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学ぼう!にほんご 初級Ⅱ 第23課「卒業したら、日本の会社に勤めるつもりです」の教案

『学ぼう!にほんご 初級Ⅱ』

第22課の可能形に続いて、この課では意向形(行こう・食べよう)が初めて出ます。意向形は第5課の「〜ましょう」の普通体の形でもあり、この課ではおもに「〜(よ)うと思います/思っています」の形で、話し手がこれからしようと考えていることを言うのに使います。後半の「〜つもりです」「〜予定です」は、もう決めている計画を言う形で、「つもり」は自分で決めた意志、「予定」は日程として決まっていることを言う、と3つを並べて使い分けさせます。卒業後や夏休み、週末の計画など、学習者自身のこれからを話題にすると、どの形も自分のこととして何度も言わせられます。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目3時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • ます形から意向形を作り、友達を誘う「行こう」「食べよう」のような普通体の言い方ができる
  • 「〜(よ)うと思います/思っています」で、これからしようと考えていることを言い、相手に「何をしようと思っていますか」と聞ける
  • 「〜つもりです/〜ないつもりです」で、もう決めている計画を言い、できなかったことを「〜つもりでしたが、…」で説明できる
  • 「〜予定です」で、決まっている日程を伝え、「〜(よ)うと思います」「〜つもりです」との違いがわかる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)10分第22課の可能形で「日本語で何ができますか」を2〜3人に聞いて復習し、続けて「夏休み、何をしたいですか」(第9課)と聞く。答えが出たところで教師が「わたしは北海道へ行こうと思います」と言い、この課は「これからすること」を言う課だと予告する
意向形の作り方35分辞書形・可能形と同じグループ分けの表を黒板に戻し、グループⅠはますの前の音をお段に変えて「う」、グループⅡは「ます→よう」、グループⅢは「しよう・来よう」と板書。絵カードで速いテンポの口頭練習をし、第17課の普通体で友達を誘う「行こう」まで言わせる
学習項目1 意向表現45分教師の週末の計画をカレンダーで見せて「〜(よ)うと思います」を導入。「〜たいです」と並べて気持ちと考えの違いを示し、前から考えていることは「思っています」と2行で板書する。1コマ目はここまで
学習項目2 〜つもりです35分(2コマ目)来年の計画の3つの絵(専門学校・アルバイト・スポーツジム)で導入。辞書形とない形の2列で板書し、「〜つもりでしたが、…」で、できなかったことまで言わせる
学習項目2 〜予定です25分学校の行事表や教師の手帳で導入。自分で決めた意志(つもり)と、日程として決まっていること(予定)を左右に分けて板書し、人の意志が関係ないことには「予定」だけが使えると確かめる
まとめの活動30分ペアで「来年」「夏休みに」「週末に」の計画をインタビューし合い、3つの形を使い分けて答える。聞いた内容は「〜さんは〜つもりだと言っていました」の形でクラスに報告させる

学習項目 1 意向形の作り方

意味・はたらき活用

話し手の「しよう」という気持ちを表す形なので「意向形」と呼びます。この課では「〜(よ)うと思います」の中で使いますが、意向形だけで文を終えると第5課の「〜ましょう」の普通体の形になり、友達や家族を誘ったり(いっしょに帰ろう)、自分に言い聞かせたり(よし、がんばろう)するときに使います。作り方は辞書形・可能形と同じグループ分けで決まります。グループⅠはます形の「ます」の前の音を、い段からお段に変えて「う」をつけます(書きます→書こう)。グループⅡは「ます」を「よう」に替え(食べます→食べよう)、グループⅢは「します→しよう」「来ます→来よう(こよう)」の2つを覚えます。

接続

ます形 → 意向形(グループⅠ: ますの前の音をい段→お段にして+う/グループⅡ: ます→よう/グループⅢ: しよう・来よう(こよう))。「こう」「ろう」の「う」は前の音を長く伸ばして読む

形
グループⅠ: 書きます→書こう、泳ぎます→泳ごう、話します→話そう、待ちます→待とう、遊びます→遊ぼう、読みます→読もう、帰ります→帰ろう、買います→買おうグループⅡ: 食べます→食べよう、見ます→見よう、起きます→起きよう、寝ます→寝よう、始めます→始めようグループⅢ: します→しよう、来ます→来よう(こよう)、勉強します→勉強しよう、結婚します→結婚しよう(友達に)いっしょに行こう/ちょっと休もう(〜ましょうの普通体)

