日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

できる日本語 初級 第13課「私のおすすめ」の教案

『できる日本語 初級 本冊 第2版』 ・ ST「経験から」「おすすめします」「教えてください」

日本での生活を楽しく、便利にするために、行ったことのある店や場所、よく使う物、頼りになる人の情報を友達や近所の人とやり取りできるようになる課です。ST1 で「〜たことがあります」と「知っていますか」を使って相手の経験から情報を引き出し、ST2 で動詞の文を名詞の前に置く名詞修飾を使って「わたしがよく行く店」のようにおすすめを言い、ST3 でその名詞修飾を文の中のいろいろな位置に入れて、知りたい情報を質問します。第11課のタ形と普通形がそのまま名詞の前に入るので、課の初めにタ形と辞書形の作り方を確かめておくと、あとが楽になります。

このページについて教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面、やり取りの例はすべて自作です。課・ST の題と学習項目の表記は出版社のシラバス一覧(第2版)に合わせています。
学習項目7時間90分×3コマ場面3

この課のねらい(Can-do)

  • 友達にしたことがあるかを聞いて経験から情報をもらい、自分の経験も話せる
  • 自分が気に入っている物・場所・人を、名詞の前に説明をつけて紹介し、すすめられる
  • 知りたい物や場所を名詞修飾で具体的に言って、周りの人に質問できる

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)15分第11課のタ形・辞書形を動詞カードで速く確かめる。教師が「先週、新しいラーメン屋に行きました」と話し、「みなさんは日本のラーメン屋に行きましたか」と聞いて、経験を聞く場面を作る
ST1 経験から70分教師の経験の話 →「Vたことがあります」と「はい、あります/いいえ、ありません」→ 店や場所の名前を出して「知っていますか/知りません」→ 相手が知らない名前に「NというN」。クラスで「〜たことがある人」を探すインタビュー
ST2 おすすめします75分教師のおすすめの店の写真で「ここはわたしがよく行く店です」→ 名詞の前に普通形を置く形を板書 → 人物の絵で「着ています・かぶっています・かけています」→ 服装で人を説明する。自分のおすすめを1つ紹介する
ST3 教えてください75分生活で困ることのカード(安い店・病院・アプリなど)を引き、名詞修飾を「を/へ」の前に入れて質問 →「は」の前に入れて情報を伝える。困っている人と知っている人の役でやり取り
課のまとめ35分クラスの「おすすめ情報の地図」を作る。一人ずつ、行ったことのある店や場所を名詞修飾を使って紹介し、聞いている人が質問を一つする

ST1 経験から

できること友達がしたことのある経験を聞いて知りたい情報をもらい、自分の経験も話せる。

場面

週末にどこかへ行きたいとき、日本に長く住んでいる友達に、行ったことのある場所や店を聞く場面です。教室では「温泉」「花火大会」「回転ずし」などの絵カードを配り、カードのことを経験した人を探して話を聞く設定を作ります。

  • 留学生:日本の温泉に行ったことがありますか。
  • 日本人の友達:はい、あります。「ゆのさと」という温泉に行きました。
  • 留学生:「ゆのさと」ですか。知りません。どこにありますか。
  • 日本人の友達:ここから電車で1時間ぐらいです。とてもよかったですよ。
  • 留学生:そうですか。わたしは温泉に入ったことがありません。行きたいです。
  • 日本人の友達:じゃ、今度一緒に行きませんか。
学習項目 1 Vたことがあります

意味・はたらき

今までにその経験があるかどうかを言う形です。いつしたかではなく、「経験があるか、ないか」が大事なときに使います。友達の経験を聞いて情報をもらうときは「〜たことがありますか」と聞き、「はい、あります」「いいえ、ありません」と答えます。経験がないときは「〜たことがありません」です。文法の用語では、今までのことをふり返って言う「経験」の表し方として扱われ、テンス・アスペクトの話の中で出てきます。

接続

V(タ形)+ことがあります

形
温泉に行ったことがあります納豆を食べたことがありますかはい、あります/いいえ、ありません富士山に登ったことがありません

導入

  • 教師の経験を当てさせる教師が「すし」「スキー」「着物」「新幹線」の絵カードを黒板に貼り、「わたしは着物を着たことがあります。スキーをしたことがありません」と、したことのあるものに○、ないものに×をつけていく。板書は「Vた + ことがあります/ありません」とし、タ形の部分を赤で書く。そのあと学習者に「〜さんは新幹線に乗ったことがありますか」と聞いて、「はい、あります」「いいえ、ありません」の短い答えを引き出す。

板書案

Vた + ことが あります/ありません
〔赤〕行った・食べた・登った・乗った(タ形)
温泉に 行ったことが ありますか。——はい、あります。/いいえ、ありません。
〔青〕経験の表:すし ○ スキー × 着物 ○ 新幹線 ×
昨日、すしを 食べました。(いつ)⇔ すしを 食べたことが あります。(今まで)

場面と発話(自作)

  • 週末の予定を考えていて、日本に長く住んでいる友達に聞く。花火大会に行ったことがありますか。——はい、あります。とてもきれいでしたよ。
  • アルバイト先の店長に、日本の食べ物で食べたことのないものを話す。納豆を食べたことがありません。
  • 日本に来たばかりの後輩に、自分の経験から店をすすめる。あの店で食べたことがあります。安くて、おいしいですよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が動詞の絵カード(乗る・登る・食べる・見る)を見せ、学習者がタ形に直して「〜たことがあります」を言う。次に「〜たことがありますか」と聞き合い、短い答えのあとに感想を一言足させる(「とてもよかったです」)。最後に「〜たことがある人」を探すインタビュー表を配り、見つけた人に「どうでしたか」と聞いて情報をメモさせる。

