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できる日本語 中級 第3課「時間を生かす」の教案
『できる日本語 中級 本冊 第2版』 ・ できること4つ(見つけた!・耳でキャッチ・伝えてみよう・こんなときどうする?)
日本での毎日の時間をどう使うかを、読む・聞く・話す・聞き出す の4つの場面でやり取りする課です。1 で時間の使い方を取り上げた記事を読んで筆者のすすめる工夫をつかみ、2 で友達が生活のリズムのためにしている工夫を聞き取り、3 で将来の目標に向けて今の時間をどう使っているかを話し、4 で日本での生活を充実させている人から始め方やコツを聞き出します。第2課の「〜はずだ」「〜(が)いいんじゃない?」のような判断やすすめの言い方が、この課では「〜はずがない」「〜んじゃない?」に広がります。記事の書き言葉と友達どうしのくだけた話し言葉が1つの課に両方出るので、どの形がどちらの場面のものかを意識させます。
このページについて 教科書の会話・例文・練習の文は載せていません。例文と場面、やり取りの例はすべて自作です。課・ST の題と学習項目の表記は出版社のシラバス一覧(第2版)に合わせています。
学習項目 13時間 90分×4コマ場面 4
このページの内容
この課のねらい(Can-do)
進め方と時間配分
1 見つけた!
2 耳でキャッチ
3 伝えてみよう
4 こんなときどうする?
語彙の扱い
宿題と次のコマ
よくある質問
この課に関係する用語・解説・練習問題
この課のねらい(Can-do)
時間の使い方を取り上げた記事を読んで、筆者がすすめる工夫とその理由をつかめる
友達が生活のリズムを保つためにしている工夫を聞いて、何をどのようにしているかを聞き取れる
将来の目標に向けて今の時間をどう使っているかを、周りの人に具体的に話して共有できる
日本での生活を充実させている人に、やり方や始め方をくだけた言い方で聞いて、情報を得られる
進め方と時間配分 目安は 90分×4コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。
段 時間 やること
導入 10分 第2課の「〜はずだ」「〜(が)いいんじゃない?」を短く思い出させてから、教師が自分の1日の時間の使い方を円グラフで見せ、「時間が足りない」と感じるのはいつかを学習者に聞く。この課の4つの場面を予告する
1 見つけた! 90分 すきま時間の記事(自作)の見出しで内容を予想 → 筆者のすすめる工夫を3つ探す →「〜はずがない」「〜なんて」「〜ば〜ほど」「〜でも」を記事の中で確かめる → 時間の表現とことわざ
2 耳でキャッチ 80分 友達の話(自作の音声)を2回聞く。1回目は何を変えたか、2回目はどんなふうにしたか・そうすることでどうなったか →「こんな〜」「〜ふうに」「〜ことで」→ 自分の工夫を言う表現
3 伝えてみよう 90分 目標と今の時間の使い方をメモにまとめる →「〜にとって」「〜こともある」「〜なあ」を入れて2分ほどの発表 → 聞く側が1つずつ質問
4 こんなときどうする? 70分 生活を充実させている人の情報カードを使い、ペアでくだけた言い方で聞き出す →「〜ことだし」「〜てくれない?」「〜んじゃない?」
課のまとめ 20分 1〜4で集めた工夫を、クラスで「すぐできる・続けたい・試してみたい」に分けて貼り出す。最後に一人ずつ、来週から試すことを1つ宣言させる
1 見つけた!
できること 時間の使い方をテーマにした記事を読んで、筆者のすすめる方法とその理由を読み取れる。
場面 生活情報サイトの記事やフリーペーパーのコラムで、時間の使い方についての文章を読む場面です。教室では、通勤・通学の時間や待ち時間などの「すきま時間」の使い方をすすめる400字ほどの記事を自作して配ります。まず見出しと最初の段落だけで何についての記事かを予想させ、次に筆者がすすめる工夫を3つ探させてから、文型の確認に進みます。
記事:「忙しくて勉強する時間なんてない」と思っていませんか。
記事:1日の中には、電車を待つ5分や、昼休みの残りの10分のような、すきま時間がいくつもあります。
記事:たった5分で何かが身につくはずがない、と考える人もいるでしょう。
記事:しかし、短い時間でも、続ければ続けるほど積み重ねは大きくなります。
記事:1日10分でも、1年で60時間以上になるなんて、驚く人も多いのではないでしょうか。
記事:まずは明日の朝、電車の中で単語アプリでも開いてみてはどうでしょう。
学習項目 1 〜はずがない
意味・はたらき
理由や知っていることから考えて、そうなる可能性はまったくないと、話し手が強く打ち消す言い方です。記事では「5分で身につくはずがない」のように、読み手が持っていそうな思い込みを先に出し、そのあとで筆者が否定する組み立てによく使われます。「〜ないはずだ」は「たぶん〜ないだろう」という見込みで打ち消しが弱く、「〜はずがない」は可能性そのものを否定するので強い言い方です。会話では「〜わけがない」もほぼ同じ意味で使われ、こちらのほうが話し手の気持ちが強く出やすい傾向があります。
接続 V普通形・イA普通形・ナAな・Nの+はずがない(ナA・Nは「である」も。過去のことは「Vたはずがない」)
形
5分で身につくはずがない あの人が知らないはずがない そんなに簡単なはずがない 今日が休みのはずがない
導入
ありえない話に反応させる 教師が「1日1時間しか寝ないで、毎日10時間勉強している人がいるそうです」と言い、学習者から「えー、うそ」「無理」という反応を引き出す。そこで「1時間しか寝ないで、毎日10時間も勉強できるはずがない」と言い直す。板書は「〜はずがない=可能性はゼロ」と「〜ないはずだ=たぶん〜ない」の2行を並べ、強さの違いを矢印の長さで見せる。
板書案
〔赤〕V・イA普通形/ナAな/Nの + はずがない
5分で 身につく はずがない。 →〔赤〕可能性はゼロ(長い矢印)
(比べる)来ない はずだ →〔青〕たぶん来ない(短い矢印)
(比べる)来ない はずがない → 必ず来る
〔緑〕目上には:〜ではないと思うんですが
場面と発話(自作)
友達が「駅前のコンビニ、今日は閉まってたよ」と言うが、そこは24時間営業の店だと知っている。 え、あの店が閉まってるはずがないよ。24時間営業だもん。
同僚から、入ったばかりの新人が大量の資料を一人で作ったと聞き、驚く。 まだ入って3日なのに、一人で全部作れるはずがないですよ。
生活情報の記事で、筆者が読み手の思い込みを打ち消す。 睡眠を削って勉強しても、内容がしっかり頭に残るはずがない。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、教師が「あの人は日本に10年住んでいる。日本語が話せない?」のように、事実とありえない推測を対にしたキューを出し、「日本語が話せないはずがない」と打ち消させる。慣れたら記事の中の「〜はずがない」に線を引かせ、筆者がその前後で何を否定し、何をすすめているかを言わせる。
口頭 事実とありえない推測を対にしたカードを出す(「24時間営業の店/今日は閉まっている?」「料理学校の先生/料理が下手?」「昨日着いたばかりの人/町に詳しい?」「日本に10年住んでいる人/日本語が話せない?」)。教師が推測を読み上げ、全体で「閉まっているはずがない」と打ち消させてから列・個人へ。ナA・Nのカード(下手だ・休みだ)を混ぜ、「下手なはずがない」「休みのはずがない」の接続を口でそろえる。
ペア A は「うわさカード」(「駅前のラーメン屋、1杯100円らしいよ」など)を読み、B は「え、〜はずがないよ。だって〜」と理由を1つ添えて打ち消す。A のカードの裏には本当の情報が書いてあり、「実はね、〜」で答え合わせをする(情報差)。3枚ずつで役を交替する。
産出 活動「ひとことコラム」。すきま時間の工夫を一つ選び、「〜はずがない、と思う人もいるでしょう。しかし、〜」の形で、読み手の思い込みを出してから打ち消す3文のコラムを書かせ、隣の人と読み合う。教師は①Nの「の」・ナAの「な」 ②打ち消す根拠が書けているか ③会話で目上の人の言葉をそのまま「はずがない」で否定していないか、を見る。
つまずきと手当て
「*学生はずがない」「*静かはずがない」と、Nの「の」やナAの「な」を落とす。接続を品詞ごとに板書し、名詞は「Nのはず」とまとめて言わせる
「〜ないはずだ」と「〜はずがない」を同じ強さだと思う。可能性の矢印(たぶん〜ない/ゼロ)で見せ、根拠が弱いときに「はずがない」を使うと言い過ぎになると添える
強い打ち消しなので、目上の人の言ったことを「そんなはずがないです」とそのまま否定して角が立つ。目上の人には「〜ではないと思うんですが」のように和らげる言い方を合わせて教える
既習の文型との違い
〜はずだ(第2課) 「はずだ」は根拠から当然そうだと見込む言い方で、「はずがない」はその可能性そのものを打ち消します。間に「〜ないはずだ(たぶん〜ない)」が入るので、3つを強さの矢印で並べると整理しやすくなります。学習者は「来ないはずがない(必ず来る)」と「来ないはずだ(たぶん来ない)」を混ぜて、意味を逆に取りがちです。
〜わけがない(第18課) どちらも可能性を強く打ち消し、多くの文で置き換えられます。「わけがない」のほうが話し手の気持ちが強く出やすく、会話では「〜わけない」と縮めることもあります。第3課では「はずがない」を定着させ、「わけがない」は出てきたときに比べると負担が軽くなります。
関連する文型
学習項目 2 〜なんて(驚き)
意味・はたらき
ある事実を取り上げて、それが意外だ・信じられないという驚きや感心(ときに不満)を表します。後ろに「驚いた」「すごい」「信じられない」などの気持ちが続くことが多く、会話では気持ちを言わずに「〜なんて。」で終えることもあります。くだけた話し言葉の形で、記事でも読み手に語りかける部分に出ます。硬い書き言葉では「〜とは」が近い意味で使われます。第12課で学ぶ「〜なんて/〜なんか」(軽く見る気持ち)と形は同じなので、ここでは驚きのほうだけを扱います。
接続 V普通形・イA普通形+なんて/ナA・N+だなんて(Nは「だ」をつけずに「Nなんて」とも言う)
形
毎日3時間も通勤するなんて、大変だね 1日10分が60時間以上になるなんて あの人がもう帰ったなんて もう12月だなんて
導入
数字で驚かせる 教師が「1日10分を1年続けると、何時間になると思いますか」と聞き、予想を出させてから「60時間以上です」と板書する。学習者の「えー」という反応を受けて「1日10分が60時間以上になるなんて、驚きますね」と言う。板書は「[事実]+なんて、[気持ち]」の形にし、気持ちの部分を学習者に言わせる。
板書案
[事実] + なんて、[気持ち]
1日10分が 60時間以上に なるなんて、〔赤〕驚いた!
