日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

学ぼう!にほんご 中級 第30課「何か月にもわたってあわただしく過ごすことになってしまうのです」の教案

『学ぼう!にほんご 中級』

駅や施設の館内放送、説明会の案内、工事や行事のお知らせのような改まった注意・連絡を聞いて、いつ・何の前に・どんな機会に・どのくらいの期間・何が決まっているのかを聞き取る課です。並ぶ5つの形は、どれも聞き取りの手がかりになる「時」の目印として整理すると教えやすくなります。「〜に先立って」は本番の前の準備や前置き、「〜に際して」と「〜にあたって/あたり」はある機会・節目のとき(「にあたって」は開店・入学のような始まりや、閉会・卒業のような終わりの節目に多い)、「〜にわたって」は期間や範囲の全体、そして「〜ことになっている」は初中級で学んだ決まり・予定を伝える文末です。初級の「〜前に」「〜とき」「〜間」に置き換えて意味をつかませてから、ゆっくり読む放送を何度も聞かせ、聞いた内容をメモに書き取る活動でまとめます。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目5時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 館内放送や行事の案内で「〜に先立って」「〜に際して」「〜にあたって」が出てきたら、それぞれを「〜の前に」「〜のときに」と言い換えて、何がいつ行われるのかを聞き取れる
  • 「〜にわたって」から、工事・休業・調査などが続く期間や広がる範囲の全体をつかみ、日付や場所をメモに書き取れる
  • 「〜ことになっている/ことになっております」が、話し手個人の考えではなく、決まりや前から決まっている予定を伝えていると分かり、注意や連絡の中の「守ること」を聞き分けられる
  • 聞き取った内容を、自分のことばで友達やクラスに短く伝え直せる(硬い形をそのまま使わず「〜の前に」「〜の間ずっと」などに言い換えてもよい)

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(目標の場面)10分教師が駅のホームや市役所の放送をまねて、ゆっくり一つ読み上げる(自作の短い放送)。「いつ」「何が」「どうしてほしい」の3つの欄があるメモ用紙を配り、もう一度聞いて書かせる。答え合わせで、聞き取りにくかった硬い言い方を黒板に集め、この課の5つの形がその目印だと予告する。黒板に「前」「とき・節目」「期間・範囲」「決まり・予定」の4つの箱を作っておく
学習項目1 〜に先立って20分「式の前に、写真を撮ります」と「式に先立ちまして、記念撮影を行います」を並べ、意味は「前に」だが、本番のための準備や前置きに使う改まった形だと押さえる。「前」の箱に入れる
学習項目2・3 〜に際して・〜にあたって/あたり35分どちらも「〜のときに」「〜する機会に」と言い換えられる改まった形として一緒に入れ、「とき・節目」の箱に並べて置く。そのあと、開店・入学・卒業のような自分たちが迎える節目と、緊急・故障のような起きてしまった出来事の例を出して、どちらが自然かを選ばせ、使い分けの目安を表にする
学習項目4 〜にわたって25分カレンダーと地図に線を引きながら、「3日間にわたって」「全館にわたって」を入れる。期間や範囲の初めから終わりまでずっと、という意味を線の長さで見せ、「期間・範囲」の箱に入れる。1コマ目はここまで
学習項目5 〜ことになっている25分初中級で学んだ「決まり・予定」の意味を短く思い出させてから、放送や説明会で使う「〜ことになっております」の形を聞かせる。「〜ことにしている」「〜ことになった」と並べて、だれが決めたか・いつ決まったかを確かめる。2コマ目はここから。前のコマの4つの箱を黒板に描き直し、1分で振り返ってから入る
目標の活動(館内放送・説明会の案内の聞き取り)50分教師(または録音)が、5つの形を含む自作の放送・案内を2〜3本読む。1回目は何のお知らせかだけ、2回目はメモ用紙の「いつ」「何が」「どうしてほしい」を書き取らせる。ペアでメモを見せ合い、聞き取った内容を「〜の前に」「〜の間ずっと」などのやさしい言い方で相手に伝え直す
まとめ15分黒板の4つの箱に5つの形を置き直し、それぞれの横に「やさしい言い方」(前に・ときに・間ずっと・決まっている)を書いて一覧にする。放送で使う丁寧な形(先立ちまして・際しましては・あたりまして・わたり・ことになっております)も並べて残す

学習項目 1 〜に先立って

意味・はたらき学習項目 1

ある大事な出来事(式・大会・開館・工事・発売など)の前に、その準備や前置きとして何かをすることを表します。意味は「〜の前に」に近いですが、ただ時間の順番を言うのではなく、後ろの出来事のために前もってすることに使うのが特徴です。改まった形で、司会のあいさつ、館内放送、行事の案内、ニュースなどでよく聞きます。放送や司会では「〜に先立ちまして」、書き言葉では「〜に先立ち」の形もよく使われ、名詞の前では「〜に先立つN」となります。

接続

N/Vる(辞書形)+に先立って(「〜に先立ち」「〜に先立ちまして」、名詞の前は「〜に先立つN」。Nは開会・発売・試合のような出来事を表す名詞が多い)

