日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

できる日本語 初級 第3課「スケジュール」の教案

『できる日本語 初級 本冊 第2版』 ・ ST「何時までですか」「私のスケジュール」「どんな毎日?」

日本での生活を回していくために、施設の開いている時間を問い合わせる・1年の予定を話す・毎日の過ごし方を話すことができるようになる課です。ST1 で時刻と曜日、「〜から〜まで」を入れて名詞文のまま問い合わせができるようにし、ST2 で初めて動詞の「Vます/Vません」と助詞「を・へ・で」を出して予定を話し、ST3 で同じ形を「毎日」「毎朝」と組み合わせて習慣を話します。第1課の「〜はいつですか/〜月〜日」と第2課の「〜はどこですか」がそのまま問い合わせの土台になるので、ST1 の最初に思い出させてから時刻へ進みます。課の終わりには、クラスメートや日本人の知り合いと、ふだんの一日と週末の過ごし方を聞き合える状態をめざします。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面、やり取りの例はすべて自作です。課・ST の題と学習項目の表記は出版社のシラバス一覧(第2版)に合わせています。
学習項目14時間90分×3コマ場面3

この課のねらい(Can-do)

  • 図書館や市役所などに電話や窓口で、開いている時間と休みの曜日を聞き、答えを聞き取れる
  • 学校の行事や長い休みの日にちを聞き、自分がその時期にどこで何をするか、しないかを言える
  • 起きる時間や働く時間、週末の過ごし方を話し、相手の毎日についても聞ける

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)10分第1課の「誕生日はいつですか」と第2課の「トイレはどこですか」を数人に聞いて思い出させる。そのあと教師が時計の模型を見せて「今、何時ですか」と聞き、答えられないことを確かめてから時刻に入る
ST1 何時までですか70分時刻の言い方(〜時・〜分・半・午前/午後)→「〜から〜までです」→ 曜日の言い方。図書館・郵便局・スーパーの案内カードを使って、電話で開いている時間と休みを問い合わせるロールプレイ
ST2 私のスケジュール90分動詞の絵カードで「Vます」→「〜をVます」「[場所]へ」「[場所]で」→「Vません」。学校の1年の行事カレンダーを黒板に貼り、休みの時期に何をするか・しないかを話し合う
ST3 どんな毎日?80分「毎日・毎朝」で習慣の「Vます」→「[時間]に」→「〜から〜までVます」→「NやNなど」→「何もVません」「どこへも行きません」。自分の一日の時間割を書いて聞き合う
課のまとめ20分ペアで相手のふだんの一日と週末を聞き取り、表に書き込む。最後に何人かに、聞いた相手の一日をクラスに紹介させる

ST1 何時までですか

できること図書館や役所などに、開いている時間と休みの曜日を問い合わせ、答えを聞き取れる。

場面

日本に来たばかりの留学生が、近くの図書館や市役所に何時まで開いているか、何曜日が休みかを電話や窓口で聞く場面です。教室では教師が施設の人の役になり、時間と休みが書いてある案内カードを手元に持って答え、学習者は聞いた答えをメモ用紙に書き取ります。

  • 図書館の人:はい、さくら図書館です。
  • 留学生:すみません。図書館は何時から何時までですか。
  • 図書館の人:午前9時から午後7時までです。
  • 留学生:休みは何曜日ですか。
  • 図書館の人:月曜日です。
  • 留学生:そうですか。ありがとうございます。
学習項目 1 今、何時ですか(時間の言い方)語彙

意味・はたらき

時刻は「数字+時」「数字+分」で言い、30分は「半」とも言います。朝か夜かをはっきりさせたいときは「午前」「午後」を前につけます。施設の時間を問い合わせるときの答えはほとんどが時刻なので、聞き取れることが ST1 のやり取りの土台になります。「何時」は「なんじ」と読みます。

接続

数字+時(+数字+分)+です/午前・午後+数字+時

形
今、何時ですか3時です/3時半です午前10時15分です4時(よじ)・7時(しちじ)・9時(くじ)

導入

  • 時計の模型の針を動かす教師が時計の模型の針を1時から12時まで順に動かして「1時です」「2時です」と言い、全員でくり返す。4時・7時・9時は板書で赤く囲む。慣れたら針を3時半・5時10分などに動かし、板書に「〜時」「〜分」「半」の3つの枠を作る。
  • 本当の時刻を聞く教室の時計を指して「今、何時ですか」と学習者に聞き、自分で答えさせる。そのあと時計の模型に「午前」「午後」のカードを貼り分け、朝の絵と夜の絵で同じ「8時」でも言い分けられることを見せる。

板書案

〔赤〕4時(よじ) 7時(しちじ) 9時(くじ)
〜時 + 〜分 / 30分 = 半
〔青〕午前・午後 + 〜時 (午前・午後はいつも前)
今、何時ですか。 ― 午後3時半です。
〔赤〕〜ぷん:1・3・4・6・8・10分

場面と発話(自作)

  • 駅で時計が見えず、近くにいる人に時刻を聞く。すみません。今、何時ですか。——2時15分です。
  • クラスメートと待ち合わせの前に、電話で時刻を確かめる。今、何時ですか。——午後4時半です。
  • ホームステイ先で、朝、家の人に時刻を聞く。すみません、今、何時ですか。——7時10分です。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が時計の模型やカードで時刻を見せて読ませる→教師が読んで学習者が模型の針を合わせる、の両方向を速く回す。分は読みの変わるもの(1・3・4・6・8・10分)を多めに出す。最後にペアで「今、何時ですか」と聞き合い、相手が合わせた針を確かめさせる。

  1. 口頭時計の模型の針で時刻を見せ、全員→列→個人の順に読ませる。キューの例は ①針を4時・7時・9時に合わせる ②朝の絵と夜の絵に同じ8時をつけて「午前8時」「午後8時」③3時10分・6時15分・10時半のように分が変わる時刻。慣れたら教師が読み、学習者が針を合わせる逆の向きも入れる。
  2. ペアA は時刻を書いた時計の絵カードを5枚持ち、B に見せずに「今、〜です」と読む。B は自分の白い時計の絵に針を書き込み、最後に2人でカードと見比べる。5枚で役を交替。
  3. 産出「時刻ビンゴ」: 学習者が3×3の表に自分で時刻を9つ書き、順番に1人ずつ自分の表の時刻を読み上げる。読み手を全員に回すので、聞くだけでなく全員が言う。教師は 4時・7時・9時と「〜ぷん」の読み、「午前・午後」の位置を聞き、崩れた時刻はその場で全員にくり返させる。

つまずきと手当て

  • 4時・7時・9時を「*よんじ」「*ななじ」「*きゅうじ」と読む。第1課の4月・7月・9月と同じ数字で読みが変わることを並べて見せる
  • 分の読みで「*いちふん」「*さんふん」「*ろくふん」「*じゅうふん」と言う。1・3・4・6・8・10分は「ぷん」になると表にし、声に出す回数で覚えさせる(8分・10分は「はちふん」「じっぷん」と言う人もいる)
  • 「午後」を時刻の後ろに置いて「*3時午後」と言う。「午前」「午後」は必ず前、と板書のカードの位置を固定する
  • 「何時」を「*なにじ」と読む。第1課の「何ですか(なんですか)」と同じく「なん」と決めて覚えさせる

既習の文型との違い

  • いつ/〜はいつですか/〜月〜日(第1課)同じ数字でも、4月は「しがつ」、4時は「よじ」と読みが分かれます。7と9は「しちがつ・しちじ」「くがつ・くじ」で月と時刻がそろうので、4だけが別だと並べて見せると覚えやすくなります。月の読みにつられて「*しじ」と言う学習者がいます。
  • 何階ですか(階数の言い方)(第2課)「〜階」も「〜分」も、数字によって音が変わる数え方です(3階=さんがい、3分=さんぷん)。変わり方は語ごとに違うので、第2課の階数の表と今回の分の表を横に並べ、同じ規則で考えないように伝えます。
関連する文型
学習項目 2 [時間]から[時間]までです

