日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

みんなの日本語 初級Ⅰ 第11課「これ、お願いします」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅰ 第2版 本冊』 ・ 会話「これ、お願いします」

物や人を数えて買い物や家族の紹介をし、「1週間に2回」という頻度、「3時間」「1年」という長さ、「うちから駅まで20分」という所要時間を言えるようになる課です。文型は6つありますが、新しい活用形はなく、芯は助数詞の形(音の変化と例外)と、数量の語を置く位置の2つです。第10課の「〜に〜があります/います」に数を足す形で入ると、学習者は新しい文を作っている感覚なしに数の練習に集中できます。郵便局で荷物を出す会話につながるので、「どのくらいかかりますか」と聞いて「〜ぐらいかかります」と答えるところまでを、この課のゴールにします。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目6時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「ひとつ〜とお」と「〜枚・〜台・〜人」で物や人を数え、「りんごを3つください」のように買い物や注文で数を言える
  • 「1週間に2回」のように、頻度を聞いたり答えたりできる
  • 「3時間」「1年」のような期間を、助詞を付けずに動詞の前に置いて言える
  • 「〜から〜まで〜かかります」で、所要時間を聞いたり答えたりできる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(復習とつなぎ)10分第10課の「〜に〜があります/います」を絵で復習し、「机の上にりんごがあります。いくつありますか」と数に話題を移す。1〜10の数字(第3課・第4課)を声に出して確かめておく
文型1 ひとつ〜とお25分実物(みかん・消しゴム・箱)を1つずつ机に置きながら数え、第3課の「〜をください」と結んで買い物の文にする。「とお」だけ「つ」が付かないことを印象づける
文型2・3 〜枚・〜台・〜人35分切手・はがき・紙(枚)、車・パソコン・テレビ(台)、クラスの学生(人)。3つの助数詞を同じ板書の表に並べ、読みが変わる数(4・7・9、ひとり・ふたり)を赤で囲む
文型4 〈期間〉に〈−回〉20分教師の1週間のカレンダーにテニスの絵を2つ貼って「1週間に2回」。学生に「1週間に何回〜ますか」と聞いて回る。1コマ目はここまで
文型5・6 〈期間〉Vます/〜から〜まで〜かかります40分時計の絵で「毎日7時間寝ます」、地図の絵で「うちから学校まで30分かかります」。第4課の「7時に起きます」(時点の に)と並べて、期間には助詞を付けないことを見せる
会話20分郵便局の窓口の場面。絵カード(荷物・切手・航空便・船便)で状況を作り、聞く → 内容の確認 → 役を替えて言う
練習C・問題30分場面のやり取り(買い物・郵便局・家族の紹介)→ 問題の聞き取りと読み。次の課(形容詞・名詞の過去形)に向けて第8課の形容詞を復習する宿題を出す

学習項目 1 助数詞(ひとつ〜とお )

意味・はたらき文型 1

物を数える基本の形です。日本語では「りんごを3つ買います」のように、数の後ろに「助数詞」を付けて数えます。「ひとつ・ふたつ・みっつ…とお」は、特別な助数詞のない物(果物・消しゴム・箱・かばんなど)を数える日本語固有の数え方で、1〜10までしかありません。11からは「じゅういち」のように数字だけで数えます。数を聞くときは「いくつ」です。数量の語は、助詞の付いた名詞の後ろ・動詞の前に置きます。「ひとつ・ふたつ」は和語の数え方で、「いち・に」の漢語の数え方とは別の系列です。文法用語では、このように名詞から離れて動詞の前に置かれた数量の語を遊離数量詞と呼び、「みっつのりんご」のように「の」で名詞に付ける形と対にして説明します。

接続

N+を/が+〈数〉つ+V(数量の語は「りんごを」の後ろ・動詞の前。数量の語に助詞は付けない)

形
Nを 〈数〉つ ください/買いますNが 〈数〉つ ありますいくつ ありますか/いくつ くださいひとつ・ふたつ・みっつ・よっつ・いつつ・むっつ・ななつ・やっつ・ここのつ・とお

導入

  • 実物を1つずつ置いて数える机にみかんを1つ置いて「ひとつ」、もう1つ置いて「ふたつ」と、10まで置きながら教師が言い、学生に続けて言わせる。次に数を手で隠して「いくつありますか」と聞き、「みっつあります」と答えさせる。「とお」だけ「つ」が付かないことを、置いた瞬間に声を大きくして印象づける。
  • 「〜をください」と結んで買い物の文に第3課の「これをください」を思い出させ、「みかんをください」→「みかんを3つください」と数を足す。板書は「N を [〈数〉つ] ください」の枠で、数量の語が「を」の後ろ・動詞の前に入ることを矢印で示す。学生を客にして、好きな数を言わせる。

板書案

N を 〔〈数〉つ〕 ください
みかん を みっつ ください。
ひとつ ふたつ みっつ よっつ いつつ/むっつ ななつ やっつ ここのつ とお
〔赤〕「とお」だけ「つ」なし 〔矢印〕数は「を」の後ろ・動詞の前
いくつ ありますか。― よっつ あります。

場面と発話(自作)