形
Nに 先立って(開会に先立って・工事に先立って)Vるに 先立ち(店を開くに先立ち)Nに 先立ちまして(司会・放送で)Nに 先立つN(本番に先立つ説明会)

導入

  • 「前に」と並べて違いを見る「授業の前に、コーヒーを飲みました」と「入学式に先立って、学生証の写真を撮ります」を2行で板書し、「コーヒーは授業のためですか」「写真は入学式のためですか」と聞く。後ろの文は本番のための準備だと確かめ、「先立って=本番の前に、そのための準備・前置き」と書く。
  • 司会のあいさつを聞く教師が式の司会になったつもりで「それでは、表彰に先立ちまして、校長よりごあいさつを申し上げます」と言う。「表彰とあいさつ、どちらが先ですか」と聞いて順番を確かめ、司会や放送では「先立ちまして」の形でよく聞く、と一言添える。

板書案

N/Vる + に先立って = 〔やさしく〕〜の前に(そのための準備)
入学式に 先立って、学生証の 写真を 撮ります。
〔図〕準備〔青〕の丸 ──→ 本番〔赤〕の丸(矢印は左から右へ)
放送・司会:〜に先立ちまして 書き言葉:〜に先立ち 名詞の前:〜に先立つN

場面と発話(自作)

  • 新しい市民プールが来月開く。市の担当者が地域のお知らせで案内する。プールの使用開始に先立って、今度の日曜日に市民向けの見学会を行います。
  • マンションの掲示板に、水道管の工事の案内が貼られている。管理人が住民に口で説明する。工事に先立ち、来週の月曜日に係の者が各部屋の水道を点検に伺います。
  • スピーチ大会の会場で、司会がマイクで話す。大会の開始に先立ちまして、審査員の先生方をご紹介いたします。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「本番」のカード(入学式・新しい店の開店・マラソン大会・工事)と「準備」のカード(説明会・試食会・コースの下見・点検)を組み合わせ、「〜に先立って、〜があります/を行います」の一文を作らせる。できたら同じ文を司会の口調で「〜に先立ちまして」に言い換えさせ、別の学生に「先にあるのはどちらか」を聞き取って答えさせる。

  1. 口頭教師が「本番」と「準備」のカードを2枚並べてキューを出す(「マラソン大会・コースの下見」「新しい店の開店・試食会」「工事・点検」「新しい商品の発売・説明会」)。全員で「マラソン大会に先立って、コースの下見をします」と言い、次に一人ずつ。慣れたらカードを入れ替えて「どちらが先か」を学生に決めさせ、最後に同じ文を司会の口調「〜に先立ちまして、〜を行います」で言い換えさせる。
  2. ペアAは行事の予定表(本番と準備の日時が書いてある)、Bは日時が空欄の表を持つ。Aが「〜に先立って、〜日に〜があります」と読み、Bは表に書き込んで「先にあるのは〜ですね」と確かめる。3行終わったら表を替えて役を交替する。
  3. 産出活動名「司会のひとこと」。クラスの発表会・送別会・スピーチ大会などの司会になったつもりで、「〜に先立ちまして、〜」で始まる案内を2文作り、前に出て読む。教師が見るのは、前が改まった出来事か、後ろがその本番のための準備・前置きになっているか、「先立ちまして」の後ろが「行います」「いたします」のような丁寧な形でそろっているか。毎日の動作に使っていたら「前に」に戻させる。

つまずきと手当て

  • 毎日の小さな動作に使う(「ご飯を食べるに先立って、手を洗った」)。文法の誤りではないが大げさに聞こえる。ふだんのことは「〜前に」でよく、「先立って」は式・大会・工事のような改まった出来事に使う、と場面で区別させる
  • 後ろの出来事と関係のないことに使う(「会議に先立って、昼ご飯を食べに行った」)。会議の準備でなければ「会議の前に」が自然。「後ろのためにすることか」を確かめる
  • 聞き取りで「先立って」を「先に立って(前を歩いて)」と取り違える。放送の中では「〜に先立って」の形で出ることを押さえ、聞いたら「〜の前に」と頭の中で言い換えるくせをつけさせる

既習の文型との違い

  • 〜前に(初級)「前に」は二つの出来事の時間の順番だけを言い、毎日の小さな動作にも使えます。「〜に先立って」は、後ろの出来事が式・大会・工事のような改まった本番で、前の行為がそのための準備や前置きであるときに使います。「寝る前に歯をみがく」を「先立って」で言う学習者には、本番と準備の関係があるかを聞いて「前に」に戻させます。
  • 〜に際して(この課の学習項目2)「〜に先立って」は本番より前に起きること、「〜に際して」は本番のそのとき(またはその機会に関すること)を言います。放送で「工事に先立ちまして点検を行います」と聞いたら点検は工事の前、「工事に際しましては大きな音が出ます」と聞いたら工事中の話です。この違いで行動が変わるので、二つを並べて聞き分けさせます。
関連する文型

