日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

みんなの日本語 初級Ⅱ 第36課「毎日運動するようにしています」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅱ 第2版 本冊』 ・ 会話「毎日運動するようにしています」

「ように」を使う四つの言い方をまとめて扱う課です。「忘れないように書いておきます」で目標に届くための行動を、「泳げるようになりました」でできなかったことができるようになった変化を、「毎日運動するようにしています」で気をつけて続けている習慣を、「遅れないようにしてください」で相手に続けて気をつけてほしいことを言います。形はどれも辞書形かない形に「ように」が付くだけなので作り方で迷うことは少なく、時間は四つの意味の違いと、文型1の「ように」の前には可能形・ない形・「見える・届く」のような自分では決められない動詞が来る、という一点に使います。会話は健康のために気をつけていることを話す場面で、文型3が芯になります。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目4時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「漢字が読めるように」「風邪をひかないように」のように、目標や避けたいことを「ように」で示して、そのためにする行動を言える
  • 「泳げるようになりました」「毎朝新聞を読むようになりました」で、前とくらべて変わったこと(できること・習慣)を言える
  • 「野菜を食べるようにしています」「甘い物を食べないようにしています」で、ふだん気をつけて続けていることを言える
  • 「遅れないようにしてください」で、相手にこれから続けて気をつけてほしいことを、「〜てください」と言い分けて頼める

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(復習とつなぎ)10分第27課の可能形を絵カードで速く回し(泳げる・読める・話せる)、ない形(忘れない・遅れない)も数枚。「ように」の前に来る形を先に口に戻しておく。第19課の「〜くなります/〜になります」の変化の板書も一行だけ思い出させる
文型1(〜ように、V2)35分教師がメモを書く・目覚まし時計をかける動作を見せて「忘れないように」「遅れないように」。板書は「目標(できる・ない)ように → 行動」の矢印の枠。前に来る動詞の種類(可能形・ない形・見える・聞こえる・届く・間に合う)を一列に書き出す
文型2(〜ようになりました)30分日本へ来たときと今を二枚の絵で比べ、「漢字が読めるようになりました」「はしで食べられるようになりました」。答えの「いいえ、まだ〜ません」もここで出す
文型3(〜ようにしています)30分教師の健康の習慣を話す形で「毎日歩くようにしています」「夜甘い物を食べないようにしています」。第15課の「〜ています(習慣)」との違いを、気をつけて続けているかどうかで一本だけ線を引く
文型4(〜ようにしてください)25分教室の約束ごとを教師が学生に言う場面で「授業に遅れないようにしてください」。「〜てください」と並べて、今すぐ一回か、これからずっとか、で言い分ける
会話25分健康のために気をつけていることを聞くインタビューの場面。文型3を中心に、聞き手の質問のかたまりはそのまま覚えさせ、答えの部分を学生自身の習慣に置き換えて再現させる
練習C・問題25分「何のためにしているか」「できるようになったこと」「気をつけていること」の三つのやり取りをペアで。問題の聞き取りは教室で、文法の部分は宿題に

学習項目 1 〈V1辞書形〉/〈V1 ない形ない〉ように、V2

意味・はたらき文型 1

「忘れないように、手帳に書いておきます」「後ろの人にも聞こえるように、大きい声で話します」のように、V1 で目標や望む状態を示し、V2 でそのためにする行動を言う文型です。「ように」の前には、自分の力だけでは決められないことを表す形が来ます。可能形(読める・話せる)、「見える・聞こえる・届く・間に合う」のような動詞、そして「忘れない・遅れない・風邪をひかない」のようなない形です。V2 は自分で決めてする動作(書いておく・練習する・早く出る)です。V1 と V2 の主語は同じでも違ってもかまいません。「漢字を読む」「家を買う」のように自分で決めてする動作をそのまま目的にするときは、第42課の「〜ために」を使うので、この課では「ように」の前は可能形とない形を中心に練習します。

接続

V1 辞書形(可能形・見える・聞こえる・届く・間に合う など)/V1 ない形+ない+ように、V2(V2 は意志でする動作)

形
漢字が読めるように、毎日練習します忘れないように、手帳に書いておきます後ろの人にも見えるように、大きい字で書きます(主語が違ってもよい)電車に間に合うように、早くうちを出ます

