日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

学ぼう!にほんご 初級Ⅰ 第16課「歌舞伎を見たことがあります」の教案

『学ぼう!にほんご 初級Ⅰ』

第11課のテ形・第12課のナイ形・第15課の辞書形に続いて、タ形がこの課で初めて出ます。作り方はテ形の「て」を「た」に替えるだけなので、新しい規則はほとんどなく、時間の大半は タ形を使う四つの言い方(経験の「〜ことがあります」・例を挙げる「〜たり、…たりします」・状態が続く「〜たまま」・時間の前後の「〜あとで」)に使えます。四つとも文の終わりは「ます・ました」の丁寧な形のままで、タ形は文の途中にだけ出てくる、と最初に決めておくと、第17課の普通表現と混ざりません。教えるときの芯は、どの言い方も既習の文型(〜ことができます・〜て、…て・〜ないで・〜てから)と一つずつ並べて違いを見せることです。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目5時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 動詞のマス形・テ形からタ形を作れ、行った・来た(きた)などの例外を言い間違えない
  • 今までにしたことがあるかどうかを「〜たことがあります/ありません」で言い、相手の経験を聞ける
  • 休みの日や週末にすることを、例を二つ挙げて「〜たり、…たりします/しました」で話せる
  • 「〜たまま」で状態を変えずに次のことをしたと言い、「〜あとで」で二つのことの前後を言える

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(前の課とのつなぎ)10分第15課の「〜ことができます」で、できることを2〜3人に聞く(「漢字を書くことができますか」)。そのあと教師が「わたしは歌舞伎を見ることができます。……見たこともあります」と言いかけて、「きょうは『した』の話です」と予告する。黒板には第11課のテ形の表を出しておく
た形の作り方30分テ形の表の「て」を消して「た」に、「で」を「だ」に書き換えて、タ形の表にする。マス形→テ形→タ形の順で絵カードの口頭練習を回し、行った・来た(きた)は枠で囲む
学習項目1 〜ことがあります50分教師の経験を絵や写真で話して導入。クラスで「温泉・着物・新幹線・すし」などの○×表を作り、「〜たことがありますか」「はい、あります/いいえ、ありません」で聞き合う
学習項目2 〜たり、…たりします30分教師の週末の絵カードを4枚見せ、二つを選んで「〜たり、…たりします」。第11課の「〜て、…て」(順番に全部)と並べて板書し、最後の「します/しました」が時を受け持つことを赤で示す
学習項目3 〜たまま、…25分教師がテレビの絵カードを使い、テレビをつけたまま寝た朝の話をして導入。玄関・お寺・病院の絵で「〜たまま〜てもいいですか」「〜たまま〜ないでください」のルールのやり取りへ広げる
学習項目4 〜あとで、…20分黒板に時間の矢印を引き、教師の一日の予定を並べて導入。あしたのことでも「〜たあとで」とタ形になることを赤で示し、「Nのあとで」も足す
まとめの活動15分「日本でしたこと・したいこと」のペアインタビュー。経験(〜たことがありますか)→ そのときのこと(〜たり、…たりしました)→ これからの予定(〜たあとで、…ます)の順で聞き、聞いた内容をクラスに報告する

学習項目 1 た形の作り方

意味・はたらき活用

「た」で終わる動詞の形なので「タ形」と呼びます。作り方は第11課のテ形と同じで、テ形の「て」を「た」に、「で」を「だ」に替えるだけです(書いて→書いた、読んで→読んだ)。動詞のグループの分け方も、テ形・ナイ形・辞書形と同じです。この課ではタ形を「〜ことがあります」「〜たり」「〜たまま」「〜あとで」の中でだけ使い、タ形で文を終える言い方は第17課の普通表現まで出しません。文法の用語で言うと、グループIのタ形にはテ形と同じ音便(い・ち・りの「っ」=促音便、み・び・にの「ん」=撥音便、き・ぎの「い」=イ音便)が起きています。音便の名前を学習者に教える必要はありませんが、教師が「3つの音の変わり方と例外の行った」と整理して持っておくと、誤りの直し方が速くなります。

接続

テ形 → タ形(て→た・で→だ)。マス形からはテ形と同じ規則(グループI: い・ち・り→った/み・び・に→んだ/き→いた・ぎ→いだ/し→した、グループII: ます→た、グループIII: します→した・来ます→来た)

形
グループI: 会います→会った、持ちます→持った、乗ります→乗った、飲みます→飲んだ、呼びます→呼んだ、聞きます→聞いた、急ぎます→急いだ、貸します→貸した(例外: 行きます→行った)グループII: 見ます→見た、着ます→着た、浴びます→浴びた、教えます→教えたグループIII: します→した、来ます→来た(きた)、旅行します→旅行した、勉強します→勉強した

