それ自体では音節を作らず、直前の拍にくっついて1拍分の長さだけを担う拍。促音「っ」・撥音「ん」・長音「ー」の3つを指し、つまる音・はねる音・引く音とも呼ばれる(二重母音の後半を含める立場もある)。
促音 /Q/ は後続子音の構えを保ったまま息を止める音で、原則として無声子音の前に現れる(きって・がっこう・ざっし)。長音 /R/ は母音を1拍分伸ばす(おばあさん・とけい)。いずれも単独では発音できないのに、拍としては1つ分を占める点が日本語のリズムの特徴である。
「おじさん/おじいさん」「きて/きって」のように特殊拍の有無だけで語が変わるため、脱落や余分な挿入はそのまま誤解につながる。誤用分析でも、特殊拍の聞き取りと産出の誤りは典型的な分析対象になる。
「きて(来て)」と「きって(切手)」、「おばさん」と「おばあさん」は、特殊拍が一つあるかないかだけで別の語になる。授業では、手をたたきながら「き・っ・て」と3拍を数えさせ、促音の拍では手はたたくが声は出さない、という練習で長さの感覚をつかませる。無音の時間にも長さがあることを体で覚えさせるのがねらいである。
学習者の作文に「がこう(学校)」のような表記が見られるのは、促音や長音を一つの拍として認識できていないことの表れである。聞き取りの段階で特殊拍を落としていれば、書くときにも落ちやすい。聞き取りと書き取りを組み合わせて、どの段階でつまずいているかを確かめ、聞き取れていないなら、特殊拍の有無だけが違う語の組で聞き分けから練習し直す。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。