日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第31課「昨夜ダイヤモンドがぬすまれました」の教案

『学ぼう!にほんご 初級Ⅱ』

第30課で受身形を作り、人が主語になる受身(ほめられる・手をかまれる・雨に降られる)を学んだのを受けて、この課では物や出来事が主語になる受身と、作った人・建てた人を言う「〜によって」を学びます。第30課の受身は「わたし」や「〜さん」が何かをされて、うれしい・困ったという気持ちを言う形でしたが、この課の受身は、だれがしたかよりも「何が・どうされたか」を伝えるための形で、ニュース・お知らせ・案内・物の説明でよく使われます。新しい活用形はないので、時間は「どんなときに物を主語にするか」を場面で見せることに使えます。教えるときの芯は、第20課の自動詞の文(窓が割れました)と並べて、受身にすると「だれかがした」ことが文に残る、と見せることです。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目2時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 盗まれる・使われる・行われるなど、物や出来事を主語にした受身の文を作れ、能動文の「を」を「が/は」に変えられる
  • 事件やお知らせの中で、だれがしたかを言わずに「何がどうされたか」を伝えられる
  • 「〜ています」をつけて、物が今も広く使われている・作られていることを説明できる
  • 建物・作品・発明を紹介するときに、作った人を「〜によって」で言え、第30課の「に」との違いがわかる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)10分第30課の受身を2〜3人に聞く(「子どものとき、だれによくしかられましたか」)。そのあと教師が自転車置き場の絵を見せて「きのう、わたしの自転車が……盗まれました。だれが盗みましたか。わかりません」と言い、きょうは「わたし」ではなく物が主語になる受身だと予告する。黒板の端には第30課の受身形の表を残しておく(1コマ目は導入から学習項目1の〜ています・お知らせまで、2コマ目は学習項目2から)
学習項目1 物が主語の受身(事件・出来事)40分割れた窓・なくなったかばんの絵で「〜が〜られました」を導入。第20課の自動詞の文(窓が割れました)と左右に並べて板書し、受身にすると「だれかがした」ことが残る違いを見せる
学習項目1 物が主語の受身(〜ています・お知らせ)40分学生の国の物の写真で「〜は〜で作られています/使われています」、学校の行事カレンダーで「〜は〜月に行われます」。した人を言わなくても物の説明やお知らせになることを確かめる
学習項目2 〜によって50分電話・飛行機・有名な絵や建物の写真でクイズをして「〜は〜によって発明されました/建てられました」を導入。作る動詞のカードを「によって」の列に貼り、第30課の「に」と分ける
まとめの活動35分「わたしの国の有名な物」の発表。一人一つ選び、いつ・だれによって作られたか(学習項目2)、今どこでどう使われているか・いつ行われるか(学習項目1)を受身で3文にまとめて話し、聞く人は「だれによって作られましたか」と質問する
振り返りと宿題5分二つの受身を一文ずつ言わせて終える(「〜が盗まれました」「〜は〜によって建てられました」)。宿題の発表の題を決めさせ、材料は「で」、作った人は「によって」と最後にもう一度確かめる

学習項目 1 〜れます/られます 受身(4)

意味・はたらき学習項目 1

この教案では、受身(4)を物や出来事が主語になる受身として扱います。第30課の受身は人が主語で、その人がほかの人に何かをされたことを言う形でした。この課の受身は物や出来事を主語にして、「何が・どうされたか」を伝えます。した人がわからないとき、だれがしたかは大事ではないとき、多くの人がしていることを言うときに使い、ニュース・お知らせ・物の説明によく出ます。した人はふつう文に出しませんが、「世界中の人に」「多くの人に」のように、する人の広がりを言うときは「に」で言えます。日本語教育の文法では、このように物や出来事が主語になる受身を非情の受身と呼び、人が主語の受身(第30課)と分けて扱います。

接続

物・出来事の名詞+が(は)+受身形(第30課と同じ形)。今も続いていることは「〜れています/られています」。物が主語の受身は「を」をとる動詞(他動詞)からだけ作る