導入

  • テ形の表を書き換える第11課で使ったテ形の表を黒板に出し、学生にテ形を声に出させながら、教師が「て」を消して「た」と書いていく。「で」の行まで来たら「だ」に書き換え、学生に「同じ」と気づかせる。新しい規則として説明しないで、テ形の表がそのままタ形の表になるところを目で見せるのがこの導入の芯。
  • 板書の形第15課の辞書形の列の右に、テ形の列とタ形の列を並べて3列にする。「て→た」「で→だ」の2行だけを赤で書き、「行って→行った」「来て→来た(きた)」は枠で囲む。この表は課の終わりまで消さずに残し、四つの学習項目の練習で詰まったらここを指す。

板書案

辞書形 | テ形 | タ形
書く | 書いて | 書いた
読む | 読んで | 読んだ
〔赤〕て→た で→だ(ここだけ書き換え)
〔枠〕行く→行って→行った  来る(くる)→来て(きて)→来た(きた)

場面と発話(自作)

  • マス形→タ形の口頭練習。教師が電車の絵カードを見せて「乗ります」と言う。乗った。
  • テ形→タ形の口頭練習。教師が「行って」と言い、例外の動詞だったことを思い出させる。行った。
  • グループIIIの確認。教師が「来ます」と言い、読み方に気をつけさせる。来た(きた)。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵カード20枚を速いテンポで「マス形→タ形」。最初はテ形を一度言わせてからタ形(飲みます→飲んで→飲んだ)、慣れたらテ形を飛ばす。グループI・II・IIIを混ぜ、間違えたカードだけ戻してもう一周する。最後に第15課の「辞書形→タ形」も1周して、第17課の普通表現の準備にする。

  1. 口頭教師がマス形のカードを見せて言う(「飲みます」「待ちます」「起きます」「勉強します」)→ 全員でテ形、続けてタ形(飲んで→飲んだ)。慣れたらテ形を飛ばしてタ形だけ。最後は教師が辞書形で言い(「書く」「泳ぐ」「来る」)、指名した一人がタ形で返す。グループI・II・IIIと例外の「行きます」を毎回混ぜる。
  2. ペア二人に動詞カードの束を一つずつ持たせ、片方がカードを見せてマス形を言い、もう片方がタ形で答える。間違えたカードは相手の束の下に戻し、もう一度出てくるまで続ける。5枚ごとに役を交替し、終わったら間違えたカードだけを二人で読み上げて確かめる。
  3. 産出「タ形リレー」。クラスで輪になり、教師が最初の学生に動詞カードを渡す。受け取った人はタ形を言ってから、自分で選んだ動詞のマス形を言って隣へ渡す。止まったら全員でテ形の表を見て助ける。教師は小さい「っ」と「ん」・濁点、「行った」「来た(きた)」の読みを聞いて、その場で表を指して直す。

つまずきと手当て

  • 「行きます」を「書きます→書いた」と同じ規則にして「*行いた」と言う。テ形の「行って」と同じ例外だと、テ形の表の枠を指して思い出させる
  • 小さい「っ」と「ん」・濁点を落とす(*待た、*読だ、*急いた)。書き取りでは「っ・ん・゛」に赤丸をつけ、「待った」と「また」を聞き比べさせる
  • グループIの「帰ります」「入ります」をグループIIと同じに扱って「*帰た」と言う。テ形のときに「帰って」と言えていたかを確かめ、テ形から作らせる
  • 「来た」を「くた」と読む(辞書形「来る(くる)」からの類推)。テ形の「来て(きて)」と同じ読みだと、テ形とセットで言わせる

既習の文型との違い

  • て形の作り方(第11課)作り方の規則はテ形とまったく同じで、違うのは最後の「て/で」が「た/だ」になることだけです。テ形で迷っている動詞はタ形でも必ず迷うので、タ形の誤り(*行いた・*帰た)が出たら、まずテ形を言わせて、どこで間違えているかを確かめます。
  • 辞書形の作り方(第15課)辞書形はグループごとに語尾を変える作り方で、タ形はテ形からの書き換えです。作る道すじが違うので、辞書形から直接タ形を作らせると「*読むた」「*来るた」のような混ざった形が出ます。この課では「辞書形→テ形→タ形」と一度テ形を通らせます。
関連する文型

学習項目 2 〜ことがあります

意味・はたらき学習項目 1

タ形に「ことがあります」をつけて、今までにそれをした経験があるかどうかを言います。「いつしたか」ではなく「今までに一度でもしたか」を言う形なので、きのう・先週のような特定の時の言葉とはいっしょに使いません。経験がないときは「〜たことがありません」、全然ないことを強めるときは「一度も〜たことがありません」です。「〜たことがありますか」と聞かれたら、「はい、あります」「いいえ、ありません」と「あります」だけで答えられます。文法の用語では、過去の一回の出来事を言う「〜ました」に対して、「〜たことがあります」は今の時点でその経験を持っているかを言う形として扱われ、テンス・アスペクトの話では「経験」の用法と呼ばれます。なお、辞書形に「ことがあります」をつけると「ときどきそうする」の意味になり、この課の形とは別のものです。

