日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第11課「朝ご飯を食べて、歯をみがいて、学校へ行きます」の教案

『学ぼう!にほんご 初級Ⅰ』

動詞のて形の作り方を整理し、一日の動作を順につなぐ「〜て、…て、―ます」、人に頼む「〜てください」、順番をはっきりさせる「〜てから」へと広げる課です。形容詞をつなぐ「〜くて/〜で」と、二つの動作を同時にする「〜ながら」も入るので、似た「つなぐ形」が三通り(動詞のて形・形容詞のくて/で・ます形から作るながら)出てきて混ざりやすいのが山場です。板書では、課の最初に動詞のて形の作り方の表を作って最後まで消さずに残し、形容詞の列をその横に足し、「ながら」だけは表の外に置くと取り違えが減ります。課の終わりには、自分の朝や週末を順番どおりに話せ、教室や窓口で「〜てください」と頼めるようになります。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目6時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 動詞をグループごとにて形にでき、「行きます→行って」のような例外も言える
  • 朝の流れや週末にしたことを、起こった順に「〜て、…て、―ます/ました」でつないで話せる
  • 教室・店・窓口で「〜てください」と頼みごとができ、「〜てから」で順番をはっきり伝えられる
  • 形容詞を「くて/で」でつないで人や町の様子を言い、「〜ながら」で同時にすることを言える

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)10分第10課の「〜ています」を絵カードで2〜3問(「今、何をしていますか」)。「食べて|います」と板書で区切り、この「て」の形を作り方から学ぶ課だと予告する。日課の動詞(起きます・顔を洗います・歯をみがきます・シャワーを浴びます・うちを出ます)はここで絵カードで先に入れておく
て形の作り方35分既習の動詞カードをⅠ・Ⅱ・Ⅲの3列に分け、グループⅠの4つの型を唱えてから口頭変換。この作り方の表は課の最後まで残す
学習項目1 〜て、…て、―ます25分教師の朝の流れを絵カードで並べ、2枚→3枚とつなぐ。「きのう」のカードで最後だけ「ました」にし、順番を入れ替えて意味が変わることを見せる
学習項目2 〜てください20分教師の指示に学生が体で答える練習から入り、学生が指示を出す番へ。タクシー・店・窓口の場面で頼む。1コマ目はここまで(導入・て形の作り方・学習項目1・2)
学習項目3 〜は…て、―です20分て形の表の横にイ形容詞(くて)・ナ形容詞(で)の列を足す。同じ向きの評価は「て」、反対の向きは第6課の「が」
学習項目4 〜てから、…20分手を洗う→食べるの動作と矢印の板書で「先にすませてから」。理由の「から」と並べて、前の形で見分ける
学習項目5 〜ながら、…20分教師が二つの動作を同時にして導入。ます形から作ることを表の外に書いて区別し、後ろが主な動作だと確かめる
まとめの活動30分「わたしの朝」「わたしの日曜日」を「〜て」「〜てから」「〜ながら」を入れて3〜4文で話し、聞いた人がその話について「〜てください」で一つ頼みごとをする(「写真を見せてください」など)

学習項目 1 て形の作り方

意味・はたらき活用

「て形」は、動詞の「ます」の前の形(ます形)から作る活用形です。第10課の「〜ています」で、この形にはもう触れていますが、この課でグループごとの作り方を整理し、「〜て、…て、―ます」「〜てください」「〜てから」の三つの文型に乗せます。グループⅡ・Ⅲは「ます」を「て」に替えるだけで、グループⅠはます形の最後の音(い・ち・り/み・び・に/き・ぎ/し)で4つの型に分かれます。動詞のグループ分けがまだ入っていないクラスでは、ここで先に入れます。第13課の「〜てもいいです」や第14課の「〜てあげました」もこの形に乗るので、口から自然に出るまで練習しておきます。

接続

ます形の最後の音で決まる。Ⅱ・Ⅲは「ます→て」、Ⅰは最後の音によって「って/んで/いて・いで/して」

形
グループⅠ い・ち・り → って(会います→会って/持ちます→持って/帰ります→帰って)グループⅠ み・び・に → んで(飲みます→飲んで/遊びます→遊んで/死にます→死んで)グループⅠ き → いて/ぎ → いで(聞きます→聞いて/急ぎます→急いで)。例外: 行きます→行ってグループⅠ し → して(話します→話して/出します→出して)グループⅡ ます → て(食べます→食べて/起きます→起きて/寝ます→寝て)グループⅢ します→して/来ます→来て(掃除します→掃除して)

導入

  • 「〜ています」から「て」を切り出す第10課の「食べています」「読んでいます」を絵カードで言わせ、板書で「食べて|います」「読んで|います」と線を引いて区切る。「食べます→食べて」はそのままなのに「読みます→読んで」は音が変わることに気づかせ、変わり方には決まりがあると予告してから、動詞カードをⅠ・Ⅱ・Ⅲの3列に分けて貼る。い段なのにⅡに入る動詞(起きます・見ます・います・借ります)は別の色で囲む。
  • グループⅠは音でまとめて唱える板書の横に「い・ち・り → って」「み・び・に → んで」「き → いて/ぎ → いで」「し → して」と書き、手拍子をつけて全員で唱える。表がます形・裏がて形のカードを使い、教師が表を見せて学生が言い、裏を返して確かめる。「行きます→行って」は最後に別枠に書き、「書きます→書いて」と並べて違いを目立たせる。