〔青〕V・イA普通形 + なんて / ナA・N + だなんて
もう 12月だなんて。(気持ちを言わずに終わる)
〔緑〕レポートでは:〜とは/〜ことに驚いた
場面と発話(自作)
友達が、毎朝4時に起きて走っていると話した。 毎朝4時に起きるなんて、すごいね。
カレンダーを見て、日本に来てもう1年たったことに気づく。 もう1年たったなんて、信じられない。
楽しみにしていた花火大会が、急に中止になったと聞く。 中止だなんて、残念。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、意外な事実のカード(「毎日5時間ゲームをする」「1か月で漢字を300覚えた」など)を引かせ、「〜なんて、[気持ち]」を言わせる。気持ちの部分は最初「すごい・うらやましい・大変だ・信じられない」から選ばせ、慣れたら自分の言葉で言わせる。
口頭 意外な事実のカード(「毎朝4時に起きる」「1か月で漢字を300覚えた」「10歳で大学に入った」「あの店がもう閉店した」)を見せ、全体で「〜なんて、すごい/信じられない」と言わせる。次にナA・Nのカード(「もう12月だ」「明日がテストだ」「あの人が社長だ」)を混ぜて「だなんて」を口でそろえ、列・個人へ。気持ちの部分は最初は黒板の4語から選ばせる。
ペア A は「実はね、〜んだ」で自分の意外なニュース(作り話でよい)を言い、B は「〜なんて、〜!」と驚いてから質問を1つ返す(「どうやって?」「いつから?」)。A は質問に一言で答える。カード3枚で交替する。
産出 活動「びっくり数字クイズ」。学習者が自分の生活から時間の数字を計算してクイズにする(1年で通学に使う時間、1週間にスマホを見る時間など)。出題者が答えを言ったら、聞き手は「〜なんて」で反応し、自分の場合も一言足す。教師は①動詞・イAに「だ」を付けていないか ②相手のことを見下したように聞こえないか(後ろによい評価を続けているか)を見る。
つまずきと手当て
「知らないだなんて」「行くだなんて」と、動詞やイAにも「だ」をつける。会話では耳にするが標準的な形ではないので、「だ」が入るのはナA・Nのときだけと、品詞ごとの接続表で確かめる
レポートや改まったメールで「〜なんて驚きました」と書く。話し言葉の形なので、硬い文章では「〜とは」や「〜ことに驚きました」に言い換えると示す
驚きの「なんて」と、軽く見る「なんて」(「宿題なんてやりたくない」)を混同し、相手のことに使って見下したように聞こえる。相手の話に使うときは、後ろに「すごい」などのよい評価を続けると誤解されにくいと伝える
既習の文型との違い
〜なんて/〜なんか/〜など(第12課) 形は同じですが、第12課のほうは「宿題なんてやりたくない」のように、前の名詞を軽く見る気持ちを表します。第3課の「なんて」は普通形の文を受けて、その事実に驚く言い方です。前に来るのが文か名詞か、後ろが驚きか否定的な評価かで見分けさせます。
なんて〜んだろう/なんて〜だろう(第14課) 文の頭に置く「なんて」は「なんてきれいなんだろう」のように程度に感動する言い方で、この課の文の終わりに付く「なんて」とは位置が違います。両方を「なんて」で覚えて混ぜないよう、第3課では「[事実]なんて」の形だけを板書します。
関連する文型
学習項目 3 (〜ば)〜ほど
意味・はたらき
「AばAほどB」は、Aの程度が進むのにともなって、Bの程度も進むことを表します。同じ語を「ば」の形と辞書形でくり返し、「ば」の部分を省いて「Aほど、B」とも言います(意味は同じで、省いたほうがやや簡潔に聞こえます)。記事では「続ければ続けるほど効果が大きくなる」のように、筆者のすすめを支える理屈によく使われます。「〜につれて」も二つの変化が並んで進むことを表しますが、前後に変化を表す動詞が来ることが多いのに対し、「〜ば〜ほど」は「早ければ早いほどいい」のように後ろに評価の言葉も来ます。
接続 Vば+V辞書形+ほど/イAければ+イAい+ほど/ナAなら+ナAな+ほど(ナA・Nは「〜であればあるほど」とも。硬い言い方)
形
続ければ続けるほど上手になる 早ければ早いほどいい 静かなら静かなほど集中できる 考えるほど分からなくなる(「ば」を省いた形)
導入
グラフで右上がりを見せる 黒板に横軸「練習する時間」、縦軸「上手さ」のグラフを描き、線を右上がりに伸ばしながら「練習すれば練習するほど上手になります」と言う。次に横軸を「寝るのが遅い」、縦軸を「朝がつらい」に替えて学習者に言わせる。板書は「Vば+V辞書形+ほど」とし、同じ語をくり返す位置に色をつける。
板書案
Vば + V辞書形 + ほど 〔赤〕同じ語をくり返す
続ければ 続ける ほど、〔青〕上手になる ↗
イA:早ければ 早い ほど / ナA:静かなら 静かな ほど
(ば を省く)考える ほど、わからなくなる
〔緑〕グラフ:横軸=練習する時間 縦軸=上手さ(右上がり)
場面と発話(自作)
日本語の勉強を始めたばかりの後輩に、聞き取りのコツを話す。 毎日聞けば聞くほど、耳が慣れてくるよ。
引っ越し先を探している友達に、駅からの距離と家賃の関係を話す。 駅に近ければ近いほど、家賃は高くなるよ。
夜遅くまで動画を見てしまう理由を友達に話す。 見るほど次の動画が気になって、やめられなくなるんだ。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、動詞・形容詞のカード(「練習する」「早い」「静かだ」)を見せて「〜ば〜ほど」の前半を作らせ、教師が後半のキュー(「上手になる」「いい」「集中できる」)を出してつなげさせる。慣れたら、記事にあった工夫がなぜよいのかを「〜ば〜ほど」を使って説明させる。
口頭 はじめに1分だけ条件形を確かめる(続ける→続ければ、早い→早ければ、静かだ→静かなら)。次に前半のキュー(「練習する」「駅に近い」「便利だ」「部屋が広い」)で「〜ば〜ほど」を作らせ、教師が後半のキュー(「上手になる」「家賃が高い」「人が集まる」「掃除が大変だ」)を出してつなげる。全体→列→個人。
ペア A は横軸と縦軸の語だけが書かれたグラフカード(右上がりと右下がりの両方)を見せ、B が「〜ば〜ほど、〜」の1文にする(右下がりの例:「寝る時間が短ければ短いほど、集中できない」)。A はカードの答えと比べて言い方を確かめる。4枚で交替する。
産出 活動「わたしの生活の法則」。自分の生活で見つけた法則を「〜ば〜ほど、〜」で1文カードに書き、クラスで読み上げる。聞いた人は「わたしもそう思う/わたしは違う、だって〜」と一言返す。教師は①ば形の作り方 ②くり返す語が同じか ③程度が増えていく語に使っているか(一回きりのことに使っていないか)を見る。
つまずきと手当て
「*練習するば練習するほど」「*早いければ早いほど」と、「ば」の形を作りまちがえる。初中級の条件形を短く確かめてから入る
「*静かなら静かほど」「*静かければ静かなほど」と、ナAの形が崩れる。ナAは「〜なら〜なほど」、イAは「〜ければ〜いほど」と並べて言わせる
「結婚すれば結婚するほど」のように、程度が進まない一回きりのことに使ってしまう。グラフの横軸に置けるような、程度が増えていく語に使う形だと確かめさせる
既習の文型との違い
〜につれて(第5課) 「時間がたつにつれて寒くなる」のように、前後とも自然に進む変化を並べるのが「〜につれて」で、後ろに話し手の評価やすすめは来にくい言い方です。「〜ば〜ほど」は「早ければ早いほどいい」のように、後ろに評価や主張も置けます。学習者が「*早いにつれていい」と言ったら、この違いに戻ります。
条件形(初中級第9課) 形は初中級の条件形をそのまま使います。「練習すれば上手になる」は条件だけですが、同じ語をくり返して「ほど」を付けると、程度が比例して進むことになります。条件形が崩れているクラスでは、先に条件形だけを短く立て直します。
関連する文型
学習項目 4 〜でも(例示)
意味・はたらき
いくつかある選択肢の中から一つを軽く例として挙げ、「ほかのものでもかまわない」という気持ちを表します。「お茶でも飲みませんか」のように、誘い・提案・すすめ・希望の文で使うと、押しつけない柔らかい言い方になります。記事では「まずは単語アプリでも開いてみては」のように、読み手に気軽な一歩をすすめる文に出ます。第1課の「〜でも(極端な例)」(「子どもでもできる」)は「〜さえ」に近い意味で、形は同じでも働きが違います。
接続 N+でも(「が」「を」は「でも」に置き換わる。「に」「と」「から」などは残して「Nにでも」「Nとでも」)
形
お茶でも飲みませんか 週末に映画でも見に行こう 公園にでも行ってみたら? 先輩にでも聞いてみよう
導入
休み時間の誘いを再現する 教師が学習者の一人に「少し疲れましたね。コーヒーでも飲みませんか」と誘い、「コーヒーじゃないとだめですか」と別の学習者に聞いて、紅茶でもジュースでもいいという気持ちが含まれていることを確かめる。板書は「Nを飲みませんか」と「Nでも飲みませんか」を並べ、後ろの文が誘いやすすめであることに印をつける。
板書案
N + でも + 〔赤〕〜ませんか/〜よう/〜たら?
