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みんなの日本語 初級Ⅱ 第40課「友達ができたかどうか、心配です」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅱ 第2版 本冊』 ・ 会話「友達ができたかどうか、心配です」

文の中に疑問文をはめこむ言い方を学ぶ課です。「だれが来ますか」「会議は何時からですか」のような疑問詞のある疑問文は「〜か」で、「間に合いますか」のような「はい・いいえ」で答える疑問文は「〜かどうか」で、「わかりません」「教えてください」「調べます」などの文の中に入れられるようになります。あわせて「〈Vて形〉みます」で、結果や様子を知るために実際にやってみることを言えるようになります。疑問詞があれば「か」、なければ「かどうか」と一本の線を引き、普通形の「だ」を落とすことを毎回口で確かめるのがこの課の芯です。分からないことを人に聞く・確かめる場面がそのまま練習になるので、教室の外の用事(店・役所・駅)を材料にします。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目3時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「何時に始まるか、わかりません」のように、疑問詞のある疑問文を普通形+「か」で文の中に入れて言える
  • 「間に合うかどうか、わかりません」のように、はい・いいえの疑問文を普通形+「かどうか」で文の中に入れて言える
  • な形容詞・名詞の「だ」を落とした形(必要か・休みかどうか)を使い、疑問詞の有無で「か」と「かどうか」を使い分けられる
  • 「着てみます」「食べてみてください」で、結果や様子を知るために実際にやってみることを言い、人にすすめられる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(復習とつなぎ)10分第21課の「〈普通形〉と思います」「〈普通形〉と言います」で、普通形を文の中に入れたことを思い出させる。普通形の四列(V・いA・なA・N)を板書に復活させ、「きょうは、疑問文を文の中に入れます」とだけ言う
文型1(疑問詞〜か、〜)40分教師が財布やかぎを探すふりをして「かぎはどこですか」→「かぎがどこにあるか、わかりません」。板書で疑問文の「ですか」を消して普通形+「か」にし、後ろに「わかりません/教えてください/調べます」を並べる。な形容詞・名詞の「だ」を消すところを赤で示す
文型2(〜かどうか、〜)30分「あしたは雨ですか」に「はい」とも「いいえ」とも答えられないことを見せて「あした雨かどうか、わかりません」。文型1の板書の横に並べ、疑問詞がある→か、ない→かどうか、と二列に分けて書く
文型1・2の使い分け20分疑問文カード(疑問詞あり・なしを混ぜる)を出し、学生に「か」か「かどうか」かを先に言わせてから文を作らせる。「〜か、教えてください」「〜かどうか、調べます」のように後ろの動詞も替えて回す
文型3(〈Vて形〉みます)35分知らない国のお菓子や新しいペンを出して「食べてみます」「書いてみます」。やってみる前と後の顔を見せ、結果を知るために実際にするのがポイントと示す。「〜てみてください」「〜てみたいです」まで広げる
会話20分子どもの学校での様子を親が先生にたずねる流れ。「〜かどうか、心配です」が芯なので、心配なことを「〜かどうか」で言う部分だけ、学生自身の心配(試験・天気・仕事)に置き換えて再現させる
練習C・問題25分練習Cは「店で聞く」「試してみる」「心配を話す」の三つの場面でやり取りを作る。問題は聞き取りを教室で、文法の部分は宿題に

学習項目 1 疑問詞〈V/いA/なA/N 普通形(なA・N 〜だ)〉か、〜

意味・はたらき文型 1

「だれ・何・どこ・いつ・いくら・どうして・どのくらい」などの疑問詞のある疑問文を、ほかの文の中に入れる言い方です。「会議は何時からですか」をそのまま人にたずねるのではなく、「会議が何時からか、わかりません」「何時からか、教えてください」のように、分からないこと・知りたいこと・調べることの中身として言います。入れる疑問文は普通形にし、最後の「ですか」「ますか」の代わりに「か」を付けます。な形容詞と名詞の現在肯定は「だ」を付けずに「か」に続けます(何が必要か・いつが休みか)。後ろには「わかりません」「知っていますか」「覚えていません」「教えてください」「調べます」「考えます」「確かめます」など、知る・考える・聞くことの動詞が来ることが多いです。

