日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

みんなの日本語 初級Ⅰ 第20課「いっしょに行かない?」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅰ 第2版 本冊』 ・ 会話「いっしょに行かない?」

第19課まで丁寧体(です・ます)だけで進んできた学習者が、初めて普通体(友達や家族との話し方)に出会う課です。動詞・い形容詞・な形容詞・名詞のそれぞれに普通形があり、肯定・否定・過去・過去否定の4つの形を、すでに習った辞書形・ない形・た形を並べ直して作ります。新しく覚える形は動詞の「〜なかった」と、な形容詞・名詞の「だ」の列だけなので、「形はもう知っている。並べ直して、誰に使うかを決める」課だと考えると、学習者の負担も教師の説明も軽くなります。会話の題「いっしょに行かない?」は第6課の「いっしょに行きませんか」の普通体で、課の間ずっと丁寧体との対応を見せながら進めます。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目6時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 動詞・い形容詞・な形容詞・名詞の普通形(肯定・否定・過去・過去否定)を、丁寧形から作れる
  • 友達や家族との短いやり取り(誘う・聞く・答える)を普通体でできる。質問は「か」を付けずに文末を上げ、「うん/ううん」で答えられる
  • 相手によって丁寧体と普通体を使い分けることを知り、先生や店の人には丁寧体に戻せる
  • 「〜ている」「〜てもいい」「〜なければならない」など、習った後続句のある文も普通体にできる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(復習とつなぎ)15分第19課までの動詞の活用(ます形・て形・ない形・辞書形・た形)をフラッシュカードで速く回す。普通形はこの形の組み合わせなので、ここが滑らかでないと先に進めない。次に「先生と学生」「友達と友達」の絵を見せ、相手によって言い方が変わることを学習者の母語の例で気づかせる
活用(普通形の作り方)30分板書に「肯定・否定・過去・過去否定」の4列×「動詞・い形容詞・な形容詞・名詞」の4行の表を作り、丁寧形から普通形へ1マスずつ埋める。この表がこの課の地図になるので、消さずに残す
文型1(動詞)25分表の動詞の行だけを使って、質問と答え(「行く?」「うん、行く」「ううん、行かない」)を口頭で。「か」を使わず文末を上げる練習を、全員で声に出して
文型2〜4(い形容詞・な形容詞・名詞)35分同じ要領で1行ずつ。な形容詞と名詞は「だ」の扱い(質問では落とす・答えでも落としてよい・「ね」「よ」の前では付く)を丁寧に。い形容詞に「だ」が付かないことを対比で見せる
会話25分CD を聞いて「友達どうし」の会話だと当てさせる。教師が丁寧体に直した文を板書し、教科書の普通体と見比べて違う所に線を引かせる。誘い「〜ない?」と「うん/ううん」の応答をロールプレイ
文型5(後続句)と練習C35分「〜ている」「〜てもいい」「〜なければならない」「〜ことができる」「〜たい」を、最後の部分だけ普通形にする練習。練習Cの場面(誘う・都合を聞く・断る)をペアで普通体で演じる
問題・まとめ15分聞き取り(丁寧体か普通体か・誰と誰の会話か)と変換問題。最後に4×4の表を自分のノートに書かせ、第21課の「〜と思います」で普通形が文の中に入ることを予告する

学習項目 1 普通形の作り方(動詞・い形容詞・な形容詞・名詞)

意味・はたらき活用

普通形は、「です・ます」を使わない文の終わりの形です。動詞は辞書形・ない形・た形・「ない形の い→かった」の4つ、い形容詞は「〜い/〜くない/〜かった/〜くなかった」、な形容詞と名詞は「〜だ/〜じゃない/〜だった/〜じゃなかった」です。動詞の4つのうち辞書形(第18課)・ない形(第17課)・た形(第19課)はすでに習っているので、新しく覚えるのは動詞の「〜なかった」と、な形容詞・名詞の「だ」の列だけです。この課では文末に使う「普通体」として学びますが、第21課からは文の中(「〜と思います」)にも入るので、表を見ないで作れるところまで仕上げておきます。

接続

ます形から作る: Vます→辞書形/Vません→ない形/Vました→た形/Vませんでした→ない形の「い」を「かった」に。いAです→いA/いAくないです→いAくない/いAかったです→いAかった/いAくなかったです→いAくなかった。なA・Nです→だ/じゃありません→じゃない/でした→だった/じゃありませんでした→じゃなかった

形
動詞: 行く/行かない/行った/行かなかったい形容詞: 寒い/寒くない/寒かった/寒くなかったな形容詞: 暇だ/暇じゃない/暇だった/暇じゃなかった名詞: 休みだ/休みじゃない/休みだった/休みじゃなかった

導入

  • 丁寧形の表を普通形の表に書き換える黒板に「肯定・否定・過去・過去否定」の4列を引き、まず動詞「行きます」の丁寧形4つを横に並べる。その下に「友達に言うときは?」と聞いて、「行く」「行かない」「行った」は学生に言わせて埋める。残る「行かなかった」だけ教師が出し、「ない形の い が かった になる」と枠で囲む。い形容詞の行は「寒いです」から「です」を取るだけなので、学生に全部埋めさせる。
  • な形容詞と名詞は「だ」の列を色を変えて「暇です」「休みです」の2行は、「です」が「だ」になることを赤で書く。「じゃありません→じゃない」「でした→だった」「じゃありませんでした→じゃなかった」も同じ色で。2行を並べて、な形容詞と名詞がまったく同じ変化をすることを確かめる。表はこの課の間ずっと黒板の端に残す。