形
Nが〜れました/られました(自転車が盗まれました・窓が割られました)Nは〈場所〉で〜れています/られています(この歌は世界中で歌われています・この車はタイで作られています)Nは〈日時〉に〜れます/られます(入学式は4月に行われます)

導入

  • 事件の絵で「だれかがした」を見せる割れた窓の絵と、自転車がなくなった自転車置き場の絵を見せて「どうしましたか」と聞き、学生から第20課の「窓が割れています」を引き出す。教師が「だれかが割りました。だれですか。わかりません」と言って「窓が割られました」「自転車が盗まれました」と板書し、主語が「わたし」ではなく物であることに下線を引く。黒板の左に自動詞の文(窓が割れました)、右に受身の文(窓が割られました)を並べ、右の文にだけ小さく人の形を描いて、受身にすると「だれかがした」ことが残ると見せる。
  • 物の説明とお知らせで使う学生の国の物(車・お茶・電話など)の写真や実物を見せ、教師が「この車は日本で作られています。いろいろな国で使われています」と言う。だれが作ったか・だれが使っているかを言わなくても物の説明になることを確かめ、「〜ています」の形を枠で板書する。続けて学校の行事カレンダーを貼り、「入学式は4月に行われます」と言って、お知らせの言い方にもなることを見せる。

板書案

〈物・出来事〉が + 受身形(〜れます/られます)
だれかが 窓を 割りました。 → 窓が 割られました。
この車は タイで 作られています。 運動会は 10月に 行われます。
〔赤〕「を」→「が/は」の矢印 〔青〕「だれかが」に×(言わなくてよい)
〔左〕窓が 割れました(第20課・自動詞) 〔右〕窓が 割られました(受身・右にだけ人の形の印)

場面と発話(自作)

  • 朝、寮の自転車置き場で自分の自転車がなくなっていた留学生が、寮の管理人に話す。すみません、きのうの夜、自転車が盗まれました。
  • 日本語の授業で、学生に「スマホ」という言葉の意味を聞かれた先生が答える。「スマホ」は今、日本中で使われていますよ。
  • 会社で、総務の人が新しく入った社員に、来週の行事を伝える。新しい社員の歓迎会は、来週の金曜日に3階の会議室で行われます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず第30課の表で受身形を一周する(盗みます→盗まれます、使います→使われます、行います→行われます、建てます→建てられます)。次に事件の絵カード(割れた窓・なくなったかばん・壊れたいす)を見せて「〜が〜られました」、物の写真を見せて「〜は〜で〜られています」と一文で言わせる。場面のやり取りでは、ペアの一人が交番の人、一人が物をなくした人になり、「どうしましたか」「〜が盗まれました」「いつですか」「〜です」と続ける。

  1. 口頭教師が絵カードと動詞のます形を一緒に出し、全体→個人の順で受身の文を言わせる。キューの例は「窓・割ります」→「窓が割られました」、「財布・盗みます」→「財布が盗まれました」、「いす・壊します」→「いすが壊されました」。慣れたら「お茶・飲みます・世界中」→「お茶は世界中で飲まれています」、「運動会・行います・10月」→「運動会は10月に行われます」と、〜ています・お知らせの形にも広げる。最後に教師が能動文(だれかがかばんを盗みました)を言い、学生が受身文に言い替える変換を5〜6回。
  2. ペアAは「事件メモ」(いつ・どこで・何がどうされたかを絵で描いたカード)を持つ被害者、Bは白紙の届けの紙を持つ交番の人。Bは「どうしましたか」「何が盗まれましたか」「いつですか」と聞いて紙を埋め、最後にAのカードと見比べて合っているか確かめる。Aは自分を主語にせず、物を主語にして答える(「かばんが盗まれました」)。カードを替えて役を交替し、2〜3回まわす。
  3. 産出「教室ニュース速報」。学生は学校や町で起きたこと・これからある行事を想像して、受身の文を3つ使ったニュース原稿を書き(「きのう、駅の前で自転車が3台盗まれました」「あしたの夜、公園で花火大会が行われます」)、アナウンサーになって読み上げる。聞く人は一つ質問する。教師が見るのは、能動文の「を」が残っていないか、グループⅠの「う」で終わる動詞が「わ」になっているか(使われます・行われます)、自動詞を受身にしていないかの3点。