接続

疑問詞を含む普通形+か、〜(V: どこで買ったか/いA: どのくらい高いか/なA: 何が必要か(×必要だか)/N: 何曜日か(×何曜日だか)。過去の「だった」はそのまま: どこが静かだったか)

形
会議が何時に始まるか、わかりません駅までどのくらいかかるか、教えてくださいどこにかぎを置いたか、覚えていませんパスポートを作るとき、何が必要か、調べます(「必要だか」にしない)

導入

  • 教師が探し物をして見せる教師がかばんやポケットを何度も探し、困った顔で「かぎはどこですか。……わかりません」。そこで板書に「かぎはどこにありますか」と書き、「ありますか」を消して「あるか」に直し、「かぎがどこにあるか、わかりません」とつなぐ。「は」が「が」になることも同じ板書で示しておく(文の中に入れた疑問文では、主語を「が」で言うことが多い)。
  • 普通形の四列に「か」を足す第20課の普通形の四列(行く・高い・静かだ・休みだ)を書き、それぞれの前に疑問詞を置いて右に「か」を付ける。な形容詞・名詞の「だ」だけ赤で消し、「何が必要か」「いつが休みか」を全員で言う。下の段に過去(行ったか・高かったか・静かだったか・休みだったか)を書き、過去の「だった」は消さないことも見せる。

板書案

疑問詞 + 普通形 + か、わかりません/教えてください/調べます
かぎは どこに ありますか。 → かぎが どこに あるか、わかりません。
〔青〕「ありますか」を消す → 「あるか」
何が 必要ですか。 → 何が 必要か、教えてください。 〔赤〕「必要だか」の「だ」に×
(過去)どこが 静かだったか 〔赤〕「だった」は消さない
〔右の欄〕か の後ろ: わかりません・知っています・覚えています・教えてください・調べます

場面と発話(自作)

  • パスポートを作りたい。何を持っていくのか分からないので、市役所の窓口の人に聞く。すみません、パスポートを作りたいんですが、何が必要か、教えてください。
  • 同僚に、来週の忘年会の場所を聞かれた。まだ決まっていない。どこでするか、まだ わかりません。あとで 会社の人に 聞きます。
  • 友達と旅行の計画を立てている。新幹線の時間を調べる役になった。新幹線が何時に出発するか、調べておきます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

疑問詞の入った疑問文カード(「パーティーは何時からですか」「この荷物はいくらですか」「だれが来ますか」)を出し、「〜か、わかりません」に言い換える代入練習(練習Bの型)。後ろを「教えてください」「調べます」「覚えていません」に替えて二周目を回す。次にペアで、一人が駅・店・役所の係になり、もう一人が「〜か、教えてください」と聞くやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭教師が疑問文を言い、学習者が「〜か、わかりません」に言い換える。キューは「パーティーは何時からですか」「この荷物はいくらですか」「だれが来ますか」「駅はどこですか」のように疑問詞の入った文だけにする。全体で言ってから個人に当て、慣れたら教師が後ろの動詞カード(教えてください/調べます/覚えていません)を替えて二周目を回す。な形容詞・名詞のキュー(「何が必要ですか」「いつが休みですか」)は必ず混ぜ、「だ」を落とせたかを一人ずつ聞く。
  2. ペア情報差のある二枚のカードを使う。Aは店や駅の係で、営業時間・値段・出発の時刻が書いてあるカードを持ち、Bは空欄のメモを持つ。Bは「すみません、〜か、教えてください」と聞き、Aはカードを見て答える。カードに書いていない項目には、Aが「何時か、わかりません。調べておきます」と返す決まりにして、Aにも「〜か」を言わせる。三つ聞いたら役を替える。
  3. 産出「窓口で聞いてみよう」ロールプレイ。学習者が実際にある用事(郵便局で国に荷物を送る・駅で切符を買う・病院で予約する)を一つ選び、知りたいことを二つ以上「〜か、教えてください」で係役の教師やクラスメートに聞く。教師が見るのは、疑問詞が入っているか、丁寧形のまま入れていないか、な形容詞・名詞の「だ」を落としているか、の三点。終わったら、聞けなかったことを「〜か、あとで調べます」で一文言わせる。

