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学ぼう!にほんご 中級 第38課「知っている単語の数や文法はともかく、一番の違いは会話のスピードだ」の教案

『学ぼう!にほんご 中級』

面接や自己PRのように、自分のことを例を挙げて説明する力をつける課です。同じ「例を挙げる」でも、5つの形は例の使い方が違います。「〜はともかく」は例をいったん脇に置いて本題へ進む、「〜からして」「〜さえ/でさえ」は一つの極端な例で残りを言わずに分からせる、「〜ばかりか」は一つ挙げたうえでさらに重いことを足す、「〜をはじめ/はじめとして」は代表を一つ挙げて全体へ広げる、と例の働きで3つに分けて板書すると、学習者の頭の中で整理しやすくなります。どれも話し言葉より少し改まった形なので、面接で長所・経験・苦労したことを話す場面と相性がよく、最後は模擬面接で「例を挙げて自分を語る」ことをそのまま練習にします。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目5時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「〜はともかく」で、足りない点や今は問題にしないことを先に認めてから、本当に伝えたいこと(やる気・得意なこと)に話を進められる
  • 「〜からして」「〜さえ/でさえ」で、一つの極端な例を挙げて、状況のきびしさや自分の苦労・成長を、全部並べなくても分かるように伝えられる
  • 「〜ばかりか」で、自分の経験や長所を一つ挙げたうえで、さらに重い成果を足して、話を一段強められる
  • 「〜をはじめ/はじめとして」で、代表的な例を一つ挙げて、自分の経験や関わった人・ものの広がりを面接らしい改まった言い方で説明できる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(目標の場面)10分教師が面接官になり、「あなたの長所は何ですか」「日本に来て苦労したことは何ですか」と学生に聞く。「がんばります」「いろいろ大変でした」のような答えを黒板に集め、「例が一つあると、聞いている人によく分かる」ことを確かめる。黒板に「脇に置く」「極端な一例で全体を分からせる」「足す・広げる」の3つの箱を作り、この課の5つの形をここに入れていく、と予告する
学習項目1 〜はともかく25分「日本語の発音はまだまだです。でも、話すのは大好きです」を「発音はともかく、話すのは大好きです」に言い換えて見せ、前の例を脇に置いて後ろを言いたい形だと導入する。面接で弱点を先に認めてから長所に進む言い方として練習する
学習項目2・4 〜からして・〜さえ/でさえ40分「いちばん簡単なはずのものでもこうだから、ほかは言うまでもない」という線を黒板に書き、一つの極端な例で残りを分からせる形を2つ並べて入れる。「からして」は最初・いちばん基本のもの、「でさえ」は主語に立つ人やものを挙げることが多い、と例で区別する
学習項目3 〜ばかりか25分「Aだけでも十分なのに、さらにB」の階段の絵で導入する。後ろにも・まで・さえが来やすいこと、後ろに命令や誘いは来にくいことを押さえ、自己PRで成果を足す言い方にする
学習項目5 〜をはじめ/はじめとして20分初中級で学んだ「〜をはじめ」を短く思い出させてから、名詞の前の「〜をはじめとする」を加える。代表を一つ挙げて「など」「多くの」「全員」で全体へ広げる形として、経験や関わった人の説明に使う
5つの形の整理20分同じ一つの経験(アルバイト・留学生活)を5つの形で言い直させ、黒板の3つの箱に振り分ける。「からして」と「からすると」、「ばかりか」と「どころか」、「さえ」と「さえ…ば」の違いもここで確かめる
目標の活動(模擬面接)30分2人組で面接官と受験者になり、「長所」「苦労したこと」「これまでの経験」の3つの質問に答える。答えには5つの形のうち2つ以上を必ず入れ、面接官役は「たとえば、どんなことですか」と一度深く聞き返す。役を交代して2回行う
まとめ10分黒板の3つの箱に5つの形を置き直し、接続の形(N+はともかく/からして/をはじめ、ふつう形+ばかりか、Nでさえ)と、改まった場面向きかどうかを一覧にして残す

学習項目 1 〜はともかく

意味・はたらき学習項目 1

前に挙げたことを今は問題にしないで脇に置き、後ろの、もっと大事なことや言いたいことに話を進める形です。「Aはともかく、B」で、「Aについては今は言わない(Aはまだ分からない・十分ではないかもしれない)が、Bは〜だ」という意味になります。前のAは、足りない点・まだ決まっていないこと・あまり重要でないことが多く、後ろのBに話し手の主張や評価が来ます。面接では、弱点や経験の少なさを先に認めてから、やる気や得意なことに話を移す言い方として使えます。「〜はともかくとして」とも言い、「〜かどうかはともかく」「何を言われるかはともかく」のように、疑問の形にも付きます。

接続

N+はともかく(として)/〜か(どうか)+はともかく(として)

