日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

みんなの日本語 初級Ⅱ 第45課「コースをまちがえた場合は、どうしたらいいですか」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅱ 第2版 本冊』 ・ 会話「コースをまちがえた場合は、どうしたらいいですか」

「もしそうなったら、どうするか」と「そうなるはずなのに、そうならなかった」を言う課です。「〜場合は」で、規則や案内の中で起こるかもしれない状況とそのときの対応を言い、「〜のに」で、予想や期待と違う結果になった不満・残念な気持ち・驚きを言えるようにします。新しい活用形は出ないので、時間は二つの文型の接続(な形容詞と名詞の形)と、似た形との線引きにあてます。「場合は」の前は「起こるかもしれないこと」、「のに」の前は「事実として決まっていること」で、「のに」の後ろには話す人の意志や相手への働きかけが来ないという線を板書に残し、第25課の「〜ても」、第42課の目的の「のに」と混ぜないことがこの課の芯です。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目2時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「遅れる場合は、電話してください」のように、起こるかもしれない状況と、そのときにすることを言える
  • 「わからない場合は、どうしたらいいですか」で、規則や手続きについて、困ったときの対応をたずねられる
  • 「予約したのに、席がありませんでした」のように、予想と違った結果への不満や残念な気持ちを言える
  • 「〜場合は」「〜たら」「〜ても」「〜のに」を、場面に合わせて選べる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(復習とつなぎ)10分第25課の「〜たら」「〜ても」を絵カードで2〜3枚回す(雨が降ったら、雨が降っても)。「今日は、お知らせや規則でよく使う『もし』の言い方と、『それなのに』の気持ちの言い方」とだけ言う
文型1(〜場合は、〜)25分学校のお知らせや店の注意書きを模した掲示を一枚見せ、「休む場合は」「わからない場合は」の部分を指す。品詞ごとの接続(辞書形・ない形・た形・いA・なAな・Nの)を一列に板書し、後ろには指示・依頼・案内が来ることを示す
文型1の練習30分トラブルの絵カード(電車が止まる・かぎをなくす・熱がある・雨)で「〜場合は、〜てください」の代入。次に学生が係の人役、もう一人が質問役で「〜場合は、どうしたらいいですか」のやり取り
文型2(〜のに、〜)25分教師が「きのう、たくさん勉強しました」と言ってから、点の悪いテストを見せ、残念な顔で「勉強したのに、点が悪かったです」。予想(↑)と結果(↓)を矢印で板書し、「のに」は気持ちが入ることを見せる。な形容詞と名詞は「〜なのに」
「のに」の線引き20分「雨が降っても、行きます(降るかどうかはまだわからない・後ろは自分の意志)」と「雨が降っているのに、弟は出かけました(降っているのは事実・後ろは実際に起きたこと)」を並べる。「あしたテストなのに、弟は遊んでいます」のように、予定として決まっていることなら「のに」の前に来られることも見せる。第42課の「切るのに使います」も横に書き、後ろの語で見分けることを確かめる
会話30分大会の説明を聞いた参加者が、係の人に困ったときの対応を質問する流れ。「〜場合は、どうしたらいいですか」が芯。流れをつかんだら、学校の行事や会社の手続きに置き換えて再現させる
練習C・問題40分練習Cは「〜場合はどうするか」をたずねる場面と、「〜のに」で不満を言い、相手がなぐさめる場面の二つ。問題は聞き取りを教室で、文法の部分は宿題に

学習項目 1 〈V辞書形〉/〈Vない形〉/〈Vた形〉/〈いA〉/〈なA〉な/Nの場合は、〜

意味・はたらき文型 1

「もしそういう状況になったら」という仮定の状況を示し、そのときにどうするか、どうなるかを言う文型です。学校や会社の規則、店の案内、説明書など、起こるかもしれないいくつかの状況を想定して、それぞれの対応を決めておく話によく使います。後ろには「〜てください」「〜なければなりません」「〜ことができます」のような指示・決まり・案内や、「どうしたらいいですか」という質問がよく来ます。「〜たら」と意味は近いですが、「場合は」は少しかたい言い方で、お知らせや説明の文に向いています。また、きのう実際に起きた一回だけのことには使いません。文法の用語で言うと、「場合」は前の文に説明される名詞(形式名詞に近い使い方)で、全体で仮定の条件を表します。前に来る形が名詞を説明する形(連体形)になるのはそのためです。