接続

動詞のタ形+ことがあります(否定は「ことがありません」。第15課の「辞書形+ことができます」と形が似ているので、前がタ形かどうかを必ず確かめる)

形
VたことがありますVたことがありません/一度もVたことがありませんVたことがありますか——はい、あります/いいえ、ありません〜回 Vたことがあります

導入

  • 教師の経験を絵で話す富士山・新幹線・着物などの絵カードを黒板に貼り、教師が富士山の絵を指して「わたしは富士山に登ったことがあります。1回登りました」と言う。次に別の絵を指して「着物を着たことがありません」と首を振る。板書は「[V た]ことが あります/ありません」の枠にし、「た」を赤で書く。第15課の「[V る]ことが できます」を上の段に書いて、前の形と後ろの言葉が両方違うことを見せる。
  • クラスの○×表を作る黒板に「温泉・着物・新幹線・すし・カラオケ」の表を作り、教師が学生一人ずつに「〜さんは温泉に入ったことがありますか」と聞いて、答えを○×で書き込む。答えは「はい、あります」「いいえ、ありません」の短い形でよいことを、最初の二人の答えで示す。表が埋まったら「だれが新幹線に乗ったことがありますか」と表を見ながら聞き返し、聞く・答える・人のことを言うを一度に回す。

板書案

[V た]ことが あります/ありません
わたしは 富士山に 登った ことが あります。
〔赤〕た 〔青〕ことが(一かたまり)
上の段: [V る]ことが できます(第15課)
〜たことが ありますか。——はい、あります。/いいえ、ありません。

場面と発話(自作)

  • 寮の台所で、日本人の学生が留学生に、日本の食べ物を食べたことがあるかを聞く。納豆を食べたことがありますか。——はい、1回あります。
  • 会社で、来月京都へ出張する同僚に、京都へ行ったことがあるかを聞く。京都へ行ったことがありますか。——いいえ、一度も行ったことがありません。
  • 新しいクラスの自己紹介で、留学生が名前と国のあとに、自分の経験を一つ話す。わたしは北海道でスキーをしたことがあります。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、経験の絵カードを見せて「〜たことがあります」、教師が首を振ったら「〜たことがありません」と言わせ、慣れたら「一度も」「〜回」のカードを混ぜる。場面のやり取りでは、ペアで○×表を使って「〜たことがありますか」を5つ聞き合い、終わったら「〜さんは〜たことがあります」と第三者として報告させる。

  1. 口頭経験の絵カードを見せ、教師が語でキューを出す(「新幹線・乗る」「着物・着る」「温泉・入る」「すし・作る」)→ 全員で「新幹線に乗ったことがあります」。教師が首を振ったら「〜たことがありません」、指を1本立てたら「1回〜たことがあります」、手で×を作ったら「一度も〜たことがありません」に替えさせる。最後は教師が「〜たことがありますか」と個人に聞き、短い答え(はい、あります)で返させる。
  2. ペアAとBに違う表を配る(Aには自分の経験の○×が書いてあり、Bの表は空欄)。Bが「〜たことがありますか」と5つ聞き、Aは自分の表を見て答える。Bは聞いた答えを表に書き込み、終わったら「Aさんは〜たことがあります」と読み上げてAに確かめる。役を交替して、もう一組の表で同じことをする。
  3. 産出「経験さがしビンゴ」。3×3のマスに「北海道へ行った」「日本の歌を歌った」などを書いたカードを配り、学生は教室を歩いて「〜たことがありますか」と聞き、「はい」と答えた人の名前をマスに書く。一列そろったら、その人たちの経験を「〜さんは〜たことがあります」で報告する。教師は「こと」が落ちていないか、辞書形にしていないかを聞き、報告の文で直す。

つまずきと手当て

  • 「*富士山に登ったがあります」と「こと」を落とす。板書の枠で「ことが」を一かたまりの色で書き、代入練習の最初の数回は「ことが」を全員で強く言わせる
  • 第15課の「〜ことができます」につられて、辞書形で「日本の映画を見ることがあります」と言う。文としては成り立つが「ときどき見る」の意味になり、経験の意味にはならない。上下2段の板書で「た」を指して直す
  • 「きのう、すしを食べたことがあります」のように、特定の時の言葉といっしょに使う。これは経験ではなく1回の出来事なので「きのう、すしを食べました」で言うと、「いつ」の言葉があるかどうかで使い分けさせる
  • 「ご飯を食べたことがあります」のように、だれでも毎日することに使う。経験として話す意味があるのは、ふだんはしないことだと絵カードの選び方で見せる

