日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

学ぼう!にほんご 中級 第26課「目の不自由な人や盲導犬に関する法律が改正されました」の教案

『学ぼう!にほんご 中級』

話や文章が何を対象にしているのかをはっきり示す言い方を集めた課です。5つの形は、手本のとおりにすることを言う「〜通りに」、話題や対象を示す「〜について」「〜に関して」、根拠や基準を示す「〜に基づいて」、意見が分かれる中心を示す「〜をめぐって」の4組に分けると整理しやすくなります。「〜について」は初中級で学んだ形なので、この課では「〜に関して」と並べて、硬さの違いと名詞の前の形(についての/に関する)の使い分けを押さえ直します。人に作業の手順を伝える場面と、制度や決まりの変更を知らせるお知らせ・ニュースを読む場面の両方で使わせると、どの形がどんな文章に出るかが見えてきます。

このページについて教科書の本文・例文・練習の文は載せていません。例文と場面はすべて自作です。課の題と学習項目の表記は本の目次に合わせています。
学習項目5時間90分×2コマ

この課のねらい(Can-do)

  • 「〜通りに」で、説明書・地図・見本・人の言ったことを手本にして作業の手順を指示し、「とおりに」と「どおりに」を前の語によって読み分けられる
  • 話や文章の話題を「〜について」「〜に関して」で示し、会話かお知らせ・報告かによって選び、名詞の前では「についての」「に関する」を使い分けられる
  • 決まり・調査・経験などを根拠にしたことを「〜に基づいて」「〜に基づいた/基づく N」で言い、何を根拠にしているかをはっきり示して説明できる
  • ニュースや記事で「〜をめぐって」を見たときに、何について意見が分かれ、だれとだれが議論・対立しているのかを読み取れる

進め方と時間配分

目安は 90分×2コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
導入(目標の場面)10分教師が「アルバイトを始めた日、店長から何を教えてもらいましたか」と聞き、仕事のやり方を教えてもらったときの言い方を集める。続けて、駅や市役所の掲示の写真(規則の変更のお知らせ)を見せ、「これは何についてのお知らせですか」と聞く。指示する・お知らせを読む、の二つの場面で、話の対象をはっきり示す形がこの課に5つあると予告する
学習項目1 〜通りに/通りに30分教師が折り紙を折りながら「わたしが折るとおりに折ってください」と言い、学生にまねさせて導入する。「説明書どおりに」「地図のとおりに」と前の語を替え、「とおり」と「どおり」の読み分けを板書で整理する
学習項目5 〜について/ついての(復習)15分初中級で学んだ形を、「きょうは新しいレジの使い方について説明します」のように、指示を始める一言で思い出させる。名詞の前では「についての」になることも確かめ、次の「〜に関して」と比べる土台にする
学習項目2 〜に関して/関する30分同じ内容を、友達との会話(「〜について」)とお知らせの文(「〜に関して」)で書き分けて見せ、硬さの違いを確かめる。名詞の前の「に関する」を、お知らせや記事の見出しの形として練習する。1コマ目はここまで
学習項目3 〜に基づいて25分「〜通りに」は手本と同じにする、「〜に基づいて」は根拠・基準にして考える・決める、の違いを、レシピどおりの料理と、調査の結果に基づいて決めた計画の2つの例で比べる。2コマ目の最初に、宿題のお知らせの題を何人かに読ませてから入る
学習項目4 〜をめぐって25分「何について」と「だれとだれが」を矢印で結んだ図で導入する。後ろには議論する・対立する・意見が分かれる のような動詞が来ることを、短いニュースの文で確かめる
目標の活動(手順の指示とお知らせの読み取り)35分前半は、ペアで一人が簡単な作業(地図をかく・図形を組み立てる)の手順を「〜通りに」で指示し、もう一人が言われたとおりにやってみる。後半は、教師が作った短いお知らせとニュースの文を読み、「何についての話か」「何に基づいて決まったか」「何をめぐって意見が分かれているか」を答える
まとめ10分5つの形を「手本」「話題」「根拠」「議論の中心」の4つの箱に置き直し、会話向きの形と書き言葉向きの形、名詞の前の形を一覧にして残す

学習項目 1 〜通りに/通りに

意味・はたらき学習項目 1

前に来る言葉(人が言ったこと・説明・見本・予定・自分の考えなど)を手本にして、それと同じようにする、また、そのとおりのことが起こる、ということを表します。人に作業を教えるとき、「わたしがやるとおりにやってください」「説明書どおりに組み立ててください」のように、何をまねすればよいかをはっきり示せるので、指示の言葉としてとても便利です。「思ったとおり」「予想どおり」のように、前から考えていたことと結果が同じだった、という意味でもよく使われ、反対に「計画どおりに進まない」は、前に考えていたようには物事が進まない、ということです。前に動詞や「この・その」が来るときは「とおり」、名詞に直接付くときは「どおり」と読みます。

接続

Vる/Vた+とおりに、Nの+とおりに、この・その・あの+とおりに(読みは「とおりに」)/N+どおりに(読みは「どおりに」。予定どおりに・説明どおりに)。名詞の前では「〜とおりの N/〜どおりの N」、文末では「〜とおりだ/〜どおりだ」

