日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

学ぼう!にほんご 中級 第22課「コースを走る上で、ポイントになるのはどんなところですか」の教案

『学ぼう!にほんご 中級』

これから何かに取り組む人が、心がまえや決心を言葉にする場面を扱う課です。決心を人に伝えるときは、何をする場面の話か(〜上で)→ もう決まった事実や自分の立場(〜以上は/〜からには)→ これからどうするか(〜ことなく続ける/二度と〜まい)の順に組み立てると、聞き手に覚悟が伝わります。5つの学習項目はほぼこの順に並んでいるので、一つずつ練習したあと、課の最後に「わたしの決意」の短いスピーチとインタビューにつなげます。「以上(は)」と「からには」はどちらも「〜のだから、当然〜」という筋道を作る形なので、後ろに来る文が義務・決意・当然の判断になることを押さえさせ、あわせて二つの文体の差を感じさせるのがこの課の芯です。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目5時間90分×3コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「Vる上で」で何かをするときに大切なこと・必要なことを言い、「Vた上で」で、よく考えたり相談したりしてから決めたことを伝えられる
  • 「〜以上(は)」「〜からには」で、もう変えられない事実や立場を前に置き、そこから当然すべきことや自分の決意を言える。二つの文体の違いが分かる
  • 「〜ことなく」で、途中でやめたり休んだりしないで続けることを、書き言葉の文で書ける
  • 「二度と〜まい」「〜まいと決めた」で、同じ失敗をくり返さないという決心を表し、会話では「〜ないようにしよう」と言い替えられる

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(目標の場面)15分「今年、何か心に決めたことはありますか。どうしてそう決めたんですか」と学生に聞き、二、三人の答えを「場面・理由・決意」の3列に分けて板書する。教師も自分の決心(毎朝30分歩く など)を短く話して見せ、この課は決心を筋道立てて伝える課だと予告する
学習項目1 〜上で40分時間の線を引き、「Vる上で(それをするときに大切なこと)」と「Vた上で(それを済ませてから次へ)」を線の上の位置で対比して板書する。「〜上で大切なのは〜です」の枠で、アルバイト・寮生活・発表など身近な活動について言わせる
学習項目2・3 〜以上(は)/〜からには60分同じ前の文(「リーダーを引き受けた」)から二つの形で文を作り、文体の目盛り(書き言葉・改まった話 ↔ ふだんの会話)の上に置いて板書する。後ろに来る文(義務・決意・当然の判断・希望)を表にまとめ、来ない文(偶然の出来事・過去の事実)も一行だけ見せる。1コマ目は〜以上(は)の導入と口頭練習までにし、2コマ目の最初に〜からには を同じ前の文で始めると、二つの形を比べやすい
学習項目4 〜ことなく35分「休まないで/休まずに/休むことなく」を文体の階段の形で並べ、ことなく が作文・報告・スピーチの原稿で使われることを示す。「一度も」「一日も」と組み合わせた形を練習する
学習項目5 〜まい35分初中級で習った「〜まい」の形の作り方を短く確かめてから、「二度と〜まい」「〜まいと決める/心に決める」に絞って練習する。会話では「〜ないようにしよう」「もう〜ないぞ」になることも並べて板書する
目標の活動(決意のスピーチ・インタビュー)60分「場面(〜上で大切なのは)→ 事実・立場(〜た以上は/〜からには)→ 決意(〜ことなく続ける/二度と〜まい)」の枠で、1分ほどの決意のスピーチ原稿を書かせて発表する。聞き手は「〜する上で、いちばん難しいのはどんなところですか」とインタビュー役になって質問する。原稿は2コマ目の宿題にしておき、3コマ目は発表とインタビューに時間を使う
まとめ25分書き言葉と話し言葉の対照表(〜以上は/〜からには、〜ことなく/〜ないで、〜まい/〜ないようにしよう)を振り返り、宿題の作文のテーマをその場で決めさせる

学習項目 1 〜上で

意味・はたらき学習項目 1

動詞の形によって二つの使い方があります。「Vる+上で」は「〜するときに・〜する場合に」「〜するために」という意味で、後ろには「大切だ・必要だ・欠かせない・役に立つ・問題になる」のような評価の言葉がよく来ます。何かに取り組む前に、そのとき気をつけることを言う形です。「Vた+上で」は「〜してから・〜を済ませたあとで」という意味で、前のことを先にきちんと済ませてから、後ろの行動(決める・申し込む・返事をする など)に進むことを表します。「Nの上で」(相談の上で・確認の上で)も同じ意味で、改まった場面でよく使います。決心を伝える場面では、「よく考えた上で決めました」と言うと、軽い気持ちで決めたのではないことが伝わります。

接続

Vる+上で(〜するときに・〜するために)/Vた・Nの+上で(〜してから)。「上で」は「うえで」と読む

形
Vる上で(大切だ・必要だ・欠かせない)Vる上で大切なのは〜ことですVた上で(決める・申し込む・返事をする)Nの上で(相談の上で・確認の上で)

