日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

できる日本語 初級 第7課「友達の家で」の教案

『できる日本語 初級 本冊 第2版』 ・ ST「道がわかりません」「パーティーの準備」「みんなで楽しいパーティー」

友達の家のパーティーに行く一日を追いながら、自分のいる場所を伝える・頼む・手伝いを申し出るやり取りができるようになる課です。ST1 は家に向かう途中で道に迷い、電話で「今どこにいるか」「何があるか」を伝える場面、ST2 は台所で準備をしながら「〜てください」で頼んだり指示したりする場面、ST3 はパーティーの最中に「〜ましょうか」で手伝いを申し出たり食べ物をすすめたりする場面です。第6課で約束したことを実際に行う流れになっていて、第4課の「[場所]に〜があります」と第6課の「〜ね(確認)」「〜はどうですか(提案)」をここで使い直します。この課で初めてテ形が出るので、ST2 では形を作る練習に時間を取ります。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面、やり取りの例はすべて自作です。課・ST の題と学習項目の表記は出版社のシラバス一覧(第2版)に合わせています。
学習項目13時間90分×3コマ場面3

この課のねらい(Can-do)

  • 道に迷ったとき、自分がどこにいるか、近くに何があるかを伝え、行きたい場所がどこにあるかを聞ける
  • 準備の作業を相手に「〜てください」で頼み、道具や物を「どの〜」「どれ」で確かめられる
  • パーティーで「〜ましょうか」と手伝いを申し出たり、食べ物をすすめたり、残っているかどうかを聞いたりできる

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)10分第6課の約束のやり取り(「土曜日、うちでパーティーをしませんか」「いいですね」)を教師と学習者で短く再現し、「今日はその日です。友達の家に行きます」と課の場面に入る。駅から友達の家までの簡単な地図を黒板に描いておく
ST1 道がわかりません70分教室の物の位置(机の上・かばんの中)で「あります/います」の区別 →「〜は〜にあります」→「〜に〜があります・います」。地図を使い、電話の設定で今いる場所と目印を伝え合う
ST2 パーティーの準備110分動詞カードでテ形の作り方をグループごとに → 教師の動作で「Vてください」→ 道具の実物で「[道具]で」→「(Nの)V方」→ 物を並べて「どのN」「どれ」。最後に準備の指示を出し合うロールプレイ
ST3 みんなで楽しいパーティー60分パーティーの絵で「Vています」→ 困っている人の絵で「Vましょうか」→ 料理の絵で「誰が」→ 飲み物の残りで「まだあります/もうありません」。パーティーのロールプレイで申し出とすすめをくり返す
課のまとめ20分駅に着いてから家に入り、準備を手伝い、パーティーで食べ物をすすめるまでを3人1組で通して演じる。役(迷う人・家の人・手伝う人)を交代して2回まわす

ST1 道がわかりません

できること道に迷ったとき、今いる場所と近くの目印を伝え、行きたい場所がどこにあるかを聞ける。

場面

友達の家に初めて行く途中で道がわからなくなり、友達に電話をかける場面です。教室では駅・スーパー・コンビニ・花屋などを描いた地図を配り、学習者を背中合わせに座らせて電話の設定にすると、言葉だけで場所を伝える必要が生まれます。

  • 留学生:もしもし、わたしです。すみません、道がわかりません。
  • 日本人の友達:今、どこにいますか。
  • 留学生:駅の前にいます。前に大きいスーパーがあります。
  • 日本人の友達:じゃあ、スーパーの隣に花屋がありますね。
  • 留学生:はい、あります。
  • 日本人の友達:わたしのうちは花屋の後ろにあります。白いマンションです。
  • 留学生:わかりました。ありがとうございます。
学習項目 1 〜は〜にあります

意味・はたらき

話題にしている物や場所(〜は)がどこにあるかを言う形です。「トイレはどこですか」と聞かれて答えるときや、目印の位置を伝えるときに使います。位置は「Nの上・下・中・前・後ろ・隣・近く」のように「の」でつないで言います。動かない物・建物・植物には「あります」を使います。文法の用語では、主語を「は」で示して場所を述語にする「所在文」にあたり、「〜に〜があります」(存在文)と対にして扱われます。

接続

N1(物・場所)+は+N2(場所)+(の[位置])+に+あります

形
わたしのうちは花屋の後ろにありますかぎはかばんの中にありますトイレはどこにありますか

導入

  • 教室の物を隠して聞く教師が学習者のペンを机の下や本の中に置き、「ペンはどこですか」と聞いて「机の下」と指させてから、「ペンは机の下にあります」と言ってみせる。板書は「[物]は [場所]の[位置]に あります」とし、上・下・中・前・後ろ・隣を箱の絵の周りに書いて位置の語を先に確かめる。

板書案

[物・場所]は [場所]の[位置]に あります
かぎは かばんの 中に あります。
トイレは どこに ありますか。——階段の 隣に あります。
〔青〕上・下・中・前・後ろ・隣・近く を箱の絵の周りに
〔赤〕「に」を丸で囲む(ある・いる場所=に/動作をする場所=で)

場面と発話(自作)

  • 友達の家に入って、トイレの場所を聞く。すみません、トイレはどこにありますか。——階段の隣にあります。
  • 駅で友達に、待ち合わせのコンビニの場所を教える。コンビニは駅の前にあります。
  • 友達の家で、かぎをどこに置いたか忘れた友達に教える。かぎはテーブルの上にありますよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が箱と小物を使って物を動かし、そのたびに「〜は〜の〜にあります」を言わせる。次に地図を見ながらペアで「〜はどこにありますか」「〜の〜にあります」と聞き合い、最後に ST1 の電話のやり取りで目的の場所を説明させる。

  1. 口頭教師が箱と小物(かぎ・ペン・消しゴム)を動かし、止めたところで「かぎは?」とキューを出して、全体で「かぎは箱の中にあります」と言わせる。キューの例: 箱の上のペン/かばんの後ろのかさ/本の下の写真/窓の近くの机。全体→列→個人の順で、位置の語だけを替える代入から、物と位置の両方を替える代入へ進める。
  2. ペアAには物が描いてある部屋の絵、Bには同じ部屋で物が描いていない絵を渡す。Bが「かぎはどこにありますか」と聞き、Aが「テレビの隣にあります」と答え、Bが自分の絵に描き込む。4つ聞いたら絵を見せ合って確かめ、役を交替する。
  3. 産出「探し物ゲーム」: 学習者が自分の持ち物を一つ、教室のどこかに隠したつもりで場所を決め、クラスメートの「〜はどこにありますか」に「はい/いいえ」で答える。3回で当てられなければ「〜の〜にあります」と答えを言う。教師は「に」と「で」の取り違えと、位置の語の順([場所]の[位置])を見て、その場で言い直させる。

つまずきと手当て

  • 「*かぎはかばんの中であります」と「で」を使う。第3課の「[場所]で(食べます)」と混ざりやすいので、「ある・いる」の場所は「に」、動作をする場所は「で」と2列の板書で分ける
  • 「かばんの中にかぎはあります」と語順と助詞を入れ替えてしまい、答えになっていない。「〜はどこですか」への答えは「〜は」から始める、と質問と答えを並べて見せる
  • 「上の机にあります」と位置の語を前に出す(母語の前置詞の語順の影響)。「[場所]の[位置]」の順を枠で固定して言わせる

