動作の及ぶ対象(ヲ格の目的語)を取らない動詞が自動詞、取る動詞が他動詞。日本語には「窓が開く/窓を開ける」「電気がつく/電気をつける」「ドアが閉まる/ドアを閉める」のように、形の上で対応する自他のペアが多数ある。
対応の仕方は一様ではなく、語形のパターンは複数あるうえ、ペアをもたない自動詞(走る・降る)や他動詞(読む・食べる)も多い。「すべての動詞に自他のペアがある」は誤り。
学習者の「電気をつきます」「ドアが開けます」型の誤用は、自他と格助詞の混同として説明される。結果状態を表す「開いている(自動詞+ている)」と「開けてある(他動詞+てある)」の使い分けにも直結し、初級指導の要になる項目である。
教室を出るときに「電気を消してください」と頼み、戻ってきて「電気が消えていますね」と確認する。同じ出来事でも、人の動作として述べるときは他動詞「消す」とヲ格、変化の結果として述べるときは自動詞「消える」とガ格を使う。自他のペアは、こうした場面の流れの中で対にして示すと覚えやすい。
学習者の「財布が落としました」「ドアを閉まりました」は、自動詞と他動詞の取り違えに、格助詞の誤りが重なったものである。訂正では動詞だけでなく「が/を」も合わせて直し、だれかがそうしたのか、ひとりでにそうなったのかを学習者に問いかけて考えさせる。ペアの一覧表を配るだけでなく、場面の絵と組み合わせて使い分けを練習させるとよい。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。