日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

みんなの日本語 初級Ⅰ 第24課「手伝いに行きましょうか」の教案

『みんなの日本語 初級Ⅰ 第2版 本冊』 ・ 会話「手伝いに行きましょうか」

第7課の「あげます・もらいます」に、ほかの人がわたしに物をくれる「くれます」を足し、さらにそれを行為に広げて「〜てあげます・〜てもらいます・〜てくれます」を学ぶ課です。物でも行為でも、日本語はだれからだれへ向かうかで動詞を選び分け、「わたし」に向かってくるときは「くれます」を使います。同じ出来事を「友だちが手伝ってくれました」とも「友だちに手伝ってもらいました」とも言えること、どちらも話し手のありがたい気持ちが入ることを、矢印の板書で何度も確かめます。会話は引っ越しの手伝いを申し出る場面で、「〜てあげます」を相手に直接言わず「〜ましょうか」で申し出る使い分けもここで押さえます。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。文型の表記は出版社のシラバス一覧に合わせています。
学習項目5時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 友だちや家族からもらった物について「〈人〉がくれました」「この〜は〈人〉がくれました」と言える
  • 人にしてもらって助かったことを「〜てもらいました」「〜てくれました」の両方で言える
  • 自分が人のためにしたことを「〜てあげました」で話し、相手に直接申し出るときは「〜ましょうか」を使える
  • 「〜てあげます・〜てもらいます・〜てくれます」で、だれがしてだれが助かったかを助詞まで含めて正しく言える

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(第7課の復習とつなぎ)10分誕生日のプレゼントを話題に、第7課の「わたしは〜に〜をあげました」「わたしは〜に〜をもらいました」を学生に言わせる。板書に人の絵を二人描き、矢印の向きで あげます・もらいます を整理しておく。最後に「友だちはわたしに〜を……」と教師が言いよどみ、あげますが使えない向きがあることに気づかせて文型1へ
文型1・2(くれます)40分矢印が「わたし」に向かうときは「くれます」。教師が学生から物を受け取る実演で導入し、「このかばんは姉がくれました」の形で持ち物を紹介させる
文型3(〜てもらいます)40分物の矢印を行為に広げる。教師が学生に頼んで窓を開けてもらい、「わたしは〜さんに窓を開けてもらいました」。してくれた人に「に」が付くことを板書で固定
文型4(〜てくれます)30分文型3と同じ出来事を、してくれた人を主語にして言い直す。二つの文を板書で上下に並べ、助詞の違い(〜に/〜が)を比べる
文型5(〜てあげます)30分自分が人のためにしたこと。過去の話として「〜てあげました」で言わせ、相手に直接言うときは第14課の「〜ましょうか」を使う、と対比する
会話15分引っ越しの手伝いを申し出る場面。「手伝いに行きましょうか」の申し出と、受けるとき・断るときの言い方をかたまりで
練習C・問題15分最近助かったこと・人にしてあげたことをペアで話す。問題の聴解は授業内で、書く練習は宿題に

学習項目 1 〈人〉はわたしにNをくれます

意味・はたらき文型 1

ほかの人が話し手(わたし)に物を渡すとき、「あげます」ではなく「くれます」を使います。第7課の「あげます」は「わたし」から外へ向かう動詞で、外から「わたし」に向かってくるときは使えません。受け取る人が話し手の家族など、話し手の側の人のときにも「くれます」を使うことがありますが、この課では「わたし」に絞って教えます。「わたしに」は分かりきっているので、実際の会話では省くことが多いです。文法の用語では、あげます・もらいます・くれます をまとめて授受動詞(やりもらいの動詞)と呼び、このうち「くれます」だけが、物が話し手の側へ向かってくることを動詞そのもので表します。

接続

〈人〉+は/が+(わたしに)+N+を+くれます(くれます・くれました。主語は渡す人)

形
〈人〉はわたしにNをくれました〈人〉がNをくれました(わたしに を省いた形)だれがくれましたか

導入

  • 矢印の向きで三つの動詞を並べる板書に「わたし」と「友だち」の絵を描く。「わたし→友だち」の矢印に「あげます」、同じ矢印を友だちの側から見て「もらいます」と書いたあと、逆向きの「友だち→わたし」の矢印を引き、「あげます」に×を付けて「くれます」と書く。三つの動詞を矢印と一緒に一枚の図に残し、この課のあいだずっと消さない。
  • 学生から物を受け取る実演教師が学生に「ボールペンをください」と頼み、受け取ってから「田中さんはわたしにボールペンをくれました」と言う。次に別の学生にも同じことをして、学生に「〜さんは先生に……」と言わせかけ、矢印が教師(話し手)に向かうときだけ「くれます」になることを確かめる。学生どうしの間の受け渡しは「あげます」のままであることも一度見せる。