学習項目 2 〜に際して

意味・はたらき学習項目 2

ふだんとは違う、ある特別な機会や場面のときに、ということを表し、そのときに何をするか・何に気をつけるかを言う改まった形です。入学・卒業・退職・帰国のような人生の節目にも、利用・申し込み・出発のような手続きの場面にも、緊急・災害・故障のような起きてしまった出来事にも使えるのが、次の「〜にあたって」より広い点です。施設の利用案内や注意書き、放送でよく使われ、「ご利用に際しては」「申し込みに際しての注意」のような形で出てきます。放送ではもう少しやわらかい「〜の際は」(お降りの際は)もよく聞くので、同じ意味の仲間として一緒に聞かせます。

接続

N/Vる(辞書形)+に際して(「〜に際し」「〜に際しまして」、名詞の前は「〜に際してのN」。Nは「ご利用」「出発」のような動きを表す名詞が多い)

形
Nに 際して(帰国に際して・ご利用に際して)Vるに 際し(会場を使うに際し)Nに 際しましては(放送・案内で)Nに 際してのN(申し込みに際しての注意)

導入

  • 「とき」と言い換える「図書館を使うとき、学生証を見せてください」と「図書館のご利用に際しては、学生証をご提示ください」を並べて板書し、意味は同じで、後ろが改まった案内の言い方だと確かめる。「際して=特別な機会のとき」と書き、「とき・節目」の箱に入れる。
  • 「〜の際は」と一緒に聞く教師が電車の車内放送をまねて「お降りの際は、足もとにご注意ください」と言い、続けて施設の案内の口調で「館内のご利用に際しましては、係員の指示に従ってください」と言う。どちらも「〜のとき」だと確かめ、放送ではどちらの形も出ることを伝える。

板書案

N/Vる + に際して(は) = 〔やさしく〕特別な機会のときに
図書館の ご利用に 際しては、学生証を ご提示ください。
〔赤〕〜に際して = 〔青〕〜の際は(お降りの際は)
〔表〕節目(入学・開店・卒業・帰国)○ 起きてしまったこと(火事・停電)○

場面と発話(自作)

  • 大学の留学生センターで、職員が帰国する学生に手続きを説明する。帰国に際しては、二週間前までに住所の変更をセンターに届けてください。
  • スポーツ施設に入ると、入り口で放送が流れている。プールのご利用に際しましては、必ず準備運動をしてからお入りください。
  • 会社の避難訓練の前に、総務の担当者が社員に説明する。火事や地震などの災害に際しては、エレベーターを使わず、階段で外に出てください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「機会」のカード(入学・退職・ご利用・お申し込み・停電・火事)を引かせ、「〜に際して(は)、〜てください」で注意や手続きを一つ言わせる。聞き手は「いつの話ですか」と聞き返し、言った人は「〜するときです」とやさしく言い直す。最後に、同じ内容を「〜の際は」でも言わせて、二つの形が同じ意味で聞こえることを確かめる。

  1. 口頭教師が「機会」と「注意」のキューを出す(「プールの利用・準備運動」「ネットの申し込み・メールアドレス」「帰国・住所の変更」「停電・エレベーター」)。全員で「プールのご利用に際しては、準備運動をしてください」と言い、次に一人ずつ。同じキューで「〜の際は」でも言わせ、二つの形が同じ意味で使えることを口で確かめる。
  2. ペア施設の係と利用者の役。係(A)は施設の利用ルールを3つ書いたカードを持ち、利用者(B)は知らない。Bが「〜を使いたいんですが」と聞き、Aが「ご利用に際しては、〜」で一つずつ答える。Bは「〜するときは、〜んですね」とやさしい言い方で言い直して確かめる。施設のカード(体育館・自習室・会議室)を替えて交替する。
  3. 産出活動名「利用案内カードづくり」。学校や寮の中の場所(パソコン室・台所・自転車置き場など)を一つ選び、「〜に際しては、〜てください」を使った利用案内を3項目書いて、放送のように読み上げる。教師が見るのは、前が特別な機会・手続き・出来事を表す語か、後ろが注意や依頼になっているか、毎日くり返すことに使っていないか。ほかの学生には聞いた3項目をメモさせる。

つまずきと手当て

  • 毎日くり返すことに使う(「毎朝、学校に行くに際して、かばんを確かめる」)。文法の誤りではないが、「に際して」は特別な機会に使う形なので大げさに聞こえる。ふだんのことは「〜とき」でよい
  • 「〜に際して」と「〜に先立って」を取り違えて、時間の順番を聞き違える。「先立って」は本番の前、「際して」は本番のそのとき(または、その機会に関して)。放送の中でどちらが出たかで「前」か「とき」かを決める練習をする
  • 「〜にあたって」とまったく同じだと覚え、事故・停電のような出来事に「〜にあたって」を使う。誤りではない場合もあるが、起きてしまった出来事には「〜に際して」のほうが自然なことが多い(次の項目で整理する)

