日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

できる日本語 初級 第10課「バスツアー」の教案

『できる日本語 初級 本冊 第2版』 ・ ST「集合」「いろいろな注意」「動物園で」

クラスや地域のバスツアーのように、大勢で一緒に動く一日を通して、その場で必要な短い質問をしたり、言われた注意を聞き取って動いたりできるようになる課です。ST1 は集合場所に向かう途中の電話と出発前のやり取り、ST2 は見学先での「〜てもいいですか」と「〜ないでください」、ST3 は動物園で目の前の様子を見て次の行動を言い出す場面と、ツアーの時間の流れどおりに並んでいます。第7課のテ形・第9課の辞書形に続いてナイ形が入り、第9課の「〜ことができます(能力)」は ST3 で「その場所でできること」の意味に広がります。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面、やり取りの例はすべて自作です。課・ST の題と学習項目の表記は出版社のシラバス一覧(第2版)に合わせています。
学習項目11時間90分×3コマ場面3

この課のねらい(Can-do)

  • 集合場所への道を電話で聞きながら向かい、出発前に済ませたかどうかを聞いたり答えたりできる
  • 見学先で「〜てもいいですか」と許可を求め、「〜ないでください」という注意を聞き取って従える
  • 目の前の様子や変化を言って一緒に何かをしようと持ちかけ、施設で何ができるかを尋ねられる

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)10分第9課の「Vることができます(能力)」で「泳ぐことができますか」などを数人に聞いてから、バスツアーのチラシ(行き先・集合時間・持ち物を書いた自作のもの)を配り、「土曜日にみんなでバスツアーに行きます」と一日の流れを黒板に時刻つきで書く
ST1 集合80分教師が電話をかけるまねで「今、何が見えますか」→「Nが見えます/聞こえます」→ 地図で「道をまっすぐ」「橋を渡ります」の「を」→ 出発前の確認で「もう〜ましたか/まだ〜ていません」→「〜てきます」。地図カードで道案内の電話のロールプレイ
ST2 いろいろな注意90分見学先の絵(お寺・美術館・バスの中)で「〜てもいいですか」→ 動詞のナイ形の作り方 →「〜ないでください」→ 注意の文の前に名詞を出す「Nは」。注意のマーク(カメラに×など)を見て、ガイドと客の役で聞き合う
ST3 動物園で60分動物園の絵で「パンダが寝ていますよ」と見つけたことを言う「〜が(Vています)」→ 案内板で「ここで〜ことができます」→ 天気や時間の変化「寒くなりました」「3時になりました」。様子を言って「〜ませんか」と持ちかけるやり取り
課のまとめ30分黒板の一日の流れに沿って、集合の電話 → 見学先での許可と注意 → 動物園での提案を、役を替えながら通しで演じる。最後に、ツアーの注意を3つ書いた「ツアーのきまり」カードを各グループで作って発表する

ST1 集合

できること集合場所までの道がわからないとき、友達に電話で見えるものを伝えながら行き方を聞き、出発前に「もう〜ましたか」と確かめ合える。

場面

日曜日の朝、ツアーの集合場所の駅前に向かう途中で道がわからなくなり、先に着いている友達に電話をかける場面と、集合したあと出発までの短い時間に、済ませたことを確かめたり買い物に行ってきたりする場面です。教室では二人を背中合わせに座らせ、片方にだけ町の地図、もう片方には周りの絵を持たせて、見えるものを言い合って道を探す電話の設定を作ります。

  • 留学生:もしもし。すみません、道がわかりません。
  • 日本人の友達:今、何が見えますか。
  • 留学生:大きい銀行が見えます。
  • 日本人の友達:じゃ、その銀行の前の道をまっすぐ来てください。
  • 留学生:はい。……あ、バスが見えます。
  • 日本人の友達:よかった。朝ご飯はもう食べましたか。
  • 留学生:いいえ、まだ食べていません。
  • 日本人の友達:出発まで15分ありますから、コンビニで何か買ってきてください。
学習項目 1 もうVましたか(完了)/まだVていません

意味・はたらき

「もうVましたか」は、ある時点までにその動作が済んだかどうかを尋ねる言い方です。済んでいれば「はい、もうVました」、済んでいなければ「いいえ、まだVていません」と答え、短く「いいえ、まだです」とも言えます。集合のあとや出発前に、食事・トイレ・切符などを済ませたかを確かめ合うのに使います。第6課の「もうVました(経験)/まだです」と形は似ていますが、ここでは「この先する予定のことが、今の時点で済んでいるか」に焦点があります。

接続

もう+Vました(か)/まだ+Vて形+いません

形
もう朝ご飯を食べましたかはい、もう食べましたいいえ、まだ食べていませんいいえ、まだです

導入

  • 出発前のチェック表黒板に「出発前にすること」として「朝ご飯を食べる」「トイレに行く」「切符を買う」の3つを絵で描き、教師が自分の分に○と×をつけてから「朝ご飯はもう食べました」「切符はまだ買っていません」と言う。学習者に「もう朝ご飯を食べましたか」と聞いて答えを引き出し、板書を「もう Vましたか」「はい、もう Vました」「いいえ、まだ Vていません」の3行にする。「まだ」の行は「Vていません」に赤線を引く。

板書案

もう + Vましたか
はい、もう 食べました。
いいえ、まだ 食べて いません。 〔赤〕Vて+いません
いいえ、まだです。
〔青〕時間の線:済んだ ○/まだ ×(今の位置に印)

場面と発話(自作)

  • 集合場所で、ツアーの係の人が参加者に確かめる。切符はもう買いましたか。——いいえ、まだ買っていません。
  • 出発の5分前、友達に聞く。もうトイレに行きましたか。——はい、もう行きました。
  • 昼休みに、クラスメートに宿題のことを聞く。もう宿題を出しましたか。——いいえ、まだです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、動作の絵カードに○か×を書いておき、教師が「もう〜ましたか」と聞いて、○なら「はい、もう〜ました」、×なら「いいえ、まだ〜ていません」と答えさせる(「まだです」も混ぜる)。そのあと、出発前のチェック表を一人ずつ持ち、ペアで聞き合って相手の表に○×をつけ、最後に「〜さんはまだ〜ていません」とグループに報告させる。

  1. 口頭「朝ご飯」「トイレ」「切符」「お茶を買う」の絵カードに○か×をつけて見せ、教師が「もう〜ましたか」と全体に、次に個人に聞く。キューの例: ○の朝ご飯→「はい、もう食べました」、×の切符→「いいえ、まだ買っていません」、×のお茶→「いいえ、まだです」。○×を見ずに答えられるまで速度を上げる。
  2. ペア出発前チェック表(5項目)を A・B が別々に持ち、自分の表にだけ○×をつけておく。相手に「もう〜ましたか」と聞いて相手の欄を埋める情報差の練習にし、終わったら表を見せ合って確かめ、別の表で交替する。
  3. 産出「出発前チェック」: グループで係の人役を一人決め、ほかの参加者に「もう〜ましたか」と確かめ、まだの人には「じゃ、〜てきてください」と言う。最後に係の人が「〜さんはまだ〜ていません」と教師に報告する。教師は「まだ〜ませんでした」の誤りと、「いいえ」のあとに「まだ」が来ているかを見る。

つまずきと手当て

  • 済んでいないことを「*いいえ、まだ食べませんでした」と言う。母語で過去形を使う学習者に多い。「〜ませんでした」は「(そのとき)しなかった」、まだ済んでいないなら「まだ〜ていません」と、時間の線を描いて今の位置に印をつけて見せる
  • 「はい、もう食べています」と、済んだことにも「〜ています」を使う。済んでいれば「もう〜ました」だけ、と板書の3行を指して確かめる
  • 「いいえ、もう食べていません」と「もう」と「まだ」を取り違える。「いいえ」のあとは「まだ」と、カードの×の横に「まだ」と書いておく

