日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

できる日本語 中級 第1課「新たな出会い」の教案

『できる日本語 中級 本冊 第2版』 ・ できること4つ(見つけた!・こんなときどうする?・耳でキャッチ・伝えてみよう)

新しい町や学校で、自分から人とのつながりを作りに行く課です。イベントのお知らせを読んで行きたい催しを見つけ(見つけた!)、友達を誘い(こんなときどうする?)、当日の天気予報を聞いて持ち物や出かけ方を決め(耳でキャッチ)、会場で覚えてもらえる自己紹介をする(伝えてみよう)という、一つの流れで4つのできることがつながっています。お知らせの「〜において」「〜上で」のような書き言葉と、誘うときの「〜よね」「〜とか〜とか」のような話し言葉が同じ課に並ぶので、どの場面のことばか(硬さ)を毎回確かめるのが中級の入口での芯になります。初中級までの「〜と思います」「〜たら」「〜みたいです」を使える前提で、それらとの違いを比べながら進めます。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面、やり取りの例はすべて自作です。課・ST の題と学習項目の表記は出版社のシラバス一覧(第2版)に合わせています。
学習項目12時間90分×4コマ場面4

この課のねらい(Can-do)

  • イベントのお知らせから、日時・場所・申し込み方法など自分に必要な情報を探して読み取れる
  • 行きたいイベントの中身を説明して、友達を気軽に誘える
  • 天気予報を聞いて、雨や気温の変化に合わせて持ち物や出かける時間を決められる
  • 名前を覚えてもらえるように、きっかけや性格を交えて印象に残る自己紹介ができる

進め方と時間配分

目安は 90分×4コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入10分「日本に来て(この町に来て)、新しい友達はどこでできましたか」と聞き、サークル・アルバイト・地域のイベントなど出会いの場を挙げさせる。この課では、お知らせを見つける→誘う→天気を確かめる→自己紹介、の順で一つのイベントに参加するまでを追うと伝える
1 見つけた!80分自作のイベントのお知らせを配り、まず「いつ・どこ・いくら・どうやって申し込む」を時間を区切って探させる。そのあと「〜において/〜における」「〜上(で)」「〜てほしい/〜てもらいたい」を素材の中で確かめ、会話ならどう言うかに言い換える
2 こんなときどうする?90分1 のお知らせのイベントに友達を誘うロールプレイ。「〜よね」で相手の予定を確かめ、「〜とか〜とか」で中身を説明し、「〜だけ」で負担の軽さを伝える。誘われる側の答え方(行く・迷う・断る)も練習する
3 耳でキャッチ90分イベント前日の天気予報(教師が読む自作の原稿)を聞き、雨の時間帯と気温をメモさせてから「〜でしょう/〜だろう」「〜から〜にかけて」「〜と、A/V」を確かめる。最後に「何を持って、何時に出るか」を決めて発表させる
4 伝えてみよう70分会場での1分の自己紹介を準備する。「〜がきっかけで」で日本語や趣味を始めた理由を、「〜っぽい」で性格を、「〜でも(極端な例)」で自分らしさを一つずつ入れ、聞き手に名前と一つの特徴を覚えてもらうことを目標に発表する
課のまとめ20分クラスを交流会の会場に見立て、自己紹介→相手への質問→次の約束(連絡先の交換や別のイベントへの誘い)までを通して行う。聞いた人の名前と特徴を一人ずつ言えるか確かめて終える

1 見つけた!

できること町や学校に貼ってあるイベントのお知らせから、自分が行けるか・どう申し込むかに必要な情報を探して読み取れる。

場面

市民センターの掲示板や学校のホームページで、留学生向けの交流イベントのお知らせを見つける場面です。教室では A4 1枚の自作のお知らせ(日時・会場・内容・参加費・申し込み方法・注意)を用意し、「行きたい人は、まず何を見ますか」と聞いてから読ませます。全文を読ませる前に、探す情報を3つ決めて1分で見つけさせると、お知らせの読み方(全部読まず、要る所を拾う)が身につきます。

  • お知らせ:秋の国際交流パーティーのご案内
  • お知らせ:日時 11月9日(土)14:00〜16:30
  • お知らせ:会場 みどり市民センター 2階ホール
  • お知らせ:本パーティーにおいては、各国の料理やゲームを楽しみながら、地域の人と留学生が交流します。
  • お知らせ:参加費 500円(当日、受付でお支払いください)
  • お知らせ:申し込み 市のホームページ上で受け付けます。先着50名。
  • お知らせ:日本に来たばかりの方にも、ぜひ参加してもらいたいと考えています。
学習項目 1 〜において/〜における

意味・はたらき

「〜において」は、出来事が行われる場所・時・分野を示し、意味は「〜で」に近い書き言葉です。お知らせ・案内・論文・ニュースなど改まった文章で使い、友達との会話で使うとかなり硬く聞こえます。後ろに名詞をつなぐときは「〜における+N」(「本校における取り組み」)の形になります。「〜で」の意味のうち、道具・方法・原因の「で」には使えないので、「〜で」と何でも置き換えられるわけではありません。文法の用語では、名詞について格助詞のようにはたらく複合格助詞(後置詞)の一つで、「〜について」「〜によって」と同じ仲間として整理されます。

接続

N(場所・時・分野)+において/N+における+N

形
会場において受付を行います本パーティーにおいては地域における国際交流現代社会において

導入

  • お知らせの文を会話に戻す素材のお知らせから「本パーティーにおいては〜」の文に線を引かせ、「友達に話すなら、どう言いますか」と聞いて「パーティーでは〜」を引き出す。板書は左に「〜で(会話)」、右に「〜において(お知らせ・文章)」を並べ、同じ意味で硬さが違うことを示す。続けて「〜における+N」を、お知らせの見出し(「地域における国際交流」)で見せる。

板書案

〔青〕会話:N + で  〔赤〕お知らせ・文章:N + において
ホールで 説明会を します。 → ホールにおいて 説明会を 行います。
N + における + N (例)この町における 国際交流
〔赤〕× 道具・方法・原因の「で」(はしで・メールで・かぜで)は置き換えない

場面と発話(自作)

  • 大学の掲示板に、留学生向けの説明会のお知らせが貼ってある。説明会は本館3階の大講義室において行います。
  • 市のホームページで、外国人住民向けの相談会の案内を読む。本市における生活相談の窓口をご案内します。
  • ゼミの発表で、調べたテーマを紹介する。今日は、日本の大学における留学生の支援について発表します。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず「〜で」を使った会話の文を教師が言い、お知らせの文に書き換えさせる(「教室で試験をします」→「教室において試験を行います」)。次に逆向きに、お知らせの文を友達に伝える言い方に戻させる。最後に、自分の学校のイベントのお知らせを3行で書かせ、「において/における」を1回入れる。

  1. 口頭教師が会話の文を言い、全体でお知らせの文に言い換える(「ホールで説明会をします」→「ホールにおいて説明会を行います」、「この町で祭りをします」→「この町において祭りを行います」、「来月、学校で健康診断をします」→「来月、本校において健康診断を行います」)。動詞も「します→行います」と硬くそろえることを、2回目から意識させる。全体→列→個人の順で回し、最後に道具の「で」の文(「ペンで書きます」)を混ぜて、置き換えられないものを止めさせる。
  2. ペアA は会話の文のカード、B はお知らせの文のカードを持つ。A が自分のカードを読んだら、B は手元の文と同じ内容かを確かめつつ硬い言い方で言い返し、B のカードは A が会話に戻して言う。4枚ずつで役を交替する。
  3. 産出掲示板づくり:自分の学校や町のイベントのお知らせを3行で書き、見出しに「〜における〜」、本文に「〜において」を1回ずつ入れる。書けたら壁に貼り、ほかの人のお知らせを読んで友達に伝える言い方に戻させる。教師は ①道具・方法の「で」を置き換えていないか ②名詞の前が「における」になっているか ③「において」の文の後ろが「やるよ」のように崩れて硬さがちぐはぐになっていないか、を見る。

つまずきと手当て

  • 道具の「で」まで置き換えて「*はしにおいて食べます」「*メールにおいて連絡します」とする。「において」は場所・時・分野だけ、と板書の「〜で」の用法を分けて確かめる
  • 名詞につなぐときに「*地域において交流会」と「における」にしない。後ろが名詞なら「における」、動詞なら「において」と、矢印の向きで見せる
  • 友達との会話で「昨日、駅において友達に会ったよ」のように使い、硬すぎて浮く。誤りではないが、会話では「で」がふつうだと、2で言い換える練習で確かめる

既習の文型との違い

  • [場所]で(初級第3課)初級で習った動作の場所の「で」とは意味が同じで、硬さだけが違います。友達との会話にそのまま「において」を持ち込むと、まちがいではないのに浮いて聞こえます。「会話は『で』、お知らせは『において』」と、場面で選ぶ形として並べます。
  • [道具]で(初級第7課)同じ「で」でも、道具・方法の「で」は「において」に置き換えられません。「*はしにおいて食べます」「*ネットにおいて申し込みます」のような誤りが出たら、前の名詞が場所・時・分野かどうかを聞き返して気づかせます。
関連する文型
学習項目 2 〜上(で)

