話では、考え方や助言の芯になる部分に出てくることが多いです。 |
| 〜以来 | できる日本語 中級 第14課 | 「Vて以来」「N以来」で、ある時からあと、今までずっとある状態が続いていることを表します。後ろには「ずっと〜ている」「〜ていない」「〜ようになった」のような継続や変化の文が来て、一回だけの出来事は来ません。「〜てから」が順番を表す中立の言い方で一回の出来事にも使えるのに対し、「〜以来」は「その時がきっかけで、今も続いている」という含みがあり、少し改まった言い方です。「それ以来」の形でもよく使います。 |
| 意向形/V(よ)うと思っています | できる日本語 初中級 第3課 | 意向形は「行こう」「食べよう」のような、自分がこれからそうする気持ちを表す動詞の形です。友達には「一緒に行こう」と「〜ましょう」の代わりにも使います。「V(よ)うと思っています」は、前から考えていて、今もそのつもりでいる計画を言う言い方で、まだ細かく決まっていない予定にも使えます。「〜(よ)うと思います」はその場で決めたことや、今の気持ちを言うときに多く、自分以外の人の計画は「〜(よ)うと思っています」で言います。文法の用語では話し手の意志を表す形で、自分の意志でできる動作(意志動詞)でなければ計画の意味になりません(「雨が降ろうと思っています」とは言わない)。 |
| 意向形+と(〜ればと) | 中級から学ぶ日本語 第10課 | 「Vようと、〜」は、あるねらいを持って、そのために実際に何かをした(がんばった)ことを言う。「〜ために」に近いが、話し手の「〜しよう」という気持ちが前に出て、体験談・作文・物語のような書き言葉に多い。「〜ればと(思って)」は「〜ればいいと思って」を短くした形で、結果がどうなるかは分からないが、そうなってほしいという願いを込めて行動したことを言う。決め手は前後の主語が同じかどうかで、主語自身がめざすこと(早く慣れる・会議に間に合う・自分が元気になる)なら「ようと」、ほかの人や物事がそうなってほしいこと(友だちが元気になる・雨がやむ)や、結果を控えめに願うだけのこと(少しでも役に立つ)なら「ればと」が合う、という目安で見せるとよい。「間に合う」「元気になる」のような意志で決められない動詞でも、主語が同じなら「間に合おうと走った」「早く元気になろうと毎日歩いた」と言える。文法の用語では、意向形(意志形)を使った目的の言い方と、条件形を使った願いの言い方として説明されることが多い。 |
| 意向形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第23課 | 話し手の「しよう」という気持ちを表す形なので「意向形」と呼びます。この課では「〜(よ)うと思います」の中で使いますが、意向形だけで文を終えると第5課の「〜ましょう」の普通体の形になり、友達や家族を誘ったり(いっしょに帰ろう)、自分に言い聞かせたり(よし、がんばろう)するときに使います。作り方は辞書形・可能形と同じグループ分けで決まります。グループⅠはます形の「ます」の前の音を、い段からお段に変えて「う」をつけます(書きます→書こう)。グループⅡは「ます」を「よう」に替え(食べます→食べよう)、グループⅢは「します→しよう」「来ます→来よう(こよう)」の2つを覚えます。 |
| 意向表現 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第23課 | 意向形に「と思います」をつけると、話し手がこれからしようと考えていることを言えます(夏休みに北海道を旅行しようと思います)。「〜たいです」が「したい」という気持ちを言うのに対して、「〜(よ)うと思います」は、しようと考えている・決めかけている、という話し手の考えを言う形です。その場で考えて言うときは「思います」、前から考えていて今もそう考えているときは「思っています」を使うことが多く、相手の計画を聞くときも「何をしようと思っていますか」の形が自然です。「思っています」は、ほかの人の考えを言うときにも使えます(兄は日本で働こうと思っています)。 |
| 〜一方(で) | できる日本語 中級 第13課 学ぼう!にほんご 中級 第39課 | 「A一方(で)、B」で、同じ物事の二つの面や、二つのものの違いを並べて示します。作品紹介では「笑える一方で、泣ける場面もある」のように、作品の別の面を足して奥行きを伝えるのに使います。「〜が」「〜けど」より改まった言い方で、発表や文章に向いています。「〜に対して」(第11課)は二つの違うものをはっきり対比するときに使い、同じ作品の二つの面を言うなら「一方で」が自然です。第12課の「〜一方だ」(変化が一方向に進むばかり)は文末に来る別の形なので、混同させないようにします。 |
| 〜一方だ | 学ぼう!にほんご 初中級 第18課 | ある変化が止まらず、同じ方向にどんどん進んでいることを表します。「Vる一方だ」の形で、前には変化を表す動詞(増える・減る・悪くなる・高くなる・広がる など)が来ます。よい方向の変化に使うこともありますが、悪い方向や、話し手が困っている・心配している変化に使われることが多く、そのあとに「このままでは〜」「何とかしなければならない」のような意見が続きやすい表現です。途中で上がったり下がったりしている変化には使いません。 |
| 何/〜は何ですか | できる日本語 初級 第1課 | 「何」は物やことを聞く疑問詞で、「趣味は何ですか」のように「〜は何ですか」の形で答えを求めます。「何」は後ろの音によって「なに」と「なん」の読みがあり、「何ですか」は「なんですか」と読みます。文法の用語で言えば疑問詞疑問文で、答えは「はい・いいえ」ではなく、「何」の位置に入る語で返します。 |
| 何のN | できる日本語 初級 第2課 | 「何のN」は、その物の中身や種類、何についての物かを聞く言い方です。「何のジュースですか」には「りんごのジュースです」、「何の本ですか」には「料理の本です」と答えます。レストランのメニューで、写真や名前だけではわからない料理や飲み物の中身を聞くのに使います。読みは「なんの」です。文法の用語では、「の」で名詞を名詞につなぐ連体修飾の一つで、前の名詞が後ろの名詞の中身・材料・テーマを表す使い方です。 |
| 何〜も | 中級を学ぼう(中級前期) 第3課 | 「何」+助数詞+「も」で、数ははっきり言わないが「多い」と話し手が感じていることを表します(何度も・何人も・何時間も)。「何十人も」「何百回も」のように十・百を入れると、さらに多い感じになります。☆同じ形で「も」を「か」にした「何〜か」(何度か・何人か)は、「少しだが、いくつか」という少なめの数を表します。「も=多い、か=少し」と対で教えると覚えやすい項目です。文法の見方では、疑問語に助数詞と取り立ての「も」が付いて、数量が多いという話し手の評価を表す形です。 |
| 何もVません | できる日本語 初級 第3課 | 「何も」のあとに「Vません」を続けると、「ひとつもしない・ひとつもない」という全部の否定になります。休みの日の過ごし方を聞かれて「日曜日は何もしません」と言えば、特に予定がないことが伝わります。「何も」は「なにも」と読みます。文法の用語では、疑問詞に「も」がついて否定と結びつく形で、「も」は取り立て助詞のはたらきをしています。 |
| 何をしますか | みんなの日本語 初級Ⅰ 第6課 | 相手の行動を尋ねる疑問文です。「します」は「テニスをします」「宿題をします」のように名詞を動作にする動詞ですが、「何をしますか」と聞くと「食べます・見ます・行きます」など あらゆる動作を答えてよい、幅の広い問いになります。「何」は「を」の前では「なに」と読みます(「何ですか」の「なん」とは違う)。答えは「〜を〜ます」で具体的な動詞を使い、2つ以上の行動は「それから」でつなぎます。 |
| 何階ですか(階数の言い方) | できる日本語 初級 第2課 | 建物の何階にあるかを「数字+階」で言い、聞くときは「何階ですか」と言います。「階」は前の数字によって「かい」と「がい」になり、3階は「さんがい」、何階は「なんがい」です。1階・6階・10階などは数字の音も変わります。売り場の場所を聞くと、答えはまず階で返ってくることが多いので、言えることより聞いてわかることを先に固めます。数字と助数詞が組み合わさると音が変わる現象(「いっかい」の促音化、「さんがい」「なんがい」の濁音化)は、このあと時間・数え方の項目で何度も出てくるので、ここで表の形を作っておくと後の課が楽になります。 |
| 何月何日 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第4課 | 月と日の言い方を覚え、日付を聞いて答えられるようにする項目です。文の形は第1課の「〜は…です」と第3課の「〜から…まで」で、新しい文型はありませんが、読みの不規則な所が集中しています。月は数字に「がつ」をつけますが、4月(しがつ)・7月(しちがつ)・9月(くがつ)だけ数字の読みが変わります。日は1日〜10日と14日・20日・24日が特別な読み(ついたち・ふつか・みっか…とおか、じゅうよっか・はつか・にじゅうよっか)で、それ以外は数字に「にち」をつけます。聞くときは「何月(なんがつ)何日(なんにち)ですか」です。使う場面は、書類の日付欄、誕生日、休みや試験の期間など、教室の外ですぐに要る所ばかりです。時刻(第3課)と同じく「数字+単位」の言い方ですが、数字の読みが単位によって変わる点が新しく、文法というより語彙と発音の項目と考えて、練習の回数で定着させます。文法用語で言えば「月・日」は数字に付く助数詞で、2日〜10日の「ふつか・みっか」などは和語の数え方(ひ・ふ・み)が残った形です。 |
| 可能形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第22課 みんなの日本語 初級Ⅱ 第27課 | 「〜することができる」という意味を一語で表す「可能形」を作ります。第15課の辞書形から作るのが基本ですが、ます形からも作れます。グループⅠは最後の「う段」の音を「え段」に変えて「る」を付けます(書く→書ける。ます形なら 書きます→書けます)。グループⅡは「る」を取って「られる」を付け(食べる→食べられる)、グループⅢは「する→できる」「来る→来られる(こられる)」です。できた可能形はどれも「る」で終わるグループⅡの動詞になるので、ない形は「書けない」、て形は「書けて」、た形は「書けた」と、グループⅡと同じように変わります。 |
| 可能動詞 | できる日本語 初中級 第1課 | 「〜することができる」を動詞1語で言う形です。初級の「Vることができます」と同じ意味ですが、会話ではこちらがよく使われます。面接で「何曜日に働けますか」「英語が少し話せます」のように、できること・できる日を伝えるのに使います。「〜を話す」の「を」は、可能動詞では「が」になることが多い(「を」も使われる)ので、この課では「が」で練習します。 |
