ST1 慣れてくると
できること日本に来てからの習慣の変化や、今続けている生活、困っていることを地域の人に話せる。
場面
地域の日本語教室や公民館の交流会で、ボランティアの日本人や近所の人と、日本に来てからの生活について話す場面です。相手は年上のことが多いので、です・ます形で話します。教室では学習者に来日直後と今の生活の違いを3つメモさせ、教師がボランティア役で「日本の生活はどうですか」と聞いて始めます。
- ボランティア:日本の生活はどうですか。もう慣れましたか。
- 留学生:はい。来たばかりのころは、毎日コンビニのお弁当でしたが、最近は自分で料理を作るようになりました。
- ボランティア:えらいですね。
- 留学生:でも、朝が忙しくて、朝ごはんを食べなくなりました。
- ボランティア:今は学校だけですか。
- 留学生:いいえ、アルバイトをしながら、日本語学校に通っています。
- ボランティア:大変ですね。何か困っていることはありますか。
- 留学生:先月引っ越したばかりなので、ごみの出し方がまだよくわかりません。
学習項目 1 Vるようになります(習慣の変化)
意味・はたらき
前はしなかったことを、今は習慣としてするようになった、という変化を表します。第1課の「読めるようになりました」(能力の変化)は可能動詞についていましたが、ここでは辞書形について、生活のしかたが変わったことを言います。地域の人に「日本の生活に慣れましたか」と聞かれたとき、変わったことを具体的に答えるのに使い、ふつうは「〜ようになりました」の形で話します。
接続
V辞書形+ようになります(変わったことを言うときは「ようになりました」)
形
自分で料理を作るようになりました毎朝ジョギングするようになりました電車の中で本を読むようになりました日本語でメールが書けるようになりました(能力の変化・第1課)
導入
- 「前」と「今」の2枚の絵来日1か月目(コンビニのお弁当)と今(台所で料理)の2枚の絵を並べ、教師が「前は料理をしませんでした。今は毎日自分で料理を作ります」と言ってから「自分で料理を作るようになりました」とまとめる。板書は「前:〜ませんでした → 今:V辞書形+ようになりました」と矢印で書き、横に第1課の「読めるようになりました」を並べて、可能動詞なら「できること」、辞書形なら「すること」の変化だと比べる。
板書案
V辞書形 + ようになりました
前:料理を しませんでした → 今:自分で 料理を 作るように なりました。
〔赤〕辞書形(作る) 〔青〕過去は最後の「なりました」だけ
〔緑〕くらべる:泳げるようになりました(できること・第1課)
場面と発話(自作)
- 地域の日本語教室で、ボランティアに日本の生活について聞かれる。日本に来てから、毎朝天気予報を見るようになりました。
- 町内の掃除のあと、近所の人と話す。日本に来てから、ごみを分けて出すようになりました。
- アルバイト先の先輩に、最近の生活を聞かれる。前は夜遅く寝ていましたが、最近は11時に寝るようになりました。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、「前/今」の2枚組の絵カード(バス→自転車、パン→ごはん、夜にシャワー→朝にシャワーなど)を見せ、「〜ようになりました」に言い換えさせる。次に学習者自身の「日本に来てから変わったこと」を3つメモさせ、地域の人役の教師やペアに「日本の生活はどうですか」と聞かれて答える。
- 口頭「前/今」の2枚組の絵カードを左右に並べ、教師が「前は?」「今は?」と聞いて全体で言わせてから、個人に「〜ようになりました」でまとめさせる。キューの例: パン→ごはん(ごはんを食べるようになりました)、タクシー→自転車(自転車に乗るようになりました)、夜のシャワー→朝のシャワー(朝シャワーを浴びるようになりました)、夜12時→11時(11時に寝るようになりました)。慣れたら「今」の絵だけを出し、前の様子は学習者に補わせる。
- ペア各自が自分の「前/今」のメモ(3項目)を作り、相手には見せない。A が「日本に来てから、何か変わりましたか」と聞き、B は「〜ようになりました」で答え、A は聞いた内容を表に書き取る。最後に表と B のメモを突き合わせて合っているかを確かめ、役を替える。
- 産出「わたしのビフォーアフター」: 来日直後と今の写真か絵を1組持ってきて、地域の日本語教室のボランティア役(教師やほかのクラスの学習者)に、変わったことを2つと、その理由を1つ話す(「〜ので、〜ようになりました」)。教師は辞書形についているか、「よう」が落ちていないか、能力の変化(可能動詞)と習慣の変化(辞書形)を取り違えていないかを見る。
つまずきと手当て
- 「*料理を作るになりました」と「よう」を落とす。「イAくなります/ナA・Nになります」と混ざるためなので、動詞のときは「ようになります」をひとかたまりで板書する
- 「*料理を作りましたようになりました」と過去形につける。前につくのはいつも辞書形で、過去は最後の「なりました」だけで表す、と矢印の板書で確かめる
- 「泳げる」の意味で「泳ぐようになりました」と言う。誤りではないが、これは「泳ぐ習慣ができた」の意味になる。できるようになったことは可能動詞(第1課)、するようになったことは辞書形、と2つの文を並べて見せる