  1. 口頭キューは①絵カード(温泉・新幹線・富士山・着物)に教師が○×をつけたもの →「新幹線に乗ったことがあります/ありません」、②動詞の辞書形カード(登る・乗る・見る・食べる)→ タ形に直して文にする、③教師の質問「〜さんは富士山に登ったことがありますか」→ 個人で「はい、あります/いいえ、ありません」の3種類。全体で言わせてから個人を指名し、タ形の作り方(登った・見た)でつかえる人がいたら第11課のタ形の表に戻る。
  2. ペアA は○×の書いてある「人物の経験カード」を持ち、B は空の表を持つ。B が「この人は温泉に行ったことがありますか」と聞いて表を埋め、A はカードを見て答える。全部埋まったらカードを見せて合わせ、役を交替する。B は答えを知らないので、本当に聞く必要がある。
  3. 産出「経験さがしインタビュー」。8項目の表を持って教室を歩き、「〜たことがありますか」でその経験をした人を探す。見つけたら「どうでしたか」「どこで?」と一つ聞いてメモし、最後に「〜さんは〜たことがあります。〜でした」とクラスに報告する。教師は、タ形の誤り(「*行きたこと」)、答えを「はい、あります」で言えているか、「昨日」のような時の語と一緒に使っていないかを見て、報告のあとで直す。

つまずきと手当て

  • 経験を言うつもりで「食べることがあります」と辞書形を使う。文としては正しいが、辞書形+ことがあるは「ときどきそうする」という別の意味になり、経験の話にはならない。経験を言うときはタ形と決め、板書の赤いタ形を指して確かめる
  • 「*昨日、すしを食べたことがあります」と、きのうのような近い時と一緒に使う。いつしたかを言うときは「昨日すしを食べました」でよく、「〜たことがあります」は今までの経験を言うときの形だと、2つの文を並べて見せる
  • 毎日するようなことに使う(「朝ごはんを食べたことがあります」)。文法の誤りではないが、ふつうは言わないので変に聞こえる。めずらしいこと、話題になる経験に使うことが多い、と例を比べて見せる
  • 答えで「*はい、行ったことです」と言う。答えは「はい、あります」「いいえ、ありません」だけでよいと、答えの枠を板書する

既習の文型との違い

  • もうVました(経験)/まだです(第6課)第6課の「もう〜ました」は、その場面で話題になっていること(新しい映画・すすめられた店など)をもう済ませたかを言います。「〜たことがあります」は、今までの生活の中で一度でもあるかを言います。「その映画、もう見ましたか」と聞かれて「見たことがあります」と答えるとずれて聞こえるので、聞き方と答え方を組で練習します。
  • Vました/Vませんでした(第5課)「Vました」は、いつ・どこでしたかを言う一回のできごとで、「先週、温泉に行きました」のように時の語と一緒に使えます。「〜たことがあります」は時を言わずに経験の有無だけを言います。学習者が「*先週、温泉に行ったことがあります」と混ぜたら、2つの文を並べて、時の語がつくのはどちらかを確かめます。
関連する文型
学習項目 2 知っていますか/知りません

意味・はたらき

物・場所・人のことを、情報として持っているかどうかを言う言い方です。「知る」は「知っています」の形で今の状態を言い、聞くときは「〜を知っていますか」と言います。注意したいのは否定で、「知っていません」ではなく「知りません」と言います。経験の話の中で店や場所の名前が出たとき、相手がそれを知っているかを確かめるのに使います。

接続

N+を+知っていますか/はい、知っています/いいえ、知りません

形
このお店を知っていますかはい、知っていますいいえ、知りません田中さんを知っていますか

導入

  • 写真を見せて聞く教師が、学習者がみんな知っている場所(学校の近くの駅)と、たぶん知らない場所(教師が行った小さな店)の写真を順に見せ、「この駅を知っていますか」「この店を知っていますか」と聞く。うなずいたら「はい、知っています」、首を振ったら教師が「いいえ、知りません」と言ってみせる。板書は「知っていますか」「はい、知っています」「いいえ、知りません」の3行にし、3行目の「知りません」を赤で囲む。

板書案

〜を 知っていますか。
はい、知っています。
いいえ、〔赤〕知りません。(〔赤〕で囲む)
知る(知る動き)→ 知っています(今の状態)
〔青〕ことばの力:できます(横に分けて書く)

場面と発話(自作)

  • 友達がおいしいと言っていた店の名前を聞いて、知っているか確かめる。その店を知っていますか。——いいえ、知りません。
  • 日本語学校の新しい先生の名前を、クラスメートに聞く。山田先生を知っていますか。——はい、知っています。2年生のクラスの先生です。
  • 友達と週末の話をしていて、有名なパン屋の名前が出る。「まるや」を知っていますか。——いいえ、知りません。どこにありますか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が店・場所・人の写真や名前カードを次々に出し、学習者が自分の場合で「はい、知っています」「いいえ、知りません」と答える。慣れたらペアで、自分が知っている店や場所の名前を出して「〜を知っていますか」と聞き、相手が知らなければ場所や感想を一言説明させる。