| 可能表現(1) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第22課 | 可能形を使って、その人がある力を持っていること(泳げます・漢字が読めます)と、その場所・時間・条件でできること(この店ではカードが使えます・土曜日は行けません)を言います。意味は第15課の「〜ことができます」とほとんど同じですが、可能形のほうが短く、話すときによく使います。「〜を」の目的語は、可能形の文では「が」で言うのが基本です(ギターが弾けます)。「を」を使った文(ギターを弾けます)も耳にしますが、この課では「が」で統一して練習します。「に・へ・で」など、ほかの助詞はそのまま変わりません(あしたも学校へ来られます)。 |
| 可能表現(2) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第22課 | 「見えます」「聞こえます」は、見よう・聞こうとしなくても、物や音が自然に目や耳に入ってくることを表す動詞です。見えるもの・聞こえるものは「が」で言います(窓から海が見えます・隣の部屋の声が聞こえます)。これに対して「見られます」「聞けます」は「見る・聞く」の可能形で、見たい・聞きたいと思ったときに、機会や道具・条件があってできることを言います(インターネットで日本のドラマが見られます)。目や耳の力のことも「見えます・聞こえます」で言います(眼鏡をかけないと、黒板の字がよく見えません)。 |
| 〜気味 | できる日本語 中級 第12課 学ぼう!にほんご 初中級 第2課 | 「少しそういう傾向がある」「そういう感じがする」と、程度が軽いことを表します。「風邪気味」「疲れ気味」のように、体や気持ちの調子が少し悪いことを伝えるときに使い、相談の場面で今の調子をやわらかく伝えるのに向いています。ほとんど望ましくない状態に使い、「元気気味」「健康気味」とは言いません。第6課の「〜がち」は「そうなることが多い」とくり返しや回数を表すのに対し、「〜気味」は今その状態が少し出ていることを表します(「遅れがち」はよく遅れる、「遅れ気味」は今少し遅れている)。 |
| 擬音語・擬態語 | 中級を学ぼう(中級前期) 第4課 | 擬音語は物の音や人・動物の声をことばで写したもので(ハクション・ワンワン・ドンドン)、擬態語は音のない様子や感じを写したものです(むずむず・ふらふら・さらさら)。この課では、鼻がむずむずする、頭がずきずきする、のような体の感じを表す擬態語を中心に扱います。使い方は「〜する」「〜だ」「〜と+動詞」の3つがほとんどです。同じ形を2回くり返す語が多いこと、濁点が付くと重く・大きくなる感じになること(さらさら→ざらざら、ころころ→ごろごろ)を知ると、初めて見た語の感じがつかめるようになります。 |
| 疑問語+Nであろうと(=「疑問語+N」でも) | 中級を学ぼう(中級前期) 第3課 | 「どんな理由であろうと」「何歳であろうと」のように、「どんな場合でも関係なく、結果は同じだ」と言う書き言葉です。「〜でも」「〜であっても」を硬くした形で、規則・意見文・スピーチに向きます。「であろうと」は「だろうと」の書き言葉の形です。☆「N1であろうと、N2であろうと」は2つを並べて「どちらの場合も同じだ」と言う形で、「N1でもN2でも」の意味になります。文法の見方では、どんな条件でも結果が変わらないことを述べる逆条件(譲歩)の形で、「〜ても」の書き言葉的な仲間です。 |
| 疑問詞〈V/いA/なA/N 普通形(なA・N 〜だ)〉か、〜 | みんなの日本語 初級Ⅱ 第40課 | 「だれ・何・どこ・いつ・いくら・どうして・どのくらい」などの疑問詞のある疑問文を、ほかの文の中に入れる言い方です。「会議は何時からですか」をそのまま人にたずねるのではなく、「会議が何時からか、わかりません」「何時からか、教えてください」のように、分からないこと・知りたいこと・調べることの中身として言います。入れる疑問文は普通形にし、最後の「ですか」「ますか」の代わりに「か」を付けます。な形容詞と名詞の現在肯定は「だ」を付けずに「か」に続けます(何が必要か・いつが休みか)。後ろには「わかりません」「知っていますか」「覚えていません」「教えてください」「調べます」「考えます」「確かめます」など、知る・考える・聞くことの動詞が来ることが多いです。 |
| 疑問詞〈V条件形〉いいですか | みんなの日本語 初級Ⅱ 第35課 | 「どうすればいいですか」「どこで買えばいいですか」のように、何をどうすればよいか分からないとき、人にやり方や答えを聞く言い方です。疑問詞(どう・どこ・だれ・何・いつ・何時)と条件形の動詞に「いいですか」を付けます。答えは「〜ばいいです(よ)」の形で返すと、聞いた形とそろいます。第26課の「疑問詞〈Vた形〉らいいですか」とほぼ同じ意味で、どちらを使ってもよい場面が多いので、この課では条件形で言えることを中心に練習します。「〜てもいいですか」(許可)とは意味が違う点も押さえます。 |
| 禁止 | できる日本語 初中級 第11課 | 「Vるな」で、強く「〜してはいけない」と止める形です。命令形と同じく、応援(負けるな・あきらめるな)や試合中のかけ声、注意の看板や張り紙(入るな)、親しい人どうしのくだけた会話などで使い、目上の人やお客さんには使いません。ていねいに頼むときは初級の「Vないでください」、ルールを説明するときは「Vてはいけません」を使う、と言い方を並べて場面で選ばせます。 |
| 形容表現(1) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第6課 | ものや人、場所の様子を表す形容詞を「です」の前で使います。形容詞には「い」で終わるイ形容詞(暑い・高い・おいしい)と、名詞の前で「な」がつくナ形容詞(静か・きれい・元気)があり、「です」の前ではどちらもそのまま「暑いです」「静かです」と言います。違いがはっきり出るのは否定の形で、イ形容詞は最後の「い」を「くないです」に替え(暑くないです)、ナ形容詞は後ろに「じゃありません」をつけます(静かじゃありません)。「いいです」だけは否定が「よくないです」になります。様子を聞くときは「〜はどうですか」です。文法の用語で言えば、イ形容詞は学校文法の「形容詞」、ナ形容詞は「形容動詞」にあたり、日本語教育では名詞の前の形(「い」か「な」か)で呼び分けます。ナ形容詞の「です」の文と否定の形は、第1課の名詞の文(学生です/学生じゃありません)と同じ形になると見せると、学習者が新しく覚えることは実質イ形容詞の否定だけになります。 |
| 形容表現(2) | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第6課 | 形容詞を名詞の前に置いて、どんなものかを言います。イ形容詞はそのまま名詞につけ(新しいかばん・おいしい料理)、ナ形容詞は「な」をつけてから名詞につけます(静かな町・きれいな部屋)。形容詞と名詞の間に「の」は入りません。どんなものかを聞くときは「どんな〜ですか」で、「静かな町です」とも「静かです」とも答えられます。このように名詞の前に置いて名詞をくわしくする働きを、文法の用語で連体修飾と言い、第18課では動詞の文が名詞の前に来る形まで広がります。 |
| 〜結果 | できる日本語 中級 第11課 | 何かをしたこと・何かがあったことを経て、その後どうなったか・何がわかったかを言う形です。記事では「調べた結果、〜がわかった」「見直した結果、〜が増えた」のように、行動や検討のあとに出た結論や変化を示します。原因の「〜ため(に)」が原因そのものを言うのに対して、「〜結果」は前のことをやり終えたあとに出たものを言い、前には調査・話し合い・努力のように、ある程度時間のかかる行動が来やすいです。書き言葉やニュースで多く、会話では「〜たら、〜」で言うことが多いです。 |
| 謙譲表現 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第37課 | 「お〜します」の形ではなく、別の語で謙譲を表す動詞です。二つに分けると教えやすくなります。一つは、行為が向かう先に立てる相手がいるときに使う語で、伺います(行きます・聞きます・訪ねます)・拝見します(見ます)・いただきます(もらいます・食べます・飲みます)・お目にかかります(会います)・申し上げます(言います)がこれに当たります。もう一つは、自分のことを聞き手に改まって丁寧に伝える語で、参ります(行きます・来ます)・申します(言います)・いたします(します)・おります(います)・存じております(知っています)がこれに当たり、向かう先に相手がいなくても使えます。ただし「食べます・飲みます」の いただきます は、出してくれた人がいない場面(お昼は外でいただきます)では、自分のことを丁寧に言う語に近くなります。文化庁の「敬語の指針」の謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱにほぼ当たりますが、教室では「相手に向かう語」と「自分のことを丁寧に言う語」と言えば十分です。 |
| 〜限り/〜限りの | できる日本語 中級 第17課 | 「〜限り」は、できる範囲いっぱいに・その範囲の中ではという意味です。「できる限り早く」「力の限り走る」のように最大限を表す使い方と、「私の知る限り」「調べた限りでは」のように、話し手の判断がどの範囲の情報にもとづくかを示す使い方があります。名詞の前では「できる限りの準備」のように「限りの」になります。第7課の「〜限り/〜限りは」(「学生である限り」=その状態が続くあいだは)や、第2課の「〜に限り」(それだけ)とは別の用法なので、前に来る語と後ろの意味で見分けます。先輩の話では、助言(できる限り〜)や、自分の経験の範囲(私の知る限り)を示すところに出ます。 |
| 〜限り/〜限りは | できる日本語 中級 第7課 | 「〜という状態が続いているあいだは、ずっと…」と、条件が変わらない範囲を強く言う形です。体験談では「この会が続く限り、参加したい」「元気でいる限りは、教え続けたい」のように、続けたい気持ちや決意を表すのに使われます。「〜ない限り」は「〜しなければ、(ずっと)…ない」という意味になり、条件がとても強くなります。似た「〜うちは」は時間の幅を言うだけですが、「〜限り」は「その条件がある以上は必ず」という強さがあり、やや硬い言い方です。「わたしの知る限り」のように、知っている範囲を言う使い方もあります。 |