  • 果物の店で、りんごを買う。店の人に言う。りんごを4つください。
  • 寮の部屋に友達が来た。机の上の箱を見て聞かれたので答える。「それは何ですか」「チョコレートです。ひとつどうぞ」
  • コンビニでサンドイッチを2つ買った。店の人が数を確かめて言う。サンドイッチ、ふたつですね。全部で400円です。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カード(りんご・みかん・消しゴム・かばん・箱)に数字を書いたものを見せて「〜を〜つください」「〜が〜つあります」を代入。次に学生2人を店の人と客にして、客が品物と数を言い、店の人が「〜つですね。全部で〜円です」と受ける(第3課の「〜円」の復習にもなる)。

  1. 口頭教師が実物(みかん・消しゴム・箱)を机に置き、品物と指の数でキューを出す。キューの例は「みかん・指3本」→「みかんをみっつください」、「消しゴム・指5本」→「消しゴムをいつつください」、「箱・両手」→「箱をとおください」。全体で2回 → 列ごと → 個人の順に言わせ、次に置いた数を隠して「いくつありますか」と聞き、「〜つあります」で答えさせる。よっつ・ななつ・ここのつが出たところだけ全体でもう一度言う。
  2. ペアAは店の人で、品物の絵と値段を書いたカードを持つ。Bは客で、買う物と数だけを書いたメモを持つ(Aはメモを見ない)。Bが「りんごをみっつください」と言い、Aが「みっつですね。全部で〜円です」と受けて、Bがメモの数と合っているか確かめる。メモを3枚使ったら役を替える。
  3. 産出活動名「パーティーの買い物ロールプレイ」。クラスで誕生日のパーティーをすると決め、学生が自分で買う物と数を決めて、教師または別の学生の店で買う。教師が見るのは、数量の語を「を」と「ください」の間に置けているか、よっつ・ななつ・ここのつ・とおの形、最後に「全部でいくらですか」と聞けるかの3点。言えなかった形は、終わってから板書の数の列に戻って全体で確かめる。

つまずきと手当て

  • 「3つりんごをください」のように数を名詞の前に置く(英語などの語順の影響)。板書の枠に戻り、「を」の後ろに入れる練習を数回繰り返す
  • 「よっつ・ななつ・やっつ・ここのつ・とお」の形がくずれる(×よんつ・×しちつ・×じゅうつ)。この5つだけ別に書き出して、毎時間の最初に声に出す
  • 「いくつ」を年齢の質問だと思っている(第1課の「おいくつですか」から)。物の数を聞くときにも使うと言い添える

既習の文型との違い

  • Nをください(第3課の会話)第3課では「これをください」と物を指して買うだけで、数は言いませんでした。この課ではその「を」と「ください」の間に数量の語が入ります。「みっつのりんごをください」と名詞の前に置く学生には、言えなくはないものの、店では「りんごをみっつ」が自然だと伝え、枠の位置に戻します。
  • Nは-歳です(第1課)第1課の「おいくつですか」は年齢を丁寧に聞く言い方で、この課の「いくつ」は物の数を聞く言い方です。同じ語なので、学習者は「いくつですか」を年齢の質問だけだと思っていることがあります。物を指して「いくつありますか」と聞く場面を先に見せると、2つの使い方が分かれます。
関連する文型

学習項目 2 助数詞(-枚/-台 )

意味・はたらき文型 2

「枚」は紙・切手・はがき・シャツ・CD など薄くて平たい物を、「台」は車・自転車・テレビ・パソコン・冷蔵庫など機械と乗り物を数える助数詞です。「ひとつ〜とお」と違って、数のほうは「いち・に・さん…」の読みで、11以上も同じように続けられます。4は「よん」、7は「なな」、9は「きゅう」で読みます。聞くときは「何枚(なんまい)」「何台(なんだい)」です。文の中の位置は文型1と同じです。試験の見方では、助数詞は物の形や種類によって選び分ける語(言語の類型では類別詞と呼ばれるもの)で、どの数詞と結ぶか、数との間で音が変わるかが問われます。「枚・台」は「いち・に」の漢語の数え方と結び、「ひとつ〜とお」とは系列が違います。

接続

N+を/が+〈数〉枚/台+V(位置は文型1と同じ。数量の語に助詞は付けない)

形
Nを 〈数〉枚 ください/買いますNが 〈数〉台 あります何枚/何台 ありますかいちまい・にまい・さんまい・よんまい・ごまい…/いちだい・にだい・さんだい・よんだい・ごだい…

導入

  • 物の形で助数詞を分ける切手・はがき・紙・CD と、車・自転車・テレビ・パソコンの絵カードを黒板の左右に貼り分け、「薄い物」「機械と乗り物」と分けてから「枚」「台」を書く。学生に別の絵(シャツ・冷蔵庫・カメラ・写真)を渡して、どちらの側に貼るか決めさせると、分類の基準が伝わる。
  • 郵便局の場面で「枚」を使う封筒と切手の絵を見せ、教師が客になって「切手を2枚ください」と言う。会話の場面の下地になるので、ここで「はがきを5枚」「封筒を3枚」まで言わせておく。板書は「N を [〈数〉枚/台] ください」の枠。

板書案

N を/が 〔〈数〉枚/台〕 ください/あります
切手 を 5枚 ください。
うち に 車 が 2台 あります。
〔左の列〕枚=薄い物(紙・切手・はがき・シャツ) 〔右の列〕台=機械・乗り物
〔赤丸〕4 よんまい・よんだい 7 ななまい 9 きゅうまい

場面と発話(自作)

