日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

中級を学ぼう 中級前期 第3課「「面白い」日本」の教案

『中級を学ぼう 日本語の文型と表現56 中級前期 第2版』

日本で暮らす筆者が、通勤電車などで出会った思いがけない出来事を通して、日本の「面白さ」をどう受け止めるかを書いたエッセイらしい課です(語彙からの推測。本文は手元の教科書で確かめてください)。文法は「〜て以来」「何〜も」「移動動詞+ている」のように時間と数をとらえる形と、「ということだ」「までもない」「であろうと」のように書き手の判断を示す書き言葉の二つの群に分かれます。読解では「この・その」が何を指すかを追う練習が、本文の筋を追う力に直結します。

このページについて教科書の本文・例文・設問は載せていません。例文と場面はすべて自作です。項目番号は教科書の「学習項目」の番号に合わせています。
学習項目7時間90分×3コマ語彙135語

この課のねらい(Can-do)

  • 「〜て以来」「N以来」で、日本に来てから続いている習慣や状態を書ける
  • 「何〜も」「何〜か」で、正確な数を言わずに「多い」「少し」を言い分けられる
  • 文章の中の「この・その」が前のどこを指しているかを見つけて、本文の筋を追える
  • 「つまり〜ということだ」で事実から結論を言え、「〜までもない」「〜であろうと」「移動動詞+ている」を読んで正しく意味が取れる

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
扉(話しましょう)15分日本に来て「面白い」「変だ」と思ったこと、驚いたことを出し合う。電車・お酒・席の譲り方など、本文につながりそうな話題が出たら黒板に残しておく
本文の大意30分CD か範読で通して読み、段落ごとに「筆者が見た出来事」と「それをどう感じたか」を一言で言わせる。「この」「その」に印を付けさせておく(学習項目3の導入に使う)
ことばを確かめよう25分語彙リストの読みと意味。本文の語は電車の中の場面に集まっているので、図を1枚描いて場面ごとにまとめ、連語(雰囲気に満ちる・出来事が起こる・座席を押しのける)の形で練習する
学習項目 1〜7105分(1項目15分前後)本文の文に戻りながら1項目ずつ。1(以来)と7(移動動詞+ている)は時間の線を板書して「続いている状態」を見せ、3(こ・そ)は本文に矢印を引いて確かめる
内容を確かめよう・精読40分正誤問題→段落の大意→細かい問い。精読では筆者の評価を表す語(好意的・否定的・失礼・からかう)を拾わせ、題の「面白い」に付いたかぎかっこの意味を考えさせる
練習・チェックシート・作文・漢字・プラスアルファ55分練習は基本→応用→読もう・聞こう・書こう。チェックシートは課の終わりの小テストに。作文は「私が面白いと思った日本」。プラスアルファ(ステレオタイプ・国民性)は、国の数が多いクラスなら話し合いに広げる

学習項目 1 Vテ/N 以来

意味・はたらき学習項目 1

ある出来事をきっかけにして、そのあとずっと同じ状態や習慣が続いていることを表します。「〜てから」に似ていますが、「以来」は「それからずっと」という継続の意味が強く、後ろには続いている状態やくり返していることが来ます。一度きりの出来事(「〜て以来、一度行った」)には使いにくく、「昨日以来」のようなごく最近のことにも使いにくい形です。書き言葉と、改まった話し言葉で使います。文法の見方では、ある時点を起点として、そこから今までの継続を述べる形です。

接続

Vテ+以来/N+以来(N は「卒業・入学・結婚・あの日」のような出来事や時点を表す名詞。「それ以来」の形もよく使う)

形
Vて以来、〜ているN以来、〜ているそれ以来、〜

導入

  • 来日をきっかけに学生自身のことを言わせる教師が「私は日本に来てから、毎朝みそ汁を飲んでいます」と言い、学生に「日本に来てから変わったこと」を聞く。出てきた文を「日本に来て以来、ずっと〜ています」に言い換えて板書し、時間の線を引いて「来た時点」から「今」まで矢印を伸ばす。「それからずっと」が芯だと示す。
  • 「〜てから」と並べて違いを見せる「日本に来てから、一度京都に行った」は言えるが、「来て以来、一度京都に行った」は不自然だと聞かせる。後ろが「続いている状態・くり返し」のときだけ「以来」が使える、と整理する。