| 〜限りは/限り | 学ぼう!にほんご 中級 第40課 | 動詞や状態を表す言葉に付いて、「その状態が続いている間は(ずっと)」という条件を表します。「日本に住んでいる限り、日本の法律を守らなければならない」のように、前の状態が続く間は後ろのことが変わらない、という意味です。「は」を付けた「〜限りは」は、その条件をはっきり取り立てて言う感じになります。「〜ない限り」の形では「〜しなければ(ずっと)〜ない」という意味になり、「本人が来ない限り、書類は受け取れません」のように、後ろには「〜できない」「〜ない」が来ることが多くあります。名詞に付く「Nに限り(=Nだけ)」とは意味が違うので注意します。なお、「できる限り(=できるだけ)」「わたしの知る限り(=知っている範囲では)」のように、範囲を表す使い方もあります。 |
| 後続句を用いた文の普通体 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第20課 | 「〜ています」「〜てもいいです」「〜なければなりません」「〜ことができます」「〜たいです」のように、動詞のあとに続く句(後続句)を持つ文も、最後の「です・ます」の部分を普通形にすれば普通体になります。「〜ています→〜ている」「〜てもいいです→〜てもいい」「〜なければなりません→〜なければならない」「〜ことができます→〜ことができる」「〜たいです→〜たい」のように、最後の部分が動詞か い形容詞かを見分けて、文型1〜2の作り方を当てはめます。文が長くなっても変わるのは最後だけ、と押さえる文型です。 |
| 〜向き | できる日本語 中級 第18課 | 「N向き」は、その物や事がある人や目的に合っている・適していることを表します(一人暮らし向き、初心者向き、子ども向き)。物を譲るとき、「この物はどんな人に合うか」を相手に説明するのに使います。第2課の「〜向け」は「〜のために作られた」という作り手の意図を表す(「留学生向けのパンフレット」)のに対し、「向き」は物の性質を見て、話し手が「〜に合っている」と判断する言い方です。合わないときは「〜には向かない」「不向き」と言います。「南向きの部屋」のように方向を表す用法もあります。 |
| 〜向け | できる日本語 中級 第2課 | 「N向け」は、その人たちのために作られた・用意されたことを表します。「一人暮らし向けの家電」は、一人暮らしの人を相手に作られた家電です。似た形の「〜向き」(第18課)は、作った目的に関係なくその人や場面に合っていることを言います(「この靴は雨の日向きだ」)。「向け」は売る側・作る側が相手を決めている、と考えると分けやすくなります。後ろに名詞が来るときは「〜向けのN」、動詞につなぐときは「〜向けに作る」です。 |
| 国/会社はNです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第3課 | 相手の国や会社を丁寧に尋ねる「お国はどちらですか」「会社はどちらですか」と、その答え「〜です」です。ここの「どちら」は場所を指すのではなく、国名・会社名を聞く問いで、答えは名前になります。「お国」の「お」は相手のことに付ける丁寧の接頭辞で、自分の国には付けません。「うちはどちらですか」(住んでいる所)も同じ型です。 |
| 今、何時ですか(時間の言い方) | できる日本語 初級 第3課 | 時刻は「数字+時」「数字+分」で言い、30分は「半」とも言います。朝か夜かをはっきりさせたいときは「午前」「午後」を前につけます。施設の時間を問い合わせるときの答えはほとんどが時刻なので、聞き取れることが ST1 のやり取りの土台になります。「何時」は「なんじ」と読みます。 |
| 〜最中 | 学ぼう!にほんご 初中級 第4課 | 「ちょうど〜している、その途中」を強く言う形です。「〜最中に、…」の形では、何かが進んでいるちょうど途中に、じゃまになることや思いがけないことが起きたと言うときによく使います(会議の最中に電話が鳴った、など)。「〜最中だ/最中です」と文を終えると、「いまちょうど〜をしていて、手が離せない」という意味になり、電話や頼みごとを断る理由にもなります。続いている動作や行事(会議・食事・試合・料理など)に使い、「いる」「住んでいる」のような状態や、長い期間には使いにくい形です。 |
| 〜最中に | できる日本語 中級 第19課 | ある動作や出来事がいちばん盛んに行われているちょうどその時に、思いがけないこと(多くは困ること)が起こったことを表します。修理を頼む場面では「脱水している最中に止まった」のように、壊れたときに何をしていたかを伝えるのに使います。「〜ているときに」は時を中立に言うだけで、「〜最中に」のほうが「まさにその途中で」という強さがあります。第4課の「〜途中(で)」は、始めから終わりへ進んでいく過程のどこか(「帰る途中で」)を言い、移動にも使えるのに対し、「最中」は活動がさかんに行われている中を言います。「今、会議の最中だ」のように「〜最中だ」の形でも使います。 |
| 〜歳です | できる日本語 初級 第1課 | 年齢を数字+「歳」で言います。1歳から10歳と20歳には読みの変わるものがあり(いっさい・はっさい・じゅっさい/じっさい・はたち)、特に「はたち」は特別な読みです。年齢を聞くときは「何歳ですか」、ていねいには「おいくつですか」と言います。「歳」は数を数える助数詞の一つで、数字と組み合わさると「いっさい」「はっさい」のように音が詰まる(促音になる)ものがあります。 |
| 〜際(に) | できる日本語 中級 第5課 | 「〜際(に)」は「〜とき」の改まった書き言葉で、お知らせ・注意書き・アナウンス・案内文などで使います(「避難の際には、エレベーターを使わないでください」)。「とき」と違って、ある特別な場面や機会を指すのに使い、「子どもの際」「暇な際」のように状態や期間を表す語にはあまりつきません。友達との会話では硬すぎるので「〜とき」を使います。 |
| 参りました | できる日本語 初中級 第1課 | 「来ました」「行きました」を改まって言う謙譲語です。話している相手(面接官や目上の人)に、自分が来たこと・行ったことをていねいに伝えます。行き先の人を高めるのではなく、話している相手への改まった気持ちを表す言い方なので、面接の最初の「ベトナムから参りました」「面接に参りました」に向いています。自分や自分の側の人の動きにだけ使います。 |
| 使役て形+あげる/やる | 中級から学ぶ日本語 第3課 | 相手がしたがっていることを、こちらが許して(させて)、相手のためになるようにする、と言う形。「させる」には「むりにさせる」(強制)と「したいようにさせる」(許可)の二つの意味があるが、「〜させてあげる/やる」はほとんどが後者で、「ゲームをさせてあげる」は「ゲームをしてもいいと許してあげる」こと。「やる」は自分の子ども・弟や妹・ペット・植物など、目下や身内に使い、くだけた話し言葉になる。許す側が上に立つ言い方なので、目上の人には使わない。食べ物の場面では「食べさせてあげる」が「食べることを許す」と「(赤ちゃんなどに)食べ物を口に運ぶ」の二つの意味になるので、場面で区別する。文法の見方では、使役(ヴォイス)と授受表現の組み合わせ。 |
| 使役形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第39課 みんなの日本語 初級Ⅱ 第48課 | だれかに何かを「させる」ときの動詞の形、使役形を作ります。この本ではない形がすでに出ているので、ない形から作るのがいちばん早い方法です。グループⅠはない形の「ない」を「せます」に変え(書かない→書かせます、買わない→買わせます)、グループⅡは「ない」を「させます」に変えます(食べない→食べさせます)。グループⅢは「します→させます」「来ます→来(こ)させます」と丸ごと覚えます。できた使役形は「〜せる/〜させる」で終わるグループⅡの動詞と同じように活用するので、辞書形は「書かせる」、て形は「書かせて」、ない形は「書かせない」になり、課の後半の「〜させてください」はこのて形を使います。 |
| 使役受身 | できる日本語 初中級 第13課 | 「子どものころ、母にピアノを習わされました」のように、自分はしたくなかったのに、上の立場の人(親・先生・先輩)に言われてしなければならなかったことを、させられた人(自分)を主語にして言う形です。使役(させる)と受身(られる)を合わせた形で、多くは「いやだった」「大変だった」という気持ちが入ります。ST2 では、子どものころの家や学校でのことを振り返り、「〜させられましたが、今は〜」と今の自分につなげて話すのに使います。させた人には「に」をつけます。文法用語では、使役と受身という二つのヴォイスが重なった形で、「だれが動作をしたのか」「だれの意志か」を見分けることが要になります。 |
| 使役受身(〜させられる) | 中級から学ぶ日本語 第8課 | ほかの人に命令されたり、強く言われたりして、自分ではしたくないことをしたことを言う。「先輩が私に酒を飲ませた」(使役)を、させられた人の側から言い直した形で、「私は先輩に酒を飲ませられた(飲まされた)」になる。主語(多くは話し手)は「いやだったが、しかたなくした」という気持ちで言うことが多い。また、「この映画には考えさせられた」「彼の努力には感心させられる」のように、気持ちや考えを表す動詞では、何かに心を動かされて自然にそう感じた、という意味になる。文法の用語では、使役と受身を重ねたヴォイスの一つ。 |
| 使役受身形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第40課 | 使役受身形は、第39課の使役形に受身の「られる」をつけた形です。使役形(書かせる・食べさせる・させる・こさせる)はどれもグループⅡの動詞と同じように活用するので、受身は「〜られる」になります。グループⅠの動詞には、「せら」を「さ」にした短い形(書かせられる→書かされる)もあり、話し言葉ではこちらがよく使われます。ただし、「話す・貸す」のように「す」で終わる動詞は短い形にせず、「話させられる」だけを使います。 |
| 使役動詞 | できる日本語 初中級 第13課 | 使役動詞(〜させる)は、上の立場の人(親・先生・店長など)が下の立場の人に何かをさせることを表します。したくないことをさせる強制と、したいことをさせる・許す許可の二つの意味があり、どちらかは場面で決まります。ST1 では、町で見かけた親子の様子を「お母さんが子どもに袋を持たせていました」のように伝えたり、「子どもに一人で買い物をさせるのはいいと思います」と意見を言ったりするのに使います。目上の人に何かを「させる」とは普通言わないので、使う向きは上の人から下の人へだと最初に押さえます。 |