意味・はたらき

「から」は始まり、「まで」は終わりを表し、開いている時間や授業の時間の幅を言います。施設に問い合わせるときは「〜は何時から何時までですか」と聞き、答えも「〜から〜までです」の名詞文になるので、第1課の「〜はNです」の形のままで話せます。時刻だけでなく、曜日や日にちにも使えます。

接続

[時間]+から+[時間]+まで+です

形
9時から5時までです図書館は何時から何時までですか月曜日から金曜日までです昼休みは12時からです

導入

  • 案内の看板を読む黒板に郵便局の看板の絵を描き、「9:00〜17:00」と書いておく。教師が「〜」の左を指して「9時から」、右を指して「5時まで」と言い、「郵便局は9時から5時までです」と続ける。板書は「[ ]から [ ]までです」の枠にし、スーパー・病院・図書館の看板に差し替えて全員で言う。

板書案

[  ]から [  ]まで です
〔赤〕から=はじまり 〔青〕まで=おわり
郵便局は 9時から 5時までです。
図書館は 何時から 何時までですか。
(看板)9:00 〜 17:00 → 左が「から」、右が「まで」

場面と発話(自作)

  • 市役所に電話して、窓口が開いている時間を聞く。すみません。市役所は何時から何時までですか。——午前8時半から午後5時15分までです。
  • 日本語学校の受付で、授業の時間を確かめる。授業は何時からですか。——9時からです。
  • 近くの病院の受付で、午後の診察の時間を聞く。午後は何時から何時までですか。——2時から6時までです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、施設の名前と時間が書いてある案内カードを見せて「〜は〜から〜までです」を言わせる。次にカードを教師だけが持ち、学習者が「〜は何時から何時までですか」と聞いて答えをメモする。最後にペアで施設の人と留学生の役に分かれ、ST1 の電話のやり取りをする。

  1. 口頭施設の看板カードを見せて「〜は〜から〜までです」を言わせる。キューの例は ①郵便局 9:00〜17:00 ②スーパー 10:00〜21:00 ③図書館 9:00〜19:00 ④学校の昼休み 12:00〜13:00。次に教師が「何時から何時までですか」と聞く役、学習者が答える役で個人に当てる。
  2. ペア「情報差」で行う。A と B に別々の施設カードを3枚ずつ配り、相手のカードの施設について「〜は何時から何時までですか」と聞いてメモする。全部聞き終わったらカードを見せ合ってメモを確かめ、役を交替する。
  3. 産出「施設に電話ロールプレイ」: 教師が施設の人の役で、手元のカードを見ながら「はい、〇〇図書館です」と電話に出る。学習者は1人ずつ電話をかけ、あいさつ→時間を聞く→お礼まで通す。教師は ①「から」「まで」の取り違え ②聞いた時間を正しくメモできたか ③「すみません」「ありがとうございます」で始めて終えられたか を見る。

つまずきと手当て

  • 「*9時からと5時まで」「*9時から、5時までと」と「と」を入れる。第1課の「NとN」と混ざっているので、「から」「まで」のあいだには何も入らないと枠で見せる
  • 「から」と「まで」を逆にして、郵便局の時間を「5時から9時までです」と言う。文の形は正しいが、時間が逆になって伝わる。看板の左が「から」、右が「まで」と、指で左から右へなぞって確かめる
  • 答えで「9時からです、5時までです」と2文に分ける。間違いではないが、問い合わせの答えとしては1文にまとめるほうが聞き取りやすいと示す

既習の文型との違い

  • NとN(第1課)「と」は名詞を並べるだけで、間に時間の流れはありません。「から」「まで」は始まりと終わりを置いて、その間をひとつの幅として言います。混ぜると「*9時と5時までです」のように、幅にならない文になります。
  • いつ/〜はいつですか/〜月〜日(第1課)「いつですか」は日にちを一つ聞く質問で、答えも「4月20日です」の一点です。「何時から何時までですか」は幅を聞くので、答えには必ず2つの時刻が入ります。問い合わせでは後者を使うと、開いている時間が一度にわかります。
関連する文型
学習項目 3 曜日の言い方語彙

意味・はたらき

曜日は「月・火・水・木・金・土・日」に「曜日」をつけて言い、聞くときは「何曜日ですか」です。施設の休みや授業のある日を言うのに欠かせず、ST1 では「休みは何曜日ですか」の答えとして使います。話し言葉では「月曜」のように「日」を落とすこともあります。

接続

[月・火・水・木・金・土・日]+曜日(聞くときは何曜日)

形
月曜日・火曜日・水曜日・木曜日・金曜日・土曜日・日曜日今日は何曜日ですか休みは日曜日です

導入

  • 1週間のカレンダーを作る黒板に7つの枠を描き、教師が月曜日から順に曜日のカードを貼りながら読む。カードの漢字には月・火・水などの絵(月・火・水・木・お金・土・太陽)を小さく添える。最後に「今日は何曜日ですか」と聞いて、学習者に今日のカードを指させる。

板書案

月・火・水・木・金・土・日 + 曜日
休みは 何曜日ですか。 ― 月曜日です。
〔赤〕何曜日(なんようび)
〔青〕月曜日〜金曜日 (日にちのカレンダーの上に横一列)

場面と発話(自作)

  • 近くのスーパーの休みの日を、店の人に聞く。休みは何曜日ですか。——水曜日です。
  • クラスメートと、日本語の授業がある日を確かめる。授業は月曜日から金曜日までです。
  • 郵便局の前で、張り紙を見て休みの日を確かめる。郵便局は土曜日と日曜日は休みです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、カレンダーの曜日を指して読ませる→教師が言った曜日を学習者が指す、をくり返す。そのあと施設の案内カード(休みの曜日つき)で「休みは何曜日ですか」「〜曜日です」を聞き合う。

  1. 口頭大きなカレンダーの曜日の列を指して読ませる。キューの例は ①月曜日から日曜日まで順に ②順番をばらばらに指す ③「火・金」「月・日」のように聞き違えやすい組を続けて指す。次に教師が言った曜日を学習者が指す、の逆の向きをくり返す。
  2. ペア休みの曜日を書いた店のカード(スーパー・美容院・病院・パン屋)を A と B に2枚ずつ配る。相手の店について「〜の休みは何曜日ですか」と聞き、自分の町の地図カードに書き込む。カードを入れ替えて交替。
  3. 産出「わたしの町の施設カード」: 自分の住んでいる町(または国の町)の施設を2つ選び、開いている時間と休みの曜日をカードに書いて、クラスに「〇〇スーパーは10時から9時までです。休みは水曜日です」と紹介する。聞く人は1つ質問する。教師は曜日の読みと「何曜日」の読み、「から〜まで」との組み合わせを見る。

つまずきと手当て

  • 火曜日(かようび)と金曜日(きんようび)、月曜日(げつようび)と日曜日(にちようび)を聞き間違える。2つずつ組にして、聞いてどちらかを指させる練習を入れる
  • 「何曜日」を「*なにようび」と読む。「何時」と同じく「なん」と確かめる
  • 「何曜日ですか」と「何日ですか」を聞き分けられず、休みの曜日を聞かれて「20日です」と日にちで答える。2つの質問をカレンダーの縦の列(曜日)と枠の中(日にち)を指しながら交互に出し、答える場所をそろえる

既習の文型との違い

  • いつ/〜はいつですか/〜月〜日(第1課)「いつですか」で聞くと日にちが答えになり、「何曜日ですか」で聞くと曜日が答えになります。施設の休みは毎週同じ曜日なので、日にちではなく曜日で聞くほうが役に立つ、と場面で見せます。
関連する文型