形
Vる とおりに(わたしが言うとおりにしてください)・Vた とおりに(習ったとおりに書く)Nの とおりに・このとおりに(地図のとおりに行く・このとおりに並べる)=「とおり」と読むN どおりに(予定どおりに・説明書どおりに・計画どおりに進まない)=「どおり」と読む〜とおりの N/〜どおりの N(想像どおりの町)・〜とおりだ(おっしゃるとおりです)

導入

  • 教師の動きをまねさせる教師が紙を一枚持ち、「わたしが折るとおりに折ってください」と言ってゆっくり折る。学生に同じように折らせ、できたら「先生と同じですか」と聞いて、前の動作を手本にしてそれと同じにする、という意味を確かめる。続けて「さっき折ったとおりに、もう一枚折ってください」と言い、Vた を使うと前にやったことを手本にする言い方になることを見せる。
  • 「とおり」と「どおり」を表にする黒板を2列に分け、左に「言うとおりに」「書いたとおりに」「地図のとおりに」「このとおりに」、右に「予定どおりに」「説明書どおりに」「計画どおりに」を書く。学生に読ませてから、「右の列の前には何がありますか」と聞き、名詞にすぐ付くと「どおり」になると引き出す。「地図のとおり」と「地図どおり」は意味が同じで、「の」があるかどうかで読みが変わる、と赤で書く。

板書案

Vる/Vた+とおりに  Nの+とおりに  この+とおりに
N+どおりに 〔赤〕「の」がなければ「ど」
地図のとおりに = 地図どおりに 〔青〕意味は同じ・読みが違う
わたしが折るとおりに折ってください。(これから見せる)
さっき折ったとおりに、もう一枚折ってください。(もう見せた)
思ったとおりだった ⇔ 計画どおりに進まない 〔緑〕考えと結果が同じ/違う

場面と発話(自作)

  • 工場で働き始めた人に、先輩が機械の止め方を教える。いいですか。わたしが今やったとおりに、まず赤いボタンを押して、それからレバーを下げてください。
  • 引っ越しの日、荷物を運ぶ友達に、部屋の配置を描いた紙を渡す。家具はこの図のとおりに置いてくれる? 机は窓の前ね。
  • 旅行会社の人が、ツアーの参加者に翌日の予定を説明する。明日は予定どおり、朝8時にホテルを出発します。遅れないようにお願いします。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

絵のカード(簡単な図形の並び・道順の地図・料理の手順)をペアの片方だけに見せ、「〜とおりに」「〜どおりに」を使って相手に指示させ、相手は言われたとおりに紙にかく。終わったら絵と比べ、「指示のとおりでしたか」「予定どおりにできましたか」と聞き合う。読みの練習として、教師が言う語(説明・予定・約束・この・言った)に「とおりに/どおりに」を付けて言わせ、読み分けを速く回す。

  1. 口頭教師が語カードを見せ、全体で「とおりに/どおりに」を付けて言わせる。キューは「説明」「予定」「約束」「この」「言った」「書いた」「地図の」「見本の」「計画」の順に出し、名詞と動詞を交互に混ぜる。全体で2回回したら個人に当て、読みを取り違えた学生には「の」があるかないかだけを聞き返して自分で直させる。続けて教師が動作を一つ見せ、学生の一人に「先生がやったとおりにやってください」と言わせ、ほかの学生が同じ動作をする、を3回ほど回す。
  2. ペアAには図形が並んだ絵(丸・三角・四角の位置と色)、Bには白い紙を渡す。AはBに絵を見せずに「この紙のとおりに、まず左に丸をかいて…」と指示し、Bはかき終わったら「言われたとおりにかきました」と言って絵と比べる。違っていたら「どこが言ったとおりじゃなかった?」と二人で確かめる。役を替えて別の絵でもう一回。
  3. 産出「そっくり再現ゲーム」。学生が自分の机の上の様子か、よく行く店までの道を簡単な絵にし、それを見せずにグループの一人に口で伝えてかかせる。終わったら絵を並べ、「予定どおりにできた」「思ったとおりにならなかった」とひとこと振り返る。教師が見るのは、とおり/どおりの読み、Vる と Vた の選び方(手本をもう見せたかどうか)、「〜とおりに」が動詞のすぐ前に来ているか、の3点。

つまずきと手当て

  • 読みを取り違えて「*予定とおりに」「*地図のどおりに」と言う。名詞に直接付くときは「どおり」、「の」や動詞・「この」のあとは「とおり」。「Nのとおり=Nどおり」と2つを並べて板書し、「の」があれば「と」、なければ「ど」と覚えさせる
  • Vる と Vた の違いが分からない。「わたしが言うとおりにして」はこれから言うことに合わせる、「わたしが言ったとおりにして」はもう言ったことに合わせる。指示の場面ではどちらも使うが、手本がもう示されたかどうかで選ぶ、と動作で見せて確かめる
  • 「通り」を道の名前の「通り(とおり)」と混ぜて、文の意味が取れない。「〜とおりに」は動詞のすぐ前に来て「どうやってするか」を言う形、と文の中の位置で見分けさせる。書くときはひらがなの「とおり」もよく使われると伝える

