日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第3課「今、何時ですか」の教案

『学ぼう!にほんご 初級Ⅰ』

第1課・第2課の名詞文(「〜は…です」「この〜は…円です」)だけで話してきた学習者が、時刻を言い、動詞の「ます」の形で毎日の生活を話し始める課です。最初の項目は「〜は…時から…時までです」で、形はまだ名詞文なので、新しく増えるのは時刻の読みと「から」「まで」だけです。次の「〜に…ます」で初めて動詞が出て、時刻に「に」をつけて「11時に寝ます」と言えるようになり、最後の「〜ました」で、きのうやけさのことを言えるようになります。板書は黒板の端に時計の絵を描いて課の最後まで残し、時刻を指さすだけでどの項目の練習にも戻れるようにしておくと、短い時間でも回数が稼げます。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目3時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 時刻(-時・-分・半・午前・午後)を正しく読み、「今、何時ですか」と聞いて答えられる
  • 店・銀行・授業などが何時から何時までかを「〜は…時から…時までです」で言い、聞ける
  • 起きる・寝る・勉強する・働くなどの毎日のことを、時刻に「に」をつけて「ます」の形で言える
  • きのう・けさのことを「ました」で言い、「何時に〜ましたか」と聞き合える

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)25分第2課の「この〜は…円です」を値札の絵で2〜3問言わせ、「数字が言えれば値段が言える」ことを確かめてから、時計の絵を見せて「今、何時ですか」と聞く。1時〜12時、-分、半、午前・午後の読みをここで入れ、4時・7時・9時と-分(ふん/ぷん)の読みは赤で板書する
学習項目1 〜は…時から…時までです25分店や銀行の入口の札(営業時間)の絵で導入。「から」「まで」を矢印の両端に書き、「何時から何時までですか」「何時までですか」まで聞き合う
学習項目2 〜に…ます40分教師の一日を時計の絵と動作で見せて、初めての動詞「起きます・寝ます・勉強します・働きます」を入れる。「[時刻]に [動詞]ます」の枠を板書し、「毎朝・毎晩」には「に」がつかないことを別の列で見せる。1コマ目はここまで
2コマ目の頭(時刻と「に」の復習)10分時計の絵の針を教師が動かして時刻を速く読ませ、時刻カードと動詞の絵カードで「-時に〜ます」を全員で数回言わせる。4時・7時・9時の読みと、「毎朝」に「に」がつかないことをここで確かめ直す
学習項目3 〜ました45分黒板に「きのう|きょう|あした」の時間の線を引き、きのうの側を指して「ました」に言い換える。けさ・ゆうべの出来事を聞き合う
まとめの活動35分ペアで相手のきのうの一日を「何時に起きましたか」「何時に寝ましたか」と聞いて、時計の絵に書き込む。最後に「〜さんは7時半に起きました」と一人ずつクラスに報告する

学習項目 1 〜は…時から…時までです

意味・はたらき学習項目 1

店・銀行・授業・休み時間などが、何時に始まって何時に終わるかを言う形です。「から」は始まりの時、「まで」は終わりの時を表します。文の形は第1課の「〜は…です」と同じ名詞文なので、新しく覚えるのは時刻の読みと「から」「まで」の二つです。始まりだけ、終わりだけを言うときは「10時からです」「8時までです」と片方だけでも言えます。文法の用語で言うと「から」「まで」は格助詞で、時の始まり(起点)と終わり(終点)を示します。

接続

名詞+は+時刻+から+時刻+まで+です(片方だけの「〜からです」「〜までです」も可)

形
-時です/-時-分です/-時半です(4時=よじ・7時=しちじ・9時=くじ)Nは-時から-時までですNは-時からです/Nは-時までですNは何時から何時までですか/今、何時ですか

導入

  • 時計の絵で時刻を読む針を動かせる時計(紙で作ったものでよい)を見せ、1時から12時まで全員で読む。4時・7時・9時は数字の読みと違うので赤で書き、毎回そこで止まって確かめる。次に-分を5分きざみで読み、「ふん」と「ぷん」の分かれ目(1・3・4・6・8・10分は「ぷん」)を表にし、30分は「半」とも言えることを見せる。午前・午後は、太陽の絵と月の絵を時計の左右に貼って区別する。
  • 営業時間の札で「から」「まで」銀行・郵便局・図書館・スーパーの入口に貼ってある札の絵(「9:00〜15:00」のように数字だけ書いたもの)を黒板に貼る。教師が札を指して「銀行は9時から3時までです」と言い、9時の下に「から」、3時の下に「まで」と書いて、矢印の両端だと見せる。そのあと札を一枚ずつ指して「〜は何時から何時までですか」と学生に聞く。