ST2 私のスケジュール

できること学校の1年の予定について聞き、休みの時期に自分がどこで何をするか、しないかを話せる。

場面

学期のはじめに、クラスメート同士で学校の行事や夏休みの日にちを確かめ、その時期の予定を話す場面です。黒板に学校の1年のカレンダー(入学式・夏休み・試験・冬休みなど)を貼り、学習者には自分の予定を書き込む小さなカレンダーを配ります。

  • 留学生A:夏休みはいつからいつまでですか。
  • 留学生B:7月20日から8月31日までです。
  • 留学生A:そうですか。わたしは8月は国へ帰ります。
  • 留学生B:わたしは帰りません。東京でアルバイトをします。
  • 留学生A:9月は?
  • 留学生B:9月は図書館で日本語を勉強します。
学習項目 1 Vます(予定)

意味・はたらき

動詞の「ます」の形は、これから先のこと(予定)を言うのに使います。日本語の動詞には英語の will のような未来だけの形はなく、「明日」「来週」「8月は」のような時のことばと一緒に言うことで予定だとわかります。ST2 では、休みの時期に何をするかを言うために、まず「行きます・帰ります・します・勉強します」などをまとまりとして覚えさせます。文法の用語では、この「ます」の形は過去に対する非過去の形で、予定と習慣の両方を受け持ちます。

接続

動詞の「ます」の形をそのまま使う(この課では動詞の分け方には入らない)

形
行きます・来ます・帰りますします・勉強します・働きます明日、アルバイトをします来週、国へ帰ります

導入

  • 教師の予定をカレンダーで話す教師が黒板のカレンダーの来週の欄を指して、旅行かばんの絵を貼りながら「来週、大阪へ行きます」と言う。次の週の欄に本の絵を貼って「勉強します」、家の絵で「帰ります」と続け、板書の右側に動詞を「〜ます」の形でまとめて並べる。

板書案

〔赤〕明日・来週・8月は + Vます
行きます 帰ります します 勉強します 働きます
8月は 国へ 帰ります。
〔青〕いつ?(時のことば)を先に → 文の終わりは「ます」

場面と発話(自作)

  • 夏休みの前に、クラスメートに休みの予定を話す。8月は国へ帰ります。
  • アルバイト先の店長に、来週の予定を伝える。来週の土曜日は学校の試験です。日曜日は働きます。
  • クラスメートに、明日の予定を聞かれる。明日はアルバイトをします。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、動詞の絵カードを見せて「〜ます」と言わせ、慣れたら「明日」「来週」「8月は」などの時のカードと組み合わせて1文にする。最後に配った小さなカレンダーに自分の予定を絵で描かせ、それを見せながら隣の人に話す。

  1. 口頭動詞の絵カードを見せて「〜ます」と言わせる。キューの例は ①飛行機の絵=帰ります ②本と鉛筆の絵=勉強します ③お店のレジの絵=働きます ④歩く人の絵=行きます。慣れたら時のカード(明日・来週・8月)を左に置き、時のことばから1文で言わせる。
  2. ペアA が時のカードを1枚めくり、B が動詞の絵カードをめくって、B が「〜は〜ます」と言う。A は「そうですか」と返す。5回で交替。
  3. 産出「休みの予定カレンダー」: 配った小さなカレンダーの夏休み・冬休みの欄に、自分の予定を絵か語で書き込み、隣の人に「8月は〜ます」と話す。聞いた人は相手の予定を1つクラスに伝える。教師は時のことばが先に出ているかと、「ます」の形のまま言えているかを見る。

つまずきと手当て

  • 未来の形を作ろうとして「*明日、行きますします」「*行くますです」のように語を足す。「ます」の形のままで予定になると、時のカードを付け替えるだけの板書で見せる
  • 時のことばを言わずに「国へ帰ります」だけで予定を伝え、いつのことか伝わらない(文としては正しい)。予定を言うときは「8月は」「来週」などを先に言う習慣をつける
  • 「来ます」と「行きます」を、自分のいる場所を考えずに使う。教師が教室の入り口から入ってくる動作で「来ます」、出ていく動作で「行きます」を見せる

既習の文型との違い

  • 〜はNです(第1課)第1課の文は名詞で終わり「です」で結びます。この課から動詞で終わる文が入り、結びは「ます」になります。「*帰りますです」「*帰りです」のように2つが混ざるので、名詞の文と動詞の文の板書を上下に並べておきます。
関連する文型
学習項目 2 〜をVます

意味・はたらき

「を」は動作の向かう相手・もの(目的語)を表します。「日本語を勉強します」「アルバイトをします」のように、何をするかを動詞の前に言います。「を」は書くときは「を」、読むときは「お」と同じ音です。文法の用語では「を」は格助詞で、ここでは動作の対象(目的語)を示します。

接続

N+を+V(「を」は「お」と読む)

形
日本語を勉強しますアルバイトをしますテレビを見ますパンを食べます

導入

  • 物を見せてから動作をする教師がパンの実物(または絵)を見せて「パン」と言い、食べるまねをしながら「パンを食べます」と言う。同じように水で「水を飲みます」、本で「本を読みます」。板書は「[もの]を [動詞]」の枠にし、「を」だけ赤で書く。

板書案

N + を + V ます
日本語を 勉強します。 アルバイトを します。
何を しますか。 ― テニスを します。
〔赤〕を(よみ:お) 〔青〕何を? の答えにだけ

場面と発話(自作)

  • クラスメートに、冬休みに何をするか話す。冬休みはアルバイトをします。
  • ホームステイ先の家族に、来週の予定を聞かれる。来週は学校で漢字のテストを受けます。
  • 日本人の友達に、週末に何をするか聞かれる。土曜日はテニスをします。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、もののカードと動詞の絵カードを1枚ずつ出して「〜を〜ます」を言わせる。わざと合わない組み合わせ(「水を食べます」)を出して、学習者に直させるのも効く。最後に ST2 のカレンダーの予定に「〜を」を足して言い直す。

  1. 口頭もののカードと動詞の絵カードを1枚ずつ出して「〜を〜ます」と言わせる。キューの例は ①パン+食べます ②水+飲みます ③日本語+勉強します ④テニス+します。ときどき「水を食べます」のような合わない組を出し、学習者に正しい動詞へ直させる。
  2. ペアA が「何をしますか」と聞き、B はもののカードを引いて「〜をします/〜を〜ます」と答える。A はそのカードを見ずに聞いて、絵を当てる。答えが合ったら交替。
  3. 産出「週末の予定メモ」: 自分の土曜日と日曜日の予定を「〜を〜ます」で2つずつメモに書き、ペアで読み合う。教師は書いたメモを回って、「を」の字(お ではなく を)と、行き先に「を」を使っていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*日本語が勉強します」と「が」を使う。「日本語は勉強します」は対比の「は」で言える文だが、この段階では「何を」と聞いて答えさせ、答えに「を」が残る形で確かめる
  • ひらがなで書くとき「*パンお食べます」と書く。音は同じでも、この「を」はこの字で書くと板書で区別する
  • 「*学校を行きます」「*国を帰ります」と、行き先にも「を」をつける。行き先は次の「[場所]へ」で扱うと先に予告し、「を」は「何を」の答えだけと確かめる

既習の文型との違い

  • Nをください(第2課)「を」は同じで、前に来るのは欲しいもの・動作の向かうものです。違うのは文の終わりで、「ください」は相手に頼む言い方、「Vます」は自分がすることを言う言い方です。店の場面とスケジュールの場面を並べ、「を」の前の名詞が何をされるかを確かめます。
関連する文型
学習項目 3 [場所]へ

意味・はたらき

「へ」は移動の方向や行き先を表し、「行きます・来ます・帰ります」と一緒に使います。休みの予定では「国へ帰ります」「大阪へ行きます」のように、どこへ動くかを言うのに使います。「へ」は読むときは「え」と同じ音です。文法の用語では「へ」は格助詞で、移動の方向・行き先を示します。

