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みんなの日本語 初級Ⅱ 第37課「金閣寺は14世紀に建てられました」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅱ 第2版 本冊』 ・ 会話「金閣寺は14世紀に建てられました」

動詞の受身形が初めて出る課です。前半は「わたしは先生に褒められました」「わたしは隣の人に足を踏まれました」のように、人が何かをされた側から出来事を言う文、後半は「この橋は100年前に造られました」「この国では英語が話されています」のように、物や出来事を主語にして、だれがしたかを言わずに説明する文です。受身形の作り方は最初の時間で片づけ、文型1・2では「だれの立場から話しているか」を、文型3〜5では「主語が物になると、する人は言わなくていい」を、それぞれ板書の矢印で見せるのがこの課の芯です。グループII の受身形は可能形と同じ形になるので、助詞(「に」と「が」)で見分けることも一度はっきりさせておきます。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目6時間90分×3コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 動詞を受身形に変え、「褒められました」「呼ばれました」のように自分がされたことを言える
  • 「わたしは〜に〜を〜(ら)れました」で、自分の物や体の一部に何かをされて困ったことを言える
  • 「〜が/は〜(ら)れました」で、建物・本・行事などがいつ・どこで作られたか、行われたかを、する人を言わずに説明できる
  • 「〜(ら)れています」で、今も広く行われていること(話されている・作られている・読まれている)を言える

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(復習とつなぎ)10分第27課の可能形の三列の板書を出し、「食べられる」を指して「この形、今日はもう一つの意味で使います」とだけ言う。教師が学生の名前を呼ぶ・褒める動作をして、学生の立場から「わたしは先生に呼ばれました」を聞かせる
受身形の作り方35分グループI(ない形の あ段+れる)→ II(られる)→ III(される・来られる)の順に板書し、ます形→受身形の口頭練習。受身形もグループII として活用することと、II・III の一部は可能形と同じ形になることを確かめる
文型1(N1はN2に受身V)45分教師と学生の間の動作(呼ぶ・褒める・叱る・誘う)を実演し、「先生が〇〇さんを褒めました」と「〇〇さんは先生に褒められました」を矢印で並べる。「を」の人が「は」に、「が」の人が「に」になる入れ替えを何度も口にさせる
文型2(N1はN2にN3を受身V)35分足を踏まれる・財布を盗まれる・傘を持っていかれる絵で、自分の物や体に何かをされて困ったことを言う。「わたしの足は」ではなく「わたしは足を」と、困った人を主語にすることを板書で固定する
文型3・4(Nが/は受身V)55分町の建物・行事・本の写真で「この橋は100年前に造られました」「来月、公園でお祭りが行われます」。する人は言わないのがふつう、作った人を言うときは「によって」、材料は「から/で」を板書の脇に小さく置く
文型5(〜(ら)れています)30分世界地図と身の回りの物で「この国では英語が話されています」「このお菓子は昔から作られています」。今も続いていること、広く行われていることを言う形として、文型4の過去の文と並べて見せる
会話・練習C・問題60分会話は観光地で建物の歴史を説明してもらう流れで、文型4・5の説明の文が芯。練習Cは「褒められた・叱られた」「困ったこと」「町や国の紹介」の三つの場面。問題は聞き取りを教室で、残りは宿題に

学習項目 1 受身形の作り方

意味・はたらき活用

「呼びます→呼ばれる」「褒めます→褒められる」のように、動作を受ける側から言うときの動詞の形を受身形と呼びます。作り方は可能形と同じく三つのグループで決まり、グループI はない形の「〜ない」を「〜れる」に替え(呼ばない→呼ばれる)、グループII は ます を られる に替え、グループIII は「します→される」「来ます→来られる」です。できた受身形はすべてグループII の動詞なので、ます形・ない形・て形・た形はグループII の作り方で作れます。グループII と「来られる」は可能形とまったく同じ形になるので、どちらの意味かは文の助詞と場面で決まります。

接続

ない形 → 受身形(グループI: あ段+れる/グループII: ます→られる/グループIII: される・来られる)。受身形はグループII として活用する(呼ばれる→呼ばれます・呼ばれない・呼ばれて・呼ばれた)

形
グループI: 呼びます→呼ばれる、踏みます→踏まれる、叱ります→叱られる、書きます→書かれる、話します→話される、待ちます→待たれる、言います→言わない→言われるグループII: 褒めます→褒められる、見ます→見られる、建てます→建てられる、教えます→教えられるグループIII: します→される、来ます→来られる(こられる)、招待します→招待される、注意します→注意される受身形の活用(グループII): 呼ばれる→呼ばれます/呼ばれません/呼ばれない/呼ばれて/呼ばれた

導入

  • ない形から一歩で作る第17課のない形の板書を復活させ、「呼ばない」の「ない」を消して「れる」を書く。学生に「書かない→?」「待たない→?」と続けて言わせると、ない形が言えればグループI はすぐ作れることが分かる。「言います→言わない→言われる」は「わ」になることを、ない形の段階で色チョークで囲んでおく。
  • 可能形の板書と並べる第27課の可能形の三列の右に、受身形の三列を同じ形で書く。グループI は「書ける/書かれる」で形が違い、グループII は「食べられる/食べられる」、グループIII は「できる/される」「来られる/来られる」と並べ、同じ形のところを線で結ぶ。「形が同じでも、文を見れば分かる」とだけ言って、見分け方は文型1のあとに回す。板書は課の終わりまで消さない。

