日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

みんなの日本語 初級Ⅱ 第43課「毎日楽しそうです」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅱ 第2版 本冊』 ・ 会話「毎日楽しそうです」

目で見たようすから判断を言う、様態の「そうです」の課です。動詞のます形に付けて「雨が降りそうです」と「もうすぐそうなりそうだ」という見通しを、形容詞に付けて「おいしそうです」「元気そうです」と「見た感じ」を言えるようになります。あわせて「ちょっと飲み物を買って来ます」のように、行って用事をして戻ってくることを一言で言う「〜て来ます」を扱います。この「そうです」は見たことからの判断で、人から聞いた話ではないという一点を最初にはっきりさせておくと、第47課の伝聞の「そうです」と出会ったときに崩れません。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目3時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 空や物のようすを見て「雨が降りそうです」「荷物が落ちそうです」と、もうすぐ起こりそうなことを言える
  • 食べ物や人を見て「おいしそうです」「元気そうです」と見た感じを言い、「おいしそうなパン」「楽しそうに話しています」の形でも使える
  • 人の気持ちを「うれしいです」と言い切らずに、ようすから「うれしそうです」と言える
  • 「ちょっと〜を買って来ます」のように、どこかで用事をして戻ってくることを言って席を外せる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(復習とつなぎ)10分第32課の「〜でしょう」「〜かもしれません」を天気の絵で数枚回す。「天気予報で聞いたこと」と「いま空を見て思うこと」は違う、と言ってから、黒い雲の写真を見せて「雨が降りそうです」と言ってみせる
文型1(Vます形そうです)35分黒い雲・机の端の本・取れかけのボタンの絵で「〜そうです」。ます形から「ます」を取って「そうです」を付ける板書の枠を作り、「もうすぐ」「今にも」をいっしょに添える
文型2(い形容詞・な形容詞そうです)50分料理の写真・人の表情の写真で「おいしそうです」「元気そうです」。い形容詞は「い」を取る、な形容詞は「な」を取る、を色分けして板書し、「いい→よさそう」「ない→なさそう」を別枠に。名詞の前「〜そうなN」、動詞の前「〜そうにV」まで広げる
「見て分かること」との線引き15分赤いりんごの写真を見せ、「赤いです」とは言うが「赤そうです」とはふつう言わない、と一行で線を引く。見ればすぐ分かることには使わない。人の気持ちは「うれしそうです」で言う、を写真の人で確かめる
文型3(Vて形来ます)30分教師が「ちょっとコピーして来ます」と言って教室を出て、紙を持って戻る。「行きます→します→来ます」を往復の矢印で板書し、第13課の「〜に行きます」と並べる
会話・練習C30分会話は人のようすを見て話す流れなので、写真を使って「〜そうですね」と言い合う場面に置き換えて再現。練習Cは「料理・人・天気」の「そうです」と、「ちょっと〜て来ます」で席を外す場面の二本
問題10分聞き取りは教室で。「見た感じ」の「そうです」だけで解ける形なので、伝聞の話は持ち込まない。文法の書く問題は宿題に

学習項目 1 〈Vます形〉そうです

意味・はたらき文型 1

目の前のようすを見て、「もうすぐそうなる」「このままだとそうなる」と話し手が判断していることを言う文型です。黒い雲を見て「雨が降りそうです」、机の端に置いた本を見て「落ちそうです」のように、まだ起こっていないことの見通しを言います。根拠は話し手がいま見ているようすで、人から聞いた話ではありません。「今にも」「もうすぐ」といっしょに使うことが多く、名詞の前では「〜そうなN」の形になります。文法の用語では、話し手の判断を表すモダリティの一つで、「様態」の「そうだ」と呼ばれます。第47課の伝聞の「そうだ」とは付く形が違い(降りそう/降るそう)、教師向けの試験や参考書でもこの二つは並べて説明されます。

接続

Vます形(「ます」を取った形)+そうです(降ります→降りそうです、落ちます→落ちそうです)