接続

V辞書形/Vない形+ない/Vた形+場合は、いA+場合は、なA+な+場合は、N+の+場合は(「場合」は名詞なので、名詞を説明するときと同じ形で前に付く)

形
授業を休む場合は、学校に電話してください(辞書形)意味がわからない場合は、先生に聞いてください(ない形)コピー機が壊れた場合は、事務所の人を呼んでください(た形)熱が高い場合は/体の具合が悪い場合は/雨の場合は、〜(いA・なA・N)

導入

  • お知らせの掲示から教師が作った短いお知らせ(「あしたの遠足」など)を黒板に貼り、「行けない場合は」「雨の場合は」の部分に線を引く。「もし、行けなかったら?」「もし、雨だったら?」と学生に聞き、答え(電話します/中止です)を後ろに書いて、「〜場合は、〜」の枠を板書する。お知らせの文には「場合は」が多い、と一言添える。
  • 辞書形とた形の違いを見せる「財布を買う場合は」と「財布をなくした場合は」を並べる。動作の動詞では、辞書形は「これからそうする(その前にすること)」、た形は「もうそうなってしまった(そのあとですること)」になることが多いので、時間の矢印を書いて見せる。ただし「雨が降る場合は、中止です」のように、辞書形で「そういう状況になったら」全体を言うことも多く、いつも「前」になるわけではないと一言添える。な形容詞の「な」と名詞の「の」は、第8課・第2課の名詞の説明の形と同じだと板書で確かめる。

板書案

〔もし〕 ___ 場合は、 ___(〜てください/〜なければなりません)
休む/休まない/休んだ + 場合は  高い + 場合は  不便〔な〕 + 場合は  雨〔の〕 + 場合は
授業を休む場合は、学校に電話してください。
コピー機が壊れた場合は、事務所の人を呼んでください。
〔時間の矢印〕 買う場合は=買う前  なくした場合は=なくしたあと(動作の動詞のとき)
〔赤〕な・の 〔青〕後ろは 指示・決まり・質問(どうしたらいいですか)

場面と発話(自作)

  • 日本語学校の受付で、来週の授業を休むかもしれないと相談した。受付の人が手続きを説明する。休む場合は、前の日までに電話してください。
  • 会社の新しい社員が、駅で電車が止まったら会社に遅れると心配している。先輩にたずねる。電車が止まって、会社に遅れる場合は、どうしたらいいですか。
  • 週末にクラスでバーベキューをする。担当の学生が、みんなに天気のことを伝える。雨の場合は、中止です。メールで知らせますから、見てください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

トラブルの絵カード(電車が止まる・かぎをなくす・道がわからない・熱がある・雨)と対応の語カード(電話する・係の人に言う・地図を見る・休む・中止)を組にして、「〜場合は、〜てください」の言い換え(練習Bの型)を品詞を混ぜて10枚ほど。次に一人が係の人、一人が参加者になり、カードを引いた参加者が「〜場合は、どうしたらいいですか」と聞き、係の人が答えるやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭トラブルの絵カードを1枚ずつ見せ、キューを出す。「電車が止まります・電話します」→全体で「電車が止まった場合は、電話してください」。「雨・中止です」→「雨の場合は、中止です」。「熱が高いです・休みます」→「熱が高い場合は、休んでください」。「道がわかりません・地図を見ます」→「道がわからない場合は、地図を見てください」。最初は品詞をそろえ、慣れたら名詞・な形容詞・ない形を混ぜて個人を指名し、「な」「の」が落ちたらその場で言い直させる。
  2. ペア一人が「係の人」でお知らせのカード(遠足・図書館・寮の規則)を持ち、もう一人が「参加者」でトラブルのカードだけを持つ(情報差)。参加者が「〜場合は、どうしたらいいですか」と聞き、係の人がカードを見て「〜場合は、〜てください」と答える。3問ずつ聞いたら役とカードを交替する。答えを聞いた参加者は、聞いた内容をメモに書く。
  3. 産出「わたしの学校のお知らせ作り」。グループで、遠足やパーティー、図書館の使い方など一つの行事を決め、「〜場合は、〜」の決まりを四つ書いたお知らせを作る。発表のあと、ほかのグループが「〜場合は、どうしたらいいですか」と質問し、作った側が答える。教師は、な形容詞・名詞の「な」「の」、辞書形とた形の選び方(する前か、したあとか)、後ろに指示や決まりが来ているかを見て、お知らせの紙に直接書き込んで返す。