板書案

て形 = ます形 から つくる
Ⅰ い・ち・り → って  み・び・に → んで  き → いて/ぎ → いで  し → して
Ⅱ ます → て   Ⅲ します → して/来ます → 来て
会います → 会って  飲みます → 飲んで  聞きます → 聞いて  話します → 話して
〔赤〕行きます → 行って(この1語だけ)  〔青〕ます形の最後の音に丸
(この表は課の終わりまで消さずに残す)

場面と発話(自作)

  • て形の練習。教師がグループⅠのカードを型ごとにまとめて見せ、学生が口をそろえて答える。「飲みます、飲んで。遊びます、遊んで。読みます、読んで。」
  • ペアで、ひとりがます形を言い、相手がて形で返す。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが混ざったカードで確かめる。「起きます。」「起きて。」「帰ります。」「帰って。」「来ます。」「来て。」
  • 書き取りの答え合わせで、教師が「行きます」のて形をクラスに聞き、規則どおりに作った学生の答えを直す。「行きます、行って。『行いて』ではありません。」

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

ます形→て形の口頭変換をカードで、グループⅠの型ごと → Ⅰの4型を混ぜて → Ⅱ・Ⅲも混ぜて既習の動詞全部、の順に進め、1周ごとに速くする。文型に乗せる前に、教師が10語言って学生がて形を書く1分間の小テストをし、落ちた語はその場で作り方の表に戻って直す。

  1. 口頭表がます形・裏がて形のカードを見せ、全員で言わせる。キューの例は「待ちます→待って」「遊びます→遊んで」「急ぎます→急いで」「起きます→起きて」「来ます→来て」。Ⅰグループの型ごとに全体で → 4つの型を混ぜて個人を指名 → Ⅱ・Ⅲも混ぜて既習の動詞全部、と進める。慣れたら教師がて形を言い、学生がます形に戻す逆向きも入れて、型を両方向から確かめる。
  2. ペアカードの束を2人で半分ずつ持つ。ひとりがます形を読み上げ、相手はて形で返し、続けてグループ(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)も言う。10枚で役を交替する。答えられなかったカードは別の山に分けておき、最後に2人でその山だけをもう一周する。教師は机の間を回り、「帰ります」「入ります」「起きます」「借ります」のようなまぎらわしい動詞で止まっているペアに、表のどの列かを指さして返す。
  3. 産出「わたしの動詞カード」。学生がふだんの生活でよく使う動詞を、第10課までに習った中から5つ選び、表にます形、裏にて形とグループを書いたカードを自分で作る。隣の人と交換して読み合い、相手のカードの誤りを見つけたら知らせる。教師が見るのは、小さい「っ」・「ん」・濁点の落ち、ⅠとⅡの取り違え、「行って」が規則どおりの形になっていないか。集めたカードはクラスの練習用の束に足す。

つまずきと手当て

  • ⅠとⅡの取り違え。「帰ります」「入ります」をⅡと思って「*帰て」「*入て」と作り、逆にⅡの「起きます」「借ります」を「*起きって」「*借りって」と作る。見た目で判断させず、まぎらわしい動詞を早めにカードに入れて、音で覚えさせる
  • 「行きます」を規則どおり「*行いて」にする。例外はこの1語だけなので最初から別枠で見せ、同じ「き」の「聞きます→聞いて」と並べて違いを目立たせる
  • 小さい「っ」と「ん」、濁点の落とし。「*まて(待って)」「*よで(読んで)」「*いそいて(急いで)」と書く。書き取りでは「っ・ん・゛」に赤で丸をつけ、発音でも「まって」と「まて」を聞き比べさせる

既習の文型との違い

  • 〜たいです(第9課)第9課の「〜たいです」は、ます形にそのまま「たい」を付けるので、動詞のグループは関係ありませんでした。て形も同じくます形から作りますが、Ⅰグループだけ最後の音が変わるので、ここで初めてグループの区別が必要になります。「飲みたい」「書きたい」の感覚のまま「*飲みて」「*書きて」と作る誤りが出たら、ます形にそのまま付く形(たい・やすい・に行きます)と音が変わるて形を、表の上で分けて見せます。
  • 〜ています(1)(第10課)第10課では「食べています」「読んでいます」を一かたまりで覚えている学生が多く、て形の作り方はまだ知りません。そのため、覚えていない動詞で「*書きています」「*待ちています」のように作ることがあります。第10課の文を板書で「食べて|います」と区切り、ここで作り方の表につなぐと、前の課の誤りもいっしょに直せます。
関連する文型

学習項目 2 〜て、…て、―ます

意味・はたらき学習項目 1

動作を起こる順に二つ、三つとつなげて一文で言う形です。前の動詞をて形にして、最後の動詞だけを「ます/ました」にします。いつのことか(これからか、過去か)と丁寧さは最後の動詞が決めるので、きのうのことなら最後だけ「〜ました」にします。並べた順番がそのまま動作の順番なので、順番を入れ替えると話の中身が変わります。

接続

V1て形、V2て形、V3ます/ました(時と丁寧さは最後の動詞で表す)