既習の文型との違い

  • 〜ことができます(第15課)「〜ことができます」は辞書形につけて能力や可能を言い、「〜たことがあります」はタ形につけて経験を言います。形が似ているので、経験のつもりで「見ることがあります」と前の形を取り違えます。文としては成り立ちますが「ときどき見ます」の意味になってしまうので、上下2段の板書で前の形と後ろの言葉の両方を指して分けます。
  • 〜ました(第3課)「〜ました」はいつか一回あった出来事を言い、きのう・先週などの時の言葉といっしょに使えます。「〜たことがあります」は時を決めずに「今までに一度でも」を言うので、きのう・先週のような一点の時の言葉とはいっしょに使いません(「子どものとき」のような幅のある時なら使えます)。「いつ行きましたか」と続けて聞けるのは「〜ました」のほうだと、やり取りの中で見せます。
関連する文型

学習項目 3 〜たり、…たりします

意味・はたらき学習項目 2

いくつかの動作の中から、代表的なものを二つほど例として挙げ、「ほかにもいろいろある」ことを示す言い方です。第11課の「〜て、…て、―ます」は動作を起きた順に全部言いますが、「〜たり、…たりします」は順番は問わず、例を挙げるだけです。文の時(今のこと・過去のこと)と丁寧さは最後の「します」が受け持つので、過去のことなら「〜たり、…たりしました」、したいことなら「〜たり、…たりしたいです」になります。文法の用語では、いくつかの動作から代表を挙げる「例示」の形で、決まった順番に全部を言う第11課の並べ方とは役目が違います。

接続

動詞のタ形+り、動詞のタ形+り+します(時と丁寧さは最後の「します/しました/したいです」で表す)

形
Vたり、VたりしますVたり、VたりしましたVたり、Vたりしたいです趣味は Vたり、Vたりすることです

導入

  • 教師の週末を絵カードで話す掃除・洗濯・買い物・映画の絵カード4枚を黒板に貼り、教師が「週末はいろいろなことをします」と言ってから、2枚を指して「掃除をしたり、買い物をしたりします」と言う。残りの2枚も指して「ほかにもします」と手で示し、全部を言わない言い方だと見せる。次に別の2枚を学生に選ばせて言わせる。
  • 「〜て、…て」と並べて板書する上の段に第11課の「朝 起きて、顔を洗って、学校へ来ます」を順番の矢印つきで、下の段に「週末は 掃除をしたり、買い物をしたり します」を矢印なしで書く。下の段の最後の「します」を赤い枠で囲み、教師が「先週は?」と聞いて「しました」に書き換えさせ、時を言うのはここだけだと見せる。

板書案

[V た]り、[V た]り します
週末は 掃除を したり、買い物を したり します。
〔赤枠〕します → しました(先週)/したいです(来週)
上の段: 朝 起きて → 顔を洗って → 学校へ来ます(順番・全部)
下の段: 〜たり、〜たり(例・ほかにもある) 矢印なし

場面と発話(自作)

  • 月曜日の朝、会社で同僚に週末のことを聞かれる。週末は、掃除をしたり、洗濯をしたりしました。
  • 日本語学校の休み時間に、留学生が友達に休みの日の過ごし方を話す。休みの日は、公園を散歩したり、図書館で本を読んだりします。
  • 夏休みの前に、先生が学生に休みの予定を聞く。夏休みに何をしたいですか。——友達と旅行したり、アルバイトをしたりしたいです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、絵カードを2枚ずつ見せて「〜たり、…たりします」と一文で言わせ、続いて「毎週」「先週」「来週は〜たいです」の時のカードを出して、最後の形(します/しました/したいです)だけを替えさせる。場面のやり取りでは、ペアで「休みの日は何をしますか」「週末は何をしましたか」を聞き合い、答えは必ず例を二つ入れる。

  1. 口頭絵カードを2枚ずつ見せ、教師が語でキューを出す(「掃除・洗濯」「テレビを見る・音楽を聞く」「散歩する・本を読む」)→ 全員で「〜たり、…たりします」。続けて時のカード(毎週・先週・来週)を出し、「します/しました/したいです」の最後だけを替えさせる。個人指名では、教師が「休みの日は?」と聞いて答えさせる。
  2. ペアAは「週末」の絵カード4枚を持ち、Bには見せない。Bが「週末は何をしましたか」と聞き、Aは4枚から2枚を選んで「〜たり、…たりしました」と答える。Bは残りの2枚を「ほかに何をしましたか」と聞いて当てる。役を交替し、次は「夏休みに何をしたいですか」で「〜たりしたいです」の形に替えて行う。
  3. 産出「休日の過ごし方スピーチ」。学生一人ずつが「わたしの休みの日」を3文で話す(休みの日は〜たり、…たりします/先週は〜たり、…たりしました/今度の休みは〜たいです)。聞いている学生は一つ質問する(「どこで〜ましたか」)。教師は二つ目の「たり」と最後の「します」が落ちていないか、時の言葉と最後の形が合っているかを聞いて、スピーチのあとで直す。