  1. 口頭キューは①写真(学校の最寄り駅・町の有名な建物・教師が行った小さな店)、②人の名前カード(クラスの先生・学校の事務の人)、③店の名前カード。学習者が自分の場合で「はい、知っています/いいえ、知りません」と答える。全体で3行を言わせてから個人を指名し、否定の「知りません」は全員に一度は個人で言わせる。
  2. ペアA は「店の名前・場所・感想」が書いてあるカード、B は店の名前だけのリストを持つ。B が「〜を知っていますか」と聞き、A のカードにあれば「はい、知っています。駅の前にあります」と一言足して答え、なければ「いいえ、知りません」と答える。5つ聞いたら役を交替する。
  3. 産出「わたしの町の名前クイズ」。学習者が自分の町や国の店・場所・食べ物の名前を一つ出して「〜を知っていますか」とクラスに聞き、知らないと言われたら「〜という〜です」と ST1 の次の形で説明する。教師は「*知っていません」「*知りますか」が出ないかと、答えのあとに説明が一言足せているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「*いいえ、知っていません」と答える。否定は「知りません」だけと、板書の赤い囲みを毎回指して確かめる
  • 「*この店を知りますか」と「知ります」で聞く。今の状態を聞くときは「知っていますか」と決めて覚えさせる
  • 日本語を話す力があることを「日本語を知っています」で言おうとする。文の誤りではないが、日本語についての知識を持っているように聞こえ、話せるかどうかは伝わりにくい。ことばの力は「日本語ができます」と言うと、例を並べて分けておく(「この言葉を知っていますか」のように、一つの言葉を知っているかを聞くのは自然)

既習の文型との違い

  • 〜に住んでいます(第8課)「住んでいます」も「知っています」も、動きのあとの今の様子を「ています」で言う点が同じです。ただ「住んでいません」は言えるのに、「知る」の否定は「知りません」になるのが違いです。第8課の形から類推して「*知っていません」と言う学習者が多いので、この1語だけは別に覚えさせます。
  • Nができます/Vることができます(能力)(第9課)ことばの力は「日本語ができます」と言うのがふつうで、「日本語を知っています」と言うと、話せるかどうかより知識があるように聞こえます。「知っています」は情報として持っているかどうか、「できます」はする力があるかどうか、と場面を分けて見せます。
関連する文型
学習項目 3 NというN

意味・はたらき

相手が知らないかもしれない物・店・場所・人の名前を出すときに使います。前に名前、後ろに「店」「温泉」「人」のような種類を言って、「『さくら』という店」のように何の名前なのかがわかるようにします。経験の話の中で、初めて出てくる名前を紹介するのに便利です。「という」は「と言う」から来た形ですが、ここでは名前と種類をつなぐはたらきだけをしているので、ひらがなで書きます。

接続

N1(名前)+という+N2(種類)

形
「さくら」という店「ゆのさと」という温泉佐藤さんという人

導入

  • 知らない名前を出してみせる教師が「きのう、『はなまる』に行きました」とだけ言い、学習者に「『はなまる』は何ですか」と聞かせる。教師が「すみません。『はなまる』という店です」と言い直し、板書で「[名前]という[種類]」の枠を書く。名前のカードと「店」「温泉」「アプリ」のカードを入れ替えて全員で言う。

板書案

[名前] という [種類]
「さくら」という 店 / 「ゆのさと」という 温泉
〔赤〕という(名前と種類をつなぐ)
〔青〕わたしの 店(NのN:持ち主)と 並べて書く

場面と発話(自作)

  • 友達に、自分が行った店の名前を話すが、友達はその店を知らないかもしれない。駅の近くの「さくら」という店に行きました。
  • クラスメートに、新しく来た学生のことを話す。きのう、佐藤さんという人が来ました。
  • アルバイト先の人に、自分が勉強に使っているアプリを話す。「ことばノート」というアプリを毎日使っています。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、名前のカードと種類のカードを1枚ずつ引いて「〜という〜」を言わせる。そのあと「〜という〜に行ったことがありますか」と ST1 の形とつなげて聞き合い、知らなければ「知りません」と答える流れにする。

  1. 口頭キューは①名前カード(はなまる・さくら・ゆのさと)と種類カード(店・温泉・アプリ・人)を1枚ずつ引いて「〜という〜」、②教師が「きのう『はなまる』に行きました」とだけ言い、学習者が「『はなまる』は何ですか」と聞き返す → 別の学習者が「『はなまる』という店です」と答える、③「〜という〜に行ったことがありますか」と ST1 の形につなげる、の3つ。全体のあと個人で。
  2. ペアA は名前と種類が書いてあるカード、B は何も持たない。A が名前だけ言って「〜に行きました」と話し、B が「〜は何ですか」と聞き返し、A が「〜という〜です」と言い直す。3枚やったら交替する。
  3. 産出「わたしの町の名物しょうかい」。自分の国や町にある店・食べ物・場所を2つ選び、「わたしの町に『〜』という〜があります。〜ですよ」と紹介し、最後に「〜たことがありますか」と聞き手に聞く。教師は「の」でつなぐ誤りと、名前と種類の順を見る。