板書案

I 呼ばない → 呼ば + れる
  言わない → 言わ + れる 〔赤〕「わ」に丸
II 褒めます → 褒め + られる
III します → される  来ます → 来られる
〔青〕左に可能形の三列 → 同じ形(食べられる・来られる)を線で結ぶ
受身形は II グループ → 呼ばれます/呼ばれない/呼ばれて/呼ばれた

場面と発話(自作)

  • ます形→受身形の口頭練習。教師が絵カードを見せて「呼びます」と言う。呼ばれる。
  • う で終わる動詞の確認。教師が「言います」と言う。言われる。
  • グループIII の確認。教師が「注意します」と言う。注意される。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カード20枚を速いテンポで「ます形→受身形」。I・II・III を混ぜて出し、間違えたカードだけ戻してもう一度。次に「受身形→受身形のた形(呼ばれる→呼ばれた)」「→ます形の過去(呼ばれました)」を1周し、文型1の「〜に〜(ら)れました」で崩れないようにする。

  1. 口頭動作の絵カード(呼ぶ・褒める・叱る・踏む・注意する・来る)を見せ、教師が「呼びます」とます形を言う → 全体で「呼ばれる」→ 個人で。キューは「ない形(呼ばない)」→「ます形(呼びます)」→「絵だけ」と段階的に減らす。う で終わる動詞(言います・買います・使います)は3枚続けて出し、「わ+れる」を固める。最後に受身形 → ます形の過去(呼ばれました)まで言わせる。
  2. ペアAは受身形だけが書かれたカード(盗まれる・招待される・注意される など)を持ち、Bは何も持たない。Aが受身形を読み、Bがもとのます形を答える逆向きの練習。5枚で役を交替し、次はBがます形を言ってAが受身形とそのた形を言う。迷ったら、黒板の三列を指して自分で確かめさせる。
  3. 産出「受身形ビンゴ」。黒板の動詞15語から9語を選び、学習者が自分で受身形に変えて3×3のマスに書く。教師がます形を読み上げ、自分のマスにあれば丸。ビンゴになった人はその列の受身形を読み上げる。教師は書かれた形を回って見て、グループI を ます から作っていないか(呼びられる)、う で終わる動詞の「わ」、「される」「来られる」を確かめる。

つまずきと手当て

  • グループI を「ます→られる」で作る(×呼びられる、×書きられる)。ない形から作る、と板書の「呼ばない→呼ばれる」に戻す
  • う で終わる動詞を あ で作る(×言あれる、×買あれる)。ない形が「言わない」「買わない」になることを先に言わせてから、「わ+れる」とつなげる
  • 可能形と取り違える(グループI で「書かれる」と言うべきところを「書ける」と言う)。可能形と受身形の板書を並べ、グループI だけは形が違うことを指で確かめる
  • グループIII の「される」を「しられる」「されれる」と言う。「します→される」は丸ごと覚える形、と札にして貼っておく

既習の文型との違い

  • Nが可能V(第27課)グループI は可能形が「書ける」、受身形が「書かれる」で形が違いますが、グループII と「来られる」は同じ形です。学習者はグループI で可能形の作り方を当てはめ、「先生に名前を呼べました」のように受身のつもりで可能形を言うことがあります。形の違うグループI だけは、二つの板書を並べて指で比べさせます。
  • 〈Vない形〉ないでください(第17課)グループI の受身形はない形から作るので、ない形が崩れていると受身形も崩れます。「*言あない」と覚えている学習者は「*言あれる」と言います。受身形に入る前に、う で終わる動詞のない形を一度言わせて確かめておきます。
関連する文型

学習項目 2 N1 はN2 に受身V

意味・はたらき文型 1

「先生がわたしを褒めました」という出来事を、されたほうの「わたし」から言うと「わたしは先生に褒められました」になります。これが受身の基本の文型で、動作を受けた人(N1)を「は」で、動作をした人(N2)を「に」で示します。日本語では、自分や自分に近い人に起きたことを、その人の立場から話すことが多く、「先生がわたしを褒めました」より「(わたしは)先生に褒められました」のほうが自然に聞こえる場面がよくあります。褒められる・招待される のようにうれしいことにも、叱られる・注意される のように困ったことにも使います。

接続

N1(された人)は+N2(した人)に+受身V。もとの文の「Nを」の人が「は」に、「Nが」の人が「に」になる

形
わたしは先生に褒められましたわたしは友達にパーティーに招待されましたわたしは隣の人に夕食に誘われましたわたしは部長に呼ばれました。すぐ行かなければなりません

導入

  • 教師の動作を、された学生の立場から教師が学生の宿題を見て「すばらしいですね」と褒める動作をし、板書に「先生が 〇〇さんを 褒めました」と書く。その下に、〇〇さんを指して「〇〇さんは 先生に 褒められました」と書き、「〇〇さん」と「先生」を矢印で入れ替える。「を」が「は」に、「が」が「に」に変わったところを色チョークで囲む。続けて、名前を呼ぶ・注意する・手伝いを頼む動作で同じ入れ替えを2、3回見せる。
  • 学生自身の経験を聞く「最近、だれかに褒められましたか」「先生に褒められたことがありますか」と、第19課の「〜たことがあります」と組み合わせて学生一人ずつに聞く。答えを「〇〇さん: 店長に褒められました」と板書に書きため、主語が「わたし」のままで話が進むことを、ほかの学生にも何度も聞かせる。