導入

  • 五十音表で、い段からお段へ第15課の辞書形・第22課の可能形で使った動詞の絵カードを、黒板にグループⅠ・Ⅱ・Ⅲの3列に分けて貼り直し、「グループは同じです」と言ってから始める。五十音表を横に貼り、グループⅠの「書きます」の「き」を指で「こ」まで動かして「う」を足し、「書こう」と長く伸ばして読む。辞書形はう段、可能形はえ段、意向形はお段、と同じ表の上で行き先の違いを見せると、形どうしが混ざりにくくなる。
  • 板書の形と「〜ましょう」とのつなぎ黒板の端に3列の表を作る。Ⅰは「き・ぎ・し・ち・び・み・り・い」→「こう・ごう・そう・とう・ぼう・もう・ろう・おう」、Ⅱは「ます→よう」、Ⅲは「しよう・来よう」。表の横に「行きましょう(ていねい)」「行こう(友達に)」と2行で書き、第17課の普通体の表に1行足す形で見せる。表は課の終わりまで消さずに残し、学習項目1の練習で形を迷ったらここを指す。

板書案

意向形 = 〔赤〕お段 + う / ます → よう
Ⅰ 書きます → 書こう 読みます → 読もう 帰ります → 帰ろう 買います → 買おう
Ⅱ 食べます → 食べよう 見ます → 見よう  Ⅲ します → しよう 来ます → 来よう(こよう)
〔青〕五十音表に矢印 辞書形=う段(書く) 可能形=え段(書ける) 意向形=お段(書こう)
行きましょう(ていねい) / 行こう(友達に)

場面と発話(自作)

  • ます形→意向形の口頭練習。教師が「本を読む」絵カードを見せて「読みます」と言う。読もう。
  • グループⅡの確認。教師が「起きます」と言い、グループを聞いてから形を言わせる。グループⅡです。起きよう。
  • 授業のあと、留学生が同じクラスの友達を昼ご飯に誘う(普通体の会話)。おなかがすいたね。いっしょに食べに行こう。——うん、行こう。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カード20枚前後で「ます形→意向形」を速いテンポで回し、グループⅠ・Ⅱ・Ⅲを混ぜて出す。間違えたカードだけ手元に戻してもう一周。慣れたら1枚のカードで「辞書形→可能形→意向形」を続けて言わせ、形の行き先(う段・え段・お段)を口で確かめさせる。最後にペアで、一人が絵カードを見せて「〜ましょう」と言い、もう一人が「うん、〜(よ)う」と普通体で返す練習をする。

  1. 口頭教師が絵カードを見せてます形を言い(「書きます」「泳ぎます」「待ちます」「遊びます」「帰ります」「食べます」「起きます」「します」「来ます」)、全体→列→個人の順で意向形を返させる。1周目はグループごとにまとめ、2周目から混ぜる。「帰ります」「入ります」はグループⅠの色のカードで出し、「来よう」は毎回「こよう」と全体で言い直させる。詰まった学習者には五十音表の「お段」を指すだけにして、教師は答えを言わない。
  2. ペア動作の絵カード15枚ほどを1組に渡す。Aがカードを見せて「〜ましょう」とていねいに誘い、Bが「うん、〜(よ)う」と普通体で受ける。5枚ごとに役を交替する。慣れたら、Aがカードを1枚見せ、Bが辞書形・可能形・意向形の3つを続けて言い、Aが黒板の表を見て合っているか確かめる。
  3. 産出「放課後さそいリレー」。一人ずつ、授業のあと友達としたいことを考えて、隣の人を普通体で誘う(「駅前のラーメン屋に食べに行こう」)。誘われた人は「うん、行こう」か「ごめん、きょうはアルバイトがあるから」と返し、次の人を別のことで誘う。教師が見るのは、グループⅠがお段になっているか、「来よう」の読み、誘いの文が最後まで普通体か(途中で「〜ましょう」に戻らないか)の3点。