導入

  • 教師の動作から「何のために」を引き出す教師が手帳に何かを書く動作をしてから、学生に「どうして書きましたか」と聞く。「忘れますから」が出たら、板書に「忘れない ように → 書いておきます」と矢印で書き、「目標は忘れないこと、するのは書くこと」と言う。続けて目覚まし時計をかける身ぶりで「遅れないように、時計をかけます」、黒板に大きく字を書いて「後ろの人にも見えるように」と三つ並べる。
  • 「ように」の前に来る形を一列に板書の左に「ように」の前に来る形を書き出す。可能形(読める・話せる・泳げる)、ない形(忘れない・遅れない・ひかない)、自分では決められない動詞(見える・聞こえる・届く・間に合う)。右に「書いておきます・練習します・早く出ます」のような、自分で決めてする動作を書く。左は「なってほしいこと」、右は「すること」と見出しを付けておくと、このあとの文型2・3・4でも同じ板書が使える。

板書案

〔青〕なってほしいこと ように、〔赤〕すること
忘れない ように → 手帳に 書いて おきます。
後ろの 人にも 見える ように、大きい 字で 書きます。
左の列: 可能形(読める)/ない形(忘れない)/見える・聞こえる・届く・間に合う
右の列: 書いて おきます・練習します・早く 出ます(自分で 決めて する)

場面と発話(自作)

  • 日本語の先生に、毎朝何をしているか聞かれた。テレビのニュースが分かるようになりたい。ニュースが分かるように、毎朝日本語のラジオを聞いています。
  • あしたは大事な試験。友達に、きょうは早く寝ると話す。あした遅れないように、きょうは早く寝ます。
  • 国の家族に荷物を送る。郵便局の人に、いちばん早く着く送り方を聞く。金曜日までに届くように、送りたいんですが……。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カードの二枚組(目標の絵と行動の絵)を見せて「〜ように、〜ます」の代入練習(練習Bの型)。可能形のカード(泳げる・読める)とない形のカード(忘れない・風邪をひかない)を混ぜる。次に「何のために〜ていますか」「〜ように、〜ています」の問答をペアで回し、最後に自分が毎日していることを一つ選んで「〜ように」で理由を言うやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭二枚組の絵カードを左右に貼り、左(目標)だけを語で出してキューにする。「忘れない」→手帳に書く絵、「間に合う」→走って駅へ行く絵、「聞こえる」→大きい声で話す絵、「風邪をひかない」→コートを着る絵。全体で「忘れないように、手帳に書いておきます」と言わせてから個人に当てる。後半は右の絵だけを見せて、学生に左の目標を考えて言わせ、可能形とない形のどちらでも答えられるようにする。
  2. ペアAは「毎日していることカード」(日本語のラジオを聞く・早く寝る・野菜を食べる など)を持ち、Bはカードを見ないで「どうして〜んですか」と聞く。Aは「〜ように、〜ています」で答える。カードの裏に目標の絵を描いておき、Aが答えに詰まったら裏を見てよいことにする。5枚で役を替える。答えに「から」を使ったら、教師がその場で「ように」に言い直させる。
  3. 産出「わたしの工夫」発表。学生が日本の生活でしている工夫を一つ選び、「〜ように、〜ています」で二文話す(例: 道がわからなくならないように、地図をかばんに入れています)。聞いている学生は「何のために」をメモし、あとで言い返す。教師が見るのは、「ように」の前が可能形・ない形・自分で決められない動詞になっているか、可能形の助詞が「が」になっているか、後ろの文が自分でする動作になっているか。

つまずきと手当て

  • 自分で決めてする動作をそのまま「ように」の前に置く(×日本語を勉強するように、日本へ来ました)。目標が「できること」なら可能形にする(日本語が話せるように)、と板書の左の列を指す。動作そのものが目的のときの「〜ために」は第42課で扱うので、ここでは深追いしない
  • 「ように」のあとに自分では決められないことを置く(×忘れないように、覚えられます)。右の列は「自分で決めてすること」、と板書の見出しに戻す
  • 可能形の助詞を「を」に戻す(×漢字を読めるように)。第27課の「を→が」の板書を一度だけ出して確かめる
  • 「ように」を「ために」「から」と混ぜて理由の文にする(×雨が降りましたように、うちにいました)。「ように」はこれからなってほしいこと、と矢印の向きで示す