形
N はともかく、〜(経験はともかく、体力には自信があります)N はともかくとして、〜(やや改まった言い方)〜かどうか はともかく、〜(合格できるかどうかはともかく、全力で準備します)疑問詞〜か はともかく、〜(いつ帰国するかはともかく)

導入

  • 2つの文を1つにまとめる「発音はまだまだです。でも、話すのは大好きです」の2文を板書し、学生に「この人がいちばん言いたいのはどちらですか」と聞く。後ろだと確かめてから、「発音はともかく、話すのは大好きです」と1文にして見せ、前のことを脇に置く手の動き(左手で横へよける)を付けて「今は問題にしない」と書き添える。
  • 「はもちろん」と並べる「英語はもちろん、中国語も話せます」と「英語はともかく、中国語なら話せます」を並べ、「英語が話せるのはどちらの人ですか」と聞く。前の文は両方できる、後ろの文は英語のことは脇に置いている、と確かめ、取り違えると面接で正反対の意味になることを示す。

板書案

N + はともかく(として)、〜
〜か(どうか)+ はともかく、〜
〔青〕発音 はともかく、〔赤〕話すのは大好きです。
〔青〕=脇に置くこと(弱点・まだ分からないこと) 〔赤〕=言いたいこと(長所・やる気)
〔矢印〕青を横へよける絵 ※「はもちろん」(両方できる)と並べて書く

場面と発話(自作)

  • アルバイトの面接で、店長に「接客の経験はありますか」と聞かれた留学生。経験はないが、国で家の店を手伝っていた。日本での経験はともかく、人と話すことには自信があります。
  • 大学院の面接で、研究計画が実現できるかを聞かれた受験者が答える。計画どおりに進むかどうかはともかく、この問題を最後まで調べたいという気持ちは強いです。
  • 引っ越し先を探している会社員が、不動産屋で条件を伝える。駅からの距離はともかく、家賃は七万円以内にしたいんです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「自分の弱点」のカード(経験・年齢・敬語・漢字・体力)を一枚引かせ、「〜はともかく、〜には自信があります」「〜はともかく、〜は誰にも負けません」で面接の答えを作らせる。言えたら教師が「では、その自信のあることを一つ、例で教えてください」と聞き返し、後ろの部分に中身を足す練習へつなぐ。

  1. 口頭教師が弱点の語カード(漢字・敬語・料理・運転・歌)を見せ、学習者が「〜はともかく、〜は得意です」で答える。全体→列→個人の順。キューの例は「漢字」→「漢字はともかく、会話は得意です」、「料理」→「料理はともかく、掃除なら毎日しています」、「運転」→「運転はともかく、自転車ならどこへでも行けます」。続けて「合格できるか」「いつ帰国するか」のカードで「〜かどうかはともかく」「〜かはともかく」へ広げる。
  2. ペアAは面接官、Bは受験者。Aは質問カード(「敬語は使えますか」「日本で働いた経験はありますか」「パソコンは得意ですか」)を読み、Bは「〜はともかく、〜」で答える。Aは必ず「では、その〜について一つ例を教えてください」と一度聞き返し、Bは後ろの部分に中身を足す。3問で役を交替する。
  3. 産出「弱点から始める自己PR」。自分の弱点を一つ認め、「〜はともかく」で長所に移る自己PRを3文で書いて発表する。教師が見るのは、前に弱点や今は問題にしないこと、後ろに長所や主張が来ているか、「*経験がともかく」のように「が」になっていないか、後ろに具体的な例があるかの3点。

つまずきと手当て

  • 助詞を「が」にする(「*経験がともかく」)。この形は必ず「は」で、「Nはともかく」をかたまりで覚えさせる
  • 「〜はもちろん」のつもりで使う。「日本語はともかく、英語も話せます」と言うと、日本語のことは言っていないように聞こえる。両方できると言いたいなら「〜はもちろん」、前を脇に置くなら「〜はともかく」と、上の2文を並べて確かめる
  • 前に自分の大事な長所を置いてしまう(「やる気はともかく、日本語は話せます」)。誤りではないが、やる気を大事にしていないように聞こえる。面接では、前には弱点や今は問題にしないことを置く、と場面で確かめる

既習の文型との違い

  • 〜ものの(第33課)「経験はないものの、自信はあります」は、前の「経験がない」を事実として認めたうえで後ろを言います。「経験はともかく、自信はあります」は、前のことを良いとも悪いとも言わずに脇に置く言い方です。面接では「ものの」のほうが弱点をはっきり認める感じが強くなる、と2文を並べて聞き比べさせます。
  • 〜といっても(第33課)「といっても」は、前の言葉から相手が思うことを後ろで小さく直す形です(「経験があるといっても、二週間だけです」)。「はともかく」は前を問題にしないので、後ろで前を直すことはしません。学習者が「経験はともかく、二週間だけです」と混ぜたら、前を直したいのか脇に置きたいのかを聞き返します。
関連する文型