板書案

今、何時ですか。 —— -時です/-時-分です/-時半です
〔赤〕4時=よじ 7時=しちじ 9時=くじ
N は [時刻]から [時刻]まで です
銀行は 9時から 3時まで です。
〔矢印〕9:00 ━━━▶ 3:00 矢印の始まりに「から」、終わりに「まで」
N は 何時から 何時まで ですか。

場面と発話(自作)

  • 日本語学校に入ったばかりの留学生が、受付で図書室の時間を聞く。図書室は何時から何時までですか。——8時半から6時までです。
  • スーパーの前で、友達が閉まる時間を気にしている。札を見た留学生が教える。このスーパーは夜10時までです。
  • 会社で、新しく入った人が同僚に昼休みの時間を聞く。昼休みは何時からですか。——12時からです。1時までです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、時計の針を教師が動かして「今、何時ですか」と速く聞き、慣れたら営業時間の札を差し替えて「〜は…時から…時までです」を一文で言わせる。やり取りの練習では、ペアの一人に町の店の札の絵、もう一人に白紙の表を渡し、「〜は何時から何時までですか」と聞いて表を埋めさせる。

  1. 口頭教師が時計の針を動かして「今、何時ですか」と聞き、全員 → 列 → 個人の順で答えさせる。キューは「9時」「4時半」「7時15分」「午後2時10分」のように、赤で書いた三つの時刻と「ふん/ぷん」が分かれる分を混ぜる。慣れたら営業時間の札(図書室 8:30〜18:00、銀行 9:00〜15:00、スーパー 10:00〜22:00)を差し替え、札を指すだけで「〜は…時から…時までです」を一文で言わせる。
  2. ペアAには店や学校の時間が書いてある札の絵4枚、Bには場所の名前だけの白紙の表を渡す。Bが「郵便局は何時から何時までですか」と聞き、Aが札を見て答え、Bが表に書き込む。4枚で役を交替し、別の札の組を使う。最後に表を見せ合い、数字が合っているかを二人で確かめる。
  3. 産出「町の時間しらべ」。学生が自分のよく行く所(学校の図書室・アルバイト先・近くの店・駅の窓口など)を一つ選び、「〜は…時から…時までです」で紹介し、ほかの学生が「何時までですか」と質問する。教師が見るのは、4時・7時・9時の読み、「ふん/ぷん」の言い分け、「から」「まで」の入れ替わりの3点で、落ちたところは板書の矢印に戻って言い直させる。

つまずきと手当て

  • 4時を「よんじ」、7時を「ななじ」、9時を「きゅうじ」と読む。通じないわけではないが時刻の読みとしては誤りなので、赤で書いた三つだけは毎回声に出させる。-分は「ふん/ぷん」の表を見ながら言わせ、全部を一度に覚えさせない
  • 「から」と「まで」を入れ替えて、10時に開いて8時に閉まる店を「8時から10時まで」と言ってしまう。矢印の両端に「から」「まで」を書いた板書に戻り、始まりの数字には「から」、終わりの数字には「まで」とセットで言わせる
  • 「から」を「国から来ました」のような場所の言い方と結びつけて覚えていて、時刻に使うのをためらう学習者がいる。この課では時刻の「から」だけを扱い、場所の「から」は移動の表現が出てからにする
  • 「何時ですか」の「何」を「なに」と読む。時刻の「何時」は「なんじ」と決めて板書に読みを添える

既習の文型との違い

  • 〜は…です(第1課)第1課の「〜は…です」と文の形は同じ名詞文で、「は」の後ろに時刻と「から」「まで」が入っただけです。動詞はまだ使わないので、「です」で終わることを第1課の板書と並べて見せます。学習者が「から」「まで」のあとをどう終えるか迷ったら、第1課の文に戻って「です」で閉じさせます。
  • この/その/あの〜は…円です(第2課)第2課の値段も数字を言う形ですが、時刻では数字の読みが一部変わります(400円=よんひゃく、4時=よじ/7時=しちじ/9時=くじ)。値段の読みにつられて「よんじ」「ななじ」「きゅうじ」と言うことが多いので、値札の絵と時計の絵を並べて、数字は同じでも時刻だけ読みが違うものを赤で示します。
関連する文型

