日本語の言語行動を説明する枠組みの一つ。話し手が自分の側(ウチ=家族・自分の会社など)と相手の側(ソト)を区別し、それが敬語の使い分け・授受表現・呼び方などに反映される。
たとえば社内では「田中部長はいらっしゃいますか」と尊敬語で扱う上司でも、社外の人に対しては「田中は席を外しております」とウチの人間として謙譲的に扱う。ウチ・ソトの線引きは固定ではなく、場面によって動的に変わる点がポイント。
取引先から電話で「鈴木課長はいらっしゃいますか」と聞かれたとき、受けた社員は「鈴木はただいま外出しております」と答える。社内では敬意を向けている上司でも、社外の相手に対しては自分の側(ウチ)の人として扱い、名前に役職をつけず、尊敬語も使わない。
授受表現にもウチとソトが表れる。「くれる」は、受け手が話し手自身か、話し手の側(ウチ)の人であるときに使う。「先生が妹にお土産をくれた」とは言えるが、受け手が話し手と関わりのない人なら「先生が田中さんにお土産をあげた」となり、「田中さんにくれた」とは言いにくい。学習者が「くれる」と「あげる」を混同するときの説明に使える。
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