導入

  • 時間の線で二つの位置を分ける黒板に左から右へ時間の線を引き、真ん中に「アルバイトを始める」と書く。その点の上に「Vる上で=始めるときに大切なこと」、点の右に「Vた上で=始めてから・済ませてから」と矢印で置く。教師が「アルバイトを始める上で大切なのは、時間を守ることです」「店長とよく話した上で、シフトを決めました」と言い、二つの文がどの位置の話かを学生に指させる。
  • 「〜てから」と並べて違いを感じさせる「家族と相談してから決めました」と「家族と相談した上で決めました」を並べ、どちらが慎重に聞こえるかを学生に聞く。「上で」は前のことが後ろのための大事な手順になっていると感じさせ、決心や申し込みを伝える場面で使うと効果的だと確かめる。

板書案

Vる + 上で → 〜するときに(大切だ・必要だ・欠かせない)
Vた/Nの + 上で → 〜してから(決める・申し込む・返事をする)
〔時間の線〕――●アルバイトを始める――→ ●の真上=る上で ●の右=た上で
アルバイトを始める上で大切なのは、時間を守ることです。
店長とよく相談した上で、シフトを決めました。
〔赤〕る/た に丸 〔青〕後ろの言葉(大切だ/決めました)に下線

場面と発話(自作)

  • 寮の新入生説明会で、先輩の留学生が新入生に、寮で暮らすときの心がまえを話す。寮で暮らす上で大切なのは、ごみの出し方のルールを守ることです。
  • 就職か進学かで迷っていた留学生が、先生に結論を伝える。両親ともよく話し合った上で、日本の大学院に進むことに決めました。
  • 会社で、新しい企画の担当になった社員が、上司に予算のことを聞かれて答える。費用は、見積もりを確認の上で、来週までにご報告します。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

活動の絵カード(引っ越しをする・発表をする・面接を受ける など)を見せて「〜上で大切なのは〜ことです」の枠で言わせる。次に「決めたこと」のカード(留学・転職・部屋の契約)を出し、「〜た上で決めました」で、決める前に何をしたかを一文で言わせる。

  1. 口頭教師が活動のカード(一人暮らしをする・日本語で発表する・面接を受ける・車を運転する・寮で暮らす)を見せて「何が大切ですか」と聞き、全体で「〜上で大切なのは〜ことです」と言わせてから個人に回す。次に「決めたこと」のカード(留学する・部屋を借りる・アルバイトを変える)に切り替え、「決める前に何をしましたか」と聞いて「〜た上で決めました」で答えさせる。教師は板書の時間の線の「●の真上」か「●の右」を指して、る と た の切り替えの合図にする。
  2. ペアA は「これから何かを始める人」、B は「経験のある先輩」の役。A がカードを読んで「来月から一人暮らしを始めるんですが……」と相談し、B は「一人暮らしをする上で大切なのは〜ことだと思いますよ」と答える。次に B が「決めたこと」のカードを引き、A が「どうやって決めたんですか」と聞いて、B が「〜た上で決めました」で答える。カード3枚ごとに役を替える。
  3. 産出「先輩からのひとことカード」: 自分が経験したこと(日本での生活・アルバイト・受験)を一つ選び、これから同じことをする後輩に向けて「〜上で大切なのは〜ことです」を2文、「わたしは〜た上で、〜ことにしました」を1文書いて、教室に掲示する。教師は、る と た の取り違え、「上で」の後ろが評価の言葉か次の行動になっているか、ただの順番に「た上で」を使って大げさになっていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 形を取り違えて「*両親と相談する上で、留学を決めました」と言う。「〜してから決めた」という意味なら「Vた上で」。時間の線の板書に戻り、相談が決める前に済んでいるなら「た」の位置だと確かめる
  • 「Vる上で」の後ろに、ふつうの一回きりの行動を置いて「合格する上で、毎日3時間勉強しています」のように言う。文として通じなくはないが不自然で、ふつうは「合格するために」を使う。「上で」の後ろは「大切だ・必要だ・難しい」のような評価の言葉が多いと、後ろの言葉の一覧を見せて直す
  • 「Vた上で」を、手順でも何でもないただの時間の順に使う(「ご飯を食べた上で、テレビを見ました」)。間違いではないが大げさに聞こえる。前のことが後ろの大事な前提になっているときに使う形で、ただの順番なら「〜てから」でよいと示す

