言語教育の目標をコミュニケーション能力の育成に置く考え方の総称。CLT(Communicative Language Teaching)とも呼ばれる。ハイムズが提唱した「コミュニケーション能力」(文法的な正しさだけでなく、場面にふさわしく使える力)を理論的な支えとし、1970年代のヨーロッパで機能・概念シラバスの開発とともに広まった。
特定の手順をもつ教授法ではなくアプローチ(考え方)である点が重要。教室活動には、情報の差を埋めるインフォメーション・ギャップ、何をどう言うかを学習者が選べる選択権、伝わったかどうかが返ってくるフィードバックという3つの要素が求められるとされる。
重視したのは流暢さと意味のやり取り、犠牲になりがちなのは正確さと文法の体系性である。「文法を教えない教授法」と言い切る選択肢は誤りで、のちにフォーカス・オン・フォーム(意味のやり取りの中で必要に応じて形式に注意を向けさせる)の考え方が補われた。