既習の文型との違い

  • 〈文〉から(理由)、〈文〉(第9課)「から」は今の事実や前にあったことを理由として示し、「ように」はこれからそうなってほしいことを示します。「忘れますから、書きます」は「わたしはよく忘れる」という理由で、「忘れないように、書きます」は「忘れない」という目標です。学生は「忘れるように、書きます」のように、理由のつもりで肯定形を「ように」に付けることがあるので、矢印の向きで分けて見せます。
  • 〈Vて形〉おきます(準備)(第30課)「〜ておきます」は前もってする行動そのものを言い、「ように」はその行動の目標を足す言い方です。二つはいっしょによく使い、「忘れないように、書いておきます」が自然な形です。「ように」の文の後ろに「〜ておきます」を置くと、準備の意味がはっきりします。
関連する文型

学習項目 2 〈V辞書形〉ようになりました

意味・はたらき文型 2

「漢字が読めるようになりました」「毎朝新聞を読むようになりました」のように、前はできなかったこと・しなかったことが、時間がたって、できるように・するように変わったことを言う文型です。可能形に付くと能力の変化(泳げるようになりました)、ふつうの動詞に付くと習慣の変化(自分で料理を作るようになりました)になります。第19課の「〜くなります/〜になります」は形容詞や名詞の変化でしたが、ここでは動詞の変化を言います。「〜ようになりましたか」と聞かれて、まだ変わっていないときは「いいえ、まだ〜ません」で答えます。できていたことができなくなったときは「〜ないようになりました」より「〜なくなりました」がふつうです(このごろ泳げなくなりました)。

接続

V 辞書形(可能形が多い)+ようになりました/ようになります(答えの否定は「まだ〜ません」、反対の変化は「〜なくなりました」)

形
日本語で電話がかけられるようになりました日本へ来てから、毎朝ご飯を食べるようになりました(習慣の変化)日本語の新聞が読めるようになりましたか——いいえ、まだ読めませんこのごろ、小さい字が読めなくなりました(反対の変化)

導入

  • 「来たとき」と「今」の二枚の絵で黒板を左右に分け、左に「来たとき」、右に「今」と書く。左にひらがなだけの手紙を前に困っている学生の絵、右に漢字の手紙を読んでいる絵を貼り、「来たとき、漢字が読めませんでした。今、読めます」と言ってから、「漢字が読めるようになりました」と一文にまとめる。二枚の間に矢印を引き、矢印の上に「ようになりました」と書く。第19課の「寒くなりました」の矢印と同じ形にしておくと、変化の言い方だと分かる。
  • 学生の日本の生活で学生に「日本へ来て、何ができるようになりましたか」と聞き、一人ずつ答えさせる(自転車に乗れる・はしで食べられる・一人で買い物ができる)。次に「毎日何をするようになりましたか」と習慣の変化も聞く(自分で料理を作る・電車で本を読む)。答えを板書の右側に書きためて、宿題の作文の材料にする。

板書案

〔青〕来たとき →〔赤〕ようになりました→ 〔青〕今
漢字が 読めませんでした → 漢字が 読める ように なりました。
毎朝 ご飯を 食べませんでした → 毎朝 ご飯を 食べる ように なりました。
〔緑〕答え: いいえ、まだ 読めません。
(下の段・第19課)寒く なりました/上手に なりました ← 形容詞・名詞

場面と発話(自作)