既習の文型との違い

  • 〜てから、…(初級Ⅰ 第11課)「〜てから」はただの時間の順番を言う形で、前と後ろの関係は問いません。「Vた上で」は、前のことが後ろを決めるための大事な手順・前提になっていることを表し、慎重に決めたという響きが出ます。ご飯を食べてテレビを見る、のような日常の順番に「上で」を使うと大げさに聞こえる、と二つを並べて確かめます。
  • 〜ために、…(初級Ⅱ 第29課)「合格するために勉強する」の「ために」は目的を表し、後ろには目的のための行動が来ます。「Vる上で」の後ろは「大切だ・必要だ・役に立つ」のような評価が中心で、行動の文を続けると落ち着かない文になりやすいです。学習者が「合格する上で、毎日勉強します」と言ったら、目的なら「ために」、大切なことを言うなら「上で大切なのは」と、後ろの言葉を見て選ばせます。
関連する文型

学習項目 2 〜以上(は)

意味・はたらき学習項目 2

「〜のだから、当然〜」という意味です。前には、もう決まって変えられない事実や、自分の立場・役目(引き受けた・約束した・学生である など)が来て、後ろには、そこから当然出てくる義務・決意・判断(〜なければならない・〜つもりだ・〜べきだ・〜はずだ・〜わけにはいかない・〜しかない)が来ます。「は」はあってもなくても意味は同じですが、「以上は」と言うと前の事実を強く取り立てる感じになります。ややかたい表現で、書き言葉や改まった話(あいさつ・スピーチ・会議)でよく使います。数の「3人以上」の「以上」とは別の使い方です。

接続

V普通形・い形容詞普通形+以上(は)/Nである・な形容詞である+以上(は)(名詞とな形容詞は「である」をはさむ)

形
Vた以上(は)、〜なければならないVる以上(は)、〜つもりだNである以上(は)、〜べきだ〜以上、〜わけにはいかない

導入

  • 変えられない事実から当然の結論へ教師が「わたしは、来月の発表会の司会を引き受けました」と言って板書し、「引き受けたら、どうしなければなりませんか」と学生に聞く。「準備をしなければならない」「休めない」などの答えを右側に集めてから、「引き受けた以上(は)、しっかり準備しなければなりません」と左右をつなぐ形で板書する。前は「もう変わらないこと」、後ろは「だから当然すること」と矢印に名前をつける。
  • 後ろに来る文の表を作る後ろに来る文を「義務(〜なければならない)」「決意(〜つもりだ)」「判断(〜はずだ・〜べきだ)」の3列にして、学生から出た文を振り分けさせる。最後に「*引き受けた以上、雨が降った」のような、偶然の出来事の文を一つだけ見せ、なぜおかしいかを学生に考えさせる。

板書案

〔もう変わらない事実・立場〕 + 以上(は)、〔当然すること〕
Vる・Vた + 以上(は) / N・な形 + である + 以上(は)
司会を引き受けた以上は、しっかり準備しなければなりません。
〔後ろの3列〕義務(〜なければならない)|決意(〜つもりだ)|判断(〜はずだ・〜わけにはいかない)
〔赤〕である を色分け 〔×〕後ろに偶然の出来事は来ない

場面と発話(自作)

  • 大学のゼミで、グループ発表のリーダーに選ばれた留学生が、最初の打ち合わせでメンバーにあいさつする。リーダーになった以上は、最後まで責任を持ってまとめるつもりです。
  • 会社の朝礼で、課長が新しい安全のルールについて話す。ルールとして決まった以上、全員が必ず守らなければなりません。
  • 日本語学校の入学式で、学生代表が決意を述べる。日本で学ぶ学生である以上、日本の社会のルールもきちんと学んでいきたいと思います。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

前の文のカード(約束した・申し込んだ・学生である・社会人になった)を引かせ、「〜以上(は)」のあとに義務か決意を続けさせる。慣れたら教師が後ろの文の種類(義務・決意・判断)をカードで指定し、同じ前の文から3つの文を作らせる。

  1. 口頭教師が立場のカード(約束した・申し込んだ・会員になった・社会人である・リーダーに選ばれた)を出し、全体で「〜以上(は)」の前半を言わせる。続けて教師が板書の後ろの3列(義務・決意・判断)のどれかを指し、その列の形で後半を続けさせる。慣れたら個人を指名し、同じカードから3列ぶんの文を続けて言わせる。名詞のカードのときは「である」が入ったかを毎回確かめる。
  2. ペア情報差の練習。A は「決まったこと」のカード(来月の学校祭で店を出すことになった・クラスの代表に選ばれた)、B は「心配なこと」のカード(お金が足りない・人が集まらない・時間がない)を持つ。A がカードを読み、B が心配を一つ言い、A が「決まった以上は、〜なければならない/〜しかない」で答える。B のカードがなくなったら役を替える。
  3. 産出「係の宣言」: クラスの係(掃除・連絡・行事の準備)をくじで割り当て、一人ずつ前に出て「〜係になった以上は、〜つもりです」で始まる30秒の宣言を、改まった口調で言う。教師は、名詞+である、後ろが決意・義務になっているか、数の「以上」の言い方と混ざっていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 名詞に直接つけて「*学生以上は、勉強しなければならない」と言う。名詞とな形容詞は「である」をはさむ(「学生である以上は」)。数の「〜以上」と混ざりやすいので、「である」の部分を色を変えて板書する
  • 後ろに偶然の出来事や過去の事実を置いて「*日本に来た以上、毎日雨が降った」と言う。後ろには話し手の決意・義務・判断が来る形なので、「来た以上、〜しなければならない/〜つもりだ」に直し、表の3列のどれに入るかを考えさせる
  • ふだんの友達との会話で「以上は」を多用して、かたく聞こえる。間違いではないが、会話なら「〜からには」や「〜んだから」のほうが自然なことが多いと、学習項目3で文体の目盛りに並べて見せる