既習の文型との違い
- Vるようになります(能力の変化)(第1課)第1課は「泳げるようになりました」のように可能動詞につき、前はできなかったことが今はできる、という能力の変化でした。この課は辞書形について、前はしなかったことを今はする、という習慣の変化です。「毎日泳ぐようになりました」を「泳げるようになった」の意味で使う学習者がいるので、同じ動詞で2つの文を並べて比べます。
- イAくなります/ナA・Nになります(初級第10課)形容詞と名詞の変化は「暑くなりました」「上手になりました」のように「なります」に直接つきますが、動詞は間に「よう」が入ります。この違いが整理できていないと「*作るになりました」が出ます。品詞ごとに3行を並べた表を板書し、動詞の行だけ「ように」を色で囲みます。
関連する文型
学習項目 2 Vなくなります
意味・はたらき
前はしていたことを、今はしない、という変化を表します。「Vるようになります」の反対向きの変化で、「朝ごはんを食べなくなりました」のように習慣がなくなったことを言います。可能動詞のナイ形につけると「できなくなった」の意味になります(夜、よく眠れなくなりました)。地域の人に困っていることや少し残念な変化を話すときによく使います。
接続
Vナイ形の「ない」を「なく」に変えて+なります
形
朝ごはんを食べなくなりましたテレビを見なくなりました国の料理をあまり作らなくなりました夜、よく眠れなくなりました
導入
- 同じ2枚組の絵を逆向きに国の家で毎日テレビを見ている絵と、今の部屋でテレビがない絵を並べ、「前は毎日テレビを見ました。今は見ません。テレビを見なくなりました」と言ってみせる。板書は「Vない → Vなく+なりました」と書き、隣に初級の「イAい → イAく+なります」(寒い→寒くなります)を並べて、「ない」もイ形容詞と同じに変わることを見せる。
板書案
Vない → Vなく + なりました
前:毎日 テレビを 見ました。→ 今:テレビを 見なく なりました。
〔赤〕ない → なく(寒い → 寒く と同じ)
〔青〕眠れない → 眠れなく なりました(できなくなった)
場面と発話(自作)
- 地域の健康相談会で、最近の生活を聞かれる。朝が忙しくて、朝ごはんを食べなくなりました。
- アルバイトが夜遅くまでになったことを、日本語教室のボランティアに話す。アルバイトが遅くなって、夜よく眠れなくなりました。
- 町内会の集まりで、日本に来てからの生活を聞かれる。国ではよく夜遅くまで出かけましたが、日本ではあまり出かけなくなりました。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、教師が「前は〜ました。今は〜ません」と言い、学習者が「〜なくなりました」でまとめる。そのあと「〜ようになりました」と「〜なくなりました」のカードを混ぜて出し、どちら向きの変化かを選ばせてから、自分の生活について両方を1つずつ言わせる。
- 口頭教師が「前は〜ました。今は〜ません」の2文を言い、学習者が全体で「〜なくなりました」の1文にまとめる。キューの例: 「前は毎日テレビを見ました。今は見ません」→見なくなりました、「前は国の料理をよく作りました。今はあまり作りません」→あまり作らなくなりました、「前はよく寝ました。今は眠れません」→眠れなくなりました。次にナイ形のカードだけを出し、個人に速く「なく+なりました」をつけさせる。
- ペア「変わったことカード」を A・B で4枚ずつ持つ。カードには絵と「前○→今×」か「前×→今○」の印があり、相手には見せない。A がカードを見て「〜なくなりました」か「〜ようになりました」で言い、B は聞いて矢印の向きを当てる。4枚終わったら交替する。
- 産出「変化さがしインタビュー」: 教室を歩いて3人に「日本に来てから、しなくなったことはありますか」「するようになったことはありますか」と聞いてメモし、最後に一人をクラスに紹介する(「〜さんは日本に来てから、〜なくなりました。でも、〜ようになりました」)。教師は「ない→なく」の変化と、「〜ないようになりました」に流れていないかを見る。
つまずきと手当て
- 「*食べないになりました」「*食べなくになりました」。「ない」を「なく」に変えたら「なります」をすぐつける、とイ形容詞の「おいしくなります」と並べて見せる
- 「*食べるなくなりました」と辞書形につける。先にナイ形を作ってから「なく」に変える、と2段階で板書する
- 「食べないようになりました」と言う。誤りではないが、自分で気をつけて食べないようにしている響きが出る。習慣が自然になくなったことは「食べなくなりました」で言う、と2つを比べる
既習の文型との違い
- Vるようになります(習慣の変化)(この課 ST1)どちらも変化を言う形ですが、向きが逆です。するようになった変化は「辞書形+ようになります」、しなくなった変化は「ナイ形のない→なく+なります」で、否定の側にだけ「よう」が入りません。「*食べなくようになりました」と混ぜる学習者がいるので、2つを上下に並べて「よう」の有無を色で示します。