接続

[場所]+へ+行きます/来ます/帰ります(「へ」は「え」と読む)

形
国へ帰ります東京へ行きます日本へ来ますどこへ行きますか

導入

  • 地図の上で矢印を引く黒板に日本の地図を描き、教師が「わたし」の印から大阪へ矢印を引いて「大阪へ行きます」と言う。次に学習者の国から日本へ矢印を引いて「日本へ来ます」、日本から国へ引いて「国へ帰ります」。矢印の先にだけ「へ」を書き、「へ」の上に小さく「え」と添える。

板書案

[場所] + へ + 行きます/来ます/帰ります
〔赤〕へ(よみ:え)
8月は 国へ 帰ります。
どこへ 行きますか。 ― 大阪へ 行きます。
〔青〕→(矢印)= 動く先

場面と発話(自作)

  • 冬休みの予定を日本人の友達に聞かれる。冬休みは国へ帰ります。
  • クラスメートに、週末の行き先を聞く。土曜日はどこへ行きますか。——横浜へ行きます。
  • 日本語の先生に、夏休みの予定を聞かれる。8月は北海道へ行きます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、地名のカードと「行きます・来ます・帰ります」の絵を組み合わせて言わせる。そのあと「どこへ行きますか」と聞き、ST2 のカレンダーに描いた予定で答えさせる。

  1. 口頭地名のカードと移動の絵を組み合わせて言わせる。キューの例は ①東京+電車の絵=東京へ行きます ②国旗+飛行機の絵=国へ帰ります ③教室のドアから入る教師の動作=学校へ来ます。次に「どこへ行きますか」と聞いて個人に答えさせる。
  2. ペアA と B に別々の「週末の行き先カード」(地名と曜日)を配り、「土曜日はどこへ行きますか」と聞き合ってメモする。メモが合っているか、最後にカードを見せて確かめる。
  3. 産出「休みの旅の予定発表」: 休みに行く予定の町を1つ選び、地図の上で指しながら「〜月は〜へ行きます」とクラスに言う。聞く人は「〜へ行きますか」と1つ質問する。教師は「へ」の読み(え)と、「へ」を移動の動詞だけに使っているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「へ」を「he」と読む。第1課の「は(わ)」と同じく、助詞のときだけ読みが変わると板書で並べる
  • 「*学校で行きます」と、次に習う「[場所]で」と混ぜる。「へ」は矢印(動く先)、「で」は丸(そこでする)と、板書の記号を決めて使い分ける
  • 行き先を言うのに「に」を使う学習者がいる(「国に帰ります」)。これは誤りではないと伝えたうえで、この課では「へ」で練習すると決める

既習の文型との違い

  • 〜をVます(第3課)「を」は何をするか、「へ」はどこへ動くかを言います。「*学校を行きます」のように行き先に「を」を使う誤りが出やすいので、「を」の後ろには食べます・勉強しますのような動詞、「へ」の後ろには行きます・来ます・帰りますだけ、とカードの色を分けます。
  • どこ/〜はどこですか(第2課)第2課の「〜はどこですか」はものや場所がどこにあるかを聞く名詞文です。「どこへ行きますか」は動く先を聞く動詞文なので、答えも「〜です」ではなく「〜へ行きます」になります。
関連する文型
学習項目 4 Vません活用

意味・はたらき

「Vます」の「ます」を「ません」に変えると、その動作をしないことを表します。予定の話では「わたしは帰りません」のように、相手と違う予定を言ったり、休みの日にしないことを言ったりするのに使います。どの動詞も「ます→ません」の同じ変え方です。

接続

Vます → Vません(「ます」を「ません」に変える)

形
行きます → 行きません帰ります → 帰りません勉強します → 勉強しません来ます → 来ません

導入

  • 首を振って予定を打ち消す教師がカレンダーの夏休みの欄で「わたしは国へ帰りますか」と自分に聞き、首を振って「いいえ、帰りません」と答えてみせる。板書は「〜ます」の下に「〜ません」を並べ、「ます」と「ません」だけ色を変える。

板書案

Vます → V ません
帰ります → 帰りません 働きます → 働きません
帰りますか。 ― はい、帰ります。/いいえ、帰りません。
〔赤〕名詞:Nじゃありません 〔青〕動詞:Vません

場面と発話(自作)

  • 夏休みの予定を聞かれ、国へは帰らないことを伝える。夏休みは国へ帰りません。東京でアルバイトをします。
  • アルバイト先で、日曜日に働けるか聞かれる。日曜日は働きません。
  • 日本人の友達に、冬休みに国へ帰るか聞かれる。冬休みは帰りますか。——いいえ、帰りません。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が「〜ます」を言い、学習者がすぐ「〜ません」に変える変換をくり返す。次に「〜ますか」と聞いて「はい、〜ます」「いいえ、〜ません」で答えさせ、最後に ST2 のカレンダーで相手と違う予定を言い合う。

  1. 口頭教師が「〜ます」を言い、学習者がすぐ「〜ません」に変える。キューの例は ①帰ります ②働きます ③勉強します ④行きます ⑤します。次に「〜ますか」と聞いて「はい/いいえ」で答えさせ、最後にカードの絵に×が付いていたら「ません」で答えさせる。
  2. ペアA は予定の絵カード(○と×の印つき)を持ち、B が「〜は〜ますか」と聞く。A は印を見て「はい、〜ます」か「いいえ、〜ません」で答える。5枚で交替。
  3. 産出「ちがう予定さがし」: クラスを歩きながら「夏休みは国へ帰りますか」と聞き、自分と違う答えの人を3人見つけて、名前と答えをメモする。最後に「〇〇さんは帰りません。東京でアルバイトをします」と報告する。教師は「はい/いいえ」と後ろの形の対応と、「*ませんです」がないかを見る。

つまずきと手当て

  • 第1課の名詞文の否定と混ぜて「*帰りじゃありません」「*帰りますじゃありません」と言う。名詞は「じゃありません」、動詞は「ません」と、2つの否定を板書で並べて区別する
  • 「*帰りませんです」と「です」を足す。「ません」で文が終わると確かめる
  • 「はい」「いいえ」と後ろが合わず「*はい、行きません」と答える。第1課と同じく「いいえ」のあとが「ません」と対にして見せる

既習の文型との違い

  • Nですか/はい、(〜は)Nです/いいえ、(〜は)Nじゃありません(第1課)名詞の文の否定は「じゃありません」、動詞の文の否定は「ません」です。どちらも「いいえ」のあとに来るので、「*帰りじゃありません」のように混ざりやすくなります。答えの形は質問の終わり(です/ます)に合わせる、と2つの質問を並べて確かめます。
関連する文型
学習項目 5 [場所]で

意味・はたらき

「で」は動作をする場所を表します。「図書館で勉強します」「コンビニで働きます」のように、その場所で何をするかを言います。第2課の「[言語]で」の「で」(何を使ってするか)とは別のはたらきなので、場所の名前が前にあるときの「で」として教えます。文法の用語では、この「で」は動作の場所を示す格助詞です。

接続

[場所]+で+〜をVます

形
図書館で勉強しますコンビニで働きますうちで映画を見ますどこで勉強しますか

導入

  • 場所の絵の中で動作をする黒板に図書館・コンビニ・うちの絵を描き、教師が図書館の絵の前で本を開くまねをして「図書館で勉強します」と言う。コンビニの絵の前ではレジを打つまねで「コンビニで働きます」。板書は「[場所]で [何]を [動詞]」の順に枠を並べ、「へ」の矢印と「で」の丸を対にして書く。

板書案

[場所] + で + V ます
図書館で 勉強します。 コンビニで 働きます。
どこで 勉強しますか。
〔赤〕で = ○(そこでする) 〔青〕へ = →(そこへ動く)