既習の文型との違い

  • もうVました(経験)/まだです(第6課)第6課では、誘われたことをすでにしたかどうかを「もう見ました」「まだです」で答えました。この課では、これから済ませる予定のこと(食事・切符・トイレ)が今の時点で済んだかを確かめ、「いいえ」の側に「まだ〜ていません」が加わります。第6課の「まだです」だけで答えていた学習者には、この課で長い形も言えるようにします。
  • Vています(動作の進行)(第7課)「まだ食べていません」の「〜ていません」は、今の時点でまだ済んでいないことで、食べている最中かどうかの話ではありません。第7課の「今、食べています」と形が同じなので、「食事中ではない」という意味に取る学習者がいます。時間の線で、進行は今の位置の上の波線、未完了は今より右に残った×と描き分けます。
関連する文型
学習項目 2 Vてきます

意味・はたらき

「Vてきます」は、ある場所へ行って何かをし、また今の場所に戻ってくることを表します。集合のあとや出発前に「ちょっとトイレに行ってきます」「飲み物を買ってきます」と言うと、すぐ戻るつもりだと周りに伝わるので、大勢で動くときに欠かせない一言です。第5課の「〜へ〜に行きます」は行くことに重点があり、「Vてきます」は戻ってくることまで含みます。

接続

Vて形+きます

形
トイレに行ってきます飲み物を買ってきますちょっと見てきます買ってきてください

導入

  • 教室を出て戻ってくる教師が「ちょっと水を買ってきます」と言って教室のドアから出ていき、ペットボトルを持って戻ってくる。黒板に今いる場所(教室)とコンビニを描き、行きの矢印と帰りの矢印を描いて「買って+きます」と書く。続けて学習者に「〜さん、ちょっとあの紙を取ってきてください」と頼み、実際に取って戻ってきてもらう。

板書案

Vて + きます 〔赤〕行って、もどる
ちょっと トイレに 行って きます。
飲み物を 買って きます。
〔青〕教室 →(行く)→ コンビニ →(もどる)→ 教室 の往復の矢印

場面と発話(自作)

  • 出発の前に、ツアーの係の人に一言言う。すみません、ちょっとトイレに行ってきます。
  • 集合場所で、友達が飲み物を持っていないのに気づく。わたしがお茶を買ってきます。
  • 雨が降っていて、友達が傘を持っていない。バスに傘があります。わたしが取ってきます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、「トイレに行く」「飲み物を買う」「地図をもらう」などの絵カードを見せて「ちょっと〜てきます」を言わせる。次に、教室の中に「売店」「案内所」のカードを置き、学習者が「〜てきます」と言ってその場所まで歩き、物を持って戻ってくる動作つきで練習する。最後に ST1 のやり取りの最後に「〜てきます」を入れる。

  1. 口頭「トイレ」「飲み物」「地図」「傘」の絵カードを見せ、全体で「ちょっとトイレに行ってきます」「飲み物を買ってきます」「地図をもらってきます」「傘を取ってきます」と言う。次に個人に当て、テ形でつまずいたらカードの裏の「行って」「買って」を見せてから言い直させる。
  2. ペアA がツアーの係の人、B が参加者。B が用事のカードを1枚引いて「すみません、ちょっと〜てきます」と言い、A は「はい。集合は9時ですよ」と時刻を伝える。カード4枚で役を交替する。
  3. 産出「ちょっと行ってきますリレー」: 教室の四隅に「売店」「案内所」「トイレ」「バス」のカードを置き、学習者が自分で行き先と用事を決めて「売店に行って、お茶を買ってきます」と言ってから歩いて戻る。戻ったら「お茶を買ってきました」と報告して次の人に渡す。教師は、一言言わずに出ていかないか、テ形の音便が正しいかを見る。

つまずきと手当て

  • 「ちょっとトイレに行きます」で止めて、周りに戻ってくるのかどうかが伝わらない。大勢で動く場面では「行ってきます」と言うと待ってもらえる、と場面の中で確かめる
  • 「飲み物を買いにきます」と「〜に来ます」と混ぜる。「〜に来ます」はここに来ること、「〜てきます」は行って戻ること、と黒板の矢印の向きで見せる
  • テ形を「*買いてきます」「*行きてきます」と作る。第7課のテ形の作り方を板書の隅に戻して、「買って」「行って」を先に言わせてから「きます」をつける

既習の文型との違い

  • 〜へ〜に行きます(第5課)「お茶を買いに行きます」は出かけることを言い、戻ってくるかどうかまでは言いません。「お茶を買ってきます」は、行って用事を済ませ、今の場所に戻るところまで含みます。集合場所でどちらを言うかで待ってもらえるかが変わる、と場面の中で比べさせます。
  • Vて、〜(第9課)「買って、来ます」と間を入れて言うと、買ったあとでここへ来るという二つの動作の並びになります。「買ってきます」は一続きに言い、意味の中心は「行って戻る」です。音読では「て」のあとで切らずに続けて言わせると区別がつきます。
関連する文型
学習項目 3 Nが見えます/Nが聞こえます

意味・はたらき

「見えます」「聞こえます」は、見ようとしなくても目に入る、聞こうとしなくても耳に入ることを表し、見えるもの・聞こえるものには「が」をつけます。道に迷って電話するとき「今、銀行が見えます」「電車の音が聞こえます」と言えば、相手に今いる場所の手がかりを伝えられます。自分から見る・聞く「Nを見ます/聞きます」とは、助詞もはたらきも違います。文法の用語では、話す人の意志に関係なく起こることを表す無意志動詞で、「見る」「聞く」とは別の語として扱います。

接続

N+が+見えます/聞こえます

形
大きい銀行が見えます何が見えますか電車の音が聞こえますよく聞こえません

導入

  • 窓の外を見る・目を閉じて聞く教師が窓を開けて「あ、木が見えます。車も見えます」と言い、次に全員に目を閉じさせて「何が聞こえますか」と聞く。「車の音」「人の声」などを引き出して「車の音が聞こえます」と言い直す。板書は「[ ]が 見えます」「[ ]が 聞こえます」とし、横に「テレビを 見ます」「音楽を 聞きます」を並べて、助詞の「が」と「を」を色分けする。

板書案

[ ]が 見えます/聞こえます 〔赤〕が
大きい 銀行が 見えます。
電車の 音が 聞こえます。
〔青〕くらべる:テレビを 見ます/音楽を 聞きます(〔青〕を)

場面と発話(自作)

  • 集合場所がわからず、友達に電話で今いる場所を伝える。今、駅の前です。大きいデパートが見えます。
  • バスの中で、ガイドの声が後ろの席まで届かない。すみません、よく聞こえません。
  • バスの中で、窓の外を見て友達に言う。あ、海が見えますよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、町の絵を見せて「何が見えますか」「〜が見えます」をくり返し、音のクイズ(教師が手をたたく・紙を破るなど)で「〜が聞こえます」を言わせる。そのあと背中合わせの電話の設定で、絵を持っている人が見えるものを言い、地図を持っている人が相手の場所を当てる。