  • 郵便局で、国へ送るはがきと切手を買う。窓口で言う。はがきを5枚と、切手を5枚ください。
  • 会社の事務所を、新しい人に案内している。事務所にパソコンが3台あります。
  • 友達の家で、家族の写真を見ている。写真が10枚ありますね。これはお父さんですか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵と数字のカードで「〜を〜枚/〜台ください」「〜が〜枚/〜台あります」を代入。枚と台のカードを混ぜて出し、助数詞を学生に選ばせる。そのあと「何枚ありますか」「何台ありますか」と聞いて答えさせ、最後に「ひとつ〜とお」のカードも混ぜて3種類を選ばせる。

  1. 口頭絵カードと数字のカードを重ねて出す。キューの例は「切手・5」→「切手を5枚ください」、「パソコン・3」→「事務所にパソコンが3台あります」、「はがき・10」→「はがきを10枚ください」、「自転車・4」→「自転車が4台あります」。最初は枚だけ・台だけで回し、慣れたら混ぜ、最後に「ひとつ〜とお」で数える物(りんご・箱)も混ぜて、学生に助数詞を選ばせる。
  2. ペア同じ事務所の絵を2枚用意し、パソコン・テレビ・紙・写真の数だけを少し変えておく。AとBは自分の絵を見せずに「事務所にパソコンが何台ありますか」「写真が何枚ありますか」と聞き合い、数が違うところを3つ見つける。見つけたら絵を見せ合って確かめ、別の絵で役を替える。
  3. 産出活動名「わたしの部屋の物しらべ」。学生が自分の部屋にある物を思い出して、「わたしの部屋にテレビが1台あります。シャツが10枚ぐらいあります」のように3〜4文で言う。聞いている学生は1つ質問する(「パソコンは何台ありますか」)。教師が見るのは、枚と台の選び方、4・7・9の読み、「何枚」「何台」の聞き方。

つまずきと手当て

  • 薄い物でも「つ」で数えてしまう(「切手を3つ」)。通じるので直しすぎないが、郵便局や買い物の場面では「枚」が自然だと言う
  • 「よんまい・ななまい・きゅうまい」を「しまい・くまい」と読む(7枚は「しちまい」も使われるので、言う練習は「ななまい」にそろえ、聞いて分かればよいとする)。数の読みの表で「4・7・9」の列に印を付ける
  • 車や自転車を「枚」にしてしまう(平たいと思う学生がいる)。「台」は動く機械・大きな機械と言い直す

既習の文型との違い

  • 助数詞(ひとつ〜とお)(第11課 文型1)文型1の「ひとつ〜とお」は和語の数え方で10までしかありませんが、「枚・台」は「いち・に・さん」の数え方と結び、11以上も同じように続けられます。学習者は助数詞を覚えたあとも「切手をみっつ」と「つ」に頼りがちです。通じるので強くは直さず、郵便局や店の場面では「枚」が自然だと言い添えます。
  • 〈場所〉にN(物)があります(第10課)第10課は物がどこにあるかを言う文で、この課はそこに数を足すだけです。数量の語は「パソコンが」の後ろ、「あります」の前に入ります。位置の語(上・中・隣)と数量の語が1つの文に並ぶと語順が崩れやすいので、「机の上に/パソコンが/2台/あります」と4つに区切って板書します。
関連する文型

学習項目 3 助数詞(-人 )

意味・はたらき文型 3

人を数える助数詞です。1人と2人だけ「ひとり」「ふたり」という特別な形で、3人からは「さんにん・ごにん・ろくにん…」と「にん」を付けます。4人は「よにん」です。聞くときは「何人(なんにん)」です。家族や兄弟の人数、クラスの人数、いっしょに行く人の数を言うのに使います。日本語で「家族は何人ですか」と聞かれたら、自分を入れて数えるのがふつうです。1・2だけが和語の数え方(ひとり・ふたり)で、3からは漢語の数え方+「にん」になるので、1つの助数詞の中で2つの系列が混ざっているのが特徴です。「ひとりで」「ふたりで」のように「で」が付くと、何人でいっしょにするかという様子の言い方になります。

接続

N(人)+が+〈数〉人+います/家族は〈数〉人です(「ひとりで」は第5課で既習)

形
N(人)が 〈数〉人 います何人 いますか家族は 〈数〉人 ですひとり・ふたり・さんにん・よにん・ごにん・ろくにん・しちにん(ななにん)・はちにん・きゅうにん・じゅうにん

導入

  • 教室の中の人を数える「この教室に学生が何人いますか」と言いながら、学生を一人ずつ指して「ひとり、ふたり、さんにん…」と数える。1人・2人のところで止まり、「にん」が付かない特別な形だと板書に赤で書く。そのあと男の人・女の人(第10課)に分けて「男の学生が5人います」と数え直す。
  • 家族の絵で人数を言う教師の家族を簡単な棒人間で描き、「家族は4人です。両親と兄とわたしです」と紹介する。学生に「家族は何人ですか」「兄弟は何人ですか」と聞き、「兄が1人と妹が2人います」のように答えさせて、この課の家族の語(兄・姉・弟・妹・両親・兄弟)を同時に出す。板書は「N が [〈数〉人] います」の枠。