| 〜始める | 学ぼう!にほんご 初中級 第20課 | 初級で習った複合動詞の復習です。ます形に「始める」をつけて、動作や変化が始まったことを表します。前の動詞は意志のある動作(話し始める・働き始める)にも、自然の変化(桜が咲き始める・雨が降り始める)にも使えます。この課では、報告の中でいつ始まったかをはっきり言うために使います(手術から一週間後に、歩き始めました)。始まりが言えると、聞く人にどのくらいの期間がんばったのかが伝わります。似た「〜出す」は急に・思いがけず始まる感じがあり(急に雨が降り出した・子どもが泣き出した)、自分で計画して始めることや、誘い・頼みには使いません(一緒に読み始めましょう、とは言うが、「読み出しましょう」とは言わない)。 |
| -時から-時までVます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第4課 | 動作が続く時間の幅を「〜時から〜時まで」で言い、後ろに動詞を置く文です。文型3の「〜から〜までです」の「です」が動詞に替わった形で、「働きます」「勉強します」「休みます」のように、ある時間ずっと続く動作に使います。「から」「まで」の後ろに「に」は付きません。曜日にも使えます(「月曜日から金曜日まで働きます」)。 |
| -時にVます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第4課 | 動作をする時刻を「〜時に」で言う文です。「に」は時刻や曜日のように、時計やカレンダーで一点を指せる語に付けます。「きょう」「あした」のように今を基準にして決まる語や、「毎朝」「毎晩」のような繰り返しを表す語には「に」を付けません。この課で初めて動詞が文に入るので、「時刻+に+動詞」の語順をここでしっかり作ります。曜日の「に」は付けても付けなくても言えますが、この課では付ける形にそろえて練習すると、「に」の付く語・付かない語の区別が崩れにくくなります。 |
| -時-分です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第4課 | 時刻を「〜時〜分です」と言う文です。「今 何時ですか」という質問と組にして、時計を見て答えられるようにします。あわせて「半」(30分)と、時刻の前に付ける「午前」「午後」を入れます。文の骨は第1課からの「Nです」と同じで、新しいのは数字の読みです。 |
| 〜次第 | できる日本語 中級 第4課 学ぼう!にほんご 中級 第29課 | 「Vマス形の語幹+次第」は「〜したらすぐに」の意味で、あることが実現したら、すぐに次の行動をすることを表します。利用案内やお知らせでは「定員になり次第、締め切ります」「準備ができ次第、ご案内します」のように、施設や主催者の側がどの時点で何をするかを伝えるのに使います。書き言葉や改まった話し言葉で、会話では「〜たらすぐ」がふつうです。後ろには話し手の意志的な行為や依頼が来るので、実際に起きた過去のことの報告には使わず、そのときは「〜たとたん」「〜てすぐ」を使います。名詞につく「天気次第で」(天気によって決まる)は別の意味で、シリーズでは「〜次第だ/〜次第で」として別に扱います。 |
| 〜次第(時間) | 学ぼう!にほんご 中級 第29課 | 「Vます形の語幹+次第」で、Aしたらすぐ(Bする)ことを表します。Aには、これから起こると分かっていて話し手が待っていること(届く・決まる・終わる・分かる・そろう)が来て、後ろには「連絡します」「お知らせください」「出発します」のような話し手の意志や相手への依頼が来ます。改まった言い方で、仕事の電話やメール、お店や学校のお知らせによく出ます。「到着・完成・決定・確認」のような動作を表す漢語の名詞にも直接付き、「到着次第」のようになります。「〜たらすぐ」と違い、過去に起こった出来事を「〜したらすぐ〜した」と言うのには使いません。手順の説明では「書類がそろい次第、次の手続きに進みます」のように、一つが終わったらすぐ次へ、という流れをはっきり示せます。学習項目4の「N次第」とは、前の形(決め手の名詞か、ます形の語幹・動作の名詞か)と、後ろへのつながり方(「で」か「、」か)で見分けます。 |
| 〜次第… | 学ぼう!にほんご 初中級 第11課 | 「〜したら、すぐに」という意味の、少し硬い言い方です。前のことが終わったら(ある状態になったら)時間をおかずに後ろのことをする、と伝えます。お知らせやビジネスの連絡でよく使われ、後ろには話し手や組織がこれからする意志的な行動(お知らせします・締め切ります・出発します)や、相手への依頼(ご連絡ください)が来るのがふつうです。まだ起きていないこれからのことに使う形なので、過去にあったことを述べる文には使えません。前の部分は「品物がなくなる」「準備ができる」のように話し手の意志でないことでもかまいません。なお、名詞のあとの「天気次第」「あなた次第」は「〜によって決まる」という別の意味です。 |
| 〜次第だ | 中級から学ぶ日本語 第14課 | 「N次第だ」の形で、結果がNによって決まる、Nがどうなるかで変わる、という意味を表す。前のNは結果を左右する決め手(天気・努力・やり方・相手の返事・考え方)で、「行くかどうかは天気次第だ」のように、前に「〜か(どうか)は」が来ることが多い。文の途中では「N次第で、〜」「N次第では、〜」になり、「次第では」は悪い結果も起こりうることを言うときによく使う。「〜によって違う」が「いろいろだ」と違いを並べるのに対し、「次第だ」は「それで決まる」と決め手を指す。「Vます形+次第」(届き次第、連絡します)は「〜したらすぐに」という別の意味なので、区別して扱う。 |
| 〜次第だ/〜次第で | できる日本語 中級 第16課 | 「N次第だ」は、物事の結果がNによって決まることを表します(「合格できるかどうかは努力次第だ」「やり方次第で、成績は伸びる」)。後押しの場面では、結果は相手の頑張りで変えられると伝えるのに使えます。第2課の「〜によって(さまざまだ)」は「国によって違う」のように違いがあることを言うだけですが、「次第」はNが決め手になることに重点があります。第4課の「Vます形+次第」(〜したらすぐ)とは別の表現です。「N次第では」は「Nによっては(そうなる場合もある)」という意味です。 |
| 自動詞・他動詞 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第20課 | 同じ出来事を言う動詞には、ものが主語で「が」をとる自動詞(ドアが開きます)と、人が主語で「を」をとる他動詞(ドアを開けます)のペアになっているものがたくさんあります。自動詞は「ものがどうなるか」、他動詞は「人がものをどうするか」を言います。形はよく似ていて、「閉まる・閉める」「始まる・始める」のように「〜まる・〜める」で対応するもの、「開く(あく)・開ける」「つく・つける」のように「〜く・〜ける」で対応するもの、「消える・消す」「出る・出す」のように「〜る・〜す」で対応するものなどがありますが、決まりで作れるわけではないので、ペアのまま覚えます。 |
| 辞書形 | できる日本語 初級 第9課 | 辞書形は、辞書に載っている動詞の形で、ます形のもとになる形です(「読む」から「読みます」ができる)。この課では「本を読むことです」「ギターを弾くことができます」のように、「こと」の前に置いて使います。作り方は第7課のテ形と同じ3つのグループで決まるので、まず自分の動詞がどのグループかを確かめさせます。日本語教育で「辞書形」と呼ぶこの形は、学校の国語文法では動詞の「終止形」(名詞の前では「連体形」)にあたるので、教材や参考書の呼び名が違っても同じ形だと知っておくと迷いません。 |
| 辞書形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第15課 みんなの日本語 初級Ⅰ 第18課 | 辞書に載っている形なので「辞書形」と呼びます。この課では「〜ことです」「〜ことができます」「〜と、…」の前に置く形として使い、辞書形で文を終える言い方は第17課(普通体)まで出しません。作り方は第11課のて形・第12課のない形と同じグループ分けで決まります。グループⅠはます形の「ます」の前の音を、い段からう段に変えます(書きます→書く)。グループⅡは「ます」を「る」に替えるだけ(食べます→食べる)、グループⅢは「します→する」「来ます→来る(くる)」の2つを覚えます。 |
| 趣味はN/〈V辞書形〉ことです | みんなの日本語 初級Ⅰ 第18課 | 自分の趣味を言う文型です。趣味が名詞で言えるなら「趣味は音楽です」、動作で言うなら辞書形+こと で名詞の形にして「趣味は音楽を聞くことです」と言います。「〜ことです」の「こと」は動詞を名詞に変える働きで、文型1の「〜ことができます」と同じ「こと」です。会話では「趣味は何ですか」と聞かれて答えるのが基本で、「どんな〜ですか」とくわしく聞き返すと会話が続きます。 |
| 受身 | できる日本語 初中級 第10課 | 何かをされた人の側から出来事を言う形です。「隣の人がわたしの足を踏みました」を、踏まれたわたしの側から「わたしは隣の人に足を踏まれました」と言います。旅行先で困ったこと・いやだったことを伝えるときに、される人を主語にすると、困った気持ちが伝わります。する人は「に」で表します。「雨に降られました」のように、自分が直接何かをされたのではなくても、迷惑を受けたことを言うのにも使います。文法の用語では、「足を踏まれる」「かばんを盗まれる」のように自分の体や持ち物が何かをされる受身(持ち主の受身)と、「雨に降られる」のように自動詞からも作れる迷惑の受身(間接受身)が、日本語の受身の特徴として試験でよく問われます。 |
| 受身(無生物主語) | できる日本語 初中級 第10課 | 建物・行事・物を主語にして、それがいつ・どこで・どのように作られたか、行われるかを説明する受身です。ガイドブックや案内でよく使います。する人がだれか分からないときや、言わなくてもいいときに使い、ST1 の受身のような「困った」気持ちはありません。作った人を言うときは「に」ではなく「Nによって」を使います。文法の用語では、人ではない物・事を主語にする受身(非情の受身)で、書き言葉や案内文でよく使われます。ST1 の受身とは形が同じで、気持ちが入らない点と、作った人を「によって」で言う点が違います。 |