板書案

    肯定 / 否定 / 過去 / 過去否定
V   行く / 行かない / 行った / 行かなかった
いA  寒い / 寒くない / 寒かった / 寒くなかった
なA  暇〔赤〕だ / 暇じゃない / 暇〔赤〕だった / 暇じゃなかった
N   休み〔赤〕だ / 休みじゃない / 休み〔赤〕だった / 休みじゃなかった
〔青〕行かない → い を かった に → 行かなかった (いA の「寒くない→寒くなかった」と同じ矢印)

場面と発話(自作)

  • 友達と、きのうの天気の話。寒かったかどうか聞かれて答える。きのうは寒かった。でも、きょうは寒くない。
  • ルームメイトに、あしたの予定を聞かれた。学校が休みかどうかを言う。あしたは休みじゃない。学校へ行く。
  • 先週の日曜日、友達と会う約束だったが、雨で出かけなかった。別の友達に話す。日曜日は雨だった。だから、どこも行かなかった。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

ます形をキューにして普通形を即答させる(「食べます→食べる」「食べませんでした→食べなかった」)。動詞→い形容詞→な形容詞→名詞の順で回し、最後は4種類を混ぜる。表を見ないで言えるまで、1人ずつ速く当てる。

  1. 口頭教師が丁寧形をキューに出し、全体→個人で普通形を言わせる。キューの例は「食べます」「飲みませんでした」「暑かったです」「元気じゃありません」「雨でした」。最初は動詞の行だけ、次にい形容詞、な形容詞と名詞の順に足し、最後は4行を混ぜて速く回す。黒板の表を指で指してから言わせ、慣れたら表を半分隠す。
  2. ペア一人が丁寧形を書いたカード(動詞・形容詞・名詞の混ぜ札20枚)を引いて読み、もう一人が普通形で言い返す。言い返した側は、肯定なら否定、現在なら過去と、もう一つ別の形も言う。10枚ごとに役を替え、間違えたカードは脇に積んでおき、最後に二人で表を見て確かめる。
  3. 産出「普通形ビンゴ」。4×4のマスに、教師が言う丁寧形を普通形に直して書き入れ、教師が読み上げる普通形と合えば丸を付ける。教師が見るのは、な形容詞・名詞の否定に「だ」が残っていないか、動詞の過去否定が「〜なかった」になっているか、「いい」が「よくない・よかった」になっているか。終わったら自分のビンゴの紙から3つ選び、その語で短い文を言う。

つまずきと手当て

  • い形容詞「いい」を「いかった」「いくない」にする。「よかった」「よくない」は第8課・第12課で出た形をそのまま使うと確かめる
  • な形容詞・名詞の否定に「だ」を残して「暇だじゃない」と言う。「じゃない」「じゃなかった」の前には「だ」が無いことを、表の列で見せる
  • 動詞の過去否定を「行かないでした」「行きませんかった」と作る。ない形を い形容詞と同じように「〜かった」にする、と対応づけて直す
  • Ⅱグループの「見ます→見る」「食べます→食べる」を、Ⅰグループの作り方で間違える。辞書形の復習(第18課)を先に短く入れる

既習の文型との違い

  • 〈いA(い)〉かったです 〈いA(い)〉くなかったです(第12課)い形容詞の丁寧形の過去は、もともと普通形に「です」を付けた形なので、普通形は「です」を取るだけで作れます。動詞は「ました」の形なので、同じやり方では作れません。学習者が な形容詞にも い形容詞の規則を当てて「*暇かった」「*きれいくなかった」と言うので、表の行を分けて見せます。
  • 〈Vない形〉ないでください(第17課)ない形は第17課で「〜ないでください」の材料として習いましたが、この課ではそれ自体が普通形の否定になります。過去否定は「ない」の「い」を「かった」にするだけで、い形容詞の「〜くない→〜くなかった」と同じ変化です。「*行かないでした」と丁寧形の名残を付ける誤りは、この対応を見せると減ります。
関連する文型

学習項目 2 動詞普通形、動詞文普通体

意味・はたらき文型 1

動詞の普通形を文の終わりに使う文が、動詞文の普通体です。家族・友達・親しい同僚など距離の近い相手に使い、先生や初めて会う人、店や会社の客には丁寧体を使います。質問は「か」を付けず、文末を上げて言います。答えは「はい/いいえ」ではなく「うん/ううん」です。誘うときの「〜ませんか」は「〜ない?」になり、これが会話の題です。

接続

文末を V普通形(辞書形/ない形/た形/なかった形)にする。質問は V普通形+上昇イントネーション(「か」は付けない)

形
V辞書形? ── うん、V辞書形/ううん、Vない形Vた形? ── うん、Vた形/ううん、Vなかった形いっしょに Vない形?(誘い) ── うん、いいね/ううん、〜から