つまずきと手当て

  • グループⅠに「よう」をつけて作る(*書きよう、*飲みよう)。「よう」は「ます」と入れ替えるグループⅡだけの形だと、五十音表の上で音がお段へ動くグループⅠと並べて見せる
  • 「帰ります」「入ります」「走ります」を、辞書形が「〜える」「〜いる」で終わるのでグループⅡと考えて *帰よう・*入よう・*走よう と作る(正しくは 帰ろう・入ろう・走ろう)。辞書形・ない形のときに分けたグループと同じだと、カードの色を変えて示す
  • 「来よう」を「きよう」と読む(「来ます=きます」からの類推)。辞書形の「くる」、ない形の「こない」と同じく、グループⅢは読み方ごと覚えるものと割り切り、毎回声に出させる
  • 可能形と混ざって *書けよう・*食べられよう と作る、または「書こう」と「書ける」を取り違える。1枚のカードで3つの形を続けて言わせる練習をくり返し、う段・え段・お段の違いを耳と口で確かめる

既習の文型との違い

  • 辞書形の作り方(第15課)/可能表現(1)(第22課)3つとも、ます形から同じグループ分けで作る形で、グループⅠは「ます」の前の音が、辞書形ではう段、可能形ではえ段、意向形ではお段に動きます。行き先だけが違うので、混ざると *書けよう、*食べられよう のような形が出ます。五十音表の上で3つの行き先を並べて見せると、取り違えが減ります。
  • いっしょに〜ませんか/〜ましょう(第5課)「行こう」は「行きましょう」の普通体なので、意味は同じで、話す相手が違います。友達や家族には「行こう」、先生や店の人には「行きましょう」です。先生に「先生、いっしょに帰ろう」と言うのは文法の誤りではありませんが、なれなれしく聞こえるので、相手を決めてから練習させます。
関連する文型

学習項目 2 意向表現

意味・はたらき学習項目 1

意向形に「と思います」をつけると、話し手がこれからしようと考えていることを言えます(夏休みに北海道を旅行しようと思います)。「〜たいです」が「したい」という気持ちを言うのに対して、「〜(よ)うと思います」は、しようと考えている・決めかけている、という話し手の考えを言う形です。その場で考えて言うときは「思います」、前から考えていて今もそう考えているときは「思っています」を使うことが多く、相手の計画を聞くときも「何をしようと思っていますか」の形が自然です。「思っています」は、ほかの人の考えを言うときにも使えます(兄は日本で働こうと思っています)。

接続

V意向形+と思います/と思っています(初級では打ち消しの意向形(〜まい)は使わないので、しないことは学習項目2の「〜ないつもりです」で言う)

形
Vおうと思います/Vようと思います(行こうと思います・食べようと思います)Vおうと思っています/Vようと思っています(前から考えていること)何をしようと思っていますか〈ほかの人〉は〜(よ)うと思っています

導入

  • 教師の計画をカレンダーで話す黒板に来月のカレンダーを描き、週末の欄に山の絵と本の絵を貼る。教師が山の絵を指して「来週の土曜日、天気がよかったら、山に登ろうと思います」と言い、続けて本の絵を指して「雨が降ったら、うちで本を読もうと思います」と言う。板書は「[V意向形]と 思います」の枠にし、意向形の表を指して「と」の前は意向形だと示す。第19課の「〜たら」と組み合わせると、考えていることを2つ続けて言える。
  • 「たいです」「思います」「思っています」を並べる「北海道へ行きたいです」「北海道へ行こうと思います」の2文を並べて板書し、前の文の横に心の絵、後ろの文の横に頭の絵を描いて、気持ちと考えの違いを見せる。次に教師が「わたしは去年から、車を買おうと思っています」と言い、「去年から」に線を引いて、前から考えていることは「思っています」だと示す。そのあと学生一人ひとりに「夏休み、何をしようと思っていますか」と聞いていく。

板書案

[V意向形] と 思います
夏休みに 北海道を 旅行しよう と 思います。
〔青〕前から・今も → [V意向形] と 思っています
去年から 車を 買おう と 思っています。
〔赤〕行きたいです(心の絵=気持ち)/行こうと思います(頭の絵=考え)
*行かないようと思います → 行かないつもりです(学習項目2へ)

場面と発話(自作)

  • 金曜日の授業のあと、先生に週末のことを聞かれた留学生が答える。あしたは天気がいいので、友達と海へ行こうと思います。
  • アルバイト先で、店長に来年のことを聞かれた留学生が、前から考えていることを話す。来年は大学に入って、経済を勉強しようと思っています。
  • 寮で、先輩が新しく来た留学生に春休みの計画を聞く。春休みは何をしようと思っていますか。——自転車で京都へ行こうと思っています。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