つまずきと手当て

  • 「*この歌を世界中で歌われています」と、能動文の「を」を残す。受身にすると「を」がついていた物が主語になるので「が」か「は」になる。能動文(世界中の人がこの歌を歌います)と受身文を上下に書き、「を」が「は」に変わるところを矢印で見せる
  • グループⅠの「う」で終わる動詞で「*使あれます」「*歌られます」と言う。マス形の「い」が「わ」になる(使います→使われます・歌います→歌われます・行います→行われます)と、第30課の表のその行を赤で囲んで確かめる
  • 自動詞を受身にして「*雨が降られました」「*電気がつかれました」と言う。物が主語になる受身は「を」をとる動詞からしか作れない。第30課の「雨に降られました」は人が主語の迷惑の受身で、この課の形とは別だと二つを並べて見せる
  • 第30課の持ち主の受身と混ぜて「わたしは自転車が盗まれました」と言う。自分の被害として言うなら「わたしは自転車を盗まれました」、出来事として言うなら「自転車が盗まれました」と、二つの形に分けて板書する
  • グループⅡの受身形は第22課の可能形と同じ形なので、「この魚は生で食べられます」が「食べることができる」とも聞こえる。物の説明で「多くの人が食べている」と言いたいときは「よく食べられています」と「〜ています」をつけるとはっきりする

既習の文型との違い

  • 自動詞・他動詞(第20課)第20課の「窓が割れました」は自動詞の文で、窓に起きたことだけを言い、だれかがしたかどうかは言いません。この課の「窓が割られました」は他動詞の受身で、だれがしたかわからなくても、だれかがしたことが文に残ります。二つを重ねて「*窓が割れられました」と言う誤りが出たら、左右に並べた板書に戻します。
  • 〜てあります(第20課)「ポスターが貼ってあります」は、だれかが目的をもってした結果が今も残っていることを言い、目の前の様子の説明に使います。この課の「ポスターが貼られました」は、貼るという出来事があったことを伝える形です。今の様子を見ながら言うなら〜てあります、何があったかを知らせるなら受身、と場面で分けます。
  • 〜れます/られます 受身(3)(第30課)第30課の「雨に降られました」は人が主語で、ほかの人や天気のせいで困ったという気持ちを言う受身でした。この課の受身は物が主語で、気持ちは入らず、出来事をそのまま伝えます。第30課の形に引かれて「*雨が降られました」と言ったら、「を」をとらない動詞は物が主語の受身にならないことを確かめます。
関連する文型

学習項目 2 〜れます/られます 受身(5)

意味・はたらき学習項目 2

この教案では、受身(5)を作った人・建てた人を「〜によって」で言う受身として扱います。建物・作品・発明・発見など、ある人の手で世の中に出た物を主語にして、それをした人を「〜によって」で表します。建てる・作る・書く・描く・発明する・設計するのように物を新しく生む動詞では、した人はふつう「に」ではなく「によって」で言います。歴史や作品の説明、案内板、発表のような、少しかたい話し方・書き方で使われます。文法の上では、動作をした人を表す「に」の代わりに「によって」を使う受身で、作る・建てるのような物を生み出す動詞と強く結びつきます。会話の中で自分や身近な人のしたことを言うときは、受身にせず「〜が〜ました」と言うのがふつうです。

接続

作られた物+は(が)+した人+によって+受身形(建てられました・書かれました・発明されました)