板書案

〈人〉は わたしに N を くれます
わたし ──あげます──→ 友だち / わたし ←──くれます── 友だち
姉は わたしに 時計を くれました。
〔赤〕くれます 〔青〕矢印の先が「わたし」なら くれます
×友だちは わたしに 花を あげました。

場面と発話(自作)

  • 友だちに新しいシャツをほめられた。誕生日に姉から届いたものだ。姉がくれました。
  • 留学生が先週の誕生日の話をしている。同じ寮の友だちが何をくれたか聞かれた。友だちはわたしに花をくれました。
  • クラスメートが珍しいお菓子を食べている。だれからもらったのか聞く。そのお菓子はだれがくれましたか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

人と物の絵カードを組にして「〜さんはわたしに〜をくれました」と言わせる代入練習(練習Bの型)から、矢印の向きを変えたカードを混ぜて「あげました・もらいました・くれました」を選ばせる練習へ。最後にペアで、誕生日や国に帰ったときにもらった物を話す(練習Cの型)。

  1. 口頭人の絵カード(父・母・姉・友だち)と物の絵カード(時計・花・本・かばん・お菓子)を1枚ずつ出し、「姉・時計」とキューを出す → 全員で「姉はわたしに時計をくれました」。次に個人を指名して言わせ、キューを「友だち・花」「父・かばん」と替える。慣れたら「わたしに」を省いた「姉が時計をくれました」も言わせる。最後に教師が矢印カード(→/←)を一緒に見せ、「わたし→友だち」のときは「あげました」、「友だち→わたし」のときは「くれました」と、向きを見て動詞を選ばせる。
  2. ペアAは「誕生日にもらった物」の絵が3枚描かれたカードと、くれた人の名前のメモを持つ。Bは「誕生日に、だれが何をくれましたか」と聞き、Aは「〜が〜をくれました」と答える。Bは聞いた答えをメモに書き、終わったら「〜さんのお姉さんは〜さんに時計をあげました」と第三者の立場で言い直して確かめる(ここで「あげました」に戻ることに気づかせる)。3枚で交替。
  3. 産出「わたしの宝物」発表。学生が人からもらった大事な物を一つ選び(実物か写真でよい)、「これは〜です。〜がくれました。〜のとき、くれました」と3文で紹介する。教師が見るのは、くれた人を主語にしているか、自分が受け取った向きで「あげました」を使っていないか、自分が主語の文で「くれました」を使っていないか。聞く側には「だれがくれましたか」を1つ質問させる。

つまずきと手当て

  • 「友だちはわたしにプレゼントをあげました」と、外から自分に向かう向きで「あげます」を使う。母語で give 一つで済ませる学習者に多い。板書の矢印の図に戻り、矢印の先が「わたし」なら「くれます」と指で確かめる
  • 「わたしは友だちにくれました」と、自分が渡す向きで「くれます」を使う。覚えたての動詞を使いすぎる誤り。主語が「わたし」なら「くれます」は使えない、と図の矢印の根元を指して示す
  • 目上の人に対して「先生がくれました」を使い続ける。この段階では誤りとはしないが、第41課で「くださいます」を習うと先に伝え、練習の場面は友だちや家族にしておく

既習の文型との違い

  • わたしは〈人〉にNをあげます(第7課)「あげます」は渡す人が主語で、物は「わたし」から外へ向かいます。「くれます」も渡す人が主語ですが、物は外から「わたし」に向かいます。主語が渡す人という点が同じなので学習者は混ぜやすく、「*友だちはわたしに本をあげました」が典型の誤りです。主語ではなく、矢印の先がだれかで選ぶと教えます。
  • わたしは〈人〉にNをもらいました(第7課)「友だちに本をもらいました」と「友だちが本をくれました」は同じ出来事で、主語が受け取る人か渡す人かが違います。助詞も「〈人〉に」と「〈人〉が」で入れ替わるので、学習者は「*友だちに本をくれました」と混ぜることがあります。同じ絵で二つの文を言わせ、主語の位置の人を指でさして確かめます。
関連する文型

学習項目 2 [〈物〉は]〈人〉がくれます

意味・はたらき文型 2

持ち物について話すとき、物を話題(は)にして「この時計は父がくれました」と言う形です。物が「は」で前に出たので、くれた人には「が」が付きます。「この時計は何ですか」「すてきですね」のように、ある物が話題になったときに、その物の出どころを答える自然な言い方です。だれがくれたかを聞くときも「その時計はだれがくれましたか」とこの形になります。文の組み立てで言うと、物が「は」で取り立てられて文の題目になり、くれた人が新しい情報として「が」で示される形です。

接続

(この/その+N+は)+〈人〉+が+くれました(くれた人は「が」。「は」は物に付く)

