第3課で時刻と「〜に…ます」「〜ました」を習ったあとを受けて、まず月と日の言い方で「いつ」に答える範囲を日付まで広げ、そのうえで移動の動詞「行きます・来ます・帰ります」を軸に、行き先(へ)・乗り物(で)・いっしょに行く人(と)を一つずつ足していく課です。新しい活用形はなく、増えるのは助詞と時の言葉なので、板書は「[いつ] [人]と [乗り物]で [場所]へ 行きます」の枠を課の途中で消さずに残し、項目が進むたびに列を足していくと、学習者の頭にも同じ枠ができます。月日の読みは不規則な所が多く、ここで声に出す回数を惜しまないことが、あとの課の予定・約束の話をすべて楽にします。課の終わりには、自分の予定を「いつ・だれと・何で・どこへ」まで一文で言えることをめざします。
目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。
| 段 | 時間 | やること |
|---|---|---|
| 導入(前の課とのつなぎ) | 10分 | 第3課の「〜は…時から…時までです」「〜に…ます」を時計の絵で2〜3問聞いて復習する。続けて黒板にカレンダーを描き、「時計の次はカレンダーです」と言って、この課は「いつ」を日付まで広げ、そのあと「どこへ行くか」を話す課だと予告する。月日の言葉と時の言葉(先週・今週・来週など)はこのカレンダーで先に入れておく |
| 学習項目1 何月何日 | 35分 | 月の読み→日の読み(1〜10日・14日・20日・24日の特別な読み)→学校の行事の日や「誕生日は何月何日ですか」を聞き合う。第3課の「から・まで」と組み合わせて休みの期間も言う |
| 学習項目2 〜へ…(移動表現) | 40分 | 教師の動作と場所の絵カードで「行きます・来ます・帰ります」の向きを見せ、「[場所]へ 行きます」の枠を板書する。カレンダーの日付を左に足して「-月-日に〜へ行きます」まで |
| 学習項目3 〜で…へ(移動表現) | 30分 | 枠の左に「[乗り物]で」の列を足し、乗り物の絵カードで代入練習。「何で」の聞き方と、乗り物を使わないときの言い方まで |
| 学習項目4 〜と…へ(移動表現) | 35分 | さらに「[人]と」の列を足し、二人の絵と一人の絵で「〜と」「一人で」を分ける。枠を全部使って教師が自分の予定を一文で言い、学生にも言わせる |
| まとめの活動 | 30分 | 「いつ・だれと・何で・どこへ」を聞き合うインタビュー表で総合練習。聞いた内容を「〜さんは-月-日に〜と〜で〜へ行きます」とクラスに報告させ、最後にクラスの誕生日カレンダーを完成させる |
月と日の言い方を覚え、日付を聞いて答えられるようにする項目です。文の形は第1課の「〜は…です」と第3課の「〜から…まで」で、新しい文型はありませんが、読みの不規則な所が集中しています。月は数字に「がつ」をつけますが、4月(しがつ)・7月(しちがつ)・9月(くがつ)だけ数字の読みが変わります。日は1日〜10日と14日・20日・24日が特別な読み(ついたち・ふつか・みっか…とおか、じゅうよっか・はつか・にじゅうよっか)で、それ以外は数字に「にち」をつけます。聞くときは「何月(なんがつ)何日(なんにち)ですか」です。使う場面は、書類の日付欄、誕生日、休みや試験の期間など、教室の外ですぐに要る所ばかりです。時刻(第3課)と同じく「数字+単位」の言い方ですが、数字の読みが単位によって変わる点が新しく、文法というより語彙と発音の項目と考えて、練習の回数で定着させます。文法用語で言えば「月・日」は数字に付く助数詞で、2日〜10日の「ふつか・みっか」などは和語の数え方(ひ・ふ・み)が残った形です。
数字+月(がつ)+数字+日(にち/特別な読み)。文は「〜は-月-日です」「〜は-月-日から-月-日までです」の名詞文
口頭の代入練習では、教師がカレンダーの日を指して学生が読む→教師が日付を言って学生が指す、の両方向を速く回し、特別な読みの日を多めに出す。場面のやり取りでは、クラス全員に「誕生日は何月何日ですか」と聞いて回り、聞いた日付を自分のカレンダーに書く活動にすると、聞く・言う・書くが一度に練習できる。
移動を表す動詞「行きます・来ます・帰ります」と、行き先を示す助詞「へ」を学びます。「へ」は書くときは「へ」、読むときは「え」です。「行きます」は今いる所から離れていく動き、「来ます」は話し手のいる所へ近づく動き、「帰ります」はうちや国など自分のもといる所へ戻る動きです。第3課の時の言い方と「〜ました」を合わせて、「-月-日に〜へ行きます」「きのう〜へ行きました」のように予定も前のことも言えます。行き先を聞くときは「どこへ行きますか」です。「行きます」と「来ます」の選び分けは話し手がどこにいるかで決まるので、母語の go/come と同じとは限りません。文法用語で言えば、「へ」は移動の向き・行き先を示す格助詞で、「行く・来る」の使い分けは話し手の位置を基準にする直示(ダイクシス)の問題です。
場所の名詞+へ+行きます/来ます/帰ります(「へ」は「え」と読む)
口頭の代入練習では、場所の絵カードを1枚ずつ見せて「〜へ行きます」、次に場所カードと「来ます/帰ります」の矢印カードを組み合わせて動詞を選ばせ、さらにカレンダーの日付や「あした」「きのう」のカードを足して「ます」と「ました」を言い分けさせる。場面のやり取りでは、ペアで「週末、どこへ行きますか」「〜へ行きます」と聞き合い、月曜日には「週末、どこへ行きましたか」で同じやり取りを過去の形でくり返す。