代入練習では、時の言葉と行動のカードを組にして見せ(夏休み・海で泳ぐ/週末・部屋を掃除する/来年・運転免許を取る)、「〜に、〜(よ)うと思います」と言わせる。途中で「前から」「去年から」のカードを出したら「思っています」に変えさせる。やり取りの練習では、ペアで「〜は何をしようと思っていますか」「〜(よ)うと思っています」「いいですね」と聞き合い、「雨が降ったら、〜(よ)うと思います」と2つ目の計画も言わせる。

  1. 口頭時の言葉と行動のカードを組で見せ(「あした・図書館で勉強する」「週末・部屋を掃除する」「来年・運転免許を取る」「夏休み・海で泳ぐ」)、全体→個人で「〜に、〜(よ)うと思います」と言わせる。2周目は「去年から」「前から」のカードを重ねて出し、「〜(よ)うと思っています」に変えさせる。最後に教師が雨の絵を足し、「雨が降ったら、〜(よ)うと思います」まで続けさせる。
  2. ペア情報差のある練習。Aは週末の計画の絵が3つ描いてあるカードを持ち、Bには見せない。Bが「週末は何をしようと思っていますか」と聞き、Aが「〜(よ)うと思っています」で1つずつ答え、Bはメモをとる。3つ聞けたらカードを見せて答え合わせをし、別のカードで役を交替する。Bには答えのあとに「いいですね」「だれと行きますか」のような一言も足させる。
  3. 産出「週末プラン発表」。学習者が自分の週末か次の休みの計画を3文で書き(1文は「〜たら、〜(よ)うと思います」)、30秒ずつ発表する。聞いている人は1つだけ質問する(「だれと行こうと思っていますか」)。教師が見るのは、意向形の形、「と」が落ちていないか(*行こう思います)、自分の計画を辞書形+と思いますで言っていないか(予想に聞こえる)の3点で、発表のあとにまとめて直す。

つまずきと手当て

  • 辞書形のまま「と思います」につなげる(わたしは北海道へ行くと思います)。文としては言えるが「たぶん行くだろう」という予想に聞こえ、自分で考えた計画にはならない。第17課の「〜と思います」(考え・予想)と並べて、自分の計画を言うときは意向形だと板書で区別する
  • ていねいな形のままつなげる(*行きましょうと思います)。「と思います」の前は普通体なので「〜ましょう」は入らず、普通体の「行こう」になると、意向形の表の横の2行(行きましょう/行こう)に戻す
  • しないことを言おうとして *行かないようと思います と作る。初級では打ち消しの意向形(〜まい)は使わないので、しないと決めていることは学習項目2の「行かないつもりです」で言うと、次の項目へつなげる
  • 相手の計画を「何をしようと思いますか」と聞く。誤りではないが、その場で考えさせる聞き方に聞こえることが多いので、「何をしようと思っていますか」の形で練習させる。目上の人の計画を聞く丁寧な言い方は、尊敬表現の課(第36課)で広げると伝えておく

既習の文型との違い

  • 〜たいです(第9課)「〜たいです」は「したい」という気持ちで、実際にするかどうかは言っていません。「〜(よ)うと思います」は、するつもりで考えていることです。学習者が「行きたいと思います」と言うのは誤りではありませんが、希望を控えめに言う形で、計画を伝える文にはならないので、計画を聞かれたら意向形で答えさせます。
  • 〜と思います/思う(第17課)第17課の「〜と思います」は普通形につけて、意見や予想を言う形でした(あしたは雨が降ると思います)。意向形につけると、話し手自身の計画になります。ほかの人の計画を言うときは「兄は日本で働こうと思っています」のように「思っています」にし、「兄は働こうと思います」とはふつう言わないことも添えます。
関連する文型

学習項目 3 〜つもりです/〜予定です

意味・はたらき学習項目 2

どちらも、これからすることがもう決まっていることを言います。「〜つもりです」は話し手が自分で決めた意志を表し、「〜(よ)うと思います」より決まっている感じが強く聞こえることが多い形です(来年から、毎朝走るつもりです)。しないと決めていることは「〜ないつもりです」と言います。「〜予定です」は、日程や計画として決まっていることを、決まった事実として伝える言い方です(来月、引っ越す予定です/会議は3時に始まる予定です)。そのため、電車や会議のように人の意志が関係ないことには「予定」は使えますが、「つもり」は使えません。「〜つもりでしたが、…」「〜予定でしたが、…」と続けると、そうするはずだったのに、そうならなかったことを言えます。