学習項目 2 〜に…ます

意味・はたらき学習項目 2

この本で初めて動詞が出る項目です。「起きます」「寝ます」のような動詞の「ます」の形で、毎日のこと(習慣)や、これからすることを言います。動作をする時刻には「に」をつけて「11時に寝ます」と言います。ただし「毎朝」「毎晩」「毎日」のように数字のない時の言葉には「に」をつけません。何時にするかを聞くときは「何時に〜ますか」です。文法の用語で言うと、時刻の「に」は動作の時を示す格助詞で、「ます」の形は過去ではない時(非過去)を表します。

接続

時刻+に+動詞(ます形)(毎朝・毎晩・毎日・今・きょう などには「に」をつけない)

形
-時に Vます(7時半に起きます・11時に寝ます)毎朝/毎晩 -時に Vます何時に Vますか-時から-時まで Vます(10時から4時まで働きます)

導入

  • 教師の一日を動作で見せる時計の絵を7時半に合わせ、教師が伸びをしながら「7時半に起きます」と言う。続けて9時で机に向かうしぐさをして「9時に勉強します」、11時で目を閉じて「11時に寝ます」と、時刻と動作を一つずつ組にして見せる。板書は「[時刻]に [動詞]ます」の枠にし、時刻と動詞の絵カードを差し替えて全員でくり返す。
  • 「毎朝」の列を別に作る学生に「〜さんは何時に起きますか」と一人ずつ聞き、答えを黒板の時計に書き込む。そのあと「毎晩11時に寝ます」と教師が言いながら、「毎朝・毎晩・毎日」を枠の外の別の列に書き、この列の言葉には「に」がつかないことを、枠の「に」を手で隠して見せる。学習項目1の札に戻って「9時から3時まで働きます」のように、「から」「まで」と動詞もつなげてみせる。

板書案

[時刻]に + Vます
7時半に 起きます。 11時に 寝ます。
〔別の列〕毎朝・毎晩・毎日・今 + Vます(「に」なし)
毎晩 11時に 寝ます。(「に」は 11時 にだけ)
何時に Vますか。
〔赤〕に 〔青〕別の列の上に「に ×」

場面と発話(自作)

  • 新しいクラスで、先生が留学生に朝のことを聞く。毎晩何時に寝ますか。——12時に寝ます。
  • アルバイトを始めた留学生が、店の人に自分の働く時間を確かめる。わたしは6時から10時まで働きます。
  • 寮の同じ部屋になった留学生どうしで、夜のことを聞き合う。毎晩何時に寝ますか。——12時に寝ます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、時計の時刻カードと動詞の絵カード(起きる・寝る・勉強する・働く・休む)を重ねて見せ、「-時に〜ます」を一文で言わせる。途中に「毎朝」「毎晩」のカードを混ぜ、「に」をつけるかどうかを判断させる。やり取りの練習では、「何時に起きますか」「何時に寝ますか」をペアで聞き合い、相手の答えを時計の絵に書き込ませる。

  1. 口頭時刻カードと動詞の絵カードを重ねて見せ、全員 → 個人で「-時に〜ます」と言わせる。キューは「7:30+起きる」「11:30+寝る」「10:00〜4:00+働く」「毎晩+8:00+勉強する」「12:00〜1:00+休む」のように、途中に「毎朝」「毎晩」のカードを混ぜ、「に」をつけるかどうかをその場で判断させる。迷った学生には、その言葉が板書のどちらの列かだけを聞く。
  2. ペア二人で「何時に起きますか」「何時に寝ますか」「何時から何時まで働きますか(勉強しますか)」を聞き合い、相手の答えを時計の絵に書き込む。聞く役と答える役を一問ごとに替える。書き終わったら絵を相手に見せ、「7時半に起きますね」と確かめ合う。
  3. 産出「わたしの一日」。学生が自分の毎日のことを3〜4文で話す(例: 7時半に起きます。9時から3時まで勉強します。毎晩12時に寝ます)。聞いている学生は、話し手の時刻を自分の時計の絵に書き込む。教師が見るのは、「毎朝に」のような「に」のつけすぎ、「に」の落とし、「起きますです」の3点で、話し終わってから一つだけ直す。