つまずきと手当て

  • な形容詞・名詞の形を落とす(×不便場合は、×雨場合は、×休みな場合は)。「場合」は名詞なので、名詞の前の形(なAな/Nの)になる、と板書の一列に戻す
  • きのう実際に起きた一回のことに使う(×きのう電車が止まった場合、会社に遅れました)。起きた事実は「〜て」や「〜から」で言い(きのう電車が止まって、会社に遅れました)、「場合は」はこれから起こるかもしれないことに使う、と時間の矢印で示す
  • 辞書形とた形を取り違える(×財布をなくす場合は、警察に行ってください)。なくすのは予定してすることではないので、「なくした場合は」。「その前か、そのあとか」を聞き返して自分で選ばせる
  • 友達との会話で「〜場合は」ばかり使い、かたく聞こえる。友達との話や一回の約束は「〜たら」で十分だと、場面を分けて練習する

既習の文型との違い

  • 〈普通形過去〉ら、〜(仮定条件)(第25課)「〜たら」も「もしそうなったら」を言えますが、友達との会話や一回の約束でよく使い、「場合は」はお知らせ・規則・説明書のように、いくつかの状況を決めておく話で使います。「〜たら」は「着いたら、電話します」のように、必ず起こることの順番にも使えますが、「場合は」は起こるかどうかわからないことに使うので、「着いた場合は、電話します」と言うと不自然です。形も、「場合は」はな形容詞・名詞が「な」「の」になる点が違います。
  • 〈V辞書形〉/〈Vた形〉とき、〜「とき」は「いつか」を言う形で、「休むとき、電話してください」も言えますが、「場合は」は「もし休むなら」という仮定の気持ちが強くなります。毎日あることや必ずあることには「とき」(ご飯を食べるとき、はしを使います)を使い、「ご飯を食べる場合は、はしを使います」は不自然で、ふつうは「とき」の方が自然です。動作の動詞で、辞書形とた形によって「する前」か「したあと」かが変わる点は、どちらも同じです。
関連する文型

学習項目 2 〈V/いA/なA/N 普通形(〜だ→〜な)〉のに、〜

意味・はたらき文型 2

前の文から当然こうなると思ったのに、実際には違う結果やようすになった、ということを言う文型です。前には事実として決まっていること(もう起きたこと・いまのようす・予定として決まっていること)が来て、後ろにはそれと合わない実際の結果やようすが来ます。話す人の不満・残念な気持ち・驚きがいっしょに伝わります(予約したのに、席がありませんでした/あしたテストなのに、弟は遊んでいます)。気持ちが入るので、「〜が、〜」「〜けど、〜」より強く聞こえます。後ろには、話す人の意志や相手への働きかけ(〜ます(意志)・〜てください・〜ましょう・〜たいです など)は来ません。第42課の「〜のに使います」(目的の「のに」)とは別のものです。文法の用語で言うと逆接の確定条件を表す接続助詞で、「〜ても」(逆接の仮定条件)と対になります。

接続

V・いAの普通形+のに、なA・Nの普通形の「〜だ」を「〜な」にして+のに(静かなのに、休みなのに)。過去は「静かだったのに」「休みだったのに」

形
たくさん勉強したのに、テストの点が悪かったです(V)この店は高いのに、あまりおいしくないです(いA)この町は便利なのに、家賃が安いです(なA)きょうは日曜日なのに、会社へ行かなければなりません(N)