つまずきと手当て

  • 「『さくら』の店」と「の」でつなぐ。文としては言えるが、「さくら」さんの店のように持ち主や所属に聞こえて意味がずれるので、名前を言うときは「という」と、第1課の「NのN」と並べて見せる
  • だれでも知っている物に使う(「東京という町に住んでいます」)。誤りではないが、相手が知らないかもしれないときに使うことが多いと伝え、知っている物には使わない例と比べる
  • 名前と種類を逆に言う(「*店という『さくら』に行きました」)。前が名前、後ろが種類と、板書の枠の[名前][種類]を指して確かめ、カードの順に並べ直させる

既習の文型との違い

  • NのN(第1課)「NのN」は持ち主や所属を言う形で、「わたしの店」「学校の先生」のように使います。「NというN」は、相手が知らないかもしれない名前を出して、それが何の名前かを言う形です。「『さくら』の店」と言うと「さくら」さんの店のように聞こえるので、2つを並べて板書します。
関連する文型

ST2 おすすめします

できること自分が気に入っている物・場所・人を、どんなものかの説明をつけて紹介し、相手にすすめられる。

場面

近所に引っ越してきたクラスメートに、自分がよく行く店や、頼りになる人を紹介する場面です。教室では教師が近所の店の写真や人物の絵を見せて紹介してみせ、そのあと学習者が自分のスマートフォンの写真を使って、おすすめを一つ紹介します。

  • 留学生A:このパン屋は、わたしがよく行く店です。
  • 留学生B:そうですか。何がおいしいですか。
  • 留学生A:朝作ったメロンパンです。とても安いですよ。
  • 留学生B:へえ。あの人は店の人ですか。
  • 留学生A:あの白い帽子をかぶっている人ですか。はい、店長です。とても親切ですよ。
  • 留学生B:じゃ、明日の朝、行きます。
学習項目 1 〜は[名詞修飾]です

意味・はたらき

動詞などの文を名詞の前に置いて、その名詞がどんなものかを説明する形です。「ここはわたしがよく行く店です」のように、ただ「店」と言うよりも、自分とのつながりや特徴がはっきりするので、おすすめを言うときに使えます。名詞の前に置く動詞は普通形(辞書形・タ形・ナイ形など)で、「ます」の形は入りません。名詞の前の文の中の「は」は「が」になります。文法の用語では連体修飾(名詞を修飾する節)と呼びます。

接続

N1+は+[普通形の文]+N2+です(文の中の「は」は「が」)

形
ここはわたしがよく行く店ですこれは母が作ったかばんですこれは毎日使うアプリですあの人は日本語を教えている先生です

導入

  • 「店」に説明を足していく教師が近所の店の写真を見せて「これは店です」と言い、「わたしは毎日この店に行きます」と続ける。そのあと板書で2つの文をつなぎ、「これは[わたしが毎日行く]店です」と[ ]の部分を名詞の前に移して見せる。「行きます」が「行く」に、「わたしは」が「わたしが」に変わるところを赤で書く。
  • 持ち物の紹介教師がかばんや本などの持ち物を見せて「これは日本で買ったかばんです」「これは友達がくれた本です」と言い、学習者にも自分の持ち物を一つ出させる。板書は「これは[Vた/Vる]N です」の枠にする。

板書案

わたしは 毎日 この店に 行きます。
→ これは [わたし〔赤〕が 毎日 〔赤〕行く] 店です。
[普通形]+ N (〔赤〕ます形 → 普通形・は → が)
〔青〕[母が 作った] かばん / [毎日 使う] アプリ
〔青〕わたし〔青〕の 店(「の」は N のときだけ)

場面と発話(自作)

  • 新しく近くに引っ越してきた友達に、自分の気に入っている店を紹介する。ここはわたしがよく行くラーメン屋です。
  • クラスメートに、勉強に便利なアプリを見せる。これは毎日使うアプリです。とても便利ですよ。
  • 国から来た家族に、日本の友達を紹介する。この人は大学で一緒に勉強している友達です。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が「わたしはよくこの店に行きます」のような文を言い、学習者が「これはわたしがよく行く店です」と1文に言い換える。辞書形とタ形の文を混ぜて出し、ナイ形(「肉を食べない人」)も少し入れる。そのあと学習者が自分のスマートフォンの写真を1枚選び、名詞修飾を使っておすすめとして紹介し、聞いている人が「どうしてですか」と聞く。

  1. 口頭キューは①2文のカード(「わたしは毎日この店に行きます」)→ 1文に言い換え、②写真(ラーメン屋・公園・アプリの画面)と動詞句のカード(よく行く・毎日使う・日本で買った)→「これは〜Nです」、③教師の持ち物の実物 →「これは〜たNです」の3種類。辞書形・タ形・ナイ形のカードを混ぜて出し、全体 → 個人の順で速く回す。
  2. ペア2人でスマートフォンの写真を1枚ずつ見せ合う。A が「これはわたしが〜Nです」と言い、B は「〜Nですか」と名詞修飾ごと繰り返して確かめてから「どうしてですか」「いつ行きましたか」と一つ聞く。答えたら交替する。
  3. 産出「わたしのおすすめ1枚」。自分の写真1枚で、名詞修飾を2つ以上使った30秒のおすすめ紹介をする(「ここはわたしがよく行く店です。これはこの店でいちばんおいしいパンです」)。聞き手は「どうしてですか」と一つ聞く。教師は、名詞の前の「ます」の形、「の」の入れすぎ、名詞修飾の中の「は」を見て、紹介のあとで言い直しを聞かせる。