板書案

N(人)が 〔〈数〉人〕 います
クラス に 学生 が 12人 います。
家族 は 4人 です。
〔赤〕ひとり・ふたり(「にん」なし) 〔赤〕4人=よにん
何人 いますか。/家族は 何人ですか。

場面と発話(自作)

  • 会社の人に家族のことを聞かれて答える。家族は5人です。両親と兄と妹とわたしです。
  • レストランの入り口で、店の人に人数を言う。3人です。
  • 日曜日のお花見の準備。来る人の数を友達に話す。日曜日のお花見に、留学生が10人来ます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

人の絵(男の子2人・女の人3人など、第10課の語を使う)のカードで「〜が〜人います」を代入。次に学生同士で「家族は何人ですか」「兄弟は何人ですか」を聞き合い、聞いた相手の家族をクラスに報告させる(「〜さんの家族は4人です。〜さんは妹が1人います」)。

  1. 口頭人の絵カード(第10課の男の人・女の人・男の子・女の子)に数字を書いて出す。キューの例は「男の人・3」→「男の人が3人います」、「女の子・2」→「女の子がふたりいます」、「留学生・4」→「留学生が4人います」、「家族・5」→「家族は5人です」。1と2と4のカードを多めに混ぜ、ひとり・ふたり・よにんが出るたびに全体で言い直す。
  2. ペア架空の家族の絵カード(両親・兄・妹など)を配る。Aは「家族は何人ですか」「兄弟は何人ですか」と聞き、Bはカードを見て答える。Aは聞いた答えだけで簡単な家族の絵を描き、最後にBのカードと見比べて合っているか確かめる。合わなかったところは、どの答えで取り違えたかを2人で話して、役を替える。
  3. 産出活動名「家族紹介スピーチ」。学生が自分の家族(話したくない学生には架空の家族のカード)を3〜4文で紹介する(「家族は5人です。両親と兄と妹とわたしです。兄はエンジニアです」)。聞いた学生は「お兄さんは何歳ですか」のように1つ質問する。教師が見るのは、ひとり・ふたり・よにんの形、自分の家族(兄)と相手の家族(お兄さん)の呼び分け、自分を入れて数えているか。

つまずきと手当て

  • 「いちにん」「ににん」と言う。1人・2人は毎時間の数の復唱に入れて、形で覚えさせる
  • 「4人」を「よんにん」「しにん」と読む。「よにん」だけ別に板書する
  • 「家族は何人ですか」に、自分を入れずに答える人と入れて答える人が混ざる。自分を入れて数えるのがふつうだと言い、「両親とわたしで3人です」のように内訳を言わせると整理できる

既習の文型との違い

  • 〈人〉と行きます/来ます/帰ります(第5課)第5課の「ひとりで行きます」は、だれともいっしょではないという様子の言い方で、この課の「ひとり」は人の数です。「で」が付くと何人でいっしょにするか、付かないとただの人数、と分けます。「ふたりで行きます」と「留学生がふたり来ます」を並べて見せると違いが分かります。
  • 〈場所〉にN(人)がいます(第10課)人の存在は第10課と同じく「います」で、数を足しても動詞は変わりません。数に気を取られて「*学生が5人あります」と動詞を取り違える学生がいるので、人の絵には「います」の札を付けたまま練習します。
関連する文型

学習項目 4 〈期間〉に〈-回 〉

意味・はたらき文型 4

「1週間に2回」「1か月に1回」のように、ある期間の中で何回するかという頻度を言う形です。「回」は回数の助数詞で、1・6・8・10 のときは「いっかい・ろっかい・はっかい・じゅっかい」と音が詰まります。聞くときは「何回(なんかい)」です。期間のあとの「に」は「その期間のうちで」という意味で、第4課の「7時に」(時点を示す に)とは働きが違います。文法の見方では、この「に」は時点を示す「に」ではなく、ある期間あたりの割合を示す「に」で、格助詞「に」の用法の一つとして整理できます。「回」は物ではなく動作の回数を数える助数詞です。

接続

〈期間〉(1日・1週間・1か月・1年)+に+〈数〉回+V

形
1週間に 〈数〉回 Vます1か月に 1回 Vます〈期間〉に 何回 Vますかいっかい・にかい・さんかい・よんかい・ごかい・ろっかい・ななかい・はっかい・きゅうかい・じゅっかい

導入

  • 教師の1週間のカレンダーで月〜日の7つのますを板書し、テニスの絵を火曜と土曜に貼って「1週間に2回テニスをします」。次に1か月のカレンダーに映画の絵を1つ貼って「1か月に1回映画を見ます」。期間を変えると「に」の前が変わるだけだと見せる。板書は「〈期間〉 に [〈数〉回] V」の枠。
  • 学生に聞いて回る「1週間に何回日本語を勉強しますか」「1か月に何回国の家族に電話をかけますか」と聞いて答えさせる。「1日に何回ごはんを食べますか」のように、誰でも答えられる質問から入ると詰まらない。

板書案

〈期間〉 に 〔〈数〉回〕 V
1週間 に 2回 テニス を します。
〔カレンダー〕月 火 水 木 金 土 日 (火・土にテニスの絵)
〔赤〕いっかい・ろっかい・はっかい・じゅっかい
〔比べる〕7時 に 起きます(時点)/1週間 に 2回(その間で)

場面と発話(自作)

