話し手と聞き手の間にある情報の差。相手が知らないことを自分が知っているという状態があってはじめて、伝える必然性が生まれる。教室活動を本物のやり取りに近づけるための鍵になる概念。
コミュニカティブ・アプローチでは、情報の差(インフォメーション・ギャップ)・言い方を学習者が選べること(選択権)・伝わったかどうかが返ってくること(フィードバック)の3要素が求められるとされる。互いに違う地図をもって道を尋ね合う、片方だけが持つ時刻表で待ち合わせを決めるといった活動が典型例。
全員が同じ絵を見ながら「これは何ですか」と尋ねる練習には情報の差がなく、形の練習にはなってもやり取りにはならない。この見分けが試験の問われどころ。差には情報のほか、意見の差(オピニオン・ギャップ)、推論の差(リーズニング・ギャップ)もある。
ペアの一方に、駅前の地図で「銀行」「郵便局」の位置だけが書かれたカード、もう一方に「図書館」「病院」の位置だけが書かれたカードを渡す。互いにカードを見せずに「図書館はどこにありますか」「駅を出て、まっすぐ行って……」と尋ね合い、自分の地図を完成させる。相手に聞かなければ分からないので、尋ねる必然性が生まれる。
同じ地図を二人とも見ながら「銀行はどこにありますか」と順番に言い合う練習は、答えを互いに知っているので情報の差がない。表現は同じでも、こちらは形の練習であり、やり取りの練習にはなっていない。活動を作るときは、相手に聞かなければ課題が終わらない仕組みになっているかを確かめる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。