場面と発話(自作)

  • 春休みの予定を、クラスメートに話す。春休みは大阪のホテルでアルバイトをします。
  • 日本語学校の先生に、試験の前にどこで勉強するか聞かれる。どこで勉強しますか。——学校の図書館で勉強します。
  • 学校の先生に、夏休みにどこでアルバイトをするか聞かれる。駅のコンビニで働きます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、場所のカードと動作の絵カードを組み合わせて「〜で〜を〜ます」を言わせる。次に場所のカードを裏返して「どこで〜ますか」と聞き合い、最後に ST2 のカレンダーの予定に場所を足して、話の続きとして言わせる。

  1. 口頭場所のカードと動作の絵カードを組み合わせて「〜で〜を〜ます」と言わせる。キューの例は ①図書館+本の絵 ②コンビニ+レジの絵 ③うち+テレビの絵 ④学校+教科書の絵。ときどき移動の絵(飛行機)を混ぜ、「へ」と「で」を学習者に選ばせる。
  2. ペアA は場所のカードを伏せて持ち、B が「どこで〜ますか」と聞く。A はカードをめくって答え、B は答えを自分の予定表に書き込む。4枚で交替。
  3. 産出「どこで?インタビュー」: 「勉強します」「働きます」「テレビを見ます」の3つについて、クラスの3人に「どこで〜ますか」と聞いて表にまとめ、多かった場所をクラスに言う。教師は場所のあとの助詞(で/へ)の選び方と、動詞が文の最後に来ているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*図書館へ勉強します」と「へ」を使う。「行きます・来ます・帰ります」のときだけ「へ」、それ以外の動作は「で」と、矢印と丸の板書で確かめる
  • 母語の影響で「*図書館に勉強します」と言う学習者がいる。動作の場所は「で」と決めて練習させる(「に」は後の課の「あります・います」で出てくる)
  • 語順を「*勉強します図書館で」のように動詞を前に置く。日本語は動詞が最後、と枠の位置を固定して見せる

既習の文型との違い

  • [言語]で(第2課)第2課の「英語で」は何を使って話すかを言う「で」で、前に来るのは言葉です。今回は前に場所が来て、そこで動作をすることを言います。形は同じでも前の名詞で見分けると伝え、「英語で話します」「図書館で勉強します」を並べて、前の語に下線を引きます。
  • [場所]へ(第3課)「へ」は動く先、「で」は動作をする場所です。「*図書館へ勉強します」は、「勉強します」が動く動詞ではないので使えません。一つの話の中で両方使う「図書館へ行きます。図書館で勉強します」を板書し、矢印と丸で違いを見せます。
関連する文型

ST3 どんな毎日?

できること自分のふだんの一日や週末の過ごし方を話し、相手の毎日についても聞ける。

場面

アルバイト先の休憩時間や地域の日本語教室で、日本人の知り合いと毎日の生活について話す場面です。教室では学習者に自分の一日の時間割(起きる・食べる・学校・アルバイト・寝る)を書かせ、それを見ながら聞き合います。

  • 日本人の友達:毎朝、何時に起きますか。
  • 留学生:6時半に起きます。朝はパンや果物などを食べます。
  • 日本人の友達:学校は何時からですか。
  • 留学生:9時から午後3時までです。
  • 日本人の友達:週末は何をしますか。
  • 留学生:土曜日は午後5時から10時までコンビニで働きます。
  • 留学生:日曜日は何もしません。どこへも行きません。
学習項目 1 Vます(習慣)

意味・はたらき

ST2 と同じ「Vます」の形で、毎日・毎週くり返すこと(習慣)も言えます。予定か習慣かは形ではなく、「明日」か「毎日」「毎朝」かのような一緒に使う時のことばで決まります。ST3 では「毎朝、何時に起きますか」のように、ふだんの生活を聞き合うのに使います。

接続

毎日・毎朝・毎晩・毎週などの時のことば+Vます

形
毎朝、6時に起きます毎晩、日本語を勉強します毎週、土曜日は働きます起きます・寝ます・食べます・飲みます

導入

  • 教師の一日を絵で話す教師が朝・昼・夜の絵を黒板に並べ、目覚まし時計の絵で「毎朝、6時に起きます」、ふとんの絵で「毎晩、11時に寝ます」と言う。ST2 で使った「来週、〜ます」の板書と並べ、時のことばだけが違い、動詞の形は同じだと見せる。

板書案

〔赤〕毎日・毎朝・毎晩・毎週 + Vます = 習慣
〔青〕明日・来週 + Vます = 予定
毎朝、7時に 起きます。
毎晩、うちで 漢字を 勉強します。

場面と発話(自作)

  • アルバイト先の人に、毎朝何時に起きるか聞かれる。毎朝、7時に起きます。
  • 地域の日本語教室で、ふだんの勉強のしかたを聞かれる。毎晩、うちで漢字を勉強します。
  • 日本人の友達に、週末のふだんの過ごし方を聞かれる。毎週、土曜日はサッカーをします。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、一日の動作の絵カード(起きる・食べる・学校・働く・寝る)を順に見せて「毎朝」「毎晩」をつけて言わせる。次に「明日」と「毎日」のカードを交互に出し、同じ動詞で予定と習慣を言い分けさせる。最後に自分の時間割を書かせ、ST3 のやり取りに進む。

  1. 口頭一日の動作の絵カードを順に見せて「毎朝」「毎晩」をつけて言わせる。キューの例は ①目覚まし時計=毎朝、起きます ②朝ごはん=毎朝、パンを食べます ③ベッド=毎晩、寝ます ④教科書=毎晩、勉強します。次に「明日」と「毎日」のカードを交互に出し、同じ動詞で予定と習慣を言い分ける。
  2. ペアA が「毎朝、〜ますか」と聞き、B が自分のことで「はい、〜ます」「いいえ、〜ません」と答える。動作のカードを5枚使い、終わったら交替して、2人の答えが同じだったものに印をつける。
  3. 産出「わたしの一日紹介」: 自分のふだんの一日を絵や時計の図で書き、「毎朝、〜ます。毎晩、〜ます」と4文以上で話す。聞く人は1つ質問する。教師は「毎〜」と「明日」の使い分けと、「*毎朝に」と「に」をつけていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 習慣を言おうとして「毎日、起きています」と言う(他の教材で学んだ学習者に多い)。正しい文で、第11課の「Vています(習慣)」で扱う形。この課では「Vます」だけで習慣が言えると確かめる
  • 「毎朝」「毎晩」の読み(まいあさ・まいばん)を「*まいちょう」などと読む。時のことばはカードでまとめて読ませる
  • 「*毎朝に起きます」「*毎日に勉強します」と「毎〜」に「に」をつける。「[時間]に」で2列のカードに分けて扱うまでは、「毎〜」には何もつけないと先に決めておく

既習の文型との違い

  • Vます(予定)(第3課)形はまったく同じで、違うのは一緒に使う時のことばです。「明日、起きます」は一度の予定、「毎朝、起きます」はくり返すことになります。学習者が「形を変えないといけない」と思い込まないよう、同じ動詞カードを2枚の時のカードの間で動かして見せます。
関連する文型
学習項目 2 NやNなど

意味・はたらき

「や」で名詞を並べ、最後に「など」をつけると、ほかにもあるけれどその中からいくつかを例として挙げる言い方になります。第1課の「NとN」が全部を挙げるのに対し、「NやNなど」は代表を挙げるだけです。毎日の食事や買い物の話で、全部を言わずに済ませるのに便利です。

接続

N1+や+N2(+など)