  • 新しい友達とスポーツの話をしている。わたしは1週間に2回サッカーをします。
  • 国の家族と連絡を取っているかと聞かれた。1か月に1回、国の母に電話をかけます。
  • 会社の人に、国へ帰る回数を聞かれた。1年に2回、国へ帰ります。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵(テニス・映画・電話・買い物)と「1週間/1か月/1年」「数字」のカードを組み合わせて「〈期間〉に〜回〜ます」を代入。次に学生同士で「1週間に何回〜ますか」のインタビューをさせ、「〜さんは1週間に3回〜ます」と報告させる。

  1. 口頭カレンダーの絵と動作の絵カードでキューを出す。キューの例は「1週間・テニス・2」→「1週間に2回テニスをします」、「1か月・映画・1」→「1か月に1回映画を見ます」、「1年・国・2」→「1年に2回国へ帰ります」、「1日・ごはん・3」→「1日に3回ごはんを食べます」。全体 → 個人で言わせたあと、教師が「1週間に何回テニスをしますか」と聞いて答えさせ、問いの形も言わせる。
  2. ペアAには1週間の予定を書いた表(スーパー・図書館・アルバイトの曜日に印)、Bには空の表を渡す。Bが「1週間に何回スーパーへ行きますか」と聞いて回数を表に書き、最後にAの表と見比べる。次はBの予定表で役を替える。
  3. 産出活動名「クラス生活アンケート」。学生が「1か月に何回映画を見ますか」のような質問を1つ作り、教室を歩いて4〜5人に聞いてメモする。席に戻ったら「〜さんは1か月に2回映画を見ます」と2〜3人分を報告する。教師が見るのは、期間・回数の順、「毎日に」のような余分な「に」、いっかい・ろっかい・はっかい・じゅっかいの音。

つまずきと手当て

  • 「2回に1週間」と順序が逆になる(母語の語順の影響)。期間が先・回数が後と、板書の枠で固定する
  • 「毎日に」「いつもに」のように、頻度の副詞にも「に」を付けてしまう。「に」が付くのは「1日・1週間」のような期間の語だけだと分ける
  • 「いっかい・ろっかい・はっかい・じゅっかい」が「いちかい・ろくかい・はちかい・じゅうかい」になる。「1・6・8・10」は音が詰まると表に印を付け、第3課の「〜階」(いっかい・ろっかい)とほぼ同じ型だと言うと早い

既習の文型との違い

  • -時にVます(第4課)「7時に起きます」の「に」は1つの時点を指し、「1週間に2回」の「に」は期間の中での割合を言います。同じ「に」なので、学習者は「1週間に何回ですか」に「火曜日です」と、時点で答えることがあります。カレンダーの1日を指すときと、1週間全体を囲むときで、指し方を変えて見せます。
  • 〈期間〉Vます(第11課 文型5)同じ「1週間」でも、「に」と「〜回」が付くと何回するか、付かないとどれだけ続くかの意味になります。「1週間に2回図書館へ行きます」と「1週間国へ帰ります」を並べ、学習者が長さのつもりで「に」を付けていないか確かめます。
関連する文型

学習項目 5 〈期間〉Vます

意味・はたらき文型 5

「3時間勉強します」「日本に1年います」のように、動作や状態がどれだけ続くかを、期間の語を動詞の前に置いて言う形です。期間の語には助詞を付けません。期間の語は「〜分・〜時間・〜日・〜週間・〜か月・〜年」で、だいたいの長さは後ろに「〜ぐらい」を付けて言います。長さを聞くときは「どのくらい」です。第4課の「9時から12時まで」が始めと終わりを言うのに対して、「3時間」はその長さを言います。文法の見方では、期間の語は数量の語と同じく助詞なしで述語の前に置かれ、副詞のように働きます。「いつ」に答える時点の語(〜時・〜曜日・〜月)には「に」が付き、「どのくらい」に答える期間の語には付かない、という対比が要点です。

接続

〈期間〉(+ぐらい)+Vます(助詞なし。「に」「を」を付けない)

形
毎日 〈数〉時間 Vます〈場所〉に 〈数〉か月/〈数〉年 いますどのくらい Vますか〈数〉週間ぐらい Vます

導入

  • 時計の絵で「〜時間」時計の絵を2つ(9時と12時)並べ、「9時から12時まで勉強します」(第4課)と言ってから、矢印で間を示して「3時間勉強します」と言い換える。「から〜まで」は始めと終わり、「3時間」は長さ、と板書で向きを変える。そのあと「毎日何時間寝ますか」と学生に聞く。
  • 「います」と結んで滞在の長さ「わたしは日本に5年います」と自分のことを言い、学生に「日本にどのくらいいますか」と聞く。「3か月」「1年」「2年ぐらい」と答えが出たら、第10課の「〜に〜がいます」との違い(場所の「に」はそのまま・期間には助詞がない)を板書で並べる。期間の語の表(〜時間・〜週間・〜か月・〜年)はここで一度全部読む。

板書案

〈期間〉(ぐらい) V
毎日 7時間 寝ます。
日本 に 1年 います。
〔時計の絵〕9時から12時まで=始めと終わり 3時間=長さ
〔赤で消す〕*3時間に 勉強します *3時間を 勉強します
〔読み〕4時間=よじかん 9時間=くじかん

場面と発話(自作)