形
Nは〈人〉によって建てられました/作られましたNは〈人〉によって書かれました/描かれましたNは〈人〉によって発明されました/発見されました/設計されました〈材料〉で作られています(材料は「によって」ではなく「で」)

導入

  • 有名な物の写真でクイズ電話・飛行機・有名な絵・有名な建物の写真をカードにして、「これはだれが発明しましたか」とクイズにする。答えが出たら教師が「電話はベルによって発明されました」と言い、「[物]は [人]によって [受身形]」の枠を板書する。能動文(ベルが電話を発明しました)と上下に並べ、物が主語の位置へ、した人が「によって」の位置へ動くところを矢印で見せる。
  • 第30課の「に」と分ける第30課の「先生にほめられました」と、この課の「〜によって建てられました」を並べて書く。第30課の「に」は何かをされた人がいる受身、この課の「によって」は物を新しく作った人だと確かめ、作る・建てる・書く・発明するの動詞カードを「によって」の列に貼っておく。学校や学生の町の建物の写真で「この建物は何年に、だれによって建てられましたか」と聞き合うと、自分の国の話につながる。

板書案

〈作られた物〉は 〈人〉によって + 受身形
ベルが 電話を 発明しました。 → 電話は ベルによって 発明されました。
このいすは 木で 作られています。(材料=で)
〔赤〕「によって」の列:建てる・作る・書く・描く・発明する・設計する
〔青〕第30課「先生に ほめられました」の「に」を左に並べて分ける

場面と発話(自作)

  • 観光地で、ガイドが留学生のグループに古い橋の説明をする。この橋は、150年ぐらい前に、外国の技術者によって作られました。
  • 美術館で、日本人の友達が留学生に、壁の大きな絵について教える。この絵は、とても有名な画家によって描かれました。
  • 授業の発表で、留学生が自分の国の古いお城の庭の写真を見せながら紹介する。このお城の庭は、400年ぐらい前に、有名な庭師によって造られました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭練習では、物の写真カード(電話・飛行機・絵・本・建物)と人の名前カードを組み合わせて「〜は〜によって〜られました」と一文で言わせる。動詞は言わずにカードだけ見せ、物に合う動詞(建てる・書く・描く・発明する)を学生に選ばせると、「によって」と動詞の組み合わせが身につく。場面のやり取りでは、ペアで自分の国の有名な物を一つずつ選び、「これは何ですか」「〜です」「だれによって作られましたか」「〜によって作られました」と聞き合う。

  1. 口頭物の写真カードと人のカードを組み合わせて出し、全体→個人で「〜は〜によって〜られました」と言わせる。キューの例は「電話・ベル」→「電話はベルによって発明されました」、「この歌・町の小学生」→「この歌は町の小学生によって作られました」、「この本・有名な作家」→「この本は有名な作家によって書かれました」、「この橋・外国の技術者」→「この橋は外国の技術者によって設計されました」。動詞は言わず、物に合う動詞を学生に選ばせる。途中で材料のカード(木・紙・石)を混ぜ、「で」と「によって」を選び分けさせる。
  2. ペア「発明・名作クイズ」。Aは物の写真と答え(作った人・年)が書かれたカードを持ち、Bは写真だけを見て当てる。Bが「これはだれによって発明されましたか」と聞き、Aが「〜年に作られました」とヒントを一つ出す。Bが「〜によって発明されたと思います」と答え、Aが「そうです/ちがいます。〜によって〜られました」と言う。5枚で交替する。
  3. 産出「名所ガイド・ロールプレイ」。学生は自分の国や町の建物・作品を一つ選び、ガイド役になって、いつ・だれによって作られたか、何で作られているか、今どう使われているかを受身で3〜4文にまとめ、観光客役の2〜3人に案内する。観光客役は一つ質問する。教師が見るのは、作る系の動詞で「によって」を使っているか、材料を「によって」にしていないか、自分のしたことに「によって」を使っていないかの3点。