形
V1て、V2ますV1て、V2て、V3ますV1て、V2て、V3ました(過去のことは最後だけ「ました」)毎朝、何をしますか/きのう、何をしましたか

導入

  • 教師の朝を絵カードで並べる「起きます・シャワーを浴びます・朝ご飯を食べます・うちを出ます」の絵カードを左から順に黒板に貼り、一枚ずつ「7時に起きます」「シャワーを浴びます」と言ったあと、カードの間に「て」の札を差し込んで「7時に起きて、シャワーを浴びて、朝ご飯を食べます」とつなげて言う。板書は「[〜て]、[〜て]、[〜ます]」の枠にし、最後の枠だけ色を変える。
  • 「きのう」で最後だけ変える枠の前に「きのう」のカードを置き、教師が最後の動詞だけ「食べました」に言い替えて、前の「て」は変わらないことを見せる。次にカードの順を入れ替えて「朝ご飯を食べて、シャワーを浴びます」と言い、学生に「先生は先に何をしますか」と聞いて、順番が意味を持つことを確かめる。

板書案

V1て、V2て、V3ます/ました
7時に 起きて、シャワーを 浴びて、うちを 出ます。
きのうは 友達と 映画を 見て、晩ご飯を 食べて、〔赤〕帰りました。
〔青〕①→②→③ の矢印(並べた順=動作の順)
〔赤〕時(ます/ました)は最後の動詞だけ

場面と発話(自作)

  • 月曜日の朝、先生に土曜日のことを聞かれた留学生が答える。土曜日は、友達と新宿へ行って、映画を見て、晩ご飯を食べました。
  • 会社で、新しく入った人に、先輩が朝の仕事の順番を説明する。毎朝、8時半に会社へ来て、メールを読んで、9時から仕事を始めます。
  • ホームステイの家で、家族にあしたの予定を聞かれる。あしたは、8時にうちを出て、学校で勉強して、6時に帰ります。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、教師が日課の絵カードを2枚、3枚と並べて見せ、学生が順に「〜て、〜ます」でつなぐ。慣れたら「きのう」のカードを前に置いて最後を「ました」にし、カードの順を学生に決めさせる。場面のやり取りでは、ペアで「日曜日、何をしましたか」と聞き合い、聞いた答えを三つの動作で「〜さんは〜て、〜て、〜ました」とクラスに報告させる。

  1. 口頭日課の絵カードを2枚、3枚と並べて見せ、全員で一文につながせる。キューの例は「起きます・顔を洗います」→「起きて、顔を洗います」、「歯をみがきます・うちを出ます」→「歯をみがいて、うちを出ます」、「学校へ行きます・日本語を勉強します・うちへ帰ります」→3つをつなぐ。「きのう」のカードを前に置いたら最後だけ「ました」にする。慣れたら学生にカードの順を入れ替えさせ、入れ替えた順で言わせる。
  2. ペア情報差の練習。Aは「田中さんの土曜日」、Bは「山田さんの土曜日」の絵カード4枚を、相手に見せずに持つ。Aが「山田さんは土曜日、何をしましたか」と聞き、Bは自分のカードの順に「〜て、〜て、〜ました」で答える。Aは聞いた順に番号を紙に書き、最後にカードを見せ合って順番が合っているか確かめる。役を替えて同じことをする。
  3. 産出「わたしの一日 時間割スピーチ」。自分の平日か日曜日を、時刻を入れて3つ以上の動作でつないで話す(「7時に起きて、…」)。聞いた人は一つ質問をする(「何時に帰りますか」)。教師が見るのは、前の動詞に「ます」「ました」が残っていないか、最後の動詞の時がその日に合っているか、て形の誤り。話の途中では止めず、終わってから誤りのあった動詞だけ言い直させる。

つまずきと手当て

  • 前の動詞にも「ます」を残して「*起きますて、朝ご飯を食べます」と言う。て形はます形の「ます」を取って作ることを、カードの表と裏で確かめる
  • きのうのことなので前の動詞も過去にしようとして「*起きましたて、…」と言う。時は最後の「ました」だけで表すと、板書の最後の枠の色を指さして戻す
  • 速く言おうとして、て形の誤り(「*行いて」「*読みて」)がこの文型で一気に出る。文型の練習中は止めずに最後に言い直させ、誤りの多い動詞はて形の作り方の表に戻る

既習の文型との違い

  • 〜です。そして、…です(第6課)第6課の「そして」は、文を二つに分けて足していく言い方で、順番の意味は強くありません。この課の「〜て」は二つ三つの動作を一文にまとめ、並べた順がそのまま動作の順になります。二つの言い方が混ざって「*起きますて、朝ご飯を食べます」と前の動詞に「ます」を残す誤りが出たら、「。」で切るなら「ます」、「て」でつなぐなら「ます」を取る、と板書で分けて見せます。
  • 〜てから、…(この課の学習項目4)どちらも順番を言えますが、「〜て」は動作を3つ、4つと続けて並べるのに向き、「〜てから」は「Aが終わったあとでB」と、一つの区切りをはっきりさせる言い方です。一日の流れを話すときは「〜て」、先にすませてほしいことを頼むときは「〜てから」と、場面で分けて練習させると迷いが減ります。
関連する文型

学習項目 3 〜てください

意味・はたらき学習項目 2

相手に何かをするよう頼んだり、してほしいことを伝えたりする形です。動詞のて形に「ください」をつけます。教室で先生が出す指示(「読んでください」「書いてください」)、店・駅・窓口で人に頼むこと、タクシーで行き先を言うことなど、生活の中ですぐに使えます。丁寧な言い方ですが、相手に行動を求める言い方なので、目上の人に頼むときは「すみませんが、」を前に添えると柔らかくなります。

