日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

できる日本語 初級 第15課「イベント情報・ニュースから」の教案

『できる日本語 初級 本冊 第2版』 ・ ST「これ、知ってる?」「雑誌を見て町へ」「町を歩いて」

テレビ・雑誌・町のお知らせなどで知ったことを友達に伝え、その情報をもとに一緒に出かけて、出かけた先の様子を話せるようになる課です。ST1 は聞いたことをそのまま伝える「〜そうです」と、出来事の原因を言う「[原因]で」、ST2 は出かける前に条件を考える「〜たら」「〜ても」と、たぶんそうだと考える「〜と思います」、ST3 は目の前の様子を言う「Vています(結果の状態)」です。どの形も第11課の普通形・タ形と第7課のテ形の上に乗るので、課の最初に普通形を手早く確かめておくと、あとが楽になります。初級の最後の課なので、ここまでの形を総動員して「知る→伝える→相談する→出かけて話す」が一続きでできることをめざします。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面、やり取りの例はすべて自作です。課・ST の題と学習項目の表記は出版社のシラバス一覧(第2版)に合わせています。
学習項目6時間90分×3コマ場面3

この課のねらい(Can-do)

  • テレビや雑誌、お知らせで知ったことを「〜そうです」で友達に伝え、誘ったり感想を言い合ったりできる
  • 天気・混み具合・値段などの条件を「〜たら」「〜ても」「〜と思います」で考えながら、友達と出かける計画を相談できる
  • 出かけた先で、店や道や人の様子を「Vています」で言い、次にどうするかにつなげられる

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)15分第14課の「〜と思います(意見)」で「日本の祭り、どう思いますか」と聞き、普通形+と思います を思い出させる。続けて動詞・イA・ナA・N の普通形(現在・過去・否定)を表で手早く確かめる。地域のイベントのチラシや天気予報の画面を黒板に貼っておく
ST1 これ、知ってる?75分チラシ・ニュースの画面から「〜そうです(伝聞)」→ 中止や遅れの知らせから「[原因]で」。友達言葉で情報を伝えて誘うやり取り
ST2 雑誌を見て町へ90分町の情報誌のページ(自作)を配り、「〜と思います(推量)」で混み具合や天気を予想 →「〜たら」で条件を出す →「〜ても」で条件に関係なくするかを言う。グループで土曜日の計画を立てる
ST3 町を歩いて55分町の写真や絵で「店が閉まっています」「電気がついています」→ 第7課の「Vています(動作の進行)」と並べて違いを確かめる。絵を見ながら様子を言い、次の行動を相談する
課のまとめ35分チラシで知ったイベントを友達に伝える → 条件を考えて計画を立てる → 当日の絵を見て様子を話す、を一続きのロールプレイにする。初級で習った形がどこで使えたかを最後に振り返る

ST1 これ、知ってる?

できることテレビや雑誌、お知らせで知ったことを友達に伝えて、誘ったり、その情報について思ったことを言い合ったりできる。

場面

授業の休み時間や寮の食堂で、テレビやインターネットで見た町のイベントのことを友達に話す場面です。教室では学習者に自作のチラシやニュースのカードを1枚ずつ持たせ、自分だけが知っている情報を相手に伝える設定にすると、伝える必要が自然に生まれます。

  • 留学生A:ねえ、これ、知ってる?
  • 留学生B:何?
  • 留学生A:今度の土曜日、駅の前でお祭りがあるそうだよ。テレビで見た。
  • 留学生B:へえ、知らなかった。去年は雨で中止だったよね。
  • 留学生A:うん。今年は花火もあるそうだよ。一緒に行かない?
  • 留学生B:いいね。行きたい。
学習項目 1 〜そうです(伝聞)

意味・はたらき

テレビ・雑誌・人の話などで聞いたり読んだりしたことを、自分の考えではなく情報として相手に伝える言い方です。普通形のあとに「そうです」をつけます。どこで知ったかは「テレビで見ました」「先生が言いました」のように前の文で言うと、相手に伝わりやすくなります。友達同士では「〜そうだよ」の形でよく使います。

接続

普通形+そうです(ナA・N の現在は「〜だそうです」)

形
お祭りがあるそうですチケットは高かったそうですあの公園は静かだそうです明日は雨だそうです

導入

  • チラシを読んで、見ていない人に伝える教師がイベントのチラシを一人の学習者にだけ見せ、「何がありますか」と聞いて「土曜日にお祭りがあります」を引き出す。次に、チラシを見ていないほかの学習者に向かって教師が「〜さんの話では……土曜日にお祭りがあるそうです」と言い直し、自分が見たのではなく聞いた情報だと手でチラシを指して示す。板書は「[普通形]+そうです」とし、「ある」「高かった」「静かだ」「雨だ」の4つを品詞ごとに並べる。

板書案

[普通形]+ そうです(聞いた・読んだ情報)
V:お祭りが ある そうです イA:チケットは 高かった そうです
ナA・N:静か〔赤〕だ そうです/雨〔赤〕だ そうです
どこで知ったか → テレビで見ました。〜そうです。
〔青〕友達には「〜そうだよ」
〔青〕黒板の端に第11課の普通形の表