意味・はたらき

名詞に「上(じょう)」をつけて、「その画面・紙・情報の中で」という場を表します。「ホームページ上で受け付けます」「地図上では近い」「ネット上の情報」のように使い、お知らせや説明文でよく見ます。会話では「ホームページで」「ネットで」と言うことが多く、「〜上」をつけると改まった言い方になります。読みは「うえ」ではなく「じょう」で、「机の上(うえ)で」のような物の上の意味とは別物です。語の作りとしては、名詞につく接尾辞の「上(じょう)」に格助詞「で」がついた形で、「ネット上」「地図上」で一つの語のようにまとまります。

接続

N(ホームページ・ネット・画面・地図など)+上(じょう)(で)/N+上(じょう)の+N

形
ホームページ上で申し込むネット上の情報地図上では近い画面上に表示される

導入

  • 「うえ」と「じょう」を並べる机の上にスマホを置き、「スマホは机の上(うえ)にあります」と言ってから、スマホの画面に市のホームページを出して「申し込みはホームページ上(じょう)でします」と言う。板書は「Nの上(うえ)=物の上」「N上(じょう)=画面・紙・情報の中」の2行にし、「じょう」の前には「の」が入らないことを丸で囲む。

板書案

〔青〕Nの 上(うえ)=物の上  〔赤〕N上(じょう)=画面・紙・情報の中
スマホは 机の上に あります。/ 申し込みは ホームページ上で します。
〔赤〕N + 上(じょう) 「の」は入らない → ○ネット上 ×ネットの上(じょう)
N上の + N (例)地図上の 距離/ネット上の 情報

場面と発話(自作)

  • イベントのお知らせの申し込み方法の欄を読む。申し込みは学校のホームページ上で受け付けます。
  • 友達と出かける前に、地図アプリで駅からの道を調べる。地図上では近いけど、坂があるから歩くと20分かかるらしいよ。
  • 留学生向けの奨学金の案内を読み、締め切りを確かめる。書類は画面上の案内に従って、締め切りまでに提出してください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「ホームページ・ネット・地図・画面・SNS」の語カードと、「申し込む・調べる・見る・公開する」の語カードを組み合わせて「〜上で〜」の文を作らせる。次に、作った文を会話の「〜で」に言い換えさせ、どちらがお知らせ向きかを選ばせる。

  1. 口頭語カード(ホームページ・ネット・地図・画面・SNS)を見せ、全体で「ホームページ上(じょう)」「地図上」と読ませてから、動詞カード(申し込む・調べる・公開する・表示される)と組み合わせて文にする。机の上の物の写真を混ぜ、「うえ」と「じょう」の読み分けをテンポよく判断させる。個人で当てるときは、読みだけでなく前に「の」が入らないかも聞く。
  2. ペアうえ・じょう仕分け:A が写真カード(机の上のスマホ・画面の地図・本棚の上の箱・SNS の画面)を見せ、B が「うえ」か「じょう」かを言ってから文を一つ作る。A は答えのカードの裏で確かめる。6枚で交替する。
  3. 産出申し込み欄づくり:自分のイベントのお知らせに「申し込み方法」の欄を2行で書き、「〜上で」を1回入れる。書いたら、同じ内容を友達に LINE で送るつもりで「〜で」の会話の言い方に書き直す。教師は ①「じょう」と読めているか ②「の」を入れていないか ③会話版で「上」を外せているか、を見る。

つまずきと手当て

  • 「上」を「うえ」と読み、物の上の意味と混ぜる。「じょう」と読む語を板書で集め(ネット上・地図上・画面上)、声に出させる
  • 「*ホームページの上(じょう)で」と「の」を入れる。「じょう」は名詞に直接つく、と板書の丸で何度も確かめる
  • 「健康上の理由」「安全上の注意」のような「〜の面で」の意味と混同して質問が出ることがある。そちらは後の課で扱うので、ここでは「画面・情報の中」の意味に絞ると伝える

既習の文型との違い

  • [場所]で(初級第3課)「ホームページで申し込む」と「ホームページ上で申し込む」は意味がほぼ同じで、「上」が入るとお知らせらしい硬さになります。会話で「ネット上で調べた」と言っても誤りではありませんが、ふつうは「ネットで」で足ります。
関連する文型
学習項目 3 〜てほしい/〜てもらいたい

意味・はたらき

自分以外の人に何かをしてもらいたいという希望を表します。自分がしたいことは「〜たい」、他の人にしてもらいたいことは「(人に)〜てほしい」で、その動作をする人は「に」で示します。「〜てもらいたい」も同じ意味で、相手の行為で自分が助かる気持ちがやや強く、改まった場面で使われることが多いです。人以外(天気など)への願いには「雨がやんでほしい」のように「〜てほしい」を使い、お知らせで目上の読み手に向けるときは「〜ていただきたい」とさらにていねいにします。文法の用語では、話し手以外の人の行為への希望を表す形で、「〜てもらいたい」は授受の「もらう」に「たい」がついたものです。

接続

(人に)Vて+ほしい/もらいたい(否定は Vないで+ほしい、または Vて+ほしくない)

形
留学生にも参加してほしい友達に手伝ってもらいたいここではたばこを吸わないでほしい早く雨がやんでほしい

導入

  • 「〜たい」と並べて、する人を入れ替える教師が「わたしはパーティーに行きたいです」と言ったあと、学習者を指して「〜さんにも来てほしいです」と言う。板書は「わたしが する → 〜たい」「ほかの人が する → 人に 〜てほしい」の2行にし、する人に色をつける。素材のお知らせの最後の文(「〜参加してもらいたい」)を読ませ、だれがだれに望んでいるかを確かめる。

板書案

〔青〕わたしが する → V たい
〔赤〕ほかの人が する → 〔赤〕人 に + Vて ほしい / Vて もらいたい
ルームメイトに 音を 小さく してほしい。
否定:Vないで ほしい / Vて ほしくない (例)ここで たばこを 吸わないで ほしい
お知らせ・目上へ:Vて いただきたい

場面と発話(自作)

  • 寮のルームメイトが夜遅くまで大きな音で音楽を聞いている。悪いけど、11時からは音を小さくしてほしいんだけど。
  • 交流会の担当者が、お知らせの最後に参加者への希望を書く。日本に来たばかりの方にも、ぜひ参加してもらいたいと考えています。
  • イベントの前日に、窓の外の雨を見ながら言う。明日までには、雨がやんでほしいなあ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カード(散らかった部屋・遅刻する友達・混んだ電車など)を見せ、「だれに、何をしてほしいか」を言わせる。次に、ルームメイトや同じクラスの人へのお願いを「〜てほしいんだけど」で伝え、相手役が理由を聞き返すやり取りにする。最後に、自分が主催者になったつもりでお知らせの最後の一文を「〜てもらいたい/〜ていただきたい」で書かせる。

  1. 口頭困りごとの絵カード(散らかった共用の台所・夜中に音楽を聞く隣の部屋・いつも遅れる友達・やまない雨)を見せ、「だれに、何をしてほしいですか」と聞いて全体で言わせる(「ルームメイトに台所を片づけてほしい」「隣の人に音を小さくしてほしい」「早く雨がやんでほしい」)。する人に色を付けた板書を指しながら、「に」が言えたかを全体→個人で確かめる。慣れたら否定の「〜ないでほしい」のカード(廊下で走る・ごみを置く)も混ぜる。
  2. ペアお願いカード交換:A は困りごとのカード、B は相手役(ルームメイト・クラスメート・アルバイトの後輩)のカードを持つ。A が「悪いけど、〜てほしいんだけど」と頼み、B は理由を聞くか「わかった、気をつけるね」と答える。3往復で役を交替する。
  3. 産出主催者のひとこと:自分が作ったお知らせの最後に、参加者への希望を「〜てもらいたい/〜ていただきたい」で一文書き、同じ内容を友達に言うつもりで「〜てほしい」で言わせる。教師は ①自分の希望に使っていないか ②する人を「に」で示しているか ③目上に向けて「てほしい」をそのまま言っていないか、を見る。

つまずきと手当て

  • 自分の希望に使って「*わたしは日本へ行ってほしいです」とする。自分がするなら「行きたい」、と板書の2行で確かめる
  • する人を「を」で示して「*友達を来てほしい」とする。動作をする人は「に」で示す(「友達に来てほしい」)、と板書のする人の色を指して確かめる
  • 目上の人に直接「先生にも来てほしいです」と言い、押しつけるように聞こえる。誤りではないが、目上には「来ていただけませんか」と頼む形にするか、「来ていただけたらうれしいです」と言うと伝える

既習の文型との違い

  • Vたいです(初級第5課)「たい」は自分がすること、「てほしい」はほかの人がすることへの希望です。「*わたしは日本へ行ってほしいです」と言ったら、「行くのはだれ?」と聞き返して「行きたい」に直させます。
  • Vてもらえませんか(初中級第2課)「てもらえませんか」は相手に直接頼む形で、「てほしい」は希望を述べる形です。相手を前にして「てほしい」だけで言い切ると、頼むより命令に近く聞こえることがあります。友達には「〜てほしいんだけど」と言いさしてやわらげ、目上には「〜ていただけませんか」で頼むと使い分けます。
  • Nがほしいです(初級第5課)同じ「ほしい」でも、名詞のときは「が」で物を示し(「新しいかばんがほしい」)、動詞のときは「人に+Vて」で行為を示します。頼みたい場面で「助けがほしいです」と名詞で言いかける学習者には、「だれに、何をしてほしいか」を動詞で言い直させると、頼みの中身がはっきりします。
関連する文型

この場面のことば・表現

  • イベントのお知らせでよく見ることばお知らせは名詞を並べた形が多く、文になっていない所に大事な情報が入っています。語を覚えさせるより、「この語の横には何が書いてあるか(日付か、金額か、人数か)」を予想させてから素材で確かめると、初めて見るお知らせでも読めるようになります。例:日時/会場/定員(先着30名)/参加費(無料・500円)/申し込み締め切り/主催・協力/持ち物/雨天中止・小雨決行

2 こんなときどうする?