導入

  • 教師が二人の役を演じ分ける絵カードで「先生と学生」「友達と友達」の2場面を見せる。同じ「週末、映画を見ますか」を、先生役には丁寧体、友達役には「週末、映画 見る?」と声の調子も変えて言う。学生に「どっちが友達?」と聞き、「か」が無いこと、文末が上がることに気づかせる。板書は「V ますか? → V る?↗」「はい/いいえ → うん/ううん」。
  • 「〜ませんか」から「〜ない?」へ第6課の「いっしょに行きませんか」を黒板に書き、下に「いっしょに行かない?」を並べる。答えの「ええ、いいですね」が「うん、いいね」になることも横に書く。会話の題がそのままこの形なので、ここで会話の最初の一言を予告しておく。

板書案

V ますか? → V る?↗ (「か」は付けない)
はい/いいえ → うん/ううん
あした、学校へ行く?↗ ── うん、行く。/ううん、行かない。
いっしょに 行きませんか → いっしょに 行かない?↗
〔赤〕友達・家族 → 普通体 〔青〕先生・店の人・初めての人 → 丁寧体

場面と発話(自作)

  • 寮で、ルームメイトに今晩の予定を聞く。今晩、何か食べに行く?
  • 友達にゲームに誘われたが、あした試験があるので断る。ううん、きょうはしない。あした、試験があるから。
  • クラスの友達と、先週の週末の話をする。日曜日、どこか行った? ── ううん、どこも行かなかった。うちで宿題をした。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

動詞の絵カード(食べる・飲む・見る・読む・買う・行く・帰る)を1枚ずつ見せ、教師が「〜ますか」で聞いたものを学生が「〜る?」に変換し、隣の学生が「うん/ううん」で答える(練習Bの型)。次にペアで、週末の予定を「〜ない?」で誘い、受ける・断るのやり取り(練習Cの型)。断るときは「〜から」を付けさせる。

  1. 口頭動詞の絵カードと時の語をキューにする。「食べる・晩ごはん」「見る・きのう・映画」「行く・あした・図書館」のように出し、学生は「晩ごはん、食べる?」「きのう、映画見た?」と文末を上げて質問の形で言う。全体で言ったあと、教師が「うん」「ううん」の札を上げ、指名した学生にその向きで答えさせる。文末の上がり方は手で上向きの矢印を描いて見せる。
  2. ペア二人に「予定カード」を1枚ずつ配る。カードには週末の予定(土曜日の午前・午後、日曜日)が絵で描いてあり、相手には見せない。一人が「土曜日の午後、何する?」「日曜日、どこか行く?」と普通体で聞き、もう一人がカードを見て答える。聞いた側は相手の予定を自分の紙に書き取り、最後にカードを見せ合って合っているか確かめる。役を替えてもう一回。
  3. 産出「週末おさそいチャレンジ」。学生は自分で行きたい所と日時を一つ決め、教室を歩いて3人に「〜、いっしょに行かない?」と誘う。誘われた側は自分の本当の予定で受けるか、「ううん、〜から」と理由を付けて断る。教師が見るのは、質問に「か」が付いていないか、答えが「はい/いいえ」になっていないか、途中で「〜ます」に戻っていないか。最後に、誰と行くことになったかを教師に丁寧体で報告させ、相手によって文体を戻せるかを確かめる。

つまずきと手当て

  • 質問に「か」を付けて「行くか?」と言う。男性的でぞんざいな言い方になることを伝え、文末を上げる練習を声に出して何度も
  • 答えに「はい/いいえ」を使う(「はい、行く」)。「うん/ううん」とセットで覚えさせ、「ううん」は首を横に振る動作と一緒に
  • 先生やアルバイト先の店長にも普通体で話してしまう。「誰に」を毎回確かめ、教室では教師に対しては丁寧体で話す約束にする

既習の文型との違い

  • Vませんか(第6課)「いっしょに行きませんか」の普通体が「いっしょに行かない?」で、形は否定の質問のままです。誘いを受けるときは「うん、行く」「うん、いいね」と答え、断るときは「ううん、行かない」「ごめん、ちょっと……」と答えます。学習者は「ない」に引かれて答えの向きを取り違えるので、受ける答えと断る答えを2つ並べて板書します。
  • 何をしますか(第6課)疑問詞の質問も「か」を取って「何する?」「どこ行く?」になり、会話では「を」「へ」も落ちやすくなります。疑問詞のある質問は「うん/ううん」では答えられないことは丁寧体と同じです。「何する?」に「うん、する」と答える学習者がいたら、疑問詞の質問か、はい・いいえの質問かを最初に見分けさせます。
関連する文型

学習項目 3 い形容詞普通形、い形容詞文普通体

意味・はたらき文型 2

い形容詞の普通形は、丁寧形から「です」を取った形です。肯定「寒い」、否定「寒くない」、過去「寒かった」、過去否定「寒くなかった」。文の終わりにそのまま使えば普通体の文になります。質問は動詞と同じく「か」を付けず、文末を上げます。4つの形のうち新しい形は一つもなく、「です」を落とすだけなので、学習者がいちばん楽に入れる文型です。終助詞「ね」「よ」はそのまま付きます。

接続

いA普通形(〜い/〜くない/〜かった/〜くなかった)を文末に置く。「です」も「だ」も付けない

形
いAい? ── うん、いAい/ううん、いAくないいAかった? ── うん、いAかった/ううん、いAくなかったいAい+ね/よ(「寒いね」「おいしいよ」)