  • 日本語学校のクラスで自己紹介。日本にいる予定の長さを言う。わたしは日本に1年います。毎日4時間日本語を勉強します。
  • 週末の予定を友達に聞かれた。土曜日は、図書館で3時間ぐらい本を読みます。
  • 来月の旅行の予定を友達に話す。来月、2週間ぐらいヨーロッパへ行きます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵(寝る・働く・勉強する・テレビを見る)と期間のカード(30分・2時間・1週間・3か月)で「〜時間〜ます」を代入。そのあと「毎日どのくらい〜ますか」「日本にどのくらいいますか」を学生同士で聞き合う。

  1. 口頭時計の絵(長さを矢印で示したもの)と動作の絵カードでキューを出す。キューの例は「寝る・7時間」→「毎日7時間寝ます」、「働く・8時間」→「毎日8時間働きます」、「日本・2年」→「日本に2年います」、「国・2週間」→「2週間国へ帰ります」。次に同じキューに「ぐらい」の札を足して言わせ、最後に教師が「毎日どのくらい寝ますか」と聞いて答えさせる。
  2. ペアAが「毎日どのくらい寝ますか」「毎日どのくらい日本語を勉強しますか」「日本にどのくらいいますか」と3つ聞き、Bの答えを24時間の丸い時計の図に書き込む。役を替えたあと、2人の違いを1文ずつ言う(「わたしは7時間寝ます。〜さんは5時間寝ます」)。
  3. 産出活動名「わたしの1日円グラフ」。学生が自分の1日を24時間の円に描き、それを見せながら3〜4文で話す(「毎日7時間寝ます。学校で4時間勉強します。アルバイトで3時間働きます」)。教師が見るのは、期間の語に「に」「を」を付けていないか、時点(7時に)と長さ(7時間)を言い分けているか、よじかん・くじかんの読み。

つまずきと手当て

  • 「3時間にべんきょうします」「3か月にいます」と「に」を付ける(第4課の「7時に」との混同)。「に」は時点、期間には何も付けない、と時計の絵で対比する
  • 「3時間をべんきょうします」と「を」を付ける(期間を目的語と思う)。目的語は「日本語を」で、期間はその前後に入るだけだと板書で分ける
  • 期間の読みがくずれる。1日(いちにち)だけは日付の「ついたち」と形が違い、「いっかげつ・ろっかげつ・はっかげつ・じゅっかげつ」「いっしゅうかん・はっしゅうかん・じゅっしゅうかん」は音が詰まる。日付(第5課)の表と並べて、違うところだけ赤で囲む

既習の文型との違い

  • -時から-時までⅤます(第4課)「9時から12時まで勉強します」は始めと終わりの時点を言い、「3時間勉強します」は長さを言います。同じ出来事を別の面から言う形です。学習者は「どのくらい勉強しますか」に「9時から12時までです」と答えることがあり、通じますが問いに合っていないので、時計の絵で長さの矢印を指して言い直させます。
  • 〈場所〉にN(人)がいます(第10課)「日本に1年います」は、第10課の「〈場所〉にいます」に長さを足した形で、場所の「に」はそのまま残り、期間の語には何も付きません。2つの「に」が並ぶと思って「*1年に日本にいます」と言う学生がいるので、場所と期間を色分けして板書します。
関連する文型

学習項目 6 〜から〜まで〈時間・期間〉かかります

意味・はたらき文型 6

「うちから駅まで20分かかります」のように、移動などにかかる時間を言う形です。「〜から〜まで」で出発点と到着点を示し、かかる時間は文型5と同じく助詞なしで「かかります」の前に置きます。手段を言うときは「電車で」のように「で」(第5課)を間に入れます。聞くときは「どのくらいかかりますか」です。この課の会話では、郵便局で荷物が着くまでの日数を聞く場面で使います。「かかります」はお金にも使え、「いくらかかりますか」と聞けます。文法の見方では、「かかります」はかかる物(時間・お金)を「が」で示す動詞で、「時間がかかります」「お金がかかります」と言えます。具体的な長さや金額は、文型5と同じく数量の語として助詞なしで前に置きます。

接続

〈場所1〉から〈場所2〉まで(〈手段〉で)〈時間・期間〉かかります(「から」「まで」の片方だけでもよい)

形
〈場所〉から〈場所〉まで 〈数〉分/〈数〉時間 かかります〈場所〉まで 〈手段〉で どのくらい かかりますか〈国〉まで 船便で 〈数〉週間 かかります〈場所〉まで 〈数〉時間ぐらい かかります

導入

  • 地図の絵で黒板に「うち」「駅」「学校」を描いて線で結び、「うちから駅まで歩いて10分かかります」「駅から学校まで電車で20分かかります」と、絵を指しながら言う。第5課の「〈乗り物〉で行きます」を思い出させ、「で」の場所を枠で示す。学生に「うちから学校までどのくらいかかりますか」と聞いて回る。板書は「〈場所〉から〈場所〉まで 〈手段〉で [〈時間〉] かかります」の枠。
  • 郵便局の場面で日数を言う荷物の絵と、飛行機・船の絵を並べ、「航空便で1週間かかります」「船便で1か月かかります」と言う。会話の直前に置くと、会話が聞き取りやすくなる。お金の「かかります」は、学生から「いくらかかりますか」が出たときに「それも言えます」と受ける程度にする。