  • 半年ぶりに会った日本人の友達に、日本語が上手になったと言われた。ありがとうございます。やっと漢字が少し読めるようになりました。
  • 日本の生活に慣れてきた。国の友達に、毎日の生活が変わったと電話で話す。日本へ来てから、毎朝早く起きるようになったよ。
  • 同僚に、日本語の新聞が読めるようになったか聞かれた。まだ難しい漢字が多い。いいえ、まだ読めません。漢字が難しいですから。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「来たとき/今」の二枚組の絵カードで「〜ようになりました」の代入練習(練習Bの型)。可能形の動詞から始め、習慣の変化(料理を作る・新聞を読む)を後半に入れる。次に「〜ようになりましたか」「はい、〜ようになりました/いいえ、まだ〜ません」の問答をペアで回し、最後に「日本へ来て変わったこと」を三つ紹介するやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭「来たとき/今」の二枚組の絵カードで、左の絵を見せて教師が「来たとき」、右に替えて「今は?」とキューを出す。はしで食べる・自転車に乗る・一人で電車に乗る・日本語で電話をかける・毎朝ご飯を食べる(習慣)。全体で言わせたあと個人に当て、能力なら可能形、習慣なら辞書形、と学生がカードを見て選べるようにする。最後に教師が「〜ようになりましたか」と聞き、「はい」と「いいえ、まだ〜ません」を半分ずつ答えさせる。
  2. ペア情報差のある表を使う。Aの表には「田中さんが日本語でできるようになったこと」の半分、Bの表には残りが書いてあり、互いに「田中さんは〜ようになりましたか」と聞いて表を埋める。「いいえ、まだ〜ません」の答えも必ず二つ入れておく。表が埋まったら、Bが田中さんの役になってAの質問に答える。
  3. 産出「日本へ来て変わったこと」スピーチ。学生が「できるようになったこと」二つと「するようになったこと」一つを、1分で話す。聞く学生は一つ質問する(「どのぐらいで〜ようになりましたか」)。教師が見るのは、能力の変化に可能形を使っているか、まだできないことを「〜ようになりませんでした」にしていないか、形容詞の変化と混ぜていないか。

つまずきと手当て

  • 可能形にしないで言う(×漢字が読むようになりました)。能力の変化を言いたいときは可能形、と左右の絵の板書で「読めませんでした→読める」を確かめる。習慣の変化なら可能形でなくてよいので、どちらを言いたいかを先に聞く
  • 答えの否定を「〜ようになりませんでした」にする。「いいえ、読めるようになりませんでした」は文としては言えるが、この答えでは「ある期間が終わって、結局読めるようにならなかった」と言うことになる。まだ変わっていない今のことは「まだ読めません」、と答えの型を板書に残す
  • 第19課の変化の言い方と混ぜる(×上手なようになりました、×読めるになりました)。形容詞・名詞は「〜くなりました/〜になりました」、動詞は「〜ようになりました」と二列に分けて書く

既習の文型との違い

  • 〈いA(〜い)〉くなります / 〈なA〉/Nになります(第19課)第19課は形容詞や名詞の変化、この課は動詞の変化です。どちらも「なります」で終わるので、学生は「*読めるになりました」「*上手なようになりました」のように形を混ぜます。品詞で二列に分けて板書し、動詞の列にだけ「ように」が入ることを見せます。
  • Nが可能V(第27課)「漢字が読めます」は今の能力をそのまま言うだけで、「漢字が読めるようになりました」は前と比べて変わったことを言います。前はできなかったという話の流れがあるときに後の形を使います。何でも「ようになりました」にする学生には、「来たとき」の絵がない場面では「読めます」で十分、と並べて見せます。
関連する文型

学習項目 3 〈V辞書形〉/〈Vない形ない〉ようにしています

意味・はたらき文型 3

「毎日運動するようにしています」「夜遅く甘い物を食べないようにしています」のように、自分で気をつけて、ふだん続けていることを言う文型です。「〜ようにします」で「これからそうするように気をつける」という決心を、「〜ようにしています」でそれを習慣として続けていることを表します。第15課の「〜ています(習慣)」は事実として毎日していることを言うだけですが、「〜ようにしています」には「できるだけそうしようと気をつけている」という気持ちが入ります。そのため、いつも必ずできているとは限らないことにも使え、「できるだけ」といっしょによく使います。

接続

V 辞書形/V ない形+ない+ようにしています(決心は「ようにします」)

形
毎日30分歩くようにしています夜遅く甘い物を食べないようにしていますできるだけ日本語で話すようにしていますあしたから、毎朝野菜を食べるようにします(決心)