接続

Vて形+ください

形
Vてください(書いてください・待ってください)すみませんが、Vてくださいもう一度言ってください/ゆっくり話してください〈場所〉まで行ってください

導入

  • 教師の指示に体で答える教師が「立ってください」「座ってください」「窓を開けてください」「ドアを閉めてください」と言いながら動作で示し、学生にその動作をさせる。何回かくり返したら教師は動作をやめて言葉だけにし、学生が聞いて動けるかを確かめる。そのあと板書で「[Vて]ください」の枠を見せ、学生が教師や友達に指示を出す番に替える。
  • 教室の外の場面へタクシー・店・役所の窓口の絵を黒板に貼り、教師が運転手役や店員役になって「どちらまでですか」「ご住所は?」と問いかける。学生は「〜まで行ってください」「ちょっと待ってください」「もう一度言ってください」で答える。教室で聞いていた指示の形が、自分から人に頼む形にもなることに気づかせる。

板書案

Vて + ください
立ちます → 立って → 立ってください。
すみませんが、もう一度 言ってください。
東京駅まで 行ってください。
〔赤〕て形  〔青〕「すみませんが、」は前に(人に頼むとき)

場面と発話(自作)

  • 日本語の授業で、先生の話が速くて聞き取れなかった留学生が頼む。すみませんが、もう一度言ってください。
  • 駅の前でタクシーに乗った人が、運転手に行き先を伝える。東京駅まで行ってください。
  • 市役所の窓口で、職員が書類を出しに来た外国人に書き方を伝える。ここに名前と住所を書いてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、動詞カードを見せて学生が「〜てください」と言い、言われた学生がその動作をする(言う人と動く人を順に替える)。場面のやり取りでは、タクシー・店・教室の場面カードを引かせ、その場で一つ頼みごとをし、相手役が「はい、わかりました」と応じるまでをペアで行う。

  1. 口頭教師の指示に体で答える練習から入り、次に学生が言う番にする。動作の絵カード(立つ・座る・窓を開ける・ドアを閉める・名前を書く・ノートを見せる)を見せ、キューは「窓・開けます」→「窓を開けてください」、「名前・書きます」→「名前を書いてください」、「ノート・見せます」→「ノートを見せてください」。キューを語だけ → 絵だけと減らし、言った学生の指示で別の学生が動く。
  2. ペア「頼む人」と「受ける人(運転手・店の人・窓口の人・先生)」。場面カード(タクシー・店・市役所の窓口・教室)を引き、頼む人はその場面で一つ頼み、受ける人は「はい、わかりました」で応じる。受ける人の側に「聞き返す」と書いたカードを混ぜておき、引いたら頼む人に「すみませんが、もう一度言ってください」と言わせる。3往復で役を替える。
  3. 産出「窓口ロールプレイ」。教室の机を市役所の窓口・駅の窓口・タクシーに見立て、学生は自分が本当に困りそうなこと(書き方がわからない・話が速い・行き先を伝える)を一つ決めて頼む。窓口役は教師か、早く終わった学生。教師が見るのは、て形が正しいか、目上の人に「すみませんが、」を付けているか、文の終わりを強く言って指示のように聞こえていないか。

つまずきと手当て

  • ます形のままや、て形の作り方を誤って「*書きてください」「*見ますください」と言う。「ください」の前は必ずて形、とて形の作り方の表を指さして戻る
  • 友達を食事に誘うのに「いっしょに食べてください」と言う。文法の誤りではないが、誘いではなく頼み・指示に聞こえる。誘うときは第5課の「〜ませんか」と並べて板書し、使い分けを見せる
  • 目上の人に頼むときに「〜てください」だけを強い調子で言う。誤りではないが、指示のように響くことがある。「すみませんが、」を前に添え、文の終わりを下げて柔らかく言う練習をする

既習の文型との違い

  • いっしょに〜ませんか/〜ましょう(第5課)第5課の「いっしょに〜ませんか」は相手を誘う言い方で、する人は話し手と相手の両方です。「〜てください」はする人が相手だけで、話し手はしません。友達を誘うつもりで「いっしょに映画を見てください」と言う学生がいるので、「だれが見ますか」と聞いてする人を確かめさせ、二つの形を板書で並べます。
  • 〜たいです(第9課)「〜たいです」は自分がしたいことを言う形で、「〜てください」は相手にしてほしいことを言う形です。話の速い先生に「ゆっくり話したいです」と言うと、自分の希望を言ったことになり、頼みになりません。「わたしが〜たい」「あなたが〜てください」と、する人を矢印で示して区別させます。
関連する文型

学習項目 4 〜は…て、―です

意味・はたらき学習項目 3

人や物、町などの様子を、形容詞を二つつなげて一文で言う形です。前の形容詞を「て」の形にします。イ形容詞は最後の「い」を「くて」に、ナ形容詞は「で」にしてつなぎ、「いい」だけは「よくて」になります。つなぐ二つは、どちらもよいこと、どちらもよくないことのように同じ向きの評価にするのが自然で、よいこととよくないことを言うときは第6課の「〜ですが、…です」を使います。名詞も「で」でつなげます(「田中さんは先生で、…」)。

接続

イ形容詞(〜い→〜くて)/ナ形容詞・名詞(〜で)+形容詞+です(いい→よくて)