既習の文型との違い

  • どこ/〜はどこですか(第2課)第2課は「トイレはどこですか」「2階です」のように、場所を聞いて「です」で答える形でした。この課では同じ質問に「〜は〜にあります」と動詞で答え、位置の語も足せます。2つが混ざると「*トイレは2階にです」になるので、「です」で答えるなら「に」は付けない、と2行で並べます。
  • [場所]で(第3課)「図書館で勉強します」の「で」は動作をする場所、「図書館に本があります」の「に」は物がある場所です。「*かばんの中であります」の誤りは、この2つを動詞で選び分けていないことから起きます。
関連する文型
学習項目 2 〜は〜にいます

意味・はたらき

人や動物(〜は)がどこにいるかを言う形です。「あります」との違いは、主語が人・動物かどうかです。道に迷ったときに「今、駅の前にいます」と自分の場所を伝えたり、「先生はどこにいますか」と人を探したりするときに使います。場所を示す「に」は「あります」と同じなので、ここでは動詞を選ぶことに練習を集中させます。

接続

N1(人・動物)+は+N2(場所)+に+います(自分のことは「わたしは」を省くことが多い)

形
(わたしは)今、駅の前にいます先生は教室にいます猫はいすの下にいます

導入

  • 人と物を並べて比べる教師が教室のドアの前に立って「わたしはドアの前にいます」と言い、続けて机の上のかばんを指して「かばんは机の上にあります」と言う。板書は「人・動物 → います」「物 → あります」の2列にし、人の絵と物の絵のカードを学習者に振り分けさせる。
  • 電話で場所を聞く教師が電話をかけるまねをして「もしもし、今どこにいますか」と学習者に聞き、教室の中の位置(窓の近く・ドアの前)で答えさせる。

板書案

人・動物 → います / 物 → あります
わたしは 今 駅の 前に います。
猫は いすの 下に います。
〔赤〕人・動物の絵カード → 左の列 〔青〕物の絵カード → 右の列

場面と発話(自作)

  • 友達との待ち合わせで、着いたことを電話で伝える。今、駅の前にいます。
  • 学校で、先生を探している友達に教える。先生は図書館にいますよ。
  • パーティーの家で、犬がどこにいるか家の人に聞く。犬はどこにいますか。——庭にいます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、人・動物・物の絵カードを混ぜて地図の上に置き、「〜は〜にいます/あります」を言わせて区別を固める。次に背中合わせの電話の設定で、自分がいる場所を地図から一つ選んで伝え、相手が地図の上で当てる。

  1. 口頭人・動物・物の絵カードを1枚ずつ見せ、教師が場所を言う。学習者は「先生は教室にいます」「猫はいすの下にいます」「かばんは机の上にあります」と言い分ける。キューの例: 先生の絵+図書館/犬の絵+公園/かばんの絵+机の上/友達の絵+駅の前。人と物を交互に出して、動詞を選ぶ瞬間を毎回つくる。
  2. ペア背中合わせに座り、Aは地図の上で自分のいる場所を一つ決めて電話をかける。Bが「今、どこにいますか」と聞き、Aが「花屋の前にいます」と答え、Bが地図に印を付ける。合っていたら交替し、慣れたら地図の上の人を探す「〜さんはどこにいますか」も加える。
  3. 産出「今どこ?電話ゲーム」: 教室の中の好きな場所に移動してから、教師の「もしもし、今どこにいますか」に答える。次に家族や友達が今どこにいるかを想像して1文ずつ言う(「母は今、うちにいます」)。教師は人に「あります」を使っていないか、場所の助詞が「で」になっていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*先生は教室にあります」「*猫は外にあります」と人・動物に「あります」を使う。2列の板書のどちらに入るかを、カードを貼る動作で毎回確かめる
  • 「*今、駅の前でいます」と「で」を使う。いる場所も「に」、と「〜は〜にあります」の2列の板書に戻って確かめる
  • 人形やロボット、魚などで迷う。初級では「生きて動くものは います」とだけ押さえ、細かい例外には入らない

既習の文型との違い

  • 〜は〜にあります(第7課)形は同じで、変わるのは動詞だけです。主語が人・動物なら「います」、物・建物・植物なら「あります」です。「*先生は教室にあります」は物の文の型に人を入れたときに起きるので、絵カードを振り分ける動作で選ばせます。
  • [場所]で(第3課)「駅の前で待ちます」は動作をする場所なので「で」、「駅の前にいます」は人がそこにいるだけなので「に」です。「*駅の前でいます」と言ったら「何をしますか」と聞き、動作がなければ「に」と確かめます。
関連する文型
学習項目 3 〜に〜があります・います

意味・はたらき

場所を先に言って、そこに何があるか・誰がいるかを伝える形です。道に迷ったとき、周りの目印を「前にスーパーがあります」のように伝えるのに使います。聞き手がまだ知らない物を新しく出すときの言い方で、「〜は〜にあります」(知っている物の場所を言う)と、何を先に言うかが違います。文法の用語では「存在文」と呼ばれ、新しく出す物を「が」で示すことから、「は」と「が」の使い分けの入口にもなります。

接続

N1(場所)+に+N2+が+あります(物)/います(人・動物)

形
駅の前に大きいスーパーがあります公園に子どもがいます近くに何がありますか教室に誰がいますか

導入

  • 窓の外を説明する教師が窓の外や地図の一点を指して「ここに何がありますか」と聞き、「ここにコンビニがあります」「ここに犬がいます」と答えてみせる。板書は「[場所]に [物]が あります」と「[物]は [場所]に あります」を上下に並べ、質問の「何がありますか」と「どこにありますか」に線でつなぐ。

板書案

[場所]に [物]が あります/[人・動物]が います
駅の 前に 大きい スーパーが あります。
近くに 何が ありますか。
〔青〕「何がありますか」→〜に〜が 「どこにありますか」→〜は〜に を線でつなぐ
〔赤〕「が」を丸で囲む

場面と発話(自作)

  • 道に迷って、電話で友達に周りの様子を伝える。前に銀行があります。隣にパン屋があります。
  • 友達の家の窓から外を見て話す。あそこに猫がいますね。
  • 日本語学校で、新しいクラスメートに学校の近くを教える。学校の近くに安いレストランがあります。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、街の絵を見せて「〜に何がありますか」「〜に誰がいますか」と聞き、絵の中の物と人で答えさせる。次にペアの一人が地図の一点にいる設定で周りの目印を2〜3文で伝え、もう一人がどこにいるかを当てる。

  1. 口頭街の絵の一部を指して「ここに何がありますか」「ここに誰がいますか」とキューを出し、全体で答えさせる。キューの例: 駅の前(スーパー)/公園(子ども)/銀行の隣(パン屋)/店の前(犬)。次に「スーパーは?」と聞いて「スーパーは駅の前にあります」と言わせ、同じ絵で2つの言い方を行き来させる。
  2. ペアAとBの地図には別々の店が描いてあり、相手の地図にない店を「〜の隣に〜があります」で伝えて書き込ませる(情報差のある地図)。1人3つ伝えたら交替し、最後に2枚を重ねて合っているか確かめる。
  3. 産出「わたしはどこでしょう」: 地図の上で自分の場所を一つ決め、周りの目印を「前に〜があります。隣に〜があります」と2〜3文で言い、聞いている人が場所を当てる。最後に自分の家の近くを3文で紹介する(「うちの近くにコンビニがあります」)。教師は「は」と「が」の取り違えと、行事の「で」が物に広がっていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「駅の前はスーパーがあります」「駅の前にスーパーはあります」と助詞が入れ替わる。「何がありますか」の答えは「〜が」と、質問と答えの助詞をそろえて板書する
  • 第6課の行事の「〜で〜があります」(公園でお祭りがあります)の「で」が物にも広がり、「*駅の前でスーパーがあります」と言う。行事は「で」、物は「に」と並べて違いを見せる
  • 「〜は〜にあります」と「〜に〜があります」を区別せずに使う。「どこ?」と聞かれたら「〜は」、「何がある?」と聞かれたら「〜に」から、と質問の形で選ばせる