できること見つけたイベントの中身を友達に話し、相手が行きたくなるように、断りやすさも残して誘える。

場面

見つけたお知らせのイベントに、クラスや寮の友達を誘う場面です。誘う側は留学生、誘われる側は日本人の友達や別の国の留学生という設定で、ペアにお知らせを1枚ずつ持たせます。誘われる側には「行く」「迷っている」「その日はだめ」のカードを伏せて引かせると、答え方も自然に練習できます。

  • 留学生:ねえ、来週の土曜日の午後って、たしか授業ないよね。
  • 日本人の友達:うん、ないよ。どうして?
  • 留学生:市民センターで国際交流パーティーがあるんだけど、よかったら一緒に行かない?
  • 日本人の友達:へえ、どんなことするの?
  • 留学生:いろんな国の料理を食べるとか、ゲームをするとか。参加費は500円だけだよ。
  • 日本人の友達:安いね。でも、知らない人ばかりだとちょっと緊張するかも。
  • 留学生:大丈夫、ちょっとのぞくだけでもいいから。申し込みはネットでするだけだし、あとでリンク送るね。
  • 日本人の友達:じゃあ、行ってみようかな。
学習項目 1 〜よね

意味・はたらき

自分がそう思っていることを、相手も知っている・同じ考えだろうと見込んで確かめる言い方です。「よ」は相手の知らないことを伝え、「ね」は相手に同意を求めますが、「よね」は「わたしはこう思うけど、合ってるよね?」と念を押す気持ちです。上げ調子だと確認(「授業ないよね↗」)、下げ調子だと共感(「楽しかったよね↘」)に聞こえます。友達を誘う前に相手の予定を確かめるときにちょうどよく使え、目上には「〜ですよね」と丁寧形にします。文法の用語では「よ」と「ね」が重なった終助詞で、話し手と聞き手のどちらが知っているか(情報のなわばり)で使い分けが決まります。

接続

V・イA普通形+よね/ナA・N+だよね(丁寧形は 〜ですよね・〜ますよね)

形
土曜日は授業ないよねあの店、安いよね明日は休みだよね締め切りは金曜日ですよね

導入

  • 「よ」「ね」「よね」を比べる教師が手帳を見ながら「土曜日は授業がないよ」(知らせる)、「今日は寒いね」(同意を求める)、「土曜日って授業ないよね」(自分の記憶を確かめる)の3つを言ってみせ、どれが「確かめている」か選ばせる。板書は3つの文末を並べ、「よね」の横に「わたし:たぶんそう → あなた:合ってる?」と気持ちを書く。

板書案

〜よ  → 相手が知らないことを伝える
〜ね  → 相手に同意を求める
〔赤〕〜よね → わたし:たぶんそう あなた:合ってる?
土曜日って 授業 ないよね↗(確認)/ 楽しかったよね↘(共感)
〔青〕V・イA 普通形 + よね  ナA・N + だよね  目上:〜ですよね

場面と発話(自作)

  • 友達を誘う前に、相手の予定を確かめる。来週の土曜日って、たしかバイトないよね。
  • アルバイト先で、先輩にシフトの時間を確かめる。明日は5時からですよね。
  • パーティーの帰り道に、友達と感想を言い合う。あの料理、おいしかったよね。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

教師が状況カード(「相手の誕生日は明日だと思う」「この電車は駅に止まると思う」など)を見せ、「〜よね」で確かめさせる。相手役は「うん、そうだよ」「ううん、違うよ。〜だよ」と答える。慣れたら、誘う前の確かめ→誘う、まで続けてやり取りさせる。

  1. 口頭教師が「たぶんこうだと思う」カード(「締め切りは金曜日」「この電車は急行」「明日は祝日」「あの店は安い」)を見せ、全体で「〜よね↗」と確かめる言い方にする。品詞が混ざるように並べ、「安いよね」「祝日だよね」の「だ」の有無をテンポよく言わせる。次に同じ文を下げ調子で言わせ、確認と共感で聞こえ方が変わることを全体で比べる。
  2. ペア記憶たしかめゲーム:A には少しまちがいの混じった予定のメモ、B には正しい予定表を渡す。A が「〜よね」で確かめ、B は「うん、そうだよ」か「ううん、〜だよ」で答える。5問で交替し、まちがいをいくつ見つけたかを数える。
  3. 産出誘う前のひとこと:2 のロールプレイの前に、相手の本当の予定を「〜よね」で一つ確かめてから誘わせる。相手役を先輩・先生に変えた回も入れる。教師は ①イ形容詞に「だ」を入れていないか ②相手が知らない情報に「よね」を使っていないか ③目上に「ですよね」にできているか、を見る。

つまずきと手当て

  • イ形容詞に「だ」をつけて「*安いだよね」とする。「だ」が入るのはナ形容詞と名詞だけ、と品詞ごとに板書を分ける
  • 相手が知らない新しい情報を伝えるのに「よね」を使い、相手が「え、知らないけど」と困る。相手が知らないことは「よ」で伝える、と3つの比較に戻る
  • 先生や店の人に「明日休みだよね」と普通形で言う。目上には「〜ですよね」と丁寧形にする、と場面カードに相手の立場を書いて練習する

既習の文型との違い

  • 〜ね(確認)(初級第6課)「〜ね」の確認は、目の前のことを相手と確かめ合う言い方で(「これ、二つですね」)、「よね」は自分の記憶や考えが合っているかを相手に聞く気持ちが強くなります。誘う前に予定を確かめるような、話し手に少し自信がない場面では「よね」が自然です。
  • 〜よ(初級第6課)「よ」は相手が知らないことを教える形です。相手が知らないはずのことに「よね」を使う(「わたし、来月引っ越すよね」)と、相手は「え、知らないけど」と困ります。知らせるなら「よ」、確かめるなら「よね」と、3つの文末を並べて選ばせます。
関連する文型
学習項目 2 〜とか〜とか

意味・はたらき

いくつかある中から例をいくつか挙げる話し言葉です。「料理を食べるとか、ゲームをするとか」のように、全部ではなく代表的なものを挙げて、だいたいの中身を伝えます。書き言葉の「〜や〜など」にあたり、お知らせやレポートでは「〜や〜など」を使います。名詞だけでなく動詞や形容詞の文もそのまま並べられ、一つだけ「〜とか」と言ってぼかすこともできます。文法の用語では、例を並べる並立助詞(副助詞とする立場もある)としてはたらき、書き言葉の「や」「など」と対になる話し言葉の形です。

接続

N+とか/V・イA普通形+とか/ナA・N+だ+とか

形
料理とかゲームとか歌うとか踊るとか辛いとか甘いとか週末とか、空いてる?

導入

  • お知らせの中身を友達に話す1 の素材のお知らせを見せ、「このパーティーでは何をしますか。友達に話してください」と聞く。学習者が全部を並べようとしたところで、教師が「料理を食べるとか、ゲームをするとか」と例を2つだけ挙げて言ってみせる。板書は「お知らせ:料理やゲームなど」「会話:料理とかゲームとか」を上下に並べる。

板書案

〔青〕お知らせ:料理や ゲームなどを 楽しみます。
〔赤〕会話 :料理とか ゲームとか、そんな感じ。
動詞もOK:歌うとか 踊るとか
〔赤〕全部を言う → A と B / 例だけ → A とか B とか

場面と発話(自作)

  • 友達にイベントの中身を聞かれて答える。いろんな国の料理を食べるとか、ゲームをするとか、そんな感じ。
  • 日本人の友達に、日本に来て困ったことを話す。ごみの分け方とか、銀行の手続きとか、最初は大変だった。
  • サークルの先輩に、週末は何をしているか聞かれる。洗濯とか買い物とかで、あっという間に終わっちゃいます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

イベントの絵カード(花火大会・料理教室・スポーツ大会など)を見せ、そこでできることを「〜とか〜とか」で2つ挙げさせる。そのあと 2 のロールプレイで、誘う側がイベントの中身を「〜とか〜とか」で説明し、誘われる側が「ほかには?」と聞き返す形にする。

  1. 口頭イベントの絵カード(花火大会・料理教室・スポーツ大会・お祭り・映画会)を見せ、「何ができますか」と聞いて「〜とか〜とか」で2つ挙げさせる。名詞(「やきそばとか、かき氷とか」)と動詞(「浴衣を着るとか、花火を見るとか」)が両方出るようにカードを選ぶ。最後に教師が「〜や〜など」の文を言い、全体で会話の言い方に戻させる。
  2. ペアイベント当てクイズ:A がイベントのカードを伏せたまま、そこでできることを「〜とか〜とか」で2つ言い、B がイベント名を当てる。外れたら A がもう一つ足す。4枚で役を交替する。
  3. 産出お知らせ⇄誘い言い換え:自分のイベントの中身を、お知らせ用に「〜や〜などを楽しめます」で一文書き、誘うときの言い方で「〜とか〜とか」に言い換えてペアに話す。教師は ①書く文に「とか」が入っていないか ②例が2つ前後に収まっているか ③動詞のときに普通形で並べているか、を見る。

