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学ぼう!にほんご 初中級 第10課「私はよく男っぽい性格だと言われます」の教案

『学ぼう!にほんご 初中級』

人や物を、相手の頭に絵が浮かぶように描写し、紹介することが目標の課です。この課では、自分の性格を言う、知り合いを人に紹介する、持ち物やお店の様子を説明する、といった場面が中心になります。紹介が「いい人です」「きれいです」だけで終わると相手には何も浮かばないので、この課では性質の傾向(〜っぽい)・同じ向きの評価の重ね方(〜うえに)・たとえ(〜のようだ)・見た様子(〜そうです)で説明に厚みを出し、「あの人がうそをつくわけがない」のように人柄を請け合う強い否定(〜わけがない)も加えます。五つの形はどれも話し手の評価や印象を言う形なので、事実を言う文と組み合わせて、言い過ぎにも失礼にもならない紹介に仕上げるのが芯です。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目5時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「〜っぽい」で人や物の性質・色・すぐそうなる傾向を言い、よくない響きになりやすいことと、「男らしい」のような「らしい」との違いが分かる
  • 「〜うえに」で、よい点とよい点・困った点と困った点のように同じ向きの評価を重ねて、紹介や説明に厚みを出せる
  • 「〜わけがない」で、人柄や事情を根拠に強く否定でき、初級Ⅱの「〜はずがありません」と近い意味であることと、響きの強さの違いが分かる
  • 「〜のようだ」(本当ではないたとえ)と「〜そうです」(本当にそうかもしれない見た様子)を言い分けて、人や物を描写・紹介できる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(目標の場面)10分教師が自分の友人を言葉だけで二通りに紹介する。一つは「いい人です。やさしいです。」だけ、もう一つは性格の傾向・よい点の重ね・たとえを入れた紹介。学生に「どちらの人に会ってみたくなりますか」と聞き、この課は人や物を描写して紹介する課だと予告する。学生にも家族や友達を一言で言ってもらい、出た形容詞を黒板の端に残しておく
学習項目1 〜っぽい…25分黒板に残った性格の言葉の横に「忘れっぽい」「子どもっぽい」「白っぽい」を足し、動詞のます形・名詞・色の三段で板書する。子どもが子どもらしい絵と大人が子どもっぽい絵を並べて「らしい」との違いを見せる
学習項目2 〜うえに…だ25分紹介したい人のよい点を二つ挙げさせて「〜うえに、〜も」でつなぐ。困った点二つも同じ形で。板書に++/−−の印を付け、+と−をつなぐときは「けれど」になることを見せる
学習項目3 〜わけがない25分紹介した友達がうわさで疑われる場面を作り、「あの人が〜わけがない」とかばう言い方として導入。初級Ⅱの「〜はずがありません」と同じ文を二通りに言わせ、第4課の「〜わけにはいかない」との違いも確かめる
学習項目4・5 〜のようだ/〜そうです35分景色や人物のイラストで、左に「まるで〜のようだ」(本当ではないたとえ)、右に「〜そうだ」(今にも起こりそう・見た感じ)を板書して対比する。初級Ⅱの推量の「〜ようです」、第7課の伝聞の「〜そうだ」とも並べて、形と意味の違いを整理する
目標の活動(他己紹介)30分ペアで3分ずつインタビューし、相手をクラスに紹介する。五つの形のうち三つ以上を使う決まりにし、聞いた人は「どの言葉でその人の様子が浮かんだか」を一つ言う
目標の活動(物の紹介)20分自分の持ち物か好きな店を、名前を言わずに「〜のような」「〜そうな」「〜うえに」で説明し、クラスが何かを当てる。フリーマーケットの売り手役になって、品物を客に勧めるロールプレイに広げてもよい
まとめ10分「っぽい」と「らしい」、「わけがない」と「はずがない」、「のようだ」と「そうです」の三組を、短い文を2問ずつ選ばせて確かめる。他人の紹介でよくない響きの語(子どもっぽい・怒りっぽい)をどう言い換えるかも一言で振り返る

学習項目 1 〜っぽい…

意味・はたらき学習項目 1

名詞や動詞のます形などについて、「〜の感じがする」「〜の傾向が強い」という性質を表し、全体で一つのい形容詞として活用します。使い方は大きく三つで、①人の性格や様子が〜のように感じられる(子どもっぽい・大人っぽい・男っぽい)、②色や成分が〜に近い・多い(白っぽい・水っぽい)、③動詞のます形について、すぐ〜してしまう傾向がある(忘れっぽい・怒りっぽい・飽きっぽい)です。よくない評価の響きを持つことが多く(子どもっぽい・安っぽい・水っぽい・怒りっぽい)、ほめる意味で使うのは「大人っぽい」などに限られます。「男らしい」「子どもらしい」の「らしい」は、その人や物が本来の性質を十分に持っていることを言うのに対し、「っぽい」はそうではないのに〜に似て見えることや、その性質が強く出ていることを言う場合が多い、と対比すると分かりやすくなります。

接続

N+っぽい(子どもっぽい・白っぽい)/Vます形+っぽい(忘れっぽい)/い形容詞の語幹+っぽい(安っぽい)。い形容詞と同じように活用する(〜っぽくない・〜っぽかった・〜っぽさ)

形
Nっぽい(子どもっぽい・大人っぽい・男っぽい)色・味のNっぽい(白っぽい・水っぽい)Vます+っぽい(忘れっぽい・怒りっぽい・飽きっぽい)〜っぽいN/〜っぽく見える(子どもっぽい服・大人っぽく見える)