導入

  • 教師の「残念な話」から教師が「きのう、レストランに電話して、7時に予約しました。7時に行きました。でも……」と話し、首を振ってがっかりした顔で「予約したのに、席がありませんでした」。予想(席があるはず)と結果(なかった)を矢印で板書し、間に「のに」を大きく書く。気持ち(残念・不満)のマークを横に描いて、「のに」には気持ちがある、と見せる。
  • 品詞ごとに並べて形を確かめる「行ったのに」「高いのに」「静かなのに」「休みなのに」を縦に並べ、な形容詞と名詞だけ「だ」が「な」になることを色チョークで示す。第26課の「〜んです」と同じ形だ、と思い出させると早い。最後に「×休みだのに」を書いて消す。

板書案

___〔予想↑〕 のに、 ___〔結果↓〕 〔顔のマーク:残念・不満〕
勉強した/高い + のに  静か〔な〕のに  休み〔な〕のに (×休みだのに)
予約したのに、席がありませんでした。
日曜日なのに、会社へ行かなければなりません。
〔青〕〜ても:前は「もし」でもよい・後ろに意志○(雨が降っても、行きます) 〔赤〕〜のに:前は決まった事実・後ろに意志×(雨が降っているのに、弟は出かけました)
〔×〕のに、〜てください/〜ましょう

場面と発話(自作)

  • 友達が、新しく買った時計がすぐに止まってしまったと話している。まだ一週間しか使っていない。先週買ったのに、もう動かないんです。
  • 日曜日なのに、会社から電話があって、仕事に行くことになった。同じ寮の友達に話す。きょうは休みなのに、会社へ行かなければなりません。
  • クラスメートの部屋に初めて遊びに行った。駅から近くて広いのに、家賃が安いと聞いて驚く。こんなに広いのに、安いんですね。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

予想と結果を組にした絵カード(よく寝た→眠い、薬を飲んだ→治らない、日曜日→店が閉まっている、高いかばん→すぐ壊れた)で、「〜のに、〜」の言い換え(練習Bの型)を品詞を混ぜて10枚ほど。次に一人が「〜のに、〜んです」と不満を言い、もう一人が「それは大変ですね」「残念でしたね」と受けるやり取り(練習Cの型)にする。受ける側の言い方も板書に残しておく。

  1. 口頭予想と結果を左右に描いた絵カードで、キューを出す。「よく寝ました・眠いです」→全体で「よく寝たのに、眠いです」。「薬を飲みました・治りません」→「薬を飲んだのに、治りません」。「日曜日です・店が閉まっています」→「日曜日なのに、店が閉まっています」。「高いかばんです・すぐ壊れました」→「高いかばんなのに、すぐ壊れました」。残念な顔の表情もいっしょにまねさせ、気持ちを込めて言わせる。慣れたら左の絵だけを見せ、後ろを学習者に考えさせる。
  2. ペア一人が「困った人」で予想と結果のカードを引き、「〜のに、〜んです」と不満を言う。もう一人は「聞く人」で、カードを見ずに「どうしたんですか」と聞いてから、「それは大変ですね」「残念でしたね」で受け、最後に「〜たらどうですか」で一言すすめる。4枚ずつで交替する。聞く人のすすめが「〜のに」の後ろに入っていないか(すすめは別の文で言う)を互いに確かめさせる。
  3. 産出「ついてない一週間」スピーチ。この一週間に自分にあった「思ったとおりにならなかったこと」を三つ、「〜のに、〜」で書き、一人1分で話す。聞く人は一つ選んで「それは大変でしたね。どうして〜んですか」と質問する。教師は、な形容詞・名詞の「なのに」、後ろが事実になっているか(依頼や誘いが入っていないか)、前が事実として決まっていることになっているか(「もし」のことに使っていないか)を見て、スピーチのあとで一文ずつ言い直させる。

つまずきと手当て

  • な形容詞・名詞に「だ」を残す(×休みだのに、×静かだのに)。「〜んです」と同じく「〜な」になる、と第26課の板書の形に戻す
  • 後ろに意志・依頼・誘いを入れる(×雨が降っているのに、出かけましょう/×高いのに、買ってください)。後ろは起きた事実だけ。言いたいことが「それでもする」なら第25課の「〜ても」(雨が降っても、出かけます)に言い直させる
  • 前に、まだ決まっていない「もし」のことを入れる(×あした雨が降るのに、行きます)。雨が降るかどうかはわからないので「雨が降っても」で言う。また後ろの「行きます」は自分の意志なので、「のに」の後ろには来ない。「あしたテストなのに、弟は遊んでいます」のように、前が予定として決まっていることで、後ろが実際のようすなら「のに」が使える、と二つを並べた板書で選ばせる
  • 相手のしたことに使うと、責めているように強く聞こえる(たとえば先生に「説明したのに……」)。目上の人や本人の前では「〜んですが」などで、やわらかく言う方がいいことを伝える
  • 第42課の「〜のに使います/かかります」と混同する。目的の「のに」は後ろに「使います・便利です・かかります」が来る、逆接の「のに」は後ろが予想と違う結果、と後ろの語で見分けさせる