お茶を 飲みませんか → お茶でも 飲みませんか(〔青〕ほかの物でもいい)
〔赤〕が・を → でも / 〔青〕に・と・から は残す → にでも・とでも・からでも
週末、公園にでも 行ってみたら?
場面と発話(自作)
テスト勉強で疲れている友達を、気分転換に誘う。 ちょっと休憩して、散歩でもしない?
すきま時間に何をしたらいいか分からないという後輩に助言する。 電車の中で、ニュースの見出しでも読んでみたら?
仕事の帰りに、同僚と少し時間が空いた。 せっかくだから、駅前でご飯でも食べていきませんか。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、場面カード(「友達が疲れている」「休みの日にひまだ」)を見せて、「Nでも〜ませんか/〜たら?」を言わせる。助詞の残る形(「図書館にでも」「友達とでも」)になるキューも混ぜる。
口頭 場面カード(「友達が疲れている」「雨で出かけられない」「すきま時間が10分ある」「週末にひまだ」)を見せ、「Nでも〜ませんか/〜たら?」を全体で言わせる。次に助詞が残るキュー(「図書館に行く」「先輩に聞く」「家族と話す」)を混ぜ、「図書館にでも」「先輩にでも」の形を口でそろえてから個人へ。
ペア A は困りごとカード(眠い・退屈だ・勉強がはかどらない)を言い、B は「Nでも〜たら?」で軽くすすめる。A は「いいね」か「うーん、ほかには?」で返し、B はもう一つ案を出す。3枚で交替する。
産出 活動「すきま時間メニュー」。5分・10分・30分の空き時間にできることを、友達にすすめる形(「〜でもしてみたら?」)で1つずつ書き、グループで読み合って一番やってみたいものを選ぶ。教師は①「を」が残っていないか ②文末が誘い・すすめになっているか ③決まったものを頼む場面に使っていないかを見る。
つまずきと手当て
「*お茶をでも飲みませんか」と「を」を残す。「が」「を」は「でも」に替わり、「に」「と」は残る、と2種類に分けて板書する
誘いやすすめではなく、もう済んだことを言う文に使う(「昨日はお茶でも飲みました」)。この「でも」は、まだしていないことを軽くすすめる文で使うのがふつう、と場面で確かめる
「でも」を付けると「ほかの物でもいい」という軽さが出るので、決まったものを頼むときに付けると意図がぼやける(窓口で「この書類にでもサインしてください」)。必ずそれをしてほしいときは「でも」を付けないと、場面を並べて見せる
既習の文型との違い
〜でも(極端な例)(第1課) 第1課の「子どもでもできる」は、極端な例を出して「ほかの人ならもちろん」という意味を表し、「さえ」に近い言い方です。第3課の「でも」は一つを軽く例に挙げ、後ろに誘いやすすめが来ます。形は同じなので、後ろの文の種類で見分けさせます。
Nなんかどうですか(初中級第14課) どちらも例を挙げてすすめますが、「なんかどうですか」は案そのものを相手にたずねる決まった形で、「でも」は「Nでも飲みませんか」のように動詞の文の中に入ります。会話では両方を続けて使うこともあると見せます。
関連する文型
この場面のことば・表現
時間の使い方に関係がある表現 記事によく出る、「時間」と動詞を組み合わせた連語をまとめて扱います。「時間を〜」「時間に〜」の形で板書し、自分の1日に当てはめて言わせると定着します。例:「勉強に毎日30分を割く」/「時間に追われる」/「すきま時間を活用する」/「時間を無駄にする」/「休みの日をだらだら過ごす」/「時間を有効に使う」
時間の使い方や大切さを表すことわざ ことわざは意味を説明する前に、どんな場面で言うかを先に見せます。記事の締めくくりや、人に何かをすすめるときに使われることが多いと伝え、自分の経験に当てはまるものを1つ選んで話させます。例:「時は金なり」(時間はお金と同じように大切)/「早起きは三文の徳」(早く起きると何かいいことがある)/「光陰矢のごとし」(月日はあっという間に過ぎる)/「塵も積もれば山となる」(小さなことでも重ねれば大きくなる)/「急がば回れ」(急ぐときほど確実な方法のほうが結局早い)
2 耳でキャッチ
できること 友達が生活のリズムのためにしている工夫を聞いて、何をどのように変えたかを聞き取れる。
場面 クラスメートや同じ寮の友達が、夜型から朝型の生活に変えた話や、寝る前の過ごし方を話しているのを聞く場面です。教室では教師が友達役で1分ほどの話を自作して録音するか読み上げ、1回目は「何を変えたか」だけ、2回目は「どんなふうに変えたか」「そうすることでどうなったか」をメモさせます。
友達A:最近、夜11時には寝るようにしてるんだ。
友達B:え、前は2時ごろまで起きてたよね。どうやってそんなふうに変えたの?
友達A:寝る1時間前にスマホを机の引き出しにしまうことで、自然に眠くなるんだよね。
友達B:へえ。こんな簡単なことで変わるんだ。
友達A:うん。朝も早く起きられるようになって、朝ご飯を作る時間ができたよ。
友達B:わたしもそんな生活してみたいな。
学習項目 1 こんな〜/そんな〜/あんな〜/どんな〜
意味・はたらき
名詞の前について、「このような〜」の意味で物の様子や種類を指します。「このN」が特定の一つを指すのに対し、「こんなN」は「このような種類・様子の〜」を指し、驚き・感心・不満などの気持ちが加わることがよくあります。聞き取りでは、相手が今話したことは「そんな」で受け、話し手が自分の側のことや今から話すことは「こんな」で指す、という使い分けが手がかりになります。「あんな」は話し手と聞き手が両方知っていること、「どんな」は様子や種類を聞くときに使います。改まった場面では「このような」「そのような」に言い換えます。
接続 こんな・そんな・あんな・どんな+N(「こんなに」「そんなに」は形容詞・動詞の前で程度を表す)
形
こんな工夫 そんな生活 あんな混んでいる店 どんな方法
導入
話の受け方で見せる 教師が「わたしは毎晩10時に寝ます」と言い、学習者に「そんな生活、いいですね」と受けさせる。続けて教師が手帳を見せながら「こんな手帳で、毎日の予定を色分けしています」と自分の側のものを「こんな」で指す。板書は話し手の側に「こんな」、相手が言ったことに「そんな」、二人とも知っていることに「あんな」、聞くときに「どんな」を、会話の図の中に矢印で置く。
板書案
こんな・そんな・あんな・どんな + N
このN=これ一つ / こんなN=このような種類・様子
〔赤〕話し手の側:こんな 〔青〕相手が言ったこと:そんな 〔緑〕二人とも知っている:あんな 聞く:どんな
A:毎晩10時に寝てるんだ。 B:そんな生活、いいね。
改まって:このような・そのような
場面と発話(自作)
友達が「夜8時からあとは何も食べない」と話したのを聞いて。 そんなこと、本当にできるの?
去年の夏に二人で行った、とても混んでいた海を思い出して。 あんな混んでる海には、もう行きたくないね。
友達の早起きの話を聞いて、やり方を知りたくなる。 どんな工夫をしてるの?