既習の文型との違い

  • [場所]に〜があります(第4課)第4課では国や町を紹介するために物の文だけを使いました。この課では人・動物の「います」、「何が」「誰が」の質問、位置の語(隣・前・後ろ)が加わり、道を説明するための形になります。
  • [場所]で〜があります(第6課)「公園でお祭りがあります」は行事が行われることなので「で」、「駅の前にスーパーがあります」は物がそこにあることなので「に」です。「*駅の前でスーパーがあります」が出たら、「いつですか」と聞ける物(行事)かどうかで分けます。
関連する文型

ST2 パーティーの準備

できることパーティーの準備をしながら、相手に作業を頼んだり指示したりし、使う物や道具を確かめられる。

場面

友達の家の台所で、家の人と一緒にパーティーの料理と飲み物を用意する場面です。教室に包丁(おもちゃ)・はさみ・お皿・コップなどの実物や絵カードを並べ、家の人役が指示を出し、手伝う人役が物を確かめながら動く形にします。

  • 日本人の友達:じゃあ、このトマトを切ってください。
  • 留学生:はい。包丁はどれですか。
  • 日本人の友達:それです。その小さい包丁で切ってください。
  • 留学生:わかりました。お皿は、どのお皿ですか。
  • 日本人の友達:あの白いお皿です。
  • 留学生:これはおいしいですね。この料理の作り方を教えてください。
  • 日本人の友達:いいですよ。
学習項目 1 テ形活用

意味・はたらき

「〜てください」「〜ています」などを作るもとになる動詞の形です。この課で初めて出て、このあとの多くの文型の土台になります。ます形から作り、1グループは「ます」の前の音によって作り方が変わり、2グループは「ます」を「て」に、3グループは「して」「来て」になります。1グループの「って・んで・いて」は、文法の用語で言うと「音便」(促音便・撥音便・イ音便)で、作り方の規則として問われることが多い所です。

接続

Vます から作る(グループごとに作り方が違う)

形
1グループ: 買います・待ちます・帰ります→買って・待って・帰って/飲みます・遊びます→飲んで・遊んで/書きます→書いて・泳ぎます→泳いで/話します→話して(行きます→行って)2グループ: 食べます→食べて・見ます→見て3グループ: します→して・来ます→来て

導入

  • 動詞カードを仲間分けするこれまでに出た動詞のます形カード(買います・飲みます・書きます・食べます・します など)を黒板に貼り、教師がテ形を言いながら「って」「んで」「いて」「いで」「して」「て」の列に移していく。学習者にも次のカードがどの列に入るか予想させ、規則を自分で見つけさせる。リズムをつけて列ごとに唱えると覚えやすい。

板書案

〔1グループ〕い・ち・り → って み・び → んで き → いて ぎ → いで し → して
〔赤〕行きます → 行って(例外・列の外)
〔2グループ〕食べ ます → 食べ て
〔3グループ〕します → して 来ます → 来て
〔青〕ます形の「ます」の前の音に下線

場面と発話(自作)

  • パーティーの準備で、友達に野菜を洗ってほしい。これ、洗ってください。
  • 駅で待ち合わせた友達に、少し遅れると伝える。すみません、ちょっと待ってください。
  • パーティーの準備で、家の人が持っている物を見たい。すみません、それ、見せてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師がます形を言い、学習者がテ形で返すのを、まず列ごと、次に混ぜて、最後に速く回す。カードを引いてテ形を言う競争にしてもよい。形が言えるようになったら、すぐ次の「Vてください」の文の中で使わせる。

  1. 口頭ます形カードを見せてテ形で返させる。キューの例: 買います→買って/飲みます→飲んで/書きます→書いて/泳ぎます→泳いで/食べます→食べて/します→して。まず列ごとに全体でリズムをつけて唱え、次にカードを混ぜて個人に当て、最後に教師がます形を言ってすぐテ形を返す速さの練習にする。
  2. ペアAがます形カードを引いて読み上げ、Bがテ形で答える。Aはカードの裏のテ形で正しいかを確かめ、5枚ごとに交替する。間違えたカードは脇に分けておき、最後に2人でその山だけをもう一度回す。
  3. 産出「テ形カルタ」: テ形を書いたカードを机に広げ、教師がます形を言うか動作の身ぶりをしたら、その動詞のテ形を取る。取った人はそのテ形で「〜てください」の文を一つ言ってから自分のものにする。教師は「行って」、「〜ります」の動詞(帰る・切る・入る)、2グループに「って」を付けていないかを特に見る。

つまずきと手当て

  • 「*行いて」と「行きます」を「書きます」と同じに作る。「行きます」だけは「行って」と、列から外して赤で書く
  • 「*帰て」「*入て」と、「〜ります」の動詞を2グループと思う。「帰ります・入ります・切ります」は1グループで「って」になると、よく使う動詞から覚えさせる
  • 「*見って」「*起きって」と2グループに「って」をつける。2グループは「ます」を「て」に変えるだけ、とます形の上に手をかぶせて見せる
  • 「*飲みて」「*待ちて」と、ます形の「ます」をそのまま「て」に替える。1グループは音が変わることを、列の表を見ながら毎回確かめる

既習の文型との違い

  • Vたいです(第5課)「行きたいです」「食べたいです」はます形の「ます」を取ってそのまま付けるので、音は変わりません。テ形は1グループで音が変わる(書きます→書いて)ので、「*書きて」「*飲みて」はこの「たい」の作り方を広げた誤りです。2つの作り方を上下に並べて見せます。
  • Vませんか/Vましょう(第6課)第6課までの文型は、どれも「ます」の部分を替えるだけでした。テ形はグループごとに作り方が違う最初の活用なので、ここで動詞の3グループを意識させます。
関連する文型
学習項目 2 Vてください

意味・はたらき

相手に何かをしてほしいと頼んだり、作業の指示を出したりする形です。パーティーの準備で「このトマトを切ってください」のように、家の人が手伝う人に頼むときに使います。ていねいな言い方ですが、指示の響きもあるので、目上の人に頼むときは「すみませんが」を前につけると柔らかくなります。

接続

Vて+ください

形
切ってくださいコップを並べてくださいちょっと待ってくださいすみませんが、教えてください

導入

  • 教師が学習者を動かす教師が「窓を開けてください」「立ってください」「ここに来てください」と言いながら身ぶりで示し、学習者に実際に動いてもらう。動いたあとで「ありがとうございます」と言い、板書は「[V て]ください」の枠に、前のテ形の列から語を入れていく。

板書案

[V て]+ ください
トマトを 切って ください。
すみませんが、ゆっくり 話して ください。
〔青〕左にテ形の列の表を残す 〔赤〕「すみませんが」を前に

場面と発話(自作)

  • パーティーの準備で、友達に野菜を洗ってほしい。この野菜を洗ってください。
  • 日本語学校の事務室で、書類の書き方がわからない。すみませんが、ここを教えてください。
  • 電話で道を聞いていて、相手の話が速い。すみません、ゆっくり話してください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、動作の絵カード(切る・洗う・並べる・持つ・開ける)を見せて「〜てください」を言わせ、言われた人が実際にその動作をする。次に ST2 の台所の設定で、家の人役がカードを3枚引いて順に指示を出し、手伝う人役が動きながら「はい」と答える。