導入

  • 教師の欠点から三段の板書へ導入で黒板の端に残した性格の言葉の横で、教師が「わたしは忘れっぽくて、よくかさを電車に置いてきます」と話し、「忘れっぽい」は「すぐ忘れる」ことだと学生から引き出す。続けて「怒りっぽい」「飽きっぽい」を出して、動詞のます形+っぽい の段を板書する。次に「大人なのに、子どものようなことで泣いたり怒ったりする人」を説明させて「子どもっぽい」、白とうすい灰色の間の色紙を見せて「白っぽい」へ進み、名詞・色の段を足して三段にする。
  • 「らしい」と二枚の絵で比べる小学生が公園ではしゃいでいる絵と、大人が同じようにはしゃいでいる絵を並べ、前者に「子どもらしい」、後者に「子どもっぽい」と書く。「どちらがほめていますか」と聞き、「っぽい」はそうではない人が〜に似て見えるときに使うことが多く、よくない響きになりやすいと確かめる。初級Ⅱで習った推量の「〜らしいです」とは別の「らしい」だと一言添える。

板書案

N/Vます/い形の語幹 + っぽい(い形容詞になる)
〔赤〕忘れっぽい・怒りっぽい 〔青〕子どもっぽい・大人っぽい 〔緑〕白っぽい・水っぽい
わたしは忘れっぽいので、いつもメモを書きます。
〔絵2枚〕子ども→子どもらしい(ほめる)/大人→子どもっぽい(よくない響き)
活用:〜っぽくない・〜っぽかった・〜っぽい服・〜っぽく見える

場面と発話(自作)

  • 新しいクラスの自己紹介で、留学生が自分の弱いところを笑いながら付け加える。わたしは飽きっぽいので、趣味が毎年変わります。
  • 服を買いに来た客が、店員に勧められたシャツを鏡の前で合わせて、少し迷う。この色だと、ちょっと子どもっぽく見えませんか。
  • 料理教室で、生徒のスープを味見した先生が、直し方を言う。少し水っぽいですね。もう少し煮てみてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず、教師が「すぐ忘れる」「すぐ怒る」「白に近い色」「大人なのに子どものよう」のような説明を言い、学生が「〜っぽい」の語で答える。次に、学生が自分の性格を「〜っぽい」で一つ言い、それが困ることか、いいことかを一文添える。最後に、他人を紹介する文で「子どもっぽい」「怒りっぽい」を使わずに言い換える練習を入れる。

  1. 口頭教師が説明のカードを読み、学生が「〜っぽい」の一語で答える。キューは「すぐ忘れる」→忘れっぽい、「すぐ怒る」→怒りっぽい、「すぐ飽きる」→飽きっぽい、「白に近い色」→白っぽい、「水が多くて味がうすい」→水っぽい、「大人なのに子どものよう」→子どもっぽい。全体→列ごと→個人の順で。2巡目は同じカードで「この服は子どもっぽくない」「スープが水っぽかった」のように否定・過去に変えさせ、い形容詞として活用することを口で確かめる。
  2. ペア性格の説明カードを伏せて重ね、Aが1枚引いて、その性格の人がよくすることを「〜さんは、かぎをよくなくします」のように事例だけで言い、Bが「忘れっぽい人ですね」と当てる。5枚で役を交替する。当たったカードごとに、その語を他人の紹介で使うなら何と言い換えるか(怒りっぽい→はっきりしている、など)を二人で一つ決めてメモさせる。
  3. 産出「わたしの“っぽい”自己紹介」。自分の性格を「〜っぽい」で一つ言い、それで困ったことを「〜て、…ました」で一文、気をつけていることを一文足して、3文で話す。聞いた人は一つ質問する。教師が見るのは、名詞のような活用(*っぽいな)になっていないか、「らしい」と取り違えていないか、他人について悪口に聞こえる語を使っていないかの3点。

つまずきと手当て

  • 目上の人や初対面の人を紹介するときに「子どもっぽい」「怒りっぽい」を使って、悪口に聞こえる。文法の誤りではないが、よくない評価に聞こえやすい語なので、他人には「若々しい」「元気な」などに言い換えさせる。自分の欠点を言うときに使うのは自然
  • 「らしい」と「っぽい」を取り違えて、言いたいことと響きがずれる(男性をほめるつもりで「男っぽい」、ほめるつもりで「先生っぽい話し方」と言う)。二枚の絵の板書に戻り、「本来そうであるか」「そうではないのに似ているか」で選ばせる
  • 名詞のように活用させる(*子どもっぽいな服・*子どもっぽいではない)。「っぽい」はい形容詞なので、名詞の前は「子どもっぽい服」、否定は「子どもっぽくない」と、い形容詞の活用表に並べて確かめる
  • 課の題の「男っぽい」「女っぽい」は、使い方によっては性別で性格を決めつける言い方と受け取られる。自分について言うのは問題ないが、他人の紹介では「さっぱりした性格」「はっきり意見を言う人」のように中身で言う方法も示しておく