つまずきと手当て

  • 「*わたしがよく行きます店」と、名詞の前に「ます」の形を置く。名詞の前は普通形と決め、板書で「行きます→行く」を赤で書き替える動作を見せる
  • 「*わたしがよく行くの店」と「の」を入れる。中国語などの母語の影響で多いので、名詞の前に「の」が入るのは名詞のときだけ(「わたしの店」)と、2つを並べて見せる
  • 「*ここはわたしはよく行く店です」と、名詞の前の文の中でも「は」を使う。名詞の前の[ ]の中で、その動作をする人(主語)は「が」と、板書の赤い「が」を指して確かめる
  • 母語の語順で「*店、わたしがよく行く」と説明を名詞の後ろに置く。日本語では説明が必ず前、と[ ]+名詞の枠で見せる

既習の文型との違い

  • 〜はA+Nです(第4課)第4課で形容詞を名詞の前に置いた「静かな町」と同じ位置に、今度は動詞の文が入ります。イAはそのまま、ナAは「な」、動詞は普通形と、前に来る語の種類で形が決まります。「*行くな店」のように形容詞の「な」を動詞に持ち込む学習者がいたら、3つを縦に並べて見せます。
  • 普通形(第11課)第11課では普通形を友達言葉として文の終わりに使いましたが、ここでは名詞の前の部品として使います。丁寧な会話の中でも名詞の前は普通形のままで、「です」は文の最後にだけつきます。
関連する文型
学習項目 2 Vています(装着動詞)

意味・はたらき

服やめがね、帽子などを身につけた結果、今その状態であることを言う形です。「着ます」は身につける動作で、「着ています」は身につけている今の様子です。人を紹介したり、その場にいる人を見分けたりするとき、「青いシャツを着ている人」のように名詞修飾と一緒に使うと便利です。身につける物によって動詞が変わります。文法の用語では「ている」の結果の状態の用法にあたり、第15課の「Vています(結果の状態)」の先取りになります。

接続

N+を+(着る・はく・かぶる・かける・する)のテ形+います

形
シャツ・コートを着ていますズボン・くつ・スカートをはいています帽子をかぶっています/めがねをかけていますネクタイ・時計・マスクをしています

導入

  • 人物の絵で身につける物を分ける黒板に人の大きな絵を描き、教師が帽子・めがね・シャツ・ズボン・くつの絵カードを順に貼りながら「帽子をかぶっています」「めがねをかけています」「シャツを着ています」と言う。板書は体の部分ごとに「頭→かぶる」「目→かける」「上の服→着る」「下の服・くつ→はく」「時計・ネクタイ→する」と線で結ぶ。そのあと教室の学習者を指して「〜さんは何を着ていますか」と聞く。

板書案

頭 → 帽子を 〔赤〕かぶっています
目 → めがねを 〔赤〕かけています
上の服 → シャツ・コートを 〔赤〕着ています
下の服・くつ → ズボン・くつを 〔赤〕はいています
時計・ネクタイ・マスク → 〔赤〕しています
〔青〕[赤いコートを 着ている] 人(名詞修飾)

場面と発話(自作)

  • 駅で待ち合わせをしている友達に、自分の服装を電話で伝える。わたしは赤いコートを着ています。白い帽子をかぶっています。
  • 店で、友達におすすめの店員さんを教える。あのめがねをかけている人がとても親切ですよ。
  • パーティーの写真を見せて、自分の友達がどの人かを説明する。黒いズボンをはいている人がわたしの友達です。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が身につける物の絵カードを出し、学習者が合う動詞を選んで「〜を〜ています」と言う。次に、服装の違う人物が何人も描いてある絵を配り、「〜を着ている人はだれですか」と聞き合って人物を当てさせる。最後に ST2 の場面で、おすすめの人を服装の名詞修飾で紹介させる。

  1. 口頭キューは①人物の大きな絵に物のカード(帽子・めがね・シャツ・ズボン・くつ・時計)を貼る → 合う動詞を選んで「〜を〜ています」、②教室の学習者の服装を指す →「〜さんはめがねをかけています」、③物のカードだけを速く見せて動詞だけを言わせる、の3種類。教師が「帽子をかぶってください」と言って動作をさせ、そのあと「今、帽子をかぶっています」と状態を言う流れも入れる。
  2. ペア服装の違う8人の絵を2人で1枚ずつ持つ。A が心の中で1人を選び、B が「その人はめがねをかけていますか」のように質問して当てる。当たったら「〜を着ている人ですね」と名詞修飾で言って確かめ、交替する。
  3. 産出「待ち合わせ電話ロールプレイ」。駅で初めて会う人に電話をする設定で、自分の今日の服装を3つ伝える(「わたしは青いシャツを着ています。黒い帽子をかぶっています」)。相手役は大勢の人の絵の中からその人を探し、「〜を着ている人ですか」と確かめる。教師は動詞の選び分けと、「*〜ているの人」の「の」を見る。