つまずきと手当て

  • 「*掃除をしたり、洗濯をしました」と、二つ目の「たり」と「します」を落とす。板書の形を「〜たり、〜たり+します」の3つのかたまりに分けて書き、最後のかたまりを指して言い直させる
  • 「*掃除をしましたり」と、マス形に「たり」をつける。タ形の表に戻り、「たり」の前は「した」だと確かめる
  • 「*先週は、掃除をしたり、洗濯をしたりします」と、過去のことなのに最後を「します」のままにする。時のカードと赤い枠の「します」を指して、「しました」に替えさせる
  • 毎朝の順番を言う場面で「起きたり、顔を洗ったりします」と言う。文としては成り立つが「いろいろなことの例」の意味になるので、決まった順番を全部言うときは第11課の「〜て、…て」だと上下の板書で見せる

既習の文型との違い

  • 〜て、…て、―ます(第11課)「〜て、…て」は起きた順に動作を全部言い、「〜たり、…たり」は順番を問わず例を挙げます。毎朝の決まった順番を「起きたり、顔を洗ったりします」と言うと、文としては成り立ちますが「いろいろな例」の意味になり、言いたいことと合いません。逆に休みの日の話を「て」で全部並べると、予定表を読み上げているように聞こえます。
  • 〜ながら、…(第11課)「〜ながら」は二つの動作を同時にすることで、主な動作は後ろです。「〜たり、…たり」は別々の時にすることの例を挙げます。「音楽を聞いたり、勉強したりします」と「音楽を聞きながら勉強します」を並べ、同時かどうかを絵で見せて分けます。
関連する文型

学習項目 4 〜たまま、…

意味・はたらき学習項目 3

ある動作をしたあとの状態を変えないで、次のことをする(または次のことが起きる)ことを表します。「テレビをつけたまま寝ました」は、テレビがついている状態が続いている中で寝た、という意味です。ふつうは元に戻してから次のことをする場面で、戻さなかったことを言うときによく使うので、「うっかり」「よくない」という気持ちが入りやすい形です。第12課の「〜ないで、…」はその動作をしないこと、「〜たまま」は動作をしてその状態が続くことで、向きが反対です。文法の用語では、前の動作の結果の状態がそのまま続いていることを言う形で、第10課の「帽子をかぶっています」のような、身につけたあとの状態の「〜ています」と見方が近い表現です。

接続

動詞のタ形+まま、…(否定の「〜ないまま」や名詞の「〜のまま」はこの課では扱わない)

形
Vたまま、VましたVたまま、VないでくださいVたまま、VてもいいですかVたまま、Vてはいけません

導入

  • テレビがついたままの朝の話をする教師がテレビの絵カードと、ふとんで寝ている人の絵カードを並べて貼り、「ゆうべ、テレビを見ました。そして寝ました。朝、テレビがついていました」と話す。「テレビをつけたまま寝ました」と言って、黒板に「テレビを消して寝る」絵と「テレビをつけて寝る」絵を並べて描く。二つ目の絵を指して「つけたまま」をくり返させ、板書は「[V た]まま、[V]ました」の枠にする。
  • 日本の生活のルールで使う家の玄関・お寺・病院の絵を貼り、「くつをはいたまま入らないでください」「帽子をかぶったまま入ってもいいですか」のように、第12課の「〜ないでください」と第13課の「〜てもいいですか」をつないで言って見せる。学生に「国では、くつをはいたまま家に入りますか」と聞くと、自分の国の話として練習が長持ちする。

板書案

[V た]まま、[V]ました
テレビを つけた まま、寝ました。
〔絵〕テレビを消して寝る / テレビをつけて寝る(こちらに〔赤丸〕)
〔赤〕た まま
くつを はいた まま 入らないでください。/上着を 着た まま 待っても いいですか。

場面と発話(自作)

  • ホームステイ先の玄関で、家の人が、くつをはいて上がろうとした留学生に言う。すみません、くつをはいたまま入らないでください。
  • 朝の教室で、眠そうな留学生が、友達にゆうべのことを話す。きのう、テレビをつけたまま寝ました。
  • 病院の待合室で、寒い日に来た患者が受付の人に聞く。上着を着たまま待ってもいいですか。——はい、いいです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、「状態」と「次の動作」の絵カードを2枚組で見せて「〜たまま、…ました」と言わせる(電気をつける+出かける、窓を開ける+寝る、など)。場面のやり取りでは、旅館・お寺・病院のルール表を配り、片方が「〜たまま〜てもいいですか」と聞き、もう片方が表を見て「はい、いいです」「いいえ、〜たまま〜ないでください」と答える。