板書案

先生 が 〇〇さん を 褒めました。
 ↓ 〔赤〕を → は  〔青〕が → に
〇〇さん は 先生 に 褒められました。
N1(された人)は + N2(した人)に + 受身V
うれしい:褒められる・招待される / 困った:叱られる・注意される

場面と発話(自作)

  • 日本語の授業のあと、友達に「うれしそうですね」と言われた。作文がよかったと言われた。先生に作文を見てもらって、褒められたんです。
  • アルバイトに遅れて行った日のことを、寮の友達に話す。きのう、店長に注意されました。もう遅れないようにします。
  • 同僚に週末の予定を聞かれた。会社の先輩が家に呼んでくれた。日曜日、先輩に家に招待されたんです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カード(AがBを褒める・叱る・呼ぶ・誘う)を見せ、「先生が〇〇さんを褒めました→〇〇さんは先生に褒められました」の言い換え(練習Bの型)を10枚。次にペアで「最近、だれに何をされましたか」と聞き合い、うれしかったこと・困ったことを一つずつ言うやり取り(練習Cの型)にする。助詞が崩れたら、板書の矢印に戻して言い直させる。

  1. 口頭矢印つきの絵カード(先生→学生「褒める」、母→子ども「叱る」、部長→わたし「呼ぶ」、友達→わたし「誘う」、店長→わたし「注意する」)を見せ、教師が「先生が〇〇さんを褒めました」と言う → 全体で「〇〇さんは先生に褒められました」→ 個人で。慣れたら教師は能動の文を言わず、絵だけを出す。主語が「わたし」の絵も混ぜ、「わたしは」を省いた言い方も一度聞かせる。
  2. ペアAは「だれがだれに何をしたか」が描かれた絵カードを持ち、Bは持たない。Bが「〇〇さんはだれに何をされましたか」と聞き、Aが受身の文で答え、Bはメモの紙に「〇〇さん ← 先生(褒める)」と矢印を書く。答えが合っているか二人で絵を見て確かめ、4枚で交替する。
  3. 産出「褒められた・叱られたインタビュー」。「子どものとき、だれに褒められましたか」「最近、だれかに注意されたことがありますか」を三人に聞いてメモし、クラスに「〇〇さんは子どものとき、おばあさんに褒められました」と報告する。教師は、した人に「が」が付いていないか、受身のた形(〜られました)になっているか、報告で主語の人を「は」で立てているかを聞いて直す。

つまずきと手当て

  • した人に「が」を付けて意味が逆になる(×わたしは先生が褒められました)。「先生が褒められました」と言うと、褒められたのが先生になってしまう。「する人は に」と板書の矢印を指し、だれが褒めたかを学生に聞き返す
  • 受身形にしたのに「を」を残す(×わたしを先生に褒められました)。された人は「は」で始める、と文の頭を指で押さえて言い直させる
  • 受身形を使わず「先生がわたしを褒めました」で全部済ませる。間違いではないが、自分のことを話すときは受身のほうが自然に聞こえることが多い、と場面の会話で何度も聞かせる
  • した人を「から」で言い、「に」と迷う。「言われる」「頼まれる」などは「から」も使えるが、この課ではまず「に」で統一する、と一言だけ言っておく

既習の文型との違い

  • わたしは〈人〉に〈Vて形〉もらいます(第24課)どちらも「わたしは〈人〉に」で始まりますが、「〜てもらいます」は自分のためにしてくれたことへのお礼の気持ちを含み、受身はされたことをそのまま言います。うれしいことを受身で言うと、ありがたさが伝わらないことがあります(「友達に手伝われました」は不自然で、「手伝ってもらいました」と言う)。「ありがとうと言いたいか」を聞いて選ばせます。
  • わたしは〈人〉にNをもらいました(第7課)「友達に本をもらいました」の「に」は渡した人で、受身の「先生に褒められました」の「に」も動作をした人です。助詞が同じなので覚えやすい反面、「もらう」の文につられて「*わたしは先生に褒めました」と受身形を落とす誤りが出ます。「に」が出たら動詞も変わる、と板書の矢印で結んでおきます。
関連する文型

学習項目 3 N1 はN2にN3 を受身V

意味・はたらき文型 2

「隣の人がわたしの足を踏みました」のように、自分の体の一部や持ち物に何かをされたとき、日本語では「わたしの足は」ではなく「わたしは隣の人に足を踏まれました」と、困った人(N1)を主語にして言います。された物や体の部分(N3)は「を」のまま残るのが、文型1との違いです。財布を盗まれる・パソコンを壊される・服を汚される のように、迷惑や困った気持ちを伝えることが多い文型ですが、「先生に作文を褒められました」のように、うれしいことに使う場合もあります。

接続

N1(困った人・持ち主)は+N2(した人)に+N3(物・体の部分)を+受身V。N3 の「を」はそのまま

形
わたしは妹にケーキを食べられましたわたしは弟にパソコンを壊されました駅で財布を盗まれましたわたしは先生に作文を褒められました

導入

  • 困った顔の絵で「わたしは」から始める混んだ電車で足を踏まれて痛がっている人の絵を見せ、教師がその人になって「痛い!」と言う。板書に「隣の人が わたしの足を 踏みました」と書き、その下に「わたしは 隣の人に 足を 踏まれました」と書く。「わたしの」が消えて「わたしは」になり、「足を」は残ることを色チョークで示す。「だれが困りましたか」と聞いて「わたし」と答えさせ、困った人が文の頭に来ることを確かめる。
  • 文型1との並べ書き左に文型1「わたしは 先生に 呼ばれました(わたしを呼んだ)」、右に文型2「わたしは 弟に パソコンを 壊されました(わたしのパソコンを壊した)」を並べる。左は人そのものがされたこと、右は人の物がされたこと、と見出しを付ける。右側にだけ「を」が一つ残ることを、学生に指で数えさせる。