既習の文型との違い

  • 〜ので、…(初級Ⅱ 第21課)「〜ので」は理由と結果をつなぐ形で、後ろに偶然の出来事も来ます(雨が降ったので、試合が中止になった)。「〜以上(は)」は前の事実から「当然そうすべきだ・そうするしかない」という話し手の判断を導く形で、後ろは決意・義務・判断が中心です。「雨が降った以上、中止になった」は落ち着かず、「雨が降った以上、中止にするしかない」なら自然、と並べて見せます。
  • 〜なら、…(初級Ⅱ 第21課)「〜なら」は「〜という場合は」と仮の話を受ける形で、前のことはまだ決まっていなくてもかまいません。「〜以上(は)」の前は、もう決まった事実か確かな立場です。「留学するなら、早めに準備したほうがいい」は相手の話を仮に受けた助言、「留学すると決めた以上、準備を急がなければならない」は決まったことからの結論、と比べさせます。
関連する文型

学習項目 3 〜からには

意味・はたらき学習項目 3

「〜以上(は)」とほぼ同じで、「〜のだから、当然〜」「〜するのなら、最後まで〜」という意味です。前にはもう決めたこと・始めたこと・決まった立場が来て、後ろには強い決意・義務・希望(〜たい・〜てほしい・〜つもりだ・〜なければならない)が来ます。「以上(は)」より会話でも使いやすい傾向があり、話し手の気持ちの強さが出る言い方です。「やるからには」「来たからには」のように、自分で選んだことを前に置いて、自分を奮い立たせるときによく使います。後ろに「〜だろう」を置いて、「〜するのだから、きっと〜だろう」という推測を表すこともあります。

接続

V普通形・い形容詞普通形+からには/Nである・な形容詞である+からには(「Vる」も「Vた」も使う)

形
Vるからには、〜たい/〜つもりだVたからには、最後まで〜なければならないNであるからには、〜〜からには、きっと〜だろう

導入

  • 同じ前の文を二つの形で言う学習項目2で使った「司会を引き受けた」をもう一度出し、教師が友達に話すつもりで「引き受けたからには、絶対に成功させたい」と言う。「以上は」の文と並べて板書し、「どちらが会議で、どちらが友達との話に合いますか」と聞く。黒板の端に文体の目盛り(左=書き言葉・改まった話、右=ふだんの会話)を描き、以上は を左寄り、からには を真ん中から右寄りに置く。
  • 「やるからには」で自分を奮い立たせる教師が「スポーツ大会に出ることになりました。やるからには……」と言って止め、学生に続きを言わせる(優勝したい・毎日練習する など)。後ろに希望の「〜たい」が自然に来ることを確かめ、自分が選んだことを前に置くと決意が強く聞こえることを感じさせる。

板書案

Vる・Vた + からには、〔決意・希望・義務〕
やるからには、優勝したい。
〔文体の目盛り〕書き言葉・改まった話 ← 以上(は)……からには → ふだんの会話
N + である + からには(会話では「〜なんだから」も)
〔赤〕後ろの 〜たい・〜つもりだ に丸

場面と発話(自作)

  • 初めてマラソン大会に申し込んだ会社員が、同僚にランチで話す。申し込んだからには、最後まで走り切りたいんです。
  • 引っ越しの準備をしている留学生が、日本の地方の町で働くことを決めた理由を友達に話す。この町に住むからには、地元の人と知り合いになりたいと思ってるんだ。
  • アルバイト先の店長が、新しく入ったスタッフに仕事の心がまえを話す。お金をもらって働くからには、お客さんの前ではプロでいてください。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「始めたこと」のカード(ピアノを習い始めた・留学を決めた・部長になった)を引かせ、「〜からには」で希望か決意を言わせる。次に同じカードで「以上(は)」の文も作らせ、二人一組で「会議で言うなら」「友達に言うなら」と場面を指定し合って選ばせる。