  1. 口頭「状態」と「次の動作」の絵カードを2枚組で見せ、教師が語でキューを出す(「電気をつける・出かける」「窓を開ける・寝る」「帽子をかぶる・教室に入る」「くつをはく・部屋に入る」)→ 全員で「電気をつけたまま、出かけました」。次に教師が「〜てもいいですか」「〜ないでください」の札を出し、同じ組で「〜たまま〜てもいいですか」「〜たまま〜ないでください」に替えさせる。
  2. ペアAにはお寺・旅館・病院のルール表(○と×)を、Bには場所の絵だけを渡す。Bが「帽子をかぶったまま入ってもいいですか」と聞き、Aは表を見て「はい、いいです」「いいえ、かぶったまま入らないでください」と答える。3つの場所が終わったら役を交替し、別のルール表で同じことをする。
  3. 産出「マナー案内ロールプレイ」。一人がホームステイの家の人、一人が初めて来た留学生になり、家の人が玄関・台所・おふろのルールを「〜たまま〜ないでください」「〜たまま〜てもいいです」で説明し、留学生は「〜たまま〜てもいいですか」と一つ質問する。そのあと学生は自分の国のルールを一つ「国では〜たまま〜ます」で話す。教師は「まま」の前がタ形か、言いたい状態(はいている・ぬいでいる)と動詞が合っているかを見て直す。

つまずきと手当て

  • 「*テレビをつけるまま寝ました」「*テレビをつけてまま寝ました」と、タ形以外につなぐ。タ形の表を指して「まま」の前は「た」だと確かめる
  • 第11課の「〜ながら」と混同して「テレビをつけながら寝ました」と言う。「つける」はすぐに終わる動作で、続くのはつけたあとの状態なので「〜たまま」になると、スイッチを入れる動作と、ついている画面の絵を分けて見せる
  • 第12課の「〜ないで」と向きを取り違え、くつのまま入るなと言いたいのに「くつをぬいだまま入らないでください」と言う。文としては成り立つが言いたいことと反対の意味になるので、絵の状態(はいている・ぬいでいる)を先に言わせてから文にする

既習の文型との違い

  • 〜ないで、…(第12課)「〜ないで」はその動作をしないで次のことをし、「〜たまま」は動作をしてその状態のまま次のことをします。「くつをぬがないで入りました」と「くつをはいたまま入りました」はほぼ同じ場面を言えますが、前の動詞が反対になります。学習者は「ぬいだまま」「はかないで」と向きを取り違えるので、絵で今の状態を先に言わせます。
  • 〜ながら、…(第11課)「〜ながら」は二つの動作が同時に続いていることで、前の動作も続いています(音楽を聞きながら勉強します)。「〜たまま」は前の動作はもう終わっていて、続いているのはその結果の状態です。「つける」「かける」のようにすぐ終わる動作に「ながら」をつけると不自然になるので、動作と状態を絵で分けて見せます。
  • 〜ています(第10課・身につけた状態)「帽子をかぶっています」は今の状態を言うだけで、「帽子をかぶったまま教室に入りました」はその状態で次のことをしたことまで言います。一つの文で状態と次の動作の二つを言うのが「〜たまま」だと、二つの文をつなぐ練習(かぶっています。入りました。→ かぶったまま入りました)で見せます。
関連する文型

学習項目 5 〜あとで、…

意味・はたらき学習項目 4

ある動作が終わったあとに、次のことをする(または次のことが起きる)ことを言います。前の動作は終わっているので、「あとで」の前はいつもタ形で、あした・来週のようなこれからのことでも「食べたあとで」とタ形を使います。文全体の時は最後の動詞が表します。名詞には「の」をつけて「授業のあとで」と言います。第11課の「〜てから、…」も順番を言いますが、「〜てから」は「まずこれをして、それから」と順番そのものに目が向くことが多いのに対して、「〜あとで」は時間の前後を言う言い方で、二つのことの間に時間があいていてもかまいません。文法の用語で言うと、「〜たあとで」の「た」は話している今より前かどうかではなく、後ろの動作より前に終わっていることを表す相対テンスの「た」で、試験でもこの見方が問われます。

接続

動詞のタ形+あとで、…/名詞+の+あとで、…(時は最後の動詞で表す)

形
Vたあとで、VますVたあとで、VましたNのあとで、VますあとでVます(「あとで電話します」のように一語でも使う)

導入

  • 時間の矢印に教師の一日を並べる黒板に左から右へ長い矢印を引き、教師の一日の絵カード(授業・昼ご飯・会議・買い物)を順に貼る。二つのカードを指して「授業が終わったあとで、昼ご飯を食べます」と言い、前のカードの下に「た」、あとのカードの下に「ます」と書く。板書は「[V た]あとで、[V]ます」の枠にし、名詞のカードを指したときは「会議のあとで」と「の」を足す。
  • あしたのことでも「た」矢印の上に「あした」と書いて、教師が「あした、仕事が終わったあとで、買い物に行きます」と言う。学生に「あしたのことですね。でも『終わった』です」と確かめ、「た」を赤で囲む。続けて「きのう」「来週」と時の言葉を替えて、変わるのは最後の動詞だけだと何度か言わせる。

板書案

[V た]あとで、[V]ます/ました
[N]の あとで、[V]ます
〔時間の矢印〕授業 → 昼ご飯 → 会議 → 買い物
あした、仕事が 終わった あとで、買い物に 行きます。(〔赤丸〕た)
上の段: [V て]から(第11課) 下の段: [V た]あとで 〔赤〕て/た

場面と発話(自作)