板書案

隣の人 が わたしの 足 を 踏みました。
 ↓ 〔赤〕わたしの → わたしは  〔青〕足を は残す
わたし は 隣の人 に 足 を 踏まれました。
N1(困った人)は + N2(した人)に + N3(物・体)を + 受身V
〔黄〕困ったのはだれ? → 文の頭へ

場面と発話(自作)

  • 昼休み、同僚がお弁当を持っていない。理由を聞くと、会社の冷蔵庫の話をした。冷蔵庫に入れておいたお弁当を、だれかに食べられたんです。
  • 交番で、財布がなくなったことを警官に説明する。駅で財布を盗まれました。
  • 友達に、新しいシャツを着ていない理由を聞かれた。きのう、子どもにシャツを汚されたんです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「〜が わたしの〜を 〜ました」の絵カード(足を踏む・財布を盗む・かばんを汚す・カメラを壊す)で、「わたしは〜に〜を〜(ら)れました」への言い換え(練習Bの型)を8枚。次に「最近、困ったことがありますか」と聞き、文型2で答えさせてから「それは大変でしたね」と返すやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭困った場面の絵カード(電車で足を踏む/弟がパソコンを壊す/子どもがシャツを汚す/どろぼうが財布を盗む/犬が靴をかむ)を見せ、教師が「弟がわたしのパソコンを壊しました」と言う → 全体で「わたしは弟にパソコンを壊されました」→ 個人で。次は物の絵と「弟」の札だけを出し、最後は絵だけ。した人が分からない絵(財布・自転車)では「駅で財布を盗まれました」と、した人を言わない形も練習する。
  2. ペアAが困った顔の絵カードを1枚引き、その人になる。Bが「どうしたんですか」と聞き、Aは「きのう、〜に〜を〜(ら)れたんです」と答え、Bは「それは大変でしたね」と返す。Bはもう一つ「どこでですか」「いつですか」と聞き足す。3枚で役を交替する。
  3. 産出「ついてない一日」。「きのうはとても悪い日でした」で始めて、文型2を二つ、文型1を一つ使った短い話を作り、グループで話す。聞く人は「いちばん大変だった人」を選ぶ。教師は、持ち物や体を主語にしていないか(わたしの足は〜)、N3 の「を」が残っているか、文型1と混ぜて「わたしを」と言っていないかを聞いて直す。

つまずきと手当て

  • 持ち物や体の部分を主語にする。「わたしの足は隣の人に踏まれました」も文としては言えるが、困った気持ちが出にくい。「わたしの財布は盗まれました」も事実を言う文としては自然。この課では、困った人を主語にして「わたしは〜に〜を〜られました」と言う形を練習するので、「困ったのはだれ?」と聞いて、困った人を主語に言い直させる
  • N3 の「を」を「が」に変える(×わたしは足が踏まれました)。文型2は「を」が残る文型、と板書の右側を指す
  • 文型1と混ぜて、人に「を」を付けたまま受身にする(×わたしを弟にパソコンを壊されました)。主語の「わたしは」を先に言わせてから続けさせる
  • 母語に同じ言い方がないので、受身にしないで「弟がわたしのパソコンを壊しました」で済ませる。間違いではないが、困った気持ちは受身のほうが伝わりやすい、と場面の中で比べて聞かせる

既習の文型との違い

  • N1 はN2 に受身V(文型1)文型1は人そのものがされたこと(わたしを呼んだ)、文型2は人の物や体がされたこと(わたしのパソコンを壊した)です。形の違いは「を」が一つ残るかどうかで、混ぜると「*わたしを弟にパソコンを壊されました」になります。左右に並べた板書で「を」の数を数えさせます。
  • 〈Vて形〉しまいました(遺憾)(第29課)「財布をなくしてしまいました」は自分がしたことの残念な気持ち、「財布を盗まれました」はほかの人にされた迷惑です。学習者が「財布を盗んでしまいました」と言うと、自分が盗んだ意味になります。「だれがしましたか」と聞き、自分なら「〜てしまいました」、ほかの人なら受身、と分けます。
関連する文型

学習項目 4 N(物/こと)が受身V

意味・はたらき文型 3

「来月、公園でお祭りが行われます」「駅の前に新しいビルが建てられました」のように、物や出来事を主語にして、それがどうされたかを伝える文型です。このような文では、だれがしたかは大事でない・言わなくても分かる・たくさんの人がしている、ということが多く、する人は言わないのがふつうです。「が」を使うのは、その出来事を新しい知らせとして伝えるとき(ニュースや案内)で、「何がありましたか」「何がありますか」に答える文に近い使い方です。