つまずきと手当て

  • な形容詞・名詞に「だ」を残す(×何が必要だか、わかりません/×いつが休みだか、教えてください)。板書の赤い×の「だ」を指し、「か」の前に「だ」は来ない、と示す。話し言葉では「何が必要だか」「何曜日だか」と言う人もいるが、この課ではまず「だ」を落とした形を固める。過去の「だった」まで消す誤り(×どこが静かか、覚えていません → 静かだったか)も同じ板書で直す
  • 丁寧形のまま入れる(×何時に始まりますか、わかりません)。日本語では文の中の疑問文は普通形、と四列の板書に戻す。英語などの影響で「わかりません、何時に始まるか」と後ろに回す語順も、「か、」のあとに「わかりません」と書いた枠で直す
  • 後ろに「思います」を付ける(×会議が何時に始まるか、思います)。「か」の後ろには、わからない・知っている・教える・調べる・覚えているのような「知る・聞く」の動詞が来る、と板書の右側に並べた動詞から選ばせる

既習の文型との違い

  • 〈普通形〉と思います(推量)(第21課)「と思います」の前は自分の考えの中身で、答えは話し手の中で決まっています。「〜か、わかりません」の前は答えがまだ分からない疑問です。二つが混ざると「*会議が何時に始まるか、思います」のような誤りになるので、「と」の後ろは思う・言う、「か」の後ろは知る・聞く・調べる、と後ろの動詞で線を引きます。
  • 「文」/〈普通形〉と言います(第21課)「先生は3時に来ると言いました」は聞いた中身をそのまま伝える言い方で、「先生が何時に来るか、聞きました」は聞いたこと自体を言う言い方です。学習者は「先生は何時に来ると言いましたか」と「先生が何時に来るか、知っていますか」を同じに使いがちなので、前者は相手が聞いた言葉、後者は相手が知っているかどうかをたずねる、と場面で分けます。
  • 何か・どこか(第13課)第13課の「何か食べますか」「どこか行きますか」の「か」は疑問詞のすぐ後ろに付いて「何か一つ」「どこか一か所」の意味になり、文はまだ終わっていません。この課の「か」は普通形の文の最後に付きます。「どこかへ行きます」と「どこへ行くか、わかりません」を二行で並べ、「か」が疑問詞のすぐ後ろか、文の最後かを指で示すと混ざりにくくなります。
関連する文型

学習項目 2 〈V/いA/なA/N 普通形(なA・N 〜だ)〉かどうか、〜

意味・はたらき文型 2

疑問詞のない疑問文(「はい」か「いいえ」で答える疑問文)を、ほかの文の中に入れる言い方です。「あしたは晴れますか」を「あした晴れるかどうか、わかりません」のように言い、はい・いいえのどちらなのかが分からない、確かめたい、心配だ、という気持ちを表します。作り方は文型1と同じで、普通形にして「かどうか」を付け、な形容詞と名詞の現在肯定は「だ」を付けません(便利かどうか・本当かどうか)。疑問詞があるときは「か」、ないときは「かどうか」で、二つを混ぜて「×何時に来るかどうか」とは言いません。後ろには「わかりません」「確かめます」「聞いてみます」「心配です」などが来ます。