既習の文型との違い

  • 〜ように…(初中級 第3課)「先輩のように話したい」の「〜のように」は、例として挙げた人や物に似せる・目標にする言い方で、手順まで同じにするとは限りません。「〜とおりに」は、示された手順・形・内容とそっくり同じにすることを言います。「説明書のように組み立てた」は、説明書を例にしたという程度の言い方で、手順を一つずつ同じにしたという意味ははっきりしません。手順をそのまままねることを言うなら「説明書どおりに」を選ばせます。
  • 〜に基づいて(第26課)「〜通りに」は手本と同じ形・同じ手順にすること、「〜に基づいて」は根拠を土台にして自分で判断したり作ったりすることです。「レシピどおりに作る」はレシピと同じ料理、「アンケートに基づいて新しいメニューを作る」はアンケートを参考に考えた料理になります。
関連する文型

学習項目 2 〜に関して/関する

意味・はたらき学習項目 2

話・質問・調査・決まり・情報などが何を対象にしているかを示します。意味は「〜について」とほぼ同じですが、「〜に関して」のほうが硬く、お知らせ・ニュース・報告・説明会・ビジネスのメールなど、改まった話や書き言葉でよく使われます。名詞の前では「〜に関する N」になり、「個人情報に関する注意」「新しい制度に関するお知らせ」のように、記事の見出しや書類の題名によく出てきます。「関する」は「関係する」ということなので、その話題だけでなく、それに関係すること全体を広く指す感じがあります。丁寧な話では「〜に関しまして」、話題を取り立てて言うときは「〜に関しては」も使われます。

接続

N+に関して(V)/N+に関する+N(書き言葉では「に関しての N」も使われる。改まった話では「〜に関しまして」)

形
N に関して 説明する・質問する・調べるN に関する N(安全に関する決まり・留学に関する相談)N に関しては、〜(その話題を取り立てる。日程に関しては、後でお知らせします)N に関しまして(説明会・電話など改まった話)

導入

  • 会話とお知らせで書き分ける同じ内容を2つ並べて板書する。「来週の旅行について、ちょっと話したいんだけど」(友達へのメッセージ)と、「来週の研修旅行に関して、説明会を行います」(学校のお知らせ)。「どちらが掲示板に貼ってありそうですか」と聞いて、意味は同じで硬さが違うことを確かめ、「について=話す言葉」「に関して=お知らせ・ニュース」と書き添える。
  • 見出しを読む教師が作った短い見出しを3つ見せる(「ごみの出し方に関するお知らせ」「奨学金に関する説明会」「駐輪場の利用に関する決まり」)。「何についてのお知らせですか」と聞いて「に関する」の前の名詞を答えさせ、名詞の前では「関する」になることを確かめる。

板書案

N+に関して+V  N+に関する+N
〔青〕会話:来週の旅行について話そう。
〔赤〕お知らせ:来週の研修旅行に関して、説明会を行います。
ごみの出し方に関するお知らせ 〔赤〕名詞の前は「関する」
N+に関しては、〜(取り立て)  N+に関しまして(改まった話)
〔青〕法律を改正する(「を」)/法律に関して質問する(話題)

場面と発話(自作)

  • 大学の留学生課の職員が、説明会の始めに話す。本日は、在留カードの更新に関して説明いたします。
  • マンションの管理会社が、住人に配る紙の題を考えている。「エレベーター工事に関するお知らせ」にしましょう。
  • 会社員が、取引先にメールで問い合わせる。先日お送りいただいた見積もりに関して、二点質問がございます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

話題のカード(ごみの出し方・駐車場・アルバイトの時間・図書館の利用時間)を引かせ、①友達に話す「〜について」の一文、②掲示板に貼るお知らせの題「〜に関するお知らせ」、③説明会の始めの一言「〜に関して説明いたします」の3つを作らせる。同じ話題を3つの場面で言い換えることで、硬さと名詞の前の形を同時に練習する。

  1. 口頭教師が話題の語(ごみの出し方・駐車場の利用・図書館の利用時間・アルバイトの募集・健康診断)を一つずつ言い、全体で「〜に関するお知らせ」と見出しの形にして返させる。2周目は同じ語で「〜に関して説明いたします」と言わせ、3周目は教師が「について」の文を言い、学生が「に関して」に言い換える。個人に当てるときは、名詞の前で「に関する」になっているかだけを聞き取る。
  2. ペアAは学校の職員、Bは留学生。Aは配られた予定表(説明会の題と日時)を見ながら「〜に関する説明会が〜日にあります」と知らせ、Bは「〜に関して質問があるんですが」と一つ質問する。Aは「〜に関しては、あとでお知らせします」か、予定表にある答えで返す。題を3つ変えたら役を交替する。
  3. 産出「掲示板お知らせ作り」。グループで寮・教室・アルバイト先のどれかを選び、そこに貼るお知らせを1枚作る。題は「〜に関するお知らせ」、本文の最初の一文は「〜に関して、次のようにお知らせします」とし、日時と連絡先を入れる。作ったお知らせを教室の壁に貼り、ほかのグループが読んで「何についてのお知らせか」を口で言う。教師が見るのは、名詞の前の形、「を」「が」で示すべきものに「に関して」を付けていないか、話す部分まで硬くなっていないか。