形
今にも雪が降りそうですあ、荷物が落ちそうですよシャツのボタンが取れそうですあの木は倒れそうです(名詞の前: 倒れそうな木)

導入

  • 空の写真で「まだ降っていない」を見せる晴れた空・黒い雲の空・雨の空の写真を3枚並べる。雨の写真を指して「雨が降っています」、黒い雲の写真では空を見上げる動作をしながら「雨が降りそうです」と言う。板書は「降ります → 降り+そうです」の枠で、「ます」を消して「そうです」を書き、黒い雲の写真の横に「まだ降っていない/見て思う」と小さく添える。
  • 教室の物を落ちそうにする教師が机の端へ本を少しずつずらしていき、学生に「どうですか」と聞く。「落ちそうです」が出たら板書の枠に入れる。紙をはがれかけにする、ペンを机の端に立てるなど、教室で起こせることを2〜3回続けて、「もうすぐ」「今にも」を添えて言わせる。

板書案

Vます形 + そうです (今にも/もうすぐ)
降ります → 降り〔赤〕ます → 降りそうです
〔灰色の雲の絵〕今にも雪が降りそうです。
コップが落ちそうです。(まだ落ちていない)
〔青〕名詞の前 落ちそうな コップ
〔黄〕見て思う ≠ 人から聞いた話

場面と発話(自作)

  • 駅を出たら、空が急に暗くなってきた。いっしょに歩いている友達に言う。雨が降りそうですね。傘を買いましょうか。
  • 電車の中で、隣の人の荷物が棚から少しずつ出てきている。すみません、荷物が落ちそうですよ。
  • 同僚のシャツのボタンが一つ、糸だけでぶら下がっている。ボタンが取れそうですよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カード(黒い雲・傾いたコップ・切れかけのひも・倒れかけの自転車)で「降ります→降りそうです」の言い換え(練習Bの型)を、ます形の確認もかねて10枚。次に一枚の絵を見せて「どうなりそうですか」と聞き、学生が「〜そうですよ」「〜ましょうか」と気づいて声をかけるやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭教師が絵カードを見せ、まず学生に動詞のます形を言わせてから「そうです」を付けさせる。キューは黒い雲(降ります)、机の端のコップ(落ちます)、糸だけのボタン(取れます)、細くなったひも(切れます)、横に傾いた自転車(倒れます)。全体 → 列 → 個人の順で、2周目は「今にも」を前に付けて言わせる。つまったら板書の「ます を消す」枠を指すだけにする。
  2. ペアAが絵カードを1枚引いてBに見せ、「どうですか」と聞く。Bは「あ、〜そうですね」と言い、Aが第14課の「〜ましょうか」で「じゃ、〜ましょうか」と手を打つ(ひもが切れそう → 新しいのを買いましょうか)。5枚で交替。Bが「〜そうです」を言えないときは、Aがカードの動詞を言って助ける。
  3. 産出「落ちそう探し」。教師が授業の前に、教室のあちこちに物を落ちそう・倒れそう・取れそうな置き方で仕込んでおく(机の端の本、はがれかけの紙、立てたペン)。学生は二人一組で教室を回って見つけ、近くの人に「すみません、〜が〜そうですよ」と声をかけ、言われた人が「あ、ありがとうございます」と直す。教師が見るのは、ます形に付いているか(「降るそうです」の形が混ざらないか)、もう落ちた物に使っていないか、の2点。

つまずきと手当て

  • 辞書形や普通形に付けてしまう(「降るそうです」と言う)。これは第47課の「人から聞いた話」の形で、意味が変わる。板書の「ます を消す」枠に毎回戻す
  • もう起こっていることに使う(雨が降っている窓の外を見て「雨が降りそうです」と言う)。「まだ起こっていない」を写真3枚の並びで確かめる
  • 自分で決めた予定に使う(来年の計画を「来年、日本へ行きそうです」と言う)。自分の意志で決めたことは「〜つもりです」「〜予定です」で言う、と分ける
  • 否定の言い方を聞かれる。「降りそうもありません」などの形があるが、この課では深入りせず、「降らないでしょう」で言えればよいと伝える