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、教師が生活習慣を一文言い(「毎朝5時に起きて走っている」)、学習者が「そんな〜、すごいね/大変だね」と受ける練習から始める。次に聞き取りの音声を流し、「こんな」「そんな」が何を指しているかを答えさせる。
口頭 教師が生活習慣を一文言い(「毎朝5時に走っている」「夜8時からは何も食べない」「週に3回料理教室に通っている」)、全体で「そんな〜、すごいね/大変だね」と受けさせる。次に実物(手帳・キッチンタイマー・単語カード)を見せて、学習者に自分の側のものとして「こんな〜を使っています」と言わせる。全体→個人。
ペア A は「生活の工夫カード」(絵つき)を持ち、B はその中身を知らない。B が「どんな工夫をしてるの?」と聞き、A が絵を見せながら「こんな〜を使ってる」と答え、B が「そんな〜があるんだ」と受ける。最後に、二人ともが知っている先週の出来事(混んでいた電車など)を「あんな〜」で一言話す。交替する。
産出 活動「こそあど聞き取り探偵」。自作の友達の話(1分)を聞いて、「こんな」「そんな」が何を指していたかをメモし、ペアで照らし合わせる。そのあと自分の工夫を写真か実物で見せながら「こんな〜で、〜しています」と30秒で紹介する。教師は①相手の話を「そんな」で受けているか ②「こんなの〜」と「の」を入れていないかを見る。
つまずきと手当て
「*こんなの時間に」と「の」を入れる。「この時間」と「こんな時間」を並べ、「こんな」の後ろには直接名詞が来ると確かめる
相手が今話したことを「あんな生活、いいね」と「あんな」で受ける。相手の話は「そんな」、二人がもともと知っていることは「あんな」と、会話の図で確かめる
「こんな」に気持ちが乗りやすいことを知らず、相手の持ち物について「こんなかばん」と言って見下したように聞こえることがある。気持ちを入れたくないときは「このような」「こういう」を使うと添える
既習の文型との違い
このN・そのN・あのN(初級第2課) 「この本」は目の前の特定の一冊、「こんな本」は「このような種類・様子の本」です。「この本を読んだ」と「こんな本を読みたい」を並べると、後者は同じ本でなくてもよいことが分かります。「こんな」には驚きや不満がこもりやすい点も添えます。
どんなN(初級第4課) 初級では「どんな町ですか」と様子を聞く形だけを扱いました。この課では「こんな・そんな・あんな」と4つをそろえ、相手の話の受け方と、気持ちがこもる使い方に広げます。
関連する文型
学習項目 2 〜ふうに
意味・はたらき
やり方や様子を「このように・そのように」と示す言い方で、「こんなふうに」「どんなふうに」の形でよく使います。生活の工夫を聞く場面では、相手が「どんなふうに」したのか、具体的なやり方を聞き出すのに便利です。文の内容を受けるときは「〜というふうに」の形になります。「このように」「〜ように」は書き言葉や改まった話でも使えるのに対し、「〜ふうに」は話し言葉で多く使われます。「鳥のように飛ぶ」のように、名詞に直接つけて「〜のように」の代わりにすることはできません(「*鳥ふうに」)。ただし「何も知らないふうに話す」のように、様子やふりを表す使い方はあります。
接続 こんな・そんな・あんな・どんな+ふうに/文(普通形)+というふうに
形
こんなふうに書くと見やすい どんなふうに変えたの? 平日は勉強、週末は休むというふうに決めている
導入
やり方を実演する 教師がノートを見せながら「わたしは、こんなふうに、やることを色ペンで3つに分けて書いています」と、実際に書いてみせる。学習者に「どんなふうに単語を覚えていますか」と聞き、ノートやスマホを見せながら「こんなふうに」で答えさせる。板書は「どんなふうに〜?」「こんなふうに〜」の問いと答えの対にする。
板書案
こんな・そんな・あんな・どんな + ふうに + V
Q:どんなふうに 覚えてるの?
A:こんなふうに カードに 書いてるんだ。
文(普通形) + というふうに:平日は勉強、週末は休む というふうに
〔赤〕N+ふうに(たとえ)は × → 鳥のように 飛ぶ
場面と発話(自作)
料理の上手な友達に、短い時間で作る方法を聞く。 いつもどんなふうに準備してるの?
自分の1週間の時間の決め方を、友達に説明する。 月・水・金は勉強、火・木は運動っていうふうに分けてるんだ。
日本語の先生に、作文の直し方を相談する。 この段落は、どんなふうに書き直したらいいでしょうか。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、手順の絵カード(ノートの色分け・タイマーを使う勉強など)を見せて「こんなふうに〜」で説明させ、ペアの相手には「どんなふうに〜?」で聞き返させる。最後に、自分の工夫を「〜というふうに決めている」で言わせる。
口頭 手順の絵カード(ノートを色ペンで3つに分ける・タイマーで25分区切る・単語を壁に貼る・通勤中に音声をまねして言う)を見せ、教師の「どんなふうに?」のキューに全体で「こんなふうに〜」と答えさせる。次に学習者が自分のノートやスマホを見せて個人で言う。
ペア A が自分の工夫を一言(「単語は寝る前に覚えてる」)言い、B が「どんなふうに?」と聞き返す。A は身ぶりかメモで実際にやってみせながら「こんなふうに〜」と答え、最後に B が「〜というふうにしてるんだね」とまとめて確かめる。交替する。
産出 活動「わたしの時間割、こう決めてる」。1週間の時間の決め方を「〜は〜、〜は〜というふうに決めている」で説明し、聞き手が「どんなふうに続けてるの?」と1つ質問する。教師は①こそあど+ふうに の形 ②「というふうに」の前が文になっているか ③たとえの意味に使っていないかを見る。
つまずきと手当て
「*どうふうに」「*このふうに」と作る。「ふうに」の前に来るのは「こんな・そんな・あんな・どんな」だと、こそあどの表で確かめる
たとえの意味で「*鳥ふうに飛ぶ」と使う。たとえるときは「〜のように」「〜みたいに」を使うと、第6課の例示や初中級の比況の形につなげる
文を受けるときに「という」を落として「*平日は勉強、週末は休むふうに決めている」と言う。「というふうに」を一つのかたまりとして板書し、前の文に下線を引く
既習の文型との違い
〜のような/〜のように(例示)(第6課) 「〜のように」は例やたとえを表し、書き言葉でも使えます。「〜ふうに」はやり方・様子を示す話し言葉で、「鳥のように飛ぶ」のような名詞に直接つけたたとえには使いません。改まった発表では「このように」に言い換えると示します。
Vるようにしています/Vないようにしています(初中級第12課) 音が似ているため「*毎朝走るふうにしている」と混ぜる学習者がいます。習慣にしようと努めていることは「Vるようにしている」、やり方の中身を見せるのが「こんなふうに〜」です。2つの文を並べ、「ように」の前には動詞が直接来ると確かめます。
関連する文型
学習項目 3 〜ことで
意味・はたらき
ある行動をした結果、後ろのような変化やよい効果が生まれる、という手段と結果の関係を表します。生活の工夫を話すときに「スマホをしまうことで、早く眠れるようになった」のように、何をしてどうなったかを1文で言えます。「〜て」でも手段は言えますが、「〜ことで」のほうが「その行動がもとになって」という関係がはっきりします。さらに硬い言い方が「〜ことによって」で、レポートや記事で使います。目的を言う「〜ために」とは向きが逆で、「〜ことで」の後ろには目的ではなく結果が来ます。
接続 V普通形+ことで(「Vないことで」も)
形
寝る前にスマホをしまうことで、早く眠れるようになった 朝に運動することで、一日中頭がすっきりする 夜遅くに食べないことで、朝おなかがすくようになった
導入
前と後を比べる 教師が「前」と「後」の2枚の絵(夜中までスマホを見ている人/スマホを箱に入れてぐっすり眠っている人)を見せ、「スマホを箱に入れました。それで、よく眠れるようになりました」と2文で言う。そのあと「スマホを箱に入れることで、よく眠れるようになりました」と1文にまとめる。板書は「[したこと]ことで、[よくなったこと]」とし、2つの部分を矢印でつなぐ。
板書案
[したこと]V普通形 + ことで、[結果・よくなったこと]
スマホを しまう ことで、〔青〕早く 眠れるようになった。
〔赤〕目的は × → 健康になる ために 走る
〔緑〕硬い言い方:〜ことによって(レポート・記事)
場面と発話(自作)
友達に、最近朝型になれた理由を話す。 朝ご飯を毎日同じ時間に食べることで、体のリズムが整ってきたんだ。
アルバイト先で、仕事が早く終わるようになった理由を聞かれる。 先にやることを書き出しておくことで、迷う時間が減りました。
会社の新人研修で、先輩がメモの取り方を説明する。 聞きながら要点だけ書くことで、あとで見返す時間が短くなります。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、「したこと」と「その結果」のカードを1枚ずつ組み合わせて「〜ことで、〜」の1文にさせる。次に聞き取りの音声で「何をしたことで、どうなったか」をメモさせ、そのメモから1文で言い直させる。