導入

  • きょうの天気から窓の外を指して「きょうは寒いですね」と言ってから、隣の学生に向き直って「寒いね」と言う。学生に「同じ?違う?」と聞き、「です」が落ちたことに気づかせる。板書は「寒いです → 寒い」「寒くないです → 寒くない」を上下に並べ、「ね」「よ」がそのまま付くことを矢印で示す。
  • きのうのことを聞く教師が学生に「きのうの晩ごはん、おいしかった?」と普通体で聞き、「うん、おいしかった」「ううん、おいしくなかった」の2つの答えを板書する。質問の形は丁寧形の質問の横に並べ、「ですか」が消えて声が上がる、とまとめる。

板書案

寒いです → 寒い  〔赤〕です を とる だけ
寒い?↗ ── うん、寒い。/ううん、寒くない。
きのう、楽しかった?↗ ── うん、楽しかった。
おいしい + ね/よ (〔赤〕× おいしいだ)
いい → よくない/よかった/よくなかった 〔青〕丸で囲む

場面と発話(自作)

  • 友達といっしょに新しいラーメン屋に来た。一口食べて感想を言う。これ、おいしいね。でも、ちょっと高い。
  • きのうの試験について、クラスの友達に聞く。きのうの試験、難しかった? ── ううん、あまり難しくなかった。
  • 寮の友達に、自分の部屋のことを話す。わたしの部屋、広くない。でも、明るいよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

い形容詞の絵カード(暑い・寒い・おいしい・高い・安い・忙しい・楽しい・おもしろい)で、「〜ですか」→「〜い?」、「〜かったですか」→「〜かった?」に変換(練習Bの型)。次にペアで「きのう」「先週」をテーマに「〜かった?」で聞き合い、「うん/ううん」のあとに一言足す(練習Cの型)。

  1. 口頭い形容詞の絵カードと名詞をキューにする。「この部屋・暑い」「きのうの試験・難しい(過去)」「あの店・安い(否定)」を出し、学生が「この部屋、暑い」「きのうの試験、難しかった」「あの店、安くない」と言う。次に教師が質問の形で聞き、学生が「うん/ううん」で答える。「いい」のカードは必ず混ぜ、過去と否定を言わせる。
  2. ペア二人で「きのう・先週・週末」のカードを1枚引き、その時のことを「〜、楽しかった?」「〜、忙しかった?」と聞き合う。答える側は「うん/ううん」のあとに必ずもう一文足す(「ううん、忙しくなかった。うちで本を読んだ」)。3往復したら役を替える。聞く側は相手の答えをメモし、終わったら一つだけ教師に報告する。
  3. 産出「友達に感想トーク」。食べ物・町・映画などの写真を1枚選び、友達に話すつもりで、い形容詞を3つ以上使って感想を言う(「この店のラーメン、おいしいよ。でも、ちょっと高い」)。聞く側は「〜かった?」で一つ質問する。教師が見るのは、「だ」が付いていないか、否定が「〜くない」になっているか、「よ」「ね」が自然に付いているか。

つまずきと手当て

  • 普通体なのに「寒いだ」「おいしいだ」と「だ」を付ける(な形容詞・名詞との混同)。い形容詞には「だ」が付かないことを、文型3と対比して板書に残す
  • 「いい」の過去を「いかった」にする。「よかった」「よくなかった」だけは別に覚えると確かめる
  • 否定を「寒いじゃない」にする。い形容詞の否定は「〜くない」(第8課)で、「じゃない」は名詞・な形容詞用と分ける

既習の文型との違い

  • Nは〈いA(〜い)〉くないです(第8課)第8課の否定「寒くないです」から「です」を取れば普通形の否定になり、形は新しくありません。違うのは、丁寧形では「です」で終わっていた文が、普通体では い形容詞で言い切って終わる点です。な形容詞と混ぜて「*寒いじゃない」「*寒いだ」と言う誤りは、この課の な形容詞の行と並べて直します。
  • 〈いA(〜い)〉くなります(第19課)直前の課の「寒くなります」も、普通体では「寒くなる」「寒くなった」と、最後の「なる」だけ動詞の普通形にします。「寒くなった?」のように い形容詞の形と動詞の形が一つの文に並ぶので、どこが動詞かを指で押さえさせます。「*寒いなった」と形を取り違える誤りがあれば、第19課の作り方に戻ります。
関連する文型

学習項目 4 な形容詞、な形容詞文

意味・はたらき文型 3

な形容詞の普通形は、「です」を「だ」に替えた形です。肯定「暇だ」、否定「暇じゃない」、過去「暇だった」、過去否定「暇じゃなかった」。「だ」は文を言い切る形ですが、質問では落として「暇?」と上げて言い、答えでも「うん、暇」のように落とすことが多いです(「暇だ」と言い切ると強く聞こえます)。「ね」「よ」を付けるときは「暇だね」「暇だよ」と「だ」が付きます。名詞とまったく同じ変化なので、文型4と組にして教えます。

接続

なA+だ/じゃない/だった/じゃなかった。質問は「だ」を取って上昇イントネーション

形
なA? ── うん、なA(だ)/ううん、なAじゃないなAだった? ── うん、なAだった/ううん、なAじゃなかったなAだ+ね/よ(「静かだね」「便利だよ」)