- イAくなります/ナA・Nになります(初級第10課)「ない」はイ形容詞と同じ「い」で終わるので、「寒い→寒くなります」と同じように「ない→なく」と変えます。初級で「寒くなりました」が言えている学習者には、この共通点を見せると活用がすぐ決まります。ナ形容詞の「元気になります」と混ぜた「*食べないになりました」もここで止めます。
関連する文型
学習項目 3 Vたばかりです
意味・はたらき
ある動作をしてから、まだあまり時間がたっていないことを表します。どのくらいを「まだ」と感じるかは話す人の気持ちで決まり、3か月前でも半年前でも「日本に来たばかりです」と言えます。慣れていない理由やよくわからない理由を言うときに使い、「引っ越したばかりなので、まだよくわかりません」のように「〜ので」とよくいっしょに使います。第10課の「Vたところです」は動作のすぐあとのことにしか使わないので、ここで違いを見せます。
接続
Vタ形+ばかりです(名詞の前では「Vたばかりの+N」)
形
日本に来たばかりですこの町に引っ越したばかりです来たばかりなので、まだよくわかりません買ったばかりの自転車
導入
- カレンダーと時計で比べる教師がカレンダーで「4月に日本へ来ました。今は7月です」と言い、「3か月……まだ短いですね。日本に来たばかりです」と続ける。次に時計の絵で「5分前に昼ごはんを食べました」と言い、これは「食べたばかりです」「食べたところです」のどちらも言えるが、カレンダーの3か月には「ところ」を使わない、と見せる。板書は時間の線を引き、「ばかり」は話す人が「まだ短い」と思えば長い期間でも使える、と書き添える。
板書案
Vた + ばかりです
先月 この町に 引っ越した ばかりです。
引っ越した ばかりなので、まだ よく わかりません。
〔赤〕タ形 〔青〕Vたばかりの+N(買ったばかりの自転車)
〔緑〕時間の線:ばかり=話す人が「まだ短い」と感じる幅/ところ=すぐあと
場面と発話(自作)
- 町内会の人に、ごみの出し方を注意される。すみません。先月引っ越したばかりなので、まだよくわかりません。
- 地域の日本語教室で、どのくらい日本語を勉強しているか聞かれる。日本語の勉強を始めたばかりです。
- 自転車がすぐにこわれて、近所の人に話す。この自転車、買ったばかりなのに、こわれてしまいました。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、「来る・引っ越す・始める・買う・入る」の動詞カードと期間のカード(1週間前・2か月前)を組み合わせて「〜たばかりです」と言わせる。次に「〜たばかりなので、〜」で理由を言う形に広げ、地域の人に何かを頼まれたり聞かれたりした場面カードで答えさせる。
- 口頭動詞カードと期間のカードを組み合わせて見せ、全体→個人で「〜たばかりです」と言わせる。キューの例: 「引っ越す+先週」→先週引っ越したばかりです、「始める+1か月前」→日本語の勉強を始めたばかりです、「入る+先月」→チームに入ったばかりです、「買う+きのう」→きのう買ったばかりです。次に教師が後半(まだわかりません・まだ慣れていません)を言い、学習者が「〜たばかりなので」を前に足して1文にする。
- ペアA は町内会の人・アルバイト先の先輩などの役カード、B は「先月引っ越した」「チームに入って2週間」などの状況カードを持ち、互いに見せない。A が「ごみは月曜日ですよ」「この道具、使えますか」と話しかけ、B は自分の状況から「〜たばかりなので、〜」で答える。3回やったら役を替える。
- 産出「町内会あいさつロールプレイ」: 新しく引っ越してきた住人として町内会の人(教師)にあいさつに行き、いつ来たか、まだわからないことを1つ、聞きたいことを1つ言う。教師はタ形についているか、名詞の前の「の」、「〜たばかりなので」で理由が言えているか、何か月も前のことを「〜たところです」と言っていないかを見る。
つまずきと手当て
- 「*来るばかりです」「*来ばかりです」とタ形にしない。先にタ形を言わせてから「ばかり」を足す
- 名詞の前で「*買ったばかり自転車」と「の」を落とす。「Vたばかりの+N」をひとかたまりで板書する
- 3か月前のことを「日本に来たところです」と言う。「ところ」は動作のすぐあとの場面に使う形なので、ここでは「ばかり」になる、と時間の線の板書で比べる
既習の文型との違い
- Vるところです/Vているところです/Vたところです(第10課)「Vたところです」は動作が終わったすぐあとの場面を言い、ふつうは数分から数時間の範囲です。「Vたばかりです」は、話す人が「まだ時間がたっていない」と感じれば、3か月前でも1年前でも使えます。「半年前に日本に来たところです」と言う学習者がいたら、時間の線に今の位置を描いて2つの幅を比べます。
- もうVましたか(完了)/まだVていません(初級第10課)「もう引っ越しました」は済んだかどうかだけを言い、時間がどのくらいたったかは言いません。「Vたばかりです」は済んだうえで、まだ時間がたっていないことを言うので、慣れていない理由や物が新しいことを伝えるのに向いています。2つを同じ場面に置き、どちらが「まだよくわかりません」に続くかを選ばせます。
関連する文型
学習項目 4 Vながら、〜
意味・はたらき