形
このNは〈人〉がくれましたそのNはだれがくれましたか——〈人〉がくれました。

導入

  • 教師の持ち物を紹介する教師が自分の時計やかばんを見せて「この時計はすてきでしょう?」と言い、学生の反応を受けて「この時計は父がくれました」と答える。板書は文型1の文「父はわたしに時計をくれました」を上に書き、下に「この時計は 父が くれました」と並べ、「時計」が前に出て「は」になり、「父」が「が」になったことを色を変えて示す。
  • 学生の持ち物で問答する学生にあらかじめ、人からもらった物を一つ持ってきてもらう。教師がその物を指して「そのかばんはいいですね。だれがくれましたか」と聞き、学生は「母がくれました」と答える。質問の形にも答えの形にも「が」が出ることを、問答を重ねて耳で覚えさせる。

板書案

〈物〉は 〈人〉が くれました
父は わたしに 時計を くれました。
↓(時計を前に)
この時計は 父が くれました。
〔赤〕は(物) 〔青〕が(くれた人)
その時計は だれが くれましたか。

場面と発話(自作)

  • クラスメートに「その傘、きれいですね」と言われた。日本に来るときに母がくれた傘だ。この傘は母がくれました。
  • 友だちの部屋に、新しい日本語の辞書がある。その辞書はだれがくれましたか。
  • ホームステイの家の人に、机の上の写真について聞かれた。国の友だちから届いた写真だ。この写真は友だちがくれました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

物の絵カードに「父」「姉」などの札を付けて見せ、「この〜は〜がくれました」と言わせる代入練習(練習Bの型)。仕上げはペアで、持ってきた物を見せ合って「その〜はだれがくれましたか」「〜がくれました」とやり取りする(練習Cの型)。

  1. 口頭物の絵カード(傘・辞書・写真・シャツ・時計)に、くれた人の札(母・兄・友だち・おじいさん・おばあさん)をクリップで付けて見せる。キュー「傘・母」→ 全員で「この傘は母がくれました」。次に教師が「その傘は?」とだけ聞き、学生に「母がくれました」と答えだけ言わせる。札を外して「だれがくれましたか」と問いの形も全員で言わせ、問いと答えの両方に「が」が出ることを耳で固める。
  2. ペアAは札の付いた絵カードを5枚、Bは札のない同じ絵カードを5枚持つ(情報差)。Bがカードを1枚指して「その〜はだれがくれましたか」と聞き、Aが札を見て「〜がくれました」と答える。Bは答えを自分のカードに書き込む。5枚終わったらカードを見せ合って答え合わせをし、役を替える。
  3. 産出「持ち物インタビュー」。学生は教室の中を歩き、ほかの学生の持ち物(かばん・ペン・時計など)を一つほめて「その〜、すてきですね。だれがくれましたか」と聞く。聞かれた人は「〜がくれました」か「自分で買いました」で答える。3人に聞いたら、席に戻って一人分を「〜さんの〜は〜がくれました」と報告する。教師は「は」と「が」の付け方と、「〜にくれました」になっていないかを聞く。

つまずきと手当て

  • 「この時計は父はくれました」と「は」を二つ使う。「父はくれたが、母は…」と比べる意味なら言えるが、ふつうに話すときは物に「は」が付いたら、くれた人は「が」と板書の色分けに戻って確かめる
  • 「この時計はわたしに父がくれました」と、文型1の部分を全部残して重くなる。誤りではないが、物が話題のときは「わたしに」を言わないほうが自然だと伝える
  • 「この時計は父にくれました」と、もらいます の「に」を使う。「〜に」はもらうときの相手の印で、くれます では渡す人に「が」が付く、と文型1・第7課の文と並べて確かめる

既習の文型との違い

  • 〈人〉はわたしにNをくれます(第24課)文型1は渡す人が話題で「父はわたしに時計をくれました」、文型2は物が話題で「この時計は父がくれました」です。同じ出来事でも、何について話しているかで前に出る語が変わります。学習者は「この時計は父はくれました」と「は」を重ねがちです。ほかの人と比べる意味(父はくれたが、母は…)なら言えますが、ふつうに言うときは、物が「は」なら人は「が」と組で覚えさせます。
  • わたしは〈人〉にNをもらいました(第7課)物を話題にして「この時計は父にもらいました」とも言えます。この場合は受け取ったわたしが言わずに隠れた主語で、父には「に」が付きます。「くれました」なら「が」、「もらいました」なら「に」と、動詞と助詞を組で入れ替える練習をすると混同が減ります。
関連する文型

学習項目 3 わたしは〈人〉に〈Vて形〉もらいます

意味・はたらき文型 3

ほかの人が自分のために何かをしてくれて、自分が助かったことを、受ける側(わたし)を主語にして言う形です。第7課の「もらいます」は物を受け取る動詞でしたが、ここでは物の代わりに「行為」を受け取ると考えます。してくれた人には「に」が付きます。ただ事実を言うのではなく、「してもらってありがたい」という気持ちが入るのがこの形の大事な点です。文法では補助動詞の「〜てもらう」と呼び、本動詞の「もらう」の受け取る意味が、行為から受ける恩恵に広がったものと説明します。相手に頼んでしてもらった場合にも、相手が自分から進んでしてくれた場合にも使えますが、自分が頼んだことがはっきりしているときは「〜てもらいました」のほうが自然に聞こえます。