接続

普通形+かどうか、〜(V: 間に合うかどうか・来ないかどうか/いA: 寒いかどうか/なA: 便利かどうか(×便利だかどうか)/N: 本当かどうか(×本当だかどうか))。疑問詞のある文には付けない

形
あした晴れるかどうか、わかりませんこのくつのサイズが合うかどうか、はいてみますその話が本当かどうか、確かめてください(「本当だかどうか」にしない)子どもが学校で元気かどうか、心配です

導入

  • 「はい」と「いいえ」で答えられない学生に「あしたは雨ですか」と聞き、学生が困ったところで、教師が窓の外を見て首をかしげ「はい……? いいえ……? わかりません」。板書に「あした雨ですか」と書き、「ですか」を消して「あした雨かどうか、わかりません」に直す。はい・いいえの二つの絵(○と×)を「かどうか」の下に描いて、どちらか分からない、という意味を目で見せる。
  • 文型1の板書と二列に並べる左に文型1(何時に始まるか)、右に文型2(始まるかどうか)を書き、上に「疑問詞あり→か」「疑問詞なし→かどうか」と見出しを付ける。疑問文カードを一枚ずつ見せ、学生にまず「左ですか、右ですか」と言わせてから文を作らせると、混ぜる誤りが減る。

板書案

普通形 + かどうか、わかりません/確かめます/心配です
あした 雨ですか。 → あした 雨かどうか、わかりません。
〔左〕疑問詞あり → か  〔右〕疑問詞なし → かどうか
「かどうか」の下に 〔青〕○ と ×(どちらか わからない)
その 話は 本当ですか。 → 本当かどうか、確かめます。 〔赤〕「本当だかどうか」の「だ」に×

場面と発話(自作)

  • 電車が止まっていて、友達との約束の時間に着けるか分からない。友達に電話する。電車が止まっているので、約束の時間に間に合うかどうか、わかりません。
  • 店で気に入ったズボンを見つけた。長さが合うか分からないので、店の人に頼む。長さが合うかどうか、はいてみてもいいですか。
  • 国の家族が、日本に来たばかりの自分を心配しているらしい。日本人の友達にその話をする。母は、わたしが日本の食べ物を食べられるかどうか、心配しています。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

はい・いいえの疑問文カード(「この店でカードが使えますか」「この部屋は静かですか」「先生はあした来ますか」の型)を「〜かどうか、わかりません」に言い換える代入練習(練習Bの型)。次に文型1のカードを混ぜて、「か」か「かどうか」かを選ばせながら回す。最後にペアで、旅行・引っ越し・アルバイトの面接などの前に心配なことを「〜かどうか、心配です」で二つずつ言い合い、相手が「大丈夫ですよ」「〜てみてください」と答えるやり取り(練習Cの型)にする。

  1. 口頭はい・いいえで答える疑問文を教師が言い、学習者が「〜かどうか、わかりません」に言い換える。キューは「この店はカードが使えますか」「その映画はおもしろいですか」「部長はパーティーに来ますか」「あしたは休みですか」など。絵のキュー(傘と雲の絵→「あした雨かどうか」、時計と電車の絵→「間に合うかどうか」)も使う。慣れたら文型1の疑問詞のある文を混ぜ、文を作る前に「か」か「かどうか」かだけを先に言わせる。
  2. ペアAは旅行・引っ越し・アルバイトの面接の予定カードを一枚引き、その前に心配なことを「〜かどうか、心配です」で二つ言う。Bは「大丈夫ですよ」か「〜たほうがいいですよ」で答え、言えるペアには「〜かどうか、聞いてみたほうがいいですよ」のように文型3につながせる。カードを替えて役も替える。
  3. 産出「心配ごと相談」。学習者が自分の本当の心配(試験に合格できるかどうか・国の家族が元気かどうか・旅行の日に晴れるかどうか など)を二つ書いて発表し、クラスメートが一言ずつ答える。教師が見るのは、疑問詞のある文に「かどうか」を付けていないか、な形容詞・名詞の「だ」を落としているか、「心配です」「わかりません」の前で区切って言えているか。