  1. 口頭教師が「始めたこと・選んだこと」のカード(ジムに入会した・日本に来た・ボランティアに申し込んだ・店を開く・大学院に進む)を見せ、「〜からには、何をしたいですか」と聞く。全体で「〜からには、〜たい」と言わせ、次に個人で「〜からには、〜つもりだ/〜なければならない」に広げる。同じカードで教師が「会議で」と言えば以上(は)、「友達に」と言えばからには、と口頭で切り替えさせる。
  2. ペアA は「迷っている人」、B は「背中を押す友達」の役。A がカードを読んで「ギター、習い始めたけど、難しくて……」と弱音を言い、B が「習い始めたからには、1曲は弾けるようになろうよ」と励ます。A はカードの数だけ弱音を出し、B は毎回「からには」で返す。最後に役を替えて、B の弱音を A が励ます。
  3. 産出「やるからには宣言」: これから始めること(資格の勉強・部活・新しいアルバイト)を一つ選び、「〜からには、〜たい。そのために〜」の2文を友達に話す口調で言う。聞き手は「どうしてそうしたいの?」と一つ質問し、話し手は短く答える。教師は、後ろが希望・決意になっているか、名詞の「である」、以上(は)との場面の選び方が合っているかを見る。

つまずきと手当て

  • 後ろに偶然の出来事や過去の事実を置いて「*留学したからには、友達がたくさんできた」と言う。後ろは決意・義務・希望が中心なので、「留学したからには、友達をたくさん作りたい」のように話し手の気持ちの文に直す
  • 「以上」と同じように名詞に直接つけて「*学生からには」と言う。名詞は「学生であるからには」。ただし会話では「学生なんだから」のほうがずっと自然なことが多いと添える
  • 「以上(は)」と「からには」は入れ替えられることが多く、どちらかを誤りとはしない。違いは文体と気持ちの強さの傾向で、作文やスピーチの原稿では以上(は)、会話や自分を励ます言葉ではからには、と場面で選ばせる

既習の文型との違い

  • 〜以上(は)(本課 学習項目2)意味はほぼ同じで、多くの文で入れ替えられます。違いは傾向で、以上(は)は改まった話や文章で落ち着いた判断を言うのに向き、からには は会話でも使いやすく、「〜たい」のような希望を続けて自分を奮い立たせる言い方によく合います。どちらかを誤りとはせず、場面を指定して選ばせます。
  • 〜つもりです/〜予定です(初級Ⅱ 第23課)「〜つもりです」は話し手の意志をそのまま言う形です。「〜からには」はその意志の前に「もう選んだのだから」という筋道を置き、決意の強さを足します。「優勝するつもりです」と「大会に出るからには、優勝するつもりです」を並べ、前を足すと覚悟が伝わることを感じさせます。
関連する文型

学習項目 4 〜ことなく

意味・はたらき学習項目 4

「〜しないで」「〜せずに」という意味の書き言葉です。ふつうなら起こりそうなこと(休む・あきらめる・迷う・失敗する)が起こらないまま、ある状態や行動が続いたことを表し、「一度も」「一日も」「最後まで」とよくいっしょに使います。報告書・新聞・作文・スピーチの原稿など、改まった文章で出ることが多く、ふだんの会話では「〜ないで」「〜ずに」のほうが自然です。決心を表すときは「途中であきらめることなく、続けていきたい」のように、これからの態度を言う文にも使えます。

接続

Vる(辞書形)+ことなく(会話の形は「Vないで」「Vずに」)

形
Vることなく〜続ける一度も/一日も VることなくVることなく、〜たい(これからの決意)

導入

  • 文体の階段に三つを並べる黒板に階段を3段描き、下から「休まないで」「休まずに」「休むことなく」と書く。教師が「わたしの祖母は50年間、一日も休むことなく日記を書き続けました」と、かたい文章を読む声で言い、同じことを友達に話すなら下の段になると見せる。学生にも「この話を作文に書くなら」「友達に話すなら」と場面を指定して段を選ばせる。
  • 起こりそうなことが起こらなかった「長い試験勉強の途中で、ふつうはどんなことが起こりますか」と聞き、「あきらめる」「なまける」「迷う」を集める。それを「〜ことなく」に入れて「最後まであきらめることなく勉強を続けた」と板書し、前に来るのは「起こりそうなのに起こらなかったこと」だと矢印で示す。

板書案

Vる(辞書形) + ことなく = 〜ないで(書き言葉)
〔階段〕休まないで → 休まずに → 休むことなく(上の段ほどかたい)
祖母は50年間、一日も休むことなく日記を書き続けた。
一度も/一日も/最後まで + Vることなく
〔赤〕辞書形に丸 〔×〕休まないことなく

場面と発話(自作)

  • 介護施設で働く外国人スタッフが、1年の研修を終えて報告書に書く。この1年間、一日も休むことなく研修に参加することができました。
  • 日本語学校の卒業式で、卒業生代表がスピーチの原稿を読む。これからも、失敗を恐れることなく新しいことに挑戦していきます。
  • 地域の新聞が、30年間続く駅前の清掃活動を紹介する記事を書く。雨の日も、活動が中止されることなく続けられてきた。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

会話の文(「一回もあきらめないで練習した」「迷わずに答えた」)をカードで渡し、作文の文に書き換えさせる。次に「あなたがこれから続けたいこと」を一つ決めさせ、「〜ことなく〜続けていきたい」の形で決意の一文を書かせる。