つまずきと手当て

  • 名詞の前で「*安全に関して決まり」と言う。名詞の前の基本は「に関する」で、「に関しての」も書き言葉で見かけるが、まず「に関する N」の形で覚えさせる。「について」の名詞の前の形「についての」と2列で並べて整理する
  • 友達との軽い会話で使って、硬すぎる印象になる(「ねえ、昨日のドラマに関して話そうよ」)。誤りではないが、くだけた会話では「について」が自然、と場面を替えて言い直させる
  • 動作を直接受けるものに付ける(「*新しい法律に関して改正しました」)。「に関して」は話・質問・調査・情報などの話題を示す形で、変えられたり直されたりするものは「法律を改正する」「法律が改正された」のように「を」「が」で示す。「その法律に関して質問があります」と並べて違いを見せる

既習の文型との違い

  • 〜について…(初中級 第1課)どちらも話題・対象を示し、意味はほぼ同じです。「について」は会話でも文章でも使えるやわらかい形、「に関して」はお知らせ・報告・メールなど改まった場面で選ばれやすい硬い形です。名詞の前は「についての」と「に関する」で形が違うので、「*安全に関して決まり」のような混ぜ方が出たら2列の表に戻します。
  • 〜に対して…(初中級 第13課)「先生に対して丁寧に話す」の「〜に対して」は、気持ちや態度・動作が向かう相手を示します。「〜に関して」は話や質問の中身=話題を示します。「先生に関して話す」は先生のことが話の中身になり、「先生に対して話す」は先生が聞き手になる、と2つの文を並べて違いを見せます。
関連する文型

学習項目 3 〜に基づいて

意味・はたらき学習項目 3

決まり・データ・調査の結果・事実・経験・計画などを根拠や基準にして、考えたり、決めたり、何かを作ったりすることを表します。何を根拠にしているかをはっきり示すので、「法律に基づいて手続きをします」「アンケートの結果に基づいて、メニューを変えました」のように、説明・報告・お知らせなど、理由をきちんと示したい文章でよく使われます。名詞の前では「〜に基づいた N」「〜に基づく N」(「事実に基づいた映画」「経験に基づく助言」)、書き言葉では「〜に基づき、〜」も使われます。「〜通りに」が手本と同じ形にすることを言うのに対し、「〜に基づいて」は手本をそのまま写すのではなく、それを土台にして判断する・作ることを言います。

接続

N+に基づいて(V)/N+に基づいた・に基づく+N/書き言葉では N+に基づき、〜(読みは「もとづいて」)

形
N に基づいて 決める・判断する・作る・計画を立てるN に基づいた N(データに基づいた説明)・N に基づく N(規則に基づく手続き)N に基づき、〜(書き言葉・お知らせ。規則に基づき、使用を禁止します)

導入

  • 「通りに」と比べる2つの文を並べる。「レシピどおりにカレーを作った」と「家族の好みの調査に基づいて、新しいカレーを考えた」。「レシピと同じカレーができたのはどちらですか」「調査の結果をそのまま料理にしましたか」と聞き、後ろの文は調査の結果を土台にして考えた、という意味だと確かめる。黒板に「通りに=同じにする」「に基づいて=土台にする」と書く。
  • 「何に基づいて?」と聞き返す教師が「この教室では、来月から席を毎週替えます」と言い、学生に「何に基づいて決めたんですか」と聞き返させる。教師は「みなさんのアンケートの結果に基づいて決めました」と答える。決まりや判断の根拠をたずねる・示す形として使えることを、やり取りで見せる。

板書案

N+に基づいて+V(決める・判断する・作る)
N+に基づいた N/に基づく N  書き言葉:N+に基づき、〜
〔青〕レシピどおりに作った = 同じにする
〔赤〕調査の結果に基づいて考えた = 土台にする
Q:何に基づいて決めたんですか。 A:アンケートの結果に基づいて決めました。
〔赤〕助詞はいつも「に」

場面と発話(自作)

  • 市役所の窓口で、住民が手続きの理由を聞いた。こちらは条例に基づいて決められた手続きですので、この書類が必要になります。
  • 店長が、アルバイトの会議で来月の変更を説明する。お客様アンケートの結果に基づいて、来月から閉店の時間を一時間遅くします。
  • 映画を見た友達どうしが話している。あれ、本当にあった事件に基づいた話なんだって。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

根拠のカード(調査の結果・学校の規則・去年の経験・天気予報)と、決めることのカード(文化祭の出し物・遠足の日・クラブの練習時間)を組み合わせ、「〜に基づいて〜ことにしました」の一文を作らせる。言えたら、ほかの学生が「何に基づいて決めたんですか」と聞き、言った学生が根拠を答える。最後に同じ内容を、お知らせの文「〜に基づき、〜」に書き直させる。