  1. 口頭町の絵を紙で隠して少しずつ見せ、教師が「何が見えますか」と聞いて全体で「〜が見えます」と答える。キューの例: 銀行の絵→「銀行が見えます」、橋の絵→「橋が見えます」、手をたたく音→「手をたたく音が聞こえます」、電車の音の録音→「電車の音が聞こえます」。個人に当てて「が」が落ちないかを確かめる。
  2. ペア背中合わせの電話にする。A は町の絵(見えるもの3つに印)、B は同じ町の地図を持つ。A が「今、〜が見えます。〜も見えます」と言い、B が地図で A のいる所を探して「〜の前ですね」と答える。当たったら交替する。
  3. 産出「電話で道さがし」: 教室の窓や廊下で、本当に見えるもの・聞こえるものを3つメモしてから戻り、電話のつもりで「今、わたしは〜にいます。〜が見えます。〜が聞こえます」と言う。ほかの人がその場所を当てる。教師は「を見えます」の誤りと、「聞こえません」と「聞きません」の区別を見る。

つまずきと手当て

  • 「*銀行を見えます」と「を」を使う。「見ます」の「を」が残るため。板書の色分けで「見えます」の前はいつも「が」と確かめる
  • 見学のときに「*パンダを見えますか」と、見せてもらえるかの意味で使う。それは ST3 の「見ることができますか」で言う、と次の ST につなげておく
  • 「よく聞きません」と、聞こえないことを「聞きません」と言う。「聞きません」は聞くつもりがないことになってしまうので、耳に手を当てる動作と一緒に「聞こえません」を練習する

既習の文型との違い

  • 〜をVます(第3課)「テレビを見ます」「音楽を聞きます」は自分からする動作で、目的のものに「を」がつきます。「見えます」「聞こえます」は自然に目や耳に入ることで、入ってくるものに「が」がつきます。動詞が似ているので「*銀行を見えます」と「を」が残りやすく、二つを左右に並べて助詞を色分けすると防げます。
  • [場所]に〜があります(第4課)「駅の前に銀行があります」は、そこに何があるかという事実で、地図を見ながらでも言えます。「銀行が見えます」は、話す人が今その場で見ていることを言います。電話で自分の居場所を伝えるときは「見えます」が手がかりになる、と場面で区別します。
関連する文型
学習項目 4 [場所]を

意味・はたらき

「を」は動く動作といっしょに使うと、通っていく場所や、出ていく・降りる場所を表します。「道をまっすぐ行きます」「橋を渡ります」「公園を通ります」のように、道を教えたり教わったりするときに必ず出てくる形です。「バスを降ります」「駅を出ます」のように、そこから離れる場所にも「を」を使います。「渡る」「通る」のように「を」の前に通る場所が来る動詞は、試験では格助詞「を」の用法(移動の経路・起点)として問われます。

接続

[場所]+を+移動の動詞(行きます・渡ります・通ります・曲がります・降ります・出ます)

形
この道をまっすぐ行きます橋を渡ります二つ目の角を右へ曲がりますバスを降ります

導入

  • 床の地図の上を歩く教室の床にテープで道・橋・角を作り、教師がその上を歩きながら「この道をまっすぐ行きます」「橋を渡ります」「角を右へ曲がります」と言う。板書は道の絵の上に矢印を重ねて「道を」「橋を」と書き、「を」を矢印の上に置く。降りる・出るは、いすを並べたバスから降りる動作で「バスを降ります」と見せる。

板書案

[場所]を + 行きます/渡ります/通ります/曲がります
この 道を まっすぐ 行きます。
橋を 渡って ください。
〔赤〕を=通っていく所(矢印の上) 〔青〕で=止まって何かする所(丸)
バスに 乗ります ⇔ バスを 降ります

場面と発話(自作)

  • 集合場所まで、友達に電話で道を教えてもらう。その道をまっすぐ来てください。橋を渡ってください。
  • ツアーのガイドが、降りる場所を案内する。次の駐車場でバスを降ります。
  • 日本人の友達に、駅からの道を説明する。駅を出て、二つ目の角を右へ曲がってください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、地図の絵を指しながら教師が「道」「橋」「角」「公園」のカードを出し、学習者が「〜を行きます/渡ります/曲がります/通ります」をつけて言う。慣れたら「Vてください」をつけて道案内の指示にし、床の地図の上を一人が歩き、もう一人が電話のつもりで指示を出す。

  1. 口頭床のテープの地図の横で、教師が「道」「橋」「角」「公園」「バス」のカードを出し、全体で「道をまっすぐ行きます」「橋を渡ります」「角を右へ曲がります」「公園を通ります」「バスを降ります」と動詞までつけて言う。次にカードと手の動き(まっすぐ・曲がる・降りる)だけをキューにして個人に当てる。
  2. ペアA は道順の線を引いた地図、B は線のない同じ地図を持つ。A が電話のつもりで「駅を出て、まっすぐ行ってください。橋を渡ってください」と指示し、B が指で道をたどって着いた所を言う。合っていれば別の地図で交替する。
  3. 産出「わたしの町の道案内」: 学校の最寄り駅から教室まで、または自分の家から近くの店までの道を簡単な地図にし、3〜4文で説明する。聞く人は地図を見ないで道を描き、最後に地図を重ねて確かめる。教師は「を」と「で」「に」の取り違えと、曲がる場所(角を)と向き(右へ)を分けて言えているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*道でまっすぐ行きます」「*橋に渡ります」と別の助詞を使う。「で」は動作をする場所、「を」は通っていく場所、と床の地図の上を「止まって何かする」「通りすぎる」の二通りで歩いて見せる
  • 「*バスに降ります」と「乗ります」の「に」をそのまま使う。「バスに乗ります」「バスを降ります」を対にして板書し、乗る・降りるの動作で何度もくり返す
  • 曲がる方向まで「*右を曲がります」と言う。曲がる場所は「角を」、向きは「右へ」と、二つを分けて板書する

既習の文型との違い

  • [場所]で(第3課)「公園で遊びます」の「で」は、その場所にとどまって動作をすることを表します。「公園を通ります」の「を」は、その場所を通りすぎていくことです。同じ場所の名詞に両方がつくので「*道でまっすぐ行きます」のように混ぜやすく、床の地図で「止まる」と「通りすぎる」を歩き分けて見せます。
  • [場所]へ(第3課)「駅へ行きます」の「へ」は行き先(着く所)、「この道を行きます」の「を」は途中で通る所です。「この道を通って、駅へ行きます」と一つの文に両方入ることもあるので、矢印の先が「へ」、矢印の上が「を」と板書で位置を分けます。
関連する文型

ST2 いろいろな注意

できること見学先などの人が大勢いる場所で、してもいいかどうかを尋ね、係の人やガイドの注意を聞き取ってそのとおりに動ける。

場面

バスツアーで立ち寄ったお寺や美術館、またバスの中で、写真や食べ物・荷物について、してもいいかを係の人やガイドに聞く場面です。教室ではカメラ・飲み物・たばこ・携帯電話などに○か×をつけた注意のマークを貼り、ガイド役と客役に分かれて、マークを見ながら聞く・答える、を交代で行います。

  • 留学生:すみません、ここで写真を撮ってもいいですか。
  • 係の人:はい、いいですよ。でも、中では撮らないでください。
  • 留学生:わかりました。
  • 留学生:あのう、かばんはバスに置いてもいいですか。
  • ガイド:はい、いいですよ。でも、パスポートと財布は置かないでください。
  • 留学生:はい、わかりました。
学習項目 1 Vてもいいですか

意味・はたらき

「Vてもいいですか」は、その場所でしてもいいかどうか、相手に許可を求める言い方です。見学先や乗り物の中など、きまりがわからない場所で、係の人やガイドに聞くときに使います。答えは「はい、いいですよ」「どうぞ」、だめなときは第6課の「〜はちょっと…」や、このあと習う「〜ないでください」で返ってくることが多いので、両方を聞き取れるようにします。