接続

わたしは+〈人〉+に+Vて形+もらいます(動詞の目的語などはそのまま。例: 〈人〉に 荷物を 持って もらいます)

形
わたしは〈人〉にVてもらいましたわたしは〈人〉にNをVてもらいましただれにVてもらいましたか

導入

  • 教師が学生に頼んで、してもらう教師が重い箱を持って困った顔をし、学生に「手伝ってください」と頼む。運んでもらったあと「ありがとうございます」と言い、「わたしは田中さんに荷物を持ってもらいました」と板書する。文型1の図の矢印のそばに「荷物を持つ」と行為を書き足し、「物の代わりに、持つこと(行為)をもらった」と示す。
  • 最近助かったことを聞く学生に「日本に来て、困ったとき、だれが手伝いましたか」と聞き、出てきた答えを教師が「〜さんに〜てもらいましたね」と言い直して、学生に繰り返させる。答えはて形の作り方(第14課)の復習にもなるので、て形があやしい動詞は板書の端に書いておく。

板書案

わたしは 〈人〉に Vて もらいます
わたし ←──荷物を持つ── 田中さん
わたしは 田中さんに 荷物を 持って もらいました。
〔赤〕に(してくれた人) 〔青〕わたしは(もらう人=主語)
持ちます → 持って → 持って もらいました

場面と発話(自作)

  • 日本に来たばかりの留学生。学校の書類が分からなかったが、日本人の友だちが隣で説明した。わたしは友だちに書類の書き方を説明してもらいました。
  • 引っ越しの次の日、クラスメートに「引っ越し、大変でしたか」と聞かれた。友だちが三人来て手伝った。友だちに手伝ってもらいましたから、大丈夫でした。
  • 旅行の写真を見せている。自分が写っている写真について聞かれた。友だちに撮ってもらいました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

人の絵カードと行為の絵カード(荷物を持つ・写真を撮る・道を教える など)を組にして「〜に〜てもらいました」と言わせる代入練習(練習Bの型)。次に教室で実際に小さな頼みごと(ペンを貸す・窓を閉める)をペアでさせ、終わったら「〜さんに〜てもらいました」と報告させる。

  1. 口頭人の絵カードと行為の絵カード(荷物を持つ・写真を撮る・道を教える・自転車を直す・駅まで送る)を組で出す。キュー「友だち・写真を撮る」→ 全員で「わたしは友だちに写真を撮ってもらいました」。まず動詞のて形だけを全員で言ってから文にすると止まらない。慣れたら「だれに撮ってもらいましたか」と教師が聞き、学生に「友だちに撮ってもらいました」と短く答えさせる。
  2. ペアAは「先週困ったこと」のカード(日本語の手紙が分からない・引っ越しの荷物が多い・駅への道が分からない など)を引き、「〜が分かりませんでした」「荷物が多かったです」と言う。Bは「だれに〜てもらいましたか」と聞き、Aはカードの裏の人の名前を見て「〜に〜てもらいました」と答える。Bは最後に「よかったですね」と返す。4枚で交替。
  3. 産出「助かった話」スピーチ。日本に来てから、人にしてもらって助かったことを一つ選び、「〜とき、困りました。〜に〜てもらいました。とても助かりました」の3文で話す(第23課の「〜とき」も使える)。教師が見るのは、してくれた人に「に」が付いているか、主語が「わたし」のままか、て形が正しいか。聞く人には「だれに〜てもらいましたか」と1つ質問させる。

つまずきと手当て

  • 「わたしは友だちが手伝ってもらいました」と、してくれた人に「が」を付ける。もらう人が主語、してくれた人は「に」と、板書の主語に下線を引いて確かめる
  • 「先生はわたしに日本語を教えてもらいました」と、主語と向きが逆になる。「もらう」のはだれか、と聞き返して、主語を「わたし」に直させる
  • て形の誤り(「持ちてもらいました」「手伝いてもらいました」)。第14課のて形の作り方に戻り、この課で使う動詞だけでも口頭で一度回しておく

既習の文型との違い

  • わたしは〈人〉にNをもらいました(第7課)第7課の「もらいました」は物を受け取る文で、「〜を」の前は物の名詞です。この課の「〜てもらいました」は動詞のて形が入り、受け取るのは相手の行為です。学習者が「*友だちに手伝うをもらいました」のように動詞を名詞の位置に入れたら、て形にして「もらいました」に直接つなげる、と枠を見せます。
  • 〈Vて形〉ください(第14課)「〜てください」はこれから相手にしてほしいことを頼む文で、「〜てもらいました」はしてもらったあとで、そのことを話す文です。頼む場面で相手に「窓を開けてもらいます」と言ってしまう学習者がいるので、頼むときは「〜てください」、あとで人に話すときは「〜てもらいました」と、言う時点で分けます。
関連する文型