  • 会社で、上司に頼まれた書類をいつ出すか聞かれる。この書類はいつ出しますか。——会議のあとで出します。
  • 日本語学校で、留学生が夕方の予定を決めようと友達を誘う。授業が終わったあとで、いっしょに買い物に行きませんか。
  • 病院の薬の窓口で、薬の飲み方を説明される。この薬は、ご飯を食べたあとで飲んでください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

口頭の代入練習では、時間の矢印の上の絵カードを二つ指して「〜たあとで、…ます」と言わせ、名詞のカード(授業・会議・食事)が来たら「〜のあとで」に替えさせる。途中で「きのう」「あした」のカードを出し、最後の動詞だけを替えさせる。場面のやり取りでは、ペアで一日の予定表を見せ合い、「〜たあとで、何をしますか」「〜たあとで、…ます」と聞き合う。

  1. 口頭時間の矢印の上に貼った絵カードを二つ指し、教師がキューを出す(「授業が終わる・昼ご飯を食べる」「宿題をする・テレビを見る」「会議・コピーをする」)→ 全員で「授業が終わったあとで、昼ご飯を食べます」。名詞のカード(会議・食事・授業)が来たら「〜のあとで」に替えさせる。続けて「きのう」「あした」のカードを出し、変わるのは最後の動詞だけだと何度か言わせる。
  2. ペアAとBに、同じ人の一日の予定表を半分ずつ空けて配る(Aの表には午前だけ、Bの表には午後だけ書いてある)。「〜たあとで、何をしますか」「〜たあとで、…ます」と聞き合って、相手の分を自分の表に書き込み、一日の予定を完成させる。終わったら表を見せ合って合っているか確かめ、別の日の表で役を替えて行う。
  3. 産出「放課後の予定決めロールプレイ」。二人は友達どうしで、それぞれ自分の予定を一つ持っている。片方が「授業のあとで、いっしょに〜ませんか」と誘い、もう片方は「〜たあとで、いいですか」と時間をずらして答え、会う時間と場所を決める。決まったことを「〜たあとで、〜ます」でクラスに報告する。教師は「あとで」の前が辞書形になっていないか、名詞に「の」が入っているかを聞いて直す。

つまずきと手当て

  • 「*あした、ご飯を食べるあとで、薬を飲みます」と、これからのことなので辞書形にする。前の動作は終わっているから「た」だと、時間の矢印の上で「食べる→食べた→飲む」と指して見せる
  • 「*食べてあとで」と、第11課の「〜てから」と混ざる。上下2段の板書で「てから」と「たあとで」を並べ、「て」と「た」に色をつけて分ける
  • 名詞に「の」をつけずに「*授業あとで」と言う。名詞のカードが出たら「の」のカードを1枚はさむ練習をくり返す
  • 「〜てから」と全く同じだと考えて、「日本へ来てから、1年になります」のような「ある時から今まで」の文を「日本へ来たあとで」に替える。この使い方は「〜てから」のほうが自然なので、この課では「あとで」は二つのことの前後を言うときに使う、とだけ整理する