接続

Vて形+もいいですか

形
写真を撮ってもいいですかここに座ってもいいですかはい、いいですよ/どうぞすみません、写真はちょっと…

導入

  • 教師に許可をもらう教師が学習者の机の上のペンを指して、取る前に「このペン、使ってもいいですか」と聞き、「はい」と言ってもらってから使う。次に教室の窓を指して「窓を開けてもいいですか」と学習者に聞かせ、教師が「どうぞ」と答える。板書は「Vて + もいいですか」とし、答えの「はい、いいですよ」「どうぞ」「〜はちょっと…」を下に並べる。

板書案

Vて + もいいですか 〔赤〕許可をもらう
ここで 写真を 撮っても いいですか。
→ はい、いいですよ。/どうぞ。
→ すみません、写真は ちょっと…。
〔青〕上に並べる:Vて + ください(だれが するか の矢印)

場面と発話(自作)

  • お寺の庭で、係の人に聞く。すみません、ここで写真を撮ってもいいですか。
  • バスの中で、ガイドに聞く。窓を開けてもいいですか。——どうぞ。
  • 美術館の入り口で、飲み物を持って入れるか聞く。これを持って入ってもいいですか。——すみません、飲み物はちょっと…。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、カメラ・いす・窓・飲み物などの絵カードを見せて「〜てもいいですか」を作らせる。次に注意のマーク(○か×)を教師だけが見て答え、○なら「はい、いいですよ」、×なら「すみません、〜はちょっと…」と返す。最後に、ガイド役と客役に分かれて、見学先の絵を見ながら聞き合う。

  1. 口頭教師がカメラ・窓・いす・飲み物・ペンの実物や絵を一つずつ持ち上げ、全体で「写真を撮ってもいいですか」「窓を開けてもいいですか」「ここに座ってもいいですか」と言わせる。個人に当てるときは、教師が「どうぞ」と「〜はちょっと…」を半々で返し、学習者は答えを聞いて動く(座る・座らない)まで行う。
  2. ペアA はガイド役で、○×のついた注意の一覧を持つ。B は見学先の絵だけを見て、したいことを3つ「〜てもいいですか」で聞く。A は一覧を見て答え、B は○×を自分の絵に書き込む。終わったら一覧と見比べて確かめ、役を交替する。
  3. 産出「見学先で聞いてみよう」: グループで見学先(お寺・美術館・動物園・バスの中)を一つ選び、客がしたいことを自分たちで考えて、係の人とのやり取りを作って演じる。「ありがとうございます」「わかりました」で終えるところまで入れる。教師はテ形の作り方と、許可を求めたいのに予定を聞く形(〜ますか)になっていないかを見る。

つまずきと手当て

  • テ形を「*撮りてもいいですか」「*座りてもいいですか」と作る。第7課のテ形の表を板書の隅に戻し、テ形を先に言ってから「もいいですか」をつける
  • 「写真を撮りますか」と、自分がしてもいいかを聞くつもりで相手の予定を聞く形にしてしまう。許可をもらうときは「〜てもいいですか」と決めて、手で相手に差し出すしぐさと一緒に言わせる
  • 「いいですよ」と言われたあとに「ありがとうございます」を言わずに黙って始めてしまう。日本では一言お礼を言ってから動くと感じがよい、と場面の中で添える

既習の文型との違い

  • Vてください(第7課)「窓を開けてください」は相手に動作を頼み、「窓を開けてもいいですか」は自分がその動作をする許可を求めます。動作をする人が相手か自分かが逆なので、窓を開けてほしいのに「窓を開けてもいいですか」と言ってしまう学習者がいます。板書で「だれが開ける?」と矢印を描き分けます。
  • Vましょうか(第7課)「窓を開けましょうか」は相手のためにすることを申し出る形です。「開けてもいいですか」は、自分がしたいことをしていいかを聞く形です。暑そうな人に言う場面と、自分が暑い場面を並べると違いが見えます。
関連する文型
学習項目 2 ナイ形活用

意味・はたらき

ナイ形は動詞の「〜ない」の形で、この課では「〜ないでください」を作るために使います。第7課のテ形・第9課の辞書形と同じく、動詞のグループで作り方が決まっています。のちに友達言葉(普通形)の否定にもなるので、ここで三つのグループの作り方をしっかり身につけさせます。日本語教育ではこの形を「ナイ形」と呼び、学校文法では未然形に助動詞「ない」がついた形にあたります。

接続

1グループは「ます」の前の音を「あ」の段に変えて+ない、2グループは「ます」を取って+ない、3グループは「しない」「こない」

形
1グループ:書きます→書かない、飲みます→飲まない、買います→買わない2グループ:食べます→食べない、見ます→見ない3グループ:します→しない、来ます→こない例外:あります→ない

導入

  • 辞書形の表に1列足す第9課で作った「ます形・辞書形」の表を黒板に出し、右に「ナイ形」の列を足す。教師が首を振る動作で「書かない」「食べない」「しない」と言い、1グループは五十音表の「か・き・く」の行を指して「き」が「か」に変わることを見せる。「買います」は「あ」ではなく「わ」になることを、表の中で赤く囲む。

板書案

ます形 → ナイ形
1G:か き く → 書きます → 書かない 〔赤〕い段 → あ段
2G:食べます → 食べない(ます を とる)
3G:します → しない/来ます → こない
〔赤〕買います → 買わない(あ ではなく わ) 〔青〕あります → ない

場面と発話(自作)

  • 見学先の入り口で、係の人が注意を言う(ナイ形を「〜ないでください」の中で聞く)。中で写真を撮らないでください。
  • バスの中で、ガイドがお願いする。バスの中で食べないでください。
  • 美術館の入り口で、係の人が荷物の注意を言う。大きいかばんを持って入らないでください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、ます形の動詞カードを見せて教師が手を叩くたびにナイ形を言わせ、グループごとにまとめて回してから混ぜる。「買う」「言う」「会う」の「わ」、「来る」の「こない」、「ある」の「ない」は多めに出す。そのあと「辞書形→ナイ形」「ナイ形→ます形」と逆向きにも回す。

  1. 口頭ます形の動詞カードを出し、手をたたく合図で全体がナイ形を言う。キューの例: 「飲みます」→「飲まない」、「見ます」→「見ない」、「来ます」→「こない」、「買います」→「買わない」。グループごとに5枚ずつ回してから混ぜ、速度を上げたら個人に当てる。
  2. ペア机にナイ形を書いたカード10枚を並べ、A がます形を言い、B がそのナイ形のカードを取って声に出して読む。間違えたカードは真ん中に戻し、5枚で交替する。最後に取ったカードをます形に戻して言う逆向きも行う。
  3. 産出「バスのきまり作り」: グループでバスの中の絵を見て、してはいけないことをナイ形でカードに書き出す(食べない・立たない・大きい声で話さない など5枚)。このカードを次の「〜ないでください」の練習でそのまま使う。教師はカードを一枚ずつ見て、「わ」になる動詞と「する」「来る」を確かめる。

つまずきと手当て

  • 「買います」を「*買あない」と作る。「ます」の前が「い」の動詞(辞書形が「〜う」で終わる。買う・言う・会う・使う)は「あ」ではなく「わ」になる、と表の中の赤い囲みで確かめる
  • 「来ます」を「*きない」と読む。漢字の「来」は ます形「き」・辞書形「く」・ナイ形「こ」と読みが変わるので、ふりがなを3つ並べて書く
  • 「あります」を「*あらない」と作る。「あります」の否定は「ない」だけ、と例外として覚えさせる
  • 2グループと1グループを取り違え「*帰ない」「*見らない」と作る。「帰ります」は1グループ、「見ます」は2グループと、間違えやすい動詞をカードの色で分けておく