| 受身・使役・使役受身の総まとめ | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第40課 | 受身・使役・使役受身は、形が似ているうえに、どれも「〈人〉に」が入るので混ざりやすい形です。区別のかぎは「に」の人がその文で何をしたかです。受身(わたしは弟に作文を読まれました)では「に」の人が動作をした人で、主語はそれで困った人やされた人です。使役(先生は弟に作文を読ませました)では「に」の人が動作をする人で、主語はそうさせた人です。使役受身(弟は先生に作文を読ませられました)では動作をしたのは主語で、「に」の人はそうさせた人です。形の上では、受身は「〜れる/〜られる」、使役は「〜せる/〜させる」、使役受身は両方が入った「〜させられる」と、語の後ろを見れば見分けられます。 |
| 受身形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第30課 みんなの日本語 初級Ⅱ 第37課 | 動詞の受身形「〜れます/られます」を作ります。この本ではない形がもう出ているので、受身形はない形から作ると教えると、グループⅠの「わ」もそのまま使えます。グループⅠはない形の「ない」を「れます」に替え(書かない→書かれます・買わない→買われます)、グループⅡは「ない」を「られます」に替え(食べない→食べられます)、グループⅢは「します→されます」「来ます→こられます」です。できた受身形はグループⅡの動詞と同じように形が変わるので、て形・た形・ない形は「ほめられて」「ほめられた」「ほめられない」になります。グループⅡと「来ます」の受身形は第22課の可能形と同じ形になるので、どちらの意味かは文の形(「〜に」があるか・何が主語か)で見分けます。 |
| 〜終わる | 学ぼう!にほんご 初中級 第20課 | これも初級で習った複合動詞の復習です。ます形に「終わる」をつけて、始めた動作が終わりまで行って、済んだことを表します(食べ終わる・読み終わる・書き終わる)。終わりがはっきりしている、意志のある動作に使い、「雨が降り終わる」のような自然の変化には使いません(雨は「やむ」)。「〜きる」も終わりまで行くことを表しますが、「終わる」は動作が済んだという事実を言い、「きる」は量が多くても全部・最後までという達成の気持ちを加えます(レポートを書き終わった/一晩で20ページのレポートを書ききった)。報告では、始まり(〜始める)と組にして期間を言ったり、「〜終わったら、次に〜」のように手順の区切りを言ったりするのに使います。改まった報告や書いた文章では「〜終える」(読み終える・やり終える)もよく使います。 |
| 助詞+「の」 での・からの・までの・との・への | 中級を学ぼう(中級前期) 第4課 | 「東京で暮らす」「友だちから手紙が来る」のように、助詞で場所・出発点・相手・方向を表す言い方を、「東京での暮らし」「友だちからの手紙」と名詞に付ける形です。助詞「で・から・まで・と・へ」の後ろに「の」を付けて、名詞を修飾します。「が」「を」はこの形にならず(×友だちがの手紙)、「に」も「にの」とは言えないので「への」「での」で言い換えます。読み物では「〜での〜」「〜からの〜」が長い名詞句の中に出るので、どの助詞かで意味を読み分けさせます。 |
| 助数詞(ひとつ〜とお ) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第11課 | 物を数える基本の形です。日本語では「りんごを3つ買います」のように、数の後ろに「助数詞」を付けて数えます。「ひとつ・ふたつ・みっつ…とお」は、特別な助数詞のない物(果物・消しゴム・箱・かばんなど)を数える日本語固有の数え方で、1〜10までしかありません。11からは「じゅういち」のように数字だけで数えます。数を聞くときは「いくつ」です。数量の語は、助詞の付いた名詞の後ろ・動詞の前に置きます。「ひとつ・ふたつ」は和語の数え方で、「いち・に」の漢語の数え方とは別の系列です。文法用語では、このように名詞から離れて動詞の前に置かれた数量の語を遊離数量詞と呼び、「みっつのりんご」のように「の」で名詞に付ける形と対にして説明します。 |
| 助数詞(-人 ) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第11課 | 人を数える助数詞です。1人と2人だけ「ひとり」「ふたり」という特別な形で、3人からは「さんにん・ごにん・ろくにん…」と「にん」を付けます。4人は「よにん」です。聞くときは「何人(なんにん)」です。家族や兄弟の人数、クラスの人数、いっしょに行く人の数を言うのに使います。日本語で「家族は何人ですか」と聞かれたら、自分を入れて数えるのがふつうです。1・2だけが和語の数え方(ひとり・ふたり)で、3からは漢語の数え方+「にん」になるので、1つの助数詞の中で2つの系列が混ざっているのが特徴です。「ひとりで」「ふたりで」のように「で」が付くと、何人でいっしょにするかという様子の言い方になります。 |
| 助数詞(-枚/-台 ) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第11課 | 「枚」は紙・切手・はがき・シャツ・CD など薄くて平たい物を、「台」は車・自転車・テレビ・パソコン・冷蔵庫など機械と乗り物を数える助数詞です。「ひとつ〜とお」と違って、数のほうは「いち・に・さん…」の読みで、11以上も同じように続けられます。4は「よん」、7は「なな」、9は「きゅう」で読みます。聞くときは「何枚(なんまい)」「何台(なんだい)」です。文の中の位置は文型1と同じです。試験の見方では、助数詞は物の形や種類によって選び分ける語(言語の類型では類別詞と呼ばれるもの)で、どの数詞と結ぶか、数との間で音が変わるかが問われます。「枚・台」は「いち・に」の漢語の数え方と結び、「ひとつ〜とお」とは系列が違います。 |
| 〜上(で) | できる日本語 中級 第1課 | 名詞に「上(じょう)」をつけて、「その画面・紙・情報の中で」という場を表します。「ホームページ上で受け付けます」「地図上では近い」「ネット上の情報」のように使い、お知らせや説明文でよく見ます。会話では「ホームページで」「ネットで」と言うことが多く、「〜上」をつけると改まった言い方になります。読みは「うえ」ではなく「じょう」で、「机の上(うえ)で」のような物の上の意味とは別物です。語の作りとしては、名詞につく接尾辞の「上(じょう)」に格助詞「で」がついた形で、「ネット上」「地図上」で一つの語のようにまとまります。 |
| 〜上(に) | できる日本語 中級 第18課 | 「〜上(に)」は、あることに、同じ方向のことをもう一つ付け加える言い方で、「〜だけでなく、さらに」の意味です。よいことによいこと、悪いことに悪いことを重ねるのが基本で、ニュースでは対策のよい点や、問題の悪い点を重ねて伝えるのに使われます。初中級の「〜し、〜(並列)」より改まっていて、書き言葉にも改まった会話にも使えます。第14課の「〜ばかりでなく」と近いですが、「上に」は程度が加わる感じが強いです。後ろには命令・依頼・誘いの文は来にくく、第17課の「〜上で」(〜してから・〜するときに)とは別の形です。 |
| 〜上で | できる日本語 中級 第17課 学ぼう!にほんご 中級 第22課 | 「Vた上で」は、あることをきちんと済ませてから、それを土台にして次のことをするときに使います。「よく調べた上で応募する」のように、前のことが後ろのことに必要な手順であることを示し、案内や説明の文でよく見る改まった言い方です。「Vてから」は順番を言うだけですが、「た上で」には「前のことをしてからでないといけない」という重さがあります。「V辞書形+上で」は「〜するときに・〜する過程で」という意味で、「就職活動を進める上で大切なこと」のように、後ろに「大切だ・必要だ・役に立つ」が来ます。第1課の「ホームページ上(じょう)で」とは読みも意味も別です。 |
| 〜上で(〜するにあたって) | 中級から学ぶ日本語 第14課 | 「V辞書形+上で」の形で、「〜するときに」「〜する場合に」「〜するためには」という意味を表す。後ろには「大切だ」「必要だ」「欠かせない」「役に立つ」「注意が必要だ」「問題がある」のように、その行為についての評価や条件を言う文が来ることが多い。かっこの「〜するにあたって」は、何か改まったことを始めるとき、という近い言い方。名詞には「Nの上で(は)」の形で付き、「〜の面で」という意味になる(数字の上では順調だ)。第11課の「〜た上で」は「〜したあとで、それをふまえて」という時間の順序を言う表現で、辞書形の「〜上で」とは意味が違う。 |
| 〜上の/〜上 | できる日本語 中級 第19課 | 主に漢語の名詞について、「〜の点から見て」「〜の面で」という意味を表します(健康上の理由・安全上の注意・技術上の問題)。読みは「じょう」です。医療の記事では「診断上」「治療上」「管理上」のような語がよく出ます。名詞につなぐときは「〜上の+N」、文の中では「技術上は可能だ」「健康上、問題はない」のように副詞のように使います。「健康的な生活」の「〜的」は「健康によい・健康らしい」という意味で、「健康上の問題」(健康の面での問題)とは違います。会話では「健康の面で」「安全のために」のように言うことが多く、「〜上」は文章や改まった話し方の言い方です。第18課の「〜上(に)」(うえに=それに加えて)とは読みも意味も違います。 |
| 〜場合 | できる日本語 中級 第4課 | 「〜場合(は/には)」は、いくつか考えられるケースのうちの一つを取り上げて、そのときはどうするかを説明する言い方です。施設の職員の説明や決まりの文では、「カードをなくした場合は」「返却が遅れる場合には」のように、これから起こるかもしれないケースへの対応を言うのに使います。「〜とき」と意味は近いですが、「場合」は仮のケースを並べる改まった言い方で、実際に一度起きた過去のできごとを言うのには使いません(そのときは「〜とき」)。会話では「〜たら」もよく使います。 |
| 条件形 | できる日本語 初中級 第9課 | 「〜ば」の形で、「その条件がそろえば、後ろのことが成り立つ」ことを表します。アルバイト先では「わからなければ聞いてください」「質問があれば言ってください」のように、「ある・ない・わかる・できる」など状態を表す語や形容詞と一緒によく使います。前に動作の動詞が来るとき、後ろに「〜てください」などの頼みを続けると不自然になりやすいので、頼むときは「〜たら」を使うと教えます。また「どうすればいいですか」「誰に聞けばいいですか」は、やり方を先輩に聞く形としてそのまま覚えさせます。 |