学習項目 2 〜からして

意味・はたらき学習項目 2

一つの例を挙げて、「それからしてもうそうなのだから、ほかは言うまでもない」という気持ちを表します。挙げる例は、名前・入口・最初の一歩・いちばん上の人のように、最初に目に入るもの・いちばん基本のもので、そこがもうこうなら全体もそうだ、と分からせます。「この店は看板からして高級そうだ」のように中立の評価にも使えますが、「説明書の一ページ目からして分からない」のように、あきれた・困った・よくない評価を言うことが多い形です。なお「からして」には、「あの表情からして、何か知っているようだ」のように判断の根拠を言う使い方もあり、これは同じ巻の「〜からすると/からすれば」に近い意味です。この課では一例を挙げる使い方を中心に扱います。

接続

N+からして(丁寧には「〜からして〜です」のように、後ろの文で丁寧にする)

形
N からして 〜(あの映画は題名からして怖そうだ)N からして もう〜(一問目からしてもう分からなかった)N からして 〜のだから、〜(社長からしてこうなのだから、社員も…)

導入

  • 入口から全体を想像させる教師が「新しい漢字の教科書を買いました。開いたら、一課の一行目からして読めない漢字ばかりでした」と言い、「この本の最後のほうは、どうでしょうか」と聞く。「もっと難しい」という答えを引き出し、「最初・いちばん簡単なはずのところでもこうだから、全体は言うまでもない」と板書する。
  • 「からすると」と並べる「この結果からすると、来年は合格できそうだ」と「この会社は、受付の態度からして感じが悪い」を並べ、「後ろの文で、受付のほかにも悪いところがありそうですか」と聞く。一例で全体を言う「からして」と、根拠から判断する「からすると」を、黒板の別の箱に置く。

板書案

N + からして 〜(一例 → 全体)
この本は 〔赤〕一ページ目 からして 難しい。
→ ほかのページは 言うまでもない
〔青〕最初・入口・名前・いちばん上の人 を挙げる
〔別の箱〕根拠 → 判断:この結果 からすると、合格できそうだ

場面と発話(自作)

  • 初めてのアルバイト先が忙しすぎて、留学生が友達に話す。あの店は、朝の準備からして大変なんだ。昼の忙しさは想像できるでしょう。
  • 就職の面接で、日本に来たばかりのころの苦労を聞かれた受験者が答える。最初は、駅で切符を買うことからして一人ではできませんでした。
  • 会社員が、同僚と新しく始まった研修について話す。今度の研修は、資料の量からしてほかとは違いますね。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「全体」のカード(新しい仕事・日本の生活・難しい試験・新しい店)と「入口」のカード(最初の日・名前・一問目・入口)を組み合わせ、「〜は、〜からして〜」の一文を作らせる。聞いている学生に「では、ほかのところはどうでしょう」と想像させて一文で返させ、一例から全体を分からせる形だと毎回確かめる。

  1. 口頭教師が「全体」と「入口」の組み合わせを絵か語で見せ、学習者が「〜は〜からして〜」と言う。キューの例は「本/題名」→「この本は題名からして難しそうです」、「店/入口」→「あの店は入口からして高級そうです」、「会社/社長」→「あの会社は社長からして時間に厳しいです」、「試験/一問目」→「今日の試験は一問目からして分かりませんでした」。全体で言ったあと個人に当て、最後に教師が「では、ほかは?」と聞いて全体を想像させる。
  2. ペア情報差の練習。Aは「新しいアルバイト先」「引っ越した町」「新しい先生の授業」などの絵カードを持ち、入口の一点だけを「〜からして〜」でBに伝える。Bは絵を見ずに全体を想像して「じゃあ、〜もきっと〜でしょうね」と返す。Aが絵を見せて答え合わせをし、交替する。
  3. 産出「第一印象スピーチ」。日本に来て最初に驚いた場所や人を一つ選び、「〜は、〜からして〜。」で始まる3〜4文を話す。教師が見るのは、挙げた例が入口・最初・基本のものになっているか、判断の根拠を言う「からすると」と混ざっていないか、後ろが評価の文になっているかの3点。

つまずきと手当て

  • 判断の根拠を言うつもりで、いつも「からして」を使う。「天気予報からして、あしたは雨だろう」は、ふつうは「天気予報からすると/によると」のほうが自然。一例で全体を言う使い方と、根拠から判断する使い方を、上の2文の箱で区別する
  • 全体の一部でもなく、最初でも基本でもない例を挙げる(「このレストランはデザートからしておいしい」)。誤りではないが、デザートが最後に出るものなので「からして」のよさが生きない。名前・入口・最初のもの・いちばん上の人を挙げると座りがよい、と伝える
  • 「〜からといって」と混ぜる(「*名前からといって強そう」)。名詞に直接付けて「名前からして」、と板書で形を固定する