つまずきと手当て

  • 「*毎朝に起きます」「*毎日に勉強します」と、時の言葉なら何にでも「に」をつける。板書の別の列に戻り、「毎〜」と「今・きょう」には「に」がつかないと確かめる。「毎晩11時に寝ます」のように両方そろうときは、「に」は数字の時刻にだけつくと見せる
  • 「7時半起きます」と「に」を落とす。話し言葉ではそう聞こえることもあるが、この段階では枠のとおり「に」を入れて言い直させる
  • 「寝ます」と「休みます」、「起きます」と「立ちます」のように、母語では同じ一語になる動詞を取り違える。この課の動詞は絵カードと教師の動作で一つずつ入れ、意味の近いものは同じ日に並べない
  • 動詞の「ます」を名詞文の「です」と同じものと思い、「*起きますです」と言う学習者がいる。「です」は名詞のあと、「ます」は動詞の終わりと、第1課の板書と並べて見せる

既習の文型との違い

  • 〜は…時から…時までです(第3課)同じ課の学習項目1は、店や授業の時間を名詞文で言う形で、「銀行は9時から3時までです」のように「です」で終わります。学習項目2は人がその時間に何をするかを動詞で言う形で、「9時から3時まで働きます」になります。「アルバイトは6時から10時までです」と「6時から10時まで働きます」を並べ、前の文は時間の説明、後ろの文は人の動作だと見せます。
  • 〜は…です(第1課)第1課からの「です」は名詞のあとに付き、動詞は「ます」で終わります。名詞文に慣れた学習者は「起きますです」「勉強しますです」と両方を付けがちです。板書で名詞文の列と動詞文の列を分け、「です」と「ます」はどちらか一つだけと確かめます。
関連する文型

学習項目 3 〜ました

意味・はたらき学習項目 3

「起きます」を「起きました」にすると、もう終わったこと(過去)を表します。作り方は「ます」を「ました」に替えるだけで、どの動詞でも同じです。きのう・けさ・ゆうべのような過去の時の言葉といっしょに使うことが多く、聞くときは「何時に〜ましたか」です。「ます」は毎日のことやこれからのこと、「ました」は終わったこと、と時間の線の上で分けて考えさせます。文法の用語で言うと、「ます」と「ました」の違いはテンス(非過去と過去)の違いです。

接続

動詞のます形の「ます」→「ました」(起きます→起きました・勉強します→勉強しました)

形
Vます → Vましたきのう/けさ/ゆうべ -時に Vました何時に Vましたか-時から-時まで Vました

導入

  • 時間の線で「ます」と「ました」を分ける黒板に横に長い線を引き、真ん中に「きょう」、左に「きのう」、右に「あした」と書く。教師が「けさ、7時半に起きました」「ゆうべ、12時に寝ました」と言いながら左側に印をつけ、「あした、7時に起きます」は右側につける。線の左に「ました」、右に「ます」と書いておき、学生が言うたびに教師が線のどちらかを指す。
  • 学生のきのうを聞く「〜さん、きのう何時に寝ましたか」と一人ずつ聞き、答えを線の左側に書いていく。けさ・ゆうべの言葉もここで足し、「けさ何時に起きましたか」と続ける。最後に「毎晩11時に寝ます。ゆうべは1時に寝ました」と、学習項目2の文と並べて言ってみせ、同じ人でも習慣と終わったことで形が変わると見せる。

板書案

きのう ━━ きょう ━━ あした(時間の線)
Vます → Vました (「ます」に線を引いて「ました」)
起きます → 起きました  寝ます → 寝ました
けさ 7時に 起きました。
何時に Vましたか。
〔赤〕線の左に ました 〔青〕線の右に ます

場面と発話(自作)

  • 朝の授業で、眠そうな学生に先生がゆうべのことを聞く。ゆうべ何時に寝ましたか。——2時に寝ました。
  • 朝、会社で同僚に、きのうのアルバイトのことを話す。きのうは10時から6時まで働きました。
  • 遅れて教室に来た学生が、先生に理由を聞かれる前に言う。すみません。けさ8時半に起きました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、時間の線の「きのう」「あした」のどちらかを教師が指し、学生が同じ動詞を「ます」か「ました」で言い分ける。やり取りの練習では、ペアで相手のきのうの一日(起きた・勉強した・働いた・寝た)を「何時に〜ましたか」で聞き、時計の絵に書き込んでから「〜さんはきのう…時に寝ました」と報告させる。