既習の文型との違い

  • 〜らしいです(初級Ⅱ 第33課)初級Ⅱの「〜らしいです」は、聞いた話や様子から考えた推量で、「あしたは雨らしいです」のように文の終わりに付きます。この課の「〜っぽい」は語に付いて一つのい形容詞を作る形で、推量の意味はありません。「男っぽい」と、名詞に付いて本来の性質を言う「男らしい」も別の語なので、推量の「らしい」と合わせて三つを板書で分けておきます。
  • 〜気味(第2課)第2課の「〜気味」(風邪気味・疲れ気味)は「少しその傾向が出ている」ことを言い、体の調子や一時的な状態に使うことが多い形です。「〜っぽい」は性格や色のように、その人や物にいつもある性質にも使えます。体の調子なら「熱っぽい」と「風邪気味」はどちらも言えますが、性格を言うときは「忘れ気味な性格」とはあまり言わず、「忘れっぽい性格」と言います。
関連する文型

学習項目 2 〜うえに…だ

意味・はたらき学習項目 2

ある事がらに、同じ向きの事がらをもう一つ重ねて、「それだけでなく、さらに」と言う形です。よい点によい点を重ねる(安いうえに、おいしい)か、困った点に困った点を重ねる(狭いうえに、駅から遠い)のが基本で、重ねることで評価がいっそう強くなります。初級Ⅰの「〜し、…し」より少しかたい響きで、後ろの文に「〜も」が入ることが多いです。題の「…だ」が示すように、後ろには様子や評価を言う文が来て、「〜てください」「〜ましょう」のような相手への働きかけは来ません。

接続

普通形+うえに(な形容詞は「な」:親切なうえに。名詞は「である」:医者であるうえに。「Nのうえに」は場所の「上に」と紛れやすいので、教室では「である」で教える)

形
い形+うえに、〜も…(安いうえに、量も多い)な形+なうえに(親切なうえに、仕事も速い)Nであるうえに(医者であるうえに、作家でもある)Vた+うえに(道に迷ったうえに、雨にも降られた)

導入

  • 紹介したい人のよい点を二つ学生に、友達か家族を一人思い浮かべてもらい、その人のよいところを二つ言わせる。「やさしい」「料理が上手」が出たら、教師が「〜さんのお姉さんは、やさしいうえに、料理も上手なんですね」と受けて板書し、後ろに「も」が入ることに印を付ける。何人かの答えで同じ枠を使い、「し」で言うよりも「その人はすごい」という気持ちが強く出ることを感じさせる。
  • ++と−−の印で向きを見せる引っ越し先の部屋の条件カード(駅から近い・家賃が安い・狭い・日当たりが悪い)を黒板に貼り、+と−の印を付ける。+どうし、−どうしを「うえに」でつながせたあと、教師が+と−を「駅から近いうえに、狭い」とつないで見せて止める。学生が「よいのか悪いのか分からない」と感じたところで、向きが違うときは「近いけれど、狭い」と言うことを板書の下段に書く。

板書案

普通形 + うえに、〜も …(同じ向きを重ねる)
〔赤〕な形→なうえに N→であるうえに
この店は安いうえに、料理もおいしい。(++)
あの部屋は狭いうえに、駅からも遠い。(−−)
〔青〕+と−は「〜けれど」:駅から近いけれど、狭い

場面と発話(自作)

  • 引っ越したばかりの会社員が、同僚に新しい部屋のことを聞かれて答える。駅から近いうえに、家賃も安いんです。
  • アルバイト先で、留学生が新しく入った人に先輩を紹介する。高橋さんは仕事が速いうえに、教え方も上手だから、何でも聞くといいよ。
  • 旅行から帰った人が、友達に感想を聞かれて答える。雨が続いたうえに、ホテルの部屋も寒くて、大変な旅行でした。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず、+と−の印の付いた条件カードを2枚ずつ出し、同じ向きなら「〜うえに、〜も」でつなぎ、違う向きなら「〜けれど」でつなぐ判断をさせる。次に、お店・アパート・アルバイト先のどれかを選んで、よい点を重ねて勧める文を言わせ、勧めの言葉は「〜ので、おすすめです」と文を分けて言わせる。

  1. 口頭+か−の印の付いた条件カードを2枚ずつ見せ、学生が「〜うえに、〜も〜」でつなぐ。キューは「安い+・量が多い+」「親切な+・仕事が速い+」「狭い−・暗い−」「道に迷った−・雨が降った−」「医者である+・料理が上手+」。全体→個人。途中に+と−の組み合わせを混ぜ、学生が自分で「けれど」に切り替えられるかを見る。な形容詞と名詞のカードは接続を言い直させてから次へ進む。
  2. ペア部屋さがしの情報差の練習。Aは不動産屋の店員で、よい点と困った点が書いてある物件カードを2枚持つ。Bは客で、自分の希望(駅から近い・安い など)を言う。Aは「この部屋は〜うえに、〜もいいですよ」と勧め、Bは「困ったところはありますか」と聞いて困った点を聞き出し、「〜うえに、〜もなんですね」と確かめる。カードを替えて役を交替する。
  3. 産出「推しの店プレゼン」。自分がよく行く店を一つ選び、よい点を「〜うえに」で重ねて30秒で勧める。最後の勧めの一言は「〜ので、ぜひ行ってみてください」と文を分けて言う。聞き手は行ってみたいかを手で示す。教師が見るのは、+と−を「うえに」で混ぜていないか、後ろに「〜てください」をつないでいないか、な形容詞・名詞の接続の3点。