板書案

Vて + 以来、〜ている / N + 以来、〜ている
日本に来て以来、毎朝 自分で 弁当を 作っている。
入学以来、一度も 学校を 休んでいない。
〔時間の線〕来た ●━━━━━━━→ 今 〔赤〕矢印に「ずっと」
〔青〕後ろ=続いている状態・くり返している習慣

場面と発話(自作)

  • 作文で、日本に来てからの生活の変化を書く。日本に来て以来、毎日自分で弁当を作っている。
  • 同僚に、健康のことを聞かれた。去年入院したあと、お酒をやめている。去年入院して以来、お酒はやめているんです。
  • 駅で偶然、大学の同級生に会った。卒業以来だね。5年ぶりかな。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「〜てから」で学生に文を作らせ、後ろが「ずっと続いていること」の文だけ「〜て以来」に替えさせる。替えられない文(一度きりの出来事)を教師がわざと混ぜておき、なぜ替えられないかを言わせる。

  1. 口頭教師が出来事のカードを見せる(来日・入学・引っ越し・就職・初めての一人暮らし)。学生は「〜て以来/〜以来、ずっと〜ています」で全体→個人の順に言う。後ろの部分は教師が絵で示す(毎朝走る・肉を食べない・同じ店に通う)。
  2. ペアAが「日本に来てから変わったことはありますか」と聞き、Bは「〜て以来」で答え、Aが「それ以来、ずっと?」と聞き返す。3往復したら役を替える。聞き手は、答えの後ろが続いていることになっているかを確かめる役も持つ。
  3. 産出「私の『それ以来』カード」。自分の生活が変わったきっかけを一つ選び、「〜て以来、〜ている」で3〜4文の短い紹介文を書いて発表する。教師は、後ろに一度きりの出来事が来ていないか、「以来」の前がテ形か名詞になっているかを見て直す。

つまずきと手当て

  • 「来た以来」とタ形に付ける。テ形に付くと板書に残す
  • 後ろに一度きりの出来事を置く(「来て以来、富士山に登った」)。後ろは続いている状態だと、時間の線で確かめる
  • 「昨日以来」「さっき以来」のようにごく最近のことに使う。ある程度時間がたった出来事に使うことが多いと添える

既習の文型との違い

  • Vてから(初級)「〜てから」は順番を言うだけなので、後ろに一度きりの出来事も来ます。「以来」は後ろが続いている状態や習慣に限られます。学習者は「来て以来、一度旅行に行った」のように「てから」の感覚のまま使うので、後ろの部分で選ぶと教えます。
  • Vたあとで(初級)「〜たあとで」は前後の順序を言う形で、継続の意味はありません。「卒業したあとで」は一回の時点、「卒業以来」はそこから今までの期間を指します。「*卒業したて以来」のようにタ形とテ形を混ぜる誤りも出るので、接続を板書で確かめます。

学習項目 2 何〜も

意味・はたらき学習項目 2・☆何〜か

「何」+助数詞+「も」で、数ははっきり言わないが「多い」と話し手が感じていることを表します(何度も・何人も・何時間も)。「何十人も」「何百回も」のように十・百を入れると、さらに多い感じになります。☆同じ形で「も」を「か」にした「何〜か」(何度か・何人か)は、「少しだが、いくつか」という少なめの数を表します。「も=多い、か=少し」と対で教えると覚えやすい項目です。文法の見方では、疑問語に助数詞と取り立ての「も」が付いて、数量が多いという話し手の評価を表す形です。

接続

何+助数詞(回・度・人・時間・日・年・社 など)+も/か(「何十〜も」「何百〜も」の形もある)

形
何〜も(何度も・何人も・何時間も)何十〜も/何百〜も☆何〜か(何度か・何人か・何日か)

導入

  • 学生の経験を数で聞いてから形にする「東京に何回行きましたか」と聞き、「たくさん」と答えた学生の文を「何回も行った」と板書する。正確な数を言わずに「多い」と言う形だと説明し、次に「2〜3回」と答えた学生の文を「何回か行った」と板書して上下に並べる。「も=多い、か=少し」を矢印で示す。
  • 時間と人数の語に広げる「昨日、何時間勉強した?」「パーティーに何人来た?」と助数詞を変えて同じ形を作らせる。「何十人も」「何百回も」は最後に足す。

板書案

何 + 助数詞 + も = 多い / ☆何 + 助数詞 + か = 少し
電話を 何回も かけたのに、出なかった。
駅前に 新しい店が 何軒か できた。
〔数の線〕少ない ← 何〜か | 何〜も → 多い
〔赤〕何十人も・何百回も = もっと多い

場面と発話(自作)