  1. 口頭根拠のカード(調査の結果・学校の規則・去年の経験・天気予報・医者の意見・アンケート)を教師が一枚ずつ見せ、全体で「〜に基づいて」と付けて言わせる。慣れたら教師が決めたことを言い(「来月から図書館は9時に開きます」)、学生が「何に基づいて決めたんですか」と聞き返し、教師がカードで答える、を往復させる。最後に「〜に基づいた説明」「〜に基づく計画」と名詞の前の形を3つほど言わせる。
  2. ペアAは店長・Bはアルバイト。Aは「来月から〜ます」と変更を一つ伝え、Bは「何に基づいて決めたんですか」と聞く。Aは手元の根拠のカードから一つ選んで「〜に基づいて決めました」と答える。Bはその根拠に納得できるかを「なるほど」「それなら分かります」で返す。変更を3つ回したら役を替える。
  3. 産出「決定の理由インタビュー」。学生は自分の学校やアルバイト先の決まりを一つ思い出し、それが何に基づいて決まったと思うかをメモにする。ペアで記者と担当者の役になってインタビューし、最後に記者役が「〜は、〜に基づいて決められたそうです」とクラスに報告する。教師が見るのは、助詞「に」、前に来る語が根拠になる事柄か(人の名前だけになっていないか)、手本のまねなら「どおりに」を選べているか。

つまずきと手当て

  • 助詞を取り違えて「*データを基づいて」「*規則で基づいて」と言う。いつも「に」と板書で固定し、「〜に基づく」と動詞の形でも見せる
  • 人やものの名前にそのまま付ける(「*先生に基づいて決めました」)。前に来るのは決まり・データ・結果・経験・事実のような根拠になる事柄。「先生の説明に基づいて」「先生の言ったとおりに」のように言い直させ、「通りに」との違いもここで確かめる
  • 手本と同じにする場面で使う(「説明書に基づいて組み立てた」)。誤りではないが、手順のとおりにまねした、と言いたいなら「説明書どおりに」が自然。根拠にして考えたのか、同じ形にしたのかを聞いて選ばせる

既習の文型との違い

  • 〜通りに/通りに(第26課)「〜通りに」は手本・指示と同じ形や手順にすること、「〜に基づいて」は根拠を土台にして判断・作成することです。説明書を見てそのまま組み立てたなら「説明書どおりに」、説明書の注意を読んで自分で使い方を決めたなら「説明書の注意に基づいて」が合います。
  • 〜によると…(初中級 第7課)「天気予報によると、あしたは雨だそうです」の「〜によると」は、聞いた情報の出どころを示し、文末は「そうです」「ということです」になります。「〜に基づいて」は、その情報を根拠にして何かを決めたり作ったりするときに使います。両方を混ぜた「*天気予報に基づくと、雨だそうです」が出たら、伝えるだけなら「によると」、決めるなら「天気予報に基づいて、遠足を延期しました」と分けさせます。
関連する文型

学習項目 4 〜をめぐって

意味・はたらき学習項目 4

ある事柄を中心にして、いろいろな人の意見が分かれたり、議論や対立が起きたりしていることを表します。「めぐる」はもとは「周りを回る」という意味で、一つの問題の周りで何人もの人が話し合ったり争ったりしている様子を思い浮かべると分かりやすい形です。そのため後ろには、議論する・話し合う・対立する・争う・意見が分かれる・問題が起きる・裁判になる のような動詞や言葉が来ます。ニュースや新聞、報告など書き言葉で多く使われ、名詞の前では「〜をめぐる N」(「計画をめぐる議論」)、書き言葉では「〜をめぐり、〜」も使われます。一人で調べる・説明する・書く のように、議論や対立のない動作には使いません。

接続

N+をめぐって(議論・対立を表す V)/N+をめぐる+N(議論・対立・問題 など)/書き言葉では N+をめぐり、〜

形
N をめぐって 議論する・対立する・争う・意見が分かれるN をめぐる N(建設計画をめぐる対立・遺産をめぐる争い)N をめぐり、〜(ニュース・新聞。新しい制度をめぐり、議論が続いている)

導入

  • 真ん中の問題と周りの人の図黒板の真ん中に丸を描き「新しい駅のビル」と書く。その周りに「賛成の住民」「反対の住民」「市」の3つを置き、矢印で丸に向ける。「何について話し合っていますか」「だれとだれの意見が違いますか」と聞いてから、「新しい駅のビルをめぐって、住民の意見が分かれています」と板書し、丸の中身が「をめぐって」の前に来ることを確かめる。
  • 「について」と並べて比べる「わたしは駅のビルについてレポートを書いた」と「駅のビルをめぐって、住民と市が話し合いを続けている」を並べ、「議論しているのはどちらですか」と聞く。一人の動作なら「について」、何人かの意見がぶつかっているなら「をめぐって」と整理する。

板書案

(丸)新しい駅のビル ← 賛成の住民・反対の住民・市
N+をめぐって+議論する・対立する・意見が分かれる
新しい駅のビルをめぐって、住民の意見が分かれています。
N+をめぐる+N(計画をめぐる議論) 書き言葉:N+をめぐり、〜
〔赤〕一人で調べる・説明する → について
〔青〕何人かの意見がぶつかる → をめぐって

場面と発話(自作)

  • テレビのニュースで、アナウンサーが伝える。公園に保育園を建てる計画をめぐって、近くの住民の間で意見が分かれています。
  • スポーツの試合のあと、ファンどうしが判定のことを話している。あのゴールをめぐって、ネットでもずっと議論になってるね。
  • ゼミで、学生が発表の初めに自分のテーマを紹介する。わたしの発表では、観光客の増加をめぐる地域の対立を取り上げます。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