一人の人が、同じ時期に二つのことを続けていることを表します。この ST では「アルバイトをしながら、日本語学校に通っています」のように、生活の中で二つのことを並行してしているのを地域の人に話すときに使います。文の中心は後ろのことで、「ながら」の前はそれといっしょに続けていることです。その場で体が二つの動作を同時にする使い方(同時進行)は ST2 で扱います。
接続
Vます形(「ます」を取る)+ながら、〜(前と後ろは同じ人)
形
アルバイトをしながら、日本語学校に通っています働きながら、大学で勉強しています子どもを育てながら、仕事をしています
導入
- 1週間の予定表で見せる黒板に月〜金の予定表を描き、午前に「学校」、夜に「アルバイト」と書き入れて、教師が「午前は学校、夜はアルバイト。毎日両方です」と言ってから「アルバイトをしながら、学校に通っています」とまとめる。板書は「Vます形+ながら、[中心のこと]」とし、中心の部分を太く書く。
板書案
Vます + ながら、[中心のこと]
アルバイトを しながら、日本語学校に 通って います。
〔赤〕します → し+ながら(「ます」を消す)
〔青〕後ろ=中心(太く) 前=いっしょに続けていること
〔緑〕1週間の予定表:午前 学校/夜 アルバイト
場面と発話(自作)
- 公民館の交流会で、今の生活について聞かれる。今、コンビニでアルバイトをしながら、日本語学校に通っています。
- 近所の人に、家族のことを聞かれる。兄は日本の会社で働きながら、夜、大学院で勉強しています。
- 地域の日本語教室で、ボランティアに今の生活を話す。昼は工場で働きながら、夜はこの教室で日本語を勉強しています。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、「アルバイトする+学校に通う」「働く+大学で勉強する」のように二つの活動のカードを組み合わせ、「〜ながら、〜ています」で言わせる。カードの順番を入れ替えて、どちらが中心に聞こえるかを確かめたあと、自分の今の生活を地域の人役に話す。
- 口頭予定表の絵を指して教師が二つの活動を言い、学習者が全体で「〜ながら、〜ています」につなげる。キューの例: 「働く/大学で勉強する」→働きながら大学で勉強しています、「子どもを育てる/仕事をする」→子どもを育てながら仕事をしています、「アルバイトをする/専門学校に通う」→アルバイトをしながら専門学校に通っています。同じ二つを逆の順でも言わせ、どちらが中心に聞こえるかをクラスに聞く。
- ペアA・B が自分の1週間の予定表(月〜金・午前/午後/夜)を書き、相手には見せない。A が「平日はどんな生活ですか」と聞き、B は予定表から「〜ながら、〜ています」で答え、A は聞いた内容を白紙の予定表に書き込む。最後に見せ合って合っているかを確かめ、交替する。
- 産出「わたしの一週間発表」: 予定表を見せて、地域の交流会の自己紹介として今の生活を3文で話す(「〜ながら、〜ています」を1回、「〜ようになりました」か「〜なくなりました」を1回入れる)。教師はます形からの接続、前と後ろが同じ人か、言いたいことを後ろに置いているかを見る。
つまずきと手当て
- 「*働くながら」「*働いたながら」とます形にしない。「働きます」の「ます」を消して「ながら」に書き替える動作を見せる
- 前と後ろで人が違う「*わたしがアルバイトをしながら、友達が勉強しています」。「ながら」は同じ人の二つのことだけ、別の人なら「わたしは〜。友達は〜」と2つの文にする
- 中心を逆にする。「学校に通いながら、アルバイトをしています」はアルバイトが中心に聞こえる。誤りではないので、自分がいちばん言いたいほうを後ろに置く、と2つの文を比べる
既習の文型との違い
- Vています(習慣)(初級第11課)「日本語学校に通っています」だけでも今の生活の習慣は言えます。「〜ながら」を足すと、それと並行して続けているもう一つのことが加わり、生活の忙しさが伝わります。二つの習慣を「〜ています。そして、〜ています」の2文で言っていた学習者に、1文にまとめる形として見せます。
- VたりVたりします(初級第11課)「〜たり〜たりします」はふだんすることの例をいくつか挙げる形で、二つを同じ時期に続けているとは限りません。「〜ながら」は同じ人が同じ時期に二つを並行していることを言い、後ろが中心です。休みの日の過ごし方なら「たり」、学校と仕事の両立なら「ながら」と、話題で分けます。
関連する文型
ST2 スポーツチームに入って
できること人から聞いた連絡を、言った人を出して仲間に伝え、試合では短いかけ声で応援できる。
場面
地域のサッカーチーム(留学生や社会人も入れる市民チーム)に入った留学生が、日本人のチームメートから練習や試合の連絡を聞いてほかの仲間に伝える場面と、試合の日にスタンドで応援する場面です。連絡を伝えるときは仲間どうしでもです・ます形で話しますが、応援の命令形・禁止は選手を励ますかけ声で、目上の人やお店の人との会話では使わないことを場面の中で確かめます。教室ではチームの予定表のカードと、試合の写真を用意します。
- チームの人:キャプテンが、日曜日の試合は朝8時に集まると言っていましたよ。
- 留学生:8時ですね。わかりました。場所はどこですか。
- チームの人:市民グラウンドだと言っていました。応援にも来てくださいね。
- 留学生:(試合の日、スタンドで)がんばれ! 走れー!