導入

  • 動作で「元気?」教室に入って一人の学生に「元気ですか」と聞き、次の学生には手を上げて「元気?」と聞く。「うん、元気」と答えさせ、丁寧形の答え「元気です」の横に書く。ここではまだ「だ」を出さない。次に「きのうは暇だった?」と聞いて「暇だった」「暇じゃなかった」を板書し、ここで初めて「です→だ」の変化として4つの形を表にする。
  • 「だ」の扱いを板書の( )で表の肯定の欄に「暇(だ)」と書き、「だ」を( )に入れる。「質問では言わない」「答えでは言わなくてもいい。言うと強い感じ」「ね・よ の前では言う」の3点を短く横に書く。女性の話し手は「だ」を落とすことが多い、という程度にとどめ、男女差の説明にはここでは深入りしない。

板書案

暇です → 暇(〔赤〕だ)
暇?↗ ── うん、暇。/ううん、暇じゃない。
〔赤〕だ:質問では言わない/答えでは言わなくてもいい/ね・よ の前では言う
静かだね。 便利だよ。
静かな町(〔青〕名詞の前は な) ⇔ 町は静かだ(文の終わりは だ)

場面と発話(自作)

  • 友達に、新しいアルバイトの店について聞かれた。店はきれいだよ。でも、週末はとてもにぎやかだよ。
  • 週末の予定を聞かれて、暇かどうか答える。土曜日は暇じゃない。日曜日は暇だよ。
  • 先週行った図書館について、クラスの友達と話す。あの図書館、静かだった? ── うん、静かだった。でも、ちょっと不便だった。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

な形容詞の絵カード(静か・にぎやか・便利・暇・元気・親切・有名・きれい)で、丁寧形の文を普通形に変える(練習Bの型)。「ね」「よ」を付けた形も混ぜて「だ」が戻ることを確かめる。次にペアで、自分の国の町や学校の近くの店について「〜?」「うん、〜だよ」と話す(練習Cの型)。

  1. 口頭な形容詞の絵カードと場所・人の名詞をキューにする。「この図書館・静か」「駅の近く・便利(否定)」「きのう・暇(過去)」を出し、学生が「この図書館、静かだね」「駅の近く、便利じゃない」「きのう、暇だった」と言う。質問の形にするときは「だ」を落とすことを、教師が( )の板書を指して毎回確かめる。最後に い形容詞のカードを混ぜて、「だ」が付く語と付かない語を選り分けさせる。
  2. ペア二人に「町カード」を1枚ずつ配る。カードには町の様子(静か・にぎやか・便利・きれい・有名なお寺がある など)が印で書いてあり、相手には見せない。一人が「その町、静か?」「便利?」と聞き、もう一人がカードを見て「うん、静かだよ」「ううん、便利じゃない」と答える。聞いた側は4つ聞いたら相手の町の様子を一文でまとめて言う。
  3. 産出「わたしの町しょうかいチャット」。自分の国の町か、いま住んでいる町について、友達に話すつもりで、な形容詞2つと い形容詞1つを使って3文話す。聞く側は普通体で一つ質問する。教師が見るのは、質問に「だ」が付いていないか、否定で「だ」が残っていないか、「きれい」「有名」を い形容詞の形にしていないか、名詞の前の「な」と文の終わりの「だ」を取り違えていないか。

つまずきと手当て

  • 「きれい」「有名」「嫌い」を い形容詞と思って「きれいくない」「有名い」と活用する。な形容詞の代表語として、この3語を表の横に書いておく
  • 質問で「だ」を付けて「暇だ?」と聞く。「だ」は質問では落とす、とルールにしてしまい、上昇イントネーションで練習する
  • 否定で「暇だじゃない」と「だ」を残す。「じゃない」「じゃなかった」の前は語幹だけ、と表の列で見せる

既習の文型との違い

  • Nは〈なA〉です/Nは〈なA〉じゃありません(第8課)第8課の「静かです」「静かじゃありません」の「です」「ありません」の部分が、普通形では「だ」「ない」になります。い形容詞と違って、丁寧形から「です」を取るだけでは言い切りの形にならない点が新しいところです。学習者は「静か。」で止めるか、すべてに「だ」を付けて「*静かだじゃない」と言うので、列ごとに見せます。
  • 〜は〈なA〉なNです(第8課)名詞の前では「静かな町」と「な」が付き、文の終わりでは「町は静かだ」と「だ」になります。普通形を覚えた直後は「*静かだ町」「*町は静かな。」の取り違えが出やすくなります。名詞が後ろにあるかどうかで「な」と「だ」が決まる、と板書の矢印で示します。
関連する文型

学習項目 5 名詞普通形、名詞文普通体

意味・はたらき文型 4

名詞文の普通形は、な形容詞とまったく同じ変化です。「学生だ/学生じゃない/学生だった/学生じゃなかった」。質問は「学生?」と上げて言い、「だ」は付けません。答えも「うん、学生」のように「だ」を落とすことが多く、「ね」「よ」を付けるときは「学生だよ」と「だ」が戻ります。第1課の「わたしは学生です」から始まった名詞文を、友達との会話の形に移す文型です。会話では主題の「は」も落として「あの人、学生?」のように言うことが多いです。

接続

N+だ/じゃない/だった/じゃなかった。質問は N+上昇イントネーション(「だ」なし)

形
N? ── うん、N(だ)/ううん、NじゃないNだった? ── うん、Nだった/ううん、NじゃなかったNだ+ね/よ(「学生だよ」「雨だね」)