場面と発話(自作)

  • テレビで町のイベントのニュースを見て、次の日にクラスメートに話す。日曜日に、川の近くで花火があるそうです。
  • アルバイトの先輩から聞いたことを、同じ店で働く友達に伝える。来週から、お店の休みは水曜日になるそうです。
  • 寮の友達に、天気予報で聞いたことを教える。明日は寒いそうだよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師がニュースの見出しカード(「土曜日、駅の前でお祭り」「明日、雨」「新しいラーメン屋、安い」など)を見せ、普通形に直して「〜そうです」で言わせる。慣れたら一人に1枚ずつカードを配り、カードを持っていない相手に伝えて、聞いた人が「へえ、そうですか」と返し、ST1 のやり取りの形で誘いにつなげる。

  1. 口頭キューは①ニュースの見出しカード(「土曜日 駅の前 お祭り」「明日 雨」「駅の前のカフェ 安い」)→「〜そうです」、②「昨日」の印をつけたカード(「昨日 駅の前 事故」)→ 過去の普通形にして「事故があったそうです」、③教師が新聞を広げる・耳に手を当てる動作をしてから語を言う → 学習者が「新聞で読みました。〜そうです」と出どころを先に言う、の3種類。全体で言わせてから個人を指名し、ナA・N のカードを途中に混ぜて「だ」が落ちないかを見る。
  2. ペアA と B に別々のニュースカードを2枚ずつ配り、相手には見せない。A が「ねえ、知ってる? 〜そうだよ」と伝え、B は「へえ、そうなんだ」と受けて聞いたことをメモする。2枚伝えたら役を交替し、最後にカードを見せ合ってメモと合っているか確かめる。相手の知らない情報なので、伝える必要が本当に生まれる。
  3. 産出「町のニュース番組」。学習者は自分がネットや町のお知らせで実際に見た情報を一つ選び、キャスター役になってクラスに3文で伝える(「〜で見ました。〜そうです。〜そうです」)。聞いた人は一人ずつ「行きたい」「わたしは行かない」と友達言葉で反応する。教師は、前が普通形になっているか、ナA・N の「だ」、過去を「*〜そうでした」にしていないか、情報の出どころを言えているかを見て、その場で言い直させる。

つまずきと手当て

  • 「*雨そうです」と「だ」を落とす。ナA・N の現在は「だ」が要ると、板書の4行のうち「静かだ」「雨だ」の「だ」を赤で示す。ナAで「だ」を落とした「静かそうです」は、見た様子を言う別の意味の文(静かに見える)になり、聞いた情報としては伝わらないので、伝聞では「静かだそうです」と必ず「だ」を入れさせる
  • 「*あります そうです」とマス形につける。前は普通形だけ、と第11課の普通形の表を横に置いて確かめる
  • 「*雨だそうでした」と、そうですのほうを過去にする。過去のことは前の形で言い(「雨だったそうです」)、「そうです」は変えないと示す
  • あとで習う「降りそうです」(見た感じ)と混ざることがある。この課では「聞いた・読んだ情報を伝える」だけに絞り、自分の目で見たことには使わないと押さえる

既習の文型との違い

  • 〜と思います(意見)(第14課)「〜と思います」は自分の考えを言う形で、「〜そうです」はほかから入った情報を、自分の考えをまぜずに伝える形です。前に普通形が来る点は同じなので、学習者は「明日は雨だと思います」と「明日は雨だそうです」を言い分けられないことがあります。天気予報で見たのなら「そうです」、空を見て自分で考えたのなら「と思います」と、情報の出どころで分けさせます。
  • 「〜」と言います(第14課)「「〜」と言います」は言葉や言い方をそのまま示す形で、「〜そうです」は話の中身だけを情報として伝える形です。人から聞いたことを「先生が『明日は休みです』と言いました」と伝えるのは誤りではありませんが、中身だけを伝えたいときは「明日は休みだそうです」と短く言えることを示します。
関連する文型
学習項目 2 [原因]で

意味・はたらき

名詞のあとに「で」をつけて、出来事が起きた原因を言います。「台風で電車が止まりました」「雨でお祭りが中止になりました」のように、ニュースやお知らせで、予定が変わった理由を伝えるときによく使います。後ろには、自分の意志ではどうにもならない結果が来ることが多いです。文法では格助詞「で」の用法の一つ(原因・理由)として扱われ、場所や手段の「で」と同じ形のまま意味が分かれる点がよく問われます。

接続

N(原因)+で、〜

形
雨で中止になりました台風で電車が止まりました事故で道が混みましたかぜで学校を休みました

導入

  • 中止のお知らせを見せるST1 のお祭りのチラシに「中止」の紙を重ねて貼り、「どうしてですか」と聞く。雨の絵を指して「雨で中止になりました」と言い、台風・事故・かぜの絵でも同じ形を続ける。板書は「[雨・台風・事故]で → [結果]」と矢印でつなぎ、前が原因、後ろが起きたことだと見せる。