板書案

〈場所〉から 〈場所〉まで (〈乗り物〉で) 〔〈時間〉〕 かかります
うち から 駅 まで 歩いて 15分 かかります。
駅 から 学校 まで バス で 20分 かかります。
〔地図〕うち ―15分→ 駅 ―20分→ 学校
〔赤〕どのくらい=時間・数 いくら=お金

場面と発話(自作)

  • 会社の人に、うちから会社までの時間を聞かれた。うちから会社まで、バスで40分ぐらいかかります。
  • 郵便局で、国の家族に荷物を送る。窓口で聞く。船便で、タイまでどのくらいかかりますか。
  • 友達と東京へ行く予定。新幹線の時間を話す。大阪から東京まで、新幹線で2時間半かかります。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

地図の絵(うち・駅・学校・会社・郵便局・スーパー)と乗り物のカード、時間のカードで「〜から〜まで〜で〜かかります」を代入。次に「〜まで〜でどのくらいかかりますか」と学生同士で聞き合い、そのまま会話の場面(郵便局)につなぐ。

  1. 口頭黒板の地図の絵と、乗り物・時間のカードでキューを出す。キューの例は「うち→駅・歩いて・10分」→「うちから駅まで歩いて10分かかります」、「駅→会社・電車・30分」→「駅から会社まで電車で30分かかります」、「日本→タイ・飛行機・6時間」→「日本からタイまで飛行機で6時間かかります」、「船便・1か月」→「船便で1か月かかります」。答えが言えたら、同じキューで「どのくらいかかりますか」の問いの形も言わせる。
  2. ペア同じ町の地図を2枚用意し、Aの地図には「うち〜駅」「駅〜郵便局」の時間だけ、Bの地図には「駅〜学校」「学校〜スーパー」の時間だけを書いておく。「駅から学校まで何でどのくらいかかりますか」と聞き合い、両方の地図を完成させてから見比べる。
  3. 産出活動名「通学ルート紹介」。学生が自分のうちから学校までの行き方を、途中の乗り換えごとに1文ずつ言い、最後に「全部で40分ぐらいかかります」とまとめる。聞いた学生は「うちから駅まで何で行きますか」と1つ質問する。そのあと会話の郵便局ロールプレイにつなぐ。教師が見るのは、時間が抜けていないか、「で」の位置、「*歩いてで」のように「歩いて」に「で」を付けていないか。

つまずきと手当て

  • 「かかります」を「行きます」の代わりに使い、「うちから駅までかかります」で止まる(時間が抜ける)。「かかります」の前には必ず時間が入ると枠で示す
  • 「2時間にかかります」「2時間をかかります」と助詞を付ける(文型5と同じ誤り)。文型5と合わせて直す
  • 「どのくらい」と「いくら」を混同し、時間を聞かれて金額を答える(その逆も)。「どのくらい=時間や数」「いくら=お金」と分けて板書する

既習の文型との違い

  • 〈乗り物〉で行きます/来ます/帰ります(第5課)第5課は乗り物で移動することを言い、この課はその移動にかかる時間を言います。「電車で行きます」に時間を足すと、動詞が「かかります」に替わります。学習者は「電車で20分行きます」と言って所要時間のつもりのことがあり、言えなくはないものの、時間を聞かれたときの答えは「かかります」が自然だと伝えます。
  • 〈期間〉Vます(第11課 文型5)どちらも期間の語に助詞を付けませんが、文型5は自分の動作が続く長さ(3時間勉強します)、「かかります」は移動や手続きに必要な時間です。「うちから駅まで10分歩きます」と「うちから駅まで歩いて10分かかります」を並べ、聞かれ方(どのくらい〜ますか/どのくらいかかりますか)で選ぶと整理します。
  • Nは-円です(第3課)第3課の「いくらですか」はお金を聞き、この課の「どのくらい」は時間や数を聞きます。「かかります」はどちらにも使えるので、学習者は時間を聞かれて金額を答えたり、その逆をしたりします。「どのくらいかかりますか」と「いくらかかりますか」を並べて板書して分けます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の語彙は、助数詞と期間の語(〜時間・〜週間・〜か月・〜年)、果物と食べ物(りんご・みかん・サンドイッチ・カレー・アイスクリーム)、郵便局の語(切手・はがき・封筒・航空便・船便など)、家族の語(両親・兄弟・兄・姉・弟・妹)の4つのまとまりです。数の読みの表は毎時間の最初に声に出して読み、果物と食べ物は文型1の実物・絵カードに、郵便局の語は文型2と会話に、家族の語は文型3にそれぞれ割り当てると、語彙の時間を別に取らずに済みます。「いくつ」「どのくらい」「全部で」「だけ」は文型の練習の中で出し、出かけるときのあいさつは会話の前にまとめて扱います。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • いくつ(いくつ) 物の数を聞くときの言葉です。 〜ありますか・〜ください
    果物の店で、店の人が客に数を聞く。
    「みかんですね。いくつですか。」「よっつください。」
  • 切手(きって) 手紙やはがきを送るときに、郵便局で買う小さい紙です。 〜を買います・〜を5枚
    郵便局の窓口で、国へ手紙を送る。
    「すみません、この切手を3枚ください。」
  • はがき(はがき) 1枚の紙で送る、短い手紙です。 〜を書きます・〜を送ります
    国の友達に手紙を送りたい。
    「はがきを5枚ください。国の友達に送ります。」
  • 兄弟(きょうだい) 兄・姉・弟・妹のことです。 〜がいます・〜は何人
    クラスで家族の話をしている。
    「兄弟がいますか。」「はい、姉がひとりと弟がふたりいます。」
  • 留学生(りゅうがくせい) ほかの国から来て、勉強している学生です。 〜が〜人います・〜の友達
    見学に来た人に学校を紹介する。
    「この学校に留学生が200人ぐらいいます。」
  • かかります(かかります) ある所へ行くのや何かをするのに、時間やお金を使います。 時間が〜・20分〜・お金が〜
    駅の前で、バスの時間を聞く。
    「ここから学校までバスでどのくらいかかりますか。」
  • います(日本に)(います) ある国や町で、何か月や何年の間、暮らしていることを言います。 日本に〜・1年〜
    日本語学校で自己紹介をする。
    「わたしは日本に2年います。」
  • どのくらい(どのくらい) 時間の長さや、数がどれだけかを聞く言葉です。 〜かかりますか・〜いますか
    新しい友達と話している。
    「日本にどのくらいいますか。」「3か月ぐらいです。」
  • 〜ぐらい(ぐらい) 時間や数を、だいたいで言うときに後ろに付けます。 10分〜・3か月〜
    うちから駅までの時間を聞かれた。
    「うちから駅まで歩いて10分ぐらいかかります。」
  • 全部で(ぜんぶで) いくつかの物を、みんな合わせて言うときの言葉です。 〜いくらですか・〜5つです
    店で、りんごとみかんを買ったあと。
    「全部でいくらですか。」「全部で600円です。」
  • 〜だけ(だけ) それより多くない、それしかないことを言います。 ひとつ〜・日曜日〜
    店の人にたくさん勧められたが、少しだけ買う。
    「すみません、ひとつだけください。」
  • 船便(ふなびん) 船で荷物や手紙を送ることです。時間がかかりますが、安いです。 〜で送ります・〜で1か月
    郵便局で、国の家族に重い荷物を送る。
    「船便でお願いします。どのくらいかかりますか。」

