話し手が意図してできる動作を表すものが意志動詞、「降る」「見える」「疲れる」のように意図によらないものが無意志動詞。
この区別は意味の問題にとどまらず、文法の現れ方に直結する。無意志動詞は命令形・意向形・「〜たい」などと結びつきにくい(「×降ろう」「×降りたい」)。
学習者の「×早く治りたい」のような誤用を説明するときの土台になる。
「×早く風邪が治りたい」は、「治る」が無意志動詞なので「〜たい」と結びつかない。言いたいことは「早く風邪を治したい」か「早く風邪が治ってほしい」で表せる。意志動詞の他動詞に言い換える方法と、「〜てほしい」で願いとして言う方法の二通りを示すと、学習者が自分で直せるようになる。
同じ動詞でも、文脈によって意志性が変わることがある。「わざと転ぶ」と言えば「転ぶ」に意図が加わり、「気がついたら寝ていた」の「寝る」は意図とは関係なく起きたことになる。命令や「〜たい」と結びつくかどうかの判断は、辞書の分類だけでなく、その文の中で意図があるかどうかで考える。
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