板書案

[N(原因)]で、[起きたこと]
雨〔赤〕で → 中止になりました
台風〔赤〕で → 電車が止まりました
〔青〕「どうしてですか」の答えになる「で」
比べる:寒いから、休みました(イA・V は「から」)

場面と発話(自作)

  • 電車が遅れて授業に遅刻し、先生に理由を言う。すみません。事故で電車が遅れました。
  • 友達に、週末のイベントがなくなったことを伝える。土曜日のお祭り、台風で中止になったそうだよ。
  • 雪の朝、友達から「今日、学校へ行く?」とメッセージが来る。雪でバスが来ないそうだよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、原因の絵カード(雨・雪・台風・事故・かぜ)と結果のカード(中止・電車が止まる・休む)を組み合わせて「〜で、〜ました」を言わせる。そのあと「〜そうです」と合わせ、ニュースで知った変更を友達に伝える形にする。

  1. 口頭キューは①原因の絵カード(雨・雪・台風・事故・かぜ)と結果の語カード(中止・遅れる・止まる・休む)を一組ずつ見せる →「〜で、〜ました」、②教師が「どうして遅れましたか」「どうして休みましたか」と聞く → 学習者が絵を見て「〜で、〜ました」と答える、③「中止」の紙と天気の絵を並べる →「〜で中止になったそうです」と伝聞と組み合わせる、の3種類。全体のあと個人に当て、イA の絵(寒い)を混ぜて「から」に切り替えられるかも見る。
  2. ペアA には結果だけのカード(「お祭り:中止」「バス:遅れた」)、B には原因まで書いたカードを配る。A が「お祭り、どうして中止になったんですか」と聞き、B が「台風で中止になったそうですよ」と答える。2枚終えたらカードを替えて役を交替する。
  3. 産出「遅れます電話ロールプレイ」。教師がアルバイトの店長役になり、学習者は電車の事故・雪・かぜなど自分で選んだ理由で「すみません。〜で、〜」と遅れる・休むことを電話で伝える。2場面目は友達に「〜で、〜そうだよ」とイベントの中止を知らせる。教師は、「で」の前が名詞になっているか、後ろに誘いや頼みを置いていないか、店長には「すみません」を先に言えているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*寒いで、休みました」「*雨が降るで」と、形容詞や動詞につける。この「で」の前は名詞だけと確かめ、形容詞・動詞の理由は第5課の「〜から」を使うと並べて見せる
  • 「*雨で、家で映画を見ましょう」と、後ろに誘い・お願いを置く。後ろは起きたことが来ることが多いので、誘うときは「雨だから、〜ましょう」と言い換えさせる
  • [場所]で・[道具]で・[言語]で と区別がつかない。どれも「で」だが、この課の「で」は「どうして?」の答えになる、と質問で確かめる

既習の文型との違い

  • どうして/〜から(第5課)「〜から」は動詞・形容詞・名詞のどれにもつき(名詞は「雨だから」)、後ろに誘いや頼みも置けます。「[原因]で」は前が名詞だけで、後ろは起きた出来事が来ることが多い形です。学習者が「*寒いで休みました」と言ったら、形容詞・動詞の理由は「から」と表に戻します。
  • [場所]で(第3課)・[道具]で(第7課)形は同じ「で」で、前の名詞の種類と、何の問いの答えかで分かれます。場所は「どこで」、道具は「何で」、原因は「どうして」の答えです。三つの「で」を同じ表に並べ、問いの言葉と一緒に見せると区別がつきます。
関連する文型

ST2 雑誌を見て町へ

できること雑誌などで見つけた情報をもとに、天気や混み具合などの条件を考えながら、友達と出かける計画を立てられる。

場面

週末に友達と出かける前に、町の情報誌やウェブのページを見ながら、どこへ何時に行くかを決める場面です。教室ではカフェ・公園・美術館などを載せた自作の情報誌のページと、天気予報のカードを配り、グループで「雨だったら」「混んでいても」と条件を出し合わせます。

  • 留学生A:この雑誌のカフェ、日曜日に行かない?
  • 留学生B:いいね。でも、日曜日は人が多いと思うよ。
  • 留学生A:じゃあ、朝早く行ったら、大丈夫だと思う。
  • 留学生B:雨だったら、どうする?
  • 留学生A:雨が降っても、行きたい。駅から近いから。
  • 留学生B:わかった。じゃ、10時に駅でね。
学習項目 1 〜たら(仮定条件)

意味・はたらき

「もし〜の場合は」というまだ起きていないことを仮に考えて、そのときどうするかを言う形です。出かける計画を立てるときに「雨だったら」「人が多かったら」と条件を出し合うのに使います。タ形に「ら」をつけるので、第11課のタ形が作れればすべての品詞で同じように作れます。前に「もし」をつけると、仮の話だということがはっきりします。

接続

タ形+ら(Vたら/イAかったら/ナA・Nだったら、否定は〜なかったら)