既習の文型との違い

  • 〜からすると/からすれば(第31課)「からすると」は、ある事実や立場を根拠にして判断する形です(「この成績からすると、合格できそうだ」)。この課の「からして」は、一つの例でもうそうなのだから全体も、と分からせる形です。学習者が「天気予報からして、あしたは雨だ」と言ったら、全体のことを言いたいのか判断を言いたいのかを確かめ、判断なら「からすると」に直します。
  • 〜からいうと(第24課)「からいうと」は、ある面から見た評価や比較を言います(「値段の面からいうと、こちらのほうがいい」)。「からして」は「面」ではなく具体的な一つのものを挙げます。「値段からして高い」は「値段からしてもう高いのだから、ほかも…」という意味になり、比較にはなりません。
  • 〜からといって(第33課)「からといって」は、前の理由から当然と思われることを後ろで打ち消す形で、後ろに否定が来ます(「日本人だからといって、敬語が上手なわけではない」)。形も似ているので「*名前からといって」と混ぜやすく、名詞に直接付くのが「からして」だと板書で固定します。
関連する文型

学習項目 3 〜ばかりか

意味・はたらき学習項目 3

「Aばかりか、Bも」で、Aだけでも十分なのに、さらに程度の重いBまであることを表します。「〜だけでなく」と近いですが、後ろのBのほうが意外なこと・程度の重いことで、「も」「まで」「さえ」と一緒に使って驚きや感心を込めることが多い形です。よいこと同士・よくないこと同士のように、AとBは同じ向きのことを並べます。少し改まった、書き言葉寄りの形なので、面接や作文で自分の経験や成果を足していくときに合います。後ろには、命令・依頼・誘い・意志の文はふつう来ません。

接続

Vふつう形/い形ふつう形/な形な・である/N(である)+ばかりか

形
Vる・Vた ばかりか、〜も(休まなかったばかりか、残業まで引き受けた)い形 ばかりか、〜(安いばかりか、品質もいい)な形な ばかりか、〜(便利なばかりか、景色まできれいだ)N ばかりか、N さえ/まで(車ばかりか、自転車さえ持っていなかった)

導入

  • 階段で一段上げる黒板に2段の階段を描き、下の段に「毎日授業に出た」、上の段に「クラスで一番の成績をとった」と書く。教師が「彼は毎日授業に出たばかりか、クラスで一番の成績までとりました」と言い、「上の段は、下の段よりすごいですか」と聞いて、後ろのほうが重いことを確かめる。後ろの「まで」を赤で囲む。
  • 「どころか」と比べる「日本語が上手なばかりか、敬語まで使える」と「日本語が上手などころか、あいさつもできない」を並べ、「この人は日本語が上手ですか」と聞く。前の文は上手で、さらに上、後ろの文は上手とは正反対だと確かめ、同じ巻の後の課で学ぶ「〜どころか」との違いを先に見せておく。

板書案

ふつう形(な形な・Nである)+ ばかりか、〜も/まで/さえ
〔階段の絵〕下の段:毎日授業に出た 上の段:一番の成績をとった
毎日授業に出た ばかりか、一番の成績 〔赤〕まで とった。
〔青〕同じ向き(よい+よい/悪い+悪い)
×後ろに命令・誘い → 「〜だけでなく」に

場面と発話(自作)

  • 就職の面接で、アルバイトの経験を聞かれた留学生が答える。三年間一度も休まなかったばかりか、新しく入った人の指導も任されるようになりました。
  • 引っ越したばかりの会社員が、友達に新しい部屋のことを話す。前の部屋より安いばかりか、駅まで歩いて三分なんです。
  • 台風の翌日、電車が止まって会社に遅れた同僚が説明する。電車が止まったばかりか、バスも満員で乗れませんでした。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

学生に自分の経験を2つずつ書かせ(「毎日日記を書いた」「日本語のスピーチ大会に出た」など)、軽いほうを前、重いほうを後ろにして「〜ばかりか、〜も/まで」の一文にさせる。言えたら前後を入れ替えて言わせ、重いことが前に来ると不自然になることを耳で確かめる。

  1. 口頭階段の絵の下の段と上の段にキューの語を貼り、学習者が「〜ばかりか、〜も/まで〜」と言う。キューの例は「休まなかった/新人の指導も任された」「安い/おいしい」「雨が降った/雷も鳴った」「便利だ/静かだ」「車/自転車(持っていない)」。動詞・い形・な形・名詞を一つずつ入れ、全体→個人で言わせる。な形と名詞のところで「便利なばかりか」「学生であるばかりか」を確かめる。
  2. ペアAとBがそれぞれ自分の経験を2つずつカードに書き、相手に渡す。受け取った側がどちらが重いかを考えて「〜ばかりか」の文にして言い、書いた本人が「そう、そっちのほうがすごいんです」か「逆です」と答える。逆だったら言い直して交替する。
  3. 産出「成果を足す自己PR」。アルバイト・学校・趣味の経験から一つ選び、「〜ばかりか、〜まで〜」を含む自己PRを3文で書いて読む。教師が見るのは、後ろのほうが重いことになっているか、前と後ろが同じ向きか、「*学生なばかりか」のように名詞に「な」が付いていないか、後ろが命令や誘いの文になっていないかの4点。