- チームの人:あきらめるな! まだ1点だよ!
- 留学生:みんなで旗をふりながら応援しましょう。
学習項目 1 〜と言っていました
意味・はたらき
ほかの人から聞いたことを、言った人をはっきり出して別の人に伝える形です。チームのキャプテンや監督の連絡を仲間に伝えるとき「キャプテンが、〜と言っていました」と使います。「〜と言いました」は言ったという事実を言うのに対して、「言っていました」にすると聞いた内容を伝言として伝える感じになります。初級の「〜そうです(伝聞)」はニュースや人の話から知ったことを言い、言った人を出さなくても使えますが、「〜と言っていました」はだれから聞いたかがはっきりしている場面に向いています。
接続
[人]が+普通形+と言っていました(N・ナAの現在は「Nだ」「ナAだ」)/言ったとおりに伝えるときは「「〜」と言っていました」
形
キャプテンが、試合は8時からだと言っていました監督が、雨なら練習は休みだと言っていましたチームの人が、明日は来られないと言っていました監督が「よくがんばったね」と言っていました
導入
- 伝言ゲーム教師が学習者Aにだけ小さな声で「土曜日の練習は9時からです」と言い、Aにクラスへ「先生が、土曜日の練習は9時からだと言っていました」と伝えさせる。板書は「[人]が、[普通形]と言っていました」とし、「です」が「だ」に、「ます」が辞書形に変わるところを赤で書く(普通形は初級第11課)。
板書案
[人]が、[普通形]と 言って いました
キャプテンが、試合は 8時からだと 言って いました。
〔赤〕です → だ ます → 辞書形(普通形)
〔青〕N・ナA だけ「だ」:休みだ/静かだ 動詞・イA は そのまま
〔緑〕言ったとおりに:監督が「〜」と言っていました
場面と発話(自作)
- 練習を休んだ仲間に、監督の連絡を伝える。監督が、次の練習は水曜日だと言っていました。
- 地域の運動会の準備で、町内会の人の話を友達に伝える。町内会の人が、雨が降ったら体育館でやると言っていました。
- 練習の始まる前に、遅れている仲間の伝言をキャプテンに伝える。佐藤さんが、少し遅れると言っていました。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、教師が「〜です」「〜ます」の文を言い、学習者が「先生が、〜と言っていました」に言い換える(です→だ、ます→辞書形を確かめる)。次に3人組で、Aが連絡カード(日時・場所・持ち物)を読み、Bがそれを聞いてCに伝えるやり取りをし、最後にCがカードと合っているかを確かめる。
- 口頭教師が監督やキャプテンの写真カードを持って丁寧形の連絡を言い、学習者が全体で「〜が、〜と言っていました」に言い換える。キューの例: 監督「練習は水曜日です」→練習は水曜日だと言っていました、キャプテン「ボールを持ってきます」→ボールを持ってくると言っていました、チームの人「あしたは行けません」→あしたは行けないと言っていました、監督「グラウンドは広いです」→広いと言っていました。品詞ごとに「だ」がつくかどうかを個人に速く答えさせる。
- ペアA は連絡カード(日時・集合場所・持ち物の3項目)を、B は空欄の連絡メモを持つ。A は「キャプテンが、〜と言っていました」で伝え、B はメモを埋めながら、わからないところを「場所はどこだと言っていましたか」と聞き返す。最後にカードとメモを照らし合わせ、カードを替えて交替する。
- 産出「伝言リレー」: 4〜5人の列を作り、先頭だけが教師から連絡(雨のときの予定など2つの情報)を聞く。順番に「〜が、〜と言っていました」で次の人へ伝え、最後の人がクラスに発表して最初の連絡と比べる。教師はどこで普通形が崩れたか、「だ」のつけ方、だれの話かを出しているかを見る。
つまずきと手当て
- 「試合は8時からですと言っていました」と丁寧形のまま入れる。伝言では普通形にして「8時からだと」と言う、と板書の赤で確かめる(「「〜です」と」のように言ったとおりに伝えるなら丁寧形のままでよい)
- 動詞の後ろに「だ」をつけて「*明日テストがあるだと言っていました」と言う。「だ」がつくのは N とナAの現在だけ、と品詞ごとの表で見せる
- 伝言なのに「キャプテンが、8時に集まると言いました」と言う。誤りではないが、伝えたい連絡として聞こえにくい。人から聞いた連絡を伝えるときは「言っていました」と決めて練習する
- 前の日に聞いた連絡を次の日に伝えるとき、「キャプテンが、あした試合だと言っていました」とそのまま言ってしまう。伝える日にはもう「今日」なので、時を表すことばは伝える人の今から言い直す、とカレンダーで確かめる
既習の文型との違い