  1. 口頭教師が動作の絵カードを見せ、学習者が「〜てください」と言うと、教師がその動作をしてみせる(導入で教師がした指示を、今度は学習者が出す)。キューの例: 窓(開ける)/いす(座る)/名前(書く)/トマト(切る)/立つ。全体で言ったあと個人に当て、次に学習者同士で、言われた人が動く形にする。
  2. ペア台所の設定で、Aは家の人、Bは手伝う人。Aは作業カード(野菜を洗う・コップを並べる・お皿を持つ)を3枚引いて順に頼み、Bは動きながら「はい」「わかりました」と答える。聞き取れなかったときは「すみません、もう一度言ってください」と返させ、3枚終わったら交替する。
  3. 産出「準備の指示ロールプレイ」: 自分の国のパーティー料理を一つ選び、手伝う人に3〜4の作業を「〜てください」で頼む。目上の人(先生)に頼む場面も1回入れ、「すみませんが」を付けさせる。教師はテ形の誤りと、頼む相手に合わせたやわらげ方ができているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*切りてください」「*行いてください」とテ形を誤る。テ形の列の表を黒板に残したまま練習する
  • 「*ください切って」と語順を母語のように入れ替える。「〜て」が前、「ください」が後ろと枠で固定する
  • 目上の人や店の人に「先生、来てください」と強く言ってしまう。「すみませんが」を前につける形を一緒に練習し、この課では言い方のやわらげ方を一つだけ覚えさせる

既習の文型との違い

  • Nをください(第2課)「Nをください」は物をもらうとき、「Vてください」は相手に動作をしてほしいときです。「お皿をください」は渡してほしいとき、「お皿を洗ってください」は作業を頼むときで、同じお皿でも動詞の有無で意味が変わります。「*切るをください」のように動詞をそのまま入れる誤りが出たら、テ形の枠に戻します。
  • Vませんか/Vましょう(第6課)「一緒に行きませんか」は相手を誘う形で、相手は断ってもかまいません。「〜てください」はしてほしいことをはっきり頼む形で、誘いではありません。パーティーに誘うときに「来てください」とだけ言うと強く聞こえるので、誘いは「ませんか」と使い分けます。
関連する文型
学習項目 3 [道具]で

意味・はたらき

「で」の前に道具を置いて、何を使って動作をするかを表します。準備の場面で「この包丁で切ってください」「はさみで開けてください」のように、使う物を指定するのに使います。第4課の「バスで来ます」の「で」、第2課の「日本語で話します」の「で」と同じ仲間で、「何を使って」を表します。文法の用語では、格助詞「で」の用法の一つ(手段・道具)にあたります。

接続

N(道具)+で+V

形
包丁で切りますはさみで切ってくださいはしで食べます何(なに)で切りますか

導入

  • 道具の実物を持たせるはさみ・はし・スプーン・ペンの実物を机に並べ、教師が紙を持って「何で切りますか」と聞き、学習者にはさみを選ばせる。「はさみで切ります」と言って板書の「[道具]で V」に入れ、はし→食べます、ペン→書きます と組み合わせを増やす。

板書案

[道具]で V
はさみで 切ります。 はしで 食べます。
何で 切りますか。(〔赤〕なにで)
〔青〕どこで(場所)/何で(道具)を2行に分ける

場面と発話(自作)

  • 台所で、手伝う友達に使う包丁を教える。その小さい包丁で切ってください。
  • 日本の家庭で食事をしていて、はしが使いにくい。すみません、スプーンで食べます。
  • 日本語学校の事務室で、書類を何で書くか聞く。すみません、何で書きますか。——このペンで書いてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、道具のカードと動作のカードを1枚ずつ引いて「〜で〜ます」「〜で〜てください」を言わせる。次に「何で切りますか」「何で書きますか」と聞き合い、ST2 の準備のやり取りで指示に道具を足させる。

  1. 口頭道具の実物か絵を見せて動作を言わせる。キューの例: 包丁+切る/はし+食べる/ペン+書く/スプーン+食べる/はさみ+開ける。まず「〜で〜ます」を全体で、次に「〜で〜てください」に広げて個人に当てる。
  2. ペアAが動作カード(切る・食べる・書く)を見せて「何で切りますか」と聞き、Bが机の上の道具から選んで「この包丁で切ります」と答える。合う道具が2つある場合(スプーンとはし)は両方言わせ、5枚で交替する。
  3. 産出「わたしの国の食べ方」: 自分の国の料理を一つ選び、「〜はスプーンで食べます」「〜は手で食べます」と紹介し、聞いている人が「何で〜ますか」と質問を一つする。教師は「で」と「を」の取り違えと、「何で」を「なにで」と読めているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「はさみを切ります」「*はしに食べます」と助詞を誤る。道具は手に持つもの、と実物を持たせながら「で」を言わせる
  • 「何で」を「なんで」と読み、理由を聞く言い方と聞き分けにくくなる。この形は「なにで」と読む、と板書にふりがなを付ける
  • 動作の場所の「で」(台所で切ります)と混ざって一文に二つ入ると混乱する。「どこで」と「何で」の質問を分けて答えさせる

既習の文型との違い

  • [交通手段]で(第4課)「バスで来ます」の「で」と同じく、何を使ってするかを表します。違うのは前に来る名詞だけなので、「何で来ますか」「何で切りますか」と同じ質問の型で答えさせると、同じ「で」だとわかります。
  • [場所]で(第3課)「台所で切ります」は場所、「包丁で切ります」は道具です。一文に両方を入れるより、「どこで」と「何で」を別々に聞いて答えさせるほうが、初級では混乱しません。
関連する文型
学習項目 4 (Nの)V方

意味・はたらき

動詞のます形から「ます」を取って「方」をつけると、「〜するやり方」という名詞になります。準備の場面で「この料理の作り方を教えてください」のように、やり方を聞くのに使います。もとの文で「を」だった名詞は、「の」でつなぎます(料理を作ります→料理の作り方)。「方」がついた形は名詞なので、「作り方がわかりません」「作り方は簡単です」のように「が」「は」もつきます。

接続

Vます(「ます」を取る)+方/N を V ます → N の V 方

形
作ります→作り方使います→使い方料理を作ります→料理の作り方はしの使い方を教えてください

導入

  • わからない物を見せる教師が珍しい台所の道具や、使い方のわかりにくい物を見せて「これは何ですか。使い方がわかりません」と言う。板書で「使います」の「ます」を消して「方」を足し、「はしを使います」の「を」が「の」に変わる様子を、矢印で上下に並べて見せる。

板書案

使い ます → 使い 方
はしを 使います → はしの 使い方
この 料理の 作り方を 教えて ください。
〔赤〕「を」→「の」に矢印 〔青〕「ます」を消す線

場面と発話(自作)

  • 友達の家の料理がおいしくて、作り方を知りたい。この料理の作り方を教えてください。
  • 駅の券売機の前で、駅員に聞く。すみません、切符の買い方を教えてください。
  • 日本語学校の教室で、友達に漢字の読み方を聞く。この漢字の読み方を教えてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が「書きます」「読みます」「使います」などを言い、学習者が「書き方」「読み方」と返す。次に物のカード(はし・この漢字・この機械)を組み合わせて「〜の〜方を教えてください」を言わせ、ST2 のやり取りの最後に入れる。