つまずきと手当て

  • 後ろに命令や誘いを置く(「*日本語ばかりか、英語も勉強しなさい」)。後ろが働きかけの文なら「〜だけでなく」「〜ばかりでなく」を使う、と言い換えを示す
  • 前と後ろが反対の向きのことを並べる(「日本語が上手なばかりか、漢字は全然書けない」)。「ばかりか」は同じ向きのことを足す形なので、反対のことを言うなら「〜どころか」や「〜けれど」にする
  • 名詞に「な」を付ける(「*学生なばかりか」)。名詞は「学生ばかりか」か、改まって「学生であるばかりか」。な形は「便利なばかりか」と、品詞ごとの付き方を表にして確かめる

既習の文型との違い

  • 〜うえに…だ(初中級 第10課)「うえに」も「Aだけでなく、さらにB」を表しますが、AとBを同じ重さで足していく言い方です(「この部屋は広いうえに、明るい」)。「ばかりか」は後ろのほうが意外なこと・重いことで、「も」「まで」「さえ」と一緒に驚きを込めます。後ろが軽いことなら「うえに」のほうが自然だ、と2文を並べて確かめます。
  • 〜も…ば、〜も…(初中級 第5課)「海もあれば山もある」は、2つのことを並べるだけで、どちらが重いかは言いません。「ばかりか」は一つを挙げてから、さらに上を足す、という順番に意味があります。前後を入れ替えても意味が変わらないのが「も…ば、も…」、入れ替えると不自然になるのが「ばかりか」です。
関連する文型

学習項目 4 〜さえ/でさえ

意味・はたらき学習項目 4

極端な例を一つ挙げて、「それでもそうなのだから、ほかは当然だ」と分からせる形です。「水さえ飲めなかった(水のような簡単なものも飲めなかったのだから、食事はもちろん無理だった)」のように、ふつうなら当然できる・当然知っているはずのものを挙げると、状況のきびしさが伝わります。「が」「を」の位置では「が」「を」の代わりに「さえ」を置き、「に」「と」「で」などはそのあとに付けて「親にさえ」「友達とさえ」とします。主語に立つ人やものを挙げるときは「Nでさえ」の形がよく使われ、「専門家でさえ答えられない問題」のように、その人ですらそうなのだから、ほかの人はなおさら、という意味になります。初中級で学んだ「〜さえ…ば…」(それだけあれば十分という条件)とは、同じ「さえ」でも働きが違います。

接続

N(+助詞)+さえ(「が」「を」は消す)/N+でさえ(主語の位置で)/Vます+さえする/Vて+さえ

形
N さえ 〜ない(自分の名前さえ書けなかった)N に/と さえ 〜(家族にさえ言っていない)N でさえ 〜(日本人でさえ間違える敬語)Vます さえ する(悔しくて、泣きさえした)

導入

  • 「も」と比べて強さを見る「熱が出て、ご飯も食べられなかった」と「熱が出て、水さえ飲めなかった」を並べ、「どちらの人のほうが具合が悪いですか」と聞く。水は簡単に飲めるはずのものだと確かめ、「いちばん簡単なものでもだめ → ほかは当然だめ」と板書する。
  • 主語の「でさえ」教師が「この漢字は、日本人の大人でさえ読めない人が多いんです」と言い、「では、日本語を勉強し始めたばかりの人は?」と聞く。「もっと読めない」と答えさせ、主語に立つ人を挙げるときの「でさえ」を、「が」が消えて「でさえ」になる形として板書する。

板書案

N + さえ 〜ない(「が」「を」は消す)
N + に/と + さえ(助詞のあとに) N + でさえ(主語の位置)
熱が出て、〔赤〕水 さえ 飲めなかった。
→ いちばん簡単なものでもだめ → ほかは当然だめ
〔青〕先生 でさえ 読めない漢字
〔別の箱〕時間 さえ あれ ば(条件)

場面と発話(自作)