つまずきと手当て

  • よい点と困った点を重ねる(例:この部屋は広いうえに、家賃が高い)。形は作れても、聞き手は「家賃が高いのもよい点なのか」と迷う。向きの違う事がらをつなぐのは「〜けれど」「〜が」だと、+−の板書に戻って確かめる
  • 後ろに働きかけの文を置く(*このパソコンは軽いうえに、ぜひ使ってみてください)。後ろは様子・評価の文にし、勧めたいときは「軽いうえに丈夫なので、おすすめです」のように理由として一度まとめてから言わせる
  • 接続の誤り(*親切うえに・*学生うえに)。な形容詞は「な」、名詞は「である」を入れる。また中級で出る「〜上で」(〜してから・〜するときに)と混ぜる学生には、「うえで」は順番や場面、「うえに」は重ねる、と板書で分けておく

既習の文型との違い

  • 〜し、…し、―/〜し、…から、―(初級Ⅰ 第19課)「〜し、〜し」は特徴や理由をいくつでも気軽に並べる形で、会話では軽い響きです。「〜うえに」は二つの事がらを同じ向きで重ね、「それだけでなく、さらに」という強めの気持ちが出る、少し改まった形です。学生が「安いうえに、近いうえに、広い」と三つ以上つなげたら、たくさん並べるときは「し」が自然だと戻します。
  • 〜も…ば、〜も…(第5課)第5課の「〜も〜ば、〜も〜」は「湖もあれば、山もある」のように、違う種類のものがいろいろそろっていることを並べて言う形でした。「〜うえに」は一つの評価にもう一つ同じ向きの評価を足して、その評価を強める形です。町の紹介で、楽しめるものが多いと言うなら第5課の形、ある店のよさを重ねて推すならこの課の形、と場面で分けさせます。
関連する文型

学習項目 3 〜わけがない

意味・はたらき学習項目 3

「〜という理由や可能性はまったくない」と、話し手が強く否定する判断を表します。人柄や事情をよく知っていて「そんなことはありえない」と請け合うときに使い、紹介の場面では「あの人がうそをつくわけがない」のように、その人への信頼を言い表すことができます。初級Ⅱの「〜はずがありません」とほぼ同じ意味で、たいていは置き換えられますが、「はずがない」は根拠から考えた結論として落ち着いた響き、「わけがない」は気持ちのこもった強い響きになりやすい、という傾向があります。「〜ないわけがない」と否定を重ねると「必ず〜だ」という強い肯定になります。

接続

普通形+わけがない(な形容詞は「な」:簡単なわけがない。名詞は「の/である」:本物のわけがない。話し言葉では「わけない」「〜わけないでしょう」と短くなる)

形
普通形+わけがない(来るわけがない・高いわけがない)そんな〜わけがない(そんなことを言うわけがない)〜ないわけがない(=必ず〜だ:知らないわけがない)話し言葉 〜わけないよ/〜わけないでしょう

導入

  • 紹介した人がうわさで疑われる導入で学生が紹介した友達を例に、教師が「その人、きのうの約束を忘れたらしいですよ」とわざとうわさを言う。学生が「まさか」と反応したところで、「〜さんは時間にきびしい人だから、約束を忘れるわけがない」と板書し、前半の人柄(根拠)と後半の強い否定がセットになっていることに線を引く。何人かに自分の友達をかばう文を言わせる。
  • 「はずがありません」と並べる初級Ⅱの「〜はずがありません」を思い出させ、同じ文を二通りに言わせて、意味はほとんど同じだと確かめる。そのあと教師が「あんなにやさしい人が怒るわけないよ!」と気持ちをこめて言い、強く言い切りたい場面では「わけがない」が自然に聞こえやすいことを耳で感じさせる。板書の下に第4課の「〜わけにはいかない」を小さく書き、似た形でも意味が違うことを予告しておく。

板書案

普通形 + わけがない(な形→な/N→の・である)
根拠(〜だから)+ 〜わけがない
石川さんはまじめだから、うそをつくわけがない。
〔青〕≒ 〜はずがありません(初級Ⅱ) 〔赤〕≠ 〜わけにはいかない(第4課)
〔緑〕〜ないわけがない = 必ず〜だ

場面と発話(自作)

  • 同僚が、新しく入った社員のことを「もう辞めたいらしい」とうわさしている。その人をよく知る社員が言う。山本さんは今の仕事が好きだから、そんなに早く辞めるわけがありませんよ。
  • 古道具屋で千円の指輪を見つけた友達が「本物の金かも」と喜んでいる。千円だよ。本物の金のわけがないよ。
  • 先輩に「駅前のパン屋、知ってる?」と聞かれた留学生が、毎朝その店で買っていると答える。毎朝あそこで買っていますから、知らないわけがありませんよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず、教師が「あの人は〜らしい」とうわさを言い、学生が「〜だから、〜わけがない」と根拠を付けて打ち消す。根拠を言わずに否定だけした場合は、「どうしてそう思うの?」と聞き返して根拠を足させる。次に、同じ文を「はずがありません」でも言い、目上の人に言うときはどちらの形で、どこまで丁寧にするかを選ばせる。