導入

  • 持ち物を指して「それ、何?」学生の机の上の物を指して「それは何ですか」と聞いたあと、隣の学生に「それ、何?」と聞く。「辞書」「辞書だよ」と答えさせ、「です」が「だ」になるか、何も付かないかを板書する。「それは辞書ですか → それ、辞書?」のように助詞「は」も落ちやすいことを、同じ板書で見せる。
  • 名前・国・仕事を友達どうしで第1課の自己紹介(名前・国・会社/学校)を、友達と話す形に直す。「学生ですか → 学生?」「会社員でした → 会社員だった」を、な形容詞の表の下に同じ色で書き足し、2つの行が同じ変化であることを確かめる。

板書案

学生です → 学生(〔赤〕だ)
あの人、学生?↗ ── うん、学生。/ううん、学生じゃない。
きのう、休みだった?↗ ── ううん、仕事だった。
学生だよ。 雨だね。
〔青〕N の行 = なA の行(名詞の前だけ違う: 静かな町/日本の町)

場面と発話(自作)

  • 寮の食堂で、初めて見る学生について友達に聞く。あの人、新しい学生? ── うん。インドネシア人だよ。
  • 友達が持っているかばんについて話す。そのかばん、日本のかばん? ── ううん、日本のじゃない。中国のだよ。
  • きのうの休みについて、クラスの友達と話す。きのう、休みだった? ── ううん、休みじゃなかった。仕事だった。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

名詞カード(学生・会社員・医者・日本人・休み・雨・試験・誕生日)で、「〜ですか」→「〜?」、「〜でした」→「〜だった」に変換(練習Bの型)。次に、絵の人物について「学生?」「何人?」「仕事は?」と友達どうしで聞き合う(練習Cの型)。助詞「は」を落とした「あの人、学生?」の形も認める。

  1. 口頭人物の絵カード(学生・会社員・医者・先生)と日付のカード(きのう・あした・日曜日)をキューにする。「この人・医者」「きのう・休み(過去)」「あした・試験(否定)」を出し、学生が「この人、医者だよ」「きのう、休みだった」「あした、試験じゃない」と言う。続けて教師が「あの人、学生?」と質問の形で聞き、学生が答える。「は」を落とした言い方も、ここで耳に入れておく。
  2. ペア二人で「だれでしょう?」の人物カードを1枚ずつ持つ(国・仕事・年齢などが書いてある)。一人が「その人、学生?」「日本人?」「先生だった?」と普通体で聞き、もう一人は「うん/ううん」だけで答える。5つ以内の質問で、机に並べた人物の絵の中から相手のカードの人を当てる。当てたら役を替える。
  3. 産出「友達しょうかいメモ」。クラスの友達一人について、ほかの友達に紹介するつもりで、名詞の普通体を使って3文書いてから言う(「この人は〜さん。〜人だよ。去年は会社員だった」)。教師が見るのは、質問や答えに余計な「だ」が付いていないか、「ではない」と書き言葉の形になっていないか、紹介の途中で「です」に戻っていないか。言い終わったら、紹介された本人が「うん、そう」「ううん、〜じゃない」で答える。

つまずきと手当て

  • 「学生だ?」と質問に「だ」を付ける。文型3と同じく、質問では「だ」を落とす、で統一する
  • 「です」を取っただけの「学生。」で言い切り、「だ」を一度も使わない。「ね」「よ」を付けた形(「学生だよ」)で「だ」が要る場面を作る
  • 「じゃない」を「ではない」と書き言葉の形で言う(母語の教科書の影響)。会話では「じゃない」、書くときは「ではない」もある、と分けておく

既習の文型との違い

  • 〈なA〉/Nでした 〈なA〉/Nじゃありませんでした(第12課)第12課の「休みでした」「休みじゃありませんでした」が、普通形では「休みだった」「休みじゃなかった」になります。「でした→だった」の対応は な形容詞と同じなので、表の2行を並べて一度に確かめます。学習者が い形容詞の過去に引かれて「*休みかった」と言うことがあり、名詞の行には「かった」が無いことを見せます。
  • な形容詞、な形容詞文(第20課)名詞と な形容詞は、文の終わりの変化がまったく同じです。違うのは名詞の前に来るときで、な形容詞は「静かな町」、名詞は「日本の町」と「の」が付きます。普通形を覚えたあとに「*日本な町」「*静かの町」と混ぜる誤りが出るので、この違いだけは並べて見せます。
関連する文型

学習項目 6 後続句を用いた文の普通体

意味・はたらき文型 5

「〜ています」「〜てもいいです」「〜なければなりません」「〜ことができます」「〜たいです」のように、動詞のあとに続く句(後続句)を持つ文も、最後の「です・ます」の部分を普通形にすれば普通体になります。「〜ています→〜ている」「〜てもいいです→〜てもいい」「〜なければなりません→〜なければならない」「〜ことができます→〜ことができる」「〜たいです→〜たい」のように、最後の部分が動詞か い形容詞かを見分けて、文型1〜2の作り方を当てはめます。文が長くなっても変わるのは最後だけ、と押さえる文型です。

接続

後続句の最後の語を普通形にする: 〜ています→〜ている/〜てもいいです→〜てもいい/〜てはいけません→〜てはいけない/〜なければなりません→〜なければならない/〜なくてもいいです→〜なくてもいい/〜ことができます→〜ことができる/〜ことがあります→〜ことがある/〜たいです→〜たい/〜たり〜たりします→〜たり〜たりする