形
雨が降ったら安かったら暇だったら雨だったらチケットがなかったら

導入

  • 天気予報のカードで、晴れと雨の両方の計画を作る黒板に「晴れ」と「雨」の二つの道を描き、教師が「土曜日、晴れたら、公園へ行きます。雨だったら、映画を見ます」と言いながら、それぞれの道の先に公園と映画館の絵を貼る。板書はタ形の表の横に「+ら」を足し、「降った→降ったら」「安かった→安かったら」「雨だった→雨だったら」と書く。

板書案

[タ形]+ ら
降った → 降ったら 安かった → 安かったら
暇だった → 暇だったら 雨だった → 雨だったら
否定:なかった → なかったら
〔赤〕(もし)条件、→ 結果(条件が前・結果が後ろ)
晴れ ─→ 公園 / 雨 ─→ 映画館(二本の道の絵)

場面と発話(自作)

  • 友達と週末の計画を立てていて、天気が心配になる。雨だったら、美術館に行きませんか。
  • 買い物に行く前に、友達とほしい物の値段を話す。安かったら、買いたいです。
  • アルバイトの店長に、シフトのことを伝える。テストが早く終わったら、5時から働くことができます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、まず動詞・イA・ナA・N のカードを見せてタ形→「〜たら」の形を速く作らせる。次に条件カード(雨・暇・安い・人が多い)と行動カードを組み合わせて「〜たら、〜ます」を言わせ、最後にグループで情報誌のページを見ながら「〜たら、〜ませんか」で計画を出し合う。

  1. 口頭キューは①動詞・イA・ナA・N の語カード(降る・高い・暇・休み)→ まずタ形、続けて「〜たら」と2段で言わせる、②天気のマーク(晴れ・雨・雪)→「〜たら、〜ます」で自分の土曜日の予定、③教師が「もし1万円あったら?」「もし明日休みだったら?」と聞く →「〜たら、〜たいです」、の3種類。全体で速く回してから個人に当て、グループ1の動詞(行く・待つ)を多めに混ぜる。
  2. ペアA は土曜日の予定カード(「公園でサッカー」など)を持ち、B は条件カード(雨・人が多い・お金がない)を1枚ずつ引いて「〜たら、どうしますか」と聞く。A は「〜たら、〜ます」で答え、B は次の条件を出す。3枚終えたら役を交替する。同じ予定に違う条件が来るので、答えを毎回考える必要がある。
  3. 産出「週末プラン会議」。3〜4人のグループで自作の情報誌のページを見ながら土曜日の計画を立て、「晴れたら〜。雨だったら〜」の二本立てのプランを紙に書いてクラスに発表する。聞いている人は「〜たら、どうしますか」と一つ質問する。教師は、タ形の作り方(とくに行った・待った)、条件が文の前にあるか、後ろに「〜ませんか」「〜ましょう」が自然に来ているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*行くたら」「*安いたら」「*雨たら」と、辞書形やイAの言い切りにつける。かならずタ形を作ってから「ら」、とタ形の表を指して確かめる
  • グループ1の動詞のタ形を間違えて「*行きたら」「*待ちたら」とする。第11課のタ形の作り方(行った・待った)を毎回声に出してから「ら」をつけさせる
  • 母語の「if」をそのまま訳して、文の最後に条件を置く(「美術館に行きます、雨だったら」)。会話の言い足しとしては聞かれるが、計画を伝える文では条件が前、結果が後ろが基本と、黒板の矢印で示す

既習の文型との違い

  • Vると、〜(第14課)「Vると」は、そうすればいつも決まって同じことが起きるという結果に使い、後ろに誘いや希望は置けません(「*雨が降ると、映画を見ませんか」)。「〜たら」はまだ起きていない一回のことを仮に考える形なので、後ろに「〜ませんか」「〜たいです」が来られます。計画の相談では「〜たら」を使う、と場面で分けます。
  • 〜とき、Vます(第11課)「〜とき」は起きるとわかっている時を言い、「〜たら」は起きるかどうかわからないことを仮に言います。「雨のとき、バスで来ます」はいつもの習慣、「明日雨だったら、バスで来ます」は天気がまだわからない場面、と二つの文を並べて比べます。
関連する文型
学習項目 2 〜と思います(推量)

意味・はたらき

第14課の「〜と思います(意見)」と同じ形で、ここでは確かではないが、たぶんそうだろうと考えることを言います。「日曜日は人が多いと思います」「明日は晴れると思います」のように、計画を立てる前に混み具合や天気を予想するのに使います。「たぶん」「きっと」を前につけると、どのくらい確かかが伝わります。文法の用語では話し手の判断を表すモダリティの形で、「と」は思ったことの中身を受ける引用の「と」です。

接続

普通形+と思います(ナA・N の現在は「〜だと思います」)

形
日曜日は人が多いと思います明日は晴れると思いますあの店は静かだと思います田中さんは来ないと思います

導入

  • 写真を見て予想させる人気のカフェの写真を見せて「日曜日、人は多いですか」と聞く。学習者が答えられないところで、教師が「わかりません。でも……たぶん多いと思います」と首をかしげながら言う。第14課の「〜と思います(意見)」の板書の横に「たぶん〜と思います(予想)」の行を足し、形は同じで、使い方が二つあると見せる。