  1. 口頭教師がうわさのカードを読み、学生が根拠を付けて打ち消す。キューは「石川さんが約束を忘れたらしい(時間にきびしい人)」→忘れるわけがない、「千円の指輪が金らしい」→本物の金のわけがない、「この問題はかんたんらしい(先生も時間がかかった)」→かんたんなわけがない、「先生がこの漢字を知らないらしい」→知らないわけがない。全体→個人。2巡目は同じキューを「〜はずがありません」で言い換えさせ、意味がほぼ同じであることを口で確かめる。
  2. ペアAはうわさのカード(友達についてのうわさ)、Bはその友達の人柄カード(料理が得意・毎朝走っている など)を持つ。Aがうわさを言い、Bは自分のカードの情報だけを根拠にして「〜だから、〜わけがないよ」とかばう。根拠を言わずに否定したら、Aが「どうして?」と聞き返す決まりにする。3枚ずつで役を交替する。
  3. 産出「その人、そんな人じゃない!ロールプレイ」。自分の家族か友達を一人決め、相手役がうそのうわさを言う。根拠を二つ挙げてかばい、最後を「〜わけがない」で締める。目上の人が言ったうわさに答える版も一度やる。教師が見るのは、根拠が前に置かれているか、な形容詞・名詞の接続、目上に「〜わけないでしょう」を使っていないかの3点。

つまずきと手当て

  • 接続の誤り(*簡単わけがない・*本物わけがない)。な形容詞は「な」、名詞は「の/である」を入れる
  • 第4課の「〜わけにはいかない」と混ぜる(例:あしたは試験だから、学校を休むわけがない)。形は正しいが、「休む可能性はない」という判断になり、「事情があって休めない」と言いたいなら「休むわけにはいかない」。判断か、話し手の事情かで分ける
  • 目上の人や丁寧な場面で「〜わけないでしょう」と言い、相手を責めているように聞こえる。目上には「〜わけがありません」「〜はずがありません」と言わせ、「でしょう」を付けた形は親しい相手への反論だと示す
  • 根拠なしに他人を強く否定して、決めつけに聞こえる。紹介や反論では「〜だから」と人柄や事情の根拠を前に置く形で練習させる

既習の文型との違い

  • 〜はずがありません(初級Ⅱ 第33課)意味はほぼ同じで、多くの文は置き換えられます。「はずがない」は根拠から考えた結論として落ち着いて聞こえ、「わけがない」は気持ちがこもって強く言い切る響きになりやすい、という傾向の違いです。目上の人への反論や改まった場面では「〜はずがありません」のほうが無難だと示しておきます。
  • 〜わけにはいかない(第4課)第4課の「〜わけにはいかない」は、事情や立場のために「それはできない」と言う形で、話し手の行動の話です。この課の「〜わけがない」は「その可能性はない」という判断の話です。「試験だから、休むわけにはいかない」(休めない)と「まじめな人だから、休むわけがない」(休まないはずだ)を並べて違いを見せます。
関連する文型

学習項目 4 〜のようだ

意味・はたらき学習項目 4

あるものを、実際にはそうではないと分かったうえで、よく似た別のものにたとえて言う形です(比喩)。人や物の様子を相手に絵として浮かばせる力があり、紹介や描写でよく使います(太陽のような人・雪のように白い)。「まるで」といっしょに使うと、たとえであることがはっきりします。初級Ⅱの「〜ようです」は様子から考えた推量(どうも風邪のようです=たぶん風邪だ)で、本当にそうである可能性があるのに対し、たとえの「〜のようだ」は本当ではないことが分かっている点が違います。話し言葉では「〜みたいだ」もよく使います。

接続

N+のようだ/N+のような+N/N+のように+動詞・形容詞(動詞の文でたとえるときは普通形+ようだ:まるで夢を見ているようだ)

形
NのようなN(太陽のような人)Nのように+形容詞/動詞(雪のように白い・子どものように笑う)まるでNのようだ(まるで絵のようだ)まるで〜ているようだ(まるで夢を見ているようだ)

導入

  • 景色の写真をたとえで言う青い空に白くふわふわした雲が浮かぶ写真を見せ、「雲はどうですか」と聞く。「白い」「やわらかそう」が出たら、教師が「まるで綿のようですね」と言い、「綿ですか?」と聞き返して「本当は綿ではない。でも、よく似ている」と確かめてから板書する。続けて、雪のように白い犬、絵のような夕焼けの写真で「〜のような N」「〜のように 形容詞」の二段を作る。
  • 推量の「ようです」と並べる初級Ⅱの「部屋の電気が消えている。だれもいないようです」を思い出させ、こちらは「本当にだれもいないかもしれない」推量だと確かめる。そのうえで「あの雲は綿のようです」は本当に綿である可能性はないと並べ、たとえのときは「まるで」が付けられる、推量のときは「どうも」「たぶん」がなじむ、と目印を板書の横に書く。

板書案

NのようなN / Nのように+形容詞・動詞
〔赤〕まるで(たとえの印)
あの雲は、まるで綿のようです。
小林さんは、太陽のような人です。
〔青〕推量:どうも風邪のようです(本当かも) 〔赤〕たとえ:まるで綿のようです(本当ではない)

場面と発話(自作)

  • 留学生が、日本でお世話になっているホストファミリーのお母さんを、国から来た友達に紹介する。この人は、わたしにとって本当のお母さんのような人なんだ。
  • 旅行の写真を見せながら、同僚に山の上から見た景色の話をする。雲の上に出たら、まるで白いじゅうたんの上を歩いているようでした。
  • クラスの発表会の前に、留学生がピアノの得意な友達を紹介する。森さんは、まるでプロのようにピアノを弾くんですよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず、教師が人や物の特徴(白い・速い・明るい・静か)を言い、学生がたとえを一つ考えて「〜のように〜」と言う。たとえの決まった言い方(雪のように白い・氷のように冷たい)と、自分で考えたたとえの両方を出させる。次に、自分の家族や友達を「〜のような人」で紹介し、なぜそのたとえなのかを一文で説明させる。