つまずきと手当て

  • 「*くつを着ています」「*めがねを着ています」と、全部「着ます」で言う。英語などで一つの動詞で言える学習者に多いので、体の部分と動詞を結んだ板書を毎回見せる
  • 「着ています」を「今、着ている途中」の意味だと思う。第7課の「Vています(動作の進行)」と違い、ここでは身につけたあとの状態だと、絵の人物がもう服を着ていることを指して確かめる。ただ、文脈によっては着ている途中の意味になることもあるので、この課では状態の意味に絞って練習する
  • 「*めがねをかけているの人」と「の」を入れる。名詞修飾と同じで、名詞の前の動詞のあとに「の」は入らないと確かめる

既習の文型との違い

  • Vています(動作の進行)(第7課)第7課の「Vています」は、今その動作をしている途中を言います。「着ています」は、服を着る動作が終わって、今その服を身につけている様子を言うことが多いです。服を着ている途中の絵と、もう着ている絵を並べて、この課ではあとのほうだと確かめます。
  • 〜に住んでいます(第8課)「住んでいます」も、住み始めたあとの今の様子を言う形で、「着ています」に近い使い方です(どちらの仲間に入れるかは文法書によって分け方が違います)。「ています」には動作の途中と、そのあとの様子の2つがあると、既習の例で整理しておくと第15課につながります。
関連する文型

ST3 教えてください

できること知りたい物や場所を具体的に説明して、周りの人に質問し、情報を得られる。

場面

日本に来てまだ間もない学習者が、アパートの近所の人や学校の先輩に、生活に必要な店や場所を聞く場面です。教室では「安い野菜がほしい」「夜も行ける病院」のような困りごとのカードを引かせ、困っている人と知っている人の役に分かれてやり取りします。

  • 留学生:すみません、このへんに安い野菜を売っている店はありますか。
  • 近所の人:駅の前にあるスーパーは安いですよ。
  • 留学生:駅の前にあるスーパーですか。何時までですか。
  • 近所の人:夜10時までです。わたしもよく行きます。
  • 留学生:ありがとうございます。仕事が終わってから、そのスーパーへ行きます。
学習項目 1 [名詞修飾]を/へVます

意味・はたらき

説明のついた名詞を、「を」や「へ」の前に入れて文の中で使う形です。「駅の前にあるスーパーへ行きます」「日本人がよく見る番組を教えてください」のように、ほしい物や行きたい場所を具体的に言えるので、知りたい情報をはっきり伝えて質問できます。名詞修飾の部分がどんなに長くても、後ろの「を」「へ」と動詞は変わりません。

接続

[普通形の文]+N+を/へ+V

形
駅の前にあるスーパーへ行きます日本人がよく見る番組を教えてください先生がすすめた本を読みました

導入

  • 困りごとを具体的にする教師が「店を教えてください」とだけ言い、学習者に「どんな店ですか」と聞き返させる。教師が「安い野菜を売っている店を教えてください」と言い直し、板書で「[ ]店 を 教えてください」の枠に「安い野菜を売っている」を入れて見せる。次に「へ」の文(「その店へ行きます」→「駅の前にある店へ行きます」)も同じ枠で作る。

板書案

店を 教えてください。→ どんな店?
[安い野菜〔青〕を 売っている] 店〔赤〕を 教えてください。
[駅の前に ある] スーパー〔赤〕へ 行きます。
〔青〕[ ]の中の 助詞 / 〔赤〕[ ]の外の 助詞
[ ]を取っても 文になる:店を 教えてください。

場面と発話(自作)

  • 日本に来たばかりで、学校の先輩に勉強の方法を聞く。日本語の勉強にいい本を教えてください。
  • 近所の人にすすめられた店へ、次の日に行くことを伝える。明日、近所の人がすすめたパン屋へ行きます。
  • クラスメートに、週末にしたことを話す。友達がすすめた映画を見ました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が「本を読みました」「店へ行きます」のような短い文を言い、学習者が名詞修飾のカード(「先生がすすめた」「駅の近くにある」)を入れて長くする。そのあと困りごとのカードを引き、「〜を教えてください」「〜を知っていますか」の形で質問させ、相手役が答える。

  1. 口頭キューは①短い文(「本を読みました」「店へ行きます」)と名詞修飾のカード(「先生がすすめた」「駅の近くにある」)→ 長い文に、②困りごとのカード(安い野菜・英語が話せる医者・夜遅くまで使えるジム)→「〜Nを教えてください」、③場所の絵 →「〜Nへ行きます」の3種類。全体のあと個人で、「を」「へ」を落とさずに言えるかを一人ずつ聞く。
  2. ペア「困った!カード」の情報差。A は困りごとのカード、B は店の情報が書いてある町の地図を持つ。A が「〜Nを知っていますか」「〜Nを教えてください」と聞き、B は地図を見て「〜にあるNがいいですよ」と答える。3枚やったら別の地図で交替する。
  3. 産出「新入生お助けロールプレイ」。日本に来たばかりの学生役が、自分が本当に困っていることで先輩役に「〜Nを教えてください」と聞き、先輩役は自分の知っている店や場所で答える。教師は、長い名詞修飾のあとの「を」「へ」が落ちていないか、[ ]の中の「を」を「が」にしていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 名詞修飾が長くなると「を」「へ」を落とす(「*駅の前にあるスーパー行きます」)。板書で名詞修飾を[ ]でくくり、そのあとの「へ」を赤で書いて、[ ]を取っても文が成り立つことを見せる
  • 名詞修飾の中の「を」と、文の「を」が二つ出てきて混乱する(「安い野菜を売っている店を教えてください」)。[ ]の中の「を」と外の「を」を色分けし、それぞれの動詞と線で結ぶ
  • ST2 で習った「文の中の『は』は『が』」を広げすぎて、「*安い野菜が売っている店を教えてください」と「を」まで「が」にする。「が」に変わるのは「は」だけで、「を」「へ」「に」はそのまま、と元の文(「店は安い野菜を売っています」)と並べて確かめる