導入

  • 教師の健康の話から教師が少し太ったお腹を押さえる身ぶりをしてから、「わたしは、毎日駅まで歩くようにしています」「夜、甘い物を食べないようにしています」と話す。板書は文型1と同じ二列で、左に「歩く/食べない」、右に「ようにしています」と書き、「体のために気をつけて、続けています」と添える。学生に「みなさんは健康のために何をしていますか」と聞いて、答えを引き出す。
  • 「〜ています」と並べて気持ちの違いを板書に「毎朝6時に起きています」「毎朝6時に起きるようにしています」の二文を並べる。上には何も添えず、下には「がんばって」の顔の絵を添えて、「下は気をつけて続けている」と言う。「ときどきできない日もある」のが自然なのは下の文だと一言だけ足し、「できるだけ」を下の文に入れて読ませる。

板書案

〔青〕V辞書形/Vない形ない +〔赤〕ようにしています
毎日 駅まで 歩く ように して います。
夜 甘い 物を 食べない ように して います。
毎朝 6時に 起きて います。(事実)↔ 起きる ように して います。(気をつけて 続ける)
〔緑〕できるだけ + 〜ように して います

場面と発話(自作)

  • 健康診断のあと、医者に毎日の生活で気をつけていることを聞かれた。毎日30分ぐらい歩くようにしています。
  • 日本人の同僚に、日本語が上手になる方法を聞かれた。できるだけ日本人の友達と日本語で話すようにしています。
  • 去年の冬に風邪をひいて会社を休んだ。今年はどうしているか、友達に聞かれた。今年は、うちへ帰ったら、必ず手を洗うようにしています。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

健康・勉強・お金の三つのテーマの絵カードで「〜ようにしています/〜ないようにしています」の代入練習(練習Bの型)。肯定と否定を交互に出す。次に「健康のために何か気をつけていますか」「ええ、〜ようにしています」の問答をペアで回し、最後に学生が自分の習慣を紹介し合うインタビュー(練習Cの型)にする。会話の流れと同じなので、ここで会話の練習の準備になる。

  1. 口頭健康・勉強・お金の三つの箱に分けた絵カードをキューにする。健康は歩く・野菜を食べる・たばこを吸わない、勉強は日本語で話す・毎日漢字を書く・授業を休まない、お金は自分で料理を作る・高い物を買わない。教師が語を言い、全体で「〜ようにしています」と言わせる。肯定と否定を交互にし、後半は教師が「できるだけ」を付けて言い、学生にもまねさせる。
  2. ペア健康インタビュー。Aが聞き手で「健康のために何か気をつけていますか」「ほかには?」と二回聞き、Bは絵カードを二枚引いて「〜ようにしています」「〜ないようにしています」で答える。Aは「そうですか。わたしも〜ようにします」と一言で返す。三回で役を替え、二回目からはカードを使わず自分のことで答える。
  3. 産出「わたしの3つのルール」カード作り。学生が健康・勉強・お金から一つずつ、自分が気をつけていることをカードに書き、グループで読み合って、いちばんまねしたいものを選ぶ。教師が見るのは、否定を「ない」の位置で作れているか、気をつける理由がない習慣(会社へ行く など)にまで付けていないか、「ようになっています」と混ぜていないか。

つまずきと手当て

  • 「ようにしています」を「ようになっています」「ようになりました」と混ぜる。「なります」は自然に変わること、「します」は自分で気をつけること、と動詞の違いを板書で囲む
  • 否定を「〜ようにしていません」で言う。「甘い物を食べるようにしていません」は文としては言えるが、この答えでは「食べるように気をつけてはいない」という別の意味になる。気をつけて避けていることは「〜ないようにしています」、と「ない」の位置を色チョークで示す
  • ふつうの習慣にも何でも「ようにしています」を付ける(「毎日会社へ行くようにしています」は、行くのが大変な理由がないと不自然)。気をつけて続けていることだけ、と「〜ています」の板書と並べて確かめる

既習の文型との違い

  • 〈Vて形〉います(習慣的行為・職業)(第15課)「毎朝走っています」は習慣を事実として言うだけで、「毎朝走るようにしています」は自分で決めて気をつけて続けていることを言います。そのため後の形はできない日がある習慣にも自然で、「できるだけ」とよくいっしょに使います。学生は「毎日寝るようにしています」のように、気をつける理由がない習慣にも付けるので、理由がある習慣だけ、と確かめます。
  • 〈V辞書形〉/〈Vない形ない〉つもりです(第31課)「〜つもりです」はこれからする予定や決心を言い、「〜ようにしています」はもう始めて続けていることを言います。「あしたから歩くつもりです」と「毎日歩くようにしています」を並べると、時間の違いが分かります。決心を言うときは、この課の「〜ようにします」も使えます。
  • 〈V辞書形〉ようになりました(この課の文型2)「なりました」は前と比べて変わった結果、「しています」は自分の気持ちで続けていることです。「毎日歩くようになっています」のように二つの動詞を混ぜる学生が多いので、「なる」と「する」を板書で囲んで比べます。
関連する文型