  1. 口頭写真や絵のカードを見せて、たとえの文を言わせる。キューは白い犬の写真→雪のように白い、冷たい手の絵→氷のように冷たい、夕焼けの写真→まるで絵のような景色、大きな声で笑う大人の絵→子どものように笑う。全体→個人。2巡目はカードを使わず、教師が特徴の語だけ(白い・静か・速い・明るい)を言い、学生がたとえを自分で考える。決まった言い方と自分のたとえの両方を板書に残す。
  2. ペア「たとえクイズ」。Aは物の名前が書いてあるカードを持ち、名前を言わずに「〜のような形です」「〜のように〜です」でヒントを三つ出し、Bが当てる。三つ目のヒントで当たらなければ答えを言う。5枚で役を交替する。終わったら、いちばん分かりやすかったヒントを一つずつクラスに紹介する。
  3. 産出「わが家のたとえ紹介」。家族か友達を一人、「〜のような人」で紹介し、そのたとえを選んだ理由を「〜から」で一文足す。聞き手はその人に会ってみたいかを一言で返す。教師が見るのは、名詞のあとの「の」が落ちていないか、「のような」と「のように」の使い分け、たとえのつもりが推量に聞こえていないかの3点。

つまずきと手当て

  • 名詞のあとの「の」を落とす(*太陽ような人)、名詞の前で「ように」を使う(*太陽のように人)。「のような+名詞」「のように+動詞・形容詞」の二段の板書に戻って言い直させる
  • 本当にそうかもしれないことを言うと、たとえではなく推量に聞こえる(例:あの人は先生のようです=「たぶん先生だ」と聞こえる)。たとえだとはっきりさせたいときは「まるで先生のように話す」と「まるで」と動詞を付けると示す
  • 次の項目の「〜そうです」(見た様子)と混ぜる(*雪そうに白い)。名詞には「そうです」は付かない。「まるで〜のようだ」は本当ではないたとえ、「今にも〜しそうだ」は本当に起こるかもしれないこと、と左右の板書で分ける
  • 「〜のような」には例を挙げる使い方(りんごやみかんのような果物)もある。学生の文がたとえか例か分かりにくいときは、「本当にそれですか」と聞いて確かめる

既習の文型との違い

  • 〜ようです(初級Ⅱ 第24課)初級Ⅱの「〜ようです」は、様子から考えて「たぶんそうだ」と言う推量で、本当にそうである可能性があります。この課のたとえの「〜のようだ」は、本当はそうではないと分かっていて似ていると言う形です。推量なら「どうも」「たぶん」、たとえなら「まるで」がなじむ、と前に付く語で見分けさせます。
  • 〜ように…(第3課)第3課の「〜ように」は、「あの先輩のように、毎日練習したい」のように、手本や例を示す使い方でした。この課のたとえは、違うものだと分かっているのに似ていると言う点が違います。手本のときは「〜のようになりたい」「〜のようにしたい」と続き、たとえのときは「まるで」が付けられる、と後ろの形と前の語の両方で確かめます。
関連する文型

学習項目 5 〜そうです

意味・はたらき学習項目 5

見た様子から「〜しそうだ」「〜に見える」と判断して言う形(様態)です。この課では二つの使い方を扱います。一つは、動詞について今にも起こりそうなことを言う使い方(コップが落ちそうです・雨が降りそうです)、もう一つは、形容詞について人や物の見た感じを言う使い方(やさしそうな人・丈夫そうないす)です。初級Ⅱで習った形の復習ですが、紹介の場面では「まだよく知らないけれど、見た感じでは」という控えめな描写として役に立ちます。前の項目の「〜のようだ」が本当ではないたとえなのに対し、「〜そうです」は本当にそうである(そうなる)かもしれないことを言います。普通形につく第7課の伝聞の「〜そうだ」(遅れるそうです)とは、形も意味も違います。

接続

Vます形+そうです(切れそうです)/い形容詞の「い」を取って+そうです(やさしそうです。いい→よさそう、ない→なさそう)/な形容詞の語幹+そうです(元気そうです)。名詞には付かない。名詞の前は「〜そうなN」、動詞の前は「〜そうにV」

形
Vます+そうです(切れそうです・倒れそうです)い形/な形+そうなN(やさしそうな人・まじめそうな学生)よさそう・なさそう(いい・ない の形)否定 Vそうにありません/Vそうもありません、い形くなさそうです

導入

  • 今にも起こりそうな絵古いかばんのひもがすり切れて細くなっている絵と、棚から半分はみ出した箱の絵を見せ、「このあと、どうなりますか」と聞く。「切れます」「落ちます」が出たら、「今は?」「まだ切れていない。でも、もうすぐ切れる」と確かめて「切れそうです」「落ちそうです」と板書する。初級Ⅱの「おいしそうですね」も思い出させ、動詞と形容詞の二段にする。
  • 初めて見る人の「見た感じ」表情や服装の違う人物のイラストを何枚か貼り、「この人はどんな人だと思いますか」と聞く。「やさしい人です」と言い切った学生に「話したことがありますか」と聞き返し、話していないなら「やさしそうな人です」と言うほうが正確だと示す。最後に、前の項目の「〜のような」の板書の右側にこの板書を置き、「本当ではないたとえ」と「本当にそうかもしれない様子」を左右で比べる。

板書案

Vます + そうです(今にも起こりそう)
い形(〜い)・な形 + そうです/そうなN(見た感じ)
このひも、切れそうです。 やさしそうな人ですね。
〔赤〕いい→よさそう ない→なさそう
〔青〕遅れそうです(見た様子)↔ 遅れるそうです(聞いた話・第7課)