会話の扱い

会話は郵便局の窓口で荷物を出す場面です。教室の前に机を1つ置いて窓口にし、荷物の箱・切手・はがきの絵カードと「航空便」「船便」の札を用意して、教師が客になって箱を出すところから状況を作ります。先に文型6で「〜まで〜でどのくらいかかりますか」を練習しておくと、聞かせたときに局員の答え(送り方や、かかる日数)が聞き取れます。聞く → 内容の確認(何を送るか・どこへ・どの送り方で・どのくらいかかるか)→ 役を替えて言う、の順で、ロールプレイは「送る物」「送る先の国」「航空便か船便か」のカードを引いて替えるだけで何回も回せます。広げるなら、同じ型で果物の店やコンビニの買い物(「〜を〜つください」「全部でいくらですか」)、駅で「〜までどのくらいかかりますか」と聞く場面に置き換えられます。

宿題と次のコマ

練習Bを書いて出す。数の読み(ひとつ〜とお・〜人・〜回・〜か月)を声に出して読んでくる。自分の1週間について「1週間に〜回〜ます」「毎日〜時間〜ます」の文を3つと、うちから学校までの時間を言う文を1つ書く。次のコマは問題の聞き取りと読みから入り、第12課(形容詞・名詞の過去形)へ進む。第12課の前に第8課の形容詞(い形容詞・な形容詞の区別)を復習しておくとつながりがよい。

よくある質問

  • 第11課の助数詞はどの順で教えればいいですか?

    「ひとつ〜とお」→「枚・台」→「人」の順が進めやすいです。最初に和語の数え方を実物で固め、次に物の形(薄い物・機械と乗り物)で枚と台を分け、最後に特別な形のある「ひとり・ふたり」を出します。どの助数詞でも数量の語の位置(「を」「が」の後ろ・動詞の前)は同じなので、板書の枠は1つにして使い回します。

  • 「1週間に2回」と「1週間」の「に」の有無はどう説明しますか?

    「〜回」が付いて何回するかを言うときは「に」が付き、どれだけ続くかを言うときは何も付かない、と分けます。カレンダーの1週間を丸で囲んで中に印を2つ付けるのが「1週間に2回」、1週間ぶんを矢印で引くのが「1週間」です。第4課の「7時に」は1点を指す時点の「に」で、ここでも働きが違います。

  • 「みっつのりんごをください」と言う学生はどう直せばいいですか?

    文法の誤りではないので、間違いとしては扱いません。ただ、買い物や注文では「りんごをみっつください」と数量の語を動詞の前に置くのが自然なので、場面の練習では枠の形に戻します。「の」で名詞の前に付ける形は、物を詳しく説明するときに使う形だと言っておけば十分です。

  • 第11課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は数の復習から文型1〜4(ひとつ〜とお・枚と台・人・〈期間〉に〜回)まで、2コマ目は文型5・6(期間・かかります)と会話、練習C・問題です。数の読みが不安定なクラスでは、2コマ目の最初に5分の読みの確認を入れます。

  • 「どのくらい」「いくつ」「いくら」の違いは?

    「いくつ」は物の数、「いくら」はお金、「どのくらい」は時間の長さや数の多さを聞きます。この課の会話では「どのくらいかかりますか」で日数を聞くので、3つを並べて板書し、答えの形(よっつ/500円/1週間ぐらい)とセットで見せます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

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