  1. 口頭教師がます形を言い、学習者が「〜方」で返す。キューの例: 書きます→書き方/読みます→読み方/作ります→作り方/買います→買い方/使います→使い方。次に物の絵カード(はし・漢字・切符)と組み合わせ、「はしの使い方」「漢字の読み方」「切符の買い方」を言わせる。
  2. ペアAは「わからない物カード」(読めない漢字・使い方のわからない機械・作り方を知らない料理)を持ち、Bに「すみません、〜の〜方を教えてください」と頼む。Bは「いいですよ」と答えて、身ぶりで教えるまねをする。3枚ずつで交替する。
  3. 産出「教えてください」: 日本の生活でいまわからないことを一つ選び、「〜の〜方を教えてください」でクラスメートか教師に聞く。答える人は知っていることを一言で言う。教師は「を」が残っていないか、ます形から作れているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*料理を作り方」と「を」を残す。「方」がつくと名詞になるので「の」でつなぐ、と矢印の板書をくり返す
  • 「*作るの方」「*作って方」と別の形につける。もとはます形の「ます」を取った形だけ、と「作ります」の「ます」を手で隠して見せる
  • 「します」の動詞で「*料理しの方」と迷う。「コピーのし方」のように「Nのし方」の形があることを、使う語だけ示す

既習の文型との違い

  • Vたいです(第5課)どちらもます形の「ます」を取って作ります。「作りたいです」は文の終わりで気持ちを言い、「作り方」は名詞になって「の」「を」がつきます。「*料理を作り方」は、名詞になったことに気づかないときの誤りです。
  • Vてください(第7課)この課では「作り方を教えてください」のように、2つの形がよく一緒に出ます。「*作って方」はテ形と混ざった誤りなので、「〜方」はます形から、「〜てください」はテ形から、と作るもとを分けて見せます。
関連する文型
学習項目 5 どのN

意味・はたらき

三つ以上ある同じ種類の物の中から、どれかを聞くときの言い方です。「どの」のあとには必ず名詞が来ます。準備の場面で、お皿やコップが何種類もあるときに「どのお皿ですか」と確かめるのに使います。答えは第2課の「このN・そのN・あのN」で返します。

接続

どの+N(答えは このN・そのN・あのN)

形
どのお皿ですかどのコップを使いますか——あの白いお皿です

導入

  • 同じ物をいくつも並べる色や大きさの違うお皿(絵カードでもよい)を3〜4枚並べ、教師が「お皿を取ってください」と頼む。学習者が迷ったところで「どのお皿ですか」と言ってみせ、指さしながら「その赤いお皿です」と答える。板書は「この・その・あの・どの +N」を一列に並べる。

板書案

この・その・あの・どの + N
どの お皿ですか。——あの 白い お皿です。
〔青〕「どの」のあとに□(名詞の空き)
〔赤〕□を空けない

場面と発話(自作)

  • 台所で、何枚もあるお皿のうち、どれを使うか迷う。どのお皿ですか。——あの白いお皿です。
  • 店でかばんを見ていて、店員に勧められたものを確かめる。どのかばんですか。
  • パーティーで、友達が作った料理がどれか聞く。どの料理ですか。——この大きいお皿の料理です。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、机の上に色と大きさの違う同じ物を並べ、教師が「〜を取ってください」と頼み、学習者が「どの〜ですか」と聞き返してから答えを聞いて取る。慣れたら学習者同士で頼む役と聞き返す役を交代する。

  1. 口頭色と大きさの違うお皿・コップ・かばんの絵を並べ、教師が「お皿を取ってください」と言う。学習者は「どのお皿ですか」と聞き返し、教師が「その赤いお皿です」と答える。キューの例: お皿(白・赤・青)/コップ(大きい・小さい)/かばん(黒い・新しい)。全体で聞き返しの文を言ってから個人に当てる。
  2. ペアAは物を指定するカード(「小さい青いコップ」など)を持ち、「コップを取ってください」と頼む。Bは「どのコップですか」と聞き返し、Aの答えを聞いて机の上から取る。合っていたら交替する。
  3. 産出「どれを取る?準備ゲーム」: 3人1組で、家の人役が準備の物を「〜を取ってください」と頼み、手伝う人役が「どの〜ですか」で確かめてから取る。家の人役は形容詞を付けて答える。教師は「どの」のあとの名詞の抜けと、「この・その・あの」の選び方(話し手と聞き手からの距離)を見る。

つまずきと手当て

  • 「*どのですか」と名詞を落とす。「どの」のあとは必ず名詞、と板書の枠を空けないで示す
  • 答えで「*あの白お皿です」「*あの白いのお皿です」と形容詞のつなぎ方を誤る。第4課の「イA+N」(白いお皿)を思い出させ、「あの」のあとにそのまま続ける
  • 答えで「*それお皿です」と「その」と「それ」を混ぜる。名詞の前は「その」、名詞なしは「それ」と第2課の表を見せ直す

既習の文型との違い

  • このN・そのN・あのN(第2課)第2課の答えの形を、この課では質問の「どのN」とつなげます。話し手に近い物は「この」、聞き手に近い物は「その」、どちらからも遠い物は「あの」で、距離の取り違えはこのやり取りの中で直します。
  • 何のN(第2課)「何の本ですか」は本の種類や中身を聞き、「どの本ですか」は目の前にある本のうちどれかを聞きます。特定の1枚を聞くつもりで「何のお皿ですか」と言う学習者には、指さしで答えられる質問が「どの」だと示します。
  • どんなN(第4課)「どんなお皿ですか」は性質(大きい・白い)を聞き、「どのお皿ですか」はどれか一つを聞きます。答えが「白いお皿です」で同じになることがあるので、指させる物が目の前にあるときは「どの」、と場面で分けます。
関連する文型
学習項目 6 どれ

意味・はたらき

三つ以上の物の中から一つを聞くときの言い方で、「どのN」の名詞を言わない形です。何を指しているかが話の中でわかっているときに「包丁はどれですか」のように使います。答えは第2課の「これ・それ・あれ」で返します。

接続

〜はどれですか(答えは これ・それ・あれ)

形
包丁はどれですか——それです田中さんのかばんはどれですか

導入

  • 「どの」と並べて見せる「どのお皿ですか」の板書の下に「お皿は どれですか」と書き、名詞が「どの」の後ろから文の前に移ったことを矢印で示す。教師が道具を並べた机を指して「はさみはどれですか」と聞き、学習者に「これです」と指させる。

板書案

[N]は どれですか。——これ/それ/あれ です。
どの お皿ですか = お皿は どれですか
〔赤〕「どれ」のあとに名詞を置かない(×どれお皿)
〔青〕2つのとき → どちら

場面と発話(自作)

  • 初めて入った友達の家の台所で、包丁を探す。すみません、包丁はどれですか。——それです。
  • パーティーのあと、玄関でたくさんの靴の中から自分の靴を探す。わたしの靴はどれですか。
  • コンビニで、店員にすすめのお弁当を聞く。すみません、おいしいお弁当はどれですか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、物を並べて「〜はどれですか」「これ/それ/あれです」を回し、次に「どのNですか」と「Nはどれですか」の両方で同じことを聞かせて言い換えに慣れさせる。ST2 の準備のやり取りで、頼まれた物を探すときに使わせる。

  1. 口頭机に道具を並べ、教師が「はさみはどれですか」と聞いて、学習者に「これです」「それです」と指させる。キューの例: はさみ/包丁/スプーン/わたしのかばん/先生のペン。次に同じ物を「どのNですか」でも聞き、2つの言い方を交互に出す。
  2. ペアAは物の名前のカードを1枚引いて「〜はどれですか」と聞き、Bは机の上から探して「これです」と答えるか、ない物なら「すみません、わかりません」と答える。5枚で交替し、最後に机の物を2つに減らして「どちら」でも聞かせる。
  3. 産出「わたしのはどれ?」: 学習者の持ち物(かさ・かばん・ペン)を集めて机に並べ、一人ずつ「わたしのかさはどれですか」と聞いて、ほかの人が「これですか」と確かめながら当てる。教師は「どれ+N」の誤りと、物が2つのときに「どちら」が出るかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*どれお皿ですか」と「どれ」のあとに名詞をつける。名詞をつけるなら「どの」、と2行の板書で選ばせる
  • 二つのうちから選ぶときにも「どれ」を使う。二つなら第6課の「どちら」がふつう、と物の数を変えて聞き分けさせる
  • 「包丁はどれですか」と聞かれて「これは包丁です」と答え、質問とかみ合わない答え方になる。「どれ」には「これです」「それです」と短く答える、と質問と答えを並べて言わせる