接続

V辞書形/Vない形+つもりです、V辞書形/Vない形+予定です、Nの予定です(「つもり」「予定」は名詞なので、前は名詞を修飾する普通形。ます形は入らない)

形
V辞書形つもりです/VないつもりですV辞書形予定です/Nの予定です(来週は旅行の予定です)〜つもりでしたが、…(できなかったこと)いつ〜予定ですか/何をするつもりですか

導入

  • 来年の計画を3つの絵で選ぶ黒板の中央に「来年」と書き、そこから3本の矢印を引いて専門学校・アルバイト先の店・スポーツジムの絵を貼る。学生の絵を1枚指して「この人はもう決めました。来年、専門学校に入るつもりです」と言い、専門学校への矢印を太くなぞる。板書は「[V辞書形]つもりです」と「[Vない形]つもりです」の2列にし、アルバイト先の絵に×を付けて「アルバイトはしないつもりです」も続けて言う。そのあと学生一人ひとりに「来年は何をするつもりですか」と聞く。
  • 行事表と手帳で「予定」を見せる学校の行事表を黒板に貼り、「来月10日、みんなで美術館へ行く予定です」と読み上げてから、「これは学校が決めました」と言い、「予定」の横に「決まっていること」と書く。次に教師の手帳を見せて「来週の水曜日に引っ越す予定です」と言い、自分の計画でも、日にちまで決まっていることは「予定」で言えると示す。最後に時刻表の絵を指して「電車は10時に着く予定です」と言い、「つもり」の列には入らないことを×で示す。

板書案

[V辞書形] つもりです / [Vない形] つもりです
来年は 専門学校に 入る つもりです。 アルバイトは しない つもりです。
[V辞書形] 予定です / [N]の 予定です
〔青〕つもり=人が決めたこと(人の絵) 予定=決まっている日程(カレンダーの絵)
〔赤〕*電車は10時に着くつもりです → 着く予定です
〜つもりでしたが、…ませんでした

場面と発話(自作)

  • 進路の面談で、先生に来年のことを聞かれた留学生が答える。来年の4月から、専門学校でコンピューターを勉強するつもりです。
  • 会社で、課長が来週の出張の日程を部下に伝える。月曜日に大阪へ行って、水曜日に帰る予定です。
  • アルバイトを休んだ次の日、留学生が店長に前の日のことを話す。きのうは来るつもりでしたが、熱があって、来られませんでした。すみません。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

代入練習では、「何をするか」のカード(専門学校に入る・毎朝走る・自転車を買う・車を買わない)を見せて「〜つもりです/〜ないつもりです」と言わせ、次に日程のカード(7月20日・引っ越す/3時・会議が始まる)で「〜予定です」と言わせる。途中に人の意志が関係ないカード(電車が着く・試験が終わる)を混ぜて「予定」を選ばせる。やり取りの練習では、ペアで「来年は何をするつもりですか」と聞き合い、答えに「いつ」「どこで」を足させたあと、相手の計画を「〜さんは〜つもりだと言っていました」とクラスに報告させる。

  1. 口頭「何をするか」のカード(「専門学校に入る」「毎朝走る」「自転車を買う」、×のついた「車を買う」)を見せ、全体→個人で「〜つもりです/〜ないつもりです」と言わせる。次に日程のカード(「7月20日・引っ越す」「3時・会議が始まる」「10時・電車が着く」)で「〜予定です」。最後に2種類のカードを混ぜて出し、人の意志が関係ないカードで「つもり」を選んだら、人の絵と時刻表の絵を指して選び直させる。
  2. ペア「手帳の情報差」。AとBに、来週の予定が違う手帳のページを1枚ずつ渡す(Aは月曜に出張・水曜に会議、Bは火曜に引っ越し・木曜に試験など)。互いに「月曜日は何をする予定ですか」と聞き合って、二人とも空いている日を探し、最後に「じゃ、金曜日に映画を見に行こう」と普通体で決める。手帳を替えて役を交替する。
  3. 産出「来年の計画インタビュー」。教室を歩いて3人に「来年は何をするつもりですか」「夏休みは何をする予定ですか」と聞き、答えをメモする。席に戻ったら一人を選んで「森さんは、来年専門学校に入るつもりだと言っていました」とクラスに報告する。教師が見るのは、ます形のままつなげていないか(*入りますつもり)、名詞でないのに「の」を入れていないか、人の意志が関係ないことに「つもり」を使っていないか、報告の文が普通形になっているか。