板書案

[普通形]+ と思います
意見(第14課):日本の祭りは楽しいと思います
予想(今日):たぶん 日曜日は人が多い と思います
ナA・N:静か〔赤〕だ と思います/雨〔赤〕だ と思います
否定は前で:田中さんは来〔青〕ない と思います
〔青〕たぶん(少し確か)< きっと(かなり確か)

場面と発話(自作)

  • 週末に出かける前に、友達と天気を話す。明日は雨が降らないと思うよ。
  • グループで集まる時間を決めるとき、来ていない人のことを話す。山田さんは、たぶん少し遅れると思います。
  • 夜、閉まる時間の近くに、友達と買い物に行くかどうか話す。もう8時だから、あの店は閉まると思うよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、店・天気・人の写真カードを見せて「〜と思います」で予想を言わせ、否定は「〜ないと思います」の形で言わせる。そのあと ST2 のやり取りで、「〜と思います」で予想を言った人に、相手が「〜たら、〜」で条件を返す練習につなげる。

  1. 口頭キューは①写真カード(列のできた店・暗い空・すいている電車)→「たぶん〜と思います」、②教師がまだ誰にもわからないことを聞く(「田中さんは今日来ますか」「明日は寒いですか」)→ 否定も含めて「〜ないと思います」、③確かさの印カード(△=たぶん、○=きっと)を写真と一緒に見せる → 副詞を選んで言う、の3種類。全体のあと個人に当て、ナA・N の写真(静かな店・雨の空)で「だ」を確かめる。
  2. ペアA は答えの書いてあるカード(「このカフェ:日曜日は人が多い」)、B は写真だけを持つ。B が写真を見て「〜と思います」と予想し、A がカードを見て「当たり」「ざんねん、〜ですよ」と答える。3枚で交替し、当たった数を数えさせると予想を言う回数が増える。
  3. 産出「明日の町予想クイズ」。グループで、明日の天気・駅の混み具合・人気の店の列などを「たぶん/きっと〜と思います」で予想して紙に書き、理由も「〜から」で一つ添える。次のコマの始めに天気予報や写真で答え合わせをする。教師は、前が普通形か、ナA・N の「だ」、否定を前に置いているか、「たぶん」と「きっと」で確かさを言い分けているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*雨と思います」「*静かと思います」と「だ」を落とす。「〜そうです(伝聞)」と同じく、ナA・N の現在は「だ」が要ると両方を並べて確かめる
  • 「*来ますと思います」とマス形につける。前は普通形だけと、普通形の表を横に置く
  • 予想の否定を「来ると思いません」と言う。この言い方は不自然に聞こえやすく、後ろを否定にするなら「来るとは思いません」になる。予想を言うときはふつう「来ないと思います」と前を否定にするので、この課ではその形で練習する

既習の文型との違い

  • 〜と思います(意見)(第14課)形は同じで、使い方が違います。意見は「この町は住みやすいと思います」のように自分の評価を言い、推量はまだわからないことを予想します。「たぶん」「きっと」が自然につくのは推量のほうなので、副詞をつけて言えるかどうかで二つを分けて見せます。
  • 〜そうです(伝聞)(第15課)「〜と思います」は自分で考えた予想、「〜そうです」は人やテレビから入った情報です。天気の話はどちらでも言えるので、「空を見て」のカードなら「と思います」、「天気予報を見て」のカードなら「そうです」と、出どころのカードで言い分けさせます。
関連する文型
学習項目 3 〜ても

意味・はたらき

「〜たら」と反対に、その条件があっても、後ろのことは変わらないと言う形です。「雨が降っても行きます」「高くても買います」のように、計画を立てるときに「何があってもする」という気持ちを伝えます。テ形に「も」をつけて作ります。文法の用語では「逆接の条件」と呼ばれ、「〜たら」(順接の条件)と対にして整理されます。

接続

テ形+も(Vても/イAくても/ナA・Nでも、否定は〜なくても)

形
雨が降っても行きます高くても買います雨でも行きます人が多くても大丈夫です

導入

  • 「〜たら」の道に、もう一本の道を足す「〜たら」の導入で描いた「晴れ」「雨」の二つの道を消して一本にし、教師が「わたしは、晴れても、雨が降っても、公園へ行きます。サッカーが大好きですから」と言う。板書はテ形の表の横に「+も」を足し、「降って→降っても」「高くて→高くても」「雨で→雨でも」と書き、「〜たら(変わる)」「〜ても(変わらない)」を左右に並べる。

板書案

[テ形]+ も
降って → 降っても 高くて → 高くても
暇で → 暇でも 雨で → 雨でも
否定:なくて → なくても
〔赤〕〜たら → 結果が変わる(道が二本)/〜ても → 変わらない(道は一本)
雨が降っても、〔青〕行きます(ふつうなら行かない → でも行く)