既習の文型との違い

  • これ・それ・あれ(第2課)答えの形は第2課と同じで、質問の「どれ」が加わるだけです。「どれですか」と聞かれて「*それお皿です」と名詞を足す誤りが出たら、名詞を言うなら「そのお皿」と第2課の表に戻します。
  • 〜と〜とどちらがAですか/〜のほうがAです(第6課)「どちら」は2つのうちから、「どれ」は3つ以上から選ぶときに使います。並べる物の数を2つと4つに変えて同じ質問をさせると、数で選ぶことに気づきます。
関連する文型

ST3 みんなで楽しいパーティー

できることパーティーの最中に、自分から手伝いを申し出たり、食べ物や飲み物をすすめたり、まだ残っているかを聞いたりできる。

場面

友達の家でパーティーが始まり、料理を食べたり飲み物を配ったりしている場面です。教室では机を寄せてテーブルにし、料理と飲み物の絵カードを置いて、家の人・お客の役を決めます。家の人役が忙しそうにしていると、手伝いを申し出る場面が自然に作れます。

  • 留学生:手伝いましょうか。
  • 日本人の友達:ありがとうございます。じゃあ、コップを並べてください。
  • 日本人の友達:このケーキはどうですか。おいしいですよ。
  • 留学生:わあ、おいしいです。誰が作りましたか。
  • 日本人の友達:山本さんが作りました。今、台所でお茶をいれています。
  • 留学生:ジュースはまだありますか。
  • 日本人の友達:すみません、もうありません。お茶はまだありますよ。
学習項目 1 Vています(動作の進行)

意味・はたらき

今まさに動作が続いていることを表す形です。パーティーの最中に「山本さんは台所でお茶をいれています」のように、その場にいない人や周りの人が今何をしているかを伝えるのに使います。「〜ます」だけでは習慣や予定に聞こえるので、「今」していることにはこの形を使います。文法の用語では「アスペクト」(動作がどの段階にあるか)の表し方の一つで、「〜ています」はこのあと職業・習慣・結果の状態にも使い方が広がります。

接続

Vて+います

形
今、料理を作っていますみんなで歌っています今、何をしていますか

導入

  • 教師が動作を続けながら言う教師がペンで黒板に字を書き続けながら「今、字を書いています」と言い、手を止めて「書きました」と言い分ける。パーティーの絵(食べる・飲む・話す・歌う人)を見せて「この人は何をしていますか」と聞き、板書は「今 [V て]います」の枠にする。

板書案

今 [V て]います
今、料理を 作って います。
〔青〕毎日 作ります(習慣)/今 作って います(進行)を上下に
〔赤〕時間の線の上に「今」の印と、続いている波線

場面と発話(自作)

  • パーティーで、いない山本さんのことを聞かれる。山本さんは台所でお茶をいれています。
  • 友達から電話があり、今何をしているか聞かれる。今、友達の家でごはんを食べています。
  • 日本語学校の休み時間に、友達を探している人に答える。田中さんは今、図書館で勉強しています。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、動作の絵カードを見せて「今、〜ています」を言わせ、次に学習者の一人に教室で動作をしてもらい、他の学習者が「〜さんは今〜ています」と説明する。ST3 のパーティーの絵で、誰が何をしているかを聞き合う。

  1. 口頭動作の絵カードを見せ、教師の「今、何をしていますか」に全体で答えさせる。キューの例: 料理を作る人/歌う人/写真を撮る人/ジュースを飲む人/話す人。次に教師が実際に動作をしながら聞き、学習者が「先生は今、〜ています」と言う。
  2. ペアパーティーの絵(6人がそれぞれ違う動作)を、少しずつ違う2種類にしてAとBに配る。「田中さんは何をしていますか」と聞き合って違いを3つ見つけ、見つけたら交替して別の人について聞く。
  3. 産出「今なにしてる?ジェスチャー」: 一人が前に出て動作をし、ほかの人が「〜さんは今、〜ています」と当てる。次に、いまこの時間に家族や友達が何をしているかを想像して2文言う(「母は今、料理を作っています」)。教師はテ形の誤りと、今の動作にます形を使っていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「今、テレビを見ます」と、ます形で今の動作を言う。「今」のあとは「〜ています」と、教師が動作を続けながら対で見せる
  • 「*作りています」「*飲みています」とテ形を誤る。ST2 のテ形の表に戻って確かめる
  • 「今、駅に行っています」を「向かっている途中」の意味で使う。「行っています・来ています」は着いてそこにいる意味になりやすいので、この課では「作る・食べる・話す」のような続く動作で練習する

既習の文型との違い

  • Vます(習慣)(第3課)「毎日、料理を作ります」はくり返すこと、「今、料理を作っています」は今続いていることです。今の動作を「今、テレビを見ます」と言ってしまうのは、この2つの区別がまだないためなので、同じ動詞で上下に並べます。
  • Vました/Vませんでした(第5課)「作りました」は動作が終わったこと、「作っています」はまだ続いていることです。教師が字を書きながら「書いています」、書き終えて「書きました」と言い分ける導入を、ここでもう一度使います。
関連する文型
学習項目 2 Vましょうか

意味・はたらき

自分が何かをすることを申し出る言い方です。パーティーで家の人が忙しそうなときに「手伝いましょうか」「窓を開けましょうか」と言います。受けるときは「はい、お願いします」「ありがとうございます」、断るときは「いいえ、大丈夫です」と答えます。第6課の「Vましょう」(一緒にしようと誘う)と形が似ていますが、ここでは「わたしがしますか」という意味です。

接続

Vます(「ます」を取る)+ましょうか

形
手伝いましょうかお皿を洗いましょうか——はい、お願いします——いいえ、大丈夫です

導入

  • 困っている様子を見せる教師が重そうな箱を持ってふらふら歩き、学習者に「手伝いましょうか」と言ってみせる(最初は教師が学習者役も演じる)。次に教師が暑そうにあおぎ、「窓を開けましょうか」を学習者から引き出す。板書は「[V ます]ましょうか?」と「はい、お願いします/いいえ、大丈夫です」の2行。

板書案

[V ます]ましょうか?(〔赤〕わたしが します)
手伝いましょうか。——はい、お願いします。
         ——いいえ、大丈夫です。
〔青〕ませんか(→相手を誘う)/ましょうか(→自分がする)を左右に

場面と発話(自作)

  • パーティーで、家の人がたくさんのお皿を運んでいる。手伝いましょうか。——ありがとうございます。お願いします。
  • 教室で、先生が重い荷物を持っている。先生、持ちましょうか。
  • パーティーで、みんなが集まって写真を撮りたそうにしている。写真を撮りましょうか。——ありがとうございます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、困っている場面の絵カード(暑い・荷物が重い・お皿がたくさん・暗い)を見せ、学習者に「〜ましょうか」で申し出させ、教師が受けたり断ったりする。次に ST3 のパーティーの設定で、家の人役が忙しそうにし、お客役が申し出る。