学習項目 4 〈人〉は〈Vて形〉くれます

意味・はたらき文型 4

ほかの人が自分のために何かをしてくれたことを、してくれた人を主語にして言う形です。文型3の「〜てもらいます」と同じ出来事を、見る側を変えて言っていると考えると分かりやすく、どちらにも「ありがたい」という気持ちが入ります。行為を受ける人の示し方は、もとの動詞の助詞のままです。「貸します」なら「わたしに」、「送ります(人を駅まで)」なら「わたしを」、物が自分の持ち物なら「わたしの〜を」になります。文法では補助動詞の「〜てくれる」と呼び、文型1の「くれます」と同じく、恩恵が外から話し手の側へ向かうことを表します。してくれた人が自分から進んでしたことにも、こちらが頼んだことにも使えます。

接続

〈人〉+は/が+Vて形+くれます(受ける人は動詞に合わせて「わたしに/わたしを/わたしの〜を」。言わないことも多い)

形
〈人〉はわたしにNをVてくれました〈人〉はわたしを〈場所〉までVてくれました〈人〉はわたしのNをVてくれましただれがVてくれましたか

導入

  • 文型3の文を言い直す文型3で板書した「わたしは田中さんに荷物を持ってもらいました」の下に、「田中さんは(わたしの)荷物を持ってくれました」と書く。同じ絵を指して二つの文を交互に言い、主語が変わると助詞も「に」から「は/が」に変わることを色分けで示す。どちらの文も「ありがとう」の気持ちがある、と最後に教師が笑顔で「ありがとう」と言い添える。
  • 受ける人の助詞を動詞ごとに分ける絵カードを三枚(傘を貸す・駅まで送る・かばんを持つ)用意し、一枚ずつ「友だちはわたしに傘を貸してくれました」「友だちはわたしを駅まで送ってくれました」「友だちはわたしのかばんを持ってくれました」と言う。板書に三つの文を並べ、「わたしに」「わたしを」「わたしの」の部分だけ枠で囲む。新しい規則として説明するのではなく、「貸します」「送ります」をふだん使う形のままだと気づかせる。

板書案

〈人〉は(わたしに/わたしを/わたしの N を)Vて くれます
わたしは 田中さんに 荷物を 持って もらいました。
田中さんは わたしの 荷物を 持って くれました。
〔赤〕に → は/が(主語が変わる)
貸します → わたしに 送ります → わたしを 持ちます → わたしの〜を

場面と発話(自作)

  • 雨の日、傘を忘れて困っていた。クラスメートの話を先生にする。田中さんがわたしに傘を貸してくれました。
  • 夜遅くまでアルバイトをした日、店の人が車で家まで送った。次の日、友だちに話す。店の人がわたしをうちまで送ってくれました。
  • ホームステイの家で、日本の料理の作り方が分からなかった。家のお母さんが一つずつ見せた。お母さんが作り方を教えてくれました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

文型3の絵カードをそのまま使い、「〜に〜てもらいました」を「〜が〜てくれました」に言い換える練習(練習Bの型)。続けて「貸す・送る・持つ・案内する・紹介する」で受ける人の助詞を変える練習へ。仕上げは「日本に来て、うれしかったこと」をペアで話し、「〜が〜てくれました」で言わせる(練習Cの型)。

  1. 口頭文型3の絵カードをそのまま使い、教師が「わたしは友だちに写真を撮ってもらいました」と言う → 学生が全員で「友だちが写真を撮ってくれました」と言い換える。次に動詞を替えたカード(傘を貸す・駅まで送る・かばんを持つ・町を案内する・友だちを紹介する)で、受ける人の部分(わたしに/わたしを/わたしの〜を)を変えて言わせる。迷ったら教師が「〜を貸しますか、〜を送りますか」ともとの動詞の形だけを聞いて思い出させる。
  2. ペアAは「してくれた人」を主語にした文、Bは「してもらった人」を主語にした文で言うと決める。教師が絵カードを1枚出すと、Aは「〜が〜てくれました」、Bは「わたしは〜に〜てもらいました」と同じ出来事を続けて言う。5枚で役を替える。終わったら、二つの文が同じ出来事を言っているか、二人でカードを指して確かめる。
  3. 産出「ありがとうカード」。学生が、日本で親切にしてくれた人(友だち・ホームステイの家の人・アルバイトの店の人など)を一人選び、「〜さんは〜てくれました。〜てくれました。ありがとうございました」とカードに書いて、クラスで読む。教師が見るのは、受ける人の助詞(わたしに/わたしを/わたしの)が動詞に合っているか、文型3の「〜に」と混ざっていないか。目上の人あてのカードには、第41課で「〜てくださいました」を習うと一言添える。