  • 友だちに、就職活動の苦労を話す。何十社も履歴書を送ったけど、まだ決まらないんだ。
  • 市役所の手続きがなかなか終わらない。窓口の人に少し強く言う。何度も来ているのに、まだ終わらないんです。
  • 同僚に「日本語、どこで勉強したの?」と聞かれた。日本語学校に何年か通いました。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

教師が「3人/30人」「2回/20回」のような数のカードを見せ、学生が「何人か/何人も」で言い分ける。実際の数ではなく、話し手が「多い」と感じるかどうかで決まることを、同じ数を違う場面で言わせて確かめる。

  1. 口頭教師が数のカード(3人/30人/2回/20回)と顔の絵(驚いた顔・ふつうの顔)を見せる。学生は驚いた顔なら「何人も」、ふつうの顔なら「何人か」で文を言う。助数詞は人・回・時間・枚・軒と順に替える。
  2. ペアAは「先週、〜を何回しましたか」と聞く。Bは自分の感じ方で「何回も」か「何回か」で答え、Aは「多いと思っているんですね」「少しだけですね」と受けて確かめる。答える側が正確な数を言わないことが条件。
  3. 産出「数で話す日本の驚き」。日本に来て「こんなに多い」と驚いたことを「何〜も」で一つ、少しだけ経験したことを「何〜か」で一つ、2文で話す。教師は、否定文に「何〜も」を入れて意味がずれていないか、助数詞が落ちていないかを聞いて直す。

つまずきと手当て

  • 「何〜も」を否定文で使って意味が変わる(「何人も来なかった」は「ほとんど来なかった」)。この課では肯定文に絞って練習する
  • 助数詞を落として「何も来た」のようになる。「何+助数詞」の形を板書に残す
  • ☆「何回か」を疑問の「何回ですか」と混同する。文の途中にあって文が続くときは「いくつか」の意味だと、文末の「か」と並べて見せる

既習の文型との違い

  • ☆何〜か(この課)「何〜か」は数が少ないこと、または正確に言わないことを表し、「何〜も」には多いという評価が入ります。同じ3回でも、話し手が多いと感じれば「何回も」、少しと感じれば「何回か」です。学習者は二つを数の大きさだけで選ぼうとするので、話し手の気持ちで決まると伝えます。
  • 数量詞+も(三時間も)「三時間も待った」は具体的な数を言って、それが多いと評価する形です。「何時間も」は数を言わずに同じ評価をします。数がはっきりしていれば「三時間も」、分からないか言う必要がなければ「何時間も」と分けると整理できます。
  • 何も〜ない(初級)「何も食べなかった」は全体の否定で、「何〜も」の多い意味とは別物です。「何回も〜ない」は文脈で「多くはない」と読まれることもあり、意味が揺れます。この課では肯定文で練習し、否定は「何も〜ない」との区別だけ示します。

学習項目 3 文章の中の「こ・そ」

意味・はたらき学習項目 3・☆会話の中の「そ・あ」

文章の中で、前に出てきたものを指す「この・その・これ・それ」の使い分けを整理する項目です。どちらも前の文に出たものを指せますが、「こ」は書き手が自分の話題として取り上げ、いま中心に述べていること・身近に感じていることを指すときに使い、「そ」は少し距離を置いて前の内容を受けるときに使う傾向があります。読むときは「この」「その」が何を指しているかを探す練習が大切です。☆会話では「そ・あ」の使い分けがあり、話し手と聞き手の両方が知っていることは「あ」、どちらか一方しか知らないことは「そ」で指します。文法の見方では、文章の中のつながり(文脈指示)をつくる指示語の使い分けで、目の前の物を指す使い方(現場指示)とは分けて扱います。

接続

(文型ではない)この/その+N、これ/それ(指す相手は前の文の名詞、または前の文の内容全体)

形
この/その+N(前の文の名詞を受ける)これ/それ(前の文の内容全体を受ける)☆あの人(二人とも知っている)/その人(一方だけが知っている)

導入

  • 本文の「この」「その」に矢印を引く大意を取るときに印を付けさせた「この」「その」について、指している語や文に線を引かせる。前の文のどこを指すかを確かめたあと、「こ」の文では書き手がその話題を中心に述べていること、「そ」の文では前の内容を受けて次に進んでいることを示す。
  • ☆会話は「その店/あの店」で教師が「昨日、駅前の新しいラーメン屋に行きました」と言い、学生に質問させる。学生はまだその店を知らないので「その店、おいしかったですか」になる。次に、学生と教師が二人とも行ったことのある学食について話させると「あの店」になる。相手が知っているかどうかで決まると板書する。

