二つ以上の節からなる文が複文で、従属節は主節との結びつきの強さに階層がある。南不二男は、節の中に現れうる要素(主語・「は」・丁寧さ・モダリティ)を基準にA類・B類・C類の3段階に分けた。
A類は結びつきが最も強く、独自の主語や「は」を取りにくい(〜ながら、〜つつ)。B類は独自の主語(ガ格)を取れるが「は」やモダリティは現れにくい(〜とき、〜ば、〜たら、〜ので)。C類は独立性が高く、「は」も丁寧形もモダリティも現れうる(〜が、〜けれども、〜から、〜し)。
「〜ながら」の主語が主節と同じでなければならない理由や、「〜ますが」とは言えるのに「×〜ますながら」とは言えない理由が、この階層で説明できる。従属節のテンスが主節時基準になること(相対テンス)とあわせて出題される。
同時動作の「ながら」節には、主節と別の主語を立てられない。「×兄が音楽を聞きながら、私は勉強します」が不自然なのは、「ながら」がA類で主節と強く結びついているためである。別の主語を立てたいなら、「兄が音楽を聞いているとき、私は勉強します」のようにB類の形に変える。逆接の「ながら」(狭いながら快適だ)は同時動作とは働きが違うので、分けて考える。
「雨が降ったので、試合は中止になりました」の「ので」節には独自の主語「雨が」が入るが、「雨は降ったので」とはしにくい。一方、「雨は降ったが、試合は行われました」の「が」節には「は」が入る。従属節の種類によって中に入れられる要素が違うことを、作文の添削で示せる。学習者の文がなぜ不自然なのかを、節の種類と入っている要素の組み合わせで説明できるのが、この分類の実用的な利点である。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。