乗り物の名詞に「で」をつけて、何に乗って行くか(行き方)を言います。前の項目の「〜へ行きます」の前に「〜で」を足すだけで、「バスで駅へ行きます」のようになります。乗り物を聞くときは「何(なん)で行きますか」です。この「で」は手段を表すはたらきで、第5課では、この乗り物の「で」の仲間の道具の「で」(スプーンで食べます)と、動作をする場所の「で」が出てきます。歩くときは乗り物ではないので「で」を使わず、別の言い方になる点も学習者の質問によく出ます。文法用語で言えば、この「で」は手段・方法を表す格助詞で、第5課で出る場所の「で」(コンビニで買います)と同じ形なので、何に付いているか(乗り物か場所か)で見分けさせます。
乗り物の名詞+で+場所+へ+行きます/来ます/帰ります
口頭の代入練習では、乗り物カードと場所カードを重ねて見せ、「バスで駅へ行きます」のように一文で言わせる。慣れたら日付のカードを足し、「何で」の問いも混ぜる。場面のやり取りでは、「〜へ何で行きますか」のインタビュー表(行き先3つ×乗り物)をペアで埋め、聞いた内容を「〜さんは〜で〜へ行きます」とクラスに報告させる。
いっしょに行く相手を「と」で表します。「友達と京都へ行きます」のように、人の名詞に「と」をつけて「〜へ行きます」の前に置きます。相手がいないときは「一人で行きます」と言い、このときは「と」ではなく「で」になります。相手を聞くときは「だれと行きますか」です。この項目で、時・人・乗り物・場所を一文にまとめて言えるようになります。使う場面は週末や休みの予定、出張の報告などで、この項目で「いつ・だれと・何で・どこへ」の枠が全部そろいます。文法用語で言えば、この「と」は動作をいっしょにする相手を表す格助詞(共同の「と」)で、名詞を並べる並列の「と」とは働きが違います。
人の名詞+と+場所+へ+行きます/来ます/帰ります(相手がいないときは「一人で」)
口頭の代入練習では、人の絵カード(友達・家族・先生・会社の人・一人)を場所カードと組み合わせて「〜と〜へ行きます」、次に乗り物カードと日付も足して、三つの助詞を一文で言わせる。場面のやり取りでは、「いつ」「だれと」「何で」「どこへ」の四つを続けて聞くインタビューをペアで行い、聞いた内容を「〜さんは-月-日に〜と〜で〜へ行きます」と報告させる。
この課の新出語は、月日の言い方、時の言葉(先週・今週・来週、先月・今月・来月、去年・今年・来年)、場所、乗り物、人のかたまりに分かれます。月日はカレンダー、時の言葉は「先・今・来」の3列の表、場所・乗り物・人は絵カードで入れ、どれも単語だけで終わらせず、「14日に」「来週」「バスで」「友達と」のように助詞つきの形で枠の中に入れて練習します。
宿題は、自分の来週か来月の予定を「いつ・だれと・何で・どこへ」の四つを入れて3文書くこと(行った所なら「〜ました」で書いてよい)と、家族の誕生日を「〜の誕生日は-月-日です」で書くこと。次のコマの最初に、宿題の文を使って「〜さんは何月何日にどこへ行きますか」と教師が聞いて復習し、クラスの誕生日カレンダーで「〜さんの誕生日は何月何日ですか」と一言やり取りしてから、第5課の「〜を…ます」に入ります。
第4課の月日の読みはどう教えればいいですか?
月は数字に「がつ」を付けるだけですが、4月・7月・9月だけ赤で書いて読みを添えます。日は1〜10日・14日・20日・24日の特別な読みをカレンダーの赤丸で見せ、規則で覚えさせるより、指さして読む練習の回数で定着させます。時刻の4時・7時・9時と並べた表を一枚作っておくと、時刻と日付の読みの混同が減ります。
「〜へ行きます」と「〜に行きます」はどちらで教えればいいですか?
この課の学習項目は「へ」なので、練習は「へ」にそろえます。学生が「学校に行きます」と言っても誤りではないので直さず、「この課は へ で練習しましょう」とだけ伝えます。目的を表す「〜に行きます」(食べに行きます)は第9課で出るので、ここで「に」の説明を広げないほうが、時の「に」(第3課)との混乱も起きません。
「行きます」と「来ます」の違いはどう見せますか?
教師が教室の中で実際に動き、ドアへ向かいながら「行きます」、席へ戻りながら「来ます」と言うのがいちばん早い方法です。黒板には教室とうちの絵を描き、矢印で「来ます」「帰ります」を分けます。go/come と同じだと思っている学習者には、話し手のいる所へ向かうときが「来ます」だと、矢印の向きで何度も確かめます。
「で」と「と」の取り違えはどう防ぎますか?
板書の枠に「人」「乗り物」「場所」の列の見出しを書き、列ごとに助詞を一つに決めて見せます。練習では人カードと乗り物カードを混ぜて出し、学習者に列を選ばせてから言わせます。「一人で」だけは人の列なのに「で」になるので、赤で書いて別に覚えさせます。
第4課は何コマで終わりますか?
90分×2コマが目安です。1コマ目で導入と月日の言い方、「〜へ」まで、2コマ目で「〜で」「〜と」と、四つの要素を全部入れるまとめの活動を行います。月日の読みが定着していないクラスでは、2コマ目の最初に5分の日付読みを入れてから進めます。
この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。