場面と発話(自作)

  • 友達に、人気のパン屋は混んでいるよと言われて答える。人が多くても、行きたいです。
  • 日本人の友達に、そのコートは高いよと言われる。高くても、買います。とても好きですから。
  • アルバイトの店長に、来週テストの日も働けるか聞かれる。テストがあっても、夜は大丈夫です。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、テ形→「〜ても」の形を品詞ごとに速く作らせる。次に教師が「雨です。行きますか」「高いです。買いますか」と状況を出し、「〜たら、〜ません」か「〜ても、〜ます」のどちらかで自分の答えを言わせる。最後に ST2 の計画づくりで、どうしてもしたいことを「〜ても」で一つ言わせる。

  1. 口頭キューは①テ形の語カード(降って・高くて・暇で・雨で・なくて)→「〜ても」を品詞ごとにリズムよく、②教師が困った状況を言う(「雨です」「高いです」「遠いです」)→ 学習者が「〜ても、〜ます」で自分の決めたことを言う、③「変わる」「変わらない」の印カードを交互に出す → 同じ条件で「雨だったら、行きません」「雨でも、行きます」と言い分ける、の3種類。全体のあと個人に当てる。
  2. ペアA は止める役で、第12課の「〜ないほうがいいですよ」を使い「あの店は高いから、行かないほうがいいですよ」と条件を出す。B は「高くても、行きたいです。〜から」と理由をつけて返す。A は条件を変えて3回出し、終わったら役を交替する。
  3. 産出「どうしても行きたい!プレゼン」。学習者は週末にどうしても行きたい所を一つ決めてグループに話し、ほかの人が「雨だったら?」「人が多かったら?」「お金がなかったら?」と条件を出す。本人は「〜ても、行きます。〜から」で答え、最後にグループで一番行きたい所を決める。教師は、イA「くても」・ナA・N「でも」の作り方、後ろが条件に負けない内容になっているか、理由の「〜から」を続けられているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*高いても」「*雨ても」と作り方を間違える。イA は「くても」、ナA・N は「でも」と、テ形(高くて・雨で)から作ると確かめる
  • 「雨が降っても、行きません」のように、後ろが前の条件どおりの結果になる。「〜ても」の後ろは、ふつうなら起きないほうが来ると、左右の板書で見せる
  • グループ1の動詞のテ形を間違えて「*待ちても」「*飲みても」とする。第7課のテ形を声に出してから「も」をつけさせる

既習の文型との違い

  • 〜たら(仮定条件)(第15課)「〜たら」は条件によって後ろが変わり、「〜ても」は条件があっても後ろが変わりません。同じ「雨」で「雨だったら、うちにいます」「雨でも、出かけます」の二文を作らせ、板書の道の数(二本と一本)で違いを残します。
  • Vなくてもいいです(第14課)「〜なくてもいいです」は「しなくても大丈夫だ」と言う決まった形で、「〜ても」の否定の使い方の一つです。「なくても」の部分は同じ作り方なので、学習者には知っている形から広げて「お金がなくても、楽しいです」のような文を作らせます。
  • Vてもいいですか(第10課)「〜てもいいですか」は許可を求める決まった形です。「〜ても」だけを取り出すと「その場合も」という意味で、後ろの「いいです」が別の文に替わったものだと見せると、新しい形を既に知っている形と結びつけられます。
関連する文型

ST3 町を歩いて

できること出かけた先で、店や道や人の様子を簡単に話して、次にどうするかを相談できる。

場面

計画どおりに町へ出かけたら、店が閉まっていたり、人が並んでいたりした場面です。教室では町の様子の絵(シャッターの下りた店・明かりのついた店・長い列・止まっている電車など)を見せながら、二人で歩いている設定でやり取りさせます。

  • 留学生A:あれ、あの店、閉まっているね。
  • 留学生B:本当だ。電気も消えているね。
  • 留学生A:あ、となりのパン屋は開いているよ。
  • 留学生B:人がたくさん並んでいるね。
  • 留学生A:きっとおいしいと思う。並んでも、買いたい!
  • 留学生B:わたしも買いたい。
学習項目 1 Vています(結果の状態)

意味・はたらき

「開く」「閉まる」「つく」「消える」「止まる」「並ぶ」など、一回で変わってしまう動きの動詞に「ています」をつけると、変わったあとの様子が今も続いていることを表します。「店が閉まっています」は「今、閉めている途中」ではなく「閉まった状態が見える」という意味です。町を歩いていて目の前の様子を友達に話すときに使います。アスペクトの用語では「結果の状態(結果の残存)」と呼ばれ、進行と結果のどちらになるかは、動詞が変化を表すか動作を表すかで決まります。

接続

V(テ形)+います(「〜が Vています」の形が多い)