つまずきと手当て

  • お知らせや作文で「料理とかゲームとかを楽しみます」と書き、書き言葉の中で浮く。誤りではないが、書くときは「料理やゲームなどを楽しみます」にする、と板書の上下で確かめる
  • 例が2つしかないことをはっきり言いたいのに「とか」を使い、ほかにもあるように聞こえる。全部を言うときは「AとB」と並べ、例だけを挙げるときに「とか」を使う、と区別させる
  • イベントの中身を言うのに例を5つも6つも「とか」でつなぎ、かえって何をするのか伝わらない。「とか」は代表を2つ挙げて「そんな感じ」でまとめるとよい、と教師が言い方の型を見せる

既習の文型との違い

  • NやNなど(初級第3課)意味は同じく「例を挙げる」で、「や〜など」は書き言葉・改まった話し方、「とか〜とか」は友達との会話の形です。作文に「とか」を書く、面接で「とか」を連ねる、という混ぜ方が中級でよく出るので、場面のカードと一緒に選ばせます。
  • 〜し、〜(並列)(初中級第6課)「し」は同じ向きのことを重ねて理由や評価を強める形で(「安いし、近いし」)、「とか」は中身の例を挙げる形です。誘うときは「料理とかゲームとかあるし、安いし」のように、中身を「とか」、勧める理由を「し」で言うと組み合わせられます。
関連する文型
学習項目 3 〜だけ/〜だけの

意味・はたらき

「だけ」は範囲をそれだけに限ることを表します。誘う場面では「500円だけ」「のぞくだけでもいい」のように、負担が小さいことを伝えて相手が気軽に来られるようにするのに使えます。名詞を説明するときは「学生だけのパーティー」のように「〜だけの+N」にします。「しか〜ない」も限定を表しますが、「しか」は「少ない・足りない」という気持ちが出て、後ろが必ず否定になる点が違います。文法の用語では、範囲を限る取り立て助詞で、「しか〜ない」とともに限定の取り立てとして整理されます。

接続

N+だけ/V・イA普通形+だけ/ナAな+だけ/N・V普通形+だけの+N

形
参加費は500円だけ見るだけでもいいよ留学生だけのイベント申し込みはネットでするだけ

導入

  • 誘いを軽くする教師が学習者を誘う役をして「パーティー、行かない?」と言い、学習者が迷う顔をしたところで「参加費は500円だけだよ」「ちょっとのぞくだけでもいいから」と足してみせる。板書は「500円だけ」「のぞくだけ」の「だけ」に印をつけ、横に「少ない・かんたん → 来やすい」と気持ちを書く。続けて「留学生だけのパーティー」で「だけの+N」を見せる。

板書案

参加費は 500円〔赤〕だけ / のぞく〔赤〕だけ でも いい
〔青〕少ない・かんたん → 来やすい
N + だけの + N (例)留学生だけの パーティー
500円だけ(軽い) ⇄ 500円しか ありません(足りない) 〔赤〕しか+否定

場面と発話(自作)

  • 初めての交流会に迷っている友達を誘う。最初の30分だけでもいいから、一緒に行こうよ。
  • 学校の掲示板で、女性向けの料理教室のお知らせを見つける。これ、女性だけの料理教室なんだって。
  • 財布の中を見て、友達に言う。今日は1000円だけ持ってきたから、安い店にしよう。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず数量や時間(500円・30分・1回)に「だけ」をつけ、同じ内容を「しか〜ない」で言い換えさせて気持ちの違いを話し合う。次に「〜だけのN」を「学生・女性・初心者・地元の人」と「イベント・クラス・ツアー」の組み合わせで作らせる。最後に 2 のロールプレイで、迷う相手を「〜だけ」で誘い直す。

  1. 口頭数や時間のカード(500円・30分・1回・2人)と動作のカード(見る・のぞく・名前を書く)を見せ、「〜だけ」をつけて全体で言わせる。同じカードを「しか〜ない」でも言わせ、気持ちが「軽い」か「足りない」かを全体で手を挙げて選ばせる。続けて「学生・女性・初心者」と「イベント・クラス・ツアー」のカードを組み合わせて「〜だけのN」を作らせる。
  2. ペア誘い直しロールプレイ:B は断る理由のカード(お金がない・時間がない・知らない人ばかり・日本語に自信がない)を1枚引いて断り、A は「〜だけ」で負担を小さく見せて誘い直す。B はもう一度断ってもよい。3回で役を交替する。
  3. 産出ひと押しメッセージ:迷っている友達に送るつもりで、イベントへの誘いのメッセージを3〜4行で書く。「〜だけ」と「〜だけのN」を1回ずつ入れ、最後に断りやすい一言を足す。教師は ①名詞の前の「の」 ②「しか」を肯定で使っていないか ③負担を軽く見せつつ押しつけになっていないか、を見る。

つまずきと手当て

  • 名詞をつなぐときに「の」を落として「*学生だけパーティー」とする。後ろに名詞が来たら「だけの」、と板書で矢印をつけて確かめる
  • 「しか」と混ぜて「*500円しか払います」とする。「しか」の後ろは必ず否定、と「だけ」「しか〜ない」を並べて書く
  • 「一人で住めるだけの広さ」のような「〜に十分な」の意味の「だけの」に出会うと、限定の意味で読んで分からなくなることがある。質問が出たら、程度を表す使い方もあると一言添え、この課では限定の意味に絞る

既習の文型との違い

  • [〜個、〜時間、〜杯…/N]しか〜ない(初中級第12課)どちらも限定ですが、「だけ」は事実をそのまま言い、「しか〜ない」は「少ない・足りない」という気持ちが入ります。誘うときに「500円しかかからないよ」と言うと「安い」が強く伝わり、「500円だけ」は軽く添える感じです。「*500円しか払います」のように後ろを肯定にする誤りが出たら、2つを上下に並べます。
  • 〜だけじゃなくて、〜も〜(初中級第15課)初中級の「〜だけじゃなくて」は、限定を打ち消してほかのものを足す形でした。この課の「だけ」は限定そのものを使って負担の軽さを伝えるので、向きが逆です。誘う場面で「料理だけじゃなくて、ゲームもあるよ」と組み合わせて使わせると、両方の向きが確かめられます。
関連する文型

この場面のことば・表現

  • 友達を誘うときに使う表現友達を誘うときは、いきなり誘わずに相手の予定を確かめ、誘ったあとに断りやすい一言を足すのが日本語の誘い方の型です。「確かめる→誘う→中身を言う→相手に任せる」の4つに表現を分けて板書し、ペアで順番どおりに組み立てさせます。例:「〜って空いてる?」/「〜があるんだけど、一緒に行かない?」/「よかったら」/「〜はどう?」/「無理しなくていいからね」/「じゃあ、また今度誘うね」

3 耳でキャッチ

できること天気予報を聞いて、雨の降る時間帯や気温の変化をつかみ、持ち物や出かける時間を自分で決められる。

場面

イベントの前の晩に、テレビやラジオの天気予報を聞く場面です。教室では教師が自作の原稿をニュースの速さで読み(録音してもよい)、1回目は「明日は傘が要りますか」だけ、2回目は時間帯と気温をメモさせます。天気予報は決まった言い方のくり返しなので、形を覚えると聞き取りが一気に楽になることを体験させます。

  • 天気予報:あすの関東地方は、朝のうちは晴れますが、昼過ぎから次第に雲が広がるでしょう。
  • 天気予報:夕方から夜にかけては、ところにより雨が降るでしょう。
  • 天気予報:降水確率は午前が10パーセント、午後は60パーセントです。
  • 天気予報:雨が降り出すと、気温が急に下がります。
  • 天気予報:あさっては北から冷たい空気が入り、各地で冷え込むでしょう。
  • 留学生(ひとりごと):パーティーは4時半までか。折りたたみの傘と上着を持っていこう。
学習項目 1 〜でしょう/〜だろう

意味・はたらき

話し手がはっきりとは分からないが、たぶんそうなると推し量ることを表します。天気予報の「晴れるでしょう」が典型で、「でしょう」は丁寧な形、「だろう」は普通形です。「だろう」は文章(新聞・レポート)や、ひとりごと・男性の会話でよく使い、会話では「〜だろうと思う」の形もよく使います。「〜と思います」は話し手の意見、「〜かもしれません」は可能性がもっと低いときで、「でしょう」は根拠をもとにした見通しを落ち着いて伝える言い方です。文末を上げると確認の「でしょう?」になりますが、これは別の課で扱います。文法の用語では、話し手の判断の確かさを表す推量のモダリティ(認識のモダリティ)の形です。

接続

V・イA普通形+でしょう/だろう/ナA語幹・N+でしょう/だろう(「だ」は入れない)

形
あしたは晴れるでしょう夜は寒いでしょう週末の公園はにぎやかだろう夕方からは雨でしょう

導入

  • 天気マークを見て予報を言う黒板に明日の天気マーク(晴れ→曇り→雨)を時間帯ごとに描き、教師がアナウンサーの口調で「あしたは朝のうち晴れますが、夕方から雨が降るでしょう」と読む。「本当に降りますか」と聞き、「たぶん降る」の気持ちだと確かめる。板書は品詞ごとの接続を表にし、ナ形容詞と名詞には「だ」が入らないことを赤で示す。