つまずきと手当て

  • 「友だちがわたしに駅まで送ってくれました」と、受ける人をいつも「わたしに」にする。もとの動詞が「人を送ります」なら「わたしを」と、絵カードの三つの文に戻って確かめる
  • 「友だちはわたしにかばんを持ってくれました」と、持ち物の場合も「わたしに」にする。かばんは「わたしの」かばん、と持ち物を指さして「わたしのかばんを」に直す
  • 「くれます」を付けずに「友だちが手伝いました」とだけ言う。誤りではないが、自分が助かった話では冷たく聞こえることがある。同じ文を二つ並べて読み、「くれました」があるほうが気持ちが伝わることを感じさせる

既習の文型との違い

  • わたしは〈人〉に〈Vて形〉もらいます(第24課)同じ出来事を、「〜てもらいます」は受けたわたしを主語に、「〜てくれます」はしてくれた人を主語にして言います。してくれた人の助詞が「に」から「が/は」に変わるので、学習者は「*友だちに手伝ってくれました」と混ぜやすいです。二つの文を上下に並べた板書に戻り、主語を丸で囲ませます。
  • 〈人〉はわたしにNをくれます(第24課)文型1は物が「わたし」に来る文、文型4は行為が「わたし」に来る文で、向きは同じです。違うのは受ける人の印で、物のときはいつも「わたしに」ですが、行為のときは動詞によって「わたしを」「わたしの〜を」にもなります。物の文の「わたしに」を全部に広げる誤りが出やすいところです。
関連する文型

学習項目 5 わたしは〈人〉に〈Vて形〉あげます

意味・はたらき文型 5

話し手が、ほかの人のために何かをすることを言う形です。第7課の「あげます」で物を渡したように、ここでは行為を相手のためにします。受ける人の示し方は文型4と同じで、もとの動詞の助詞のままです(「友だちに本を貸してあげます」「友だちを駅まで送ってあげます」「友だちの荷物を持ってあげます」)。「してあげる」は自分が相手に恩をかけている言い方なので、その相手に向かって直接言うと押しつけがましく聞こえます。相手に申し出るときは第14課の「〜ましょうか」を使い、「〜てあげました」はその場にいない人に、自分がしたことを話すときに使うのが自然です。文法では補助動詞の「〜てあげる」と呼びます。ポライトネスの見方では、相手に直接「〜てあげます」と言うことは、相手に借りを負わせる言い方になり、相手の面子を脅かすことがある、と説明できます。

接続

わたしは+〈人〉に(〈人〉を/〈人〉のNを)+Vて形+あげます(受ける人は動詞に合わせる)

形
わたしは〈人〉にNをVてあげましたわたしは〈人〉を〈場所〉までVてあげましたわたしは〈人〉のNをVてあげました(相手に言うときは)Vましょうか

導入

  • 教師が学生のためにしたことを話す授業の前に、教師が一人の学生のペンを拾ったり、プリントを渡したりしておく。授業で「わたしはさっき田中さんのペンを拾ってあげました」と言い、文型1の図の「わたし→友だち」の矢印に行為を書き足して「〜てあげます」と書く。これで矢印の三つの向き(あげます・もらいます・くれます)すべてに「て形」が付いた形がそろう、と図をまとめる。
  • 相手に直接言うときと比べる重そうな荷物を持つ学生に、教師がわざと胸を張って「荷物を持ってあげます」と言い、学生の反応を見る。次に同じ場面で「荷物を持ちましょうか」と言い直す。板書に二つの文を並べ、相手に向かって言うのは「〜ましょうか」、あとで人に話すのは「〜てあげました」と、だれに話すかで分ける。

板書案

わたしは 〈人〉に(〈人〉を/〈人〉の N を)Vて あげます
わたし ──町を案内する──→ 友だち
わたしは 国の友だちに 町を 案内して あげました。
〔赤〕あとで人に話す → 〜てあげました 〔青〕相手に言う → 〜ましょうか
先生、荷物を 持ちましょうか。(「持ってあげます」は相手に言わない)

場面と発話(自作)

  • 日曜日に何をしたか友だちに聞かれた。国から来た友だちに町を見せて回った。わたしは国の友だちに町を案内してあげました。
  • 母の日に何をしたか、クラスで話している。母に料理を作ってあげました。
  • 駅の階段で、大きいかばんを持ったおばあさんが困っている。声をかける。かばんを持ちましょうか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

行為の絵カードを見せて「わたしは〜に〜てあげました」と言わせる代入練習(練習Bの型)から、文型3・4の絵カードを混ぜて、教師が指す人の立場で「あげました・もらいました・くれました」を選ばせる練習へ。仕上げは、困っている人の場面カード(荷物が重い・道が分からない・写真を撮りたい)を引いて、相手に「〜ましょうか」と申し出る練習(練習Cの型)。