形
店が閉まっています電気がついています電車が止まっています人が並んでいます

導入

  • 店のドアの絵を2枚で見せる1枚目は店員がシャッターを下ろしている途中の絵、2枚目は誰もいない、シャッターの下りた店の絵を見せる。2枚目を指して「今、店が閉まっています」と言い、1枚目ではないことを確かめる。電気のスイッチを実際に入れて「つきました」、そのまま指して「電気がついています」とも言う。板書は「閉まります →(変わった)→ 閉まっています」と矢印で書き、第7課の「Vています(動作の進行)」の板書と並べる。

板書案

閉まります ─(変わった)→ 閉まっています
〔赤〕N が Vています = 今の様子
店が閉まっています/電気がついています/人が並んでいます
〔青〕第7課:食べています = 今している途中(左右に並べる)
組の動詞:開けます(人が〜を)/開きます(〜が)

場面と発話(自作)

  • 友達と行った店のシャッターが下りていて、がっかりする。あれ、あの店、閉まっていますね。
  • 駅に着いたら電車が動かなかったので、友達に電話で伝える。今、駅にいます。電車が止まっています。
  • 寮に帰ったら、部屋の電気がつけたままだった。あ、電気がついている。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、町の絵(閉まった店・開いた窓・止まった車・消えた電気・並んだ人)を見せて「〜が〜ています」を言わせる。次に「進行」の絵と「結果の状態」の絵を混ぜて出し、どちらの意味かを答えさせる。最後に ST3 のやり取りで、二人で絵の中の町を歩きながら様子を話し、「〜たら」「〜ても」で次の行動を決めさせる。

  1. 口頭キューは①教室の実物(教師がドアを開けて「開きました」→ そのまま指して「開いています」、電気を消して「消えています」)、②町の絵カード(閉まった店・止まった電車・並んだ人・ついた電気)→「〜が〜ています」、③同じ場面の「途中」と「あと」の2枚組の絵 → 学習者が指さして、どちらの意味か答える、の3種類。全体で言わせてから個人に当て、「が」が「を」にならないかを見る。
  2. ペア「町の間違い探し」。A と B は5か所だけ違う町の絵を持つ(A では店が開いている・B では閉まっている など)。相手の絵を見ずに「わたしの絵では、〜が〜ています」と言い合って違いを見つけ、全部見つけたら別の絵で役を替える。言わないと違いが見つからないので、様子を言う必要が生まれる。
  3. 産出「町歩き実況リポート」。二人一組で、写真や教室の窓の外を見ながら、町にいる設定で友達に電話をかけ、「今、〜にいます。〜が〜ています。〜たら、〜ませんか」と様子を伝えて次の行動を提案する。聞く人は「〜ても、行きたい」などで返す。教師は、「が」と自動詞の組み合わせ、「〜ています」と「〜ました」の言い分け、様子から次の行動の相談につなげているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「店が閉まっています」を「今、閉めている途中」の意味だと思う。第7課の「食べています」(途中)と並べ、一回で変わる動詞は変わったあとの様子だと絵で見せる
  • 「*ドアが開けています」「*電気がつけています」と、人が何かをする動詞(開ける・つける)を「が」と一緒に使う。この課では「開く・閉まる・つく・消える」のように物が主語になる動詞で練習し、「開ける」と「開く」の組は語として一つずつ示す
  • 様子を見て「店が閉まりました」とだけ言い、今の様子が伝わらない。目の前に見えることは「〜ています」と、写真を指しながら言わせる

既習の文型との違い

  • Vています(動作の進行)(第7課)「食べています」は動作の途中、「閉まっています」は変わったあとの様子です。どちらになるかは動詞で決まり、一回で変わる動詞(閉まる・つく・止まる・消える)は様子のほうになります。同じ「〜ています」なので、学習者には動詞の種類で分かれると絵で見せます。
  • Vています(装着動詞)(第13課)「眼鏡をかけています」「赤いシャツを着ています」も、身につけたあとの様子が続いている点で結果の状態に近い形です。違いは、装着は人が主語で「を」をとり、この課の町の様子は物が主語で「が」をとることです。
関連する文型