| 条件形(ば形)の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第28課 | 条件を言う形「ば形」を作ります。この本ではもう辞書形を習っているので、辞書形から作ります。グループⅠは辞書形の最後の音(う段)を「え段」に変えて「ば」を付け(行く→行けば)、グループⅡは「る」を「れば」に替え(食べる→食べれば)、グループⅢは「する→すれば」「来る→来れば(くれば)」です。否定は「ない」を「なければ」にし(行かない→行かなければ)、イ形容詞は「い」を「ければ」にします(安い→安ければ、いい→よければ)。ナ形容詞と名詞は「な・だ」を取って「なら」を付けます(静かなら・雨なら。改まった文では「静かであれば」)。この「なら」は学習項目3の「〜なら」と同じ形で、使い方も重なるので、ここでは形だけ確かめます。 |
| 尊敬V | みんなの日本語 初級Ⅱ 第49課 | この項目は尊敬の動詞(〜(ら)れる)の作り方として扱います。尊敬語は、目上の人やお客様、よく知らない人の動作を高めて言う言い方で、「部長が帰りました→部長が帰られました」のように動詞を「〜(ら)れる」の形にするのがいちばん作りやすい方法です。この形は第37課の受身形とまったく同じで、グループI はない形の「〜ない」を「〜れる」に替え(書かない→書かれる)、グループII は ます を られる に替え、グループIII は「します→される」「来ます→来られる」です。できた尊敬の動詞はグループII として活用し、ふつうは「帰られます・帰られました」のように ます を付けて使います。受身の文と違って、助詞はもとの文のまま変わりません。文法の用語では、主語の人物を高める「尊敬語」の一つで、助動詞「れる・られる」は受身・可能・自発・尊敬の四つの意味を持つ形として説明されます。 |
| 尊敬動詞 | できる日本語 初中級 第7課 | 動詞を「〜れます/〜られます」の形にして、相手の動作を高める言い方です。「お〜になります」より少し軽い丁寧さで、ほとんどの動詞に作れるので、「します」の動詞(「されます」)のように「お〜になります」にしにくい動詞でも使えます。訪問先で家の人のふだんの生活を聞くときに、改まりすぎずに丁寧さを出せます。同じ形はあとの課の受身にも出てくるので、ここでは目上の人が主語で、その人の動作を言う文に限って練習します。 |
| 尊敬表現 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第36課 | よく使ういくつかの動詞には、尊敬のための特別な言葉があります。行きます・来ます・います→いらっしゃいます、食べます・飲みます→召し上がります、言います→おっしゃいます、見ます→ご覧になります、します→なさいます、寝ます→お休みになります、知っています→ご存じです、くれます→くださいます(第35課)です。これらの動詞では「お〜になります」を作らず、この言葉を使うのがふつうです。いらっしゃる・おっしゃる・なさる・くださる のます形は「〜ります」ではなく「〜います」になり、「いらっしゃいます」は行く・来る・いるのどの意味かを、場所の助詞や前後の話で決めます。 |
| 〜代わりに | できる日本語 中級 第15課 | この課の「〜代わりに」は、何かを得る代わりに、別の何かを差し出す(がまんする)という交換の関係を表します。ラジオで「無料で使える代わりに、個人情報を渡している」のように、便利さと引きかえのものを考えるのに使います。第8課の「Nの代わりに」は「A ではなく B を使う・B がする」という代わりの意味でしたが、ここでは文につけて「A というよい点がある代わりに、B という悪い点もある」「A してあげる代わりに B してほしい」の意味になります。似た「〜反面」は一つのものの二つの面を述べる硬い言い方で、取り引きの気持ちは「代わりに」のほうが強く出ます。 |
| 誰が | できる日本語 初級 第7課 | 誰がその動作をしたのか・するのかを聞く言い方です。疑問詞「誰」が主語になるときは「は」ではなく「が」を使い、答えも「〜さんが作りました」のように「が」で返します。パーティーでおいしい料理を食べたとき「誰が作りましたか」と聞くと、作った人をほめるきっかけになります。疑問詞が主語になるときの「が」と、その答えの「が」は、文法の用語でいう「総記」(ほかではなくそれだ、と選び出す)の「が」にあたります。 |
| 誰のN | できる日本語 初級 第2課 | 「誰のN」は物の持ち主を聞く言い方で、「これは誰の傘ですか」には「わたしの傘です」と答えます。何の物の話か二人ともわかっているときは、後ろの名詞を省いて「誰のですか」「わたしのです」とも言います。レストランや教室で、忘れ物を持ち主に返す場面で使います。文法の用語では、「の」が持ち主を表す連体修飾で、後ろの名詞を省いた「わたしのです」の「の」は「わたしの傘」の「傘」の代わりをしています。 |
| 誕生日は-月-日です | みんなの日本語 初級Ⅰ 第5課 | 月と日の読み方を覚え、自分の誕生日を言い、相手の誕生日を聞けるようにする項目です。文の形は第1課の名詞文「NはNです」で新しくありませんが、読みが難しい箇所が集中しています。月は「-がつ」で、4月(しがつ)・7月(しちがつ)・9月(くがつ)だけ数字の読み方が変わります。日は1〜10日と14日・20日・24日が和語の読み(ついたち・ふつか・みっか…・とおか、じゅうよっか・はつか・にじゅうよっか)で、それ以外は「-にち」です。聞くときは「いつですか」と「何月何日ですか」の両方を使います。日の読みは和語の数え方(ふつか・みっか…)と漢語の数え方(-にち)が混ざっている例で、初級では規則を説明するより、よく使う日から声に出して覚えさせるほうが早く定着します。 |
| 知っていますか/知りません | できる日本語 初級 第13課 | 物・場所・人のことを、情報として持っているかどうかを言う言い方です。「知る」は「知っています」の形で今の状態を言い、聞くときは「〜を知っていますか」と言います。注意したいのは否定で、「知っていません」ではなく「知りません」と言います。経験の話の中で店や場所の名前が出たとき、相手がそれを知っているかを確かめるのに使います。 |
| 〜通りに/通りに | 学ぼう!にほんご 中級 第26課 | 前に来る言葉(人が言ったこと・説明・見本・予定・自分の考えなど)を手本にして、それと同じようにする、また、そのとおりのことが起こる、ということを表します。人に作業を教えるとき、「わたしがやるとおりにやってください」「説明書どおりに組み立ててください」のように、何をまねすればよいかをはっきり示せるので、指示の言葉としてとても便利です。「思ったとおり」「予想どおり」のように、前から考えていたことと結果が同じだった、という意味でもよく使われ、反対に「計画どおりに進まない」は、前に考えていたようには物事が進まない、ということです。前に動詞や「この・その」が来るときは「とおり」、名詞に直接付くときは「どおり」と読みます。 |
| 〜途中(で)/〜途中(に) | できる日本語 中級 第4課 | 「〜途中」は、ある場所へ移動しているあいだや、ある動作・できごとが終わる前の段階を表します。「駅へ行く途中で、コンビニに寄る」のように、移動のあいだに何かをする・何かが起きるときは「で」、「家から駅へ行く途中に、図書館がある」のように、その道のりの間に何かがあることを言うときは「に」が基本です。施設を紹介するときは「通学の途中にあるので寄りやすい」のように、場所の便利さを伝えるのに役立ちます。「話の途中で」「映画の途中で」のように、動作が終わる前に別のことが起きる意味でも使います。 |
| 動詞の省略 | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 文脈から分かる動詞を言わず、名詞や助詞で文を止める書き方・話し方です。見出し・箇条書き・短い答え・リズムのある文などで使われ、読むときは省かれた動詞を補って意味を取ります。省いてよいのは、前の文や場面から補う動詞が一つに決まるときです。文章の分析では、省略は前後の文をつなぐ手段の一つ(結束性)としても扱われます。 |
| 動詞普通形、動詞文普通体 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第20課 | 動詞の普通形を文の終わりに使う文が、動詞文の普通体です。家族・友達・親しい同僚など距離の近い相手に使い、先生や初めて会う人、店や会社の客には丁寧体を使います。質問は「か」を付けず、文末を上げて言います。答えは「はい/いいえ」ではなく「うん/ううん」です。誘うときの「〜ませんか」は「〜ない?」になり、これが会話の題です。 |
| 〜得る(得る) | 学ぼう!にほんご 中級 第35課 | そういうことが起こる可能性がある・そうすることが可能だという意味で、動詞のます形に付けて使います。「あり得る」「起こり得る」「考え得る」の形でよく出ます。「〜かねない」「〜おそれがある」と違って、よいことにも悪いことにも使え、話し手の心配よりも「理屈の上では、その可能性は否定できない」という落ち着いた判断を表します。そのため、説明書・論文・ニュース・会議の説明のような硬い文章や改まった話によく出ます。否定の「〜得ない」は「その可能性はない」という意味で、特に「あり得ない」は会話でも「信じられない」の気持ちでよく使われます。課の題の「あり得るのだ」も、予想していなかったことでも起こる可能性は否定できない、という言い方です。 |
| 〜得る/〜得ない | できる日本語 中級 第14課 | 「V得る」で、そういうことが起こる可能性がある、「V得ない」で可能性がないことを表します。「起こり得る」「あり得る」「考え得る」のように、人の能力ではなく物事の可能性に使うのが特徴で、「泳げる」のような能力の可能形とは違います。書き言葉や解説、ニュースで使う硬い表現で、会話では「〜ことがある」「〜かもしれない」「〜可能性がある」と言うことが多いです。「得る」は「うる」とも「える」とも読みますが、「得ない」「得ます」「得た」は「え」の読みだけです。 |
| 特別な謙譲語(自分自身のこと) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第50課 | 「行きます・来ます→参ります」「います→おります」「言います→申します」「します→いたします」のように、自分のことを、聞いている相手に改まって丁寧に伝えるための語です。文型3の語と違って、行為が向かう先に立てる相手がいなくてもかまいません。「週末は京都へ参ります」は、京都に会う人がいなくても、聞き手に丁寧に伝える言い方として使えます。ふつうは「ます」の形で使い、自己紹介の「〜と申します」、「〜ています」を改まって言う「〜ております」、「ご〜いたします」の形でよく出ます。「敬語の指針」の「謙譲語Ⅱ(丁重語)」にほぼ当たると考えられますが、教室では「自分のことを丁寧に言う語」と言えば十分です。 |