既習の文型との違い

  • 〈Vて形〉も、〜 / 〈いA(い)〉くても、〜 / 〈なA〉でも、〜 / Nでも、〜(第25課)「〜ても」は「もしそうなっても、それでも」で、前は起こるかどうかわからないことでもよく、後ろに意志(行きます・出かけましょう)を入れられます。「〜のに」は前が事実として決まっていること(もう起きたこと・いまのようす・決まった予定)で、後ろは実際の結果やようすになり、話す人の意志や依頼は入りません。学習者は *あした雨が降るのに、行きます のように混ぜるので、「前は本当のことか、もしのことか」「後ろは自分がすると決めることか」を先に聞いて選ばせます。
  • 〜は〈V辞書形〉のに/Nに〜(第42課)第42課の「のに」は「はさみは紙を切るのに使います」のように目的を言い、後ろに「使います・便利です・役に立ちます・かかります」が来ます。この課の「のに」は後ろに予想と違う結果が来て、気持ちが入ります。形が同じなので、「後ろの言葉を見る」と決めておくと見分けられます。
  • 〜が、〜(第8課)「が」も「けど」も前と後ろが反対の内容のときに使えますが、気持ちは入りません。「この店は高いですが、おいしいです」は説明、「この店は高いのに、おいしくないです」は不満です。また「が」は「〜ですが」のように丁寧形に付けられますが、「のに」は普通形に付けるのが基本です(「高いですのに」は、とても改まった話し方でしか聞きません)。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は、文型1の材料になる手続き・規則の語(キャンセルする・知らせる・領収書・保証書・中止 など)と、会話の大会の場面の語(係の人・コース・スタート・〜位 など)が中心です。手続きの語は、お知らせや注意書きの形の掲示の中で出すと、「〜場合は」の文型と一緒に覚えられます。「急に」「ちゃんと」のような副詞は、「〜のに」の不満の文(ちゃんと準備したのに、〜)の中で使わせ、単語だけで説明しません。

この課の練習で使う語(10語・意味・連語・例文)

  • 遅れます(おくれます) 決まった時間よりあとになります。 〜に遅れる・授業に〜・電車が〜
    電車が止まって、授業に間に合わないかもしれない。
    授業に遅れる場合は、学校に電話してください。
  • なくします(なくします) 持っていた物が、どこにあるかわからなくなります。 かぎを〜・財布を〜・本を〜
    図書館で借りた本が、家のどこにもない。
    図書館の本をなくした場合は、同じ本を買って返してください。
  • 連絡します(れんらくします) 電話やメールで、相手に知らせます。 先生に〜・電話で〜
    クラスの旅行の日に、具合が悪くなるかもしれない。
    行けない場合は、わたしに連絡してください。
  • 止まります(とまります) 動いていた電車や機械が、動かなくなります。 電車が〜・時計が〜
    雪の日、会社へ行く電車が動かない。
    電車が止まった場合は、バスで来てもいいです。
  • 中止(ちゅうし) 予定していたことを、やめることです。 〜になる・雨で〜
    あしたはクラスで公園へ行く。天気が心配だ。
    雨の場合は、中止です。
  • 熱(ねつ) 体が熱くなって、具合が悪いときの体の温度です。 〜がある・〜が高い
    テストの日に、かぜをひくかもしれない。
    熱がある場合は、テストの前に学校に連絡して、休んでください。
  • 壊れます(こわれます) 物がだめになって、使えなくなります。 かばんが〜・パソコンが〜
    先月買ったかばんが、もう使えない。
    高かったのに、すぐ壊れました。
  • 予約します(よやくします) 店やホテルなどに、前に連絡して席や部屋を取っておきます。 レストランを〜・ホテルを〜・電話で〜
    レストランに電話して7時に席を取ったが、店に行ったら名前がなかった。
    予約したのに、名前がありませんでした。
  • 準備します(じゅんびします) 何かをする前に、必要な物やことを用意します。 パーティーの〜・旅行の〜をする
    週末のパーティーの料理をたくさん作ったが、人があまり来なかった。
    たくさん準備したのに、5人しか来ませんでした。
  • 間に合います(まにあいます) 決まった時間までに、着いたり終わったりします。 電車に〜・時間に〜
    朝早く家を出たが、道が込んでいた。
    早く出たのに、間に合いませんでした。