既習の文型との違い

  • 〜は[名詞修飾]です(第13課 ST2)ST2 では名詞修飾のついた名詞が「です」の前に来て、物や場所を紹介しました。ここでは同じ名詞が「を」「へ」の前に入り、ほしい物や行き先になります。名詞修飾の作り方は同じで、変わるのは後ろの助詞と動詞だけだと、同じ[ ]を2つの文に入れて見せます。
関連する文型
学習項目 2 [名詞修飾]は〜

意味・はたらき

説明のついた名詞を「は」の前に置いて、文の話題にする形です。「駅の前にあるスーパーは安いです」のように、どの物・どの場所のことを話しているかをはっきりさせてから、それについての情報を伝えます。質問に答えて情報をあげるときや、いくつかある中から一つを取り出して話すときに使います。名詞修飾の中の時(行く/行った)は、文の最後の時とは別に決まり、「きのう行った店は安いです」のように中だけ過去にもできます。

接続

[普通形の文]+N+は+〜

形
駅の前にあるスーパーは安いですきのう行った店はとてもおいしかったですわたしが住んでいるところは静かです

導入

  • 二つの店から一つを選ぶ黒板に駅の前の店と学校の近くの店の絵を描き、教師が「店は安いです」と言って、学習者に「どの店ですか」と聞き返させる。教師が「駅の前にある店は安いです。学校の近くにある店は高いです」と言い直し、板書で「[ ]店 は 〜です」の枠を作る。どの店の話かが[ ]でわかることを確かめる。

板書案

店は 安いです。→ どの店?
[駅の前に ある] 店〔赤〕は 安いです。
[学校の近くに ある] 店〔赤〕は 高いです。
〔青〕[きのう 行った] カフェは 静か〔青〕でした(全体の過去は文の最後)

場面と発話(自作)

  • 安い店を探している近所の留学生に、知っている情報を伝える。駅の前にあるスーパーは安いですよ。
  • クラスメートに、週末に行った店の感想を話す。日曜日に行ったカフェは、とても静かでした。
  • 新しいアパートについて聞かれて答える。わたしが住んでいるアパートは駅から近いです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭では、教師が場所の絵と形容詞のカードを出し、学習者が「[名詞修飾]Nは[形容詞]です」と言う(「学校の近くにある公園は広いです」)。過去の文と形容詞の過去形(第5課)も混ぜる。そのあと ST3 の場面で、困りごとのカードを持つ人に、知っている人が「〜は〜ですよ」と情報を伝え、聞いた人が「何時までですか」「どこにありますか」と質問を続ける。

  1. 口頭キューは①場所の絵と形容詞のカード(安い・広い・静か)→「[名詞修飾]Nは〜です」、②「きのう」「先週」のカード → 名詞修飾の中を過去にする、③教師の質問「駅の前にあるスーパーはどうですか」→ 答える、の3種類。形容詞の過去形(第5課)も混ぜ、全体 → 個人で回す。
  2. ペア「どっちの店?」。A は同じ種類の店が2つずつ描いてある地図と、それぞれの情報(安い・遅くまで・静か)を持ち、B は地図だけを持つ。B が「駅の前にあるスーパーはどうですか」と聞き、A が「駅の前にあるスーパーは安いですよ」と答え、B がどちらに行くか決める。交替する。
  3. 産出「クラスのおすすめ地図づくり」。自分の住んでいる町の店や場所について「[名詞修飾]Nは〜です」の文を2つカードに書き、教室の大きな地図に貼って読み上げる。聞いている人は「何時までですか」「どこにありますか」と一つ質問する。教師は、長い名詞修飾のあと文を最後まで言えているか、形容詞の過去形、「は」と「が」の使い方を見る。

つまずきと手当て

  • 「駅の前にあるスーパーが安いです」と「が」にする。誤りではないが、聞かれた物について情報を伝えるときは「は」を使うことが多いので、この課では質問に答える場面で「は」に統一する
  • 名詞修飾が長いと、文の最後を忘れて「きのう行った店は」で止まる。[ ]の部分を先に板書で隠して「店は〜」の短い文を言わせてから、[ ]を足させる
  • 形容詞の過去形を間違える(「*きのう行った店はおいしいでした」)。第5課の「イAかったです」を確かめてから使わせる

既習の文型との違い

  • [名詞修飾]を/へVます(第13課 ST3)同じ名詞修飾でも、「を」「へ」の前では動作の相手や行き先になり、「は」の前では文の話題になります。質問するときは「〜Nを教えてください」、答えて情報を伝えるときは「〜Nは〜ですよ」と、やり取りの中での役割で使い分けさせます。
  • 〜は〜にあります(第7課)第7課の「スーパーは駅の前にあります」が、名詞修飾では「駅の前にあるスーパー」と名詞の前に入ります。そのとき「あります」は「ある」になり、「スーパーは」は後ろへ移ります。学習者が「*駅の前にありますスーパーは」と言ったら、第7課の文から作り直させます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の語は、経験の話に出る場所・行事・食べ物、身につける物(帽子・めがね・シャツ・ズボン・くつ・時計など)、生活に必要な店や施設の3つのかたまりに分かれます。身につける物は人物の絵に貼るカードにして、動詞(着る・はく・かぶる・かける・する)と組にして覚えさせます。店や場所の語は学習者の住んでいる町で必要なものが違うので、クラスの「おすすめ情報の地図」を作るときにその場で足し、全員に覚えさせる語と本人だけが覚える語を分けます。