教師が作った短いニュースの文を3つ読ませ、「何をめぐって」「だれとだれが」「どうなっているか」を表に書き出させる。次に、学生の身近な話題(寮のルール・クラスの旅行先・ごみの出し方)を一つ選ばせ、「〜をめぐって、〜と〜の意見が分かれています」の形で、架空のニュースの一文を作って読み上げさせる。

  1. 口頭教師が話題の語(新しいごみの出し方・駅前の再開発・試合の判定・学校の制服・寮の門限)と、後ろの言葉(議論が続いている・意見が分かれている・対立している)のカードを1枚ずつ出し、全体で「〜をめぐって、〜」の一文にして言わせる。次に教師が文の前半と後半の語だけを言い(「この本」+「説明します」/「ダムの建設」+「住民と市が対立しています」)、学生が「について」と「をめぐって」のどちらを使うか即答して一文にする。
  2. ペアAには短いニュースの文(教師が作ったもの)が3つ、Bにはそれを表にまとめる用紙(何をめぐって/だれとだれが/どうなっているか)を渡す。Aがニュースを読み上げ、Bは聞きながら表を埋める。終わったらBが表を見ながら「〜をめぐって、〜と〜の意見が分かれているんですね」と確かめ、Aがニュースの文と照らし合わせる。役を替えて別の3つで。
  3. 産出「30秒ニュースキャスター」。学生が身近な話題(寮のルール・クラスの旅行先・学校の自動販売機)から一つ選び、「〜をめぐって、〜と〜の意見が分かれています。〜側は〜と言い、〜側は〜と言っています」という架空のニュースを30秒で読み上げる。聞く学生は「何をめぐって」「だれとだれが」をメモして答える。教師が見るのは、後ろに議論・対立の言葉があるか、名詞の前で「をめぐる」になっているか、一人の動作に使っていないか。

つまずきと手当て

  • 議論や対立のない動作に使う(「*日本の祭りをめぐって調べました」「*この本をめぐって説明します」)。一人で調べる・説明する・書くなら「について」。後ろに議論・対立の言葉があるかどうかを確かめさせる
  • 名詞の前で「計画をめぐっての議論」「計画をめぐる議論」のどちらを使うか迷う。どちらも使われるが、新聞や見出しでよく見るのは「をめぐる N」なので、まずこの形で覚え、見出しを読む練習で慣れさせる
  • 「めぐって」を「回って」の意味だけで取って、ニュースの文が読めない。「〜の周りで(いろいろな人が)」と言い換えて読むように教え、図の丸と矢印に戻して確かめる

既習の文型との違い

  • 〜について/ついての(第26課)「について」は話題を示すだけで、一人で調べる・書く・説明する動作にも使えます。「をめぐって」は、その話題を中心に何人かの意見がぶつかっていることを言い、後ろに議論・対立の言葉が要ります。「*祭りをめぐって調べました」が出たら「について」に直し、「祭りの日程をめぐって、町の人の意見が分かれた」と並べます。
  • 〜に関して/関する(第26課)どちらもお知らせやニュースに出る硬い形ですが、「に関して」は話題の中身を中立に示すだけです。「をめぐって」は、そこに議論・対立・争いがあることまで伝えます。「新制度に関するお知らせ」は説明、「新制度をめぐる議論」は意見の違いがある、と見出しで読み分けさせます。
関連する文型

学習項目 5 〜について/ついての

意味・はたらき学習項目 5

初中級で学んだ「〜について」を、この課では「〜に関して」と比べながら使い直します。話す・聞く・考える・調べる・説明する・書く・知っている などの話題や対象を示す形で、会話でも文章でも使える、いちばん基本の形です。名詞の前では「〜についての N」になります(「マナーについての質問」)。「〜に関して/関する」と意味はほぼ同じですが、「について」のほうがやわらかく、友達との会話や授業・仕事の指示の始めなど、日常の話でよく使われます。名詞の前は、会話や身近な文章なら「についての」、お知らせ・記事の見出し・書類の題なら「に関する」が選ばれることが多い、と整理しておくと使い分けやすくなります。

接続

N+について(V)/N+についての+N(話題を取り立てるときは「〜については」)

形
N について 話す・聞く・考える・調べる・説明するN についての N(使い方についての質問・日本の文化についての本)N については、〜(ほかの話題と区別する。料金については、あとで説明します)

導入

  • 指示の始めの一言から教師が店長の役になり、「では、きょうは新しいレジの使い方について説明します」と言ってから、ボタンを押すまねをして手順を見せる。「何についての説明でしたか」と聞いて「レジの使い方についての説明」と答えさせ、動詞の前は「について」、名詞の前は「についての」になることを思い出させる。
  • 「について」と「に関して」の2列の表黒板に2列の表を作り、左に「について/についての N」、右に「に関して/に関する N」を書く。学生に場面のカード(友達とのおしゃべり・先生への質問・学校の掲示・ニュースの見出し)を配り、どちらの列に合うか貼らせる。どちらでも言える場面があることを確かめたうえで、硬さで選ぶと説明する。

板書案

N+について+V(話す・聞く・考える・調べる)
N+についての+N(使い方についての質問)
〔青〕について/についての = 会話・身近な文章
〔赤〕に関して/に関する = お知らせ・ニュース・書類の題
パソコンを直しました(「を」)/パソコンについて相談しました(話題)