既習の文型との違い

  • 〈普通形(なA・N 〜だ)〉でしょう(第32課)「でしょう」は天気予報や知っていることから先を推し量る言い方で、目の前に根拠がなくても言えます。「降りそうです」はいま見ているようすが根拠で、空を見ながら言う文です。あしたのことのように、目の前に見るものがないときは「でしょう」のほうが自然、と根拠の違いで分けます。
  • 〈Vて形〉います(第14課)「雨が降っています」はもう起こっていること、「雨が降りそうです」はまだ起こっていないことです。雨の窓を見て「降りそうです」と言う学生がいたら、晴れ・黒い雲・雨の写真3枚に戻し、どの写真の文かを言わせます。
関連する文型

学習項目 2 〈いA(〜い)〉/〈なA(〜な)〉そうです

意味・はたらき文型 2

物や人のようすを見て、「見た感じ、〜だと思う」と言う文型です。ケーキを見て「おいしそうです」、友達の顔を見て「元気そうです」のように、まだ確かめていないこと(食べていない味、本人に聞いていない気持ち)を見た目から判断して言います。とくに他の人の気持ちは本人でなければ分からないので、「うれしいです」「寂しいです」と言い切らず、「うれしそうです」「寂しそうです」と言うのが自然です。反対に、色や形のように見ればすぐ分かることには、ふつう使いません。「〜そう」はな形容詞と同じように活用し、名詞の前では「〜そうなN」、動詞の前では「〜そうにV」になります。文法の用語では、イ形容詞・ナ形容詞の語幹に付く様態の「そうだ」で、「いい」「ない」だけが「よさそう」「なさそう」と形を変えます。また「うれしい」「寂しい」のような気持ちの形容詞は、言い切りの形ではふつう話し手自身のことにしか使わない(感情形容詞の人称の制限)ので、他の人の気持ちを言うときはこの形が受け皿になります。

接続

いA(「い」を取る)+そうです(おいしい→おいしそうです)/なA(「な」を取る)+そうです(元気な→元気そうです)。いい→よさそうです、ない→なさそうです は形が変わる

形
このケーキはおいしそうですあの人は毎日楽しそうですこの仕事は大変そうですねいい→よさそうです/ない→なさそうです(*いそうです、*なそうです)おいしそうなパン/うれしそうに話しています

導入

  • 料理の写真で「まだ食べていない」を見せる料理の写真を見せ、食べるまねをしないで、写真に顔を近づけて「おいしそうです」と言う。次に実際に食べるまねをして「おいしいです」。二つの文を板書し、「食べた→おいしい」「見た→おいしそう」と矢印で分ける。い形容詞の「い」を色チョークで消して「そう」を書く枠を作り、熱い・辛い・甘い・高い の写真で続ける。
  • 人の表情の写真で気持ちを言う笑っている人・下を向いている人・あくびをしている人の写真を見せ、「この人はうれしいですか」と聞く。学生が「うれしいです」と答えたら「本当? 聞きましたか?」と返し、「うれしそうです」と言い直す。な形容詞は「元気な→元気そう」「暇な→暇そう」で「な」を消す。最後に「いい→よさそう」「ない→なさそう」を別の枠で板書し、「この二つだけ形が違う」と言っておく。

板書案

いA〔赤〕い + そうです  なA〔赤〕な + そうです
おいしい → おいしそうです  元気な → 元気そうです
〔青〕いい → よさそうです  ない → なさそうです
見た → おいしそう / 食べた → おいしい(矢印で分ける)
〜そうな N おいしそうな パン  〜そうに V 楽しそうに 話しています

場面と発話(自作)