既習の文型との違い

  • 〜とき(初級)「とき」は毎朝のことにも特別なことにも使える一般的な形です。「〜に際して」は、入学・帰国・利用の手続き・災害のような、ふだんとは違う機会に限って使う改まった形です。「毎日、学校に行くに際して」は誤りではありませんが大げさなので、ふだんのことは「とき」で言わせます。
  • 〜にあたって/あたり(この課の学習項目3)どちらも「〜のときに」と言い換えられますが、「〜にあたって」は始める・終えるのような自分たちが迎える節目に使うことが多く、「〜に際して」は火事・停電・故障のような起きてしまった出来事にも自然に使えます。迷った学習者には「迎える節目か、起きたことか」を聞いて、起きたことなら「に際して」を選ばせます。
関連する文型

学習項目 3 〜にあたって/あたり

意味・はたらき学習項目 3

何か大事なことをする節目のとき(始める・新しい段階に入る・終える)に、ということを表す改まった形です。意味は「〜に際して」と重なるところが多く、どちらも「〜のときに」と言い換えられますが、「〜にあたって」は開店・入学・新年度・引っ越しのような始まりの節目にも、閉会・卒業・退職のような終わりの節目にも使い、「その大事なことに向き合うので、そのために〜する・〜をお願いする」という気持ちを込めて使われることが多い形です。そのため、あいさつ・式辞・説明会の冒頭や締めくくり・新しい制度の案内などでよく聞きます(「閉会にあたって、ひとことごあいさつ申し上げます」)。「〜にあたり」はさらに硬く、書き言葉や改まったあいさつで使われます。

接続

N/Vる(辞書形)+にあたって/にあたり(丁寧には「〜にあたりまして」、名詞の前は「〜にあたってのN」。動詞は「始める」「卒業する」のように、これから迎える節目のことを表す辞書形)

形
Nに あたって(新年度に あたって・開店に あたって)Vるに あたり(店を開くに あたり・新しい制度を始めるに あたり)Nに あたりまして(あいさつ・説明会で)Nに あたってのN(入社に あたっての心がまえ)

導入

  • 始まりの場面から桜の絵と「新学期」の文字を見せ、教師が担任のあいさつのつもりで「新しい学期を始めるにあたって、みなさんに三つお願いがあります」と言う。何が始まるのか、お願いは何のためかを聞き、「これから始めることのために」という気持ちを確かめる。「あたって=大事なことをする節目(始める・終える)のとき」と書き、横に「閉会にあたって」「卒業にあたり」も足して、終わりの節目にも使うことを見せる。「とき・節目」の箱で「際して」の隣に置く。
  • 「際して」との使い分けの表開店・入学・卒業・閉会・地震・停電・機械の故障のカードを並べ、「自分たちが迎える節目(始める・終える)か、起きてしまったことか」で二つの列に分けさせる。節目の列は「にあたって」も「に際して」も使える、起きてしまったことの列は「に際して」が自然、と表にまとめる。

板書案

N/Vる + にあたって/にあたり = 大事なことをする節目(始める・終える)のときに
新しい 学期を 始めるに あたって、三つ お願いが あります。
〔赤〕Vる(辞書形)+にあたって 〔青〕Vた+にあたって は使わない
〔表〕開店・入学・閉会・卒業 → にあたって○ に際して○ 地震・停電 → に際して○

場面と発話(自作)

  • 日本語学校の新入生向け説明会。最初に校長があいさつする。日本での生活を始めるにあたって、困ったことがあれば、いつでも事務室に相談してください。
  • 駅前に新しいパン屋ができる。店長が近所の人に向けたお知らせを読み上げる。開店にあたりまして、初日は先着百名様に小さいパンをお配りします。
  • 市役所が新しいごみの出し方の説明会を開く。担当者が冒頭で話す。新しい分け方を始めるにあたり、本日はその手順をご説明いたします。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「節目」のカード(入社・留学・新学期・開店・卒業・閉会)を引かせ、「〜にあたって、〜ようと思います/〜をお願いします」で、その節目での決意やお願いを一文言わせる。続けて教師が「地震」「停電」のような起きてしまった出来事のカードを混ぜ、「に際して」と「にあたって」のどちらで言うかを選ばせてから言わせる。

  1. 口頭教師が「始まり」と「すること」のキューを出す(「入社・決意」「留学・準備」「新学期・お願い」「一人暮らし・買う物」)。全員で「入社にあたって、毎日早く起きようと思います」と言い、次に一人ずつ。同じ内容を名詞の形(留学にあたって)と辞書形の形(留学するにあたって)の両方で言い換えさせ、「留学した」にしないことを口で確かめる。
  2. ペアAは新しく何かを始める人(新しい店長・新入生の代表・新しい寮の係)、Bはそれを聞く人。Aが「〜にあたって、〜」でひとことあいさつし、Bが「それは何のためですか」と一つ質問する。途中で教師が「地震」「停電」のような出来事のカードを配り、「にあたって」と「に際して」のどちらで言うかを二人で決めてから言わせる。役を交替して2回。
  3. 産出活動名「新生活スピーチ」。自分がこれから始めること(進学・就職・引っ越し・新しい習い事など)について、「〜にあたって」で始まる1分のスピーチを作って発表する。教師が見るのは、前が辞書形か名詞か(Vた形にしていないか)、後ろが決意・お願い・準備のどれかになっているか、起きてしまった出来事に使っていないか、「にあたり」を使ったときに文全体が硬い言い方でそろっているか。