つまずきと手当て

  • 疑問詞のある文に「かどうか」を付ける(×何時に来るかどうか、わかりません/×どこにあるかどうか)。二列の板書に戻り、「何・どこ・いつがあったら、かどうかは使わない」と見出しを指す
  • な形容詞・名詞の「だ」を残す(×便利だかどうか/×本当だかどうか)。文型1と同じ赤い×の「だ」で直す。い形容詞に「な」や「だ」を付ける誤り(×寒いだかどうか)も同じ板書で見せる
  • 「〜か〜ないか」と混ぜて形を崩す(×来るかどうか来ないか)。「来るか来ないか」という言い方もあるが、この課では「かどうか」一つで言えればよい、と一本にしぼる

既習の文型との違い

  • 疑問詞〈V/いA/なA/N 普通形(なA・N 〜だ)〉か、〜(第40課)作り方は同じで、違いは疑問詞の有無だけです。疑問詞があれば「か」、なければ「かどうか」で、「*何時に来るかどうか、わかりません」のように混ぜるのがいちばん多い誤りです。カードを見せたら、文を作る前に「疑問詞はありますか」と一言たずねる癖を付けます。
  • 〈普通形(なA・N 〜だ)〉かもしれません(第32課)「あした雨かもしれません」は、雨の可能性がある、と話し手が考えを言っています。「あした雨かどうか、わかりません」は、雨か雨ではないか、まだ何も言えない、という意味です。どちらも「だ」を落とす点は同じなので、二つを並べて「だ」の×をまとめて確かめると、形の誤りも一度に直せます。
関連する文型

学習項目 3 〈Vて形〉みます

意味・はたらき文型 3

結果や様子がまだ分からないことを、知るために実際にやってみることを表します。「この服を着てみます」は、似合うかどうか・サイズが合うかどうかを知るために着る、という意味です。「〜てみてください」で人にすすめ、「〜てみたいです」でまだしたことのないことへの興味を言えます。実際にその動作をするのが前提なので、「しようとしたができなかった」ことには使いにくい言い方です(「早く起きてみました」は、実際に早く起きたという意味になります)。また、毎日決まってすることには使いません。文型1・2の「〜か/〜かどうか」と組み合わせて、「合うかどうか、着てみます」のように使うことが多いです。

接続

Vて形+みます(着てみます・食べてみます・聞いてみます・してみます)。「〜てみてください」「〜てみたいです」「〜てみました」のように「みる」がふつうの動詞として活用する

形
このペン、ちょっと書いてみてもいいですか日本のおすしを食べてみたいですわからないので、駅の人に聞いてみますこの薬、一度飲んでみてください

導入

  • 知らないものを試してみせる教師が知らない国のお菓子(または見たことのない形のペン)を出し、学生に「おいしいですか」「書きやすいですか」と聞く。だれも分からないので、教師が「わかりません。……食べてみます」と言って実際に食べ、「あ、おいしいです」。やる前の「?」の顔とやった後の顔をはっきり分け、板書に「食べます」→「食べてみます」と書いて、「どうか知るために、します」と下に添える。
  • 「〜てみてください」「〜てみたいです」に広げる同じお菓子を学生に回して「食べてみてください」、書きやすいペンを渡して「書いてみてください」。次に富士山・温泉・着物の写真を見せて「〜たことがありますか」(第19課)と聞き、「いいえ」の学生に「〜てみたいです」と言わせる。経験の文型とつなぐと、まだしたことがない→してみたい、の流れが自然に作れる。

板書案

Vて + みます
食べます → 食べて → 食べてみます
〔青〕?の顔 → やってみる → !の顔(どうか わかる)
〜てみてください(すすめる) 〜てみたいです(まだ したことがない)
サイズが 合うかどうか、はいてみます。 〔赤〕かどうか + てみます
〔赤〕「みます」は ひらがなで

