文中の要素を取り上げ、同類の他のものとの関係(限定・累加・極端な例など)を示す助詞。は・も・こそ・さえ・でも・だけ・しか・ばかりなどがあり、副助詞・係助詞とも呼ばれる。
格助詞が名詞と述語の関係を示すのに対し、取り立て助詞は暗に他のものを意識させる点が働きの違い。「ビールも飲む」は他にも飲むものがあることを、「ビールだけ飲む」は他は飲まないことを含意する。「が・を」とは共起せず置き換わるが、「に・で」とは重ねられる(学校には行く)。
共起制約が要点。「しか」は必ず否定と共起し(水しかない)、肯定でも否定でも使える「だけ」と対比される。学習者の「水しかあります」型の誤用は、この制約の未習得として説明される。
「コーヒーは飲みます」と言えば、他の飲み物は飲まないかもしれないという対比が感じられる。「コーヒーも飲みます」なら他の飲み物に加えてコーヒーも、「コーヒーしか飲みません」ならコーヒー以外は飲まないという意味になる。どの助詞を選ぶかで、言葉にしていない「他のもの」との関係が変わる。
「1時間しか勉強しなかった」と「1時間も勉強した」は、同じ1時間について、話し手が少ないと見ているか、多いと見ているかを表している。数量に付く「しか」「も」は、文の内容だけでなく話し手の評価を読み取る練習の素材になる。「3回も」「千円しか」のような例を増やし、話し手がどう感じているかを言葉にさせるとよい。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。