  1. 口頭教師が会話の文を言い(「一回も休まないで練習した」「迷わずに答えた」「あきらめないで続けた」「だれにも頼らないで作った」「止まらないで走った」)、全体で「〜ことなく」の文に言い換えさせる。次に教師が「一日も」「一度も」「最後まで」のカードを上げ、その言葉を入れて言い直させる。個人指名では、文体の階段の板書のどの段かを本人に指させてから言わせる。
  2. ペアA は「記者」、B は「インタビューを受ける人」の役。B は「長く続けていること」のカード(10年続けているジョギング・毎日の日記・3年間休まず通った教室)を持つ。A が「どのくらい続けているんですか」と聞き、B は会話の形(「5年間、一日も休まずに続けています」)で答える。A はそれを記事の一文(「〜さんは5年間、一日も休むことなく〜を続けている」)に言い換えて読み上げる。2回で役を替える。
  3. 産出「わたしの継続記録」: 自分が続けてきたこと、またはこれから続けたいことを、新聞の紹介記事の書き出しのように2〜3文で書く(「〜ことなく〜続けてきた」「これからも〜ことなく〜ていきたい」)。教師は、前が辞書形か、否定を重ねていないか、日常の小さなことに使って大げさになっていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 否定を重ねて「*休まないことなく働いた」と言う。「ことなく」の中にもう否定が入っているので、前は辞書形(「休むことなく」)。「なく=ない」と一言添えると分かりやすい
  • 前の動詞の形を取り違えて「*休みことなく」「*休んだことなく」と言う。辞書形につくことを、文体の階段の板書でそろえて確かめる
  • 友達との会話や日常の小さな出来事に使って「傘を持つことなく出かけた」のように言う。間違いではないが大げさに聞こえる。会話や日記なら「傘を持たないで出かけた」で十分で、ことなく は改まった文章や、続いたことに価値がある話で使う、と場面で選ばせる

既習の文型との違い

  • 〜ないで、…(初級Ⅰ 第12課)「〜ないで」は会話でも文章でも使える一般的な形で、「傘を持たないで出かけた」のような日常の小さなことにも使えます。「〜ことなく」は意味は近いものの書き言葉で、起こりそうなことが起こらないまま何かが続いたこと、そこに価値があることを言う場面に向きます。作文に「〜ないで」と書いた学習者には、改まった文章なら「〜ことなく」も選べると示します。
関連する文型

学習項目 5 〜まい

意味・はたらき学習項目 5

初中級で習った「〜まい」の続きで、この課では強い否定の決心「絶対に〜しない」に絞ります。「二度と〜まい」「もう〜まい」の形で、同じ失敗をくり返さないと心に決めるときによく使います。人に向かって言うより、心の中の決心や、それを文章にするときの言い方で、「〜まいと決める・心に決める・誓う」の形にすると、自分のことも他の人の決心も書けます。かたく古風な響きがあるので、会話では「もう〜ないぞ」「〜ないようにしよう」と言うのがふつうです。「〜まい」には「〜ないだろう」という推量の使い方もありますが、この課では扱わず、決心に絞ります。

接続

グループⅠ(五段動詞)は辞書形+まい(行くまい)。グループⅡ(一段動詞)は「食べまい」「食べるまい」、「する」は「するまい・すまい」、「来る」は「来るまい・こまい」などの形がある

形
二度と Vまいもう VまいVまいと決める/心に決める/誓うVまいとして〜(しないように努めて)

導入

  • 初中級の形を思い出してから決心に絞る黒板に動詞のグループごとに「行く→行くまい」「食べる→食べまい/食べるまい」「する→するまい」と書き、学生に二、三語、形を作らせて思い出させる。そのうえで教師が「先週、大事な約束に遅れてしまいました。そのとき、もう二度と遅れるまいと心に決めました」と話し、「二度と」「心に決めた」に下線を引く。
  • 心の中の言葉と、口に出す言葉吹き出しを2つ描き、心の中の吹き出しに「二度と遅れるまい」、友達に話す吹き出しに「もう二度と遅れないようにするよ」と書く。同じ決心でも、文章や心の中ではまい、会話ではないようにする・ないぞ になると見せる。

板書案

二度と + Vまい = 絶対に〜しない(強い決心)
行く → 行くまい 食べる → 食べまい/食べるまい する → するまい/すまい
もう二度と遅れるまいと心に決めた。
〔吹き出し〕心の中・日記:二度と遅れるまい / 人に話す:もう遅れないようにします
〔×〕行かないまい 〔×〕〜まいです

場面と発話(自作)

  • 寝坊してアルバイトに遅刻し、店長に注意された留学生が、その日の日記に書く。もう二度と目覚まし時計を止めて寝るまいと心に決めた。
  • 一度禁煙に失敗した会社員が、もう一度挑戦することを決めて手帳に書く。今度こそ、一本も吸うまい。
  • 大事な試合の前日、緊張している選手の様子を、記事が伝える。選手たちは、前回と同じミスはするまいと、何度も確認を重ねていた。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