場面と発話(自作)

  • 日本語学校の先生が、授業の初めに学生に言う。きょうは、敬語の使い方について、もう一度確認しましょう。
  • アルバイトの初日、先輩が新人に声をかける。仕事の流れについて、分からないことがあったら何でも聞いてね。
  • 図書館で、留学生が職員に本の場所をたずねる。日本の昔の遊びについての本は、どこにありますか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

学習項目2の練習で作った「〜に関するお知らせ」の題を、友達に話す文「〜についての話なんだけど」に言い換えさせ、逆に、会話の文「〜について聞きたいんだけど」を、先生へのメールの文「〜に関してお聞きしたいことがあります」に書き直させる。2つの形を行ったり来たりさせ、意味は同じで硬さが違うことを体で覚えさせる。

  1. 口頭教師が話題の語(レジの使い方・敬語・日本の昔の遊び・アルバイトの時間・寮の門限)を出し、1周目は「〜について説明します」、2周目は「〜についての質問」と名詞の前の形で言わせる。3周目は教師が「〜に関するお知らせ」と硬い形で言い、学生が友達に話すつもりで「〜についての話なんだけど」と言い換える。「について」で受けない動詞(直す・作る・買う)を1つ混ぜ、学生に気づかせて「を」に直させる。
  2. ペアAは先輩、Bは新人のアルバイト。Aは手元の仕事メモ(レジ・掃除・電話の受け方)から一つ選び、「じゃあ、〜について説明するね」と始めて短く手順を言う。Bは「〜についての質問なんですが」と一つ聞く。続けてBがその質問を店長へのメールの一文「〜に関してお聞きしたいことがあります」に言い直す。役を替えて、話題を変える。
  3. 産出「話題の言い換えリレー」。グループで一つの話題を決め、1人目が友達への会話の一文(について)、2人目が先生へのメールの一文(に関して)、3人目がお知らせの題(に関する)、4人目がニュースの一文(意見が分かれていれば「をめぐって」)と、同じ話題を場面を変えてつないでいく。教師が見るのは、名詞の前の形の取り違え、場面と硬さが合っているか、内容を扱う動詞に付けているか。

つまずきと手当て

  • 名詞の前で「*マナーについて質問」「*旅行について話」と言う。名詞の前は「についての」。「に関する」と並べて、名詞の前の形をそれぞれ板書で固定する
  • 話題ではなく動作を直接受けるものに付ける(「*パソコンについて直しました」)。直したのはパソコンそのものなので「パソコンを直しました」。話す・考える・調べる のように、内容を扱う動詞のときに「について」を使う、と確かめる
  • 書類の題や記事の見出しに「についての」を使って、少しやわらかく聞こえる(「奨学金についてのお知らせ」)。誤りではないが、掲示や見出しでは「に関する」のほうがよく選ばれる、と実物の掲示を見せて伝える

既習の文型との違い

  • 〜について…(初中級 第1課)初中級では、話す・聞く・調べるなどの前に「〜について」を置く形を学びました。この課ではそれに加えて、名詞の前の「〜についての N」と、硬い形「〜に関して/関する」との選び分けまで扱います。「*旅行について話」のような名詞の前の誤りが残っている学生が多いので、まず名詞の前の形を固め直します。
  • 〜に関して/関する(第26課)意味はほぼ同じで、違いは硬さと出る場面です。会話や授業・仕事の指示の始めは「について」、掲示・見出し・書類の題やビジネスのメールは「に関して/関する」が選ばれやすくなります。「奨学金についてのお知らせ」は誤りではありませんが、掲示では「奨学金に関するお知らせ」のほうがよく見ると伝えます。
関連する文型

語彙の扱い

この課で扱う言葉は、制度や決まりに関する言葉(法律・規則・改正・手続き・条例 など)と、作業の手順を伝える言葉(説明書・手順・図・見本 など)に分けて板書しておくと、「〜に関する」「〜に基づいて」「〜通りに」のどれと結びつきやすいかを考える材料になります。単語だけで覚えさせず、「法律に基づいて」「規則に関するお知らせ」「説明書どおりに」のように、形と組み合わせたかたまりでカードを作って練習します。

この課の練習で使う語(12語・意味・連語・例文)