  • 友達とパン屋の前を通った。窓の向こうに焼きたてのパンが並んでいる。あのパン、おいしそうですね。ちょっと入りませんか。
  • しばらく会っていなかったクラスメートに会った。顔色がよくて、ずっと笑っている。元気そうですね。何かいいことがありましたか。
  • 家具の店で、座りやすそうないすを見つけた。いっしょに来た家族に言う。このいす、よさそうですよ。ちょっと座ってみましょう。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

写真カード(料理・荷物・人の表情・部屋)で「〜は〜そうです」の言い換え(練習Bの型)を、い形容詞・な形容詞・いい/ない を混ぜて12枚。続けて「〜そうなN」「〜そうにV」の言い換えを数枚。最後に、学生が持ってきた写真を見せ合い、「この人は〜そうですね」「この料理は〜そうですね」と言い合うやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭写真カードを見せて「〜は〜そうです」を言わせる。キューはケーキ(おいしい)、大きな荷物(重い)、笑っている人(楽しい)、書類の山(大変な)、客のいない店(暇な)、座りやすそうないす(いい)、空の財布(ない)。全体 → 個人で1周したら、2周目は「おいしそうなケーキですね」と名詞の前、3周目は「楽しそうに話しています」と動詞の前で言わせる。
  2. ペア情報差の練習。Aだけが写真を見て「〜そうです」を2文言い(「重そうです。大きいです。」)、Bは何の写真か当てて「〜そうなNですね」と言う。当たったら写真を見せて交替。人の写真のときは、Bが「うれしいですか」と聞き、Aが「さあ……。でも、うれしそうです」と答える型も入れる。
  3. 産出「写真ショー」。学生が自分のスマートフォンや印刷した写真(家族・友達・旅行先の料理)を1枚ずつ見せ、聞く人が「〜さんは〜そうですね」「おいしそうな料理ですね」と2文言う。見せた人は「ええ、〜です」か「いいえ、本当は〜」で答え、一言付け足す。教師が見るのは、「い・な」が残っていないか、よさそう/なさそう、そして人の気持ちを「お母さんはうれしいです」と言い切っていないか、の3点。

つまずきと手当て

  • 「い」や「な」を残す(「おいしいそうです」、*元気なそうです)。「おいしいそうです」は第47課の伝聞の形になって意味が変わり、「元気なそうです」は形の誤り。板書の「い・な を消す」枠を指して言い直させる
  • 「いい」「ない」をそのまま付ける(*いそうです、*なそうです)。「よさそう」「なさそう」を別枠で板書に残し、「時間がなさそうです」「この店はよさそうです」で口に慣らす
  • 見て分かることに使う(赤いりんごを見て「赤そうです」と言う)。目で見てすぐ分かる色・形には「赤いです」とそのまま言う、と写真で線を引く
  • 「かわいそう」を「かわいい+そう」と取る。「かわいそう」は「気の毒だ」という別の語で、かわいく見えるときは「かわいいです」と言う、と一言添える

既習の文型との違い

  • Nは〈いA〉です(第8課)「おいしいです」は食べて分かったこと、「おいしそうです」は見ただけでまだ確かめていないことです。食べたあとに「おいしそうです」、写真だけで「おいしいです」と言う混同が出るので、「食べた → おいしい」「見た → おいしそう」の矢印の板書に戻します。
  • 〈普通形〉と思います(推量)(第21課)「おいしいと思います」は、見た目に限らず、評判や経験から考えたことも言えます。「おいしそうです」は目の前のようすだけが根拠です。二つを混ぜて「*おいしそうと思います」と言う誤りが出たら、「おいしそうだと思います」なら言えるが、この課では「おいしそうです」だけで足りる、と返します。
関連する文型

学習項目 3 〈Vて形〉来ます

意味・はたらき文型 3

どこかへ行って、そこで何かをして、また今いる場所へ戻ってくる、という一続きの動きを一言で言う文型です。「ちょっと飲み物を買って来ます」は「行く→買う→戻る」をまとめた言い方で、席や部屋を少しの間離れるときによく使います。「来ます」は「戻ってくる」の意味なので、今いる場所に戻ることが前提です。「〜て来ました」は、もう用事をして戻ったことを言います。「来ます」は話し手のいる場所に近づく動きを表す語なので(ダイクシス)、話し手のいる所に戻らない用事には使いません。