接続

N(物・出来事)が+受身V。する人はふつう言わない。いつ・どこでは「に」「で」で前に置く

形
来月、公園でお祭りが行われます駅の前に新しいホテルが建てられましたあしたの会議で新しい計画が発表されますこの町で古いお寺が発見されました

導入

  • 町のお知らせ・ニュースの形で町の掲示板の絵(お祭りの日・新しいビルの完成)を見せ、教師がアナウンサーのように「来月、公園でお祭りが行われます」と読む。「だれがしますか」と聞くと学生は答えられない(町の人・会社など)ので、「分からない、言わなくてもいい」とまとめる。板書に「お祭り が 行われます(だれが?――言わない)」と書き、主語が物や出来事になる受身があることを示す。
  • 人の受身との違いを矢印で文型1の板書「わたしは先生に褒められました」の下に「お祭りが行われます」を書き、上は「に〜」でする人がいる、下はする人がいない、と枠で囲んで対比する。主語が人のときは「だれに?」、物や出来事のときは「いつ?どこで?」が大事になる、と疑問詞の札を貼って見せる。

板書案

来月、公園で お祭り が 行われます。
だれが? → 〔赤〕言わない
〈いつ〉・〈どこ〉で + N(物・こと)が + 受身V
人の受身 → だれに?  物の受身 → いつ? どこで?
〔青〕建つ(自)/建てる(他)→ 建てられる 物が主語の受身は他動詞から

場面と発話(自作)

  • 学校の掲示板を見ていた友達に、何が書いてあるか聞かれた。来週の土曜日、体育館でスピーチ大会が行われますよ。
  • 久しぶりに来た町で、駅の前が変わっていることに気づき、一緒にいる友達に話す。あそこに大きいホテルが建てられましたね。
  • 会社の朝の会議で、上司があしたの予定を伝える。あしたの会議で、新しい商品が紹介されます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

写真カード(行事・建物・発表)と「いつ・どこで」の札で、「来月、〜で〜が行われます」「〜に〜が建てられました」の代入練習(練習Bの型)を8枚。次に学生が自分の国や学校のお知らせを一つ作り、アナウンスとして読み上げるやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭町の掲示板・ニュースの絵(お祭り・新しいホテル・会議で計画を発表・古いお寺を発見)と「いつ」「どこ」の札を出し、教師が「来月・公園・お祭り・行う」と語だけを言う → 全体で「来月、公園でお祭りが行われます」→ 個人で。過去の出来事の絵(ホテル・お寺)では「〜(ら)れました」、これからの行事では「〜(ら)れます」と、時を変えて言わせる。
  2. ペアAは学校のお知らせの紙(日・場所・行事が書いてある)を持ち、Bは持たない。Bが「来週、何かありますか」と聞き、Aは「〜日に〜で〜が行われます」と伝え、Bはメモを取って読み返す。お知らせ3枚で交替し、最後にメモとお知らせの紙を見比べる。
  3. 産出「わたしの町のニュース」。自分の町や学校で最近あったこと・これからあることを二、三文の短いニュースにして、アナウンサーになって読む(「先月、駅の前に新しい店が作られました」)。教師は、する人を無理に入れていないか、自動詞で受身を作っていないか(建たれる)、時の「に」と場所の「で」「に」が合っているかを聞いて直す。

つまずきと手当て

  • 主語が物なのに、する人を「に」で無理に入れる(×お祭りが町の人に行われます)。物や出来事が主語の受身は、する人をふつう言わない、と板書の「(言わない)」を指す
  • 受身にしないで、だれか分からない主語を立てようとする(「だれかがお祭りを行います」)。文としては言えるが、する人が分からない・言わなくていいのにわざわざ主語を立てるので、不自然に聞こえる。そういうときこそ受身、と場面で示す
  • 物が主語の受身を自動詞で作ろうとする(×ビルが建たれました)。「建つ」は自動詞、「建てる」は他動詞で、物や出来事が主語の受身にするのは「建てる」のほう。第29課の自動詞・他動詞の対の板書を出して確かめる
  • 受身にしなくてよい自動詞の文と混ぜる(「ドアが開きました」と「ドアが開けられました」)。後者はだれかが開けたことを含む、とだけ言い、この課では深入りしない

既習の文型との違い

  • Nが〈V(自動詞)て形〉います(第29課)「窓が開いています」は今の状態だけを言い、「窓が開けられました」はだれかが開けたことを含みます。物が主語の受身は他動詞から作るので、「*ビルが建たれました」のような誤りが出たら、第29課の自動詞・他動詞の対を出して「建てる」「開ける」のほうを選ばせます。
  • N1 はN2 に受身V(文型1)主語が人の受身は、した人を「に」で言うのがふつうですが、主語が物や出来事の受身では、する人は言わないのがふつうです。文型1の「に」をそのまま持ち込むと「お祭りが町の人に行われます」のような不自然な文になります。疑問詞の札(だれに?/いつ?どこで?)で、何を言えばいい文かを先に決めさせます。
関連する文型

学習項目 5 N(物/こと)は受身V

意味・はたらき文型 4

「この橋は100年前に造られました」のように、話題にしている物や出来事を「は」で示し、それについて「いつ・どこで・何から作られたか」などを説明する文型です。文型3の「が」が新しい知らせを伝えるのに対し、「は」は相手もすでに知っている物、目の前にある物について説明するときに使います。作った人・見つけた人・考えた人を言いたいときは、「に」ではなく「によって」を使うことが多く(「この絵は有名な画家によって描かれました」)、材料は、形が見えるものは「で」、形が変わって見えないものは「から」で言うのが目安です。