- 〜そうです(伝聞)(初級第15課)「〜そうです」はニュースや人の話から知ったことを情報として伝える形で、だれが言ったかを出さなくても使えます。「〜と言っていました」は言った人をはっきり出し、その人から聞いた連絡として伝えます。チームの連絡のように、だれの指示かが大事な場面では「〜と言っていました」が向いている、と場面で選ばせます。
- 「〜」と言います(初級第14課)初級では「『いただきます』と言います」のように、ことばや言い方をそのまま紹介しました。この課では人の話の内容を自分のことばに直して伝えるので、かぎかっこをはずすと普通形に変わります。言ったとおりに伝えるならかぎかっこのまま丁寧形でもよい、と2つの書き方を並べて見せます。
関連する文型
学習項目 2 命令形活用
意味・はたらき
相手に強く「〜しろ」と求める形です。ふだんの会話で目上の人や初めて会った人に使うと、とても乱暴に、けんかのように聞こえます。使われるのは、スポーツの応援(がんばれ・走れ)、試合中の短い指示、交通標識(止まれ)、親しい人どうしのくだけた会話などです。この ST では、地域のチームの試合をスタンドから応援するとき、仲間といっしょに声を出す形として練習します。
接続
グループ1:辞書形の最後の音をエ段に(行く→行け)/グループ2:「る」を「ろ」に(見る→見ろ)/グループ3:する→しろ、来る→来い(こい)
形
がんばる→がんばれ、走る→走れ、行く→行け投げる→投げろ、見る→見ろする→しろ、来る→来い(こい)止まれ(交通標識)
導入
- 試合の写真と応援の声サッカーの試合でスタンドから声を出している人たちの写真を見せ、教師がこぶしを上げて「がんばれ!」「走れ!」と言ってみせる。次に教師が教室で学習者に向かって低い声で「座れ」と言い、こわく聞こえることを感じさせてから、「応援や試合の中では使う。でも、ふだん人に言うと失礼」と押さえる。板書はグループごとの作り方の表にする。
板書案
命令形(応援・試合のかけ声・標識)
1グループ:がんばる → がんばれ 行く → 行け(う段 → え段)
2グループ:見る → 見ろ(る → ろ)
3グループ:する → しろ 来る → 来い(こい)
〔赤〕ふだん人に言う × 〔青〕応援・かけ声 ○
場面と発話(自作)
- 地域のサッカーチームの試合を、スタンドで応援する。がんばれ! 走れー!
- 自転車で通る道の交通標識を見て、友達に意味を聞く。「止まれ」は、ここで止まってくださいという意味です。
- 地域のマラソン大会で、沿道から知り合いの選手に声をかける。もう少しだ! がんばれー!
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、辞書形のカードを見せて命令形に変える(グループ1・2・3の順に、最後は混ぜる)。そのあと試合の場面カード(ボールを持って走っている・ゴールの前にいる・あと少しで勝てる)を見せ、どの応援の言葉を言うかを選ばせて、全員で声を出す。
- 口頭辞書形のカードを見せ、グループごとに全体で命令形を言わせてから、混ぜて個人に速く答えさせる。キューの例: 走る→走れ、投げる→投げろ、守る→守れ、急ぐ→急げ、来る→来い、する→しろ。「走る」「帰る」のように2グループに見える1グループの動詞をわざと入れ、先にグループを答えさせてから形を作らせる。
- ペアA は試合の場面カード(ボールを持って走っている・ゴールの前にいる・相手が速い・あと1分)を引いて状況を言い、B はその場面に合う応援の声を命令形で返す(走っている→「走れ!」、ゴールの前→「決めろ!」、相手が速い→「追いかけろ!」)。A は場面に合っていれば次のカードへ進み、5枚終わったら交替する。
- 産出「応援コール作り」: グループで地域チームの応援のかけ声を3つ作り(命令形を2つ以上)、チーム名を入れてリズムをつけ、クラスの前で発表する。最後に、同じ気持ちをアルバイト先の店長に言うならどう言うかを聞き、「Vてください」に戻せるかを確かめる。教師はグループごとの作り方の誤り(*来ろ・*行きろ)と、場面による使い分けを見る。
つまずきと手当て
- グループ3を「*来ろ」と作る。「来る」は「来い(こい)」、「する」は「しろ」と、グループ3だけ別の札にして覚えさせる
- グループ2をグループ1のように作って「*見け」と言う、またはグループ1を「*行きろ」と作る。辞書形の最後が「る」でも、グループによって作り方が違うことを、グループ分けを先に確かめてから練習する
- アルバイト先の店長や地域の年上の人に「待て」「来い」などを使ってしまう。お願いするときは「Vてください」「Vてもらえませんか」(第2課)を使う、と場面カードで比べる
既習の文型との違い