接続

Vて形+来ます(買って来ます、コピーして来ます、見て来ました)。用事をする場所は「〈場所〉で」で添える

形
ちょっと飲み物を買って来ますコンビニで切手を買って来ました郵便局へ行って来ますちょっと見て来ますから、ここで待っていてください

導入

  • 教師が教室を出て戻る教師が「ちょっとコピーして来ます」と言って紙を持って教室を出て、コピーした紙を持って戻り「コピーして来ました」と言う。板書に教室の四角と外のコピー機の絵を描き、「行きます→コピーします→来ます」を往復の矢印で示してから、「コピーして来ます」と一つにまとめる。
  • 「〜に行きます」と並べる第13課の「コンビニへ切手を買いに行きます」を板書し、その下に「コンビニで切手を買って来ます」を書く。上は「目的を言って出かける」、下は「用事をして戻る」まで含む、と矢印の形(片道と往復)で見せる。場所の助詞が「へ」と「で」に変わることを色チョークで囲む。

板書案

Vて形 + 来ます = 行く → する → もどる
〔教室の四角〕 ⇄ 〔コピー機〕(〔赤〕往復の矢印)
ちょっと コピーして 来ます。 →(もどって)コピーして 来ました。
〔赤〕〈場所〉で 〜を Vて 来ます  コンビニで パンを 買って 来ます
〔青〕〈場所〉へ 〜を Vに 行きます(第13課・片道の矢印)

場面と発話(自作)

  • 会社で、会議の前に資料が一部足りないことに気づいた。隣の同僚に言って席を立つ。すみません、ちょっとコピーして来ます。
  • 友達と公園で休んでいる。のどが渇いたので、近くの自動販売機へ行く。飲み物を買って来ます。何か要りますか。
  • 店で、欲しい靴のサイズが棚に無かった。店員が奥へ見に行く。ちょっと見て来ますから、少々お待ちください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

場所と用事の絵カード(コンビニ・パン/郵便局・切手/図書館・本を返す)で「〈場所〉で〜を〜て来ます」の言い換え(練習Bの型)を8枚。次に「どこへ行くんですか」「ちょっと〜て来ます」と、席を外す人と残る人のやり取り(練習Cの型)にし、「何か要りますか」「じゃ、〜をお願いします」まで続けさせる。

  1. 口頭場所と用事の絵カードを2枚組で見せ、「〈場所〉で〜を〜て来ます」を言わせる。キューはコンビニ+パン(買います)、郵便局+切手(買います)、図書館+本(返します)、事務所+書類(もらいます)、トイレ(行きます → 行って来ます)。全体 → 個人で1周したら、教師が戻ってきた身ぶりをして「〜て来ました」で言わせる。
  2. ペアAは席を外す人、Bは残る人。Aがカードを引いて「すみません、ちょっと〜で〜を〜て来ます」、Bは「はい。じゃ、〜もお願いします」か「わかりました」。Aは立ち上がって少し歩き、戻って「〜て来ました」と言う。Bが頼んだものがあれば「はい、どうぞ」と渡すまねまで。4枚で交替。
  3. 産出「ちょっと失礼ロールプレイ」。会社・学校・友達の家の3つの場面カードから1枚を引き、自分で用事を考えて、席を外す一言と戻ったときの一言を言う。周りの人は「何か要りますか」と聞かれたら答える。教師が見るのは、場所の助詞(で/へ)、戻ったあとの「〜て来ました」、そして戻らない用事(家に帰る)に「〜て来ます」を使っていないか。