  1. 口頭行為の絵カード(町を案内する・料理を作る・写真を撮る・日本語を教える)と人の絵カード(国の友だち・弟・母)を組で出す。キュー「弟・日本語を教える」→ 全員で「わたしは弟に日本語を教えてあげました」。「駅まで送る」は「〜に」の枠に入れず、最後に別のカードで「わたしは母を駅まで送ってあげました」と「〜を」の枠で言わせる。次に教師が矢印カードの向きを変えて同じ絵を出し、「あげました/もらいました/くれました」のどれになるかを選ばせて言わせる。最後に「相手に言うときは?」と聞き、同じ絵で「〜ましょうか」に言い換えさせる。
  2. ペアAは困っている人の場面カード(荷物が重い・道が分からない・写真を撮りたい・傘がない)を引いて、困っている様子を言う(「重いですね……」)。Bは「〜ましょうか」と申し出て、Aは「ありがとうございます。お願いします」か「いいえ、大丈夫です」で答える。4枚終わったら、Bはその日のことを教師に「わたしは〜さんに〜てあげました」と報告する。申し出と報告で形が変わることを、続けてやって体で覚えさせる。
  3. 産出「週末の親切」日記。学生が、週末に人のためにしたことを一つ、人にしてもらったことを一つ選び、「〜てあげました」「〜てくれました/〜てもらいました」を使って4〜5文の日記を書く。書いたらペアで読み合い、相手に「だれが手伝いましたか」と一つ質問する。教師が見るのは、受ける人の助詞が動詞に合っているか、目上の人について「〜てあげました」を使っていないか(その場合は「先生の荷物を持ちました」のように「あげました」を付けない言い方を示す)。

つまずきと手当て

  • 先生や目上の人に「先生、荷物を持ってあげます」と言う。気持ちは親切でも、恩をかける言い方になる。「持ちましょうか」に言い換えさせ、目上の人にはなおさら「〜てあげます」を向けないと伝える
  • 受ける人の助詞を「〜に」に固定して「友だちに駅まで送ってあげました」と言う。文型4と同じく、もとの動詞が「人を送ります」なら「友だちを」と確かめる
  • 「わたしは友だちに手伝ってあげてもらいました」のように、あげます・もらいます を重ねる。だれがしてだれが助かったかを、板書の矢印一本で言い直させる

既習の文型との違い

  • 〈Vます形〉ましょうか(第14課)「〜ましょうか」はこれからすることを相手に申し出る言い方で、その場の相手に向けて使います。「〜てあげました」はしたあとで、その場にいない人に話す言い方です。学習者は親切のつもりで相手に「持ってあげます」と言いがちなので、言う相手がだれかで二つを分けさせます。
  • わたしは〈人〉にNをあげます(第7課)第7課は物を渡す文で、受ける人はいつも「〈人〉に」でした。行為の「〜てあげます」では、動詞によって「友だちを駅まで送ってあげます」「友だちの荷物を持ってあげます」のように受ける人の助詞が変わります。物の文の「〜に」をそのまま使って「*友だちに駅まで送ってあげました」とする誤りが多いので、もとの動詞の文を先に言わせます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は「くれます」のほか、人のためにする行為の動詞(直します・連れて行きます・送ります(人を)・紹介します・案内します・説明します など)が中心で、そのまま「〜てあげます・〜てもらいます・〜てくれます」の材料になります。動詞は絵カードで先に出し、て形まで言えるようにしてから文型に入ると、練習が止まりません。「送ります」は第7課の「手紙を送ります」と違って人を目的語にとる使い方なので、「人を駅まで送ります」の形でかたまりで覚えさせます。

この課の練習で使う語(11語・意味・連語・例文)

  • くれます(くれます) ほかの人が、わたしやわたしの家族に物を渡します。 プレゼントを〜・母が〜・わたしに〜
    友だちに、新しいかばんについて聞かれた。
    「このかばんは兄がくれました。」
  • 直します(なおします) 壊れた物や間違っているところを、よくします。 自転車を〜・作文を〜・パソコンを〜
    自転車が壊れて困っていたら、友だちが来てよくしてくれた。
    「友だちが自転車を直してくれました。」
  • 連れて行きます(つれていきます) 人や動物といっしょに、ほかの場所へ行きます。 子どもを〜・犬を公園へ〜・病院へ〜
    日曜日に何をしたか、同僚に聞かれた。
    「子どもを動物園へ連れて行きました。」
  • 送ります(おくります) 人といっしょに、駅やうちまで行きます。 友だちを駅まで〜・うちまで〜・車で〜
    雨の夜、アルバイトが遅く終わった。
    「店の人がわたしをうちまで車で送ってくれました。」
  • 紹介します(しょうかいします) 知らない人どうしに、名前や仕事などを話して、知り合いにします。 友だちを〜・家族に〜・いい店を〜
    国から来た姉に、日本の友だちを会わせた。
    「わたしは姉に友だちを紹介しました。」
  • 案内します(あんないします) その場所を知らない人といっしょに行って、いろいろ見せます。 町を〜・大学を〜・友だちを〜
    国の友だちが日本に来たので、週末に町を見せて回った。
    「友だちに町を案内してあげました。」
  • 説明します(せつめいします) 分からない人に、意味ややり方を分かるように話します。 使い方を〜・意味を〜・道を〜
    コピーの機械の使い方が分からなかったが、同僚が教えてくれた。
    「同僚が使い方を説明してくれました。」
  • 貸します(かします) 自分の物を、少しの間ほかの人に使わせます。 傘を〜・本を〜・友だちに〜
    雨が急に降ってきた。傘がなくて困っていた。
    「隣の人がわたしに傘を貸してくれました。」
  • 教えます(おしえます) 知らない人に、知っていることを話して分かるようにします。 道を〜・電話番号を〜・日本語を〜
    駅で道が分からなくて困っていた。
    「駅の人に道を教えてもらいました。」
  • 撮ります(とります) カメラや電話で写真を作ります。 写真を〜・みんなで〜
    旅行の写真を見せている。自分が写っている写真について聞かれた。
    「この写真は友だちに撮ってもらいました。」
  • いれます(いれます) お茶やコーヒーを作って、飲めるようにします。 コーヒーを〜・お茶を〜
    会社で疲れていたら、同僚が温かい飲み物を持ってきてくれた。
    「同僚がコーヒーをいれてくれました。」