  • 改正します(かいせいします) 法律や規則などの決まりの内容を、よりよいものに直します。 法律を〜・規則が〜される・〜に関するお知らせ
    市役所のお知らせを読んで、友達に伝える。
    「自転車の駐輪に関する条例が、来月改正されるんだって。」
  • 条例(じょうれい) 市や県などが、その地域のために作る決まりです。 〜に基づいて・〜を定める・市の〜
    窓口で、住民が手続きの理由をたずねる。
    「市の条例に基づいて、この申請書が必要になります。」
  • 規則(きそく) 守らなければならない決まりです。学校や寮、会社などにあります。 〜を守る・〜に基づき・寮の〜
    寮の掲示板のお知らせの一文。
    「寮の規則に基づき、夜11時以降の洗濯機の使用を禁止します。」
  • 手続き(てつづき) 何かを申し込んだり変えたりするときに、決まった順にしなければならないことです。 〜をする・更新の〜・〜に関する説明
    留学生課の職員が説明会を始める。
    「本日は、在留カードの更新の手続きに関してご説明します。」
  • 手順(てじゅん) 作業をする順番です。 〜を説明する・〜どおりに・作業の〜
    工場で、先輩が新人に機械の使い方を教える。
    「この紙に書いてある手順どおりに、スイッチを入れてください。」
  • 説明書(せつめいしょ) 道具や機械の使い方・組み立て方が書いてある紙や本です。 〜を読む・〜どおりに組み立てる・〜のとおりに
    新しい本棚を友達と組み立てている。
    「説明書どおりにやったのに、ねじが一本余ったよ。」
  • 見本(みほん) 同じように作るための手本になる物です。 〜を見せる・〜のとおりに・〜どおりの
    料理教室で、先生が盛り付けを教える。
    「この見本のとおりに、野菜を並べてみてください。」
  • 調査(ちょうさ) 事実や人の考えを知るために、くわしく調べることです。 〜を行う・〜の結果・〜に基づいた
    会議で、担当者が新しい計画を説明する。
    「利用者の調査の結果に基づいて、営業時間を変えることにしました。」
  • 根拠(こんきょ) 考えや決めたことの、理由になる事実やデータです。 〜を示す・〜がある・〜になる
    ゼミで、発表のあとに質問する。
    「その意見の根拠は何ですか。どんな調査に基づいているんですか。」
  • 議論します(ぎろんします) ある問題について、何人かが意見を出し合って話し合います。 〜をめぐって〜する・〜が続く・〜になる
    テレビのニュースで、アナウンサーが伝える。
    「駅前の再開発をめぐって、市議会で議論が続いています。」
  • 対立します(たいりつします) 二つの考えやグループが、反対の立場に分かれてぶつかります。 意見が〜する・〜をめぐって〜する・住民と市が〜する
    新聞の記事の一文。
    「ダムの建設をめぐって、住民と県が対立している。」
  • 分かれます(わかれます) 一つだったものが、いくつかになります。ここでは、意見が人によって違う、ということです。 意見が〜・賛成と反対に〜
    クラスで旅行先を決める話し合いのあと、先生に報告する。
    「旅行先をめぐって、京都と沖縄で意見が分かれました。」

宿題と次のコマ

宿題は、自分の身近な決まり(寮・アルバイト先・学校のルールなど)を一つ選び、①その決まりについてのお知らせを「〜に関するお知らせ」の題と「〜に基づき」を使った本文で100〜150字で書くこと、②後輩にその決まりの守り方を「〜とおりに」「〜どおりに」を使って教える会話を3〜4行で書くこと。次のコマの最初に何人かにお知らせを読ませ、聞いた学生が「何についてのお知らせか」「何に基づいて決まったか」を答えて振り返ります。そのあと、「〜をめぐって」で、その決まりについてどんな意見の違いがありそうかをクラスで話し合います。

よくある質問

  • 「〜について」と「〜に関して」の違いは何ですか?

    どちらも話題や対象を示し、意味はほぼ同じです。違いは硬さで、「について」は会話でも文章でも使えるやわらかい形、「に関して」はお知らせ・ニュース・説明会・ビジネスのメールなど改まった場面で選ばれやすい形です。名詞の前では「についての N」「に関する N」と形が変わるので、この2つを2列の表にして板書すると混ざりにくくなります。

  • 「とおりに」と「どおりに」はどう教えればいいですか?

    前に何が来るかで読みが決まる、と表で見せます。動詞・「この/その」・「Nの」のあとは「とおり」、名詞に直接付くときは「どおり」です。「地図のとおり=地図どおり」を並べ、「の」があれば「と」、なければ「ど」と覚えさせると速く定着します。語カードに「とおりに/どおりに」を付けて言わせる練習を、短く何度も回すのが効果的です。

  • 「〜に基づいて」と「〜通りに」はどう区別させますか?

    「通りに」は手本と同じ形・同じ手順にすること、「に基づいて」は根拠を土台にして自分で判断する・作ることです。レシピどおりに作った料理と、家族の好みの調査に基づいて考えた料理を並べ、「手本と同じものができたのはどちらか」と聞くと違いが見えます。前に来る語も、「通りに」は説明・見本・予定、「に基づいて」は規則・データ・調査の結果・経験が多いと添えます。

  • 「〜をめぐって」はどんな言葉と一緒に使いますか?

    後ろには、議論する・話し合う・対立する・争う・意見が分かれる・問題になる のような、何人かの意見がぶつかることを表す言葉が来ます。一人で調べる・説明する・書く には使わず、その場合は「について」です。ニュースや新聞の書き言葉に多く、名詞の前では「〜をめぐる議論」「〜をめぐる対立」の形でよく見ます。

  • 第26課は何コマで終わりますか?

    90分×2コマが目安です。1コマ目で「〜通りに」と「〜について」「〜に関して」の比べまで、2コマ目で「〜に基づいて」「〜をめぐって」と、手順の指示・お知らせとニュースの読み取りの活動を行います。「について」の名詞の前の形が固まっていないクラスでは、1コマ目に5分ほど足して2列の表で固め直すと、あとの比べがスムーズになります。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。