- Vてください(初級第7課)「Vてください」は相手に頼んだり指示したりするていねいな言い方で、ふだんの会話で目上の人にも使えます。命令形は同じ動作を求めても、応援やかけ声、標識のように相手との上下を考えない場面に限られます。「待ってください」と「待て」を同じ場面に置き、どちらが言える場面かを選ばせます。
- 条件形(第9課)条件形「行けば」と命令形「行け」は、どちらも1グループで「え段」の音を使うので、作り方を一緒に整理できます。2グループは「見れば/見ろ」と形が分かれ、3グループはどちらも別に覚えます。第9課の活用表に命令形の列を足すと、学習者が一度に見比べられます。
関連する文型
学習項目 3 禁止
意味・はたらき
「Vるな」で、強く「〜してはいけない」と止める形です。命令形と同じく、応援(負けるな・あきらめるな)や試合中のかけ声、注意の看板や張り紙(入るな)、親しい人どうしのくだけた会話などで使い、目上の人やお客さんには使いません。ていねいに頼むときは初級の「Vないでください」、ルールを説明するときは「Vてはいけません」を使う、と言い方を並べて場面で選ばせます。
接続
V辞書形+な
形
負けるなあきらめるな入るな(看板)止まるな(試合中のかけ声)
導入
- 負けている試合の最後の場面1点差で負けている試合の最後の5分の絵を見せ、「負けないでください」の気持ちを短く強く言うと「負けるな!」になる、と教師が声を出してみせる。次に工事中の場所の「入るな」の張り紙の絵で、看板にも使うことを見せる。板書は「V辞書形+な」と書き、隣に「Vないでください(ていねい)」「Vてはいけません(ルール)」を並べる。
板書案
V辞書形 + な
負けるな! あきらめるな!
〔赤〕辞書形につける(ナイ形ではない):×負けないな
〔青〕ていねい:負けないでください/ルール:入ってはいけません
〔緑〕使う場面:応援・試合のかけ声・看板
場面と発話(自作)
- 地域チームの試合の最後の5分、1点差で負けている。あきらめるな! まだ時間があるよ!
- 公園の工事中の場所に張り紙があり、友達に知らせる。「入るな」と書いてありますよ。
- チームの練習で、けがをしたばかりの仲間に、仲のいいチームメートが声をかける。無理するなよ。今日は見ていて。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、辞書形のカードを見せて「〜な」に変え、同じ動詞で「Vないでください」も言わせて、どちらをどの場面で使うかを場面カード(試合・看板・店のお客さん)で選ばせる。最後に命令形と禁止を混ぜて、試合の流れ(攻めている・守っている・時間がない)に合わせて応援の声を出す。
- 口頭辞書形のカードを見せて、全体で「〜な」に変える。キューの例: 負ける→負けるな、あきらめる→あきらめるな、止まる→止まるな、入る→入るな、触る→触るな。続けて同じ動詞を「Vないでください」でも言わせ、教師が「試合」「お客さん」と場面を言ったらどちらかを選んで言う切り替えを、個人に回す。
- ペアA は「試合」「公民館のお知らせ」「店のお客さん」「親しい友達」の場面カードと動詞カードを1枚ずつ引いて読み上げ、B は場面に合う言い方を「〜な」「〜ないでください」「〜てはいけません」から選んで言う。A は合っているかを判定して理由を一言言い、6組終わったら交替する。
- 産出「ひとこと選びゲーム」: グループで、試合の応援・公民館の張り紙・お客さんへのお願いの3つの場面それぞれに一言を書いた札を作り、ほかのグループに見せて「どの場面の札か」を当ててもらう。応援の札には命令形と禁止を両方入れる。教師はナイ形にしていないか、辞書形の最後の「る」が落ちていないか、お客さんや目上の人への札に「〜な」が入っていないかを見る。
つまずきと手当て
- 「*負けないな」「*あきらめないな」とナイ形につける。禁止は辞書形+な、と板書の形を指して確かめる
- 「食べるな」の「る」を落として「食べな」と言う。これは「食べなさい」の意味のくだけた言い方になり、反対の意味に聞こえる。辞書形の最後の「る」をはっきり言わせる
- 店でお客さんに「さわるな」と言ってしまう。お客さんや目上の人には「さわらないでください」を使う、と場面カードで比べる
既習の文型との違い
- Vないでください(初級第10課)「Vないでください」は相手にていねいにお願いする形で、店の人やお客さん、目上の人にも使えます。「Vるな」は同じ「しないで」の気持ちを短く強く言う形で、応援や試合のかけ声、看板などに限られます。元になる形も、ていねいなほうはナイ形、禁止は辞書形と違うので、並べて板書します。
