助詞「の」は用法が広い。所有・所属(私の本)、同格(友人の田中さん)、準体=名詞化(本を読むのが好きだ)、主格交替(私の作った料理=連体修飾節の中で「が」の代わりに立つ)など。
学習者は「私の本」から入るため、それ以外の用法で混乱しやすい。とくに準体と主格交替は、文の構造を捉えないと説明できない。
「私の作ったケーキ」の「の」は、「私が作ったケーキ」の「が」と入れ替えられる主格の「の」である。学習者がこれを所有の「の」と考えると、作った人が私だという関係が見えにくくなる。「が」に戻しても文が成り立つかを試させると、所有の「の」と主格の「の」を見分ける手がかりになる。
「歌うのが好きです」「日本語を話すのは難しい」の「の」は、前の部分全体を名詞のようにまとめる準体の用法である。学習者には「×歌うが好きです」と「の」を落とす誤りが見られる。また「赤いのをください」のように、すでに話題にのぼった物の名前の代わりをする用法もある。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。