つまずきと手当て

  • 第13課の「〜へ〜に行きます」の助詞が残って「郵便局へ切手を買って来ます」と言う。話し言葉では聞く言い方で誤りではないが、この課では用事をする場所は「で」にそろえて「郵便局で切手を買って来ます」と練習し、「郵便局へ行って来ます」と二つに整理する、と往復の矢印の板書に戻す
  • 戻らないときにも使う(会社を出てそのまま家へ帰るのに「ちょっと買い物して来ます」と言う)。戻らないときは「買い物して、帰ります」と言う、と矢印が片道か往復かで確かめる
  • 戻ってからも「〜て来ます」と言う(コピーを持って戻ったのに「コピーして来ます」と言う)。戻ったあとは「〜て来ました」、と教師の実演の前後で言い分けさせる

既習の文型との違い

  • 〈場所〉へ〈Vます形〉/Nに行きます(第13課)第13課の「コンビニへパンを買いに行きます」は、出かける目的を言う片道の文で、戻るかどうかは言いません。「コンビニでパンを買って来ます」は用事をしてここへ戻るまでを言います。助詞も「へ」と「で」で違うので、第13課の形のまま「へ」を残す混同が出やすいところです。
  • 〈場所〉へ行きます/来ます/帰ります(第5課)第5課の「来ます」は話し手のいる所へ人が近づく動きで、「〜て来ます」の「来ます」も同じく「ここへ戻る」です。家へ戻るなら「帰ります」なので、会社から帰るときは「買い物して帰ります」と言い、「買い物して来ます」とは言いません。
関連する文型

語彙の扱い

この課で扱う語は、「そうです」の材料になる形容詞(気持ちや見た感じを表す語)と、物のようすを表す動詞(落ちます・取れます のような語)が中心です。形容詞は写真カードと組にして「〜そうです」の形で何度も言わせ、動詞は ます形→「〜そうです」の1組で覚えさせます。人の気持ちを表す語は、本人が言う「〜です」と、人を見て言う「〜そうです」を並べて出すと、文型2のつまずきが減ります。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 降ります(ふります) 雨や雪が空から落ちてきます。 雨が〜・雪が〜
    冬の夕方。空が白くて、とても寒い。
    「雪が降りそうですね。早く帰りましょう。」
  • 落ちます(おちます) 高い所から下へ行きます。 机から〜・棚から〜
    友達のコップが、机の端に置いてある。
    「そのコップ、落ちそうですよ。」
  • 倒れます(たおれます) 立っている物や人が、横になります。 木が〜・自転車が〜
    風が強い日。店の前の自転車を見て。
    「あの自転車、倒れそうですね。」
  • 切れます(きれます) ひもや糸などが、二つに分かれます。 ひもが〜・糸が〜
    古いかばんのひもが、細くなっている。
    「このひも、もうすぐ切れそうです。」
  • 取れます(とれます) 付いていた物が、離れます。 ボタンが〜・シールが〜
    友達のコートのボタンが、糸だけで付いている。
    「ボタンが取れそうですよ。」
  • 今にも(いまにも) 「もうすぐ」を強く言う言葉です。「〜そうです」といっしょに使います。 〜降りそうです・〜倒れそうです・〜落ちそうです
    棚の上の箱が、半分ぐらい外に出ている。
    「あの箱、今にも落ちそうですよ。」
  • おいしい(おいしい) 食べ物や飲み物の味がいいです。 〜料理・〜そうな店
    雑誌の料理の写真を、友達と見ている。
    「わあ、おいしそうですね。今度いっしょに行きませんか。」
  • 楽しい(たのしい) 気持ちが明るくて、おもしろいと感じます。 〜旅行・〜そうに話す
    公園で、子どもたちが走って遊んでいる。
    「みんな楽しそうですね。」
  • 寂しい(さびしい) 家族や友達がそばにいなくて、心が元気でない気持ちです。 一人で〜・〜そうな顔
    クラスメートが、国の家族の写真を一人で見ている。
    「ちょっと寂しそうですね。」
  • 大変(な)(たいへん) 仕事などが多くて、難しくて、疲れる感じです。 仕事が〜・〜そうな仕事
    同僚の机に、書類がたくさんある。
    「大変そうですね。手伝いましょうか。」
  • 暇(な)(ひま) 仕事や用事がなくて、時間があります。 〜な時間・〜そうな人
    昼の店。客が一人もいなくて、店員が座っている。
    「今日は暇そうですね。」
  • ちょっと(ちょっと) 「少し」の意味です。席を離れるときに「ちょっと〜て来ます」の形でよく使います。 〜待ってください・〜行って来ます
    会議の休み時間。隣の人に言って席を立つ。
    「ちょっとトイレに行って来ます。」