板書案

〔青〕V・イA 普通形 + でしょう/だろう (例)降るでしょう・寒いでしょう
〔赤〕ナA・N + でしょう/だろう(「だ」は入れない) 穏やかでしょう・雨でしょう
あすは 夕方から 雨が 降るでしょう。(天気予報)
確かさ:〜と思います(意見) 〜でしょう(見通し) 〜かもしれません(低い)

場面と発話(自作)

  • テレビの天気予報で、アナウンサーが明日の天気を伝える。あすは全国的に気温が上がり、日中は汗ばむ陽気になるでしょう。
  • ニュースの記事が、イベントの人出について書く。連休中は、会場周辺の道路が混雑するだろう。
  • 日記に、あしたの交流会のことを書く。初めて会う人ばかりだが、きっと楽しい会になるだろう。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

天気マークと気温の数字を書いたカードを見せ、天気予報の文を「〜でしょう」で言わせる(品詞が混ざるように、晴れる・寒い・穏やか・雨を出す)。次に、同じ内容を友達との会話の「〜みたい」「〜って」に言い換えさせる。最後に、ペアで明日の天気予報を1人が読み、もう1人がメモして持ち物を決める。

  1. 口頭天気マークと気温のカード(晴れる・曇る・雨・雪・寒い・暑い・穏やか)を見せ、アナウンサーの口調で全体に「〜でしょう」と言わせる。品詞が混ざる順に出し、「雨でしょう」「穏やかでしょう」で「だ」を入れないかを列→個人で確かめる。最後に同じカードを「〜だろう」で言わせ、日記やひとりごとの声に替えさせる。
  2. ペア天気予報キャスター:A は時間帯ごとの天気と気温が書かれた予報カード、B は白紙の時間の線を持つ。A がキャスターとして「〜でしょう」で読み上げ、B は線の上にマークと数字を書き込む。書けたら答え合わせをして役を交替する(インフォメーション・ギャップ)。
  3. 産出あしたの予報コーナー:スマホで本当のあしたの天気を調べ、30秒の天気予報を「〜でしょう」で作って発表する。聞き手は持ち物を一つ決めて言う。最後に、あしたの自分の予定を日記に一文、「〜だろう」で書く。教師は ①「だ」の入れすぎ ②「ですでしょう」の重ね ③自分の予定に「でしょう」を使っていないか、を見る。

つまずきと手当て

  • 名詞・ナ形容詞に「だ」を入れて「*雨だでしょう」「*静かだだろう」とする。品詞の表で、ナ形容詞と名詞は語幹に直接つく、と確かめる
  • 丁寧形に重ねて「*寒いですでしょう」とする。「でしょう」自体が丁寧なので、前は普通形、と板書の表の左の列を指す
  • 自分の予定に使って「明日、わたしはパーティーに行くでしょう」と言い、他人ごとのように聞こえる。誤りではないが、自分が決めることは「行くつもりです」「行くと思います」と言う、と伝える

既習の文型との違い

  • 〜と思います(推量)(初級第15課)「と思います」は話し手が自分の考えとして言う形で、「でしょう」は根拠をもとにした見通しを、話し手の気持ちを出さずに落ち着いて伝える形です。天気予報が「雨が降ると思います」と言わないのはそのためだと説明すると、違いがつかみやすくなります。
  • 〜かもしれません(初中級第5課)「かもしれません」は可能性があるという程度で、「でしょう」より確かさが低く聞こえます。「降水確率90パーセント」のカードに「降るかもしれません」をつけさせて違和感を感じさせると、確かさの順に並べられます。
  • 〜そうです(伝聞)(初級第15課)天気予報で聞いたことを友達に伝えるときは、「でしょう」ではなく「雨が降るそうだよ」「降るって」と伝聞の形にします。予報の文をそのまま友達に言う「あしたは雨が降るでしょう」は、ニュースのまねのように聞こえます。
関連する文型
学習項目 2 〜から〜にかけて

意味・はたらき

時間や場所のだいたいの範囲を表し、その範囲の中で何かがずっと、またはあちこちで起きることを伝えます。「夕方から夜にかけて雨」「関東から東北にかけて雪」のように、天気予報やニュースでよく使います。「〜から〜まで」は始まりと終わりがはっきりしているときに使い、「〜から〜にかけて」は境目がぼんやりしているときに使う点が違います。そのため、時刻をきっちり決めた予定(会議や授業)にはふつう使いません。格助詞の「に」と動詞の「かける」からできた形で、範囲の終わりの側をゆるく示す複合格助詞(後置詞)として扱われます。

接続

N(時・場所)+から+N(時・場所)+にかけて/〜にかけての+N

形
夕方から夜にかけて関東から東北にかけて今月の末から来月の初めにかけて夜から朝にかけての雨

導入

  • 時間の線をぼかして引く黒板に時間の線(朝・昼・夕方・夜)を描き、授業の時間は「9時から12時まで」と両端をはっきり区切って示す。次に雨の時間帯を、夕方から夜のあたりに端をぼかした雲の絵で描き、「夕方から夜にかけて、雨が降るでしょう」と言う。板書の「まで」と「にかけて」の下に、はっきり/ぼんやり、と書き添える。

板書案

〔青〕9時から 12時まで(はっきり) |——————|
〔赤〕夕方から 夜にかけて(ぼんやり) 〜〜〜〜〜
夕方から 夜にかけて 雨が 降るでしょう。
場所も:関東から 東北にかけて 雪
〔赤〕×決まった予定(会議・授業) ×1人の移動

場面と発話(自作)

  • 天気予報で、雪の降る地域を伝える。あすは北陸から東北にかけて、大雪に注意してください。
  • 友達に、学校の桜の見ごろを教える。毎年、3月の終わりから4月の初めにかけてきれいに咲くよ。
  • ニュースで、連休の道路の混雑を伝える。あすの午前中から昼にかけて、高速道路の上りが混雑する見込みです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

日本地図と時間の線のカードを出し、天気マークを置いた範囲を「〜から〜にかけて」で言わせる。次に、時間割やバスの時刻表のカードと混ぜて出し、「〜から〜まで」と「〜から〜にかけて」のどちらが合うかを選ばせる。最後に、3 の天気予報を聞いて、雨の範囲をメモさせる。

  1. 口頭時間の線のカード(朝〜昼・夕方〜夜・今月の末〜来月の初め)と、日本地図に雨雲を置いたカード(九州〜四国・関東〜東北)を見せ、全体で「〜から〜にかけて、〜でしょう」と言わせる。途中で授業の時間割やバスの時刻表のカードを混ぜ、「まで」に切り替えられるかを個人に当てて確かめる。
  2. ペア雨雲どこどこ:A は雨や雪の範囲を書き込んだ地図、B は白地図を持つ。A が「〜から〜にかけて、〜」で伝え、B が地図に範囲を描く。描き終わったら重ねて答え合わせをし、役を交替する。
  3. 産出わたしの町の季節カレンダー:自分の国や住んでいる町で、季節ごとに起きること(雨の多い時期・花の見ごろ・混む時期)を「〜から〜にかけて」で3つ話す。聞き手は一番行ってみたい時期を選んで理由を言う。教師は ①始まりと終わりがはっきりした予定に使っていないか ②一人の移動に使っていないか ③「〜にかけての+N」が使えているか、を見る。

つまずきと手当て

  • 時刻が決まった予定に使って「3時から5時にかけて会議があります」と言う。文法の誤りではないが、始まりと終わりがはっきりした予定は「〜から〜まで」、と時間の線の図で確かめる
  • 1人の動きに使って「駅から学校にかけて歩きました」と言い、不自然になる。「にかけて」は雨・雪・混雑のように、範囲の中に広がる出来事に使う、と例を集めて見せる
  • 「数学にかけては自信がある」の「〜にかけては」(〜については)と形が似ていて混同する。こちらは別の表現(第16課)だと一言添える

既習の文型との違い

  • [時間]から[時間]までです(初級第3課)「〜から〜まで」は始まりと終わりがはっきりした時間に使い、「〜から〜にかけて」は境目がぼんやりした範囲に使います。「授業は9時から12時にかけてです」のように時間割に使うと、文法の誤りではなくても、授業がいつ終わるか分からない言い方に聞こえます。
関連する文型
学習項目 3 〜と、A/V

意味・はたらき

「Xと、Y」で、Xが起きると、いつも・必ずYになるという自然な結果やつながりを表します。「雨が降ると、気温が下がります」のように、天気予報や機械の説明、道案内でよく使います。後ろ(Y)には形容詞や動詞で、起きること・状態がきます。そのため、後ろに「〜てください」「〜ましょう」「〜たい」などの話し手の意志や頼みは来ないのが「たら」との大きな違いで、その場合は「たら」を使います。文法の用語では、条件表現のうち一般条件・恒常条件(いつもそうなる)を表す「と」で、「ば」「たら」「なら」と並べて比べられます。

接続

V辞書形/Vない+と/イA+と/ナA・N+だ+と

形
雨が降ると、寒くなる北風が吹くと、気温が下がる気温が低いと、雪になる日曜日だと、会場が混む

導入

  • 必ずそうなることを集める教師が「冬に雨が降ると、どうなりますか」「春になると、何が咲きますか」と聞き、「寒くなる」「桜が咲く」を引き出して「〜と、〜」の文にまとめる。続けて「雨が降ると、傘を持って行ってください」と言いかけて止め、変だと気づかせてから「雨が降ったら、傘を持って行ってください」と直す。板書の「と」の後ろの枠に「起きること・状態」、「たら」の後ろの枠に「頼み・意志もOK」と書く。