つまずきと手当て

  • ます形のままつなげる(*帰りますつもりです、*引っ越します予定です)、または動詞のあとに「の」を入れる(*旅行するの予定です)。「つもり」「予定」は名詞なので、前は第18課の連体修飾と同じ普通形、「の」が要るのは名詞のとき(旅行の予定)だけだと、2列の板書で確かめる
  • 人の意志が関係ないことに「つもり」を使う(*電車は10時に着くつもりです)。「つもり」は人が自分で決めたこと、「予定」は決まっている日程、と人の絵と時刻表の絵を並べて示す
  • しないことを「帰るつもりはありません」と言う。誤りではないが強く打ち消す言い方で、相手の勧めをきっぱり断るように聞こえることがあるので、この課ではまず「帰らないつもりです」で言わせる
  • 目上の人に「先生は夏休みにどこへ行くつもりですか」と聞く。誤りではないが、相手の意志を直接たずねるので失礼に聞こえることがある。目上の人の計画は「〜予定ですか」と聞くほうがやわらかく、尊敬表現の課(第36課)でさらに丁寧にできると伝える

既習の文型との違い

  • 意向表現(第23課 学習項目1)「〜(よ)うと思います」は考えている計画、「〜つもりです」はもう決めている計画で、つもりのほうが決まっている感じが強く聞こえます。初級では打ち消しの意向形を使わないので、「〜ないつもりです」を使います。*行かないようと思います、という誤りが出たら、ここで「行かないつもりです」につなげます。
  • 連体修飾(第18課)「つもり」「予定」は名詞なので、前の形は「母が作った服」と同じ連体修飾の普通形です。ます形を入れた *帰りますつもりです、名詞のように「の」を入れた *旅行するの予定です は、どちらもここを外した誤りです。「の」が要るのは「旅行の予定」のように前が名詞のときだけです。
関連する文型

語彙の扱い

この課の練習には、卒業後の進路や休みの計画の話題に合わせて、進学・就職・帰国のような進路の言葉、引っ越す・結婚する・免許を取るのような生活の計画の言葉、出張・行事・日程のような予定の言葉を使います。動詞は「銀行に勤める」「専門学校に入る」のように助詞つきで、しかも意向形と辞書形の両方で言わせて覚えさせると(勤めよう/勤めるつもり)、学習項目の練習にそのまま入れられます。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 卒業します(そつぎょうします) 学校で決められた勉強を全部終えて、その学校を出ます。 学校を〜・大学を〜・〜したら
    進路の面談で、先生にいつ学校を出るか聞かれる。
    「来年の3月に、この学校を卒業する予定です。」
  • 勤めます(つとめます) 会社などに入って、そこで続けて働きます。 会社に〜・銀行に〜・〜ています
    友達に、家族の仕事を聞かれる。
    「姉は駅の前の銀行に勤めています。」
  • 就職します(しゅうしょくします) 仕事を見つけて、会社などで働き始めます。 日本で〜・会社に〜
    寮で、先輩に卒業後のことを聞かれる。
    「日本で就職するつもりですが、会社はまだ決めていません。」
  • 進学します(しんがくします) 今の学校を出てから、大学や大学院など、上の学校に進みます。 大学に〜・大学院に〜
    同じクラスの友達と、卒業後の話をする。
    「わたしは進学しないで、すぐ働こうと思っています。」
  • 帰国します(きこくします) 自分の国へ帰ります。「国へ帰ります」のかたい言い方です。 来月〜・〜する予定
    アルバイト先で、店長にいつまで働けるか聞かれる。
    「来年の8月に帰国する予定なので、7月まで働けます。」
  • 引っ越します(ひっこします) 住む家や部屋を変えて、ほかの所へ移ります。 駅の近くに〜・アパートに〜
    友達に新しい住所を聞かれる。
    「来月、駅の近くのアパートに引っ越す予定です。」
  • 結婚します(けっこんします) 二人が夫と妻になります。 大学の友達と〜・秋に〜
    会社で、同僚にお祝いを言われる。
    「秋に結婚する予定です。式は国でしようと思っています。」
  • (免許を)取ります((めんきょを)とります) 試験に合格して、免許や資格をもらいます。 免許を〜・資格を〜
    先生に夏休みの計画を聞かれる。
    「夏休みに、運転免許を取ろうと思っています。」
  • 貯めます(ためます) お金を使わないで、少しずつ増やします。 お金を〜・アルバイトで〜
    友達に、車を買うのかと聞かれる。
    「アルバイトでお金を貯めて、来年車を買うつもりです。」
  • 出張します(しゅっちょうします) 仕事のために、ほかの町や国へ行きます。 福岡へ〜・〜の予定
    会社で、同僚に来週の会議に出られるか聞かれる。
    「すみません、その日は福岡へ出張の予定があります。」
  • 計画(けいかく) これからすることを、前もって考えて決めたことです。 〜を立てる・夏休みの〜
    休みの前に、先生がクラスに聞く。
    「夏休みの計画を立てましたか。」——「はい、北海道へ行こうと思っています。」
  • 将来(しょうらい) 今からずっと先の、まだ来ていない時です。 〜の夢・〜は
    進路の面談で、先生に10年先のことを聞かれる。
    「将来は、国で日本語の先生になるつもりです。」