形
パンや果物などを食べますコンビニやスーパーで働きます漢字や会話などを勉強します

導入

  • 袋の中身を一部だけ見せる教師が買い物袋からパンと果物だけを取り出して見せ、袋の中にまだあることを示しながら「パンや果物などを買います」と言う。次に袋の中身を全部出して「パンと果物と牛乳です」と言い、「と」は全部、「や〜など」は一部と、板書で2つを並べる。

板書案

N や N など + を + V ます
パンや 果物などを 食べます。
〔赤〕や = いくつか(ほかにもある)
〔青〕と = ぜんぶ(それだけ)

場面と発話(自作)

  • 日本人の友達に、朝ごはんに何を食べるか聞かれる。パンや果物などを食べます。
  • 学校の先生に、週末に何を勉強するか聞かれる。漢字や会話などを勉強します。
  • 週末の買い物について、ホームステイ先の家族に話す。週末はスーパーで肉や野菜などを買います。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、食べ物や勉強のカードを3〜4枚見せ、2枚だけ選んで「〜や〜などを〜ます」を言わせる。そのあと全部のカードで「と」を使って言わせ、2つの言い方の違いを確かめる。

  1. 口頭食べ物や勉強のカードを3〜4枚並べ、2枚だけ選んで「〜や〜などを〜ます」と言わせる。キューの例は ①パン・卵・牛乳・果物 ②漢字・会話・文法 ③肉・野菜・魚。次に同じカードで全部を「と」で言わせ、言い分けを確かめる。
  2. ペアA は朝ごはんの絵カードを5枚持ち、B が「朝ごはんは何を食べますか」と聞く。A は2枚だけ見せて「〜や〜などを食べます」と答え、B は残りのカードを当てる。交替してもう一度。
  3. 産出「朝ごはん調べ」: クラスの3人に朝ごはんに何を食べるか聞き、「〇〇さんは〜や〜などを食べます」と表にまとめて報告する。教師は「や」が名詞の間だけにあるか、「など」が最後の1回だけか、全部を言うときに「と」を選べているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*パンや果物や」「*パンなどや果物」と、「や」「など」の位置を崩す。「や」は名詞のあいだ、「など」は最後に1回だけ、とカードの並べ方で見せる
  • 全部を挙げるときにも「や」を使い、2つだけなのに「わたしの趣味はサッカーや映画です」と言う。文は正しいが、ほかにもある含みになる。全部なら第1課の「と」と、袋の中身の導入にもどって確かめる
  • 動詞を「や」でつなごうとして「*起きますや食べます」と言う。「や」は名詞と名詞のあいだだけに入ると、カードの種類(名詞のカードだけ)で見せる

既習の文型との違い

  • NとN(第1課)「と」は挙げたものが全部、「や〜など」はいくつかを例として挙げるだけです。袋の中身の絵で、全部見せるときは「と」、袋の中に他にも入っているときは「や〜など」と見せると、違いが目で分かります。
関連する文型
学習項目 3 何もVません

意味・はたらき

「何も」のあとに「Vません」を続けると、「ひとつもしない・ひとつもない」という全部の否定になります。休みの日の過ごし方を聞かれて「日曜日は何もしません」と言えば、特に予定がないことが伝わります。「何も」は「なにも」と読みます。文法の用語では、疑問詞に「も」がついて否定と結びつく形で、「も」は取り立て助詞のはたらきをしています。

接続

何も+Vません(「を」は入れない)

形
何もしません朝は何も食べません何も買いません

導入

  • 空っぽの皿を見せる教師がパンの絵をのせた皿を見せて「パンを食べます」と言い、次に何ものっていない皿を見せて首を振り「朝は何も食べません」と言う。板書で「パンを食べます」の「パンを」を消して「何も」に書き替え、後ろが「ません」になることを示す。

板書案

何を しますか。 ― 何も しません。
何 + も + V ません
〔赤〕「を」は消える 何をも ×
〔青〕何も … ません(最後はいつも「ません」)

場面と発話(自作)

  • 日本人の友達に、日曜日の予定を聞かれる。日曜日は何をしますか。——何もしません。
  • 健康診断の前に、朝ごはんについて聞かれる。朝は何も食べません。
  • アルバイト先の人に、週末に勉強するか聞かれる。週末は何も勉強しません。うちで寝ます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が「何を〜ますか」と聞き、学習者がカードを引いて、カードに絵があれば「〜を〜ます」、白いカードなら「何も〜ません」と答える。最後に ST3 の時間割で週末を聞き合い、予定のない日に使わせる。

  1. 口頭教師が「何を〜ますか」と聞き、学習者がカードを引いて答える。キューの例は ①パンの絵=パンを食べます ②白いカード=何も食べません ③教科書の絵=漢字を勉強します ④白いカード=何も勉強しません。白いカードの割合を少しずつ増やす。
  2. ペアA は曜日と予定を書いたカード(いくつかの曜日は空欄)を持ち、B が「〜曜日は何をしますか」と聞く。空欄の曜日は「何もしません」と答える。B は聞いた予定を表に写し、空欄が合っているか最後に見比べる。
  3. 産出「週末インタビュー」: 「土曜日は何をしますか」「日曜日は何をしますか」をクラスの3人に聞き、予定のない人の答えも含めて表にする。最後に「〇〇さんは日曜日は何もしません」と報告する。教師は「*何もを」がないか、「何も」のあとが必ず「ません」か、「なにも」と読めているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*何もを食べません」「*何をも」と「を」を残す。「何も」に「を」はつかないと、板書の書き替えで何度も見せる
  • 後ろを肯定にして「*何も食べます」と言う。「何も」が出たら最後は必ず「ません」と、文の両端を指で押さえて確かめる
  • 「*なんも」と読む。この形は「なにも」と決めて覚えさせる(話し言葉で「なんにも」と言う人もいる)

既習の文型との違い

  • Nも(第1課)第1課の「わたしも学生です」の「も」は、同じことを付け加える意味でした。「何も〜ません」の「も」は、疑問のことばにつくと「ひとつも〜ない」という全部の否定になります。同じ「も」でも、前が疑問のことばのときは後ろが否定になると見せます。
  • 何/〜は何ですか(第1課)「〜は何ですか」は名詞を聞く質問で、「何をしますか」はすることを聞く質問です。答えがないときに「何も」を使うのは動詞の文のほうなので、この課では「何をしますか」への答えに限って練習します。
関連する文型
学習項目 4 [時間]に

意味・はたらき

動作をする時刻や日にちを言うとき、「6時に起きます」「4月20日に」のように数字のついた時のことばには「に」をつけます。一方、「今日・明日・来週」のように今を基準にした時のことばと、「毎日・毎朝」のような「毎〜」には「に」をつけません。曜日は「に」をつけてもつけなくても言うことが多いです。文法の用語では、この「に」は動作の時点を示す格助詞です。

接続

[時刻・日にち・月]+に+V(毎日・明日などには「に」をつけない)

形
7時に起きます8月20日に国へ帰ります毎朝、7時に起きます(「毎朝」に「に」はつかない)土曜日(に)働きます

導入

  • 「に」がつく語とつかない語を分ける教師が一日の時間割の絵で「6時に起きます」「12時に食べます」と言い、時刻のあとの「に」を赤で書く。次に「毎朝」「明日」のカードを出し、「*毎朝に」とわざと言って首を振り、黒板を「に」がつく語(数字のある時)と「に」がつかない語(毎日・明日など)の2列に分けてカードを貼らせる。

板書案

〔赤〕に をつける:6時に 4月20日に (数字のある時)
〔青〕に をつけない:毎朝 今日 明日 来週
毎朝、6時に 起きます。
〔黄〕曜日:日曜日(に) どちらでも

場面と発話(自作)