場面と発話(自作)

  • オフィスで、上の棚の段ボール箱が半分はみ出している。下の席に座ろうとする同僚に注意する。その箱、落ちそうですよ。気をつけてください。
  • 寮に新しく入った留学生の印象を、友達に聞かれて答える。まだあまり話していないけど、まじめそうな人だったよ。
  • フリーマーケットで、売り手が古い木のいすを客に勧める。少し古いですが、丈夫そうでしょう。まだ何年も使えそうですよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

まず、絵カードを見せて、動詞なら「〜そうです」、人や物なら「〜そうな N」で言わせ、「いい」「ない」のカードを混ぜて「よさそう」「なさそう」を確かめる。次に、混んだホームの絵を見て言う文(電車が遅れそうです)と、駅の放送を伝える文(電車が遅れるそうです)を交互に言い分けさせる。最後に、目標の活動に向けて、知らない人の写真を「〜そうな人で、〜のような雰囲気です」と様子とたとえを組み合わせて紹介させる。

  1. 口頭絵カードを見せて言わせる。キューは傾いたコップ→倒れそうです、細くなったひも→切れそうです、黒い雲→雨が降りそうです、湯気の立つ料理→おいしそうです、笑っている人→やさしそうです、新しい木のいす→丈夫そうです。「いい」「ない」のカードを混ぜて「よさそう」「なさそう」を確かめる。全体→個人。2巡目は名詞の前に置いて「やさしそうな人」「丈夫そうないす」と言わせる。
  2. ペア「初対面の印象当て」。人物の写真カードの表を二人で見て、Aが「〜そうな人ですね」と見た感じを言い、Bは写真の裏に書いてある本当の性格や仕事を読んで「実は〜なんです」と答える。当たっても外れても、Aは「〜そうに見えましたけど」と一言返す。4枚で役を交替する。
  3. 産出「フリマの売り込みロールプレイ」。自分の持ち物(実物か絵)を売り手として客に勧め、「〜そうでしょう」「まだ〜そうですよ」で様子を、「〜のような」でたとえを一つ入れる。客役は「〜そうですね。でも〜」と気になる点を一つ聞く。教師が見るのは、名詞に「そうです」を付けていないか、見て分かることに使っていないか、伝聞の「〜そうだ」と混ざっていないかの3点。

つまずきと手当て

  • 名詞に付ける(*学生そうです・*雨そうです)。名詞の見た感じは「学生のようです」「学生らしいです」で言い、天気は「雨が降りそうです」と動詞の形で言う
  • 見ただけで分かることに使う(例:目の前の花を見て「この花はきれいそうです」)。形は作れるが、見て分かる性質は「きれいです」と言い切るのがふつう。「そうです」は味・性格・丈夫さのように、見ただけでは確かめられないことに使う、と示す
  • 第7課の伝聞と混ぜる(電車が遅れそうです/電車が遅れるそうです)。ます形か普通形かで意味が変わるので、二つを並べて言い分けさせる。また「いい」の様子を「いいそうです」と言うと伝聞に聞こえるので「よさそうです」にする
  • 「かわいい」の見た感じを「かわいそう」と言ってしまう。「かわいそう」は「気の毒だ」という別の言葉なので、見た感じは「かわいらしい」「かわいく見える」と言う

既習の文型との違い

  • 〜そうです 様態(初級Ⅱ 第29課)形は初級Ⅱと同じです。初級Ⅱでは「おいしそうですね」のように目の前の物の感想を言う練習が中心でしたが、この課では人や物を紹介する文の中で、「まだよく知らないけれど、見た感じでは」と控えめに描写する使い方に広げます。復習として形を短く確かめ、時間は紹介の中で使う練習に回します。
  • 〜そうだ(第7課)第7課の伝聞の「〜そうだ」は普通形に付き(電車が遅れるそうです)、聞いた話を伝えます。この課の「〜そうです」はます形や形容詞の語幹に付き(電車が遅れそうです)、自分が見た様子を言います。「いいそうです」は伝聞、「よさそうです」は様子なので、形容詞でも取り違えが起きやすいと注意します。
関連する文型