形
イ形容詞: 広い→広くて/安い→安くて/いい→よくてナ形容詞: 静か→静かで/にぎやか→にぎやかでNは A1くて/A1で、A2ですNは A1くて/A1で、A2(な)Nです

導入

  • て形の表に形容詞の列を足す課の最初に作ったて形の作り方の表の横に、「イ形容詞 〜い→〜くて」「ナ形容詞 〜→〜で」の2列を足す。教師が自分の町の写真(または絵)を見せて「わたしの町は静かです。きれいです」と二文で言ったあと、「静かで、きれいです」と一文にまとめて言い、ナ形容詞の列に書く。同じように教室の絵で「この教室は広くて、明るいです」とイ形容詞の列に書く。
  • 同じ向きか、反対の向きか形容詞のカードに○(よいこと)と×(よくないこと)の印をつけて2枚ずつ見せる。○○や××の組では「〜くて/〜で、〜です」、○×の組では第6課の「〜ですが、…です」と、学生に選ばせる。「安くて、おいしい」と「安いですが、おいしくないです」を並べて板書し、つなぎ方で話し手の気持ちが変わることを見せる。

板書案

イA 〜い → 〜くて (いい → 〔赤〕よくて)
ナA・N 〜 → 〜で
この 部屋は 広くて、明るいです。
わたしの 町は 静かで、きれいです。
〔赤〕○+○/×+× → くて・で  〔青〕○+× → 〜ですが、…です(第6課)

場面と発話(自作)

  • 新しいアパートに引っ越した留学生が、クラスメートに部屋のことを話す。わたしの部屋は広くて、明るいです。
  • 会社の昼休みに、同僚が近くの店を勧める。あの店は安くて、おいしいですよ。
  • 先生に、自分の国の町について聞かれた留学生が答える。バンコクはにぎやかで、おもしろい町です。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、形容詞カードを2枚ずつ組にして見せ、「〜は〜くて/〜で、〜です」と言わせる。イとナを混ぜ、ときどき「いい」と「きれい」を入れて形を判断させる。場面のやり取りでは、自分の国の町・家族の一人・好きな店を、二つの形容詞を使って紹介し合い、聞いた人が「そうですか。いいですね」などと応じる。

  1. 口頭形容詞カードを2枚組にして見せ、一文につながせる。キューの例は「広い・明るい」→「広くて、明るいです」、「静か・きれい」→「静かで、きれいです」、「安い・いい」→「安くて、いいです」、「きれい・広い」→「きれいで、広いです」。イとナを混ぜ、「きれい」「有名」と「いい」をときどき前に置いて形を判断させる。最後に名詞を後ろに置いた形(「にぎやかで、おもしろい町です」)も言わせる。
  2. ペア「当てっこクイズ」。Aは写真カード(町・店・部屋・人)を1枚引き、相手に見せずに形容詞を二つ使って説明する(「この町はにぎやかで、大きいです」)。Bは机に並べた3枚の中からどれかを当てる。当たったら役を替える。説明に○と×が混ざったときは、Bが「〜ですが、…ですね」と言い直して確かめる。
  3. 産出「わたしの町じまん」。自分の国の町か、今住んでいる町を1分で紹介する。「〜は…くて/で、―です」を2文以上、よくないことを1つ「〜ですが、…です」で入れる。聞いた人は「そうですか。いいですね」などと応じ、一つ質問をする。教師が見るのは、イ・ナの付け方、「いい→よくて」、○×の向きと「て」「が」の選び方。

つまずきと手当て

  • イ形容詞に「で」、ナ形容詞に「くて」をつけて「*高いで」「*静かくて」と言う。特に「きれい」は「い」で終わるのでイ形容詞と思い「*きれくて」「*きれいくて」と言いやすい。「きれい・ゆうめい」はナの列、と表に書き分けておく
  • 「いい」を規則どおり「*いくて」にする。「いい」の形を変えるときは「よ」に替わると、例外として赤で板書する
  • 「この店は安くて、まずいです」のように、よいこととよくないことを「て」でつなぐ。文法の誤りではないが不自然に聞こえることが多い。○×の印に戻り、第6課の「〜ですが、…です」で言い直させる

既習の文型との違い

  • 〜です。そして、…です(第6課)第6課の「静かです。そして、きれいです」は二文に分けて足す言い方で、この課の「静かで、きれいです」は一文にまとめる言い方です。意味はほとんど同じなので、言い換えの練習にそのまま使えます。二つが混ざって「*静かですで、きれいです」のように「です」を前に残す誤りが出たら、前の形容詞の「です」を取ってから「で」を付ける、と板書で示します。
  • 〜ですが、…です(第6課)「〜くて/で」はよいこととよいこと、よくないこととよくないことのように同じ向きの評価をつなぎ、「〜ですが」は反対の向きの評価をつなぎます。「この店は安くて、まずいです」は文法の誤りではありませんが、聞いた人には落ち着かない言い方に聞こえます。○×の印で向きを確かめ、反対なら第6課の形に戻させます。
関連する文型

学習項目 5 〜てから、…

意味・はたらき学習項目 4

「AてからB」で、Aが終わったあとでBをする、という順番をはっきり言う形です。学習項目1の「〜て、…て」も順番を表しますが、「〜てから」は「先にAをすませて、それからB」と、前の動作が終わることに重みがあります。人に順番を守ってほしいときの「〜てから、〜てください」や、ふだん決まっている順番を言うときによく使います。いつのことかと丁寧さは、学習項目1と同じく後ろの動詞で表します。