接続

N(物・出来事)は+(いつ・どこで)+受身V。作った人は「Nによって」、材料は「Nで(形が見える)/Nから(形が変わる)」

形
この橋は100年前に造られましたこの寺は有名な建築家によって設計されましたこのいすは木で作られていますワインはぶどうから造られます

導入

  • 目の前の物を説明する教室の机・学校の建物・学生の国の有名な建物の写真を見せ、教師が「この建物は50年前に建てられました」と説明する。「何について話していますか」と聞いて「この建物」と答えさせ、話題の物には「は」を付けることを示す。文型3の板書(〜が行われます)と並べ、知らせを伝えるときは「が」、説明するときは「は」、と見出しを付ける。
  • 「によって」と「から/で」を脇に小さく板書の右端に、作った人の札「〜によって」と、材料の札「〜で/〜から」を置く。木の机を叩いて「木で作られています(木が見えます)」、紙パックのジュースと果物の絵で「ジュースは果物から作られます(果物の形が見えません)」と、実物で違いを見せる。どちらも、この課では言えれば十分で、使い分けの細かい説明はしない。

板書案

この橋 は 100年前 に 造られました。
この絵 は 有名な画家 によって 描かれました。
〔赤〕作った人 → によって
〔青〕材料:木 で(見える)/ぶどう から(見えない)
お知らせ → が(文型3)  説明 → は(文型4)

場面と発話(自作)

  • 国から来た友達を町に案内している。古い橋の前で説明する。この橋は200年前に造られました。この町でいちばん古い橋です。
  • クラスで自分の国の飲み物を紹介する。このお酒は米から造られます。
  • 美術館で、友達に絵の説明を頼まれた。案内の紙を見て答える。この絵は有名な画家によって描かれました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

建物・物・飲み物の写真と「いつ」「だれ」「材料」の札で、「この〜は〜に/によって/から〜(ら)れました」の代入練習(練習Bの型)を10枚。次に学生が自分の国の有名な物を一つ選び、文型4で二文の紹介を作って発表するやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭写真(古い橋・お寺・木の机・ワイン・米のお酒・有名な絵)に「いつ」「だれ」「材料」の札を一枚ずつ添えて出す。教師が写真と「200年前」の札を見せる → 全体で「この橋は200年前に造られました」→ 個人で。同じ写真に札を替えて(「有名な建築家」→ によって、「木」→ で)言い直させ、一枚の写真で三通りの文を言えるようにする。
  2. ペア「これは何から?クイズ」。Aは物の写真と、裏に答え(材料・年・作った人)が書かれたカードを持つ。Bは写真だけを見て「これは何から作られますか」「いつ作られましたか」と聞き、Aは答えを見ずに「〜から作られます」と推測して言う。最後にカードを裏返して合っていたか確かめ、4枚で交替する。
  3. 産出「わたしの国の名物ガイド」。自分の国の有名な建物・物・食べ物を一つ写真で見せ、文型4の文を二つ(いつ・だれ/材料)と文型5の文を一つ使って、案内の人として紹介する。聞く人は一つ質問する。教師は、作った人に「に」を使っていないか(によって)、材料の「で」と「から」、話題の物を「は」で始めているかを聞いて直す。

つまずきと手当て

  • 作った人を「に」で言う(×この寺は有名な建築家に設計されました)。建てる・書く・発明する・発見する のように何かを生み出す動詞では「によって」がふつう、と札を指す
  • 材料の「から」と「で」を取り違える。ワインのように、できた物に材料の形が残らないときは「ぶどうから造られます」がふつう、形が見えるときは「木で作られています」、と実物で見せる。ただし「ぶどうで造られます」も使われることがあるので、厳しく直しすぎない
  • 「は」と「が」の区別に迷い続ける。説明する物が目の前にある・話題になっている → 「は」、知らせとして初めて伝える → 「が」、と二つの場面だけで見せ、それ以上は求めない
  • 「作ります」の過去を受身で言うべきところで能動にし、主語が抜ける(×100年前に造りました。この橋です)。「この橋は」から言い始める型を、板書で固定する

既習の文型との違い

  • N(物/こと)が受身V(文型3)「お祭りが行われます」は新しい知らせとして伝える文、「この橋は200年前に造られました」は相手も見ている物について説明する文です。学習者は案内の場面で「この橋が造られました」と言いがちですが、目の前の物を話題にして説明するときは「は」がふつうです。初級では二つの場面だけで分ければ十分です。
  • 〈道具・手段〉でVます(第7課)「はしで食べます」の「で」は道具、「木で作られています」の「で」は材料です。どちらも「で」なので混乱は少ないものの、「から」と並べたときに材料の「で」と「から」を取り違え、「ワインはぶどうで造られます」と言う学習者が出ます。形が見えるか見えないかを実物で確かめさせます。
関連する文型

学習項目 6 〈物/こと〉が/は〜(ら)れています

意味・はたらき文型 5

「この国では英語とフランス語が話されています」「このお菓子は昔から作られています」のように、受身形に「〜ています」を付けて、ある物や事が今も広く、続けて行われていることを言う文型です。一回きりの出来事を言う「〜(ら)れました」と違い、今の様子・習慣として説明するときに使います。世界中で読まれている・使われている・輸出されている のように、国や町、商品の紹介によく出てきます。する人は「たくさんの人」なので、言わないのがふつうです。

接続

N(物・事)が/は+受身形のて形+います(話されています・作られています)