  1. 口頭教師が時間の線の左右を指しながら、時の言葉と時刻と動詞をキューに出し、全員 → 個人で言わせる。キューは「きのう+11時+寝る」→「きのう11時に寝ました」、「あした+7時+起きる」→「あした7時に起きます」、「けさ+6時半+起きる」、「きのう+1時から6時まで+働く」のように、左と右を混ぜる。最後は時の言葉だけを替え、同じ動詞を「ます」「ました」で言い分けさせる。
  2. ペア二人で「けさ何時に起きましたか」「ゆうべ何時に寝ましたか」「きのう何時から何時まで勉強しましたか(働きましたか)」を聞き合い、答えを時間の線の左側に書き込む。聞く役と答える役を一問ずつ替え、最後に相手の答えを読み上げて合っているかを確かめる。
  3. 産出「ゆうべ何時?クラス調査」。学生が教室を歩いて3人に「ゆうべ何時に寝ましたか」「けさ何時に起きましたか」と聞き、表に書く。席に戻ってから一人ずつ「〜さんはゆうべ1時に寝ました」とクラスに報告し、いちばん早く起きた人を全員で探す。教師が見るのは、「きのう」「けさ」があるのに「ます」で言う誤り、「起きましました」のような語尾の重ね、時刻の読みの3点。

つまずきと手当て

  • 「*きのう11時に寝ます」と、過去の言葉があるのに「ます」のまま言う。母語に動詞の形の変化がない学習者に多い。時間の線の左を指して「ました」に言い直させ、「きのう」と「ました」をセットで言う回数を増やす
  • 「*起きましました」「*勉強しましたました」のように語尾を重ねる、まだ慣れない語尾を言いよどむ。作り方は「ます」の2文字を「ました」に替えるだけ、と板書で「ます」に線を引いて見せる
  • 「いいえ」で答えたい学生が困る。否定の形(ません・ませんでした)を同じ課で入れるかどうかは教科書の練習に合わせ、まだ扱わないなら「何時に〜ましたか」のように「はい」「いいえ」で答えない質問を中心にする

既習の文型との違い

  • 〜に…ます(第3課)同じ課の学習項目2の「ます」は、毎日のことやこれからすることを表しました。「ました」は終わったことを表し、「きのう・けさ・ゆうべ」のような時の言葉と使います。「毎晩11時に寝ます。ゆうべは1時に寝ました」のように並べると、同じ人の同じ動作でも、習慣と終わったことで形が変わると見せられます。「きのう11時に寝ます」が出たら、時間の線の左を指して言い直させます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は、時刻の言葉(-時・-分・半・午前・午後・今)、時の言葉(毎朝・毎晩・きのう・けさ・ゆうべ)、そして初めての動詞(起きます・寝ます・勉強します・働きます・休みます など)の三つのかたまりに分かれます。時刻は時計の絵、時の言葉は時間の線、動詞は教師の動作と絵カードで入れ、どれも単語だけで覚えさせず「6時に」「毎朝」「起きました」のように助詞や形のついたまま文の中で練習します。4時・7時・9時と-分の読みは課の最後まで毎回確かめます。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 起きます(おきます) 朝、目がさめて、ベッドやふとんから出ます。 7時半に〜・毎朝〜
    朝の教室で、先生が学生に聞く。
    毎朝何時に起きますか。——7時に起きます。
  • 寝ます(ねます) 夜、ベッドやふとんに入って眠ります。「起きます」の反対です。 11時に〜・毎晩〜
    寮で、同じ部屋の留学生と夜のことを話す。
    わたしは毎晩12時に寝ます。
  • 働きます(はたらきます) 会社や店で仕事をします。 10時から4時まで〜・毎日〜
    アルバイトを始めた留学生が、店の人に自分の時間を言う。
    あしたは5時から10時まで働きます。
  • 勉強します(べんきょうします) 学校や家で、習ったことを練習して覚えます。 毎晩〜・7時から9時まで〜
    授業のあと、友達に夜のことを聞かれる。
    毎晩8時から10時まで勉強します。
  • 休みます(やすみます) 仕事や勉強をしないで、体を楽にします。 12時から1時まで〜・少し〜
    会社で、新しく入った人に昼の時間を教える。
    12時から1時まで休みます。
  • 終わります(おわります) 授業や仕事などが、そこで最後になります。 3時に〜・授業が〜
    日本語学校に入ったばかりの留学生が、受付で授業の時間を聞く。
    授業は何時に終わりますか。——3時に終わります。
  • 毎朝(まいあさ) 毎日の朝です。後ろに「に」をつけないで言います。 〜勉強します・〜7時に
    先生に朝のことを聞かれる。
    毎朝6時から7時まで勉強します。
  • けさ(けさ) きょうの朝です。終わったことなので「ました」で言います。 〜起きました・〜7時に
    遅れて教室に来た学生が、先生に言う。
    すみません。けさ9時に起きました。
  • ゆうべ(ゆうべ) きのうの夜です。 〜寝ました・〜勉強しました
    眠そうな友達に、休み時間に聞く。
    ゆうべ何時に寝ましたか。——1時半に寝ました。
  • きのう(きのう) きょうの一つ前の日です。 〜働きました・〜寝ました
    朝、会社で同僚に話す。
    きのうは11時に寝ました。
  • 半(はん) 30分のことです。時刻のすぐ後ろにつけます。 7時〜・〜に起きます
    寮の友達に、朝の時間を聞かれる。
    あしたは7時半に起きます。
  • 午後(ごご) 昼の12時からあとの時間です。前の時間は「午前」です。 〜3時・〜2時から
    銀行の前で、友達が閉まる時間を気にしている。
    銀行は午後3時までです。