  1. 口頭困っている場面の絵カードを見せ、全体で申し出を言わせる。キューの例: 重い荷物(持ちましょうか)/暑い部屋(窓を開けましょうか)/たくさんのお皿(洗いましょうか)/写真を撮りたい人たち(撮りましょうか)。教師が受けたり断ったりして、答え方も一緒に聞かせる。
  2. ペアAは困っている場面カードを1枚引いて演じ、Bが「〜ましょうか」と申し出る。Aはカードの指示どおり「はい、お願いします」か「いいえ、大丈夫です」と答える。受けたときは「じゃあ、〜てください」まで続けさせ、4枚で交替する。
  3. 産出「お手伝い申し出ロールプレイ」: パーティーの家の人とお客の役で、お客が自分から2回以上申し出る。家の人は1回は断る。教師は「ましょうか」と「ませんか」の取り違え、文末の「か」の上げ調子、受けたときに「お願いします」が出るかを見る。

つまずきと手当て

  • 申し出のつもりで「手伝いませんか」と言い、相手を誘う意味になる。「ませんか」は相手に、「ましょうか」は自分がする、と第6課の板書と並べて見せる
  • 「手伝いましょう」と「か」を落とし、相手の答えを待たずに決めた言い方になる。上げ調子の「か」で相手に聞く形だと確かめる
  • 申し出られて「はい、手伝ってください」とだけ答え、ぶっきらぼうに聞こえる。「お願いします」「ありがとうございます」を一緒に言う習慣をつける

既習の文型との違い

  • Vませんか/Vましょう(第6課)「行きませんか」は相手を誘う形、「行きましょう」は一緒にすることを決める形です。「手伝いましょうか」は自分が相手のためにすることを申し出る形で、誘いではありません。申し出のつもりで「手伝いませんか」と言うと誘いに聞こえるので、板書で向きを矢印にして見せます。
  • Vてください(第7課)申し出を受けた人は「じゃあ、コップを並べてください」と、ST2 の形で何をしてほしいかを言います。「〜ましょうか」と「〜てください」は申し出と頼みの組なので、ペア練習は2往復にします。
関連する文型
学習項目 3 誰が

意味・はたらき

誰がその動作をしたのか・するのかを聞く言い方です。疑問詞「誰」が主語になるときは「は」ではなく「が」を使い、答えも「〜さんが作りました」のように「が」で返します。パーティーでおいしい料理を食べたとき「誰が作りましたか」と聞くと、作った人をほめるきっかけになります。疑問詞が主語になるときの「が」と、その答えの「が」は、文法の用語でいう「総記」(ほかではなくそれだ、と選び出す)の「が」にあたります。

接続

誰+が+V(答えは N+が+V)

形
誰が作りましたか——山本さんが作りました誰が来ますか

導入

  • 料理の絵と作った人を結ぶ料理の絵カードの裏に作った人の名前を書いておき、教師が「このケーキはおいしいですね。誰が作りましたか」と聞く。裏を見せて「山本さんが作りました」と答え、板書で「誰 が」「山本さん が」の「が」を赤で上下にそろえる。

板書案

誰 〔赤〕が V か。
山本さん 〔赤〕が V。
この ケーキは 誰が 作りましたか。——山本さんが 作りました。
〔青〕誰の+N(持ち主)/誰が+V(する人)を2行に

場面と発話(自作)

  • パーティーで食べたケーキがおいしかった。このケーキ、おいしいですね。誰が作りましたか。
  • 週末の集まりに誰が来るか、友達に聞く。土曜日、誰が来ますか。——田中さんと山本さんが来ます。
  • 日本語学校で、パーティーの準備の担当を決める。誰がジュースを買いますか。——わたしが買います。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、料理や持ち物の絵カードに名前をつけておき、「誰が作りましたか」「誰が買いましたか」と聞いて「〜さんが」で答えさせる。次に ST3 のパーティーで、料理をほめてから作った人を聞き合う。

  1. 口頭料理や持ち物の絵カードの裏に名前を書いておき、教師が「誰が作りましたか」「誰が買いましたか」と聞き、学習者が裏を見て「〜さんが」で答える。キューの例: ケーキ+作る/花+買う/ジュース+買う/写真+撮る。全体で「が」を強めに言わせてから個人へ。
  2. ペアAのカードには料理と作った人の名前、Bのカードには料理だけが書いてある。Bが「この〜はおいしいですね。誰が作りましたか」と聞き、Aが答えたら、Bがその人の名前を書き込む。3枚で交替する。
  3. 産出「パーティーの担当決め」: クラスで小さなパーティーを想定し、一人ずつ「わたしはケーキを作ります」と担当を決めてから、ほかの人が「誰がケーキを作りますか」と聞いて答え合う。最後に料理をほめて作った人を聞くやり取りで終える。教師は質問と答えの両方で「は」になっていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*誰は作りましたか」と「は」を使う。疑問詞のあとは「は」にしない、と赤い「が」を指して確かめる
  • 答えで「山本さんは作りました」と「は」に戻る。質問の「が」を答えでもそのまま使う、と上下にそろえた板書で見せる
  • 第2課の「誰のN」(持ち主)と混ざり「*誰の作りましたか」と言う。「誰の」は物の持ち主、「誰が」はする人、と2行で分ける

既習の文型との違い

  • 誰のN(第2課)「誰のかばんですか」は持ち主を、「誰が作りましたか」は動作をした人を聞きます。「*誰の作りましたか」は2つが混ざった形なので、後ろに名詞があれば「の」、動詞があれば「が」と、後ろを見て選ばせます。
  • 何/〜は何ですか(第1課)「〜は何ですか」のように疑問詞が文の後ろに来るときは、前は「は」で問題ありません。「誰」「何」が文の前に来て主語になるときだけ「が」になる、と語順で見せると「*誰は」の誤りが減ります。
関連する文型
学習項目 4 まだあります/もうありません

意味・はたらき

物が残っているかどうかを伝える言い方です。「まだあります」は「まだ残っている」、「もうありません」は「全部なくなった」という意味です。パーティーで飲み物や料理が残っているかを聞くときに「ジュースはまだありますか」と言い、なければ「もうありません」と答えます。第6課の「もうVました/まだです」(したかどうか)とは向きが違うので、並べて区別します。

接続

N+は+まだ+あります/N+は+もう+ありません

形
ジュースはまだありますか——はい、まだあります——いいえ、もうありません

導入

  • コップの中身を減らしていく透明なコップに水を入れて「水はまだあります」と言い、少しずつ別のコップに移して、空になったところで「もうありません」と言う。板書は満タン・半分・空の3つのコップの絵を描き、半分までを「まだあります」、空を「もうありません」と矢印で示す。

板書案

〔満〕〔半分〕 → まだ あります  〔空〕 → もう ありません
ジュースは まだ ありますか。
——はい、まだ あります。/——いいえ、もう ありません。
〔赤〕「まだ+あります」「もう+ありません」の組を枠で囲む

場面と発話(自作)

  • パーティーで、飲み物がほしい。ジュースはまだありますか。——すみません、もうありません。お茶はまだありますよ。
  • コンビニで、ほしいお弁当が残っているか聞く。すみません、このお弁当はまだありますか。
  • 日本語学校の事務室で、配っていた地図が残っているか聞く。すみません、学校の地図はまだありますか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、料理と飲み物の絵カードに「残り3つ」「残り0」と書いておき、「〜はまだありますか」と聞いて、カードを見て「まだあります/もうありません」で答えさせる。次に ST3 のパーティーで、ない物の代わりに別の物をすすめる(「〜はまだありますよ」「〜はどうですか」)まで続ける。