つまずきと手当て

  • 前を「Vた」にする(「*留学したにあたって」)。これから迎える節目なので、前は辞書形の「留学するにあたって」。名詞なら「留学にあたって」
  • 起きてしまった出来事に使う(「台風にあたって、窓を閉めてください」)。大きな誤りとまでは言えないが不自然に聞こえることが多く、「台風の際は」「台風に際しては」が自然。「自分たちが迎える節目(始める・終える)か、起きた出来事か」を聞いて選ばせる
  • 「〜にあたる(=相当する)」と混同する。「今年の5月5日は日曜日にあたる」のような「〜にあたる」は別の意味。この課の形は「〜にあたって/あたり」で、後ろに文が続くことを押さえる

既習の文型との違い

  • 〜に際して(この課の学習項目2)意味は大きく重なり、開店・入学のような始まりや、閉会・卒業のような終わりの節目ではどちらも使えます。違いは、「〜にあたって」が「その節目に向き合うので、そのために」という気持ちを持ちやすく、起きてしまった出来事(台風・停電)には「〜に際して」のほうが自然な点です。学習者には二つを入れ替えられる場面とそうでない場面を表で見せます。
  • 〜上で(中級 第22課)「留学する上で大切なこと」は、留学という行為をするのに必要な条件や注意を言い、話は留学の間にも続きます。「留学するにあたって準備すること」は、留学を始めるその節目に何をするかを言います。学習者が「生活する上で」と「生活を始めるにあたって」を混ぜたら、始まりの一点の話か、続けていく中の話かを聞いて選ばせます。
関連する文型

学習項目 4 〜にわたって

意味・はたらき学習項目 4

期間・回数・場所の範囲を表す言葉に付いて、その初めから終わりまで全体に、ある状態や行為が続く・広がることを表します。「3日間にわたって」「長年にわたって」「全館にわたって」「多くの分野にわたって」のように使い、話し手がその期間や範囲を長い・広いと感じていることを伝えることが多い形です。工事・休業・調査・会議・雨のお知らせやニュースでよく使われる改まった言い方で、「〜にわたり」はさらに硬く、名詞の前では「〜にわたるN」「〜にわたったN」となります。聞き取りでは、前に来る日付・期間・場所がいちばん大事な情報になります。

接続

N(期間・回数・範囲を表す言葉)+にわたって/にわたり(名詞の前は「〜にわたるN」「〜にわたったN」。「〜から〜までの〜にわたって」の形も多い)

形
(期間)Nに わたって(一週間に わたって・長年に わたって)(範囲)Nに わたって(全館に わたって・広い地域に わたって)〜から〜までの(期間)に わたりNに わたるN(三日間に わたる工事・多方面に わたる活動)

導入

  • カレンダーに線を引くカレンダーの絵の5月10日から20日までに太い線を引き、教師が放送の口調で「北口の改札は、5月10日から20日までの11日間にわたって工事を行います」と言う。「工事は、いつからいつまでですか」「途中で休みはありますか」と聞き、「線の初めから終わりまでずっと」と線の横に書く。
  • 地図で範囲を見せる建物の地図の1階から5階までを色で塗り、「停電の点検のため、明日の午前中は全館にわたってエレベーターが止まります」と言う。時間だけでなく場所の広がりにも使えることを確かめ、「期間・範囲」の箱に入れる。

板書案

N(期間・回数・範囲)+にわたって = 初めから終わりまで、ずっと・全部
5月10日から 20日までの 11日間に わたって、工事を 行います。
〔図〕カレンダーの10日から20日に〔赤〕の太い実線(切れ目なし)
〜にかけて=おおよその幅(点線) 〜にわたって=全部ずっと(実線) 〜で=その中で終わる
名詞の前:〜にわたるN(三日間にわたる工事)

場面と発話(自作)

  • 駅のホームで、来月の工事について放送が流れている。来月1日から2週間にわたり、東口の階段が使えなくなります。お客様にはご迷惑をおかけします。
  • 大学の図書館の入り口に休館のお知らせがある。職員が留学生に口で説明する。本の整理のため、来週は5日間にわたって図書館が休みになります。
  • 夕方のニュースで、アナウンサーが台風の情報を伝える。あすは、九州から関東までの広い範囲にわたって、強い雨が降るおそれがあります。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

工事・休業・行事のお知らせのメモ(期間や場所だけを書いたもの。例「6/1〜6/14 東口」「3日間 全館」)を配り、「〜にわたって、〜」の放送の文を作って読ませる。聞き手はメモを見ずに聞き、期間と場所だけを書き取る。最後に、聞き手が「〜から〜まで、ずっと〜ですね」と確かめる言い方で返す。