場面と発話(自作)

  • デパートで、気に入ったくつを見つけた。サイズが合うかどうか分からないので、店の人に言う。すみません、このくつ、はいてみてもいいですか。
  • 日本人の友達が、わたしの国の料理を食べたことがないと言う。とてもおいしいので、すすめる。おいしいですよ。一度 食べてみてください。
  • パソコンが動かなくなった。同僚に相談したら、もう一度つけてみたらと言われた。わかりました。一度 消して、もう一度 つけてみます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

動作の絵カード(着る・はく・食べる・飲む・使う・聞く)で「〜てみます」の言い換え(練習Bの型)をし、同じカードで「〜てみてください」「〜てみたいです」まで回す。次に、店で試着・試食を頼むやり取りと、友達に国の料理や日本の場所をすすめるやり取り(練習Cの型)をペアで作る。「〜かどうか、〜てみます」を一文で言えるように、最後にカードを二枚重ねて出す(サイズ/はく → 合うかどうか、はいてみます)。

  1. 口頭実物と絵カードをキューにする。くつ・服・お菓子・新しいペンの絵や実物を見せ、教師が「くつ、はきます」と言ったら学習者が「はいてみます」と返す。次に教師が学習者を指して「どうぞ」と言い、学習者どうしで「はいてみてください」と言わせる。最後に温泉・着物・富士山の写真で「行ったことがありますか」と聞き、「いいえ」の学習者に「行ってみたいです」と言わせる。て形の誤りはその場で第14課の表に戻して直す。
  2. ペア店の場面で、Aが客、Bが店員になる。Aは商品カード(くつ・ズボン・シャツ・ぼうし)を一枚引き、「すみません、これ、〜てみてもいいですか」と頼む。Bは「どうぞ」と答えてから「いかがですか」と聞き、Aは「ちょっと大きいです」「ちょうどいいです」と結果を言う。カードを二枚使ったら役を替え、慣れたら「サイズが合うかどうか、はいてみます」と文型2とつないで言わせる。
  3. 産出「おすすめ紹介」。学習者が自分の国の食べ物・場所、または日本で見つけて気に入った物を一つ選び、クラスに「一度〜てみてください」とすすめる。聞いた人は「〜てみたいです」か「〜たことがあります」で一言返す。最後に「日本でしてみたいこと」を三つ書いて読む。教師が見るのは、て形が正しいか、毎日する習慣を「〜てみます」で言っていないか、すすめる・自分でする・したい、の三つの形を使い分けているか。

つまずきと手当て

  • て形の誤り(×着ってみます、×行いてみます)。第14課のて形の歌や表に戻り、「みます」の前は必ずて形、と確かめる。「見ます」の漢字に引っぱられて「〜て見ます」と書く学生には、この「みます」はひらがなで書く、と板書で示す
  • 「しようとしたけれどできなかった」に使う(「朝早く起きてみましたが、起きられませんでした」は話が合わない)。「〜てみました」は実際にした、という意味になると、やった後の結果を言わせて確かめる。この課では「できなかった」ときは使わない、と場面で線を引く
  • 毎日決まってすることに使う(「毎朝コーヒーを飲んでみます」は不自然)。「〜てみます」は、結果が分からないことを一度試すとき、と「やる前の?の顔」の板書に戻す。人にすすめるときは「〜てみてください」、自分がするときは「〜てみます」と、主語も指で示して分ける