| 特別な謙譲語(目上のための行為) | みんなの日本語 初級Ⅱ 第50課 | 「行きます・聞きます→伺います」「見ます→拝見します」「もらいます・食べます・飲みます→いただきます」のように、「お〜します」の形ではなく、別の語で謙譲を表す動詞があります。この項目の語は、目上の人のところへ行く、目上の人の物を見る、目上の人から物をもらう のように、行為が向かう先に立てる相手がいるときに使います。だから「先生のお宅に伺います」は言えますが、会う人もいない場所へ一人で行くだけのときは「伺います」を使いません。文化審議会の「敬語の指針」(2007年)でいう「謙譲語Ⅰ(向かう先の人物を立てる謙譲語)」にほぼ当たると考えてよいでしょう。「食べます・飲みます」の意味の「いただきます」は、向かう先の人がはっきりしない場面でも使われるので、教室では「出してくれた人やその場の人を立てて、自分が食べる・飲むことを言う形」と説明すると扱いやすくなります。 |
| 特別な尊敬語 | できる日本語 初中級 第7課 みんなの日本語 初級Ⅱ 第49課 | 目上の人や初めて会う年上の人の動作を高めて言う尊敬語のうち、もとの動詞とまったく違う語になるものです。行きます・来ます・いますは「いらっしゃいます」、食べます・飲みますは「召し上がります」、言いますは「おっしゃいます」、見ますは「ご覧になります」、しますは「なさいます」、知っていますは「ご存じです」になります。訪問先では、お土産をすすめる・家の人の毎日のことを聞く、といった場面でまず要る語なので、第1課で決まった言い方として出た「いらっしゃいます」を仲間ごとここでまとめます。使うのは相手(上の人・外の人)の動作だけです。 |
| 〜反面 | 学ぼう!にほんご 中級 第39課 | 一つの物事・一人の人が持っている、反対向きの二つの面を並べる形です。多くは「良い面」と「悪い面」の組で、前に一方の面を、後ろにそれと反対の面を言い、その物事を全体として評価するときに使います。主語は前と後ろで同じ一つの物事です。「〜一方(で)」も同じように使えますが、「一方(で)」が違う二つの物事を比べることもできるのに対して、「反面」は一つの物事の表と裏に限られるところが違います。やや硬い言い方で、作文・説明・評価の文でよく使います。文の頭では「その反面、」とも言い、「半面」と書くこともあります。 |
| 〜反面/半面 | できる日本語 中級 第17課 | 「〜反面」は、同じ一つのものごとに、ある面とそれと反対の面があることを言います。「給料が高い反面、残業が多い」のように、前と後ろで同じ仕事・同じ会社・同じ人の違う面を並べ、説明文や意見の文で使う硬めの言い方です。「〜が」「〜けれど」は二つのことの対比に広く使えますが、「反面」は一つのものの表と裏を言うのに向いていて、二つの別のものを比べるときは「〜一方(で)」(第13課)を使います。「半面」の字も使われ、「その反面」のように文の初めに置いて前の文を受けることもできます。 |
| 普通形 | できる日本語 初級 第11課 | 「です・ます」をつけない形で、友達言葉の文の終わりに使います。動詞・イ形容詞・ナ形容詞と名詞の3つに分け、それぞれ「今」「今の否定」「前」「前の否定」の4つの形があります。動詞は辞書形・ナイ形・タ形に「なかった」を足すだけで、新しく覚える形は多くありません。このあと第12課の「〜んです」、第14課の「〜と思います」、第15課の「〜そうです」など、普通形につく文型にもつながります。 |
| 普通形ということだ | 中級を学ぼう(中級前期) 第3課 | 前に述べた事実や状況をもとに、「つまり、こういうことだ」と結論や解釈を引き出して言う形です。「つまり」「要するに」と一緒に使うことが多く、相手の長い話をまとめ直して確認するときにも使えます。同じ形の「〜ということだ」には「〜そうだ」と同じ伝聞の意味もありますが、この課では結論の意味を扱います。文法の見方では、話し手の判断を表す文末の形(モダリティ)で、「つまり」「要するに」のような言い換えの接続詞と組んで、前の内容から導いた結論を示します。 |
| 普通形の作り方(動詞・い形容詞・な形容詞・名詞) | みんなの日本語 初級Ⅰ 第20課 | 普通形は、「です・ます」を使わない文の終わりの形です。動詞は辞書形・ない形・た形・「ない形の い→かった」の4つ、い形容詞は「〜い/〜くない/〜かった/〜くなかった」、な形容詞と名詞は「〜だ/〜じゃない/〜だった/〜じゃなかった」です。動詞の4つのうち辞書形(第18課)・ない形(第17課)・た形(第19課)はすでに習っているので、新しく覚えるのは動詞の「〜なかった」と、な形容詞・名詞の「だ」の列だけです。この課では文末に使う「普通体」として学びますが、第21課からは文の中(「〜と思います」)にも入るので、表を見ないで作れるところまで仕上げておきます。 |
| 普通体の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第17課 | 「です・ます」を使わない話し方を普通体といいます。動詞は新しく覚える形はほとんどなく、辞書形・ナイ形・タ形と、ナイ形の「ない」を「なかった」にした形の四つです。い形容詞は「です」を取るだけで、「暑くない・暑かった・暑くなかった」もそのまま使えます。な形容詞と名詞は「です」が「だ」になり、否定は「じゃない」、過去は「だった」「じゃなかった」です。 |
| 普通表現 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第17課 | 普通体を使った話し方で、友達・家族・年下の人など、親しい相手と話すときに使います。先生・会社の上の人・初めて会う人には、今までどおり「です・ます」で話します。質問は「か」をつけずに文の終わりを上げて言い(会う?)、な形容詞と名詞の質問は「だ」を落とします(ひま?・あした休み?)。答えは「はい・いいえ」のかわりに「うん・ううん」が多くなります。 |
| 復習 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第40課 | 初級Ⅱで学んだことを振り返り、いくつかの形を組み合わせて、まとまった話ができるようにするための活動の時間です。初級Ⅱでは、可能形・意向形・命令形と禁止形・条件形(ば形)・受身形・使役形・使役受身形と、新しい活用形が次々に出てきました。それぞれの課では一つの形を練習してきましたが、実際に話すときには「日本語が話せるようになったので、アルバイトを始めようと思います」のように、いくつもの形が一つの話の中に入ります。この時間は、活用形の表で形を整え直したあと、推量(〜ようです・〜らしいです・〜そうです・〜かもしれません・〜はずです)や敬語のように、似た形が並ぶものを場面の中で選んで使う練習をします。 |
| 複合動詞 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第38課 | 動詞を二つつなげて一つの動詞にした言い方です。前の動詞はマス形から「ます」を取った形(読み・書き・食べ)で、後ろに「はじめる(始まる)」「おわる(終わる)」「つづける(続ける)」「だす(急に始まる)」「なおす(もう一度する)」などをつけます。この課ではまず、動作の始まり・終わり・続き・やり直しを言う五つから入ります。「〜だす」は思いがけず急に始まる感じがあり、「急に雨が降りだしました」「子どもが泣きだしました」のように使います。できた動詞は後ろの動詞と同じように活用するので、「読みはじめる」はグループⅡ、「読みおわる」「書きなおす」はグループⅠになります。 |
| 複合動詞(Vマス+だす・込む) | 中級を学ぼう(中級前期) 第4課 | 動詞のマス形(「ます」を取った形)に別の動詞を付けて1語にしたものが複合動詞です。この課では「だす」と「込む」を扱います。「〜だす」の基本は中から外へ出る・出す動き(押しだす・取りだす・飛びだす)で、発展(☆)として「急に始まる」意味(降りだす・泣きだす)があります。「〜込む」の基本は外から中へ入る・入れる動き(飛び込む・吸い込む・持ち込む)で、発展(☆)として「十分に・深く・その状態のまま長く」の意味(考え込む・話し込む・煮込む)があります。本文にくしゃみの仕組みを表す語として出るので、語彙として覚えるだけでなく、2つの動詞に分けて意味を作らせると応用が利きます。 |
| 文 N (時間・約束・用事) があります/ありません | みんなの日本語 初級Ⅰ 第22課 | 「時間があります」「約束があります」「用事があります」のように、物ではない名詞に「あります」を使って、予定や都合の有無を言う形です。人と会う約束でも、「約束」は人ではないので「います」ではなく「あります」です。この課では文型1〜4の名詞修飾と組んで、「友だちと会う約束があります」「新聞を読む時間がありません」のように、どんな約束・何をする時間かを前に足します。まだしていないことなので、説明の動詞は辞書形が中心です。誘いを断る理由として「すみません、〜がありますから」(第9課)の形で使うと、会話にすぐつながります。文法用語で言うと、文型1〜4の名詞は説明の中に「が・を」を付けて戻せる(ケーキ→母がケーキを作った)のに対し、「友だちと会う約束」の「約束」は戻せず、説明が約束の中身を表しています。寺村秀夫の分け方で「内の関係」と「外の関係」と呼ばれる区別で、学習者に用語は要りませんが、教師が知っておくと例文が作りやすくなります。 |
| 文 N が〜 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第22課 | 「部屋が二つある家が欲しいです」のように、文で説明した名詞が「が」を取る位置に来る形です。「が」を取る述語は、第9課の「好きです・上手です・わかります・あります」、第10課の「あります・います」、第13課の「欲しいです」です。難しいのは「が」が二回出ることで、一つ目は説明の中の主語の「が」、二つ目は述語が要求する「が」です。二つの「が」は役割が違うので、板書で①②と番号を振って区別します。 |
| 文 N をVます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第22課 | 「きのう買った本を読みました」のように、文で説明した名詞を「を」で目的語にする形です。一つの文に動詞が二つ出て、前の動詞(説明の中)は普通形、最後の動詞だけが「ます」になります。説明される名詞は説明の中では言いません。「友だちが作ったケーキを食べました」なら、説明の中は「友だちが作った」だけで、「ケーキを作った」とは言いません。第16課の「買って、読みました」が動作を順に並べるのに対して、この形は「どの本を読んだか」を言う形で、伝えたいことの中心が違います。 |