  1. 口頭教師が期間・範囲と出来事のキューを出す(「3日間・雨」「全館・エレベーターの点検」「10年・言葉の調査」「2週間・図書館の休み」)。全員で「3日間にわたって雨が降り続きました」と言い、次に一人ずつ。慣れたら、メモの数字と場所だけ(「6/1〜6/14 東口」)を見せて放送の文を言わせ、最後に名詞の前の形「〜にわたる工事」に言い換えさせる。
  2. ペアAは期間と場所が入ったお知らせのカード、Bは空欄のメモ用紙を持つ。Aが放送の口調で読み、Bは期間と場所だけを書き取って「〜から〜まで、ずっと〜ですね」と確かめる。カードの中に「3日間で工事が終わります」のような「〜で」の文を混ぜておき、Bに「工事はいつまで続きますか」と答えさせる。3枚で交替。
  3. 産出活動名「町のお知らせ係」。自分の住んでいる町や学校で実際にあった工事・休業・行事を一つ選び、「〜にわたって」を使ったお知らせを3文書いて読み上げる(期間・場所・頼みたいことを入れる)。教師が見るのは、前が期間・範囲を表す名詞か、話し手が長い・広いと感じる期間になっているか(5分・机の上のような小さい範囲にしていないか)、「〜にかけて」「〜で」と取り違えていないか。

つまずきと手当て

  • 短い時間や身近な小さい範囲に使う(「5分にわたって休みました」「机の上にわたって本を置いた」)。文法の誤りとは言いにくいが不自然に聞こえる。「にわたって」は話し手が長い・広いと感じる期間や範囲に使う、と例で確かめる
  • 「〜から〜にかけて」と区別できない。「夜から朝にかけて雨が降る」は始まりと終わりをおおよそ言う形、「三日間にわたって雨が降り続いた」はその期間全体に続いたことを言う形。線の絵で「おおよその幅」と「全部ずっと」を描き分ける
  • 「〜で」と取り違えて意味を聞き違える。「三日間で工事が終わる」は三日以内に終わる、「三日間にわたって工事が続く」は三日間ずっと工事をしている。放送ではこの違いで行動が変わるので、両方を聞かせて「工事はいつまでありますか」と聞く

既習の文型との違い

  • 〜から〜にかけて…(初中級 第15課)「〜から〜にかけて」は始まりと終わりをおおよそ示す形で、その間ずっとでなくてもかまいません(夜から朝にかけて雨が降るでしょう)。「〜にわたって」は示した期間・範囲の全体に続く・広がることを言います。学習者には点線と実線の絵で描き分け、予報は「にかけて」、続いた記録やお知らせの期間は「にわたって」が多いと場面で結びつけます。
  • 〜を通じて(中級 第24課)「〜を通じて」は第24課では情報や人を間に入れて(ニュースを通じて知った)の意味で学びますが、「一年を通じて暖かい」のように期間の全体を表す使い方もあり、そこで「にわたって」と近くなります。「通じて」はその期間中ずっと変わらない様子、「わたって」は長い期間・広い範囲に続く・広がることを言うのが目安です。
関連する文型

学習項目 5 〜ことになっている

意味・はたらき学習項目 5

初中級で学んだ「〜ことになっている」を、この課では注意や連絡の中で決まり・予定を伝える文末として聞き取ります。話し手が今その場で決めたことではなく、施設や会社の規則、前から決まっている予定、社会の習慣などを伝える形で、放送や説明会では丁寧な「〜ことになっております」の形でよく聞きます。「館内での飲食はご遠慮いただくことになっております」のように、相手にしてほしいこと・してほしくないことを、決まりとして柔らかく伝えるときにも使われます。この課の前の4つの形と組み合わさって、「〜に際しては、〜ことになっています」のような案内の文になることが多いので、文の最後まで聞いて「決まり」か「予定」かを判断させます。

接続

Vる/Vない+ことになっている(丁寧には「〜ことになっています」、放送・案内では「〜ことになっております」)

形
Vる ことになっている(決まり・予定)Vない ことになっている(してはいけない決まり)Vる/Vない ことになっております(放送・案内の丁寧な形)〜に際しては/〜にあたっては、Vる ことになっています

導入

  • だれが決めたか・いつ決まったか「わたしは毎朝走ることにしている」「来月、大阪に転勤することになった」「この寮では、夜10時までに帰ることになっている」の3文を並べ、「だれが決めましたか」「いつ決まりましたか」と聞く。1つ目は自分、2つ目は最近だれかが決めた、3つ目は前からある決まり、と整理し、初中級で学んだ意味を短く思い出させる。
  • 放送の「〜ことになっております」教師が美術館の放送をまねて「展示室内での写真撮影は、ご遠慮いただくことになっております」と言い、「これは館の人の気持ちですか、決まりですか」と聞く。決まりを丁寧に伝える言い方だと確かめ、「決まり・予定」の箱に入れる。

板書案

Vる/Vない + ことになっている = 決まり・前から決まっている予定
この 寮では、夜10時までに 帰る ことに なっています。
〔表〕ことにしている=自分で決めた習慣 ことになった=最近決まった ことになっている=前からの決まり
放送:〜ことになっております 〔赤〕おります=丁寧
〜に際しては、〜ことになっております(この課の形と組み合わせて)