既習の文型との違い

  • 辞書形(第9課)グループの分け方と見せ方は辞書形と同じで、1グループだけ音の段が変わります。辞書形は「う」段、ナイ形は「あ」段(「ます」の前が「い」の動詞=辞書形が「〜う」の動詞は「わ」)になるので、五十音表の同じ行を縦に指して、ます形「き」・辞書形「く」・ナイ形「か」と並べると一目でわかります。
  • Vません(第3課)「書きません」も「書かない」も否定ですが、この課ではナイ形を一人で文の終わりに置かず、「〜ないでください」の中だけで使います。ナイ形で文を終えるのは第11課の友達言葉(普通形)からなので、丁寧な文にナイ形を持ち込む学習者には、今の段階では「〜ません」に戻させます。
関連する文型
学習項目 3 Vないでください

意味・はたらき

「Vないでください」は、相手に何かをしないように頼む言い方で、見学先の注意やバスの中のお願いでよく聞きます。学習者がまず身につけたいのは、この形を聞いてすぐに「してはいけないこと」だとわかることです。自分が言うときは、前に「すみませんが」をつけると、注意がやわらかくなります。

接続

Vナイ形+でください

形
写真を撮らないでくださいここに座らないでくださいバスの中で食べないでくださいすみませんが、たばこを吸わないでください

導入

  • 注意のマークを読むカメラに×、たばこに×、飲み物に×のマークを黒板に貼り、教師がガイドになって「ここで写真を撮らないでください」と言いながら×を指す。学習者にマークを1枚ずつ引かせて、何をしてはいけないかを母語ではなく動作で示させてから、教師が文を言い、全員でくり返す。板書は「Vない + でください」とし、上に第7課の「Vて + ください」を並べて、して欲しいこととしないで欲しいことを対にする。

板書案

Vない + でください 〔赤〕しないでほしい
ここで 写真を 撮らないで ください。
すみませんが、たばこを 吸わないで ください。
〔青〕上に:窓を 開けて ください。(してほしい)
〔赤〕×マーク ⇔ 〔青〕○マーク

場面と発話(自作)

  • 美術館の中で、係の人が注意する。すみません、絵にさわらないでください。
  • 動物園で、ガイドが説明する。動物に食べ物をあげないでください。
  • シェアハウスで、日本人の友達にお願いする。夜、大きい声で話さないでください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、×のマークを見せて「〜ないでください」を言わせ、○と×を混ぜて「〜てください」と「〜ないでください」を言い分けさせる。次に、ガイドが注意を言い、客役が聞いてその動作をやめる(カメラを下ろす・座らない)聞き取りの練習をする。最後に ST2 のやり取りで、「〜てもいいですか」に「いいですよ。でも、〜ないでください」と返す形まで入れる。

  1. 口頭×のマーク(カメラ・たばこ・飲み物・携帯電話・走る人)を1枚ずつ見せ、全体で「写真を撮らないでください」「たばこを吸わないでください」「ここで食べないでください」「電話で話さないでください」「走らないでください」と言う。○と×を混ぜて「〜てください」と言い分けさせてから、個人に当てる。
  2. ペア聞き取りを中心にする。A がガイドとして注意の文を3つ続けて言い(「〜てください」と「〜ないでください」を混ぜる)、B はその動作をする・やめる(カメラを構えるまねをやめる、座る、など)。A が動作を見て合っているか判定し、交替する。
  3. 産出「ツアーのきまりカード」: グループで行き先を一つ決め、注意を3〜4文、「〜ないでください」「〜てもいいです。でも、〜ないでください」の形で書き、ガイドとしてクラスに発表する。聞く人は一つ「〜てもいいですか」と質問する。教師はナイ形の誤りと、前に「すみませんが」をつけて言えているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*撮らなくてください」「*撮りないでください」と形を作り違える。ナイ形を先に言わせてから「でください」をつける、と板書の足し算で見せる
  • 「〜ないでください」を聞き取れず、「〜てください」と逆に受け取る。聞き取りのときは文の最後の「ないで」に注意させ、教師がわざと二つを混ぜて言って手を挙げさせる
  • 目上の人や初めて会った人に、いきなり「たばこを吸わないでください」と強く言う。「すみませんが、」を前につけると印象がやわらかくなる、と場面で添える

既習の文型との違い

  • Vてください(第7課)「Vて+ください」と「Vない+でください」はどちらも「ください」で終わるので、聞き取りで取り違えやすい組です。違いは「ください」の前が「て」か「ないで」かだけなので、文の最後まで聞くように言い、教師がわざと混ぜて言って手を挙げさせます。形を作るときは「*撮らなくてください」のように混ざるので、板書の上下に並べて足し算で見せます。
  • 〜はちょっと…(第6課)「写真はちょっと…」は、はっきり言わずに断る言い方で、聞く人が察する必要があります。「写真を撮らないでください」は、してはいけないことをはっきり伝える注意です。係の人やガイドはどちらも使うので、同じ×マークに二つの言い方を書いておき、どちらを聞いても「だめ」とわかるようにします。
関連する文型
学習項目 4 Nは(取り立て)

意味・はたらき

「Nは」は、文の中の名詞を前に取り出して、「そのことについて言うと」と話題にする言い方です。注意やきまりでは「写真は、ここで撮ってください」「中では食べないでください」のように、何についての注意かを先に言うと、聞く人にすぐ伝わります。「を」「が」のついた名詞は「は」に変わり、「に」「で」のついた名詞は「には」「では」になります。文法の用語では「は」は取り立て助詞で、格助詞の「を」「が」とは入れ替わり、「に」「で」とは重なる、という点が試験でもよく問われます。

接続

Nを・Nが → Nは/Nに → Nには/Nで → Nでは

形
写真はここで撮ってくださいかばんはバスに置いてもいいです中では食べないでくださいバスの中では大きい声で話さないでください

導入

  • 注意を「何について」から言い直す教師がガイドになって「ここで写真を撮ってください」と言ったあと、写真のカードを前に出して「写真は、ここで撮ってください」と言い直す。板書では最初の文の「写真を」を矢印で文の頭に動かし、「を」を消して「は」に書き替える。続けて「中で食べないでください」の「中で」を前に出し、「で」を残したまま「は」を足して「中では」にする。

板書案

写真を 撮らないで ください。
→ 写真は 撮らないで ください。 〔赤〕を を消して は
中で 食べないで ください。
→ 中では 食べないで ください。 〔青〕で は残して +は
〔赤〕を・が → は 〔青〕に・で → には・では

場面と発話(自作)

  • ツアーのガイドが、荷物のきまりを言う。大きいかばんはバスに置いてください。
  • お寺で、係の人が説明する。建物の中では写真を撮らないでください。
  • 動物園の入り口で、ガイドが言う。お弁当は広場で食べてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が「〜を〜てください」「〜で〜ないでください」の文を言い、学習者が名詞を前に出して「〜は」「〜では」の文に言い直す。慣れたら、注意のマークのカードを見て「〜は〜ないでください」とガイドの説明を作り、グループの「ツアーのきまり」カードに書かせる。