  • 就職の面接で、日本に来て苦労したことを聞かれた受験者が答える。来たばかりのころは、コンビニで「温めますか」と聞かれる意味さえ分かりませんでした。
  • 大学の新入生が、先輩に統計の授業のことを相談する。数学が得意な人でさえ難しいと言っているので、すごく心配なんです。
  • 留学を決めた学生が、先生に家族の反応を話す。反対されると思って、まだ両親にさえ話していないんです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「状況」のカード(来日一週間目・高い熱が出た日・初めての職場)を引かせ、「〜さえ〜なかった」でそのときのきびしさを言わせる。次に「専門家・先生・ネイティブ」のカードで「〜でさえ〜」の文を作らせ、最後に同じ学生に「今はどうですか」と聞いて、成長を言う面接の答えにつなげる。

  1. 口頭状況の絵(高い熱・来日初日・停電)と、ものの語カード(水・駅の名前・電気)を組み合わせて見せ、学習者が「〜さえ〜なかった」と言う。キューの例は「熱/水」→「水さえ飲めませんでした」、「来日初日/駅の名前」→「駅の名前さえ読めませんでした」、「秘密/親」→「親にさえ話していません」。次に人のカード(専門家・先生・日本人)で「〜でさえ〜」の文にする。全体→個人で、助詞つきのキューを必ず入れる。
  2. ペア「苦労インタビュー」。Aが「日本に来てすぐのころ、いちばん困ったことは何ですか」と聞き、Bは「〜さえ〜なかった」で答える。Aは「今はどうですか」と聞き返し、Bは今できるようになったことを言う。役を交替して2回行う。
  3. 産出「ビフォー・アフター作文」。来日直後にできなかったことを「〜さえ」で、今できることをそのあとに書き、4文で対比する。教師が見るのは、「が」「を」を残していないか、「にさえ」「とさえ」の順番、挙げた例が簡単なはずのものになっているか、「さえ…ば」と混ざっていないかの4点。

つまずきと手当て

  • 「が」「を」を残す(「*子供がさえ知っている」)。「が」「を」は消して「子供さえ」「子供でさえ」にする。「水をさえ」と書く文章もあるが、ふつうは「水さえ」と教える
  • ほかの助詞の前に「さえ」を置く(「*両親さえに話していない」)。助詞のあとに付けて「両親にさえ」、と板書の順番を固定する
  • 初中級の「〜さえ…ば」と混ぜる。「時間さえあれば行ける」は、それだけあれば十分という条件で、極端な例ではない。「さえ」の後ろに「ば」があるか、「ない」などで状況のきびしさを言っているかを見て区別させる

既習の文型との違い

  • 〜さえ…ば…(初中級 第13課/中級 第34課)「さえ…ば」は、それだけあれば十分だという条件を言います(「時間さえあれば、行ける」)。この課の「さえ」は、極端な例を一つ挙げて状況のきびしさを言う形で、後ろに「ば」は来ず、「〜ない」「〜できなかった」が来やすくなります。同じ「さえ」でも、後ろに「ば」があるかどうかで働きが違う、と板書の箱を分けて見せます。
  • 〜こそ(第21課)「こそ」は「ほかではなく、これだ」と一つを強く選び出す形です(「今年こそ合格したい」)。「さえ」は、ふつうなら当然のものを挙げて「それでも」と言うので、選び出す「こそ」とは向きが違います。学習者が強調のつもりで「さえ」と「こそ」を入れ替えたら、一つを選び出したいのか、極端な例を挙げたいのかを聞き返します。
関連する文型

学習項目 5 〜をはじめ/はじめとして

意味・はたらき学習項目 5

初中級で学んだ「〜をはじめ」の続きです。いちばん代表的な例を一つ挙げて、それを含む全体へ話を広げる形で、「Aをはじめ、Bなど(多くの〜・〜全員)」のように、後ろには必ずAを含んだグループ全体が来ます。「〜をはじめとして」は少し改まった言い方で、名詞の前では「〜をはじめとする(をはじめとした)N」の形になります。挙げる例は、その中で目立つもの・中心になるもの(社長・首都・代表的な料理など)が自然です。改まった形なので、面接で自分の関わった仕事や人の広がりを説明したり、あいさつやスピーチで関係者を挙げたりする場面で使われます。

接続

N+をはじめ(として)、〜/N+をはじめとする(をはじめとした)+N

形
N をはじめ、N など 〜(店長をはじめ、多くの方にお世話になりました)N をはじめとして、〜(改まった言い方)N をはじめとする N(東京をはじめとする大都市)N をはじめ、〜全員/みんな

導入

  • 初中級の形を思い出してから広げる学生に「あなたの国の有名な料理は」と聞き、出た答えで「〜をはじめ、いろいろな料理が有名です」と言わせて初中級の形を思い出させる。続けて教師が「タイ料理をはじめとするアジアの料理が好きです」と言い、名詞の前では「をはじめとする」になることを、矢印で後ろの名詞につないで板書する。
  • 代表と全体を円で描く大きな円に「研究室の人」、中の目立つ位置に小さな円で「先生」と書き、「先生をはじめ、研究室のみなさんにお世話になりました」と言う。小さな円だけでは文が終わらず、後ろに大きな円を言う語が必要だと、円を指でなぞりながら確かめる。