  1. 口頭残りの数を書いた料理・飲み物の絵カードを見せ、「〜はまだありますか」と聞いて全体で答えさせる。キューの例: ジュース(残り3)/ケーキ(残り0)/お茶(残り1)/ピザ(残り0)。教師がコップの水を別のコップに移していき、途中で止めて答えさせるのもよい。
  2. ペアAはパーティーのお客、Bは家の人で、Bだけが残りの数を書いた表を持つ。Aが「〜はまだありますか」と聞き、Bは表を見て答え、ない物なら「すみません、もうありません。〜はどうですか」と別の物をすすめる。4つ聞いたら交替し、表を替える。
  3. 産出「品切れ対応ロールプレイ」: 店員と客の役で、客がほしい物を聞き、店員が在庫カードを見て答える。ない物は代わりの物をすすめ、客が選ぶ。教師は「まだ」「もう」と肯定・否定の組の取り違えと、ないときに代わりをすすめる一言が出るかを見る。

つまずきと手当て

  • 「もうあります」「まだありません」を「残っている/なくなった」の意味で使う。「まだありません」は「まだ来ていない・まだできていない」の意味になるので、この課では「まだ+あります」「もう+ありません」の組で覚えさせる
  • 第6課の「もう食べました?——まだありません」のように混ぜる。「したか」を聞かれたら「まだです」、「残っているか」を聞かれたら「まだあります/もうありません」と、2つの質問を並べて答え分けさせる
  • 「ジュースはまだありますか」と聞かれて「はい、あります」と答え、残っていることは伝わるが質問とそろわない。答えにも「まだ」を入れて、質問と答えの形をそろえて言わせる

既習の文型との違い

  • もうVました(経験)/まだです(第6課)第6課は「もう見ましたか」「まだです」のように、したかどうかを聞く形でした。この課は物が残っているかどうかで、答えも「まだあります/もうありません」になります。質問に動作の動詞があるか、「あります」かで答えを選ばせます。
  • 〜が(〜枚)あります(第6課)「チケットが2枚あります」は数を言う形です。「まだありますか」に「はい、まだ2つあります」と数を足して答えられると、パーティーや店の場面で役に立ちます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の語は、位置の語(上・下・中・前・後ろ・隣・近く)と町の目印、台所の道具と準備の動作(切る・洗う・並べる・持つ・開ける)、パーティーの料理と飲み物の3つのかたまりに分かれます。位置の語は箱と小物、目印は地図、道具は実物、動作は教師の身ぶりで見せ、どれも「〜の〜にあります」「〜で〜てください」のように文の形の中で使わせます。動詞はテ形と一緒に覚えるので、新しい動詞を出すときはます形とテ形を並べてカードに書きます。下の語は、この課の文型の練習で使いやすいものを選んでいます。

この課の練習で使う語(11語・意味・連語・例文)

  • 隣(となり) すぐ横にあること。 〜の〜・駅の〜・花屋の〜に
    道に迷って、電話で目印を言う。
    今、銀行の隣にいます。
  • 後ろ(うしろ) 物や人の背中の側。「前」の反対。 〜の〜・駅の〜・いすの〜に
    友達の家の場所を聞いて、確かめる。
    わたしのうちは花屋の後ろにあります。
  • 近く(ちかく) ある場所から遠くないところ。 〜の〜・駅の〜に・学校の〜
    パーティーの前に、飲み物を買う店を聞く。
    近くにコンビニがありますか。
  • 迷います(まよいます) どちらへ行けばいいかわからなくなる。 道に〜・駅で〜
    約束の時間に遅れそうで、友達に電話する。
    すみません、道に迷いました。今、駅の前にいます。
  • 包丁(ほうちょう) 台所で野菜や肉を切るときに使う道具。 〜で切る・大きい〜・〜の使い方
    台所で、使う道具を確かめる。
    どの包丁で切りますか。
  • 切ります(きります) 包丁やはさみで、物をいくつかに分ける。 トマトを〜・包丁で〜・はさみで〜
    準備で、友達に作業を頼む。
    このトマトを切ってください。
  • 洗います(あらいます) 水で汚れを落とす。 野菜を〜・お皿を〜・手を〜
    パーティーのあとで、家の人に申し出る。
    お皿を洗いましょうか。
  • 並べます(ならべます) 物をいくつか、順に横や縦に置く。 コップを〜・テーブルに〜・お皿を〜
    準備で、テーブルの用意を頼む。
    コップをテーブルに並べてください。
  • 手伝います(てつだいます) 人の仕事を一緒にして、助ける。 準備を〜・料理を〜・友達を〜
    台所で忙しそうな友達に声をかける。
    手伝いましょうか。
  • お皿(おさら) 料理をのせる、平らな入れ物。 〜を並べる・〜を洗う・白い〜
    準備で、どれを使うか確かめる。
    どのお皿を使いますか。
  • 作り方(つくりかた) 物や料理を作るやり方。 料理の〜・ケーキの〜・〜を教える
    パーティーで食べた料理がおいしかった。
    この料理、おいしいですね。作り方を教えてください。

宿題と次のコマ

宿題は、自分の部屋か家の近くの様子を「〜に〜があります」「〜は〜にあります」で4文書き、テ形の表(これまでの動詞20個)を埋めてくること。次のコマの最初に、部屋の様子を読んでもらって聞いている人に簡単な絵を描かせ、テ形を口頭で確かめてから、第8課の ST1「家族・友達」に入ります(この課の「〜にいます」「Vています」が、第8課の「〜に住んでいます」「〜が(〜人・匹)います」につながります)。

よくある質問

  • 『できる日本語 初級』第7課は何コマで終わりますか?

    90分なら3コマが目安です。1コマ目に導入と ST1(あります・います)、2コマ目にテ形の作り方と「Vてください」「[道具]で」「V方」「どのN・どれ」、3コマ目に ST3 と課のまとめを入れます。この課で初めてテ形が出るので、形の定着に時間がかかるクラスは、3コマ目の最初に15分ほどテ形の復習の帯を入れてください。

  • 第7課のテ形は、どのグループから教えればいいですか?

    作り方が一つで迷わない2グループ(食べます→食べて)と3グループ(します・来ます)を先に出し、そのあと1グループを「ます」の前の音で列に分けて見せると、規則として受け取りやすくなります。1グループの中は、この課の準備で使う「切って・洗って・待って」の「って」の列から始め、「んで」「いて・いで」「して」と進めます。例外の「行って」は最後に赤で一つだけ書き、列の外に置きます。

  • 「〜は〜にあります」と「〜に〜があります」の違いは、どう説明すればいいですか?

    初級では文法の説明より、質問の形で選ばせるほうが伝わります。「〜はどこにありますか」と聞かれたら「〜は〜にあります」、「〜に何がありますか」と聞かれたら「〜に〜があります」と、質問と答えを線で結んだ板書を作ります。道案内では、相手が知っている物の場所は前者、新しく出す目印は後者になることを、ST1 の電話のやり取りで実際に使い分けさせます。

  • 「手伝いましょうか」と「手伝いませんか」の違いは?

    「〜ましょうか」は自分が相手のためにすることを申し出る形、「〜ませんか」は相手を誘う形です。「手伝いませんか」と言うと、相手と一緒にだれかを手伝おうと誘っているように聞こえます。板書では「ましょうか」から自分へ、「ませんか」から相手へ矢印を引き、受け方(お願いします/いいですね)も違うことを並べて見せます。

  • 第7課の板書はどう組めばいいですか?

    ST ごとに黒板の使い方を変えます。ST1 は中央に簡単な地図を描いて位置の語と「に」を置き、ST2 は左にテ形の列の表を課の終わりまで残して、右に「Vてください」「[道具]で」「V方」の枠を足していきます。ST3 はパーティーの絵を中央に置き、「ましょうか」「まだあります/もうありません」を絵の吹き出しに書くと、課のまとめのロールプレイでそのまま手がかりになります。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。