接続

Vて形+から、…(時と丁寧さは後ろの動詞で表す)

形
V1てから、V2ます/ましたV1てから、V2てください〜てから、何をしますか

導入

  • 「先にすませる」を動作で見せる教師が手を洗うまねをしてから、お弁当を食べるまねをし、「手を洗ってから、食べます」と言う。黒板に左から右への矢印を引き、左に「手を洗います」、矢印の途中に縦線(終わり)、右に「食べます」と書いて、前の動作が終わってから次へ進むことを見せる。そのあと「うちへ帰ってから、何をしますか」と学生一人ひとりに聞く。
  • 理由の「から」と並べる第7課の「〜が好きですから、…」を板書の右に書き、「好きですから」(理由)と「洗ってから」(順番)を並べる。「から」の前がて形なら順番、「です・ます」なら理由、と前の形で見分けることを短く言い、カードで「食べてから」「食べますから」を見せて学生に意味を答えさせる。

板書案

V1てから、V2ます/V2てください
手を 洗ってから、食べます。
①手を洗います ─|→ ②食べます (〔赤〕縦線=前の動作が終わる)
名前を 書いてから、出してください。
〔青〕洗ってから(順番) ⇔ 好きですから(理由・第7課)

場面と発話(自作)

  • 学生寮の食堂で、寮の人が新しく来た留学生に食事のときの決まりを伝える。手を洗ってから、食べてください。
  • 会社で、上司が新しく入った人に仕事の順番を伝える。メールを読んでから、会議の資料を作ってください。
  • 放課後、友達にアルバイトのある日の予定を聞かれる。授業が終わってから、アルバイトに行きます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、先にする方に①、あとにする方に②の印をつけた絵カードを2枚見せ、「①てから、②ます」と言わせる。次に同じカードで「①てから、②てください」と頼みの文に替えさせる。場面のやり取りでは、「うちへ帰ってから、何をしますか」「日曜日、起きてから、何をしますか」とペアで聞き合い、答えを一つずつ報告させる。

  1. 口頭先にする方に①、あとにする方に②の印をつけた絵カードを2枚見せ、「①てから、②ます」と言わせる。キューの例は「①手を洗います②食べます」、「①シャワーを浴びます②寝ます」、「①宿題をします②テレビを見ます」、「①名前を書きます②出します」。同じカードで「〜てから、〜てください」の頼みにも替えさせ、最後に「食べてから」「食べますから」のカードを出して、順番か理由かを答えさせる。
  2. ペア「寮の決まり」の情報差。Aは寮の人で、「①②」の決まりが書かれたカードを持つ。Bは新しく来た人で、「お風呂に入ります」「晩ご飯を食べます」「寝ます」のようにこれからしたいことを言う。Aはカードを見て「シャワーを浴びてから、入ってください」のように先にすることを伝え、Bは「はい、わかりました」で応じる。カードを3枚使ったら役を替える。
  3. 産出「わたしの家の決まり」。自分の国の家・寮・会社で「先にすること」の決まりを2つ考え、「〜てから、〜ます/〜てください」でクラスに紹介する。聞いた人は「わたしの国も同じです」か「わたしの国は違います」で応じる。教師が見るのは、て形の誤り、「から」の前がます形になって理由の文に変わっていないか、後ろの動詞の時と頼みの形。

つまずきと手当て

  • て形の誤り(「*洗いてから」「*読みてから」)。ここでも、作り方の表に戻ってて形を言い直してから「から」をつける
  • 「食べますから、歯をみがきます」のように、ます形に「から」をつけて言う。文法の誤りではないが、第7課の理由の「から」になって意味が変わる。板書の「前の形で見分ける」に戻る
  • 学習項目1の「〜て、…」とどちらを使うか迷って言えなくなる。どちらでも言える場面が多いので、順番をはっきり伝えたい・先にすませてほしいときは「〜てから」と、頼みの場面を中心に練習する

既習の文型との違い

  • 〜て、…て、―ます(この課の学習項目1)「〜て」も「〜てから」も順番を言えますが、「〜てから」は前の動作が終わることに重みがあり、「先にAをすませる」と言いたいときに使います。「〜て」は3つ、4つと続けられますが、「〜てから」を一文に何度も入れると聞きにくくなります。「起きてから、顔を洗ってから、朝ご飯を食べてから、…」と続けすぎる学生には、区切りを一つにして残りは「〜て」でつなぐよう示します。
  • 〜が好きです/〜が好きですから、…(第7課)第7課の「から」は前に「です・ます」が来て理由を表し、この課の「から」は前にて形が来て順番を表します。学生が「食べますから、歯をみがきます」と言うと、文としては成り立ちますが「食べるので歯をみがく」という理由の意味になります。「から」の前の形で見分ける、と板書で二つを並べておきます。
関連する文型

学習項目 6 〜ながら、…

意味・はたらき学習項目 5

一人の人が二つの動作を同じ時にするときに使う形です。動詞のます形から「ます」を取って「ながら」をつけ、そのあとに主な動作を言います。主な動作は後ろのほうで、「ながら」の前の動作はそれに添えるものです。この課のほかの項目と違い、て形ではなくます形から作ります。二つの動作は同じ人がするもので、別々の人の動作には使いません。