口頭 「したこと」のカード(朝ご飯を同じ時間に食べる・やることを書き出す・夜遅くに食べない・寝る前に部屋を暗くする)と「結果」のカード(体のリズムが整う・迷う時間が減る・朝おなかがすく・すぐ眠れる)を組み合わせ、「〜ことで、〜」の1文にさせる。全体→個人。「Vないことで」のカードも1枚混ぜる。
ペア A は「前」の絵、B は「後」の絵(同じ人の生活の変化)を持ち、互いに見せない。B が自分の絵を説明して「何をしたことで、そうなったの?」と聞き、A が自分の絵から「〜ことで」で答える。最後に2枚を並べて確かめる。交替する。
産出 活動「ビフォー・アフター発表」。自分の生活で変えたことを1つ選び、「前は〜。でも、〜ことで、〜ようになった」の3文で話す。聞き手は「何をした/どうなった」をメモして言い返す。教師は①後ろに目的ではなく結果が来ているか ②「Nのことで」と混同していないか ③「寝るのことで」と「の」を入れていないかを見る。
つまずきと手当て
「*寝るのことで」と「の」を入れる。「Vる+ことで」を一つのかたまりとして板書し、名詞なら「Nによって」などを使うと添える
目的を言おうとして「健康になることで、毎朝走っている」と言う。後ろには結果が来ると確かめ、目的なら「健康になるために、毎朝走っている」と言い換えさせる
「Nのことで」(「仕事のことで相談がある」=〜について)と混同して、聞き取りで意味を取りちがえる。前が名詞か動詞かで聞き分けさせる
既習の文型との違い
Vるために、〜/Nのために、〜(目的)(初中級第3課) 「ために」は目的が前、それをする行動が後ろに来ます。「ことで」は行動が前、その結果が後ろで、向きが逆です。同じ「早く寝る・朝勉強する」を使って、「朝勉強するために早く寝る」「早く寝ることで朝勉強できるようになった」と並べると違いが見えます。
〜て、〜(理由)(初中級第5課) 「スマホをしまって、よく眠れた」もテ形で言えますが、テ形は順番・理由・手段のどれにもなり、関係がぼやけます。「ことで」はその行動がもとになって結果が生まれた、という手段と結果の関係をはっきり示します。
関連する文型
この場面のことば・表現
生活のリズムのためにしている工夫について話すときの表現 習慣として続けていることを言う形と、生活のリズムの状態を言う語をまとめて扱います。初中級の「Vるようにしています」を思い出させ、「〜ことにしている」は自分で決めたルールを言う形だと違いを添えます。例:「毎朝同じ時間に起きるようにしている」/「寝る前にはスマホを見ないことにしている」/「朝型・夜型」/「生活のリズムが崩れる・整う」/「仕事と休みにメリハリをつける」/「休みの日も寝だめをしない」
3 伝えてみよう
できること 将来の目標に向けて、今の時間をどのように使っているかを、具体的な工夫とあわせて周りの人に話せる。
場面 クラスの発表や地域の交流会のスピーチで、将来の目標と、そのために今の時間をどう使っているかを2分ほどで話す場面です。教室では「目標」「今していること」「続けるための工夫」「うまくいかないとき」の4つの欄があるメモ用紙を配り、メモを見ながら小グループで発表させます。聞く側には、発表のあとに質問を1つずつさせます。
発表者:わたしの目標は、日本の会社で通訳の仕事をすることです。
発表者:わたしにとって、毎朝の1時間は、その目標のための大切な時間です。
発表者:朝6時に起きて、日本語のニュースを聞きながらメモを取っています。
発表者:アルバイトで疲れて、起きられないこともあります。
発表者:でも、続ければ続けるほど聞き取れる言葉が増えてきて、うれしいです。
発表者:いつか日本と自分の国をつなぐ仕事ができたらいいなあと思っています。
学習項目 1 〜なあ
意味・はたらき
文の終わりにつけて、感心・驚き・願いなどの気持ちを、ひとりごとのように表します。「いいなあ」「すごいなあ」のほか、「〜たいなあ」「〜たらいいなあ」で願いを言うのによく使います。相手に同意を求める「〜ね」と違い、「〜なあ」は自分の気持ちを口に出す言い方なので、相手の返事を必ずしも求めません。くだけた形なので、発表のような改まった場では「〜たらいいなあと思っています」と「と思う」の中に入れて使うと自然です。
接続 普通形+なあ(ナA・Nは「〜だなあ」。「〜たい」「〜たらいい」のあとにもつく)
形
すごいなあ きれいだなあ 日本語で仕事がしたいなあ 通訳になれたらいいなあと思っています
導入
気持ちを口に出してみせる 教師が窓の外を見て「ああ、いい天気だなあ。どこかへ出かけたいなあ」とひとりごとのように言い、学習者に「先生は今、誰に話しましたか」と聞いて、相手に向けた言葉ではないことに気づかせる。次に発表の文として「〜たらいいなあと思っています」を板書し、ひとりごとの「なあ」が「と思っています」の中に入る形を見せる。
板書案
普通形 + なあ (ナA・N は 〜だなあ)
いいなあ。 きれいだなあ。 〔青〕ひとりごと=相手に向けない
〜たいなあ / 〜たらいいなあ 〔赤〕願い
発表では:〜たらいいなあ と思っています
〔緑〕のばして言う:なあー(禁止の「な」と区別)
場面と発話(自作)
友達が週末に温泉へ行くと聞いて。 いいなあ。わたしも行きたいなあ。
発表で、将来の目標について話す。 いつか自分の店を開けたらいいなあと思っています。
アルバイトが終わって、疲れて家に帰ったとき。 ああ、今日は長かったなあ。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、写真カード(きれいな景色・おいしそうな料理・大きな家)を見せて「〜なあ」で一言感想を言わせる。次に自分の目標を「〜たらいいなあと思っています」で言わせ、ST3 の発表の最後の一文にする。
口頭 写真カード(夕焼け・満開の桜・大きなケーキ・満員電車・海辺の家)を見せ、全体で一言の感想「〜なあ」を言わせる。続けて同じ写真で「〜たいなあ」「〜たらいいなあ」の願いに変える。教師は手で声の高さと長さを示し、「なあー」とのばして言わせる。
ペア A が「週末、〜に行くんだ」と予定を言い、B が「いいなあ。わたしも〜たいなあ」とうらやましがる。A は「じゃあ、一緒に行く?」と誘い、B が答える。予定カード3枚で交替する。
産出 活動「将来の夢、ひとこと宣言」。ST3 の発表の最後の一文として、目標を「いつか〜たらいいなあと思っています」で言い、その前の文(今していること)とつなげて話す。教師は①ナA・Nの「だ」 ②改まった場で「と思っています」の中に入れているか ③短く切って禁止の「な」に聞こえていないかを見る。
つまずきと手当て
「*きれいなあ」「*すごいだなあ」と、ナAの「だ」を落としたり、イAに「だ」をつけたりする。普通形の作り方に戻って品詞ごとに確かめる
目上の人に向かって直接「先生、すごいなあ」と言う。ひとりごとの形なので、目上の人には「すごいですね」のほうが無難だと伝える
動詞の辞書形のあとの「なあ」を短く言うと、禁止の「な」(「食べるな」)と聞きまちがえられることがある。感心や願いのときは、のばして言う練習を入れる
既習の文型との違い
〜ね(共感)(初級第4課) 「ね」は相手に向けて同意を求め、「なあ」は自分の気持ちを口に出すひとりごとです。相手と一緒に景色を見て共感 を求めるなら「きれいですね」で、「きれいだなあ」は相手が返事をしなくても成り立ちます。目上の人の前では「ね」のほうが無難です。
〜かな/Vようかな(初中級第14課) 「かな」は自分への問いかけや迷い(「行こうかな」)、「なあ」は感心や願い(「行きたいなあ」)です。「早く晴れないかなあ」のように両方が重なる形もありますが、この課では感心と願いの「なあ」から入ります。
関連する文型
学習項目 2 〜ことがある/〜こともある
意味・はたらき
「V辞書形+ことがある」は、いつもではないが、ときどきそうなる・そうする、という頻度を表します。初級で学んだ「Vたことがある」(経験)とは、前の動詞の形が違うだけで意味が変わる点に注意させます。「〜こともある」は「ふだんは違うが、そういう場合もある」と例外を添える感じが強く、発表で「毎朝勉強しているが、起きられないこともある」のように、自分の習慣を正直に補うのに使えます。書き言葉では「〜場合がある」が近い意味です。
接続 V辞書形・Vない形+ことがある/こともある(イAい・ナAな・Nの にもつく)
形
疲れて起きられないことがある 週末は昼まで寝ていることもある 忙しくて夕ご飯を食べないこともある 雪の日は電車が遅れることがある
導入
経験と頻度を並べる 教師が「わたしは富士山に登ったことがあります」(一度の経験)と「わたしは仕事で帰りが夜遅くなることがあります」(ときどき)を、カレンダーに印をつけながら言い比べる。経験は過去に印が1つ、頻度はカレンダーのところどころに印。板書で「Vた+ことがある=経験」「Vる+ことがある=ときどき」を色分けして並べる。