形
Vている? ── うん、Vている/ううん、VていないVなければならない/Vなくてもいい/Vてもいい/VてはいけないVたい/Vたくない/VたかったVことができる/Vたことがある

導入

  • 長い文も最後だけ変わる第17課・第18課で習った「毎日、宿題をしなければなりません」「ピアノを弾くことができます」を黒板に書き、最後の「なりません」「できます」だけ色を変える。「ここだけ普通形にする」と言って「ならない」「できる」に書き換える。最後の語が動詞(ならない・できる・いる)か い形容詞(いい・たい)かを学生に判定させてから直すと、文型1〜2の表に戻れる。
  • 絵カードで「今、何をしている?」電話で友達と話している絵を見せ、「今、何をしていますか」を「今、何をしている?」と教師が言い換える。学生に「テレビを見ている」「宿題をしている」と答えさせる。会話で聞こえる「〜てる」の縮約は耳で聞かせる程度にとどめ、板書は「〜ている」で統一する。

板書案

宿題を しなければ 〔赤〕なりません → ならない
ピアノを 弾くことが 〔赤〕できます → できる
テレビを 見て 〔赤〕います → いる
〔青〕変わるのは 最後だけ (最後が 動詞 → 動詞の行/たい・いい → い形容詞の行)
すしを 食べたことが 〔赤〕あります → ある / ありません → 〔赤〕ない

場面と発話(自作)

  • 友達から電話。今、何をしているか聞かれた。今、晩ごはんを作っている。7時に、また電話する。
  • 友達に週末の予定を聞かれた。土曜日はレポートがあるので出かけられない。土曜日は、レポートを書かなければならない。日曜日は、何もしなくてもいい。
  • 友達と趣味の話。泳げるかどうか聞かれて答える。泳ぐことができる? ── ううん、できない。でも、富士山に登ったことがある。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

後続句つきの丁寧体の文をカードで見せ、最後の部分だけ普通形に言い換える(練習Bの型)。「〜ています」「〜てもいいです」「〜なければなりません」「〜ことができます」「〜たいです」を1つずつ、次に混ぜて。ペアでは「今、何をしている?」「週末、何をしたい?」の2つを普通体で聞き合う(練習Cの型)。

  1. 口頭後続句つきの丁寧体の文をカードで出し、最後の部分だけ普通形に言い換えさせる。キューの例は「いま、本を読んでいます」「ここで写真を撮ってもいいです」「あした、早く起きなければなりません」「日本語の歌を歌うことができます」「すしを食べたことがあります」。言う前に、最後の語に教師が指示棒を当て、それが動詞か い形容詞かを全員で言ってから変換する。否定(「〜ていない」「〜たことがない」)も混ぜる。
  2. ペア「いま何してる電話」。一人は電話をかける役、もう一人は絵カードを1枚引いて、その絵の動作をしている役になる。かける側が「いま、何をしている?」と聞き、受ける側が「〜ている」で答える。続けて、かける側が「あした、何をしなければならない?」「何をしたい?」と二つ聞く。3回で役を替える。
  3. 産出「友達へのメール書き換え」。教師が用意した丁寧体の短いメール(予定・したいこと・しなければならないことを含む5文ほど)を、友達に送るつもりで普通体に書き換える。書けたらペアで読み合い、相手の書き換えに丁寧体が残っていないか探す。教師が見るのは、「なければならない」「たことがない」の形と、文の途中の「〜から」「〜て」の前後で文体がそろっているか。

つまずきと手当て

  • 「〜なければなりません」を「〜なければない」「〜なければなりない」にする。「なりません→ならない」は動詞「なる」のない形、と説明する
  • 「〜たいです」の否定を「〜たいじゃない」にする。「たい」は い形容詞と同じ活用(たくない・たかった)だと第13課に戻って確かめる
  • 「〜ことができます」を「〜ことができるだ」のように「だ」を付ける。最後が動詞なら「だ」は付かない、と文型1の表に戻す
  • 普通体の文が長くなると、途中の「〜て」「〜から」のあとで丁寧体に戻る(友達との会話で「見ているから、行きません」)。文全体で文体をそろえることを、1文ずつ声に出して確かめる
  • 「〜たことがあります」の否定を「*〜たことがあらない」にする。「ある」の否定は「ない」だけと、別に覚えさせる

既習の文型との違い

  • 〈Vた形〉ことがあります(第19課)「〜たことがあります」の普通体は「〜たことがある」ですが、否定は「*〜たことがあらない」ではなく「〜たことがない」です。「ある」の否定だけは、動詞のない形の作り方ではなく「ない」になります。動詞の行の規則をそのまま当てる誤りが出やすいので、「ある→ない」だけは板書で別に囲みます。
  • 〈Vない形〉なければなりません(第17課)第17課の「〜なければなりません」は、最後の「なります」が動詞「なる」なので、普通体では「〜なければならない」になります。丁寧形では長い形のまま覚えているので、学習者は「*〜なければなりない」「*〜なければない」と切る場所を間違えます。「なければ/なりません」の切れ目に線を引き、後ろだけを変えさせます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は、普通体の会話で使う語と、会話の場面の語が中心です。「うん/ううん」は文型1の答えとセットで出し、使ってよい相手(同年代の友達・家族・年下)を添えて、丁寧体の「はい/いいえ」との対応で導入します。

この課の練習で使う語(11語・意味・連語・例文)