接続

Vます形(「ます」を取った形)+ながら、V2ます(主な動作は後ろ)

形
聞きます→聞きながら/食べます→食べながら/します→しながらV1ながら、V2ますV1ながら、V2ませんか

導入

  • 教師が二つのことを同時にする教師が水を飲みながら本を読むまね、歩きながら電話で話すまねをし、「水を飲みながら、本を読みます」「歩きながら、話します」と言う。板書は、て形の作り方の表の外に「Vます→Vながら」と別に書き、「ながら」の前は「て」ではなく「ます」を取った形だと色を変えて見せる。
  • 主な動作を入れ替える音楽の絵と勉強の絵を並べ、「音楽を聞きながら、勉強します」と「勉強しながら、音楽を聞きます」を言い比べる。学生に「この人は、何がいちばん大事ですか」と聞き、後ろの動作が主な動作だと気づかせる。そのあと「〜さんは、何をしながら勉強しますか」と一人ずつ聞く。

板書案

Vます → Vながら (〔赤〕て形の表の外に書く)
聞きます → 聞きながら  食べます → 食べながら  します → しながら
音楽を 聞きながら、勉強します。
〔青〕主な動作は後ろ  〔赤〕一人の人が二つのことを同時に

場面と発話(自作)

  • 友達に、いつ日本語の勉強をするかを聞かれた留学生が答える。電車の中で、音楽を聞きながら、単語を覚えます。
  • 会社で、相談したいことがある同僚を昼休みに誘う。お昼ご飯を食べながら、話しませんか。
  • ホームステイの家族に、晩ご飯のあとの過ごし方を聞かれる。いつも、お茶を飲みながら、テレビを見ます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、教師が二つの動作を同時にジェスチャーで見せ、学生が「〜ながら、〜ます」と言う。て形のカードを混ぜて出し、学生が「て」と「ながら」を作り分けられるかを確かめる。場面のやり取りでは、「何をしながら、〜しますか」とペアで聞き合い、クラスで「ながら」の習慣の多い人を探す。

  1. 口頭教師が二つの動作を同時にジェスチャーで見せ、全員で言わせる。キューの例は「お茶を飲みます+本を読みます」→「お茶を飲みながら、本を読みます」、「歩きます+話します」→「歩きながら、話します」、「音楽を聞きます+料理を作ります」→「音楽を聞きながら、料理を作ります」。次に動詞カードを1枚ずつ出し、教師が「て」「ながら」のどちらかを言って、学生が形を作り分ける。
  2. ペア「ジェスチャー当て」。Aは動作カードを2枚引き、二つの動作を同時にやって見せる。Bはそれを見て「〜ながら、〜ています」と言い当てる(第10課の「〜ています(1)」と組み合わせる)。主な動作をどちらにするかはAがカードの上下で決めておき、Bの答えと合っているかを確かめる。3回で役を替える。
  3. 産出「ながら習慣アンケート」。「何をしながら、勉強しますか」「何をしながら、ご飯を食べますか」「電車の中で、何をしますか」の3つの質問を、クラスの3人に聞いて表に書く。最後に、いちばん多かった「ながら」をクラスに報告する。教師が見るのは、ます形から作れているか、主な動作が後ろにあるか、二人の動作を「ながら」でつないでいないか。

つまずきと手当て

  • て形を習った直後なので、て形に「ながら」をつけて「*聞いてながら」「*食べてながら」と言う。板書の表の外にある「Vます→Vながら」を指さして、ます形から作ると戻す
  • 別々の人の動作をつないで「*わたしは料理を作りながら、母はテレビを見ます」と言う。「ながら」は一人の人の二つの動作だけ、と教師のジェスチャーに戻って確かめる
  • 主な動作を前に置いて「勉強しながら、音楽を聞きます」と言い、言いたいことと逆になる。文法の誤りではないが、何がいちばん大事かが入れ替わるので、「後ろが主な動作」と導入の絵に戻って言い直させる

既習の文型との違い

  • 〜て、…て、―ます(この課の学習項目1)「〜て」は動作を順番に並べ、「〜ながら」は二つの動作を同じ時にします。「ご飯を食べて、テレビを見ます」は食べ終わってから見る、「ご飯を食べながら、テレビを見ます」は食べている間に見る、と意味が分かれます。て形を習った直後なので「*食べてながら」と二つを重ねる誤りが出やすく、ます形から作ることを表の外の板書で確かめます。
  • 〜ています(1)(第10課)第10課の「〜ています(1)」は、今その動作の最中であることを言う形で、一つの動作だけでも言えます。「〜ながら」は二つの動作を組にして、一つを主な動作に添える形です。「音楽を聞いています」と「音楽を聞きながら、勉強しています」を並べると、後ろの「勉強」が主な動作だとわかります。
関連する文型

語彙の扱い

この課では、朝から夜までの日課の動詞(起きます・顔を洗います・歯をみがきます・シャワーを浴びます・うちを出ます)と、教室や窓口で頼むときの動詞(立ちます・座ります・開けます・閉めます・待ちます・見せます)が多く要ります。どれも単語だけで覚えさせず、絵カードの裏にて形を書いておき、「歯をみがいて」「待ってください」のように、て形と助詞つきの形で文型の中に入れて練習します。形容詞は第6課の既習の語で足りるので、新しい語を増やすより「くて/で」の形を作る回数を多くします。