板書案
V辞書形・Vない形 + ことがある 〔青〕ときどき
Vた + ことがある 〔赤〕経験(初級で学んだ形)
〔青〕カレンダーのところどころに印=ときどき 〔赤〕過去に印1つ=経験
いつもは 6時に起きる。でも、起きられない こともある。
場面と発話(自作)
発表で、朝の勉強が毎日うまくいくわけではないことを話す。 アルバイトで疲れて、朝起きられないこともあります。
新しく来た同僚に、冬の通勤の様子を説明する。 雪の日は、電車が30分ぐらい遅れることがありますよ。
病院の受付で、問診票の質問に答える。 夜、寝る前に頭が痛くなることがあります。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、生活の習慣カードを見せて「いつもは〜。でも、〜こともある」の2文を作らせる。次に「Vたことがある」と「Vることがある」をランダムに出すキューで、経験か頻度かを答えさせてから文にさせる。
口頭 生活習慣のカード(朝ご飯を食べない・電車が遅れる・残業する・夕ご飯をコンビニで買う)で「〜ことがあります」を全体で言わせ、次に「いつもは〜。でも、〜こともあります」の2文に広げる。最後に経験と頻度のキュー(「富士山に登る」「夜中に目が覚める」)をランダムに出し、どちらの形かを判断してから文にさせる。
ペア 「生活アンケート」。A が「〜ことある?」と5問聞き、B は「うん、ときどき〜ことがある」「ううん、全然ない」で答える。A はアンケート用紙の頻度の欄(よく・ときどき・ない)に印を付け、最後に B の答えをまとめて言い返す。交替する。
産出 活動「正直スピーチ」。ST3 の発表の中で、自分の習慣と、うまくいかないときを「でも、〜こともあります。そんなときは〜」の形で話す。教師は①前の動詞の形(辞書形・ナイ形か、タ形か) ②ほとんど毎日のことに使っていないか ③接続(Nの・ナAな)を見る。
つまずきと手当て
ときどきのことを言うつもりで「寝坊したことがあります」と言い、経験の意味になってしまう。前の動詞は辞書形かナイ形、とカレンダーの印で確かめる
「*行くのことがある」「*静かことがある」と接続を誤る。動詞は辞書形に直接、ナAは「な」、Nは「の」と表で確かめる
ほとんど毎日のことに「〜ことがある」を使う。回数が多くないときの言い方で、毎日なら「〜ている」と使い分けさせる
既習の文型との違い
Vたことがあります(初級第13課) 前の動詞がタ形なら経験、辞書形・ナイ形なら「ときどきそうなる」という頻度です。ときどきのつもりで「寝坊したことがあります」と言うと、「一度経験がある」という意味になります。カレンダーの印の数で2つを見分けさせます。
いつも・よく・ときどき・あまり・全然(初級第9課) 「ときどき〜ます」とほぼ同じ頻度ですが、「ことがある」には「いつもではない」という例外の感じがあります。「ときどき遅れることがある」と重ねて言っても自然だと示し、頻度の副詞と一緒に使わせます。
関連する文型
学習項目 3 〜にとって
意味・はたらき
「Nにとって」は「Nの立場から見ると」という意味で、後ろにその人から見た評価(大切だ・難しい・意味がある・ありがたい など)が続きます。発表では「わたしにとって、朝の1時間は〜だ」のように、自分の目標の中でその時間がどんな意味を持つかを示すのに使います。「〜に対して」は相手に向けた行動や態度を、「〜として」は立場や資格を表すので、意味が違います。また、賛成・反対などの意見を言うときは「わたしとしては」「わたしは」を使い、「にとって」は使いません。
接続 N+にとって(は/も)/N+にとっての+N
形
わたしにとって、朝の時間は大切だ 留学生にとって、アルバイトと勉強の両立は大変だ 子どもにとっても分かりやすい説明 わたしにとっての一番の楽しみ
導入
同じものを違う立場から見る 教師が「日曜日」と板書し、「学生にとって、日曜日は休みの日です。でも、お店の人にとって、日曜日は一番忙しい日です」と、人の絵を替えながら言う。学習者にも「〜にとって、日曜日は〜」を言わせ、板書の「〜にとって、[N]は[評価]」の形で、後ろには評価や意味が来ることを確かめる。
板書案
N + にとって、[もの・こと]は + 〔赤〕評価(大切だ・難しい・ありがたい)
学生にとって、日曜日は 休みの日だ。
店の人にとって、日曜日は 一番忙しい日だ。
〔青〕意見は × → わたしとしては 賛成だ
〔緑〕Nにとっての N:わたしにとっての 一番の楽しみ
場面と発話(自作)
発表で、毎朝の勉強時間について話す。 わたしにとって、朝の1時間は一日で一番集中できる時間です。
一人暮らしを始めた友達と、住まいの話をする。 一人暮らしの人にとって、近くにスーパーがあるのは本当に助かるよね。
地域の交流会で、外国人向けの日本語教室について話す。 日本に来たばかりの人にとって、こういう教室は本当にありがたいと思います。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、立場のカード(学生・会社員・子ども・お年寄り)と物事のカード(電車・スマホ・夏休み)を組み合わせて「〜にとって、〜は〜」を言わせる。最後に自分の目標と結びつけて「わたしにとって〜は〜です」を発表の中に入れさせる。
口頭 立場のカード(学生・会社員・子ども・お年寄り・留学生)と物事のカード(電車・スマホ・夏休み・コンビニ)を1枚ずつ引かせ、「〜にとって、〜は〜」を全体→個人で言わせる。評価の語(便利だ・大切だ・難しい・ありがたい)は黒板に並べておき、最初はそこから選ばせる。
ペア A と B に別々の立場カード(例:A=留学生、B=店長)を配り、同じ物事(アルバイト・週末・雨の日)について自分の立場から「〜にとって、〜は〜」と言わせる。二人の評価が違ったら、その理由を一言ずつ足す。3つで交替する。
産出 活動「わたしの時間の意味」。ST3 の発表の2文目として「わたしにとって、〜は〜時間です」を入れ、なぜそう言えるかを1文続ける。教師は①後ろが評価になっているか ②賛成・反対の意見文に使っていないか ③行動の向く相手に使っていないかを見る。
つまずきと手当て
意見を言うのに「*わたしにとって、その案に賛成です」と使う。賛成・反対・意見は「わたしとしては」「わたしは」で言い、「にとって」の後ろは評価だと確かめる
「*先生にとって質問しました」と、相手に向けた行動に使う。行動の向く相手は「〜に」「〜に対して」、立場から見た評価が「〜にとって」と、2つの文を並べて見せる
後ろに評価ではなく能力の文を置き「*わたしにとって、日本語が話せる」と言う。「にとって」の後ろには「〜は大切だ・難しい」のような評価が来ると、板書の枠に戻って確かめる
既習の文型との違い
〜に対して/〜に対する(対象)(第12課) 「先生に対して失礼な言い方をした」のように、「に対して」は行動や態度の向く相手を表します。「にとって」はその人の立場から見た評価で、後ろに行動は来ません。学習者の「*先生にとって質問しました」は、この2つの混同です。
〜として(第6課) 「留学生として参加する」は資格・役割の名目を表し、「留学生にとって」は留学生の側から見るとどうか、という評価の視点です。「代表として発表する」と「代表にとって大変な仕事だ」を並べて比べます。
〜にしたら/〜にすれば/〜にしてみたら/〜にしてみれば(第8課) 「にしたら」は他人の立場に立って、その人の気持ちを想像して言うときに使い、話し手自身には使いにくい形です。「にとって」は「わたしにとって」のように自分にも使えます。
関連する文型
この場面のことば・表現
将来のことを考えて準備していることを伝える表現 目標を言う語と、そのための行動を言う語を対にして板書し、「目標 → 今していること」の順で話せるようにします。続けている期間や回数(半年前から・週に3回)を添えると話が具体的になると伝えます。例:「〜を目指している」/「〜に向けて準備している」/「〜を身につけたい」/「資格を取るために〜している」/「来年までに〜できるようになりたい」/「少しずつ続けている」
4 こんなときどうする?
できること 日本での生活を充実させている友達に、始めたきっかけや参加のしかたをくだけた言い方で聞いて、自分に役立つ情報を得られる。
場面 地域のサークルに入っている・ボランティアをしている・週末に料理教室に通っているなど、日本での生活を楽しんでいる友達に、どうやって始めたのか、自分も参加できるかを聞く場面です。相手は親しい友達なので、くだけた話し言葉でやり取りします。教室では「聞きたいこと」を書いたカードと、「している人」の情報カードを配り、ペアで聞き出させます。
留学生:週末に地域のバドミントンのサークルに行ってるんだよね。
友達:うん。日本人の知り合いも増えたし、楽しいよ。
留学生:わたしも何か始めたいと思ってたんだ。せっかく時間もあることだし。
友達:じゃあ、今度一緒に来てみたらいいんじゃない?見学だけでもできるよ。
留学生:ほんと?じゃあ、次の練習の日、教えてくれない?