| 文 N1 はN2 です/Aです/Vます | みんなの日本語 初級Ⅰ 第22課 | 「眼鏡をかけている人は田中さんです」のように、文で説明した名詞(N1)を主題にして「は」を付け、そのあとに名詞文・形容詞文・動詞文を続ける形です。名詞を説明する部分の作り方は文型1と同じで、変わるのは説明した名詞が文の頭に来ることだけです。人を見た目で言うときは、服や眼鏡を身に着けた状態なので「〜ている」(第15課の結果の状態)を使います。説明が長くなると「は」をどこに付けるか分からなくなるので、「名詞のすぐあとに は」を板書で固定します。 |
| 文/〈普通形〉と言っていました | みんなの日本語 初級Ⅱ 第33課 | 「田中さんが、あしたの会議は10時からだと言っていました」のように、ほかの人から聞いたことを、その場にいない相手に伝えるときの文型です。第21課の「〜と言います」は、だれかが言ったことをそのまま報告したり、「日本では、家を出るとき『行ってきます』と言います」のように決まった言い方を説明したりするのに使いましたが、「言っていました」は、伝言や聞いた情報を「あの人がこう言っていましたよ」と渡すときによく使います。「と」の前は、言った言葉を「 」でそのまま入れるか、普通形にして入れます。名詞・な形容詞は「休みだ」「元気だ」のように「だ」を付けます。試験の用語で言えば、「 」に入れてそのまま言うのが直接引用、普通形に直して言うのが間接引用で、間接引用では「あした」「わたし」のような言葉を、伝える人の立場から言い直すことがあります。 |
| 文/〈普通形〉と伝えていただけませんか | みんなの日本語 初級Ⅱ 第33課 | 「田中さんに、少し遅れると伝えていただけませんか」のように、その場にいない人への伝言を、目の前の人に丁寧に頼む文型です。「伝えます」は人から聞いたことをほかの人に知らせる動詞で、知らせる相手を「に」で示し、伝えたい内容を「と」の前に入れます。内容は文型4と同じく、言葉をそのまま「 」に入れるか、普通形にします。頼み方の「〜ていただけませんか」は第26課で出た丁寧な頼み方で、電話で相手がいないときや、会社の受付で伝言を残すときによく使います。 |
| 文章の中の「こ・そ」 | 中級を学ぼう(中級前期) 第3課 | 文章の中で、前に出てきたものを指す「この・その・これ・それ」の使い分けを整理する項目です。どちらも前の文に出たものを指せますが、「こ」は書き手が自分の話題として取り上げ、いま中心に述べていること・身近に感じていることを指すときに使い、「そ」は少し距離を置いて前の内容を受けるときに使う傾向があります。読むときは「この」「その」が何を指しているかを探す練習が大切です。☆会話では「そ・あ」の使い分けがあり、話し手と聞き手の両方が知っていることは「あ」、どちらか一方しか知らないことは「そ」で指します。文法の見方では、文章の中のつながり(文脈指示)をつくる指示語の使い分けで、目の前の物を指す使い方(現場指示)とは分けて扱います。 |
| 〜末(に)/〜末の | できる日本語 中級 第20課 | 「〜末(に)」は、長い時間や大きな苦労・迷い・話し合いを経て、最後にある結果にたどり着いたことを表します(「悩んだ末に、会社を辞めた」「話し合いの末、計画を変えた」)。名詞の前では「〜末のN」(「苦労の末の成功」)になります。ST3 では、経営者が長く考えて決めたことを語るのに使われます。「〜あげく」も長いことのあとに結果が来ますが、多くは「さんざん〜したのに、結局よくない結果になった」という不満や残念な気持ちがこもり、「〜末に」はよい結果にも悪い結果にも使えます。「〜結果」は出来事のつながりを客観的に言うのに対し、「〜末に」は途中の長さや苦労に重心があります。書き言葉や改まった話の言い方です。 |
| 〜末に | 学ぼう!にほんご 中級 第27課 | 長い時間迷ったり、話し合ったり、いろいろ苦労したりした、その最後に、ある結果や結論に至ったことを表します。「末」は「終わり」の意味で、「長い間悩んだ末に」「何度も話し合った末」「三年間の研究の末に」のように、前には時間や手間がかかったことを表す言葉がよく来ます。後ろには、決めた・合格した・やめた・見つかったなど、最後にどうなったかを言います。結果はよいことにも悪いことにも使えます。少し改まった言い方で、経過を振り返る話・作文・報告によく使われます。 |
| 味覚の語彙 | できる日本語 初級 第4課 | 料理の味を言う形容詞のまとまりです。「甘い・辛い・しょっぱい・すっぱい・苦い」に、「おいしい・まずい」を加えて扱います。ふるさとの料理を紹介したり、日本の料理の感想を言ったりするときに、「〜はAです」「とても・少し/あまり〜ない」と組み合わせて使います。味の語はどれもイ形容詞なので、この課の否定の形と名詞の前の形の練習にそのまま使えます。 |
| 名詞修飾節の「が」→「の」 | 中級を学ぼう(中級前期) 第1課 | 名詞を修飾する節(「母が作った料理」の「母が作った」)の中の主語の「が」は、「の」に替えることができます。書き言葉で多く、本文の長い名詞句を読むときに「の」が主語を表していることに気づけると、文の切れ目が見えるようになります。替えられるのは名詞を説明する節の中だけで、文の述語に対する主語(「母が料理を作った。」の「が」)は「の」にできません。日本語学では「ガ・ノ可換」などと呼ばれ、節の中に「を」の目的語があるときは「の」にすると不自然になりやすい、という制限も知られています。 |
| 名詞普通形、名詞文普通体 | みんなの日本語 初級Ⅰ 第20課 | 名詞文の普通形は、な形容詞とまったく同じ変化です。「学生だ/学生じゃない/学生だった/学生じゃなかった」。質問は「学生?」と上げて言い、「だ」は付けません。答えも「うん、学生」のように「だ」を落とすことが多く、「ね」「よ」を付けるときは「学生だよ」と「だ」が戻ります。第1課の「わたしは学生です」から始まった名詞文を、友達との会話の形に移す文型です。会話では主題の「は」も落として「あの人、学生?」のように言うことが多いです。 |
| 命令形 | できる日本語 初中級 第11課 | 相手に強く「〜しろ」と求める形です。ふだんの会話で目上の人や初めて会った人に使うと、とても乱暴に、けんかのように聞こえます。使われるのは、スポーツの応援(がんばれ・走れ)、試合中の短い指示、交通標識(止まれ)、親しい人どうしのくだけた会話などです。この ST では、地域のチームの試合をスタンドから応援するとき、仲間といっしょに声を出す形として練習します。 |
| 命令形と禁止形の作り方 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第25課 | 動詞の命令形(行け・食べろ)と禁止形(行くな)を作ります。どちらも第15課の辞書形から作ると規則が見えやすくなります。グループⅠは辞書形の最後の音を「う段」から「え段」に変えます(行く→行け・飲む→飲め・帰る→帰れ・買う→買え)。ます形から見れば「ます」の前の「い段」を「え段」に変えるのと同じです。グループⅡは「る」を「ろ」に変え(食べる→食べろ・見る→見ろ)、グループⅢは「する→しろ」「来る→こい」です。禁止形はどのグループも辞書形に「な」を付けるだけです(行くな・食べるな・するな・来る(くる)な)。「わかる」「できる」「見える」「聞こえる」や可能形(話せる)のように、自分の意志でするのではないことを表す動詞は、ふつう命令形・禁止形にしません。 |
| 命令表現と禁止表現 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第25課 | 命令形は相手に強く「しろ」と言う形、禁止形は強く「するな」と言う形です。普通体の中でも特に直接的で、丁寧さを表す部分がないので、使う場面が限られます。おもな場面は、①スポーツの応援や試合中(がんばれ・走れ)、②道路の標識や注意書き(止まれ・さわるな)、③主に男性が、親しい友達や年下の家族に言うとき(こっちへ来い・心配するな)、④火事や事故など緊急のとき(逃げろ・危ない、止まれ)です。教室で学習者が先生や友達に使うと、怒っている・乱暴だと受け取られるので、自分が人に頼むときは「〜てください」「〜ないでください」を使い、命令形・禁止形は聞いたり見たりしてわかるための形、人の言ったことを伝えるための形として練習します。人の言葉を伝えるときは、第17課の「〜と言いました」の中に入れて「父は宿題をしろと言いました」と言えます。 |
| 友達言葉 | できる日本語 初級 第11課 | 友達や家族など親しい人と話すときの話し方です。「です・ます」を使わずに普通形で話し、「はい/いいえ」の代わりに「うん/ううん」と言います。質問は「か」をつけずに、文の終わりを上げて「行く?」「楽しかった?」と言い、「は」「を」などの助詞もよく省きます。誘うときは第6課の「Vませんか」の代わりに「Vない?」と言います。初めて会った人や先生、アルバイト先の店長などには使わないので、相手を見て話し方を切り替えることも大切です。 |
| 曜日の言い方 | できる日本語 初級 第3課 | 曜日は「月・火・水・木・金・土・日」に「曜日」をつけて言い、聞くときは「何曜日ですか」です。施設の休みや授業のある日を言うのに欠かせず、ST1 では「休みは何曜日ですか」の答えとして使います。話し言葉では「月曜」のように「日」を落とすこともあります。 |
| 連体修飾 | 学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第18課 | 名詞の前に文を置いて、どの名詞のことかを説明する言い方です。第6課で「にぎやかな町」と形容詞が名詞を説明した位置に、第17課の普通表現の文がそのまま入ると考えます。説明の文の中の主語は「は」ではなく「が」になり、説明される名詞は説明の中では言いません(「わたしが買った本」の中に「本を」は入りません)。な形容詞と名詞の今の肯定だけは「だ」を使わず、「静かな」「日本人の」の形のままです。日本語では説明が名詞の前に来るので、説明が名詞のあとに来る母語の学習者には語順そのものが壁になります。 |
| 話し言葉 | 中級を学ぼう(中級前期) 第6課 | 課の題「食べなきゃ」のように、話すときに音が縮まった形を整理する項目です。「なければ→なきゃ」「ては→ちゃ」「では→じゃ」「ている→てる」「ておく→とく」「というのは/は→って」が代表で、意味は変わらず、くだけた話し言葉になります。読むときは元の形に戻し、作文では元の形で書く、という往復ができることが目標です。試験の用語では「縮約形」と呼ばれ、音の脱落や融合で語形が短くなる現象として扱われます。 |