板書案

X と、Y 〔青〕Xが起きると、いつも・必ずYになる
雨が 降り出すと、気温が 下がります。
〔青〕V辞書形・Vない + と イA + と ナA・N + だと
〔赤〕Y に ×頼み・誘い・意志 → たら:雨が降ったら、傘を持っていってください

場面と発話(自作)

  • 天気予報で、雨のあとの気温を伝える。雨が降り出すと、気温が急に下がります。
  • 寮の先輩が、冬の部屋の使い方を教える。この部屋は窓を閉めないと、すぐ寒くなるよ。
  • 日本の冬が初めての留学生に、友達が教える。この辺は風が強いと、体感温度がかなり下がるよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カードを2枚ずつ(「ボタンを押す」と「お茶が出る」、「雨が降る」と「道が混む」など)見せて「〜と、〜」の文を作らせる。次に、後ろが頼みや意志のカード(「傘を持っていく」「家にいたい」)を混ぜ、「と」と「たら」のどちらが使えるか選ばせる。最後に、3 の天気予報を聞いたあと、「雨が降ると〜。だから〜」と自分の行動を決めて言わせる。

  1. 口頭2枚1組の絵カード(「北風が吹く」と「寒くなる」、「雨が降り出す」と「気温が下がる」、「気温が低い」と「雪になる」、「日曜日」と「会場が混む」)を見せ、全体で「〜と、〜」の文にする。前のカードが動詞・イ形容詞・名詞と入れ替わるように並べ、「低いと」「日曜日だと」の形を個人で確かめる。
  2. ペアと・たら仕分けバトル:A が前と後ろのカードを1枚ずつめくり、B が「と」と「たら」のどちらが使えるかを言ってから文にする。後ろのカードには「傘を持っていく」「家で休みたい」のような意志・頼みのカードも入れておく。5問で役を交替し、正しく選べた数を競う。
  3. 産出お天気アドバイス:3 の天気予報を聞いたあと、友達に「〜と、〜。だから、〜たら〜ね」の形で、天気の変化とそれに合わせた行動を2〜3文で伝える。教師は ①「と」の後ろに頼みや意志を入れていないか ②タ形に「と」をつけていないか ③イ形容詞に「だ」を入れていないか、を見る。

つまずきと手当て

  • 後ろに頼みや意志を入れて「*雨が降ると、傘を持って行ってください」とする。頼み・意志・誘いは「たら」、と板書の枠で確かめる
  • タ形にして「*雨が降ったと、寒くなります」とする。「と」の前は辞書形かナイ形、と接続の表で見せる
  • イ形容詞に「だ」をつけて「*寒いだと」とする。「だ」が入るのはナ形容詞と名詞だけ、と品詞ごとに確かめる

既習の文型との違い

  • Vると、〜(初級第14課)初級では動詞につく形で、機械の操作や道順の結果を言う使い方が中心でした。この課では前にイ形容詞・ナ形容詞・名詞も来て(「気温が低いと」「日曜日だと」)、天気や季節のような自然のつながりを言う形に広がります。後ろに頼みや意志が来ない決まりは同じです。
  • 〜たら(仮定条件)(初級第15課)「たら」は後ろに頼み・誘い・意志が来てもよく、「と」は来ません。「*雨が降ると、傘を持って行ってください」が出たら、後ろの文が話し手の気持ちかどうかを聞き、「たら」に替えさせます。
  • 〜ないと、〜(初中級第15課)初中級の「〜ないと」は「勉強しないと、困るよ」のように、しないと困る結果になると注意する使い方が中心でした。この課の「と」は注意ではなく、自然にそうなる結果を淡々と言う形です。同じ「と」の形でも、何を伝えたいかで使い方が変わることを確かめます。
関連する文型

この場面のことば・表現

  • 天気予報でよく聞くことば・表現天気予報のことばは、天気(晴れ・曇り・雨)、時間の幅(朝のうち・日中・夜遅く)、範囲(全域・ところにより)、変化(次第に・一時)の4つに分けて覚えさせると聞き取りやすくなります。日常会話ではあまり使わない硬い言い方が多いので、「友達に言うなら?」と会話の言い方に直させる練習も入れます。例:晴れのち曇り/ところにより雨/一時雨/降水確率/最高気温・最低気温/日中は暖かい/冷え込む

4 伝えてみよう

できること初めて会う人たちの前で、日本語や趣味を始めたきっかけ、自分の性格や「らしさ」を入れて、名前を覚えてもらえる自己紹介ができる。

場面

交流パーティーの会場で、マイクを渡されて1分ほど自己紹介をする場面です。初級の「名前・国・趣味」の自己紹介と比べさせてから、「名前のほかに一つだけ覚えてもらうなら何を言うか」を考えさせます。発表のあと、聞いた人に「〜さんはどんな人でしたか」と一言で言わせると、印象に残ったかどうかが確かめられます。

  • 留学生:みなさん、こんにちは。ベトナムから来た留学生の〇〇です。「〇〇ちゃん」と呼んでください。
  • 留学生:高校生のときに見た日本のアニメがきっかけで、日本語の勉強を始めました。
  • 留学生:友達にはよく「子どもっぽい」と言われますが、自分では明るくて好奇心が強いほうだと思います。
  • 留学生:ラーメンが大好きで、おいしい店なら1時間待ちでも並びます。
  • 留学生:この町のおいしいお店を知っていたら、ぜひ教えてください。
  • 留学生:どうぞよろしくお願いします。
学習項目 1 〜がきっかけで

意味・はたらき

ある出来事や物が始まりのひと押しになって、新しいことを始めたり、何かが変わったりしたことを表します。自己紹介で「アニメがきっかけで日本語を始めました」のように、日本語や趣味との出会いを語るのにぴったりです。「〜から/〜ので」はただの理由ですが、「きっかけ」は「それがなかったら始まらなかった、最初のできごと」という気持ちが入ります。似た形の「〜をきっかけに」も同じ意味で、やや書き言葉寄りです。動詞につくときの「の」は、文を名詞のまとまりにする形式名詞(準体助詞)の「の」です。

接続

N+がきっかけで/V普通形+の(こと)+がきっかけで

形
アニメがきっかけで友達の一言がきっかけで留学したのがきっかけで〜をきっかけに(書き言葉寄り)

導入

  • 教師の「始まりの話」を聞く教師が自分の写真やものを見せながら「大学1年のとき、留学生の友達ができたのがきっかけで、日本語の先生になりたいと思いました」と短く話す。「何が最初でしたか」と聞いて「友達ができたこと」を取り出し、板書で「[最初のできごと]がきっかけで → [始めたこと・変わったこと]」の矢印にする。続けて学習者に「日本語を始めたきっかけは何ですか」と聞く。

板書案

〔青〕[最初のできごと] が きっかけで → [始めたこと・変わったこと]
アニメが きっかけで、日本語を 始めました。
〔赤〕V普通形 + の + が きっかけで (例)留学したのが きっかけで
〔赤〕○がきっかけで ○をきっかけに △がきっかけに(標準的ではない)

場面と発話(自作)

  • 交流会の自己紹介で、日本語を始めた理由を話す。高校で日本人の留学生と同じクラスになったのがきっかけで、日本語を勉強し始めました。
  • アルバイト先の先輩に、料理が好きになった理由を聞かれる。一人暮らしを始めたのがきっかけで、料理をするようになりました。
  • サークルの新歓で、先輩に入った理由を聞かれる。友達に誘われたのがきっかけで、見学に来ました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず「アニメ・友達・旅行・先生の一言」などのカードを引かせ、「〜がきっかけで〜を始めました/〜になりました」の文を作らせる。次に、動詞のカード(留学する・アルバイトを始める)で「〜のがきっかけで」の形にする。最後に、自分の本当のきっかけを2文で話し、聞き手が「どうしてそれがきっかけになったの?」と聞き返す。

  1. 口頭きっかけのカード(アニメ・友達の一言・旅行・先生・一人暮らしを始める・留学する)と、結果のカード(日本語を始める・料理が好きになる・早起きするようになる)を見せ、全体で「〜がきっかけで〜」の文にする。動詞のカードが出たら「の」を入れて言えるかを個人に当てて確かめる。
  2. ペアきっかけインタビュー:A が「〜を始めたきっかけは何ですか」と聞き、B は自分の本当のきっかけを「〜がきっかけで」で答える。A は必ず「どうしてそれがきっかけになったんですか」と一つ聞き返す。2つの話題で役を交替する。
  3. 産出わたしの始まり30秒:4 の自己紹介に入れる「始まりの話」を2文で書き、ペアに話す。聞いた人はその人のきっかけを一言で言い直す。教師は ①動詞の前の「の」 ②「をきっかけに」と混ぜていないか ③一回の失敗や原因(遅刻など)に使っていないか、を見る。