既習の文型との違い

  • 〈Vた形〉ことがあります(第19課)「食べたことがあります」は過去の経験があるかどうかを言い、「食べてみます」はこれから結果を知るために実際にすることを言います。経験がない→してみたい、の順につなぐと自然です。経験の有無を聞かれて「食べてみたことがあります」と答える学習者には、まず「食べたことがあります」で足りると示し、「〜てみた」は試したことを特に言いたいときの形だと分けておきます。
  • 〈Vて形〉ください(第14課)「このくつをはいてください」は相手に動作を頼む・指示する言い方で、「はいてみてください」は、合うかどうか・好きかどうかを知るために試すようにすすめる言い方です。店員が客に言うのは後者が自然です。学習者が「食べてください」ですすめたときは、「どうですか、一度食べてみてください」と言い換えて、試す気持ちが入ることを聞かせます。
  • 〈Vて形〉おきます(準備)(第30課)「〜ておきます」はあとで困らないように前もってすること、「〜てみます」は結果を知るために一度することです。「調べておきます」は準備、「調べてみます」は分かるかどうか試す、と同じ動詞で並べると違いが見えます。どちらもて形に付くので、形ではなく、するわけ(準備か、試すか)で選ばせます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語には、数える・はかる・確かめるなど「調べて分かる」ための動詞と、長さ・重さ・高さ・大きさのような量の名詞が多く、文型1・2の材料にそのまま使えます(「重さがどのくらいか、はかります」「サイズが合うかどうか、確かめます」)。動詞は「〜か、〜ます」の後ろに来る形で文ごと練習させ、量の名詞は「どのくらいですか」とセットで絵や実物(ひも・はかり)を使って入れます。

この課の練習で使う語(11語・意味・連語・例文)

  • 調べます(しらべます) 分からないことを、本やインターネットを見たり人に聞いたりして、分かるようにします。 時間を〜・道を〜・辞書で〜
    友達と旅行の計画を立てている。新幹線の時間が分からない。
    何時に出発するか、調べておきます。
  • 確かめます(たしかめます) そうかどうか、本当にそうなっているかを、見たり聞いたりしてはっきりさせます。 本当かどうか〜・時間を〜・もう一度〜
    会議の場所が変わったと聞いたが、本当か分からない。
    会議室が変わったかどうか、課長に確かめます。
  • はかります(はかります) 長さや重さ、高さがどのくらいかを、道具を使って数字で知ります。 重さを〜・長さを〜・熱を〜
    郵便局で国に荷物を送る。料金が重さで変わる。
    この荷物の重さがどのくらいか、はかってください。
  • 数えます(かぞえます) 一つ、二つ、と数を言って、いくつあるかを知ります。 人数を〜・お金を〜・一つずつ〜
    教室で、テストの紙が足りるか分からない。
    何枚あるか、数えてみます。
  • 合います(あいます) 服やくつの大きさが、体にちょうどいいです。 サイズが〜・くつが足に〜・ぴったり〜
    店で気に入ったくつを見つけた。
    サイズが合うかどうか、はいてみてもいいですか。
  • 間に合います(まにあいます) 決まった時間までに着いたり、終わったりします。 電車に〜・時間に〜・会議に〜
    道がとても込んでいる。タクシーの中で。
    9時の新幹線に間に合うかどうか、心配です。
  • 覚えています(おぼえています) 前に見たことや聞いたことを、今も忘れていません。 名前を〜・よく〜・まだ〜
    かぎがない。きのうどこに置いたか、思い出せない。
    どこにかぎを置いたか、覚えていません。
  • 必要(な)(ひつよう(な)) それがないと困る、なければいけない、ということです。 〜な書類・パスポートが〜・何が〜か
    市役所の窓口で、手続きに何を持っていくか聞く。
    何が必要か、教えてください。
  • 心配(な)(しんぱい(な)) 悪いことにならないか気になって、安心できません。 〜な顔・家族が〜する・〜しないでください
    国の家族と電話で話す。日本の生活が始まったばかり。
    母は、わたしが元気かどうか、心配しています。
  • 重さ(おもさ) 物がどのくらい重いか、ということです。「重い」から作ったことばです。 〜をはかる・荷物の〜
    空港で、スーツケースが重すぎないか心配だ。
    重さが20キロ以下かどうか、はかってみます。
  • 出発します(しゅっぱつします) ある場所から、ほかの場所へ向かって出ます。 駅を〜・朝早く〜・〜する時間
    友達とバス旅行に行く。集まる時間を決めたい。
    バスが何時に出発するか、知っていますか。