  • 日本人の友達に、毎朝何時に起きるか聞かれる。毎朝、何時に起きますか。——6時半に起きます。
  • 学校の受付で、国へ帰る日を伝える。7月25日に国へ帰ります。
  • 学校の受付で、国から日本へもどる日を伝える。9月3日に日本へ来ます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、時のことばのカードを出し、学習者が「に」をつけるかどうかを判断して動詞と一緒に言う。慣れたら「毎朝」と「6時」の2枚を組み合わせて「毎朝、6時に起きます」を言わせ、最後に自分の時間割で一日を話す。

  1. 口頭時のことばのカードを1枚ずつ出し、学習者が「に」をつけるかどうかを判断して動詞と一緒に言う。キューの例は ①7時+起きます ②明日+行きます ③8月10日+帰ります ④毎晩+勉強します。正しく言えたカードは黒板の2列(に あり/なし)に貼っていく。
  2. ペアA は時計の絵(時刻つき)と動作の絵を組にしたカードを持ち、B が「何時に〜ますか」と聞いて答えを聞き取り、時間割の表に書き込む。5枚で交替し、最後に表とカードを見比べる。
  3. 産出「一日の時間割づくり」: 自分のふだんの一日を時間割の表に書き、「毎朝、〜時に起きます」「〜時に寝ます」のように、時刻を入れて5文以上で話す。教師は時刻のあとの「に」が落ちていないかと、「毎〜」「明日」に「に」をつけていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*毎日に勉強します」「*明日に行きます」と、つけない語にも「に」をつける。黒板の2列に分けたカードにもどって確かめる
  • 「*7時起きます」と時刻のあとの「に」を落とす。時刻と動詞のあいだの「に」を赤で書いた板書を残しておく
  • 第1課の「誕生日はいつですか」の答えと混ぜて「*誕生日は4月20日にです」と言う。名詞文の「です」の前には「に」が入らないと、名詞文と動詞文を並べて見せる

既習の文型との違い

  • いつ/〜はいつですか/〜月〜日(第1課)第1課の「誕生日は4月20日です」は名詞の文なので「に」は入りません。動詞の文で「4月20日に帰ります」のときに「に」が入ります。また「いつ」には「に」をつけず「*いつに帰りますか」とは言わないので、「いつ」は「毎日」と同じ列に貼ります。
  • [時間]から[時間]までです(第3課)「から」「まで」は始まりと終わりの幅、「に」は動作が起きる一点の時刻です。「6時に起きます」と「9時から5時まで働きます」を並べ、時間割の上の点と線の違いとして見せます。
関連する文型
学習項目 5 [時間]から[時間]までVます

意味・はたらき

ST1 の「〜から〜まで」を動詞文に入れ、動作が続く時間の幅を言います。「9時から5時まで働きます」のように、アルバイトや授業の時間を話すのに使います。この形のときは、時刻のあとに「に」はつけません。

接続

[時間]+から+[時間]+まで+V

形
9時から5時まで働きます月曜日から金曜日まで学校へ行きます午後7時から9時まで勉強します

導入

  • 時間割に帯を引く黒板の時間割に、教師が午後5時から10時まで色の帯を引き、コンビニの絵を添えて「5時から10時までコンビニで働きます」と言う。ST1 の「図書館は午前9時から午後7時までです」の板書を横に残し、後ろが「です」から動詞に変わっただけだと並べて見せる。

板書案

[時間]から [時間]まで + V ます
9時から 5時まで 働きます。
〔赤〕から・まで のあとに「に」はつけない
〔青〕月曜日から 金曜日まで、 午後6時から 10時まで 働きます。(大→小)

場面と発話(自作)

  • アルバイトの面接で、働ける時間を伝える。月曜日から金曜日まで、午後6時から10時まで働きます。
  • クラスメートに、毎晩の勉強の時間を話す。毎晩、8時から10時までうちで勉強します。
  • 地域の日本語教室の人に、教室に来る時間を伝える。毎週、土曜日の10時から12時まで、ここで勉強します。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、時間割に帯を引いたカードを見せて「〜から〜まで〜ます」を言わせる。次にペアで自分の時間割を見せ合い、「何時から何時まで働きますか」と聞いて相手の帯を自分の表に写させる。

  1. 口頭時間割に帯を引いたカードを見せて「〜から〜まで〜ます」を言わせる。キューの例は ①9:00〜15:00+教科書=勉強します ②18:00〜22:00+レジ=働きます ③月〜金+学校の絵 ④20:00〜22:00+机=うちで勉強します。慣れたら曜日の帯と時刻の帯を重ねたカードで2段の文にする。
  2. ペアA は自分のアルバイトの時間割カードを持ち、B が「何曜日から何曜日まで働きますか」「何時から何時までですか」と聞いて、白い時間割に帯を書き込む。終わったら見比べて交替する。
  3. 産出「アルバイトの面接ロールプレイ」: 教師(または学習者)が店長の役になり、「何曜日から何曜日まで働きますか」「何時から何時まで働きますか」と聞く。学習者は自分で決めた働ける時間を、曜日と時刻の両方を入れて答える。教師は曜日→時刻の順で言えているか、「*までに」「*にから」がないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*5時から10時までに働きます」と「まで」のあとに「に」を足す。「までに」は別の意味(締め切り)になるので、この課では「まで」で止めると確かめる
  • 「*5時にから」と「[時間]に」と重ねる。「から」「まで」がつくときは「に」はつけないと、2つの板書を並べて見せる
  • 曜日と時刻を両方言うとき、「*午後6時から月曜日から10時まで金曜日まで」のように混ぜる。大きい単位(曜日)を先に、時刻を後に、と2段の枠で見せる

既習の文型との違い

  • [時間]から[時間]までです(第3課)ST1 では「〜から〜までです」と名詞の文で施設の時間を言いました。ここでは「です」の位置に動詞が入り、だれが何をする時間かまで言えます。「図書館は9時から7時までです」と「わたしは9時から7時まで図書館で勉強します」を並べて、文の主役が施設から人に変わることを見せます。
  • [時間]に(第3課)「6時に起きます」は一点、「6時から10時まで働きます」は幅です。両方を覚えた学習者が「*6時にから」と重ねるので、点の時刻は「に」、幅の時刻は「から・まで」と、時間割の上に点と帯を描き分けます。
関連する文型
学習項目 6 どこへも行きません

意味・はたらき

「どこへも」のあとに「行きません」を続けると、「どこにも行かない」という全部の否定になります。「何もVません」の場所の版で、週末や休みの日を聞かれて「どこへも行きません」と答えれば、家で過ごすことが伝わります。「へ」と「も」が重なった形のまま覚えさせます。

接続

どこへも+行きません/来ません/帰りません

形
どこへも行きません日曜日はどこへも行きません

導入

  • 地図の矢印を消すST2 で地図に引いた「大阪へ行きます」の矢印を消し、教師が家の絵を指して首を振り「日曜日はどこへも行きません。うちで映画を見ます」と言う。板書では「何も 〜ません」の下に「どこへも 行きません」を並べ、2つが同じ形だと見せる。

板書案

どこへ 行きますか。 ― どこへも 行きません。
どこ + へ + も + 行きません
〔赤〕何も しません / どこへも 行きません(全部の否定)
〔青〕どこへも … ません(最後はいつも「ません」)

場面と発話(自作)

  • 日本人の友達に、週末の予定を聞かれる。週末はどこへ行きますか。——どこへも行きません。
  • 冬休みの前に、クラスメートに休みの予定を話す。冬休みはどこへも行きません。うちで勉強します。
  • アルバイト先の店長に、休みの日に出かけるか聞かれる。日曜日はどこへも行きません。うちで寝ます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、「どこへ行きますか」と聞き、地名カードを引いた学習者は「〜へ行きます」、家の絵を引いた学習者は「どこへも行きません」と答える。最後に ST3 の週末の話で、「何もしません」と組にして言わせる。