失敗の絵カード(財布を忘れた・電車を乗り過ごした・宿題を出し忘れた)を見せ、「二度と〜まいと決めた」で日記の一文を書かせる。次に同じ決心を友達に話す形(「もう〜ないようにする」)に言い替えさせ、書き言葉と話し言葉の両方を口に出させる。

  1. 口頭教師が失敗の絵カード(寝坊する・財布を忘れる・食べすぎる・夜ふかしする・電車で寝過ごす)を見せ、まず形だけを全体で(寝坊する→寝坊するまい、忘れる→忘れまい)言わせる。次に「二度と〜まいと決めた」の文を全体→個人で言わせる。教師が「日記に」と言えばまい、「先生に」と言えば「もう〜ないようにします」と、場面のひとことで切り替えさせる。
  2. ペアA は「失敗した人」、B は「話を聞く友達」の役。A が失敗のカードを引いて「きのう〜てしまって……」と話し、B が「それで、これからどうするの?」と聞き、A が「もう〜ないようにする」と答える。そのあと A は同じ決心を日記の一文(「二度と〜まいと心に決めた」)に書いて B に見せ、B が動詞の形を確かめる。カードごとに役を替える。
  3. 産出「反省日記」: この1か月の小さな失敗を一つ選び、日記の形で3文書く(何があったか→どう思ったか→「二度と〜まいと心に決めた」)。発表はせず隣の人と交換し、相手の日記の決心を「友達に話すなら」の形(もう〜ないようにする)に言い換えて返す。教師は、前の動詞の形、まい に です をつけていないか、人に向かって言う文に使っていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 否定の形につけて「*行かないまい」と言う。「まい」そのものが否定なので、辞書形(グループⅠ)につける。初中級の板書の形に戻って確かめる
  • 丁寧形にしようとして「*もう二度と遅刻しまいです」と言う。「まい」に「です」はつかない。人に丁寧に伝えるなら「二度と遅刻しないようにします」と言い替える
  • 先生や上司に向かって「二度と遅れるまい」と言う。形は正しいが、人に向かって言うとかたく古風で、謝る場面には合わない。人に伝えるときは「二度と遅れないようにします」、心の中や日記・作文では「まい」と場面で分けさせる

既習の文型との違い

  • 〜まい(初中級 第13課)初中級では「〜まい」の形の作り方と、強い否定の意志という意味を初めて扱いました。この課では、決心を伝える課の流れの中で「二度と〜まい」「〜まいと心に決める」に絞り、〜以上(は)・〜からには・〜ことなく と組み合わせて決意の文章を作るところまで進めます。推量の「〜まい」はここでも扱いません。
  • 〜ようにします(初級Ⅱ 第24課)「〜ないようにします」は、気をつけて〜しない状態を保つという意味で、人に向かって丁寧に言えます。「〜まい」は心の中の強い決心を表すかたく古風な形で、人に向かって言うと場面に合いません。先生に謝る場面では「二度と遅れないようにします」、日記や作文では「二度と遅れるまいと決めた」と、同じ決心を二つの形で言わせます。
関連する文型