語彙の扱い

この課の語は、情報のもと(テレビ・ニュース・雑誌・チラシ・天気予報)、イベントと予定の変更(お祭り・花火・中止・遅れる)、原因(台風・事故・雪・かぜ)、町の様子を表す動詞(開く・閉まる・つく・消える・止まる・並ぶ)の4つのかたまりに分かれます。町の様子の動詞は「〜が〜ています」の形で絵と一緒に覚えさせ、「開ける/開く」のように人がする動詞と組になるものは、この課では物が主語になるほうだけを練習します。ニュースの語は学習者が実際に見たい情報に合わせて、その場で足します。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • お祭り(おまつり) 町や神社で、みんなが集まって楽しむ行事です。 〜がある・〜に行く
    テレビで見た町のイベントを、友達に教える。
    日曜日、神社でお祭りがあるそうだよ。
  • 中止(ちゅうし) 決まっていた予定を、やらないことにすることです。 〜になる・雨で〜
    楽しみにしていたイベントがなくなったと知る。
    雨で、花火は中止になったそうです。
  • 天気予報(てんきよほう) これからの天気を知らせるテレビやネットの情報です。 〜を見る・テレビの〜
    出かける前の日に、友達と天気を確かめる。
    天気予報で見ました。明日は晴れるそうです。
  • 台風(たいふう) 夏から秋に来る、強い風と雨の嵐です。 〜が来る・〜で電車が止まる
    駅に着いたら、電車が動いていない。
    台風で、電車が止まっています。
  • 事故(じこ) 車や電車などで、思いがけずに起きる悪い出来事です。 〜がある・〜で遅れる
    授業に遅れて、先生にわけを言う。
    すみません。事故で、バスが遅れました。
  • 晴れます(はれます) 雲や雨がなくなって、空が明るくなることです。 明日〜・よく〜
    友達と週末の計画を立てる。
    晴れたら、公園でお弁当を食べませんか。
  • 混みます(こみます) 人や車がたくさんいて、いっぱいになることです。 道が〜・電車が〜
    日曜日にどこへ行くか、友達と相談する。
    日曜日は道が混むと思います。
  • 並びます(ならびます) 人が順番に一列になって待つことです。 店の前に〜・一時間〜
    人気のパン屋の前を通る。
    店の前に、人がたくさん並んでいますね。
  • 閉まります(しまります) 店や窓などが開いていない状態になることです。 店が〜・ドアが〜
    行きたかった店に着いたら、シャッターが下りていた。
    あれ、今日は閉まっていますね。
  • 開きます(あきます) 店や窓などが開いた状態になることです。 店が〜・窓が〜
    閉まった店のとなりを見る。
    あ、となりの店は開いていますよ。
  • 消えます(きえます) 電気や火がついていない状態になることです。 電気が〜・火が〜
    夜、友達の部屋の前を通る。
    電気が消えていますね。もう寝ていると思います。
  • 止まります(とまります) 動いていたものが、動かなくなることです。 電車が〜・車が〜
    雪の朝、友達に駅の様子を知らせる。
    雪で、電車が止まっているそうだよ。

宿題と次のコマ

宿題は、テレビ・インターネット・町のお知らせで見つけた身近な情報を一つ選び、「〜そうです」で3文伝え、「〜たら」「〜ても」を使って友達を誘う文を書いてくること。初級の最後のコマなので、次のコマでは一人ずつ発表して聞き手に「〜と思います」で感想を言わせ、ここまでに習った普通形・タ形・テ形がどの形の土台になっているかを表で振り返ります。初中級では、ここで覚えた「普通形+〜」の形がさらに増え、聞いた情報や様子を文で説明する場面が多くなるので、普通形をすぐに作れる状態で次の段階へ送り出します。

よくある質問

  • 第15課の「〜そうです(伝聞)」と、様子を言う「〜そうです」はどう区別させますか?

    この課までに様子の「〜そうです」は出てこないので、伝聞だけに絞り、聞いた・読んだ情報を伝える形として教えます。学習者が教室の外で「降りそうです」に出会って混ぜたときは、伝聞は普通形のあと、様子は動詞ならマス形の「ます」を取った形(降りそう)、イ形容詞は「い」を取った形(高そう)、ナ形容詞は「だ」のない形(静かそう)のあとにつく、と板書で並べれば足ります。情報の出どころ(テレビで見た・人に聞いた)を前の文で必ず言わせると、伝聞の意味がぶれにくくなります。

  • 「〜たら」と第14課の「Vると、〜」の違いは何ですか?

    「Vると」はそうすればいつも決まって同じ結果になることに使い、後ろに誘い・希望・頼みを置けません。「〜たら」はまだ起きていない一回のことを仮に考える形で、後ろに「〜ませんか」「〜たいです」も来られます。この課は出かける計画の相談で使うので、「〜たら」を誘いと組ませて練習すると違いが自然に身につきます。

  • 「Vています」の結果の状態と動作の進行は、どう見分けさせますか?

    動詞が一回で変わる動きか、続けてする動きかで分かれる、と絵で見せます。同じ場面の「途中」と「あと」の2枚の絵を並べ、閉まる・つく・止まる・並ぶは「あと」の絵になることを確かめます。初級では文法用語を使わず、「今の様子」と「今している途中」という言い方で十分です。

  • 「〜たら」と「〜ても」は同じ日に教えてもいいですか?

    同じ ST の中で続けて扱うと対比がはっきりします。先に「〜たら」で条件によって結果が変わる二本の道を描き、次に道を一本にして「〜ても」を出すと、意味の違いが絵で残ります。ただし形はタ形とテ形で作り方が違うので、形の練習は別々に行い、混ぜるのは意味の練習からにします。

  • 第15課は何コマで終わりますか?

    90分×3コマが目安です。1コマ目で導入と ST1(〜そうです・[原因]で)、2コマ目で ST2(〜たら・〜と思います・〜ても)、3コマ目で ST3 の「Vています(結果の状態)」と課のまとめのロールプレイを行います。初級の最後の課なので普通形・タ形・テ形の振り返りまで入れると3コマ目がいっぱいになり、足りないクラスは振り返りを次のコマの初めに回します。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。