  1. 口頭「どこへ行きますか」と聞き、学習者がカードを引いて答える。キューの例は ①地名カード(京都)=京都へ行きます ②家の絵=どこへも行きません ③国旗のカード=国へ帰ります ④家の絵+テレビ=どこへも行きません。うちでテレビを見ます。家の絵のときは、何をするかも1文足させる。
  2. ペアA は曜日ごとに行き先(または家の絵)を書いた週末カードを持ち、B が「〜曜日はどこへ行きますか」と聞く。家の絵の日は「どこへも行きません」と答え、続けて「何をしますか」にも答える。交替して同じように。
  3. 産出「休みの日アンケート」: 「今度の日曜日はどこへ行きますか」「何をしますか」の2つをクラスの4人に聞いて表にし、出かける人と出かけない人を数えて報告する。教師は「*どこもへ」の語順、「どこへも」「何も」のあとが必ず「ません」か、出かけない人が続けて何をするか言えているかを見る。

つまずきと手当て

  • 後ろを肯定にして「*どこへも行きます」と言う。「何も」と同じく、最後は必ず「ません」と確かめる
  • 「*どこもへ行きません」と「も」と「へ」の順序を逆にする。「どこへ」に「も」が後ろからつくと、カードを1枚ずつ足して見せる(話し言葉では「どこも行きません」と言う人もいるが、ここでは「どこへも」で練習する)
  • 「*どこへも働きません」「*どこへも勉強しません」と、移動でない動詞に使う。「へ」は行きます・来ます・帰りますと一緒に使う形なので、この形もその3つの動詞で練習すると確かめる

既習の文型との違い

  • 何もVません(第3課)「何も」は するもの が一つもないこと、「どこへも」は 行く先 が一つもないことを言います。形はどちらも「疑問のことば+(助詞)+も+ません」ですが、「何も」は「を」が消え、「どこへも」は「へ」が残る、という違いを並べて見せます。
  • [場所]へ(第3課)「どこへ行きますか」に場所を答えるときは「〜へ行きます」、行く先がないときは「どこへも行きません」です。質問の「どこへ」をそのまま残し、後ろに「も」を足すだけと、カードを1枚ずつ足して見せます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の語は、時刻(〜時・〜分・半・午前・午後)、曜日、時のことば(毎日・毎朝・毎晩・明日・来週など)、生活の動詞(起きる・寝る・食べる・飲む・働く・勉強する・行く・来る・帰る)、施設と学校の行事の5つのかたまりに分かれます。時刻と曜日は時計の模型とカレンダー、動詞は絵カードで、どれも「〜から〜まで」「〜を〜ます」の文の形の中で使わせます。動詞はこの課では「ます」の形のまとまりとして覚えさせ、動詞のグループ分けには入りません。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 起きます(おきます) 寝ていた人が目をさまして、ふとんやベッドから出る。 6時に〜・毎朝〜・早く〜
    日本人の友達に、毎朝のことを聞かれる。
    毎朝、6時に起きます。
  • 寝ます(ねます) 一日の終わりに、ふとんやベッドで眠る。 12時に〜・毎晩〜・うちで〜
    クラスメートに、夜のことを話す。
    毎晩、12時に寝ます。
  • 働きます(はたらきます) お店や会社で、仕事をする。 コンビニで〜・〜時から〜時まで〜・土曜日に〜
    アルバイト先の店長に、働く時間を伝える。
    土曜日は午後5時から10時までコンビニで働きます。
  • 勉強します(べんきょうします) 知らないことを覚えたり、練習したりする。 日本語を〜・図書館で〜・毎晩〜
    日本語学校の先生に、試験の前のことを聞かれる。
    毎晩、図書館で漢字を勉強します。
  • 帰ります(かえります) 自分のうちや国へもどる。 国へ〜・うちへ〜・8月に〜
    クラスメートに、夏休みの予定を話す。
    8月は国へ帰ります。
  • 行きます(いきます) 今いるところから、ほかのところへ動く。 学校へ〜・大阪へ〜・どこへも〜ません
    日本人の友達に、週末の行き先を聞かれる。
    日曜日は横浜へ行きます。
  • 休み(やすみ) 学校や店が開いていない日、または仕事や授業がない日。 〜は何曜日・夏〜・昼〜
    スーパーに電話して、閉まっている日を聞く。
    休みは何曜日ですか。——水曜日です。
  • 午後(ごご) 昼の12時からあとの時間。時刻の前につける。 〜3時・〜は〜時まで
    病院の受付で、午後の時間を聞く。
    午後は2時から6時までです。
  • 毎朝(まいあさ) どの日の朝も。くり返すことを言うときに使い、「に」はつけない。 〜起きます・〜食べます
    ホームステイ先の家族に、朝ごはんのことを聞かれる。
    毎朝、パンや果物などを食べます。
  • 週末(しゅうまつ) 週の終わりの土曜日と日曜日。 〜の予定・〜は何もしません
    アルバイト先の人に、休みの日のことを聞かれる。
    週末は何もしません。
  • アルバイト(あるばいと) 学生などが、学校の時間のほかにお金をもらって働くこと。 〜をします・〜は何時から
    クラスメートに、毎週の予定を話す。
    火曜日から金曜日までアルバイトをします。
  • 図書館(としょかん) 本を読んだり借りたりできる、町や学校の建物。 〜で勉強します・〜は何時まで
    市の図書館に電話して、開いている時間を聞く。
    すみません。図書館は何時から何時までですか。

宿題と次のコマ

宿題は、自分のふだんの一日(起きる時間・学校・アルバイト・寝る時間)と、今度の週末の予定を、それぞれ3文ずつ書いてくること。次のコマの最初に、書いた一日をペアで読み合って時間割の表を作らせ、そのあと第4課の ST1「どこ?」に入ります(この課の「〜から〜まで」が、第4課の「[場所]から[場所]までどのくらいですか」に場所の形でつながります)。

よくある質問

  • 『できる日本語 初級』第3課「スケジュール」は何コマで終わりますか?

    90分なら3コマが目安です。1コマ目に導入と ST1(時刻・曜日・〜から〜までです)、2コマ目に ST2(Vます・Vません・を・へ・で)、3コマ目に ST3(習慣・に・〜から〜までVます・何も/どこへも)と課のまとめを入れます。動詞文が初めて出る課なので、ST2 は削らずに1コマ使うほうが後の課が楽になります。

  • 第3課の動詞は、グループ分けや辞書形から教えたほうがいいですか?

    この課では「ます」の形のまとまりとして覚えさせ、グループ分けや辞書形には入りません。予定と習慣を話すのに要るのは「Vます/Vません」だけなので、まず動詞の絵カードと「ます」の形を結びつけることを優先します。活用の規則は、テ形などが出る課でまとめて扱うほうが負担が少なくなります。

  • 行き先の「へ」と「に」は、どちらで教えればいいですか?

    この課の学習項目は「[場所]へ」なので、練習は「へ」で通します。学習者が「国に帰ります」と言っても誤りではないので直さず、「この課ではへで練習します」と伝えるだけにします。「へ」は読みが「え」になることを、「は(わ)」と並べて板書しておくと混乱が減ります。

  • 時間の「に」をつける語とつけない語は、どう見せればいいですか?

    黒板を2列に分け、「6時・4月20日」のような数字のある時のことばを「に」の列、「毎朝・今日・明日・来週・いつ」を「なし」の列に貼っていくのが分かりやすい方法です。曜日はどちらでも言えるので、列の間に置いておきます。学習者が迷ったら、その列に戻って確かめさせます。

  • 「何もしません」と「どこへも行きません」は、どう違いを教えますか?

    どちらも疑問のことばに「も」をつけて全部を否定する形で、「何も」はするもの、「どこへも」は行く先がないことを言います。形の違いは助詞で、「何を」の「を」は消えて「何も」、「どこへ」の「へ」は残って「どこへも」になります。2つを並べて板書し、後ろが必ず「ません」になることも一緒に押さえます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。