場面と発話(自作)

  • 大学の説明会で、職員が試験の受け方を説明する。試験の開始時刻から20分を過ぎますと、会場には入れないことになっております。
  • ホテルのフロントで、チェックアウトの時間を聞かれた係の人が答える。チェックアウトは、午前11時までにお願いすることになっております。
  • 会社に入ったばかりの社員が、先輩に来週の予定を確かめる。来週の月曜日は、朝9時から本社で研修を受けることになっています。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

学校・寮・図書館・ホテルなど、学生がよく知っている場所の決まりを一つずつ挙げさせ、放送の係になったつもりで「〜ことになっております」で言わせる。聞き手はそれが「しなければならないこと」か「してはいけないこと」かを手で示す(丸・ばつ)。続けて、同じ内容を友達に教える口調で「〜ことになってるよ」と言い換えさせる。

  1. 口頭教師が場所と決まりのキューを出す(「図書館・飲食しない」「ホテル・11時までにチェックアウト」「寮・10時までに帰る」「試験・20分過ぎたら入れない」)。全員で「図書館では、飲食しないことになっています」と言い、次に放送の口調で「〜ことになっております」に言い換えさせる。続けて教師が「毎朝走る」「来月引っ越す」などのキューに「自分で決めた?」「最近決まった?」と添え、「ことにしている」「ことになった」「ことになっている」から選んで言わせる。
  2. ペアAは寮に入ったばかりの新入生、Bは寮の決まりの表を持つ先輩。Aが「部屋で料理してもいいですか」のように聞き、Bが「〜ことになってるよ」「〜ないことになってるよ」と友達の言い方で答える。3つ聞いたら、Bは同じ内容を寮の係として「〜ことになっております」で言い直す。決まりの表を替えて交替する。
  3. 産出活動名「わたしの国の決まり紹介」。自分の国や町の学校・会社・家の決まりや習慣を「〜ことになっている」で3つ紹介し、聞いた人が日本の場合と比べてひとことコメントする。教師が見るのは、前が辞書形・ない形か、自分の習慣(ことにしている)と混ぜていないか、友達向けと放送向けの言い方を一つの文の中で混ぜていないか。

つまずきと手当て

  • 自分の習慣に使う(「わたしは毎晩日記を書くことになっている」)。自分で決めて続けていることは「〜ことにしている」。「〜ことになっている」は、自分以外の決まりや前から決まった予定、と「だれが決めたか」で選ばせる
  • 「〜ことになっている」と「〜ことになった」の時を聞き違える。「〜ことになった」は最近決まったという知らせ、「〜ことになっている」は前から決まっている状態。放送で「〜ことになりました」と聞いたら、新しく変わったお知らせだと気づかせる
  • 課の題にある「〜ことになってしまう」を、この項目と同じ意味だと思う。「〜ことになる/なってしまう」は、いろいろな事情の結果としてそうなる、という意味で、決まり・予定を言う「〜ことになっている」とは別の使い方だと区別しておく

既習の文型との違い

  • 〜ことになった(初中級 第11課)「〜ことになった」は最近決まったことの知らせ、「〜ことになっている」は前から決まっていて今も有効な状態を言います。放送で「来月から閉館時間が変わることになりました」と聞いたら新しいお知らせ、「午後8時に閉館することになっております」なら前からの決まりです。学習者が「ことになっている」を「新しく変わった」と聞き違えないよう、両方を続けて聞かせます。
  • 〜ということになっている(初中級 第11課)「〜ということになっている」も決まりを言えますが、「そういう扱いになっている」「表向きはそういうことになっている」という含みが出やすい形です(会議は全員参加ということになっているが、実際は半分くらいしか来ない)。この課の放送や案内では「〜ことになっております」の形がふつうなので、まず「という」なしの形を聞き取らせます。
関連する文型