- Vてはいけません(初級第14課)「Vてはいけません」はルールやマナーを説明するときの形で、きまりを伝える響きがあります。「Vるな」は、今その場で相手の行動を強く止めます。公民館のルールの説明なら「〜てはいけません」、試合中に仲間を励ますなら「〜な」、と場面を決めて選ばせます。
関連する文型
学習項目 4 Vながら、〜(同時進行)
意味・はたらき
一人の人が、同じときに二つの動作をすることを表します。ST1 の「アルバイトをしながら学校に通う」は長い期間に二つのことを続ける使い方でしたが、ここは「旗をふりながら応援する」「メモを取りながら監督の話を聞く」のように、その場で二つの動作を同時にしている場面です。後ろが中心の動作で、前はそれといっしょにしている動作です。
接続
Vます形(「ます」を取る)+ながら、〜(前と後ろは同じ人)
形
旗をふりながら応援します歌いながら走りますメモを取りながら、監督の話を聞きます音楽を聞きながら、ジョギングします
導入
- 教師が二つの動作をしてみせる教師が教室を歩きながら手をたたいてみせ、「歩きます。手をたたきます。同じときです」と言ってから「歩きながら、手をたたきます」とまとめる。学習者にも「手をたたきながら、歌いましょう」と実際にやらせる。板書は二つの動作の線を上下に重ねた図にし、ST1 の1週間の予定表の図と並べて、「長い期間」か「その場」かを比べる。
板書案
Vます + ながら、[中心の動作]
旗を ふりながら、応援します。
〔赤〕前と後ろは 同じ人
〔青〕2本の線を上下に重ねる(その場で同時) ST1 は予定表(長い期間)
〔緑〕人が違うとき:監督が 話して いる とき、メモを 取ります。
場面と発話(自作)
- 地域チームの試合を、仲間とスタンドで応援する。みんなで旗をふりながら応援しましょう。
- 練習の最初に、キャプテンが新しく入った人に言う。監督の話は、メモを取りながら聞いてください。
- 練習のあと、チームの人とジョギングの話をする。わたしはいつも音楽を聞きながら走ります。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
口頭では、教師が二つの動作をして見せ、学習者が「〜ながら、〜」で言う(歩く+歌う、見る+書く)。そのあと応援の準備として、「旗をふる・手をたたく・歌う・声を出す」のカードを組み合わせて「〜ながら応援しましょう」と誘い合い、最後に実際にやってみる。
- 口頭教師が二つの動作を同時にして見せ、全体で「〜ながら、〜ます」と言わせる(言えたら学習者も同じ動作をする)。キューの例: 歩く+手をたたく→歩きながら手をたたきます、歌う+走る→歌いながら走ります、メモを取る+聞く→メモを取りながら聞きます、旗をふる+応援する→旗をふりながら応援します。慣れたら教師は動作だけを見せ、個人に文を言わせる。
- ペア「ながらジェスチャークイズ」として、A が動作カードを2枚引き、相手に見せずに二つの動作を同時にして見せる。B が「〜ながら、〜ています」で当て、当たったら B が次のカードを引いて交替する。中心の動作が後ろに来ているかを二人で確かめ合う。
- 産出「ながら応援リハーサル」: 課のまとめのゲームの前に、グループで応援のしかたを決め、「〜ながら、〜しましょう」で全員に説明して誘い、実際にやってみる(手をたたきながらチームの名前を呼ぶ、など)。教師は辞書形につけていないか、前と後ろが同じ人か、別の人の動作を「ながら」でつないでいないかを見る。
つまずきと手当て
- 「*歌うながら」と辞書形につける。ST1 と同じく、ます形から「ます」を消して「ながら」をつける
- 別の人の動作をつなぐ「*監督が話しながら、わたしはメモを取ります」。人が違うときは「監督が話しているとき、わたしはメモを取ります」のように「とき」を使う
- 中心を逆にして「応援しながら、旗をふります」と言う。誤りではないが、旗をふるほうが中心に聞こえる。言いたい動作を後ろに置く、と2つの文を比べる
既習の文型との違い
- Vながら、〜(この課 ST1)ST1 の「アルバイトをしながら学校に通う」は、何か月も続く生活の中で二つのことを並行している使い方でした。ここは「旗をふりながら応援する」のように、その場で体が二つの動作を同時にしています。形は同じなので、予定表の図と2本の線を重ねた図を並べ、時間の長さだけが違うことを見せます。
- Vて、〜(初級第9課)「Vて、〜」は「手を洗って、食べます」のように動作を順番につなぎ、前が終わってから後ろをします。「〜ながら」は二つが同じ時に重なっています。「音楽を聞いて、走ります」と「音楽を聞きながら走ります」を並べ、線の図で順番か重なりかを比べます。
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