宿題と次のコマ

宿題は、自分のきのうの一日を「何時に起きました」「何時から何時まで〜ました」の形で3〜4文書くこと(時刻には読みをひらがなで添える)と、近くの店やよく行く所の時間を一つ調べて「〜は…時から…時までです」で書いてくること。次のコマの最初に、時計の絵で時刻の読みを速く復習し、宿題の店の時間をクラスで聞き合ってから、第4課の月日の言い方と「〜へ行きます」に入ります。

よくある質問

  • 第3課の時刻の読み(4時・7時・9時、ふん/ぷん)はどう教えればいいですか?

    1時から12時までは全員で読み、4時(よじ)・7時(しちじ)・9時(くじ)の三つだけを赤で板書して、毎回そこで止まって確かめます。-分は5分きざみで読み、「ふん」と「ぷん」の分かれ目を表にしておき、一度に覚えさせずに表を見ながら言わせます。黒板の端に時計の絵を課の最後まで残しておくと、どの学習項目の途中でも時刻の練習に戻れます。

  • 「毎朝に起きます」という誤りはどう直しますか?

    板書で「[時刻]に + Vます」の枠とは別に、「毎朝・毎晩・毎日・今」の列を作り、この列の言葉には「に」がつかないと見せます。誤りが出たら、その言葉がどちらの列かだけを聞いて自分で直させます。「毎晩11時に寝ます」のように両方が入る文では、「に」は数字の時刻にだけつくと確かめます。

  • 動詞が初めて出る課ですが、動詞のグループやて形もここで教えますか?

    この課では教えません。この本ではて形の作り方は第11課で扱うので、第3課は「ます」の形と、「ます」を「ました」に替える作り方だけを扱います。どの動詞も「ます→ました」で同じなので、グループの区別はまだ要りません。

  • 第3課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は時刻の読みの導入、学習項目1「〜は…時から…時までです」、学習項目2「〜に…ます」まで、2コマ目は時刻と「に」の短い復習のあと、学習項目3「〜ました」と、きのうの一日を聞き合うまとめの活動です。時刻の読みに時間がかかるクラスでは、1コマ目の導入を長めに取り、学習項目2の残りを2コマ目に回します。

  • 第3課の板書はどう組めばいいですか?

    黒板の左端に時計の絵を描いて課の最後まで残し、真ん中に学習項目の枠(「Nは[時刻]から[時刻]までです」「[時刻]に+Vます」)を書きます。学習項目2では「毎朝・毎晩」の列を枠の外に分けて書き、学習項目3では右側に「きのう・きょう・あした」の時間の線を引きます。時計と枠と線が並んでいれば、指さすだけで三つの項目の練習を行き来できます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。