学習項目 4 〈V辞書形〉/〈Vない形ない〉ようにしてください

意味・はたらき文型 4

「授業に遅れないようにしてください」「薬は毎日飲むようにしてください」のように、相手にこれから続けて気をつけてほしいことを頼む文型です。第14課の「〜てください」、第17課の「〜ないでください」が今その場の一回の動作を頼むことが多いのに対して、「〜ようにしてください」は、ふだんの習慣や、これから何度もある場面での注意を頼みます。そのため、先生や医者、会社の上の人がルールや注意を伝えるときによく使い、その場の動作を直接頼むのではなく、気をつける方向を示す言い方なので、決まりや注意を伝える響きがあります。今すぐ一回だけしてほしいこと(窓を開ける・ここに名前を書く)には使いません。

接続

V 辞書形/V ない形+ない+ようにしてください

形
毎日日本語で日記を書くようにしてください授業に遅れないようにしてください薬はご飯のあとで飲むようにしてください今すぐ一回なら「窓を開けてください」(×窓を開けるようにしてください)

導入

  • 教室の約束ごとを教師が言う学期の最初の日の場面を作り、教師が「みなさん、授業に遅れないようにしてください」「宿題は必ず出すようにしてください」と約束ごとを言う。板書に「教室の約束」と見出しを書き、文型3の二列の板書の右側を「ようにしてください」に書き換えて見せる。「これからずっと気をつけてください、という意味」と添える。
  • 「〜てください」と並べて「今」と「これから」教師が窓を指して「窓を開けてください」と言い、学生に開けさせる。次に「教室が暑いときは、窓を開けるようにしてください」と言う。板書に「今・一回 → 〜てください」「これから・いつも → 〜ようにしてください」と二行で書き、時計とカレンダーの絵を添える。病院・会社・寮のルールの絵カードで、どちらが自然かを学生に選ばせる。

板書案

〔赤〕今・一回 → 窓を 開けて ください。
〔青〕これから・いつも → 授業に 遅れない ように して ください。
V辞書形/Vない形ない + ようにしてください
〔緑〕答え: はい、わかりました。〜ように します。
(時計の絵)↔(カレンダーの絵)

場面と発話(自作)

  • 医者が、風邪をひいた患者に薬を出して説明している。この薬はご飯のあとで飲むようにしてください。
  • 寮の管理人が、新しく入った留学生に寮のルールを話している。夜10時からは、大きい声で話さないようにしてください。
  • 会社の上の人が、新しく入った社員に仕事の注意をしている。会議の時間には、絶対に遅れないようにしてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

病院・寮・会社・教室のルールの絵カードで「〜ようにしてください/〜ないようにしてください」の代入練習(練習Bの型)。次に「〜てください」の場面(今すぐの一回)のカードを混ぜて、どちらで言うかを選ばせる。最後に、医者と患者・管理人と留学生の役でルールを伝えて「はい、わかりました。〜ようにします」と答えるロールプレイ(練習Cの型)にする。

  1. 口頭病院・寮・会社・教室のルールの絵カードをキューにする(薬をご飯のあとで飲む・夜大きい声で話さない・会議に遅れない・宿題を必ず出す)。教師が場所と語を言い、全体で「〜ようにしてください」と言わせる。途中に「今すぐ一回」のカード(窓を開ける・ここに名前を書く)を混ぜ、学生に「〜てください」に切り替えさせる。最後に教師が言った文に「はい、わかりました。〜ようにします」と答える練習も入れる。
  2. ペアAは医者・管理人・会社の上の人の役カード、Bは患者・留学生・新しい社員の役カードを持つ。Aはカードに書いてあるルールを二つ「〜ようにしてください」で伝え、Bは「はい、わかりました。〜ようにします」と答えてから、一つ質問する(「〜てもいいですか」)。Aは第15課の「〜てもいいです/〜てはいけません」で答える。三組で役を替える。
  3. 産出「クラスのルール」作り。グループでこのクラスで続けて守りたいルールを三つ決め、「〜ようにしてください」「〜ないようにしてください」で紙に書いて発表する。ほかのグループは「はい、〜ようにします」と答える。教師が見るのは、今その場の一回の動作が混ざっていないか、否定を「ように」の前に入れているか、目上の人へのお願いになっていないか。