会話の扱い

会話は、日本の学校に通う子どもの親が担任の先生と話し、学校でうまくやれているか、友達ができたかを心配してたずねる、という流れです。題にもなっている「〜かどうか、心配です」が芯で、はい・いいえで答える心配を文の中に入れる言い方を、親の気持ちといっしょに聞かせます。最初はCDか教師の読みで流れをつかませ、親と先生の役を替えて二回読んだら、「〜かどうか、心配です」の部分を学生自身の心配(試験が難しいかどうか・新しい会社に慣れるかどうか・国の家族が元気かどうか)に置き換えて再現させます。先生の側の安心させる返し方(大丈夫ですよ・心配しなくてもいいですよ)は、意味を分解せずにかたまりで入れます。会話の文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください。

宿題と次のコマ

宿題は問題の文法部分と、「わたしが分からないこと・心配なこと」を五つ(「〜か、わかりません」二つ・「〜かどうか、心配です」二つ・「〜てみたいです」一つ)で書くこと。次のコマの最初に、疑問文カードを見せて「か」か「かどうか」かを言わせる速答テスト(10枚)をしてから宿題の文を発表させ、第41課のやりもらいの敬語につなぐ。「か/かどうか」の二列の板書は、あとの課で普通形を文の中に入れる文型が出るたびに使うので、写真に撮っておく。

よくある質問

  • 第40課の「〜か」と「〜かどうか」は、どう使い分けて教えればいいですか?

    文の中に入れる疑問文に疑問詞(何・どこ・いつ・だれ・いくら など)があれば「か」、なければ「かどうか」、と一本の線で教えます。板書を左右二列に分け、疑問文カードを見せたら、文を作る前に「疑問詞はありますか」と聞いて「か」か「かどうか」かだけを先に言わせると、「何時に来るかどうか」のように混ぜる誤りが減ります。

  • 「何が必要だか、わかりません」と「だ」を残す学生には、どう直せばいいですか?

    普通形の四列(V・いA・なA・N)を板書に出し、な形容詞と名詞の現在肯定の「だ」だけを赤で消して、「か」の前に「だ」は来ないと見せます。第32課の「かもしれません」も同じく「だ」を落とすので、二つを並べて確かめると定着しやすくなります。過去の「だった」は消さないことも同じ板書で示し、消しすぎの誤りを先に防ぎます。話し言葉で「必要だか」と言う人もいるので誤りとまでは言わず、この課では「だ」を落とした形を固めると伝えます。

  • 「〜てみます」と「〜てください」「〜たことがあります」は、どう区別させますか?

    「〜てみます」は、結果が分からないことを知るために一度実際にする、という意味です。「はいてください」は頼む・指示する、「はいてみてください」は合うかどうか試すようにすすめる、と同じ動詞で並べます。経験の「〜たことがあります」とは、「食べたことがない → 食べてみたい」の順につなぐと、違いが場面で分かります。

  • 第40課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目で復習と文型1・文型2の導入まで、2コマ目で「か/かどうか」の使い分け、文型3「〜てみます」、会話、練習Cと問題を扱います。普通形がまだ不安定なクラスでは、1コマ目の最初に普通形の言い換えを10分ほど足し、その分、問題を宿題に回します。

  • 第40課の板書は、どう組めばいいですか?

    黒板の左に文型1(疑問詞+普通形+か)、右に文型2(普通形+かどうか)を並べ、上に「疑問詞あり→か」「疑問詞なし→かどうか」の見出しを付けます。どちらの列でも、な形容詞・名詞の「だ」に赤で×を付け、右の端に「わかりません・教えてください・調べます」など後ろに来る動詞を並べます。文型3は下の段に「?の顔→やってみる→!の顔」と描き、「合うかどうか、はいてみます」で上の二列とつなぎます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

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