つまずきと手当て

  • 作る動詞でも第30課と同じ「に」を使って「この学校は外国の人に建てられました」と言う。物を新しく生む動詞(作る・建てる・書く・発明する)では、した人は「によって」で言う、と動詞カードの列に戻って確かめる
  • 材料と作った人を混ぜて「*このいすは木によって作られています」と言う。材料は「で」(木で作られています)、作った人は「によって」と、2列に分けて板書する
  • 「によって」を何にでも使い、自分のことを「この手紙はわたしによって書かれました」と言う。形はできていても、ふだんの会話では「わたしが書きました」と言うのがふつうで、「によって」は歴史・作品・発明のように、だれが作ったかが大事な情報になるときに使う、と場面を限って教える
  • 「描かれました」を「えがかれました」と読むか「かかれました」と読むかで迷う。どちらも使われるので教室ではどちらか一つに決め、同じ「かかれました」でも字が「書かれました」なら文字、「描かれました」なら絵だと確かめる

既習の文型との違い

  • 〜れます/られます 受身(1)(第30課)第30課の「先生にほめられました」の「に」は、何かをされた人がいる受身で、した人を言う形です。この課の「によって」は、物を新しく作った人を言う形で、作る・建てる・書く・発明するの動詞と組みます。作る動詞なのに「に」を使って「この歌は町の小学生に作られました」と言ったら、動詞の列に戻って「によって」を選ばせます。
  • 〜で…を―ます(第5課)能動の文「木でいすを作ります」の「で」は、受身にしてもそのまま残り「いすは木で作られています」になります。作った人は「によって」、材料や道具は「で」です。「*このいすは木によって作られています」と材料に「によって」を使う誤りが出たら、能動文に戻して「で」がどこにあったかを見せます。
関連する文型

語彙の扱い

この課では、事件やニュースの言葉(盗む・事件・警察 など)と、建物・作品・発明を説明する言葉(建てる・発明する・設計する・〜年前 など)が中心になる課だと考えられます。動詞は辞書形だけで覚えさせず、「〜が盗まれました」「〜によって建てられました」のように受身形と助詞をつけた形でカードにし、学習項目の練習にそのまま使います。「行われます(おこなわれます)」は読みでつまずきやすいので、行事のカレンダーで何度も声に出させます。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 盗まれます(ぬすまれます) だれかに物を取られて、なくなります。「盗みます」の受身の形です。 自転車が〜・財布が〜
    駅の前に止めた自転車がない。交番で話す。
    「すみません、駅の前で自転車が盗まれました。」
  • 壊されます(こわされます) だれかの手で、物や建物がだめになります。「壊します」の受身の形です。 古い建物が〜・いすが〜
    近所の古い店がなくなった。友達に話す。
    「あの古い店は、先月壊されました。」
  • 割られます(わられます) だれかの手で、ガラスや皿が割れた状態になります。「割ります」の受身の形です。 窓が〜・皿が〜
    朝、教室の窓ガラスが割れていた。先生に知らせる。
    「先生、ゆうべ教室の窓が割られました。」
  • 行われます(おこなわれます) 行事や試験などがあります。「行います」の受身の形で、お知らせによく使います。 試験が〜・式が〜・運動会が〜
    学校の事務の人が、留学生に試験の日を知らせる。
    「日本語の試験は、7月の第1日曜日に行われます。」
  • 開かれます(ひらかれます) 会や集まりが、ある日・ある場所であります。 会議が〜・祭りが〜・パーティーが〜
    町のお知らせを見ながら、友達に話す。
    「来月、この公園で花の祭りが開かれますよ。」
  • 使われています(つかわれています) 多くの人が、今その物を使っています。物の説明でよく使う形です。 世界中で〜・広く〜
    授業で、自分の国でよく使う物を紹介する。
    「このアプリは、わたしの国でいちばんよく使われています。」
  • 作られています(つくられています) その物が、ある場所や材料で作られて、今も店に出ています。 木で〜・この町で〜
    お土産の店で、店員が客に説明する。
    「このおはしは、この町で作られています。」
  • 輸出されています(ゆしゅつされています) 売るために、国の外へ送られています。 外国に〜・世界中に〜
    授業で、自分の国の産業について話す。
    「わたしの国のコーヒーは、世界中に輸出されています。」
  • 建てられました(たてられました) 家やビルなどが、ある時に作られました。「建てます」の受身の形です。 〜年前に〜・〜によって〜
    町の図書館の前で、ボランティアのガイドが留学生に話す。
    「この図書館は、町の人たちのお金で建てられました。」
  • 発明されました(はつめいされました) それまでなかった物が、初めて考え出されて作られました。 〜によって〜・電話が〜
    休み時間に、友達どうしでクイズをする。
    「テレビは、だれによって発明されましたか。」
  • 描かれました(かかれました) 絵が、ある人の手で作られました。「えがかれました」とも読みます。 〜によって〜・絵が〜
    美術館で、友達が絵の説明を読んでくれる。
    「この絵は、300年前に描かれました。」
  • 発見されました(はっけんされました) それまでだれも知らなかった物が、初めて見つけられました。 新しい星が〜・〜によって〜
    ニュースを見た友達が、教室で話す。
    「ニュースで見ました。新しい星が発見されました。」