つまずきと手当て

  • 動詞に直接つけて「*日本に来たがきっかけで」とする。動詞のあとは「の」を入れて名詞にする、と板書の矢印の前に「の」を赤で書く
  • 「をきっかけに」と混ぜて「アニメがきっかけに」とする。くだけた文では見かけるが標準的な形ではないので、「がきっかけで」「をきっかけに」の2つの組み合わせで練習する、と並べて書く
  • ただの原因に使って「雨がきっかけで遅刻しました」と言う。文法の誤りではないが、遅刻のような一回の結果には「〜で/〜のせいで」が合い、「きっかけ」は新しく始まったこと・変わったことに使う、と伝える

既習の文型との違い

  • どうして/〜から(初級第5課)「〜から」はただの理由で、「きっかけ」は「それがなかったら始まらなかった最初のできごと」です。「日本語が好きだから勉強しています」は今の理由、「アニメがきっかけで勉強を始めました」は始まりの話と、時間の線の上の位置で区別します。
  • 〜ので、〜(初中級第1課)「ので」も理由を言う形で、改まった場面に向きます。自己紹介で「アニメが好きなので、日本語を始めました」と言っても誤りではありませんが、「きっかけ」を使うと聞き手がそこから質問しやすくなります。両方の文を言わせて、どちらが話を広げやすいか比べさせます。
関連する文型
学習項目 2 〜っぽい

意味・はたらき

「〜のように見える・〜の感じがする」と、そのものではないが、その性質に近いことを表す話し言葉です。「子どもっぽい」「白っぽい」のように名詞や色につくほか、「忘れっぽい」「飽きっぽい」のように動詞につくと「すぐ〜する性格だ」という意味になり、性格の自己紹介でよく使います。「〜らしい」は「本当にそのものの性質がよく出ている」(「学生らしい服」)でほめる意味が多いのに対し、「〜っぽい」は「それに似ている」で、「子どもっぽい」のように少しマイナスに聞こえることがあります。形はイ形容詞と同じに変わり、改まった作文や面接では「〜の傾向がある」「〜やすい」などに言い換えます。語の作りとしては、名詞や動詞についてイ形容詞を作る接尾辞です。

接続

N+っぽい/Vます形の語幹+っぽい(忘れっぽい)/イA語幹+っぽい(安っぽい)(イ形容詞と同じように活用する)

形
子どもっぽい忘れっぽい・飽きっぽい白っぽい上着大人っぽくない

導入

  • 写真の人を一言で言う服装や表情の違う人の写真を数枚見せ、「この人、何歳ぐらい?」と聞いて「大人っぽい」「子どもっぽい」を引き出す。次に教師が「わたしはかぎをよく忘れます。忘れっぽいんです」と言い、動詞につく形を見せる。板書は「N+っぽい(〜みたい)」「Vます+っぽい(すぐ〜する)」の2段にし、「らしい」との違いは写真の例で横に書く。

板書案

〔青〕N + っぽい(〜みたい) 子どもっぽい・白っぽい
〔赤〕Vます + っぽい(すぐ〜する) 忘れっぽい・飽きっぽい
活用はイ形容詞:っぽくない・っぽかった・っぽい人 〔赤〕×っぽいな人
自分のこと:よく「〜っぽい」と言われます / 改まった場:〜やすいところがあります

場面と発話(自作)

  • 交流会の自己紹介で、自分の性格を少し笑いを交えて言う。わたし、ちょっと飽きっぽくて、趣味がすぐ変わるんです。
  • 友達と買い物をしていて、上着の色について話す。この白っぽいのと、黒っぽいの、どっちがいいと思う?
  • クラスメートの書いた字を見て感想を言う。この字、大人っぽくてきれいだね。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

性格の絵カード(よく怒る・すぐ忘れる・すぐやめる)を見せて「〜っぽい」で言わせ、次に人・色の写真で名詞につく形を言わせる。そのあと、同じ写真を「〜らしい」でも言えるか比べさせる。最後に 4 の自己紹介に、自分の性格を「〜っぽい」で一つ入れ、「よく〜と言われます」とやわらげる。

  1. 口頭写真カード(大人っぽい服の子ども・白っぽい上着・黒っぽい車)と動作のカード(すぐ忘れる・すぐ飽きる・すぐ怒る)を見せ、全体で「〜っぽい」と言わせる(「忘れっぽい」「飽きっぽい」「怒りっぽい」)。続けて「っぽくない」「っぽかった」「っぽい人」と活用を一つずつ言わせ、ナ形容詞の形にしないかを個人で確かめる。
  2. ペアわたしってこう見える?:A が自分の性格を「よく〜っぽいと言われます」と言い、B は「そうかな。わたしは〜だと思う」とひと言返す。マイナスに聞こえる語(子どもっぽい・飽きっぽい)を相手に向けて言うのは避け、自分のことだけに使う約束にする。2回で役を交替する。
  3. 産出性格ひとこと:4 の自己紹介に、自分の性格を「〜っぽい」で一文入れ、「よく〜と言われます」「〜ほうだと思います」でやわらげる。同じ内容を面接用に「〜やすいところがあります」で言い換えた版も書く。教師は ①イ形容詞の活用 ②相手に向けて失礼な語を使っていないか ③改まった場で話し言葉が浮いていないか、を見る。

つまずきと手当て

  • 名詞を修飾するときにナ形容詞のようにして「*子どもっぽいな人」とする。「っぽい」はイ形容詞と同じ、と「っぽくない・っぽかった」の活用表で確かめる
  • 「らしい」と同じだと思い、ほめるつもりで先輩に「先輩、学生っぽいですね」と言う。誤りではないが、「っぽい」は「似ている」で、場面によっては若く見えるなどの意味に取られることがある、と写真の比較に戻る
  • 面接や作文で「わたしは忘れっぽいです」と書き、話し言葉が浮く。改まった場面では「忘れやすいところがあります」と言い換える、と伝える

既習の文型との違い

  • 〜みたいです(比況)(初中級第10課)「子どもみたいです」は「子どもに似ている」とたとえる形で、「子どもっぽい」は性格や見た目の性質として言い、一語の形容詞のように使えます。「この人、子どもみたい」は今のふるまいへのたとえ、「子どもっぽい人」はいつもの性質と、場面を分けて比べさせます。
  • Vやすいです(傾向・性質)(初中級第12課)「忘れやすい」と「忘れっぽい」はどちらも「すぐ忘れる性質」ですが、「っぽい」は話し言葉で、人の性格に使うことがほとんどです。「この傘は壊れっぽい」のように物の性質に「っぽい」を使う誤りには、「壊れやすい」を示します。
関連する文型
学習項目 3 〜でも(極端な例)

意味・はたらき

いちばんありそうにない・極端な例を挙げて、「それでさえそうなのだから、ほかはもちろんそうだ」という気持ちを表します。「子どもでもわかる」「おいしい店なら1時間待ちでも並ぶ」のように使い、自己紹介では自分の好きなものや得意なことの度合いを印象的に伝えられます。「も」は単に同じものを足すだけで、「さえ」は「でも」より強く、マイナスの場面(「名前さえ書けない」)でよく使います。同じ「でも」でも、「お茶でも飲みませんか」のように軽く例を挙げる使い方とは別です。文法の用語では、極端な例を挙げてほかを推し量らせる取り立て助詞の「でも」で、「さえ」「も」と同じ仲間として比べられます。

接続

N+でも/N+助詞(に・と・から など)+でも(「が」「を」は「でも」に置き換わる)

形
子どもでもわかる1時間待ちでも並ぶ雨の日でも走るだれとでもすぐ仲よくなれる

導入

  • ふつうの例と極端な例を並べる教師が「わたしはラーメンが好きです」と言ったあと、「どのくらい好きですか」と聞き返させ、「30分待ちの店にも行きます」「1時間待ちでも並びます」と、だんだん極端な例にしてみせる。学習者に「どちらが『すごく好き』に聞こえますか」と聞き、極端な例に「でも」がつくことを確かめる。板書は「ふつうの例 → も」「ありえない例 → でも(だから、ほかはもちろん)」の2行にする。

板書案

〔青〕ふつうの例 → も  30分待ちの店にも 行きます。
〔赤〕ありえない例 → でも 1時間待ちでも 並びます。(だから、ほかは もちろん)
〔赤〕が・を → でも:子ども〔×が〕でも わかる  に・と は残る:だれとでも
動詞は テ形:雨が 降っても 走ります / 名詞:雨の日でも 走ります

場面と発話(自作)

  • 交流会の自己紹介で、好きなものの度合いを伝える。辛いものが大好きで、いちばん辛いカレーでも平気で食べられます。
  • クラスメートに、使っている翻訳アプリをすすめる。このアプリ、使い方が簡単だから、初めての人でもすぐ使えるよ。
  • アルバイトの面接で、体力があることを伝える。毎朝走っていて、雨の日でも休みません。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「好き・得意・平気」なことのカードを引かせ、「〜でも〜」で極端な例を一つ考えて言わせる(例が極端なほど面白い、と競わせてもよい)。次に、「だれ・どこ・いつ」と助詞を組み合わせて「だれとでも」「どこにでも」を言わせる。最後に 4 の自己紹介に、自分の「らしさ」を「〜でも」で一文入れて発表する。