形
この国では英語とフランス語が話されていますこのお菓子は200年前から作られていますこの本は世界中で読まれています日本の車はいろいろな国に輸出されています

導入

  • 世界地図で「今もそうです」を世界地図に国の旗を貼り、教師が国を指して「この国では何語が話されていますか」と学生に聞く。答えを「〜では〜語が話されています」の形で返させ、板書に「話されています(今も・ずっと)」と書く。続けて文型4の「この橋は100年前に造られました(一回・昔)」と並べ、「〜ました」と「〜ています」を時間の線で対比する。
  • 身の回りの物を紹介する学生が持っているスマートフォン・文房具・お菓子の袋を見せ、「これはどこで作られていますか」と聞く。袋や箱に書いてある国名を探させて「〜で作られています」と答えさせる。物を手に取ると、今も作られ続けていることが実感しやすい。

板書案

この国では 英語 が 話されています。
このお菓子は 昔から 作られています。
〔赤〕〜(ら)れました:一回・昔 ●
〔青〕〜(ら)れています:今も・ずっと ━━━
話す → 話される → 話されています

場面と発話(自作)

  • クラスで自分の国を紹介する発表をしている。わたしの国では、三つの言葉が話されています。
  • 日本人の友達に、国のお土産のお菓子を渡しながら説明する。このお菓子は、わたしの町で昔から作られているんです。
  • 本屋で友達に、どの本がいいか聞かれた。人気の本を勧める。この本は、世界中で読まれていますよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

国旗と商品の写真のカードで、「〜では〜が話されています」「〜は〜で作られています」「〜は世界中で〜(ら)れています」の代入練習(練習Bの型)を10枚。次に学生が自分の国の言葉・食べ物・有名な物を三つ選び、文型5を使って紹介し合うやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭キューは三種類。世界地図の国旗を指す →「〜では〜語が話されています」、商品の写真と国名の札(車・時計・コーヒー)→「〜は〜で作られています」、人気の本の写真と「世界中」の札 →「〜は世界中で読まれています」。全体 → 個人の順で、文型4の写真(古い橋)を時々混ぜ、「〜(ら)れました」と「〜(ら)れています」を言い分けさせる。
  2. ペア情報差の表。Aの表には国1〜3の言葉・よく作られている物、Bの表には国4〜6のそれが書いてある。互いに「〜ではどんな言葉が話されていますか」「〜では何がよく作られていますか」と聞き合って空いた欄を埋め、最後に表を見せ合って確かめる。
  3. 産出「お国紹介ポスター」。自分の国(町)について、話されている言葉・昔から作られている食べ物・外国に輸出されている物の三つを、文型5で一枚の紙に書く。教室に貼ってギャラリーウォークをし、書いた人がポスターの前で説明する。教師は、今も続くことを「〜(ら)れました」で言っていないか、受身形を落として「英語が話しています」と言っていないかを見て直す。

つまずきと手当て

  • 今も続いていることを「〜(ら)れました」で言う(×この国では英語が話されました)。今もそうなら「〜ています」、と時間の線の板書を指す
  • 受身にしないで「ています」だけを付ける(×この国では英語が話しています)。主語が言葉や物のときは受身形、と「話す→話される→話されています」を順に言わせる
  • 第30課の「〜てあります」と混ぜる(×このお菓子は昔から作ってあります)。「てあります」はだれかが準備した結果が今あること、「〜(ら)れています」は広く行われていること、とだけ分け、深入りしない
  • する人を「たくさんの人に」と言い足す。文としては言えるが、ふつうは言わない、と文型3と同じ手当てをする