友達:いいよ。あとでメッセージ送るね。
学習項目 1 〜ことだし
意味・はたらき
今の状況の一つを理由として挙げ、それを受けて「だから〜しよう」と提案や決心を言う、くだけた話し言葉の形です。後ろには「〜よう」「〜ませんか」「〜たらどう?」「〜ことにする」など、話し手の意志や誘い・すすめが来るのがふつうです。理由を並べる「〜し」と似ていますが、「〜ことだし」は「(ほかにも理由はあるけれど)こういう事情もあるのだから」と、提案に持っていく気持ちがよりはっきりします。「〜から」「〜ので」のようにはっきり原因を言う形ではなく、軽く背中を押す理由です。
接続 V普通形・イA普通形・ナAな・Nである+ことだし(会話では「せっかく〜ことだし」の形も多い)
形
天気もいいことだし、散歩でもしよう せっかく時間もあることだし、何か始めてみたい みんなそろったことだし、そろそろ始めようか 暇なことだし、部屋の片づけでもするか
導入
背中を押す理由を集める 教師が「今日は授業が早く終わりました。天気もいいです。じゃあ……」と板書し、学習者に「どこかへ行こう」と続けさせる。そのうえで「授業も早く終わったことだし、どこかへ行こうか」と1文にまとめ、板書の「[今の状況]ことだし、[提案・決心]」の後ろの部分に「〜よう・〜ませんか」と印をつける。
板書案
[今の状況] + ことだし、[提案・決心]
天気も いい ことだし、散歩でも しよう。
〔青〕後ろ:〜よう/〜ませんか/〜たら?/〜ことにする
〔赤〕後ろが事実は × → 〜ので・〜から
〔緑〕よく一緒に:せっかく〜ことだし/〜も〜ことだし
場面と発話(自作)
日本に来て半年がたち、友達と話す。 生活にも慣れてきたことだし、何か新しいことを始めたいな。
サークルの集まりで、全員がそろった。 みんな来たことだし、そろそろ始めようか。
仕事が予定より早く片づいた金曜日に、同僚と。 仕事も早く終わったことだし、たまには食事に行きませんか。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、状況カード(「明日は休みだ」「給料が出た」「雨がやんだ」)を見せて「〜ことだし、〜よう」を言わせる。慣れたら、ST4 のやり取りの中で、自分が何かを始めたい理由として使わせる。
口頭 状況カード(明日は休みだ・給料が出た・雨がやんだ・みんなそろった・試験が終わった)を見せ、全体で「〜ことだし、〜よう」を言わせる。ナA・Nのカード(暇だ・連休だ)を混ぜて「暇なことだし」「連休であることだし」の接続を確かめ、会話では「連休だし」と言うことが多いと添える。
ペア A が状況カードを読み上げ、B が「〜ことだし、〜ない?」と誘う。A は賛成するか、「でも、〜から」と別の案を出し、B がそれに答える。4枚で交替する。
産出 活動「始める理由さがし」。ST4 のやり取りの最初で、自分が何かを始めたい理由を「せっかく〜ことだし、〜を始めてみたいんだ」と切り出し、そのまま相手から始め方を聞き出す流れにつなげる。教師は①後ろが提案・決心になっているか ②接続 ③目上の人に使っていないかを見る。
つまずきと手当て
後ろに、もう起こった事実を置く(「雨が降ったことだし、試合が中止になった」)。後ろは話し手の提案や決心だと確かめ、事実なら「〜ので」「〜から」を使うと示す
「*暇だことだし」「*休みことだし」と接続を誤る。ナAは「な」、Nは「である」と表で確かめ、会話では名詞のとき「休みだし」と言うことが多いと添える
目上の人への改まった提案に使う。くだけた形なので、目上の人には「〜ので、〜てはいかがでしょうか」などに言い換えさせる
既習の文型との違い
〜し、〜(理由)(初中級第6課) 「〜し」は理由をいくつか並べる形で、「駅に近いし、安いし、この部屋に決めた」のように後ろに事実も来ます。「ことだし」は今の状況の一つを受けて「だから〜しよう」と提案や決心に持っていく形で、後ろはほぼ話し手の意志や誘いです。
〜ので、〜(初中級第1課) 「ので」ははっきりした原因・理由を丁寧に述べ、後ろに事実も依頼も来ます。「ことだし」はくだけた話し言葉で、軽く背中を押す理由です。目上の人への提案は「〜ので、〜てはいかがでしょうか」に言い換えさせます。
関連する文型
学習項目 2 〜てくれない?/〜てくれる?
意味・はたらき
親しい友達や家族に何かを頼むときの、くだけた依頼の言い方です。「〜てくれる?」は「してくれるか」と直接聞く形で、「〜てくれない?」は否定の形で聞くぶん、相手が断る余地を残す柔らかい言い方になります。どちらも上げ調子で言います。初中級で学んだ「Vてもらえませんか」「Vていただけませんか」の丁寧な依頼を、友達どうしの話し言葉にした形と考えるとつながります。目上の人や初対面の人には使いません。
接続 Vて形+くれない?/くれる?(丁寧にすると「〜てくれませんか」「〜てもらえませんか」)
形
今度、教えてくれない? 日にちが決まったら連絡してくれる? サークルの人に聞いてみてくれない?
導入
丁寧な依頼から崩していく 教師が先生役で「この書類、見ていただけませんか」、先輩役で「見てもらえませんか」、友達役で「見てくれない?」と、相手の絵を替えながら言い分ける。板書で丁寧さの階段を描き、一番下の段に「〜てくれない?/〜てくれる?」を置いて、友達にだけ使う形であることを示す。
板書案
Vて + くれない?/くれる? 〔青〕↗ 上げ調子
〔赤〕先生:見ていただけませんか → 先輩:見てもらえませんか → 友達:見てくれない?
くれる?=まっすぐ聞く / くれない?=やわらかい
次の練習の日、教えてくれない?
場面と発話(自作)
地域のサークルに入っている友達に、見学できる日を聞きたい。 次の練習の日、教えてくれない?
料理が得意なルームメイトに、作り方を教えてほしい。 今度作るとき、作り方を見せてくれる?
引っ越しの準備をしていて、力のある友達に手伝いを頼む。 土曜日、ちょっと荷物を運ぶの、手伝ってくれない?
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、頼みたいことのカード(「写真を送る」「駅まで迎えに来る」「ノートを見せる」)を見せて、友達への「〜てくれない?」に変えさせる。次に同じカードで相手を先生に替え、「〜ていただけませんか」に言い換えさせて、相手による使い分けを確かめる。
口頭 頼みたいことのカード(写真を送る・駅まで迎えに来る・ノートを見せる・荷物を持つ・席を取っておく)を見せ、まずテ形だけを全体で言わせてから「〜てくれない?」を付ける。上げ調子を手で示す。次に同じカードで相手の絵を先生に替え、「〜ていただけませんか」に言い換えさせる。
ペア 「頼みごとリレー」。A が友達役で頼み、B は引き受けるか「ごめん、〜から無理」と断る。断られたら A は別の頼みを出す。3回やったら、役を先生と学生に替えて同じ頼みを丁寧な形で言う。
産出 活動「サークル見学の約束」。ST4 の情報カードで相手からサークルの情報を聞いたあと、「〜てくれない?」で具体的な頼み(次の練習の日を教える・一緒に連れていく・連絡先を送る)を1〜2つして、見学の約束を取り付ける。教師は①テ形 ②「くれる」と「あげる」の向き ③相手が友達かどうかを見る。
つまずきと手当て
「*教えくれない?」「*教えるくれない?」とテ形を作らずにつける。テ形を作ってから「くれない?」をつけると、2段階で言わせる
自分のために頼むつもりで「教えてあげない?」と言い、「(だれかに)教えてあげたら?」という別の意味になる。自分のためにしてもらうときは「くれる」と、初中級の授受の図に戻って確かめる
先生やアルバイト先の店長に「〜てくれない?」を使う。目上の人には「〜ていただけませんか」と、ドリルの後半で相手を替えて確かめる
既習の文型との違い
Vてもらえませんか(初中級第2課) 「〜てもらえませんか」は丁寧な依頼で、知らない人や少し距離のある人にも使えます。「〜てくれない?」は友達や家族にだけ使うくだけた形です。同じ頼みを2つの形で言わせ、相手で選ぶことを確かめます。
Vてくれます(初中級第8課) 「くれる」は相手の行為が自分の側に向かう授受の形で、それを問いかけにしたのが「〜てくれない?」です。向きを取り違えて「教えてあげない?」と言うと、「(だれかに)教えてあげたら?」という別の意味になります。授受の矢印の図に戻って確かめます。
関連する文型
学習項目 3 〜じゃない?/〜んじゃない?
意味・はたらき
どちらも上げ調子で言い、話し手の考えを相手にやわらかく伝える、くだけた話し言葉です。「イA・ナA・N+じゃない?」は、話し手がそう思っていることを「〜でしょう?」と相手に確かめたり同意を求めたりする形で、「それ、いいじゃない?」のような評価によく使います。「〜んじゃない?」は「たぶん〜だと思う」という推量や、「〜たらいいんじゃない?」のような控えめな提案を表します。下げ調子で言うと「静かじゃない(=静かではない)」という否定になるので、聞き取りでは上げ調子かどうかが意味の分かれ目です。丁寧に言うときは「〜んじゃないですか」、改まった場では第11課の「〜のではないでしょうか」になります。
接続 じゃない?:イA普通形・ナA・N+じゃない?/んじゃない?:V普通形・イA普通形・ナAな・Nな+んじゃない?
形
そのサークル、楽しそうじゃない? 駅から近くて便利じゃない? 見学だけなら、行ってもいいんじゃない? もう申し込みは終わってるんじゃない?
導入
上げ調子と下げ調子を聞き分ける 教師が同じ「便利じゃない」を、下げ調子(否定)と上げ調子(確かめ)で2回言い、学習者に手で矢印を示させて聞き分けさせる。次に、友達が迷っている場面を演じて「行ってみたらいいんじゃない?」と軽くすすめてみせる。板書は「〜じゃない↗=そうでしょう?」「〜んじゃない↗=たぶん〜/〜たらいいと思う」「〜じゃない↘=否定」の3行にする。
板書案
〜じゃない↗ =そうでしょう?(同意を求める)
〜んじゃない↗ =たぶん〜/〜たらいいと思う
〜じゃない↘ =〜ではない(否定)
〔青〕ナA・N:便利じゃない?/便利なんじゃない?
〔緑〕丁寧に:〜んじゃないですか 改まって:〜のではないでしょうか
場面と発話(自作)
友達が、近所の日本語ボランティア教室に行こうか迷っている。 無料だし、一回行ってみたらいいんじゃない?
友達が見せてくれた料理教室のチラシを見て。 これ、週末だけだし、ちょうどいいじゃない?
夜9時に、図書館で勉強しようと言う友達に。 この時間だと、もう閉まってるんじゃない?
