イントネーションは文全体にかかる音調の上がり下がりで、同じ形の文でも文末を上げれば質問、下げれば断定になる(「そう。」/「そう?」)。プロミネンスは文中の特定の部分を際立たせる強調で、「きょう、京都へ行きます」のようにどこを立てるかで伝わる内容が変わる。
アクセントとの区別が要点。アクセントは語ごとに決まっていて話し手が自由に変えられないのに対し、イントネーションとプロミネンスは話し手が文のレベルで運用するものである。日本語では強調してもその語のアクセント型(下がり目の位置)は壊れず、音の幅が広がる形で実現される。
学習者は文末イントネーションが平板になったり、強調しようとして語のアクセント型を崩したりしやすい。単語単位の発音練習だけでは自然さに届かないため、文単位・談話単位の音声指導が必要になる。
「行く」を文末を上げて「行く?」と言えば相手への問いかけ、文末を下げて「行く。」と言えば自分の予定の表明になる。語の並びは同じでも、文末の音調で発話の働きが変わる。初級の会話では、普通体の疑問文が「か」を付けずに上昇調だけで作られることを、この対比で示すとよい。同じ上昇調でも、上げ方の幅や長さで、驚きや念押しなどの気持ちが加わることにも触れておく。
「だれが来ましたか」と聞かれて「田中さんが来ました」と答えるとき、際立たせるのは答えの中心である「田中さん」である。ここで「来ました」を目立たせると、問いと答えの焦点がずれて不自然に聞こえる。プロミネンスは、文の中のどこが新しい情報や対比の中心かを示す働きをもつ。問いと答えを組にして読ませると、どこを立てるかを意識させやすい。
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