つまずきと手当て

  • 今その場の一回の動作に使う(×ちょっとこのペンを取るようにしてください)。今すぐなら「〜てください」、と時計とカレンダーの板書に戻す
  • 目上の人に頼むときにそのまま使う(先生に「宿題を早く返すようにしてください」)。注意や指示の響きがあるので、目上の人へのお願いには使わない、と一例だけ見せる。目上への頼み方は第26課の「〜ていただけませんか」
  • 否定を「〜ようにしないでください」にする(×遅れるようにしないでください)。「ない」は「ように」の前に入れる、と文型3の否定の板書を指す

既習の文型との違い

  • 〈Vて形〉ください(第14課)「〜てください」は今その場で一回してほしい動作に使い、「〜ようにしてください」はこれから続けて気をつけてほしいことに使います。「ちょっとこのペンを取るようにしてください」は、一回の動作なので不自然です。時計(今)とカレンダー(これから)の絵を板書の左右に置いて分けます。
  • 〈Vない形〉ないでください(第17課)「ここでたばこを吸わないでください」は今の場面での禁止で、「たばこを吸わないようにしてください」は生活の中でずっと気をつけてほしい注意です。医者が患者に言うのは後の形が自然です。学生が「吸うようにしないでください」と否定の位置を間違えたら、第17課の形と並べて「ない」の場所を確かめます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は、「ように」の前に来やすい動詞(届く・太る・やせる・慣れる など)と、習慣や気をつけていることを言うときの副詞(できるだけ・必ず・絶対に・このごろ・やっと など)が中心です。動詞は「〜ように」「〜ようになりました」の文の形で絵カードと結び付け、副詞は文型3・4の文の中で入れて単語だけで説明しません。「やっと」は文型2の「〜ようになりました」と、「できるだけ」は文型3と組みで覚えさせると使える形で残ります。下の語は、この課の文型の練習で使いやすいものを選びました。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 届きます(とどきます) 送った荷物や手紙が、相手のところに着きます。 荷物が〜・手紙が〜・金曜日までに〜
    国の家族に荷物を送る。
    「金曜日までに届くように、きょう送ります。」
  • 間に合います(まにあいます) 決まった時間に遅れないで、着いたり終わったりします。 電車に〜・授業に〜・時間に〜
    あしたの朝、早い電車に乗る。
    「7時の電車に間に合うように、6時に起きます。」
  • 慣れます(なれます) 新しいことを何度もして、もう困らなくなります。 生活に〜・仕事に〜・日本の食べ物に〜
    日本へ来て半年。友達に生活のことを聞かれた。
    「やっと日本の生活に慣れました。」
  • 太ります(ふとります) 体が前より大きく、重くなります。「やせます」の反対です。 少し〜・太らないように
    夜遅く甘い物を食べない理由を話す。
    「太らないように、夜は甘い物を食べません。」
  • やせます(やせます) 体が前より細く、軽くなります。 少し〜・〜たいです
    友達に、毎日歩いている理由を聞かれた。
    「少しやせたいですから、毎日駅まで歩くようにしています。」
  • 続けます(つづけます) 始めたことを、やめないで何日もします。 運動を〜・勉強を〜・毎日〜
    先生に、日本語の日記のことを聞かれた。
    「毎日書くのは大変ですが、続けるようにしています。」
  • 忘れます(わすれます) 覚えていたことが、頭から出てこなくなります。 約束を〜・宿題を〜・忘れないように
    来週、友達と会う約束をした。
    「忘れないように、手帳に書いておきます。」
  • 遅れます(おくれます) 決まった時間より、あとになります。 授業に〜・会議に〜・遅れないように
    寮の管理人が、新しい留学生に朝ご飯のことを話す。
    「朝ご飯は7時からです。遅れないようにしてください。」
  • 運動します(うんどうします) 体のために、歩いたり走ったり泳いだりします。 毎日〜・公園で〜・少し〜
    健康診断のあと、医者と話す。
    「これからは、毎日少し運動するようにします。」
  • できるだけ(できるだけ) できるときは、なるべくそうする、という気持ちを表します。 〜早く・〜日本語で話す
    同僚に、日本語の勉強の工夫を聞かれた。
    「できるだけ日本語でメールを書くようにしています。」
  • 必ず(かならず) いつも、一度も忘れないで、そうすることを表します。 〜出す・〜来る
    先生が、学期の最初の日に宿題のことを話す。
    「宿題は必ず金曜日に出すようにしてください。」
  • やっと(やっと) 長い時間がかかって、ようやくそうなった、という気持ちを表します。 〜できるようになりました・〜慣れました
    半年ぶりに会った友達に、日本語のことを聞かれた。
    「やっと日本語で電話がかけられるようになりました。」