  • うん(うん) 友達や家族に「はい」と答えるときの言い方です。 〜、行く・〜、いいね
    友達に、あした学校へ行くか聞かれた。
    「うん、行く。」
  • ううん(ううん) 友達や家族に「いいえ」と答えるときの言い方です。首を横に振りながら言うことが多いです。 〜、行かない・〜、寒くない
    友達に、きのう寒かったか聞かれた。
    「ううん、寒くなかった。」
  • 暇(ひま) 仕事や予定がなくて、時間がある様子です。 〜な日・あしたは〜だ
    友達に、日曜日に時間があるか聞かれた。
    「日曜日? うん、暇だよ。」
  • 忙しい(いそがしい) することがたくさんあって、時間がない様子です。 仕事が〜・今週は〜
    友達に、今週いっしょに出かけないかと誘われた。
    「今週は、ちょっと忙しい。」
  • いっしょに(いっしょに) 一人ではなく、ほかの人と同じことをします。 〜行く・〜食べる・友達と〜
    友達と、週末の予定を話している。
    「土曜日、いっしょに映画を見ない?」
  • 行きます(いきます) いる所から、ほかの所へ動きます。普通形は「行く」です。 学校へ〜・買い物に〜・いっしょに〜
    友達に、あしたの予定を聞く。
    「あした、どこか行く?」
  • 見ます(みます) 目で物を見ます。テレビや映画のときにも使います。普通形は「見る」です。 映画を〜・テレビを〜
    友達に、今晩何をするか聞かれた。
    「今晩は、うちでテレビを見る。」
  • 作ります(つくります) 料理や物を、手で新しくできるようにします。普通形は「作る」です。 晩ごはんを〜・料理を〜
    友達から電話。いま何をしているか聞かれた。
    「いま、晩ごはんを作っている。」
  • 休み(やすみ) 学校や仕事がない日や時間です。 あしたは〜だ・夏〜・〜の日
    友達に、あした学校があるか聞かれた。
    「ううん、あしたは休みだよ。」
  • おいしい(おいしい) 食べ物や飲み物の味がいい様子です。 〜料理・〜店
    友達といっしょに食べている。
    「このカレー、おいしいね。」
  • ちょっと(ちょっと) 「少し」という意味です。誘いを断るとき、はっきり言わないで「ちょっと……」と使うこともあります。 〜高い・〜忙しい・日曜日は〜……
    友達に誘われたが、その日は都合が悪い。
    「日曜日? 日曜日は、ちょっと……。」

会話の扱い

会話は、題のとおり親しい相手を普通体で誘う場面です。扱い方は、まず CD を聞いて「先生と学生」か「友達どうし」かを当てさせ、次に教師が会話の文を丁寧体に直して板書し、学生に教科書の普通体と見比べて違う所(「か」が無い・「です」が消える・「うん/ううん」)に線を引かせる。そのあとペアで役を交代して読み、最後に行き先と日時を自分たちの町のものに替えて演じさせる。会話の文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください。

宿題と次のコマ

文型1〜4の変換練習(丁寧体の文20文を普通体に)を宿題に。次のコマの最初に、ペアで「週末、何をした?」を普通体で聞き合うウォームアップをしてから、な形容詞・名詞の普通形(文型3・4)に入る。普通形の4×4の表を自分のノートに書いて持ってくるよう指示し、第21課の「〜と思います」でそのまま使う。

よくある質問

  • 第20課の普通形はどの順で教えればいいですか?

    先に動詞・い形容詞・な形容詞・名詞の4行と、肯定・否定・過去・過去否定の4列の表を一度に作り、課の地図にします。そのあと動詞→い形容詞→な形容詞→名詞の順に、1行ずつ質問と答えの練習をします。な形容詞と名詞は変化が同じなので続けて扱い、最後に後続句のある文に進みます。

  • 普通体の質問に「か」を付けてはいけないのですか?

    友達との会話では「か」を付けず、文末を上げて「行く?」と言うのがふつうです。「行くか?」は、ぞんざいに聞こえたり、強く問いただす感じになったりするので、初級では使わないように指導します。声を上げる練習を、全員で何度も声に出してさせます。

  • な形容詞と名詞の「だ」は、いつ付けていつ落とすのですか?

    質問では落とし(「暇?」)、答えでは落としても付けてもよく(付けると言い切る強さが出ます)、「ね」「よ」の前では付けます(「暇だね」)。否定と過去否定の「じゃない」「じゃなかった」の前には付きません。板書では「だ」を( )に入れて表に残すと、学習者が迷ったときに戻れます。

  • 第20課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目で復習・普通形の表・文型1(動詞)・い形容詞まで、2コマ目で な形容詞と名詞・会話・後続句の文・練習C・問題を扱います。活用の復習が滑らかでないクラスでは、1コマ目の導入を長めにとり、表を作る時間を削らないほうが後が楽です。

  • 「〜てる」のような話し言葉の縮約もこの課で教えますか?

    この課では、板書も練習も「〜ている」「〜じゃない」の形でそろえます。「〜てる」のような縮約は会話を聞いたときに耳で気づかせる程度にとどめ、学習者が使ったら通じることは認めます。まず普通形の表を正確に作れることを優先し、縮約は普通形が文の中に入る課を終えてから扱うほうが混乱しません。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

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手引きで扱っている教科書。本文・例文は手元の教科書で確かめてください。