会話の扱い

会話は、大会に参加する人が係の人から当日の説明を聞き、道をまちがえたときなど困った場合の対応を「〜場合は、どうしたらいいですか」でたずねる、という流れです。最初はCDか教師の読みで流れをつかませ、「何が起きたら、どうするのか」だけを聞いて表に書き込ませると、文型1の形が自然に耳に残ります。役割を替えて二回読んだら、場面を学校の遠足や会社の研修の説明会に置き換え、係の人役の学生が注意を説明し、参加者役の学生が「〜場合は」で質問する形で再現させます。会話の文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください。

宿題と次のコマ

宿題は問題の文法部分と、自分の学校か会社の「お知らせ」を一枚作ること(「〜場合は、〜てください」を三つ)。あわせて「〜のに」で、最近あった残念なことを二つ書く。次のコマの最初に、「場合は/たら/ても/のに」のどれが入るかを選ぶ短い確認(6問ほど)をしてから、作ったお知らせを読み合い、聞き手が「〜場合は、どうしたらいいですか」と質問する。第46課の「〜ところです」「〜たばかりです」につなぐ。

よくある質問

  • 第45課の「〜場合は」と第25課の「〜たら」の違いは何ですか?

    どちらも「もしそうなったら」を言えますが、「場合は」は少しかたく、お知らせ・規則・説明書のように起こるかもしれない状況とその対応を決めておく話で使います。友達との会話や、必ず起こることの順番(駅に着いたら、電話します)は「〜たら」です。授業では掲示の形の教材で「場合は」を出し、会話の場面では「〜たら」に戻すと、使い分けが自然に身につきます。

  • 「〜のに」と「〜ても」はどう教え分ければいいですか?

    「前は本当のことか、もしのことか」と「後ろは自分の意志か」の二つで分けます。前が起こるかどうかわからないことで、後ろに自分の意志を言うなら「〜ても」(雨が降っても、行きます)です。前が事実として決まっていること(いま降っている・もう勉強した・あしたテストがある)で、後ろが予想と違う実際の結果やようすなら「〜のに」(雨が降っているのに、弟は出かけました)です。「〜のに」の後ろには意志や依頼が来ないので、「〜ましょう」「〜てください」で終わる文は「〜のに」にできない、と板書に残しておきます。

  • 第42課の目的の「のに」と、第45課の「のに」を学習者が混同します。どう見せればいいですか?

    形は同じなので、後ろの言葉で見分けさせます。後ろが「使います・便利です・かかります」なら目的の「のに」、後ろが予想と違う結果で、話す人の気持ちが入っていれば逆接の「のに」です。二つの文を上下に並べて板書し、後ろの部分だけ色を変えると、学習者が自分で判断できるようになります。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は復習と文型1「〜場合は」の導入・練習まで、2コマ目は文型2「〜のに」と「〜ても」「目的ののに」との線引き、会話、練習Cと問題です。新しい活用形が出ない課なので、余った時間はお知らせ作りやスピーチのような産出の活動にあてられます。

  • 「〜のに」を使うと失礼になることはありますか?

    あります。「のに」は不満の気持ちがはっきり出るので、相手がしたことについて言うと、責めているように聞こえます。先生や上司に「説明したのに」「言ったのに」と言うのは避け、「〜んですが」などでやわらかく言う方がいいと、練習Cの段階で伝えておきます。自分のことや物・天気についての残念な気持ちから練習を始めると安全です。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

PRこの教科書

手引きで扱っている教科書。本文・例文は手元の教科書で確かめてください。