語彙の扱い

人や物を描写するには、性格の語(明るい・おとなしい・まじめな・さっぱりした・頼りになる など)、見た目の語(背が高い・はでな・地味な など)、物の様子の語(丈夫な・こわれやすい・使いやすい など)が要ります。新出語もこの三つのかたまりに分けて板書すると、紹介の文を組み立てるときに選びやすくなります。単語だけで覚えさせず、「〜な性格」「〜っぽい服」「〜そうな人」「〜のような人」の形で、紹介の文の中に入れて練習します。他人を紹介するときに失礼になりやすい語(子どもっぽい・怒りっぽい・地味な)は、言い換えの語と並べておくと実際の場面で困りません。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 性格(せいかく) その人がいつも持っている考え方や気持ちの特徴です。 〜がいい・明るい〜・〜が合う
    新しいクラスで、隣の学生に自分のことを話す。
    「兄とわたしは、性格がぜんぜん違います。」
  • 忘れっぽい(わすれっぽい) すぐに物や約束を忘れてしまう様子です。 〜性格・〜人
    かさを電車に置いてきた話を、友達にする。
    「忘れっぽいので、また電車にかさを置いてきました。」
  • 飽きっぽい(あきっぽい) 何かを始めても、すぐにいやになってやめてしまう様子です。 〜性格・〜人
    趣味を聞かれて、少し笑いながら答える。
    「飽きっぽいので、趣味が毎年変わるんです。」
  • 子どもっぽい(こどもっぽい) 大人なのに、子どものように見えたり、子どものようなことをしたりする様子です。 〜服・〜考え方・〜く見える
    店で服を合わせて、鏡の前で迷う。
    「この色だと、ちょっと子どもっぽく見えますね。」
  • まじめな(まじめな) 言われたことや決まりを、きちんと守ってする様子です。 〜人・〜性格・〜に働く
    アルバイトの先輩のことを、新しく入った人に話す。
    「石川さんはまじめな人だから、約束を忘れるわけがないよ。」
  • 頼りになる(たよりになる) 困ったときに助けてもらえて、安心できる様子です。 〜先輩・〜人
    同じ寮の先輩を、国から来た友達に紹介する。
    「この人はやさしいうえに、頼りになる先輩なんです。」
  • 丈夫な(じょうぶな) 強くて、こわれにくい様子です。 〜いす・〜かばん・体が〜
    フリーマーケットで、売り手が古いかばんを勧める。
    「少し古いですが、丈夫そうでしょう。」
  • 地味な(じみな) 色や形が目立たず、おとなしい感じの様子です。「はでな」の反対です。 〜色・〜服
    友達に、面接に着ていく服の相談をする。
    「面接だから、少し地味な色のほうがいいと思います。」
  • 似ています(にています) 二つのものの形や様子が、だいたい同じに見えます。 〜に〜・顔が〜・声が〜
    家族の写真を見せながら、友達に話す。
    「わたしは母に似ているとよく言われます。」
  • 雰囲気(ふんいき) 人や場所から感じられる、全体の感じです。 〜がいい・明るい〜・〜の店
    よく行くカフェを、同僚に勧める。
    「あの店は雰囲気がいいうえに、コーヒーも安いんですよ。」
  • うわさ(うわさ) ほかの人から聞いた、本当かどうか分からない話です。 〜を聞く・〜になる・〜が広がる
    友達についてのうわさを聞いて、それを打ち消す。
    「そんなうわさ、本当のわけがないよ。」
  • 印象(いんしょう) 人や物を見たり会ったりしたときに、心に残った感じです。 〜がいい・第一〜・〜に残る
    寮に入った新しい人の感じを、友達に聞かれる。
    「まだあまり話していないけど、まじめそうな印象だったよ。」

宿題と次のコマ

宿題は、家族・友達・あこがれの人の中から一人を選び、その人を知らないクラスメートに紹介する文章(5〜6文)を書くこと。性格(〜っぽい)、よい点の重ね(〜うえに)、たとえ(〜のような)、見た感じ(〜そうな)のうち三つ以上を使い、最後に「〜だから、〜わけがない」の形で、その人を信頼している理由を一つ書く。次のコマの最初に何人かに読んでもらい、聞いた人が「会ってみたい」と思った言葉を一つ挙げてから、第11課の「お知らせを読む」に入ります。

よくある質問

  • 「〜っぽい」と「〜らしい」の違いはどう教えればいいですか?

    子どもが子どもらしく遊ぶ絵と、大人が子どものようにはしゃぐ絵を並べ、前者が「子どもらしい」、後者が「子どもっぽい」だと見せるのが早道です。「らしい」は本来の性質を十分に持っていること、「っぽい」はそうではないのに似て見えることや、その傾向が強いことを言い、よくない響きになりやすいと確かめます。初級Ⅱの推量の「〜らしいです」とは別のものだと一言添えておくと混乱が減ります。

  • 「〜わけがない」と「〜はずがない」は何が違いますか?

    意味はほぼ同じで、多くの文は置き換えられます。「はずがない」は根拠から考えた結論として落ち着いた響き、「わけがない」は気持ちのこもった強い響きになりやすい、という傾向の違いです。教室では、人柄の根拠を前に置いて友達をかばう場面で「わけがない」を練習し、目上への反論では「はずがありません」を選ばせると使い分けが身につきます。

  • たとえの「〜のようだ」と様態の「〜そうです」はどう区別させますか?

    板書の左に「まるで〜のようだ」(本当ではないたとえ)、右に「今にも〜しそうだ・〜そうな人」(本当にそうかもしれない見た様子)を置いて比べます。「のようだ」は名詞には「の」をはさんで付き(夢を見ているようだ、のように動詞の文なら普通形に付く)、「そうです」はます形と形容詞の語幹に付いて名詞には付かないので、形でも見分けられます。さらに初級Ⅱの推量の「〜ようです」と第7課の伝聞の「〜そうだ」を加えて四つを一枚の表にすると、学生が自分で確かめられます。

  • 「〜うえに」でよい点と悪い点をつないでもいいですか?

    形は作れますが、聞き手は二つ目もよい点なのか悪い点なのか迷ってしまいます。「〜うえに」はよい点どうし、困った点どうしのように同じ向きの事がらを重ねる形なので、向きが違うときは「〜けれど」「〜が」でつなぐように指導します。+と−の印を付けた条件カードで判断させる練習が効きます。

  • 第10課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目で導入と「〜っぽい」「〜うえに」「〜わけがない」まで、2コマ目で「〜のようだ」「〜そうです」の対比と、他己紹介・物の紹介の目標の活動、まとめを行います。「〜そうです」は初級Ⅱの復習なので、形の確認を短くして紹介の練習に時間を回すと収まります。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。