  1. 口頭教師が文を言い、学習者が名詞を前に出して言い直す変形練習にする。キューの例: 「ここで写真を撮ってください」→「写真はここで撮ってください」、「バスの中で食べないでください」→「バスの中では食べないでください」、「かばんをバスに置いてください」→「かばんはバスに置いてください」、「動物にえさをあげないでください」→「動物にはえさをあげないでください」。全体のあと個人に当てる。
  2. ペアA は「写真」「飲み物」「かばん」「携帯電話」の名詞カード、B は○×の注意表を持つ。A がカードを出して「写真は?」と聞き、B が表を見て「写真はここで撮ってもいいです。でも、中では撮らないでください」と答える。カード4枚で交替する。
  3. 産出「ガイドの説明」: ST2 で作った「ツアーのきまりカード」を読み直し、何についての注意かがすぐわかるように、一文ずつ「〜は」「〜では」で始まる形に書き直してから発表する。教師は「をは」と書いていないか、「で」を落としていないか、全部の文を「は」で始めていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*写真をは撮らないでください」と「を」と「は」を重ねる。板書で「を」を消して「は」に書き替える動作をくり返し見せる(「では」「には」は消さずに足す、と対にする)
  • 「*教室は食べないでください」と「で」を落とし、「教室を食べないで」のような意味に聞こえてしまう。場所の「で」「に」は残して「では」「には」にする、と絵で笑いながら確かめる
  • すべての文の頭に「は」を置いてしまう。何についての注意かを先に言いたいときだけ使う、とガイドの説明1回に1つくらいで練習させる

既習の文型との違い

  • 〜はNです(第1課)第1課から「わたしは留学生です」のように話題を示す形として使ってきましたが、この課では「を」「で」のついた名詞を前に出して話題にする使い方が加わります。「は」は主語にだけつくと思っている学習者は「*写真をは」と重ねたり、「写真は」を写真が何かをする文のように受け取ったりします。もとの文の「写真を」を矢印で前に動かす板書で、同じ名詞が場所を移しただけだと見せます。
  • Nも(第1課)「も」も「は」と同じく、「を」「が」のついた名詞では入れ替わり、「で」「に」には「でも」「にも」と足します。「写真も撮らないでください」「バスの中でも食べないでください」と、「は」と「も」を同じ表の左右に並べると、入れ替えと足し算の決まりが一度に入ります。
関連する文型

ST3 動物園で

できること目の前の様子や天気の変わり方を言って一緒に何かしようと持ちかけ、施設でどんなことができるかを尋ねられる。

場面

ツアーの午後、動物園の中を友達と歩きながら、動物の様子に気づいて声をかけたり、天気が変わってきたので次にどうするかを決めたり、案内所でできることを聞いたりする場面です。教室では動物の絵(寝ている・食べている・泳いでいる)と、案内板(お弁当・ベビーカー・えさ・写真のマーク)を貼り、歩きながら見つけたことを言う設定にします。

  • 留学生A:あ、見てください。パンダが竹を食べていますよ。
  • 留学生B:本当ですね。写真を撮りましょう。
  • 留学生A:すみません、ここでお弁当を食べることができますか。
  • 動物園の人:はい、あちらの広場で食べることができます。
  • 留学生B:少し寒くなりましたね。
  • 留学生A:そうですね。じゃ、売店で温かい飲み物を買いませんか。
  • 留学生B:いいですね。行きましょう。
学習項目 1 〜が(Vています)

意味・はたらき

目の前でいま起きていることに気づいて、そのまま相手に伝えるとき、動作をしている人や動物に「が」をつけて「パンダが寝ていますよ」のように言います。話題として前から話していたものではなく、いま新しく目に入ったことを伝える「が」です。第7課の「Vています(動作の進行)」と組み合わせ、「〜ませんか」「〜ましょう」とつなげると、様子を見て一緒に動こうと持ちかけられます。文法の用語では、見たままを伝えるこの「が」を中立叙述の「が」と呼び、「は」との使い分けは試験でもよく取り上げられます。

接続

N+が+Vて形+います(〜よ)

形
パンダが竹を食べていますよあそこでライオンが寝ています子どもが泣いています雨が降っています

導入

  • 絵の中に見つける動物園の大きな絵を黒板に貼り、教師が指で一か所ずつ指しながら、驚いた声で「あ、ゾウが水を飲んでいますよ」「あ、サルが遊んでいますよ」と言う。学習者にも見つけたものを「あ、〜が〜ています」と言わせる。板書は「あ、[ ]が Vています(よ)」とし、「が」を赤くする。最後に「じゃ、見に行きましょう」と続けて、気づいたことから行動を持ちかける流れを見せる。

板書案

あ、[ ]が Vています(よ)。 〔赤〕が
あ、パンダが 寝て いますよ。
→ じゃ、見に 行きましょう。
〔青〕くらべる:パンダは どこですか。——パンダは あそこです。(前から話している)

場面と発話(自作)

  • 動物園で、友達に声をかける。あ、ペンギンが泳いでいますよ。見に行きませんか。
  • ツアーの途中、窓の外を見て言う。雨が降っていますね。傘を出しましょう。
  • 動物園の広場で、友達とお弁当を食べている。あ、鳥がお弁当を見ていますよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、動物や人の動作の絵カードを1枚ずつ見せて「あ、〜が〜ています」を言わせる。次に、絵を見た人が「〜が〜ていますよ」と言い、もう一人が「じゃ、〜ませんか/〜ましょう」と返すペア練習にする。最後に教室を動物園に見立て、絵を見ながら歩いて提案し合う。

  1. 口頭動物と人の動作の絵カード(パンダが寝る・ゾウが水を飲む・サルが遊ぶ・ペンギンが泳ぐ・子どもが泣く)を1枚ずつ素早く見せ、全体で「あ、〜が〜ていますよ」と驚いた声で言う。慣れたら教師が動作のまねだけを見せて個人に当てる。
  2. ペアA は動物が動いている動物園の絵、B は同じ絵で動物がいないものを持つ。A が「あ、〜が〜ていますよ」と言い、B はその場所に動物を描き入れてから「本当ですね。〜ませんか」と提案する。A は「いいですね」か「〜はちょっと…」で返し、交替する。
  3. 産出「動物園さんぽ」: 教室の壁に動物や人の絵を貼っておき、2〜3人で歩きながら見つけたことを言い、次にすること(見に行く・写真を撮る・休む)を決める。教師は「あ、〜が」で言えているか、「〜ています」が落ちていないか、提案と答えまでつながっているかを見る。

つまずきと手当て

  • いま気づいたことを「パンダは寝ていますよ」と「は」で言い、相手がそれまで話していたパンダのように聞こえる。見つけたときは「あ、〜が」と、「あ」と一緒に言わせる
  • いま見えている様子なのに「パンダが寝ますよ」と「〜ています」を落とし、これから寝るという意味になってしまう。いま見えている様子は「〜ています」と、第7課の進行の絵と並べて確かめる
  • テ形の誤り(「*泳ぎています」「*遊びています」)が残る。第7課のテ形の表を指して、テ形を先に言わせる

既習の文型との違い

  • Vています(動作の進行)(第7課)第7課では「今、何をしていますか」に答えて、自分や知っている人の動作を言いました。この課では、目に入った様子を「が」で取り上げて相手に知らせる使い方です。形は同じでも、文の頭が「〜は」か「あ、〜が」かで、話題に答えているのか新しく見つけたのかが分かれます。
  • 誰が(第7課)「誰が作りましたか」に「〜さんが作りました」と答えるときの「が」は、答えにあたる人を示しました。この課の「あ、パンダが寝ていますよ」は、問いに答えるのではなく見たままを伝える「が」です。どちらも「は」に換えると意味が変わる、と板書で「は」に×をつけて見せます。
関連する文型
学習項目 2 Nができます/Vることができます(状況)