  1. 口頭「好き・得意・平気」のカード(ラーメン・辛い物・早起き・寒さ)を見せ、教師が「30分待ちでも」「1時間待ちでも」「雨の日の2時間待ちでも」とだんだん極端にしていき、全体でついて言わせる。次に疑問詞と助詞のカード(だれ+と・どこ+で・いつ・何)を組み合わせて「だれとでも」「どこででも」を言わせ、「が・を」が消えることを個人で確かめる。
  2. ペア極端自慢合戦:A が「わたしは〜でも〜」と好きなことの度合いを言い、B は同じ話題で「わたしは〜でも〜」ともっと極端な例で返す。3往復したら話題を替え、役を交替する。一番大げさだった例を一つずつ発表させる。
  3. 産出らしさ一文:4 の1分の自己紹介に、自分らしさが伝わる「〜でも」の文を一つ入れて発表する。聞き手は発表のあと、一番印象に残った「〜でも」の文を言う。教師は ①「が・を」を残していないか ②動詞の「ても」と混ぜていないか ③例が本当に極端で効いているか、を見る。

つまずきと手当て

  • 「が」を残して「*子どもがでもわかる」とする。「が」「を」は「でも」に置き換わり、「に」「と」は残る、と助詞ごとに板書を分ける
  • 動詞の「〜ても」と混ぜて「*雨が降るでも走ります」とする。動詞のときは「降っても」とテ形、と名詞の「雨の日でも」と並べて見せる
  • 極端でない例に使い、意味が弱くなる(「少し辛いカレーでも食べられます」)。誤りではないが、「でも」は「ありえない例」を挙げると効く、と導入の2行に戻る

既習の文型との違い

  • Nも(初級第1課)「も」は同じものを足すだけで、「でも」は一番ありそうにない例を挙げて「ほかはもちろん」と伝えます。「子どももわかる」は大人と子どもが並ぶだけ、「子どもでもわかる」は「だれでもわかるほど簡単」と、聞こえ方の違いを2文で比べさせます。
  • 〜ても(初級第15課)動詞・形容詞につくときはテ形の「ても」で(「雨が降っても」「寒くても」)、名詞のときに「でも」になります。「*雨が降るでも走ります」が出たら、名詞の「雨の日でも」と並べて書きます。
関連する文型

この場面のことば・表現

  • 自己紹介で使える表現中級の自己紹介では、名前と国のあとに「呼び方」「きっかけ」「相手へのお願い」を足すと、聞き手が話しかけやすくなります。場面(パーティー・ゼミ・アルバイトの面接)ごとに、どこまで改まるかを分けて練習します。例:「〜と申します」/「〜と呼んでください」/「〜出身です」/「実は〜」/「最近〜にはまっています」/「気軽に声をかけてください」
  • 性格を表すことば・表現性格のことばは、ほめことばとして使えるもの、自分を下げて言うときに使うもの、相手に言うと失礼になりうるものがあるので、+/−の印をつけて整理させます。自分のことを言うときは「〜ほうだと思います」「よく〜と言われます」とやわらげる形とセットで覚えさせます。例:明るい/人見知り/のんびりしている/好奇心が強い/負けず嫌い/几帳面/飽きっぽい

語彙の扱い

この課の語は、お知らせのことば(日時・会場・定員・参加費・締め切り)、誘うときの話し言葉、天気予報のことば、自己紹介と性格のことばの4つのかたまりに分かれます。お知らせと天気予報のことばは、会話ではあまり使わない硬いことばが多いので、「友達に言うなら?」と会話の言い方と対にして覚えさせます。性格のことばは学習者が本当に言いたい語がそれぞれ違うので、全員で使う語は少なめにし、自己紹介に入れたい語はその場で教えます。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 会場(かいじょう) イベントや会が行われる場所。 〜に着く・〜の入り口・〜において
    お知らせを見て、友達に場所を伝える。
    会場は駅の前の市民センターの2階だよ。
  • 参加費(さんかひ) イベントや会に出るために払うお金。 〜を払う・〜は無料・〜500円
    迷っている友達に、お金の負担が小さいことを言う。
    参加費は300円だけだから、気軽に行けるよ。
  • 申し込みます(もうしこみます) イベントや講座に「参加したい」と伝えて、名前を登録する。 イベントに〜・ネットで〜・早めに〜
    お知らせの申し込み方法を読んで、友達に教える。
    ホームページ上で申し込むだけだから、すぐ終わるよ。
  • 締め切り(しめきり) 申し込みや提出ができる最後の日や時間。 〜は金曜日・〜に間に合う・〜が近い
    申し込もうとしている友達に念を押す。
    申し込みの締め切りって、今週の金曜日だよね。
  • 誘います(さそいます) 「一緒に行こう」「一緒にしよう」と相手に声をかける。 友達を〜・パーティーに〜・気軽に〜
    交流会に一人で行くのが不安な留学生が言う。
    一人だと緊張するから、ルームメイトを誘ってみる。
  • 空いています(あいています) 予定が入っていなくて、時間がある。 週末は〜・午後が〜・来週なら〜
    誘う前に、相手の予定を確かめる。
    土曜日の午後って、空いてる?
  • 降水確率(こうすいかくりつ) 雨や雪が降る見込みを、パーセントで表したもの。 〜が高い・〜50パーセント・午後の〜
    天気予報を見て、傘を持っていくか決める。
    午後の降水確率が70パーセントだから、傘を持っていこう。
  • 次第に(しだいに) 少しずつ変わっていくようす。天気予報やニュースでよく使う硬い言い方。 〜曇る・〜寒くなる・〜広がる
    天気予報で、天気の変化を伝える。
    あすは昼過ぎから次第に雲が広がるでしょう。
  • 冷え込みます(ひえこみます) 気温が下がって、とても寒くなる。特に朝や夜に使う。 朝は〜・急に〜・各地で〜
    イベントの帰りが夜になると知って、上着を決める。
    夜は冷え込むでしょうって言ってたから、上着を持っていこう。
  • きっかけ(きっかけ) 何かを始めたり、何かが変わったりする最初の理由や出来事。 〜になる・〜を作る・始めた〜
    交流会で、初めて会った人に質問する。
    日本語を始めたきっかけは何ですか。
  • 人見知り(ひとみしり) 知らない人の前で緊張して、うまく話せないこと。また、そういう性格の人。 〜をする・〜な性格・ちょっと〜
    自己紹介で、自分の性格を少しやわらげて言う。
    ちょっと人見知りなので、気軽に話しかけてもらえるとうれしいです。
  • 印象(いんしょう) 見たり聞いたりしたあとに、心に残る感じ。 〜に残る・第一〜・〜がいい
    自己紹介のあとで、友達と感想を話す。
    あの人の自己紹介、短かったけど印象に残ったよね。

宿題と次のコマ

宿題は、自分が参加したいイベント(実在でも架空でもよい)のお知らせを5〜6行で作り、それを使って友達を誘うやり取りを書いてくること。あわせて 4 の自己紹介を1分で話せるように練習してくる。次のコマの最初に何人かに自己紹介をしてもらい、聞いた人に名前と特徴を言わせてから、第2課「楽しい食事・上手な買い物」の最初の ST に入ります(この課の「お知らせから要る情報を探す」読み方が、第2課の食事や買い物の情報を読む力につながります)。

よくある質問

  • 『できる日本語 中級』第1課「新たな出会い」は何コマで終わりますか?

    90分なら4コマが目安で、できること1つにほぼ1コマずつ当てます。1コマ目に導入と「見つけた!」、2コマ目に「こんなときどうする?」、3コマ目に「耳でキャッチ」、4コマ目に「伝えてみよう」と課のまとめを入れます。自己紹介の原稿づくりに時間がかかるクラスは、原稿を宿題にして4コマ目を発表と交流会に使うと収まります。

  • 「〜において」と「〜で」はどう教え分けますか?

    意味は「〜で」の場所・時・分野の用法と同じで、違うのは硬さだと最初に示します。そのうえで、道具・方法・原因の「で」は「において」にできないことを、「はしで食べる」「メールで送る」を×の例にして見せます。会話の文とお知らせの文の書き換えを往復させると、どの「で」なら置き換えられるかが体で分かります。

  • 「〜と、A/V」と「〜たら」の違いは、この課でどこまで扱いますか?

    この課では「後ろに頼み・誘い・意志が来るなら『たら』」の1点に絞ります。「と」は天気予報や自然のつながりのように、いつもそうなる結果を言う形として練習します。「ば」「なら」との細かい比較は、条件の形が並んで出てくる後の課で改めて整理するほうが定着します。なお、実際の天気予報では「雨が降りますと」のような「ますと」も聞こえるので、聞き取りの素材で出たら丁寧な言い方だと一言添えます。

  • 「〜てほしい」と「〜たい」「〜てもらいたい」の違いはどう説明しますか?

    「〜たい」は自分がすること、「〜てほしい」「〜てもらいたい」はほかの人がすることへの希望で、する人を「に」で示す、と板書で2行に分けます。「てほしい」と「てもらいたい」の意味はほぼ同じで、「てもらいたい」のほうが改まった文章やあいさつで使われやすい、という程度の説明で十分です。目上の人に直接言うと押しつけに聞こえるので、頼むときは「〜ていただけませんか」に替えることもセットで伝えます。

  • 書き言葉と話し言葉が混ざるこの課の板書は、どう組めばいいですか?

    黒板の左を「お知らせ・天気予報(読む・聞く)」、右を「友達との会話(話す)」に分け、できることごとに出た形をどちらかの列に書き足していきます。「において⇄で」「〜や〜など⇄〜とか〜とか」「でしょう⇄みたい」のように左右で対になるものは横に並べて線で結ぶと、硬さの違いが一目で分かります。課のまとめでは、この表を見ながら同じ内容を2通りで言わせます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。