既習の文型との違い

  • 〜てから、…(第11課)「〜てから」はテ形につけて「まずこれ、それから次」と順番を言い、「〜あとで」はタ形または「Nの」につけて二つのことの前後を言います。学習者は「*食べてあとで」のように二つを混ぜるので、「て」と「た」に色をつけて並べます。この課の段階では、手順を言うときは「〜てから」、時間の前後を言うときは「〜あとで」と整理すれば足ります。
  • 〜て、…て、―ます(第11課)「〜て、…て」は三つ以上の動作も順に並べられますが、「〜あとで」はふつう二つの出来事の前後を言います。一日の予定を全部言うときは「て」でつなぎ、その中の二つの前後をはっきりさせたいときに「〜あとで」を使う、と予定表の上で見せます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の練習では、日本の文化や生活の体験(歌舞伎・着物・温泉・新幹線など)を表す語と、回数の言い方(一度・〜回)をよく使います。体験の語は単語だけで覚えさせず、「着物を着た」「温泉に入った」のように助詞と動詞のタ形をつけた形で絵カードにし、学習項目1の○×表にそのまま使います。「〜回」は数字の読み(いっかい・さんかい・ろっかい・はっかい・じゅっかい)でつまずきやすいので、表に答えるときに声に出させます。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 登ります(のぼります) 山や高いところへ、下から上に行きます。 山に〜・富士山に〜・階段を〜
    留学生どうしで、日本の山の話をする。
    「富士山に登ったことがありますか。」「いいえ、一度も登ったことがありません。」
  • 着ます(きます) 服や着物を体につけます。 着物を〜・上着を〜・シャツを〜
    お祭りの前に、友達と着物の話をする。
    「着物を着たことがありますか。」「はい、1回あります。」
  • 入ります(はいります) 外から中へ行きます。おふろや温泉にも使います。 温泉に〜・部屋に〜・おふろに〜
    旅行の話を聞いた同僚が質問する。
    「日本の温泉に入ったことがありますか。」
  • 泊まります(とまります) 自分の家ではないところで夜を過ごします。 旅館に〜・ホテルに〜・友達の家に〜
    冬休みの旅行を決めている。
    「旅館に泊まったことがありません。泊まりたいです。」
  • 散歩します(さんぽします) 楽しみのために、ゆっくり外を歩きます。 公園を〜・犬と〜・川のそばを〜
    休みの日の過ごし方を聞かれる。
    「休みの日は、公園を散歩したり、本を読んだりします。」
  • 洗濯します(せんたくします) 服などを洗います。 服を〜・シャツを〜
    月曜日に、先生が週末のことを聞く。
    「週末は、洗濯したり、掃除したりしました。」
  • つけます(つけます) 電気やテレビなどのスイッチを入れて、動くようにします。 電気を〜・テレビを〜・エアコンを〜
    朝、眠そうな友達に理由を聞く。
    「きのう、テレビをつけたまま寝ました。」
  • かぶります(かぶります) 帽子などを頭にのせます。 帽子を〜
    美術館の入口で、帽子をかぶった客が係の人に聞く。
    「帽子をかぶったまま、写真を撮ってもいいですか。」
  • はきます(はきます) くつやズボンを、足や体の下のほうにつけます。 くつを〜・スリッパを〜・ズボンを〜
    お寺の入り口で、係の人が言う。
    「くつをはいたまま入らないでください。」
  • 終わります(おわります) していたことや時間が、そこで止まって、それ以上続きません。 授業が〜・仕事が〜・会議が〜
    留学生が友達に、夕方の予定を話す。
    「授業が終わったあとで、アルバイトに行きます。」
  • 一度も(いちども) 「〜ません」といっしょに使い、一回もないことを強く言います。 一度も〜ません・一度も〜たことがありません
    新幹線の話になった。
    「新幹線に一度も乗ったことがありません。」
  • 〜回(〜かい) 同じことを何度したかを数える言葉です。 1回(いっかい)・3回(さんかい)・何回(なんかい)
    京都に何度も行っている同僚に聞く。
    「京都へ何回行ったことがありますか。」「3回あります。」

宿題と次のコマ

宿題は、「日本でしたことがあること」を「〜たことがあります」で2文、「したことがないこと」を「一度も〜たことがありません」で1文、週末にすることを「〜たり、…たりします」で1文書くこと。あわせてタ形の表(グループI・II・IIIを5語ずつ)を埋める。次のコマの最初に、宿題の文を使って教師が「〜さんは何をしたことがありますか」と聞いて復習し、タ形の表を見ながら「辞書形・ナイ形・タ形」を並べて読み、第17課の普通表現に入ります。

よくある質問

  • 第16課のタ形はどう導入すればいいですか?

    新しい規則として説明しないで、第11課のテ形の表を黒板に出し、「て」を「た」に、「で」を「だ」に書き換えて見せるのがいちばん速い導入です。テ形が言えればタ形も言えるので、規則の説明に時間をかけず、例外の「行った」「来た(きた)」を枠で囲むだけにします。テ形がまだ不安定な学習者には、マス形→テ形→タ形と一度テ形を通らせます。

  • 「〜たことがあります」と「〜ました」の違いはどう説明しますか?

    「〜ました」はいつか一回あった出来事で、「きのう」「先週」と時の言葉をつけられます。「〜たことがあります」は時を決めずに「今までに一度でも」を言う形なので、きのう・先週のような一点の時の言葉はつけません(「子どものとき、富士山に登ったことがあります」のように幅のある時なら言えます)。「富士山に登ったことがありますか——はい、あります——いつ登りましたか——去年登りました」という流れで、経験を聞いてから「〜ました」で詳しく聞くと、二つの役目の違いが見えます。

  • 「〜たり」は一つだけ言ってもいいですか?

    「休みの日は本を読んだりします」のように一つだけ挙げて「ほかにもある」ことをほのめかす言い方もあります。ただし、この課では例を二つ並べる「〜たり、…たりします」の形に絞り、二つ目の「たり」と最後の「します」を落とさないことを優先します。一つだけの言い方は、学習者から出たときに「言えます」と認める程度で足ります。

  • 「〜たあとで」と「〜てから」の違いは何ですか?

    「〜てから」はテ形につけて手順や順番を言い、「〜あとで」はタ形や「Nの」につけて時間の前後を言います。「日本へ来てから1年になります」のように「ある時から今まで」を言うのは「〜てから」です。初級の段階では、手順は「〜てから」、二つの出来事の前後は「〜あとで」と分けて練習し、細かい違いはあとの段階で深めます。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目は導入・タ形の作り方・「〜ことがあります」まで、2コマ目は「〜たり、…たりします」「〜たまま」「〜あとで」とまとめの活動です。タ形が定着していないクラスでは、2コマ目の最初にタ形の小テストを5分入れておくと、第17課の普通表現に入ったときに止まりません。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。