宿題と次のコマ

宿題は、自分の国や町の有名な物(建物・料理・祭り・発明など)を一つ選び、いつ・だれによって作られたかを「〜によって」で1文、今どこでどう使われているか・いつ行われるかを「〜ています」や「〜れます/られます」の受身で1〜2文書くこと。あわせて受身形の表(グループⅠ・Ⅱ・Ⅲを5語ずつ。使う・言う・行うを必ず入れる)を埋める。次のコマの最初に、宿題の文を2〜3人に発表させて復習し、「建てられました」の普通形「建てられた」を言わせてから、第32課の「〜そうです 伝聞」に入ります。

よくある質問

  • 第31課の受身と第30課の受身はどう違いますか?

    第30課は人が主語で、その人がされたこと(ほめられる・足を踏まれる・雨に降られる)を言い、うれしい・困ったという気持ちが入りやすい形です。第31課は物や出来事が主語で、だれがしたかより「何がどうされたか」を伝え、気持ちは入りません。形は同じなので、主語が人か物かで分け、ニュース・お知らせ・物の説明という場面と結びつけて見せます。

  • 「〜によって」と「〜に」の使い分けはどう教えればいいですか?

    建てる・作る・書く・描く・発明する・設計するのように物を新しく生む動詞の受身では、作った人を「によって」で言います。第30課の「先生にほめられました」のような、された人がいる受身の「に」とは列を分けて板書します。「この本は世界中の人に読まれています」のように、物が主語でも生む動詞でなければ「に」で言えるので、初級では動詞で覚えさせるのが早道です。

  • 「窓が割れました」と「窓が割られました」の違いは何と説明しますか?

    「割れました」は第20課の自動詞で、窓に起きたことだけを言い、だれかがしたかどうかは言いません。「割られました」は他動詞の受身で、だれがしたかわからなくても「だれかがした」ことが文に残ります。事件として管理人や交番に伝えるときは受身、風で割れたときは自動詞、と場面で分けて見せます。

  • 第31課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は導入と学習項目1(事件の受身、〜ています・お知らせの受身)、2コマ目は学習項目2「〜によって」とまとめの発表です。第30課の受身形がまだ不安なクラスは、1コマ目の最初に受身形の表を5分で一周してから入ると、新しい用法の練習が止まりません。

  • 第31課の板書はどう組めばいいですか?

    黒板の左に第30課の受身形の表を残し、真ん中に能動文と受身文を上下に書いて「を→が/は」の矢印を赤で入れます。右には第20課の自動詞の文と受身の文を並べ、受身の文にだけ人の形の印を付けます。2コマ目は右側を「によって」の列(建てる・作る・書く・発明する)と材料の「で」の列に書き替えると、二つの「作られています」が混ざりません。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。