「故郷のことが思い出される」「作者の孤独が感じられる」のように、意図せず自然にそうなるという意味を表す用法。
「思い出される」「案じられる」「悔やまれる」など心の働きを表す動詞に偏って現れるのが特徴。同じ「れる・られる」の形が受身・可能・尊敬とも重なるため、学習者には形からではなく文脈と動詞の種類から見分けさせる指導が要る。
「この写真を見ると、学生時代のことが思い出される」は、思い出そうと努力したのではなく、写真を見たことで自然に記憶がよみがえることを表す。同じ内容を「学生時代のことを思い出す」と言うと、話し手が自分から記憶をたどる響きになる。二つを並べると、自発の意味がつかみやすい。
「〜と思われる」「〜と考えられる」は、判断を「自然にそう思える」という形で示す表現で、論説文やレポートによく現れる。話し手の意見を控えめに示す働きがあり、中級以上の読解や作文で出会う。学習者には、受身の「思われる」(人から〜と思われる)と並べて、文脈で読み分ける練習をさせるとよい。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。