既習の文型との違い

  • 〜に〜が〈Vて形〉あります(第30課)「机の上に資料が置いてあります」は、だれかが準備した結果が今そこにある一つの場面を言います。「このお菓子は昔から作られています」は、広く・続けて行われていることを言います。学習者が「昔から作ってあります」と言ったら、「目の前の一つの物か、ずっと続いていることか」を聞いて分けます。
  • 〈Vて形〉います(習慣的行為・職業)(第15課)「父は銀行で働いています」は人を主語にした習慣・仕事の文で、文型5は物や言葉を主語にした文です。「この国では英語を話します」のように人を主語にした言い方もできますが、言葉を「が」で主語にしたら受身形が要ります。「*この国では英語が話しています」となったら、「英語は話しますか、話されますか」と聞き返します。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は、受身の練習に使う動詞(褒める・叱る・誘う・招待する・踏む・盗む・壊す・汚す など)と、建物・発明・産業を説明する語(建てる・発明する・発見する・設計する・輸出する・輸入する・原料 など)が中心です。動詞は ます形と受身形を1組にして絵カードで出し、文型1・2の代入練習にそのまま使います。建物や産業の語は世界地図や写真と一緒に出し、文型4・5の紹介の文の中で覚えさせ、単語だけで説明しません。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 褒めます(ほめます) 人がしたことを「いいですね」「上手ですね」と言います。 子どもを〜・作文を〜・先生に褒められる
    授業の発表がよかった。休み時間に友達に話す。
    「きょう、先生に発表を褒められました。」
  • 叱ります(しかります) 悪いことをした人に、「だめです」と強く言います。 子どもを〜・母に叱られる
    週末の家での出来事をクラスで話す。
    「部屋を掃除しなかったから、母に叱られました。」
  • 招待します(しょうたいします) 「来てください」と、人を家やパーティーに呼びます。 パーティーに〜・家に〜
    同僚に週末の予定を聞かれた。
    「土曜日、先輩にパーティーに招待されたんです。」
  • 注意します(ちゅういします) 「〜しないでください」「気をつけてください」と人に言います。 店長に注意される・車に〜
    図書館で電話をしていて、図書館の人に言われた。
    「図書館で電話をして、注意されました。」
  • 踏みます(ふみます) 足を物や人の足の上に乗せます。 足を〜・ブレーキを〜
    サッカーの試合のあと、友達に足が痛い理由を話す。
    「試合で、相手の選手に足を踏まれたんです。」
  • 盗みます(ぬすみます) ほかの人の物を、黙って取って自分の物にします。 財布を〜・自転車を〜
    交番で警官に説明する。
    「すみません、駅の前で自転車を盗まれました。」
  • 壊します(こわします) 物を使えないようにします。 パソコンを〜・いすを〜
    新しいパソコンを買った理由を、友達に聞かれた。
    「弟に古いパソコンを壊されたんです。」
  • 汚します(よごします) きれいな物を、きたなくします。 服を〜・部屋を〜
    レストランで、隣の人がコーヒーをこぼした。
    「隣の人にシャツを汚されました。」
  • 行います(おこないます) 行事や会議、試験などをします。「します」より改まった言い方です。 お祭りを〜・試験を〜・会議が行われる
    学校の掲示板を見て、クラスの友達に伝える。
    「来月10日に、日本語の試験が行われますよ。」
  • 建てます(たてます) 家やビル、お寺などを作ります。 家を〜・ビルを〜
    町に来た友達を古いお寺に案内する。
    「このお寺は400年前に建てられました。」
  • 輸出します(ゆしゅつします) 自分の国の物を、ほかの国に売って送ります。反対は「輸入します」です。 車を〜・外国に〜
    クラスで自分の国を紹介する。
    「わたしの国のコーヒーは、いろいろな国に輸出されています。」
  • 発明します(はつめいします) 今までなかった新しい物を考えて作ります。 機械を〜・〜によって発明される
    授業で、身の回りの物がいつできたかを話す。
    「電話は19世紀に発明されました。」

会話の扱い

会話は、観光地を訪れた人が案内の人から古い建物の歴史を説明してもらう、という流れです。「〜年に建てられました」「〜(ら)れています」のような文型4・5の説明の文が芯で、説明を聞く側が「そうですか」「すごいですね」と相づちを打ちながら質問をはさむ形になっています。最初はCDか教師の読みで流れをつかませ、役割を替えて二回読んだら、学生の国や町にある古い建物・有名な物に置き換えて、案内する側を学生にやらせて再現させます。年や世紀の言い方(〜世紀・〜年に)は、ここで数字の読み方と一緒に確かめておきます。会話の文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください。

宿題と次のコマ

宿題は問題の文法部分と、「わたしの国(町)の紹介」を五文(文型4を二つ・文型5を二つ・文型1か2で自分の経験を一つ)で書くこと。次のコマの最初に受身形のカードテスト(ます形→受身形・10語)をしてから紹介文を発表させ、第38課の「〜のは〜です」「〜のが〜です」につなぐ。受身形と可能形を並べた板書は、第48課の使役形でも比べるので、写真に撮っておく。

よくある質問

  • 第37課の受身はどの順で教えればいいですか?

    受身形の作り方 → 人が主語の受身(文型1・2)→ 物や出来事が主語の受身(文型3〜5)の順です。作り方は可能形の三列と並べて最初に固め、文型1で「を→は/が→に」の入れ替えを何度も口にさせてから、文型2で「を」が一つ残る形に進みます。物が主語の受身は、する人を言わない文として後半にまとめると、二つの使い方が混ざりません。

  • 受身形と可能形が同じ形になるのは、どう見分けさせますか?

    グループII の動詞と「来られる」は、受身形と可能形がまったく同じ形なので、形ではなく助詞と場面で見分けさせます。「〜に〜られました」のように動作をした人が「に」で出ていれば受身、「〜が〜られます」で能力や状況を言っていれば可能です。この課では、二つの三列を並べた板書を残し、形が違うのはグループI だけと確かめるところまでで十分です。

  • 受身の「に」と「によって」はどう使い分けますか?

    人が主語の受身(文型1・2)で、した人を言うときは「に」です。物が主語の受身(文型4)で、建てる・書く・発明する・発見するのように何かを生み出した人を言うときは「によって」がふつうです。初級では「人がされた → に」「物が作られた → によって」の二つに分けて見せれば足ります。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×3コマが目安です。1コマ目は導入と受身形の作り方、文型1。2コマ目は文型2と文型3・4。3コマ目は文型5と会話・練習C・問題です。受身形の定着が弱いクラスでは、2コマ目の初めに10語のカードテストを入れると、文型2で止まりにくくなります。

  • 「雨に降られました」のような受身もこの課で教えますか?

    この課の五つの文型は、他動詞の動作を人や物が受ける受身だけで、自動詞から作る受身(雨に降られる・子どもに泣かれる)は入っていません。学習者から出たら「困った気持ちを言う受身で、もっと先でくわしく勉強します」と受け止めます。この課では、困ったことは文型2の「〜に〜を〜(ら)れました」で言う練習に絞ります。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

PRこの教科書

手引きで扱っている教科書。本文・例文は手元の教科書で確かめてください。