意味・はたらき

第9課では「〜ができます」で人の能力を言いましたが、ここではその場所やそのときの状況で、してもよい・することが可能という意味で使います。「この動物園ではえさをあげることができます」「案内所でベビーカーを借りることができます」のように、施設にどんなサービスがあるかを尋ねたり伝えたりするときの形です。人に今その場の許可をもらう「〜てもいいですか」に対して、こちらは場所のきまりやサービスとして「できるかどうか」を聞きます。

接続

N+が+できます/V辞書形+ことができます

形
ここでお弁当を食べることができますか案内所でベビーカーを借りることができますこの動物園ではパンダを見ることができますここではWi-Fiを使うことができません

導入

  • 案内板を読む動物園の案内板の絵(お弁当・ベビーカー・えさ・写真のマークに○か×)を黒板に貼り、教師が案内所の人になって「ここでベビーカーを借りることができます」と言う。学習者に案内板を見て「〜ことができますか」と聞かせ、教師が○×に合わせて答える。板書の横に第9課の「わたしは泳ぐことができます(能力)」を並べ、人について言うか、場所について言うかを矢印で区別する。

板書案

[場所]で + Nが できます/V辞書形 + ことが できます
ここで お弁当を 食べる ことが できますか。
案内所で ベビーカーを 借りる ことが できます。
〔赤〕場所について(きまり・サービス) 〔青〕人について(泳ぐ ことが できます)

場面と発話(自作)

  • 動物園の案内所で、聞く。すみません、ここでお弁当を食べることができますか。——はい、あちらの広場で食べることができます。
  • ツアーのガイドが、次に行く場所を説明する。次の公園では、自転車に乗ることができます。
  • 図書館の受付で、聞く。ここでコピーができますか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、施設の案内板のカード(動物園・図書館・駅など)を見せて、○のものは「〜ことができます」、×のものは「〜ことができません」と言わせる。次に、案内所の人と客の役で、客が案内板を見ずに「〜ことができますか」と聞き、案内所の人がカードを見て答える。最後に ST3 のやり取りに入れて、できることを聞いてから「じゃ、〜ませんか」と持ちかける。

  1. 口頭施設の案内板カード(お弁当・ベビーカー・えさ・写真・コピー)に○か×をつけて見せ、全体で「ここで〜ことができます/できません」と言う。キューの例: お弁当の○→「ここでお弁当を食べることができます」、えさの×→「えさをあげることができません」、コピーの○→「コピーができます」。名詞と動詞を混ぜて個人に当てる。
  2. ペアA は案内所の人で○×の案内表を持つ。B は客で、表を見ずに「すみません、ここで〜ことができますか」と3つ聞く。A は「はい、〜で〜ことができます」と場所まで答えるか、「すみません、〜はちょっと…」で返す。B はメモを取り、答え合わせのあと交替する。
  3. 産出「わたしの町の案内所」: 自分の町の施設(図書館・公園・駅など)を一つ選び、案内所の人として、そこでできることを3つ、できないことを1つ話す。聞く人は一つ質問してから、近くの人を「じゃ、〜ませんか」と誘う。教師は辞書形の作り方、「Nを」と「Nが」の取り違え、場所について聞くときに「ここで」から始めているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「〜ことができます」は能力のことだけだと思い、場所のきまりについて「わたしはここでお弁当を食べることができますか」と自分を主語にして聞く(文としては言えるが、場所のきまりを聞く文にならない)。場所について聞くときは「ここで」から始める、と板書の矢印で確かめる
  • 名詞のときに「ここでテニスをできますか」と「を」を使う。話し言葉では聞くこともあるが、この課では名詞のときは「Nができます」にそろえ、第9課の「日本語ができます」と並べる
  • 辞書形を「*食べますことができます」とます形のまま続ける。第9課の辞書形の表を指して、先に辞書形を言わせる

既習の文型との違い

  • Nができます/Vることができます(能力)(第9課)第9課の「わたしは泳ぐことができます」は、その人の力について言いました。この課の「ここで泳ぐことができます」は、その場所でそうしてよい・そうする設備がある、という意味です。形は同じなので、主語が人か、文の頭が「ここで」「この動物園では」か、で見分けさせます。
  • Vてもいいですか(第10課)同じ課の ST2 で習った「〜てもいいですか」は、目の前の相手に自分の動作の許可をもらう形です。「〜ことができますか」は、その場所のきまりやサービスとして可能かを尋ねます。係の人に一言断るなら「〜てもいいですか」、案内所で施設のことを聞くなら「〜ことができますか」と場面で分けます。
関連する文型
学習項目 3 イAくなります/ナA・Nになります

意味・はたらき

「〜くなります」「〜になります」は、ものごとの状態が変わることを表します。イ形容詞は「い」を「く」に変えて「なります」、ナ形容詞と名詞は「に」をつけて「なります」です。外を歩いているときに「寒くなりましたね」「雨になりましたね」と変化を言い、「じゃ、中に入りませんか」と次の行動を持ちかけるのに使えます。前の状態と比べて「変わった」ことに焦点があるので、変わる前の様子を絵や時刻で先に見せると意味がつかみやすくなります。

接続

イA(〜い→〜く)+なります/ナA・N+に+なります

形
寒くなりました(いい→)よくなりました静かになりました3時になりました

導入

  • 空の絵を変えていく晴れた空の絵を黒板に貼り、教師が上から雲の絵を重ねて「暗くなりました」、雨粒を描き足して「雨になりました」と言う。もう一つ、人が多い動物園の絵から人を消していって「静かになりました」と言う。板書は「イA:寒い→寒く+なります」「ナA:静か+に+なります」「N:雨+に+なります」の3段にし、変わる前と後を矢印で結ぶ。

板書案

イA:寒い → 寒く + なります
ナA:静か + に + なります
N:雨 + に + なります
〔赤〕いい → よく なります
〔青〕変わる前 → 変わった後(矢印) 少し 寒く なりましたね。中に 入りませんか。

場面と発話(自作)

  • 動物園を歩いていて、風が冷たくなってきた。少し寒くなりましたね。中に入りませんか。
  • ツアーの集合時間が近づいて、ガイドが言う。もうすぐ3時になります。バスに戻ってください。
  • かぜをひいていた友達に、次の日に会う。元気になりましたか。——はい、よくなりました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、変わる前と後の2枚の絵カード(晴れ→雨、明るい→暗い、小さい→大きい、元気がない→元気、2時→3時)を見せて「〜くなりました/〜になりました」を言わせる。イ形容詞・ナ形容詞・名詞を混ぜて速く回し、慣れたら「〜くなりましたね。じゃ、〜ませんか」と提案までつなげてペアで言い合う。

  1. 口頭変わる前と後の2枚の絵カードを並べ、全体で「〜くなりました/〜になりました」と言う。キューの例: 晴れ→雨「雨になりました」、明るい→暗い「暗くなりました」、にぎやか→静か「静かになりました」、2時→3時「3時になりました」、かぜの人→元気な人「元気になりました」。イ形容詞・ナ形容詞・名詞を混ぜて速く回してから個人に当てる。
  2. ペアA が変化の絵カードを引いて「〜くなりましたね」と言い、B が「そうですね。じゃ、〜ませんか」と次の行動を提案する。A は「いいですね」で受けるか、「〜はちょっと…」で別の案を出す。カード4枚で交替する。
  3. 産出「ツアーの午後」ロールプレイ: 2〜3人で動物園を歩く設定にし、教師が途中で天気や時刻のカード(寒い・雨・暗い・3時)を出すたびに、変化を言って次にすることを決める。最後は「〜くなりましたから、〜ましょう」と理由をつけて言えるかを試す。教師はイ形容詞とナ形容詞の取り違え、「いい→よく」、提案までつながっているかを見る。