板書案

N + をはじめ(として)、〜など/多くの〜/〜全員
N + をはじめとする(をはじめとした)+ N
〔円の絵〕中の小さな円:店長 大きな円:職場のみなさん
〔赤〕店長 をはじめ、職場のみなさん に お世話になりました。
〔矢印〕東京 をはじめとする → 〔青〕大都市

場面と発話(自作)

  • 就職の面接で、アルバイトで学んだことを聞かれた留学生が答える。店長をはじめ、職場のみなさんから、日本の接客の基本を教えていただきました。
  • 会社の自己紹介シートに、これまでの経験を書く。通訳をはじめとして、翻訳や観光案内など、言葉を使う仕事を幅広く経験してきました。
  • 大学の留学生センターの職員が、新入生向けの説明会で話す。この大学には、ベトナムをはじめとするアジアの国々から、多くの留学生が来ています。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「代表」と「全体」の組み合わせを考えさせる(店長/職場のみなさん、首都/大都市、日本語/外国語)。まず「〜をはじめ、〜など」で文を作らせ、次に同じ内容を「〜をはじめとする〜」で名詞の前に置き直させる。最後に面接の「これまでお世話になった人」の答えとして一文で言わせる。

  1. 口頭円の絵の中に代表、外に全体を書いたキューを見せ、学習者が「〜をはじめ、〜」で言う。キューの例は「店長/職場のみなさん」「東京/日本の大都市」「すし/日本料理」「サッカー/いろいろなスポーツ」。全体→個人で言ったあと、同じキューを「〜をはじめとする〜」に言い換えさせ、名詞の前の形を固める。
  2. ペアAが分野のカード(スポーツ・料理・祭り・町)を引き、Bに自分の国で代表的なものを「〜をはじめ、〜など」で紹介する。Bは聞いた内容を「〜をはじめとする〜が有名なんですね」と名詞の前の形でまとめて言い返す。交替して2枚ずつ行う。
  3. 産出「お礼のスピーチ」。アルバイトを辞める・学校を卒業する場面を決め、「〜をはじめ、〜のみなさん」を入れたお礼のあいさつを30秒で言う。教師が見るのは、後ろにグループ全体を言う語があるか、名詞の前で「をはじめとする」になっているか、代表としていちばん目立つ人やものを挙げているかの3点。

つまずきと手当て

  • 名詞の前に「をはじめとして」をそのまま置く(「*日本料理をはじめとして料理」)。名詞の前は「をはじめとする(をはじめとした)」、と矢印の板書に戻す
  • 後ろにグループ全体を言う語がない(「先生をはじめ、お世話になりました」)。後ろに「研究室のみなさんに」「多くの方に」のような全体を必ず入れる、と円の絵で確かめる
  • 一つしかないものを挙げて終わる、または目立たない例を挙げる。代表として挙げるのは、その中でいちばん目立つもの・中心のものだと伝え、「はじめ」を「最初」の意味の「はじめに」と混ぜないようにも注意する

既習の文型との違い

  • 〜をはじめ…(初中級 第9課)初中級では「〜をはじめ、〜など」で代表を挙げて並べる形を学びました。この課では、少し改まった「〜をはじめとして」と、名詞の前に置く「〜をはじめとする」を足します。学習者が「*日本料理をはじめとして料理」のように名詞の前に「として」のまま置いたら、矢印の板書に戻します。
  • 〜を中心に…(初中級 第19課)「を中心に」は、それを真ん中にしてまわりが集まる・動く様子を言います(「駅を中心に町が広がっている」)。「をはじめ」は、グループの中から目立つものを一つ先に挙げるだけで、まわりが集まる意味はありません。お礼の場面で人を挙げるなら「店長を中心に」より「店長をはじめ」が自然だ、と確かめます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の言葉は、面接や自己PRで使う言葉(長所・短所・経験・自信・任される・指導する・お世話になる など)を中心に板書し、それぞれを5つの形のどれかに入れた一文にしてカードを作っておくと、目標の活動でそのまま使えます。経験や苦労を言う語は「〜さえ〜なかった」「〜ばかりか〜も」の形で、人やものの範囲を言う語は「〜をはじめ、〜など」の形で覚えさせます。

この課の練習で使う語(10語・意味・連語・例文)