宿題と次のコマ

宿題は、「来年」「夏休みに」「今週の週末に」の3つについて、自分の計画を「〜(よ)うと思います」「〜つもりです」「〜予定です」のどれかを使って1文ずつ書くことと、ます形20語を意向形に直す表。次のコマの最初に、宿題の文を使って「〜さんは夏休みに何をするつもりですか」と教師が聞いて復習し、意向形の表を5語だけ口頭で確かめてから、第24課の「〜ようです」に入ります。第24課の「〜ようにします」「〜ようになります」は意向形の「〜よう」とは別のものなので、形が似ていることに先に一言触れておくと混乱が少なくなります。

よくある質問

  • 第23課の意向形はどの順で教えればいいですか?

    まず辞書形・可能形で使ったグループ分けの表を黒板に戻し、Ⅰ(お段+う)→Ⅱ(ます→よう)→Ⅲ(しよう・来よう)の順で作ります。グループⅠは五十音表の上で、辞書形はう段、可能形はえ段、意向形はお段、と行き先を並べると混ざりにくくなります。形ができたらすぐ「と思います」に入らず、友達を誘う「行こう」で一度口に慣らしてから学習項目1へ進みます。

  • 「〜(よ)うと思います」と「〜つもりです」の違いは?

    どちらも話し手のこれからの計画ですが、「〜(よ)うと思います」は考えている段階、「〜つもりです」はもう決めている感じが強く聞こえます。また初級では打ち消しの意向形(〜まい)を使わないので、しないことは「〜ないつもりです」で言います。教室では「まだ考えている→思います」「もう決めた→つもりです」と、同じ計画の決まり方の差として見せるとわかりやすくなります。

  • 「〜つもりです」と「〜予定です」はどう使い分けますか?

    「つもり」は人が自分で決めた意志、「予定」は日程や計画として決まっていることです。電車が着く、会議が始まるのように人の意志が関係ないことには「予定」だけが使えます。自分の計画でも日にちまで決まっていれば「予定」で言え、目上の人の計画を聞くときも「〜予定ですか」のほうがやわらかく聞こえます。

  • 可能形や「わかる」を意向形にする学習者には、どう説明しますか?

    意向形は、自分で「する」と決められる動作に使う形です。見える・聞こえる(第22課)、わかる、可能形のように、自分の意志で決められないことには使わない(*話せようと思います)と伝えます。言いたいことが「話せるようになりたい」なら、この課では「毎日日本語で話そうと思います」のように、自分で決められる動作に言い換えさせます。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は導入、意向形の作り方、学習項目1の「〜(よ)うと思います」まで、2コマ目は「〜つもりです」「〜予定です」とまとめのインタビューです。意向形の形が定着していないクラスでは、2コマ目の頭に意向形の小テストを5分入れると、あとの練習が止まりません。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。