会話の扱い

会話は、引っ越しを控えた友だちに、手伝いを申し出る場面です。題の「手伝いに行きましょうか」は、第13課の目的の「〜に行きます」と第14課の申し出の「〜ましょうか」を組み合わせた言い方で、この課の「〜てあげます」を相手に直接使わずに親切を申し出る形になっていることを最初に確認します。教室では、教師が段ボール箱を前に困っている役をし、学生に申し出させるところから始め、申し出を受けるとき(「ありがとうございます。お願いします」)と、一度遠慮するとき(「いいえ、大丈夫です」)の両方の返し方を練習します。ロールプレイは、引っ越し・パーティーの準備・重い荷物、と場面を替えて二回。最後に、当日手伝ってもらったことを別の人に話す役を作り、「〜が手伝ってくれました」「〜に手伝ってもらいました」で報告させると、申し出(〜ましょうか)と報告(〜てくれました)の使い分けがつながります。

宿題と次のコマ

練習Bを書いて提出。問題の聴解は授業内で済ませ、読んで書く部分を宿題にする。あわせて「日本に来て、人にしてもらってうれしかったこと」を「〜が〜てくれました」「〜に〜てもらいました」で三つ、「人にしてあげたこと」を「〜てあげました」で一つ書かせ、次のコマの最初にペアで読み合う。次のコマは第25課の「〜たら」「〜ても」に進むので、て形とた形の作り方を口頭で回しておく。

よくある質問

  • 第24課の「くれます」と「あげます」の違いはどう教えればいいですか?

    どちらも渡す人が主語なので、主語で区別させようとすると混乱します。板書に「わたし」と「友だち」を描き、物の矢印の先が「わたし」(話し手)なら「くれます」、それ以外なら「あげます」と、向きで選ばせます。第7課の「あげます・もらいます」を最初に矢印の図で復習しておき、その図に逆向きの矢印を足して導入すると、三つの動詞が一枚の図に収まります。

  • 「〜てもらいます」と「〜てくれます」はどう使い分けますか?

    同じ出来事を、受けた人(わたし)を主語にするのが「〜てもらいます」、してくれた人を主語にするのが「〜てくれます」です。してくれた人の助詞が「〜に」か「〜が/は」かで形が分かれます。どちらにも「ありがたい」気持ちが入るので、初級ではまず同じ絵で両方言える練習を十分にし、言い換えの練習で助詞を固めます。

  • 「〜てあげます」を相手に直接言うのがよくないのはなぜですか?

    「〜てあげます」は、話し手が相手のためにしてやる、と恩を示す言い方なので、その相手に向かって言うと押しつけがましく聞こえることがあります。特に目上の人には向けません。相手に申し出るときは第14課の「〜ましょうか」を使い、「〜てあげました」は、したことをあとで別の人に話すときに使う、と場面で分けて練習します。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は第7課の復習と「くれます」(文型1・2)、文型3「〜てもらいます」まで。2コマ目は文型4「〜てくれます」と文型5「〜てあげます」、会話と練習C、問題です。行為の動詞のて形があやしいクラスでは、1コマ目の最初に第14課のて形を5分回しておくと、文型3から先が止まりません。

  • 授受の板書はどう組みますか?

    黒板の左に「わたし」と「友だち」の絵を描き、あげます・もらいます・くれますを矢印で示した図を作って、課のあいだずっと残します。右側に文型の枠を置き、文型3と文型4は同じ出来事の文を上下に並べて、主語と助詞(〜に/〜が)を色を変えて示します。行為の文では、受ける人の部分(わたしに/わたしを/わたしの〜を)を枠で囲んでおくと、動詞ごとの違いが見えます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

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