  • 長所(ちょうしょ) その人やものの、よいところです。 〜を生かす・自分の〜
    就職の面接で、面接官に聞かれる。
    体力はともかく、最後まであきらめないのが私の長所です。
  • 短所(たんしょ) その人やものの、よくないところ、足りないところです。 〜を直す・〜を認める
    面接の準備をしている留学生が、先生に相談する。
    短所はともかく、長所は三つ言えるようにしておきたいです。
  • 自信(じしん) 自分にはできる、と強く思う気持ちです。 〜がある・〜を持つ・〜をなくす
    アルバイトの面接で、経験を聞かれて答える。
    接客の経験はともかく、体力には自信があります。
  • 苦労する(くろうする) うまくいかなくて、たくさん大変な思いをします。 〜した経験・生活に〜
    面接で、日本に来たころのことを聞かれる。
    最初は、ごみの出し方さえ分からなくて苦労しました。
  • 任される(まかされる) 大事な仕事を、自分で考えてやるように頼まれます。 仕事を〜・店を〜
    アルバイトの経験を自己PRシートに書く。
    一度も休まなかったばかりか、夜の店も任されるようになりました。
  • 指導する(しどうする) 知らない人に、やり方を教えて、できるようにします。 新人を〜・後輩に〜
    面接で、アルバイトで学んだことを話す。
    二年目からは、新しく入った人を指導する係になりました。
  • お世話になる(おせわになる) ほかの人に助けてもらったり、いろいろしてもらったりします。 先生に〜・大変〜りました
    アルバイトを辞める日に、職場であいさつをする。
    店長をはじめ、みなさんには本当にお世話になりました。
  • 幅広い(はばひろい) 関わることの種類や範囲が、とても広いようすです。 〜経験・〜知識・〜年代
    会社の面接で、これまでの仕事を説明する。
    通訳をはじめとして、幅広い仕事を経験してきました。
  • 成果(せいか) 努力や仕事をして、できあがったよい結果です。 〜を出す・〜が上がる
    大学院の面接で、研究について聞かれる。
    成果が出るかどうかはともかく、この研究を続けたいと思っています。
  • 想像する(そうぞうする) 見ていないことや知らないことを、頭の中で思い浮かべます。 〜できない・〜以上に
    友達に、新しいアルバイト先の忙しさを話す。
    朝の準備からしてあの量だから、昼の忙しさは想像できるでしょう。

宿題と次のコマ

宿題は、自分が受けたい(または受けたことのある)面接を一つ想定し、「長所」「苦労したこと」「これまでの経験」の3つの質問への答えを、それぞれ2〜3文で書くこと。答え全体で5つの形のうち3つ以上を使い、「〜はともかく」は弱点を認める場面、「〜さえ」「〜からして」は苦労を伝える場面、「〜ばかりか」「〜をはじめ」は経験や成果を広げる場面で使わせる。次のコマの最初に何人かに面接の答えとして声に出して言わせ、聞いた学生が、どの例が「脇に置く」「一例で全体を分からせる」「足す・広げる」のどれだったかを言って振り返ります。

よくある質問

  • 第38課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目で「〜はともかく」「〜からして」「〜さえ/でさえ」まで、2コマ目で「〜ばかりか」「〜をはじめ/はじめとして」と5つの形の整理、模擬面接を行います。初中級の「〜をはじめ」と「〜さえ…ば」が定着していないクラスでは、2コマ目の最初に5分ほど思い出す時間をとると整理がしやすくなります。

  • 「〜からして」と「〜からすると」の違いは何ですか?

    「からして」は一つの例を挙げて、それでもうそうなのだから全体も、と分からせる形です。「からすると」は、ある事実や立場を根拠にして判断する形です。「この会社は受付の態度からして感じが悪い」と「この成績からすると合格できそうだ」を並べ、後ろの文がほかの部分のことを言っているか、判断を言っているかで区別させます。

  • 「〜ばかりか」と「〜どころか」はどう教え分けますか?

    「ばかりか」は前と同じ向きのことを、さらに重くして足す形です。「どころか」は第39課で学ぶ形で、前に言ったことを強く打ち消して、実際は程度がもっと違う、または正反対だと言うときに使います。この課では「日本語が上手なばかりか、敬語まで使える」と「上手などころか、あいさつもできない」を並べ、「この人は日本語が上手ですか」と聞くだけにして、詳しい使い分けは第39課に回します。

  • 「〜さえ」と「〜さえ…ば」はどう区別させればいいですか?

    後ろに「ば」があるかどうかを見させます。「時間さえあれば行ける」は、それだけで十分という条件です。この課の「水さえ飲めなかった」は、簡単なはずのものを挙げて状況のきびしさを言う形で、後ろに「ない」「できなかった」が来やすくなります。板書で箱を分け、学習者が作った文をどちらの箱に入れるかを言わせると区別が定着します。

  • 5つの形の板書はどう組めばいいですか?

    黒板を3つの箱に分け、「脇に置く(はともかく)」「極端な一例で全体を分からせる(からして・さえ/でさえ)」「足す・広げる(ばかりか・をはじめ)」と見出しを付けます。各形を導入するたびに接続の形と例文を1つずつその箱に書き足し、最後の整理で同じ経験を5つの形で言い直させて、箱に振り分けさせます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。