この課の練習で使う語(11語・意味・連語・例文)

  • 起きます(おきます) 朝、目をさまして、ふとんやベッドから体を起こします。 7時に〜・朝早く〜
    友達に、日曜日の朝のことを聞かれる。
    「日曜日は、9時に起きて、シャワーを浴びます。」
  • 浴びます(あびます) シャワーの水やお湯を、体にかけます。 シャワーを〜
    友達に、うちへ帰ってから何をするかを聞かれる。
    「うちへ帰ってから、シャワーを浴びます。」
  • 洗います(あらいます) 水やお湯で、手や顔や物をきれいにします。 手を〜・顔を〜・皿を〜
    寮の食堂で、寮の人が新しく来た人に言う。
    「手を洗ってから、食べてください。」
  • みがきます(みがきます) 歯ブラシなどでこすって、歯をきれいにします。 歯を〜
    ホームステイの家で、朝の順番を話す。
    「顔を洗って、歯をみがいて、うちを出ます。」
  • 出ます(でます) 部屋や建物の中から、外へ行きます。 うちを〜・駅を〜・8時に〜
    会社の同僚に、毎朝何時にうちを出るかを聞かれる。
    「8時にうちを出て、電車で会社へ来ます。」
  • 終わります(おわります) 授業や仕事などが、そこでおしまいです。 授業が〜・仕事が〜・5時に〜
    友達に、放課後の予定を聞かれる。
    「授業が終わってから、図書館へ行きます。」
  • 待ちます(まちます) 人や電車がまだ来ません。もうすぐ来ますから、その場所にいます。 ここで〜・友達を〜・少し〜
    市役所の窓口で、職員が来た人に言う。
    「すみませんが、ここで少し待ってください。」
  • 見せます(みせます) 自分の物を、相手の前に出します。相手はそれを見ます。 写真を〜・ノートを〜
    友達が旅行の話をしている。写真が見たい。
    「その写真を見せてください。」
  • 座ります(すわります) いすなどに、腰をおろします。 いすに〜・ここに〜
    教室に入ってきた学生に、先生が言う。
    「どうぞ、ここに座ってください。」
  • 覚えます(おぼえます) 新しい言葉や名前を頭に入れます。あとでも、その言葉がわかります。 単語を〜・名前を〜・漢字を〜
    クラスメートに、いつ勉強するかを聞かれる。
    「電車の中で、音楽を聞きながら、単語を覚えます。」
  • 明るい(あかるい) 光がたくさんあって、よく見えます。人の様子にも使います。 〜部屋・〜人
    新しいアパートについて、友達に聞かれる。
    「わたしの部屋は広くて、明るいです。」

宿題と次のコマ

宿題は、既習の動詞20語ほどのます形→て形の書き取り(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの記号も書く)と、自分の朝を「〜て、…て」「〜てから」「〜ながら」を一つずつ使って3文で書くこと。次のコマの最初に、宿題の文を使って教師が「〜さんは朝、何をしますか」と聞いて復習し、て形のカードを5分やってから、第12課の「〜ないでください」に入ります。ない形は第12課で初めて出るので、て形がここで定着しているかを小テストで確かめておくと、次の課の「〜てください」と「〜ないでください」の対比がしやすくなります。

よくある質問

  • 第11課のて形はどの順で教えればいいですか?

    先に既習の動詞をⅠ・Ⅱ・Ⅲの3つの列に分け、Ⅱ・Ⅲは「ます→て」だけと短く片づけます。Ⅰグループはます形の最後の音で4つの型(い・ち・り→って/み・び・に→んで/き→いて・ぎ→いで/し→して)に分け、リズムで唱えさせます。「行きます→行って」は最後に別枠で1語だけ出します。第10課の「〜ています」を区切って見せる導入から入ると、前の課とのつながりがはっきりします。

  • 「〜て、…て」と「〜てから」の違いは何ですか?

    どちらも動作の順番を言えますが、「〜てから」は前の動作が終わることに重みがあり、「先にAをすませて、B」と言いたいときに使います。「〜て」は動作を3つ、4つと続けて並べるのに向いています。一日の流れを話すときは「〜て」、先にすませてほしいことを頼むときは「〜てから、〜てください」と、場面で分けて練習させると迷いが減ります。

  • 「〜ながら」をて形に付けてしまう学生にはどうすればいいですか?

    「〜ながら」はて形ではなくます形から作るので、板書でて形の表の外に「Vます→Vながら」と別に書き、色を変えておきます。口頭練習では動詞カードを出して教師が「て」「ながら」のどちらかを言い、作り分けさせます。誤りが出たら、表の外の板書を指さして「ます」を取った形に戻させます。

  • 形容詞の「くて/で」で、よいこととよくないことをつないでもいいですか?

    「〜くて/で」は同じ向きの評価をつなぐのが自然で、反対の向きのときは第6課の「〜ですが、…です」を使います。「安くて、まずいです」は文法の誤りではありませんが、聞いた人には落ち着かない言い方に聞こえます。形容詞カードに○×の印をつけて、向きで「て」と「が」を選ばせる練習が効きます。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は導入・て形の作り方・学習項目1「〜て、…て、―ます」・学習項目2「〜てください」まで、2コマ目は形容詞の「くて/で」・「〜てから」・「〜ながら」とまとめの活動です。て形の定着が弱いクラスでは、2コマ目の最初にて形のカードを5分入れてから進めます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。