語彙の扱い

この課の言葉は、放送や案内に出る改まった言い方(ご利用・ご遠慮・お申し込み・開会・休館・点検・係員 など)と、日付・期間・場所を表す言葉(〜日間・〜週間・全館・各階 など)に分けて板書しておくと、聞き取りのメモが取りやすくなります。単語だけで覚えさせず、「ご利用に際しては」「全館にわたって」「ご遠慮いただくことになっております」のように、この課の形と組み合わせたかたまりで耳に慣らします。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 開会(かいかい) 会議や大会、式などを始めることです。終わることは「閉会」と言います。 〜式・〜のあいさつ・〜に先立って
    スピーチ大会の会場で、司会が話す。
    「開会に先立ちまして、注意を三つお伝えします。」
  • 点検(てんけん) 機械や建物に悪いところがないか、一つずつ調べることです。 〜を行う・水道の〜・〜のため
    マンションの管理人が住民に説明する。
    「来週の火曜日、ガスの点検のため、係の者がお部屋に伺います。」
  • 利用(りよう) 施設や道具などを使うことです。お知らせでは「ご利用」の形でよく使います。 ご〜ください・〜に際して・〜時間
    スポーツ施設の入り口に放送が流れている。
    「ご利用に際しましては、受付で名前をお書きください。」
  • 休館(きゅうかん) 図書館や美術館などが、ある日や期間に休むことです。 〜日・臨時〜・〜する
    図書館の職員が留学生に説明する。
    「本の整理のため、来週の月曜日から3日間にわたって休館します。」
  • 係員(かかりいん) 駅や会場などで、ある仕事を任されて客の案内などをする人です。 〜の指示に従う・〜に声をかける・近くの〜
    イベント会場で放送が流れている。
    「お困りの方は、近くの係員にお声をおかけください。」
  • 遠慮する(えんりょする) してほしくないことを、相手にしないように丁寧に頼むときに使います。「ご遠慮ください」の形でよく聞きます。 ご〜ください・〜いただく・撮影を〜
    美術館の展示室で、係の人が客に話す。
    「館内での写真撮影は、ご遠慮いただくことになっております。」
  • 全館(ぜんかん) 一つの建物の、すべての階や部屋のことです。 〜禁煙・〜にわたって・〜で
    デパートの店員が客に答える。
    「申し訳ございません。当店は全館禁煙となっております。」
  • 工事(こうじ) 道や建物、水道などを作ったり直したりする仕事のことです。 〜中・〜を行う・〜に先立って
    駅のホームで放送が流れている。
    「来月から2週間にわたって、東口の階段の工事を行います。」
  • 行う(おこなう) 「する」の改まった言い方で、行事や作業、調査などをするときに使います。 式を〜・工事を〜・調査を〜
    市役所の担当者が説明会の最初に話す。
    「本日は、新しいごみの出し方の説明会を行います。」
  • 申し込み(もうしこみ) 参加したい、使いたいなどと、決められた方法で伝えることです。 お〜・〜書・〜に際して
    留学生センターの職員が見学旅行について話す。
    「お申し込みに際しては、学生証の番号が必要です。」
  • 規則(きそく) その場所や集まりで、みんなが守るように決められていることです。 〜を守る・寮の〜・〜で決まっている
    寮の先輩が新入生に教える。
    「寮の規則で、夜10時までに帰ることになってるよ。」
  • 期間(きかん) ある日からある日までの、決まった長さの時間のことです。 〜中・工事の〜・長い〜にわたって
    大学の掲示板の前で、学生どうしが話す。
    「申し込みの期間は、今日から来週の金曜日までだって。」

宿題と次のコマ

宿題は、駅・学校・寮・アルバイト先などで実際に見たり聞いたりしたお知らせを一つ選び、この課の形を2つ以上使って、放送のように読める案内の文(3〜4文)を書いてくること。次のコマの最初に何人かに読み上げさせ、ほかの学生は「いつ」「何が」「どうしてほしい」をメモに書き取ってから、やさしい言い方で内容を言い直して振り返ります。

よくある質問

  • 「〜に際して」と「〜にあたって」の違いは何ですか?

    どちらも「〜のときに」と言い換えられる改まった形で、開店・入学のような始まりや、閉会・卒業のような終わりの節目ではどちらも使えます。「〜にあたって」はその節目に向き合って何かをする・お願いする、という場面で使われることが多く、台風・停電のような起きてしまった出来事には「〜に際して」のほうが自然です。授業では「迎える節目か、起きたことか」の2列の表で見せると選びやすくなります。

  • 「〜に先立って」と「〜前に」はどう教え分ければいいですか?

    「前に」は時間の順番だけを言う形で、毎日の動作にも使えます。「〜に先立って」は、後ろが式・大会・工事のような改まった本番で、前がそのための準備や前置きであるときに使います。導入では「授業の前にコーヒーを飲む」と「入学式に先立って写真を撮る」を並べ、「それは本番のためですか」と聞いて区別させます。

  • 「〜にわたって」と「〜から〜にかけて」の違いは?

    「〜から〜にかけて」は始まりと終わりをおおよそ示し、その間ずっとでなくてもかまいません。「〜にわたって」は示した期間や範囲の全体に続く・広がることを言い、話し手がそれを長い・広いと感じていることが多い形です。板書で点線(にかけて)と実線(にわたって)を描き分けると、聞き取りのときにも思い出しやすくなります。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目で導入と「〜に先立って」「〜に際して」「〜にあたって/あたり」「〜にわたって」まで、2コマ目で「〜ことになっている」の確認と、館内放送や説明会の案内を聞き取る目標の活動、まとめを行います。聞き取りに慣れていないクラスでは、目標の活動の放送を1本増やして、メモの取り方に時間をかけます。

  • 「〜ことになっている」と「〜ことにしている」「〜ことになった」はどう見せますか?

    「だれが決めたか」と「いつ決まったか」の2つの問いで分けます。「ことにしている」は自分で決めて続けている習慣、「ことになった」は最近だれかが決めた(決まった)知らせ、「ことになっている」は前からある決まりや予定です。3つの文を並べて板書し、それぞれの横に「自分」「最近」「前から」と書いておくと、放送の聞き取りでも使えます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。