語彙の扱い

決心を表す言葉(決める・心に決める・誓う・覚悟・責任・全力・最後まで・二度と・一度も)は、単語として一つずつ覚えさせるより、「心に〜」「責任を〜持つ」「全力で〜」のような連語の形で、この課の文型の後ろに入れて練習します。「二度と〜まい」「一度も〜ことなく」のように、副詞と文型を組で覚えさせると、課の最後のスピーチ原稿にそのまま使えます。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 引き受けます(ひきうけます) 頼まれた仕事や役目を、自分がすると答えます。 仕事を〜・司会を〜・役を〜
    クラスの係を決める話し合いで、だれも手を挙げない。
    「じゃあ、わたしが引き受けます。引き受けた以上は、きちんとやります。」
  • 決心します(けっしんします) よく考えて、これからすることをはっきり決めます。 〜がつく・固く〜する
    迷っていた進学について、先生に結論を伝える。
    「家族とよく話し合った上で、日本の大学に進むことを決心しました。」
  • 心に決めます(こころにきめます) 人には言わなくても、自分の中で強く決めます。 固く〜・ひそかに〜
    試験に落ちた日の夜、日記を書く。
    「来年こそ合格する。もう二度とあきらめるまいと心に決めた。」
  • 誓います(ちかいます) 必ずそうすると、強く約束します。 心に〜・かたく〜
    日本語学校の卒業式で、卒業生代表があいさつをする。
    「ここで学んだことを忘れることなく、努力を続けることを誓います。」
  • 責任(せきにん) 自分が引き受けた仕事や、その結果について、しなければならない務めです。 〜を持つ・〜を取る・〜が重い
    グループ発表のリーダーになった学生が、メンバーに話す。
    「リーダーになったからには、最後まで責任を持ってまとめます。」
  • 全力(ぜんりょく) 持っている力の全部です。 〜で走る・〜を尽くす・〜を出す
    学校祭の劇で、主役に選ばれた学生があいさつする。
    「本番では全力を出して、最後まで演じたいと思います。」
  • 覚悟(かくご) 大変なことが起こっても受け止めると、前もって心を決めておくことです。 〜を決める・〜ができる・〜の上で
    会社をやめて自分の店を開くことにした人が、友達に話す。
    「店を開くからには、最初の何年かは休みがない覚悟だよ。」
  • 続けます(つづけます) 途中でやめないで、同じことをし続けます。 練習を〜・毎日〜・〜ていく
    地域の新聞が、毎朝ジョギングをしている人を紹介する。
    「この3年間、雨の日も休むことなくジョギングを続けてきた。」
  • あきらめます(あきらめます) できないと思って、したかったことを途中でやめます。 夢を〜・途中で〜・試合を〜
    卒業する先輩が、後輩へのメッセージカードを書く。
    「最後まであきらめることなく、挑戦し続けてください。」
  • 挑戦します(ちょうせんします) 難しいことに、自分から取り組みます。 新しいことに〜・試験に〜
    一度落ちた資格試験について、先輩に相談する。
    「来年、もう一度挑戦してみようと思うんです。」
  • 二度と(にどと) 「もう一回もしない」と、くり返さないことを強く言う言葉です。後ろは否定の形になります。 〜しない・〜行くまい・〜繰り返さない
    熱を出すまで無理をして働いた週の終わりに、日記を書く。
    「あんなに無理をして働くことは、二度とするまい。」
  • 一度も(いちども) 「一回も」という意味で、後ろは否定の形か「〜ことなく」になります。 〜休まない・〜休むことなく
    1年間休まずに通った学生を、先生が修了式で紹介する。
    「この学生は、1年間一度も休むことなく学校に通いました。」

宿題と次のコマ

宿題は、これから取り組むこと(試験・仕事・習いごと・日本での生活 など)を一つ選び、「〜上で大切なのは〜だ」→「〜た以上(は)/〜からには〜」→「〜ことなく〜続けたい」または「二度と〜まい」の順で、200〜300字の「わたしの決意」を書くこと。次のコマの最初に何人かに読み上げさせ、聞き手に「いちばん決意が伝わった文はどれですか」と聞いてから、以上(は)とからには の選び方が場面に合っているかを全員で確かめます。そのあと、抑えられない気持ちを表す第23課に進みます。

よくある質問

  • 第22課の「Vる上で」と「Vた上で」は、どう教え分ければいいですか?

    時間の線を引き、ある行動の点の真上に「Vる上で(それをするときに大切なこと)」、点の右に「Vた上で(それを済ませてから次へ)」を置いて対比します。後ろに来る言葉も分けて見せ、る上で のあとは「大切だ・必要だ」のような評価、た上で のあとは「決める・申し込む」のような次の行動が多いと示すと、取り違えが減ります。

  • 「〜以上(は)」と「〜からには」の違いは何ですか?入れ替えられますか?

    どちらも「もう決まったのだから、当然〜」という筋道を作る形で、多くの文で入れ替えられます。違いは傾向で、以上(は)は改まった話や文章、からには は会話でも使いやすく、「〜たい」で自分を奮い立たせる言い方に合います。どちらかを誤りとせず、場面を指定して選ばせるのがよいでしょう。後ろに偶然の出来事が来にくい点は共通です。

  • 「〜ことなく」と「〜ないで」「〜ずに」はどう違いますか?

    意味は近く、違うのは文体と使う場面です。〜ないで がいちばんふつうの形で、〜ずに は少しかたく、〜ことなく は報告書・記事・スピーチの原稿のような書き言葉で使います。また ことなく は「一日も休むことなく」のように、起こりそうなことが起こらないまま続いたことに価値がある話に向き、日常の小さなことに使うと大げさに聞こえます。

  • 「〜まい」は初中級でも出ましたが、この課では何を教えればいいですか?

    形の作り方と強い否定の意志という意味は初中級で扱っているので、短く確かめるだけにします。この課では「二度と〜まい」「〜まいと心に決める」に絞り、課の流れ(〜上で→〜以上(は)・〜からには→〜ことなく・〜まい)の中で決意の文章を作るところまで進めます。人に向かって言うときは「〜ないようにします」と言い替えることも、あわせて練習します。

  • この課は何コマで終わりますか?

    90分×3コマが目安です。1コマ目で〜上で と〜以上(は)、2コマ目で〜からには・〜ことなく・〜まい、3コマ目で決意のスピーチとインタビュー、まとめを行います。スピーチの原稿を2コマ目の宿題にしておくと、3コマ目を発表と振り返りに使えます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。