Face Threatening Act の略。依頼・命令・批判・反論・断りなど、相手や自分のフェイスを脅かすおそれのある言語行動のこと。日本語では「フェイス侵害行為」「フェイスを脅かす行為」などと訳される。
コミュニケーションにFTAは避けられないため、人はその脅威を見積もり、ポジティブ・ポライトネスやネガティブ・ポライトネスなどの方略で和らげようとする、と説明される。脅威の大きさは社会的距離・力関係・負担の重さという要因から見積もられるとされる。
友人に食事に誘われて断る場面。「行けない」とだけ言うと、誘った人のフェイスを強く脅かす。「誘ってくれてありがとう。その日はちょっと……また今度ぜひ」のように、感謝・ためらい・代案を添えると脅威が小さくなる。日本語の断りで理由を言い切らず「ちょっと」で止める言い方も、FTAを和らげる工夫として説明できる。
同じ依頼でも、親しい同僚にペンを借りるのと、初対面の上司に週末の仕事を頼むのとでは脅威の大きさが違う。相手との距離が遠いほど、相手の力が強いほど、頼む内容の負担が重いほど、FTAは大きく見積もられ、より間接的で丁寧な言い方が選ばれやすい。前者なら「ペン貸して」で済んでも、後者では前置きやわびの言葉が重ねられる。
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