会話の扱い

会話は、健康で元気な人に、毎日の生活で何か特別に気をつけていることはあるかと聞き、答える人が自分の習慣を話す、という流れです。文型3の「〜ようにしています」が芯で、「〜ないようにしています」の否定の形もここで自然に使われます。最初はCDか教師の読みで流れをつかませ、聞き手と答える人の役を替えて二回読んだら、答えの部分を学生自身の健康の習慣(歩く・早く寝る・甘い物を食べない など)に置き換えて再現させます。聞き手の質問や、感心してあいづちを打つ言い方は、意味を分解せずにかたまりで入れます。会話の文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください。

宿題と次のコマ

宿題は問題の文法部分と、「日本へ来て変わったこと」の短い作文(「〜ようになりました」を二つ、「〜ようにしています」を二つ、「〜ように、〜ます」を一つ)。次のコマの最初に四つの「ように」の聞き分け(教師が文を言い、どの意味かを指で示す)をしてから作文を発表させ、第37課の受身につなぐ。「ように」の二列の板書(なってほしいこと/すること)は、あとの課でも「ように」が出るたびに使うので、写真に撮っておく。

よくある質問

  • 第36課の「〜ように」と第42課の「〜ために」の違いは?

    「ように」の前には、可能形・ない形・「見える・届く・間に合う」のような自分では決められない形が来ます。「ために」の前には、自分で決めてする動作がそのまま来ます(家を買うために)。この課では「ために」はまだ出さず、板書の左の列(なってほしいこと)に何が入るかだけを練習しておくと、第42課で二つを並べたときに分けやすくなります。

  • 「〜ようにしています」と「〜ています」は何が違いますか?

    「〜ています」は毎日していることを事実として言うだけで、「〜ようにしています」は自分で気をつけて続けていることを言います。そのため「できるだけ」といっしょに使え、できない日がある習慣にも自然です。教室では同じ文を二つ並べ、気をつける理由(健康・勉強・お金)があるほうに「ようにしています」を付けさせます。

  • 「〜ようにしてください」と「〜てください」はどう教え分けますか?

    今その場で一回してほしいことは「〜てください」、これからいつも気をつけてほしいことは「〜ようにしてください」と、時間で分けます。時計とカレンダーの絵を板書に置き、ルールのカードと「今すぐ」のカードを混ぜて学生に選ばせると定着します。注意や指示の響きがあるので、目上の人へのお願いには使わないことも一言添えます。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は復習、文型1・2と文型3の導入まで。2コマ目は文型3の練習、文型4、会話、練習Cと問題です。可能形がまだ不安なクラスでは、最初に可能形の確認を10分足して、文型2を1コマ目の最後にまとめます。

  • 四つの「ように」を混ぜないための板書はどう組みますか?

    文型1で黒板の左に「なってほしいこと」、右に「すること」の二列を作り、消さずに残します。文型2では右の列の上に「なりました」、文型3では「しています」、文型4では「してください」と書き足していくと、前の形はいつも同じで、後ろだけが変わることが一目で分かります。最後に四つの文を縦に並べ、どれが目標・変化・習慣・お願いかを学生に指で示させます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

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