つまずきと手当て

  • イ形容詞に「に」をつけて「*寒いになりました」と言う。板書の3段を指し、イ形容詞は「い」を「く」に変えるだけ、と確かめる
  • 「きれい」「有名」など「い」で終わるナ形容詞を「*きれいくなりました」と作る。第4課で分けたイ形容詞・ナ形容詞の表に戻り、「きれい」はナ形容詞だと確かめる
  • 「いい」を「*いくなりました」と作る。「いい」は「よく」になる例外として、「よくなりました」を何度も言わせる

既習の文型との違い

  • イAくないです/ナAじゃありません(第4課)「寒くないです」と「寒くなります」は、イ形容詞の「い」を「く」に変えるところまで同じで、違うのは後ろが否定の「ない」か変化の「なります」かです。「*寒いになりました」の誤りが出たら、第4課の表の「く」の列を指して、同じ作り方だと確かめます。ナ形容詞は第4課の「静かじゃありません」と同じく「い」がないので、「に」をつけるだけです。
  • イAかったです(第5課)「寒かったです」は、ある時の状態を言い、「寒くなりました」は前と比べて状態が変わったことを言います。歩きながら天気の変化を伝えるなら「寒くなりましたね」が場面に合います。二つを時間の線の上に置き、点(その時)と矢印(変わった)で描き分けます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の語は、道案内(道・橋・角・まっすぐ・右・左・渡る・曲がる・通る・降りる)、見学先の注意(写真を撮る・さわる・たばこを吸う・座る)、動物と動物園の施設(パンダ・ゾウ・サル・案内所・売店・広場・ベビーカー・えさ)、天気と変化を言う形容詞の4つのかたまりに分かれます。道案内は床の地図の上を歩きながら、注意の動詞は○×のマークで、動物は絵で入れ、どれもナイ形・テ形・辞書形の練習の動詞として何度も使い回します。動物の名前は学習者が見たいものがそれぞれ違うので、全員に覚えさせるのは数種類にとどめます。

この課の練習で使う語(11語・意味・連語・例文)

  • 集合(しゅうごう) 決まった時間に、みんなが一つの場所に集まること。 〜時間・〜場所・駅前に〜
    ツアーの前の日に、クラスメートと確かめる。
    集合は何時ですか。——8時半です。駅の前に来てください。
  • 渡ります(わたります) 道や川の向こう側へ行く。 橋を〜・道を〜・信号を〜
    集合場所まで、友達が電話で道を教える。
    その橋を渡ってください。駅が見えますよ。
  • 曲がります(まがります) 道の角で、進む向きを右や左に変える。 角を〜・右へ〜・二つ目の角を〜
    道案内の電話で、行き方を確かめる。
    あの角を左へ曲がりますか。
  • 通ります(とおります) ある場所の中や前を、止まらずに進んでいく。 公園を〜・駅の前を〜・この道を〜
    ガイドが、バスの行き方を説明する。
    バスは今から古いお寺の前を通ります。
  • 降ります(おります) 乗っていたバスや電車から外へ出る。 バスを〜・駅で〜・次の駐車場で〜
    動物園の前に着いて、ガイドが言う。
    ここでバスを降ります。忘れ物をしないでください。
  • 撮ります(とります) カメラや携帯電話を使って、写真をのこす。 写真を〜・みんなで〜・ここで〜
    お寺の庭で、係の人に聞く。
    すみません、ここで写真を撮ってもいいですか。
  • さわります(さわります) 手で物にふれる。 絵に〜・動物に〜・手で〜
    美術館の中で、係の人が注意する。
    すみません、この絵にさわらないでください。
  • 吸います(すいます) たばこの煙を、口から体の中に入れる。 たばこを〜・外で〜
    バスの中で、ガイドが注意する。
    バスの中ではたばこを吸わないでください。
  • 置きます(おきます) 物をある場所に下ろして、そこにそのままにする。 荷物を〜・バスに〜・机の上に〜
    見学の前に、ガイドに聞く。
    大きいかばんはバスに置いてもいいですか。
  • 借ります(かります) ほかの人や店の物を、あとで返す約束で使う。 傘を〜・ベビーカーを〜・案内所で〜
    雨になって、動物園の案内所で聞く。
    すみません、ここで傘を借りることができますか。
  • 案内所(あんないじょ) 町や施設で、場所やサービスのことを教えてくれるところ。 〜で聞く・駅の〜・〜の人
    動物園で、お弁当を食べる場所を探す。
    案内所はどこですか。——あそこです。売店の隣です。

宿題と次のコマ

宿題は、自分の町の施設(図書館・公園・駅など)を一つ選び、「ここでは〜ことができます」「〜ないでください」「〜てもいいです」を使って、その施設の案内を5文書いてくること。次のコマの最初に何人かに読んでもらい、聞いている人に「〜ことができますか」と質問させてから、第11課の ST1「今の生活」に入ります(この課の「〜ことができます」「〜ています」が、第11課で毎日の生活を話す「Vています(習慣)」につながります)。

よくある質問

  • 第10課「バスツアー」は何コマで終わりますか?

    90分なら3コマが目安です。1コマ目に導入と ST1(もう〜ましたか・〜てきます・見えます/聞こえます・[場所]を)、2コマ目は ST2 で、ナイ形の作り方に半分近くを使います。3コマ目に ST3 と課のまとめを置きます。テ形・辞書形が定着していないクラスは、2コマ目の頭に15分ほど活用の復習を足すとナイ形がぶれにくくなります。

  • ナイ形はます形と辞書形のどちらから作らせればいいですか?

    この教案は、第9課で作った「ます形・辞書形」の表に列を足し、ます形から作る見せ方にしています。1グループは「ます」の前の「い」段を「あ」段に変える、と五十音表の同じ行で示すと、辞書形の「う」段と並べて説明できます。途中で作り方の起点を変えると混乱するので、クラスで一つに決めて通します。「買います→買わない」の「わ」は、どちらの見せ方でも例外として囲みます。

  • 「〜てもいいですか」と「〜ことができますか」はどう違いますか?

    「〜てもいいですか」は、目の前の相手に、自分がその動作をしてもいいかの許可をもらう言い方です。この課の「〜ことができますか(状況)」は、その場所のきまりやサービスとして、それが可能かを尋ねます。係の人に写真を撮る前に一言聞くなら前者、案内所で施設にベビーカーの貸し出しがあるかを聞くなら後者、と場面で分けると混ざりにくくなります。

  • 「見えます」と「見ることができます」の違いはどう説明しますか?

    「見えます」は見ようとしなくても目に入ること、「見ることができます」はその場所でそうする機会がある・可能だということです。「窓から山が見えます」は今目に入っている様子、「この動物園ではパンダを見ることができます」は施設の情報です。学習者は「*パンダを見えますか」と混ぜやすいので、ST1 の電話の場面と ST3 の案内所の場面を対にして練習します。

  • 「いいえ、まだ食べませんでした」という答えはどう直せばいいですか?

    黒板に時間の線を描いて今の位置に印をつけ、「〜ませんでした」は過去のその時にしなかったこと、「まだ〜ていません」は今の時点でまだ済んでいないこと、と線の上で見せます。練習では「もう〜ましたか」への答えを「はい、もう〜ました」「いいえ、まだ〜ていません」「いいえ、まだです」の3つに固定して回します。言い直しは答えの文を最後まで言わせてから、板書の3行を指して行います。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。