会話の扱い

会話は、題のとおり、ある人のようすを見て「楽しそうです」と話す流れで、見たことから判断する「〜そうです」が芯になります。最初はCDか教師の読みで、誰のようすを、何を見て「そうです」と言っているのかをつかませます。役割を替えて二回読んだら、話題の人を学生の家族や友達の写真に置き換えて、「〜さんは〜そうですね」「ええ、毎日〜」と再現させます。写真を見ながら話す場面に限ると、人から聞いた話の言い方が混ざらず、第47課の伝聞との区別も保てます。会話の文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください。

宿題と次のコマ

宿題は問題の文法部分と、写真を1枚選んで「この人/この料理/この部屋は〜そうです」を三文(い形容詞・な形容詞・「〜そうなN」を一つずつ)と、「〜て来ます」を使って席を外すときの一言を一つ書くこと。次のコマの最初に「そうです」のカードテスト(形容詞→「〜そうです」10語・よさそう/なさそう を含む)をしてから写真の文を発表させ、第44課の「〜すぎます」「〜やすい/にくい」につなぐ。「い・な を消す」枠は第44課の「〜すぎます」でも同じ形なので、板書を残しておく。

よくある質問

  • 第43課の「そうです」と第47課の「そうです」はどう区別して教えますか?

    第43課は見たようすからの判断で、ます形や形容詞の「い・な」を取った形に付きます。第47課は人から聞いた話で、普通形に付きます(降りそうです/降るそうです、おいしそうです/おいしいそうです)。第43課では伝聞を持ち込まず、「見て思う」の枠を板書に残しておき、第47課で二つを並べて形と根拠の違いを整理すると崩れにくくなります。

  • 「雨が降りそうです」と「雨が降るでしょう」の違いは何ですか?

    「降りそうです」はいま見ている空のようすが根拠で、もうすぐ起こりそうなことを言います。「降るでしょう」は天気予報や知識からの推量で、目の前に根拠がなくても言えます。教室では黒い雲の写真と天気予報の画面を並べ、どちらの根拠でどちらの文を言うかを選ばせると分かりやすくなります。

  • 「いい」と「ない」の「そうです」はどう見せればいいですか?

    「いい → よさそうです」「ない → なさそうです」の二つだけを、規則の枠とは別の枠に板書します。「い」を消すだけだと「*いそうです」「*なそうです」になってしまうので、「この二つだけ形が違う」とはっきり言い、「この店はよさそうです」「時間がなさそうです」のような短い文で口に慣らします。宿題のカードテストにも必ず入れます。

  • 人の気持ちを言うとき、なぜ「うれしそうです」と言うのですか?

    日本語では「うれしい」「寂しい」のような気持ちの形容詞を、言い切りの形ではふつう話し手自身の気持ちにしか使わないからです(感情形容詞の人称の制限)。他の人の気持ちは本人でなければ分からないので、見たようすとして「うれしそうです」と言います。教室では学生が「この人はうれしいです」と言ったら「本当? 聞きましたか?」と返し、言い直させます。

  • 第43課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は復習のあと文型1「〈Vます形〉そうです」と文型2の基本(い形容詞・な形容詞・よさそう/なさそう)まで。2コマ目は「見て分かること」との線引き、文型3「〈Vて形〉来ます」、会話と練習C、問題です。形容詞の数が多いクラスでは、2コマ目の最初に「そうです」のカードテストを入れると定着が確かめられます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

PRこの教科書

手引きで扱っている教科書。本文・例文は手元の教科書で確かめてください。