「学生が全員来なかった」は全体否定(誰も来なかった)に読まれやすく、「全員は来なかった」は部分否定(来た人もいる)になる。
ここで働いているのが「は」の対比の機能で、否定の及ぶ範囲を限定する。「あまり」「必ずしも」「全部」などと否定の組み合わせは学習者が誤解しやすく、読解でも問われる。
「宿題を全部しなかった」は一つもしなかったと読まれやすいが、「宿題を全部はしなかった」と「は」を入れると、「全部」という範囲だけが否定され、少しはしたことが伝わる。学習者に二つの文を並べ、「では、どのくらいしたのか」を問うと、「は」が否定の範囲を変えていることに気づきやすい。
「必ずしも正しいとは限らない」「あまり好きではない」のように、副詞と否定がセットになる表現は、全面的な否定ではない。読解で筆者の主張を読み取るとき、「必ずしも〜ない」を「まったく〜ない」と取り違えると、選択肢の判断を誤る。部分否定の表現は、意味の強さを数直線で示すと整理しやすい。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。