他人の著作物を許諾なく用いることが認められる条件(著作権法第32条)。①すでに公表された著作物であること、②公正な慣行に合致すること、③報道・批評・研究などの正当な範囲内であること、④引用する側が主で引用される側が従という主従関係にあること、⑤明瞭に区別されていること、⑥出所を明示すること。
実務で最も落としやすいのが主従関係。自分の論述がわずかで引用が大半を占めるものは引用にあたらない。分量を同じにすれば足りるというものでもなく、量と質の両面で主従を見る。また引用は原文のまま行うのが原則で、勝手な短縮や書き換えは同一性保持権の問題にもなる。
同じ行為が「引用としては認められないが第35条では認められる」ことがある。2つの物差しを別々に当てるのが判断の作法。
作文指導のプリントで、ある作家のエッセイから2文を抜き出し、そのあとに「この比喩がなぜ効果的か」を自分の言葉で詳しく解説するとする。抜き出した部分をかぎかっこで区別し、作者名と書名を示し、自分の解説が主になっていれば、引用として認められる形に近い。
反対に、新聞のコラムを1本まるごと載せ、その下に「感想を書きましょう」と一行だけ添えたプリントは、引用される側が主になっており、主従関係を満たさない。この場合は引用ではなく、第35条で認められる範囲かどうかなど、別の物差しで判断することになる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。