この課の練習で使う語(11語・意味・連語・例文)

  • 温泉(おんせん) 地面の下から出てくる温かいお湯で、入って体を温める場所です。 〜に行く・〜に入る
    週末にどこへ行くか、友達と話している。
    日本の温泉に入ったことがありますか。
  • 登ります(のぼります) 山や高いところへ、下から上へ行くことです。 山に〜・富士山に〜
    夏休みの予定の話をしている。
    わたしは富士山に登ったことがありません。
  • 有名(ゆうめい) たくさんの人が名前を知っていることです。 〜な店・〜な温泉
    友達に町のパン屋をすすめる。
    「まるや」という有名なパン屋を知っていますか。
  • 着ます(きます) シャツやコートなど、上の体につける服を身につけることです。 シャツを〜・コートを〜
    駅で待ち合わせの相手に、電話で自分の服を伝える。
    今日は青いシャツを着ています。
  • はきます(はきます) ズボンやくつなど、足のほうにつける物を身につけることです。 ズボンを〜・くつを〜
    パーティーの写真で、どれが友達かを説明する。
    白いくつをはいている人が田中さんです。
  • かぶります(かぶります) 帽子などを頭の上にのせて身につけることです。 帽子を〜
    店で、友達におすすめの店員を教える。
    あの帽子をかぶっている人がとても親切ですよ。
  • かけます(かけます) めがねを目の前に身につけることです。 めがねを〜
    日本語学校の新しい先生がどの人か、クラスメートに聞かれる。
    めがねをかけている人が山田先生です。
  • すすめます(すすめます) いいと思う物や店を、ほかの人に「これがいいですよ」と言うことです。 本を〜・店を〜
    読んでいる本について友達に聞かれる。
    これは先生がすすめた本です。
  • 売ります(うります) お金をもらって、店が物をお客さんに渡すことです。 野菜を〜・安く〜
    引っ越したばかりで、近所の人に店を聞く。
    安い肉を売っている店を知っていますか。
  • 便利(べんり) 使うと楽にできて、役に立つことです。 〜なアプリ・〜な店
    クラスメートに、勉強に使っているアプリを見せる。
    これはわたしが毎日使う便利なアプリです。
  • 親切(しんせつ) ほかの人のことを考えて、やさしくすることです。 〜な人・〜な店員
    近所の病院について友達に聞かれる。
    駅の近くにある病院は、先生がとても親切ですよ。

宿題と次のコマ

宿題は、自分が行ったことのある店や場所を一つ選び、「ここは〜です」「〜たことがあります」「〜を着ている人が〜です」などを使って、写真つきのおすすめ紹介を4〜5文書いてくること。次のコマの最初に一人ずつ紹介し、聞いている人が一つ質問してから、第14課の ST1「初めて見た!初めて聞いた!」に入ります(この課の「NというN」で名前を紹介したことが、第14課の「『〜』と言います」で物の名前や言い方を説明することにつながります)。

よくある質問

  • 第13課の名詞修飾はどう導入すればいいですか?

    学習者が言える2つの文から始めます。「わたしは毎日この店に行きます」「これは店です」を板書して、前の文を[ ]にくくって名詞の前に移し、「行きます→行く」「わたしは→わたしが」の2か所だけを赤で書き替えます。そのあと持ち物や写真で「これは日本で買ったかばんです」のように、学習者自身のことで言わせると定着が早くなります。

  • 「〜たことがあります」と「〜ました」の違いはどう説明しますか?

    「〜ました」はいつしたかを言う一回のできごと、「〜たことがあります」は今までに経験があるかどうか、と分けます。「昨日、すしを食べました」と「すしを食べたことがあります」を並べ、時の語がつくのは前の文だけだと見せます。経験の文は、めずらしいことや話題になることに使うのが自然です。

  • 名詞修飾の中の「は」が「が」になるのはどう説明しますか?

    初級では理屈よりも、「名詞の前の[ ]の中では、動作をする人(主語)は『が』」という決まりとして見せます。ただし変わるのは「は」だけで、「を」「へ」「に」はそのままです。「安い野菜を売っている店」のように「を」まで「が」にしてしまう誤りが出やすいので、元の文と並べて確かめます。

  • 着る・はく・かぶる・かける・するは全部教えますか?

    この課の場面(服装で人を説明する・待ち合わせで自分を伝える)で使うので、5つとも出します。体の部分と動詞を線で結んだ板書を課の終わりまで残し、物のカードで何度も選ばせます。「ネクタイ・時計・マスク」の「する」は迷いやすいので、物と組にして覚えさせます。

  • 第13課は何コマで終わりますか?

    90分×3コマが目安です。1コマ目で導入と ST1、2コマ目で ST2 の名詞修飾と装着の動詞、3コマ目で ST3 と、クラスのおすすめ地図を作る課のまとめを行います。タ形・辞書形の作り方があやしいクラスは、導入の確かめに少し時間を足してください。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。