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、教師が同じ文を上げ調子・下げ調子で言い、学習者が「確かめ」か「否定」かを答える聞き分けから始める。次に、友達が迷っている場面カードを見せて「〜たらいいんじゃない?」で助言させ、ST4 のやり取りの中で相手からのすすめとして使わせる。
口頭 教師が同じ文(「静かじゃない」「楽しそうじゃない」「雨じゃない」)を上げ調子と下げ調子で言い、学習者に手で↗↘を示させて聞き分けさせる。次に迷いの場面カード(雨が降りそう・店が混んでいそう・申し込みが終わっていそう)で「〜んじゃない?」の推量を全体→個人で言わせる。
ペア A が迷いカード(ボランティアに行くか・料理教室に入るか・週末のバイトを増やすか)で相談し、B が「〜たらいいんじゃない?」で控えめにすすめ、「〜し」で理由を一つ足す。A は「そうだね」か「でも〜」で返す。3枚で交替する。
産出 活動「お悩み相談ラジオ」。グループで1人が相談者、ほかがラジオの相談役になり、日本での生活を充実させたいという相談に「〜んじゃない?」「〜じゃない?」で案を出す。相談者は一番よかった案を選んで理由を言う。教師は①上げ調子で言えているか ②ナA・Nの「な」 ③相手との関係に合った丁寧さかを見る。
つまずきと手当て
「*いいなんじゃない?」「*静かだんじゃない?」と接続を誤る。イAは普通形に直接、ナA・Nは「な」をはさんで「〜なんじゃない?」と表で確かめる
下げ調子で言ってしまい、否定の意味に取られる。手で矢印を示しながら、上げ調子で言う練習を入れる
目上の人に「〜んじゃない?」と言う。友達言葉なので、目上の人には「〜んじゃないですか」、改まった場では「〜のではないでしょうか」と言い換えさせる
既習の文型との違い
〜(が)いいんじゃない?(第2課) 第2課ではすすめの決まった形として扱いました。第3課では「〜んじゃない?」を推量(「もう閉まってるんじゃない?」)にも広げ、評価に同意を求める「〜じゃない?」との違いを見ます。「いいじゃない?」と「いいんじゃない?」を並べると、前者は評価への同意、後者は控えめなすすめになります。
〜のではないでしょうか/〜んじゃないでしょうか(第11課) 同じ推量・控えめな意見を、改まった話や書き言葉で言う形です。友達には「〜んじゃない?」、目上の人には「〜んじゃないですか」、発表やメールでは「〜のではないでしょうか」と、丁寧さの段で並べておきます。
〜でしょう?/〜だろう?(確認)(第9課) どちらも上げ調子で相手に確かめますが、「でしょう?」は相手も知っているはずのことを念押しする感じが強く、「じゃない?」は自分の評価を差し出して同意を求める感じが強くなります。重なる文も多いので、この課では違いを強調しすぎず、場面で使い分けを見せます。
関連する文型
この場面のことば・表現
自分がしたいことについての情報を友達にもらうときの表現 したいことを切り出す言い方、始め方や条件を聞く言い方、話を広げてもらう言い方の3つに分けて板書します。どれも友達どうしの話し言葉なので、この ST の文型(〜ことだし・〜てくれない?・〜んじゃない?)と組み合わせ、やり取りの流れの中で練習させます。例:「実は〜を始めたいと思ってるんだけど」/「〜って、どうやって始めたの?」/「初心者でも大丈夫かな」/「お金ってどのくらいかかる?」/「もう少し詳しく聞かせて」/「今度連れていってくれない?」
語彙の扱い
この課の語は、時間の使い方(すきま時間・時間を割く・有効に使う)、生活のリズム(朝型・夜型・リズムが整う)、目標と準備(〜を目指す・身につける・資格)、地域の活動や趣味(サークル・見学・初心者)の4つのかたまりに分かれます。読む・聞く素材に出る語は、まず文の中で意味を推測させてから確かめます。自分の生活について話すときに使いたい語は学習者ごとに違うので、その場で補い、ことわざは覚えさせることより記事や会話のどこで使われるかを感じ取らせることを優先します。
この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)
すきま時間 (すきまじかん) 予定と予定の間にできる、短い空いた時間。 〜を使う・〜を活用する・ちょっとした〜 友達に、勉強時間の作り方をすすめる。電車を待つすきま時間に、単語を5つ覚えるようにしてるよ。
割きます (さきます) 限られた時間やお金の一部を、あることのために分けて使う。 時間を〜・〜に1時間を〜・手間を〜 発表で、目標のために使っている時間を話す。毎日30分を、ニュースの聞き取りに割いています。
有効 (ゆうこう) 役に立つ・効果がある様子。 時間を〜に使う・〜な方法・〜に活用する 記事の中で、筆者が工夫をすすめる。通勤の時間を有効に使えば、1年でかなりの勉強量になります。
追われます (おわれます) しなければならないことが次々にあって、余裕がない状態になる。 時間に〜・仕事に〜・宿題に〜 疲れている同僚に、最近の様子を聞かれる。今週は締め切りに追われて、ほとんど寝ていないんです。
朝型 (あさがた) 朝早く起きて、午前中に活動するほうが調子がいい生活のしかた。反対は「夜型」。 〜の生活・〜に変える・〜の人 友達と、生活のリズムの話をする。夜型だったけど、最近ようやく朝型に変えられたんだ。
整います (ととのいます) 乱れていたものが、ちょうどよい状態になる。 リズムが〜・体調が〜・準備が〜 友達に、早く寝るようにした結果を話す。毎日同じ時間に寝ることで、生活のリズムが整ってきたよ。
崩れます (くずれます) きちんとしていた状態が、だめになる。 リズムが〜・バランスが〜・天気が〜 長い休みのあと、友達と話す。夏休みに夜ふかしばかりして、生活のリズムが崩れちゃった。
目指します (めざします) 目標に向かって進む。 合格を〜・〜の仕事を〜・上を〜 交流会で、将来の目標を話す。わたしは日本の旅行会社で働くことを目指しています。
身につけます (みにつけます) 知識や技術を、練習して自分のものにする。 技術を〜・習慣を〜・日本語を〜 後輩に、勉強を続けるコツを話す。短い時間でも毎日続けると、少しずつ身につけられるよ。
両立 (りょうりつ) 二つのことを、どちらもだめにしないで続けること。 勉強とアルバイトを〜させる・仕事と家庭の〜・〜が難しい 先生に、生活の悩みを相談する。アルバイトと勉強の両立が難しくて、時間の使い方に悩んでいます。
見学 (けんがく) 実際にその場所へ行って、様子を見て学ぶこと。 〜に行く・〜だけ・練習を〜する サークルに入っている友達に聞く。入る前に、見学だけしてもいい?
初心者 (しょしんしゃ) そのことを始めたばかりで、まだ慣れていない人。 〜向け・〜でも大丈夫・〜のクラス 料理教室の受付で、参加できるかを聞く。料理はほとんどしたことがないんですが、初心者でも参加できますか。
宿題と次のコマ 宿題は、ST3 の発表をもとに「わたしの時間の使い方」を400字ほどの作文にしてくること。この課の文型(〜にとって・〜ば〜ほど・〜こともある・〜なあ など)を3つ以上使わせます。次のコマの最初に何人かに読んでもらい、聞く側に「どんなふうに続けているの?」と質問させてから、第4課の最初の場面(施設の職員の利用説明を聞く)に入ります。ST2 で練習した「何をどのようにしているか」を聞き取る力が、第4課では施設の決まりや手順を聞き取ることにつながります。
よくある質問
『できる日本語 中級』第3課「時間を生かす」は何コマで終わりますか?
90分なら4コマが目安です。1コマ目に導入 と1「見つけた!」の記事と文型、2コマ目に2「耳でキャッチ」、3コマ目に3「伝えてみよう」の準備と発表、4コマ目に4「こんなときどうする?」と課のまとめを入れます。学習項目が13と多いので、「こんな〜」「〜なあ」のように初中級までの知識で分かるものは短くし、「〜はずがない」「〜ば〜ほど」「〜にとって」に時間をかけます。
「〜はずがない」と「〜ないはずだ」の違いはどう説明しますか?
「〜ないはずだ」は根拠から「たぶん〜ない」と見込む弱い打ち消し、「〜はずがない」は可能性そのものをゼロにする強い打ち消しです。板書で矢印の長さを変えて並べ、さらに「来ないはずがない(必ず来る)」も加えて3つの意味を確かめると、意味の取り違えが減ります。強い言い方なので、目上の人の言ったことにそのまま使わないことも合わせて伝えます。
「こんな・そんな」と「この・その」は何が違いますか?
「この・その」は特定の一つを指し、「こんな・そんな」は「このような種類・様子」を指します。会話では、相手が今話したことを「そんな」で受け、自分の側のものや今から話すことを「こんな」で指すのが基本です。「こんな」「そんな」には驚きや不満がこもりやすいので、気持ちを入れたくないときは「このような」「こういう」を使うと添えます。
「〜ことだし」と「〜し」はどう教え分けますか?
「〜し」は理由を並べる形で、後ろに事実も来ます。「〜ことだし」は今の状況を一つ受けて「だから〜しよう」と提案や決心に向ける形で、後ろはほぼ「〜よう」「〜ませんか」「〜たら?」です。「雨が降ったことだし、試合が中止になった」のような事実の文を見せて、なぜ合わないかを考えさせると違いがはっきりします。
この課は記事の書き言葉と友達どうしの話し言葉が混ざっていますが、どう整理しますか?
文型を板書するときに、記事・発表で使う形と友達どうしで使う形に印を分けておきます。「〜はずがない」「〜ば〜ほど」「〜にとって」は書き言葉でも話し言葉でも使え、「〜なんて」「〜ふうに」「〜ことだし」「〜てくれない?」「〜んじゃない?」は話し言葉です。課のまとめで、話し言葉の形を改まった言い方(「〜とは」「このように」「〜のではないでしょうか」など)に言い換える練習を入れると、場面による使い分けが定着します。
この課に関係する用語・解説・練習問題 この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。