板書案

文章:この/その+N、これ/それ = 前に出たことを指す
去年、初めて 一人で 引っ越しをした。この経験で、手続きの大変さが 分かった。
〔赤〕「こ」=書き手が話題の中心に置いている・身近に感じている
〔青〕「そ」=前の内容を少し離れて受けて、次へ進む
☆会話:二人とも知っている → 「あ」 片方だけが知っている → 「そ」
〔矢印〕「この経験」から前の文へ赤い矢印

場面と発話(自作)

  • 作文で、前の文に書いた自分の経験を受けて、気づいたことを書く。先週、初めて一人で病院に行った。この経験で、日本語で症状を説明する難しさがよく分かった。
  • レポートで、前の文の内容を受けて理由を考える。日本では電車の中で寝る人が多い。それは、通勤時間が長いことと関係があるのかもしれない。
  • 同僚に、相手が知らない新しい取引先の人の話をする。昨日、新しいお客さんが来たんですが、その人、日本語がすごく上手でした。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

本文の段落を1つ選び、「この」「その」を空欄にしたプリントを配って埋めさせる。答え合わせでは、どちらを入れたかより「何を指しているか」を必ず口で言わせる。

  1. 口頭教師が2文の組を読み上げ(1文目に出来事、2文目に「この/その〜」)、学生は「この〜は何ですか」に前の文の語で答える。続けて、指す範囲が語一つか文全体かを手で示させる。会話の☆は、教師が「昨日の店、どうだった?」と聞き、学生は二人とも知っているなら「あの店」、知らないなら「その店」で受ける。
  2. ペア「指さし読み」。Aが本文の段落を声に出して読み、指示語の所で止まる。Bはそれが前のどこを指すかを本文で指して言う。段落ごとに交替する。会話の☆は、Aだけが知っている話(自分の友だち・行きつけの店)をして、Bが「その人」「その店」で質問する。
  3. 産出「つながる5文日記」。最近の出来事を5文で書き、2文目以降に「この」「その」「それ」を2回以上使う。書いたら隣の人に渡し、指示語から前の語へ矢印を引いてもらう。教師は、矢印が書き手の意図と合っているか、指す先の無い指示語がないかを見る。

つまずきと手当て

  • 前に出たものを全部「それ」で受けて、「この」が使えない。書き手が中心に述べている話題は「この」で受けると示す
  • ☆会話で、相手が知らない人を「あの人」と言う。相手が知っているかで「そ・あ」を選ぶと板書に残す
  • 「これ・それ」が指す範囲を名詞1語だと思う。前の文全体を指すこともあると、本文の例で確かめる

既習の文型との違い

  • 現場指示のこ・そ・あ(初級)初級の「これ・それ・あれ」は、話し手と聞き手からの距離で目の前の物を指します。この課の「こ・そ」は文章の中で前に出たことを指す使い方で、距離ではなく話題の扱い方で選びます。学習者は「遠いから『あの』」と初級の基準で文章を読むので、二つの使い方を板書で分けます。
  • ☆会話の中の「そ・あ」(この課)会話では、話し手と相手の両方が知っていることは「あ」、どちらか一方だけが知っていることは「そ」で指します。文章では読み手と共有した記憶がないので、前に出たことを指すのに「あ」は使いにくくなります。「先週の会議、あれは長かったね」と「その会議には出ていません」を並べると違いが見えます。

学習項目 4 普通形ということだ

意味・はたらき学習項目 4

前に述べた事実や状況をもとに、「つまり、こういうことだ」と結論や解釈を引き出して言う形です。「つまり」「要するに」と一緒に使うことが多く、相手の長い話をまとめ直して確認するときにも使えます。同じ形の「〜ということだ」には「〜そうだ」と同じ伝聞の意味もありますが、この課では結論の意味を扱います。文法の見方では、話し手の判断を表す文末の形(モダリティ)で、「つまり」「要するに」のような言い換えの接続詞と組んで、前の内容から導いた結論を示します。

接続

普通形+ということだ(な形容詞・名詞は「〜(だ)ということだ」で、「だ」はあってもなくてもよい。話すときは「〜ということです」「〜ってことだ」)

形
Vる/Vた ということだい形 ということだな形/N (だ)ということだつまり、〜ということだ

導入

  • 2つの事実から結論を引き出させる「田中さんは土曜日も日曜日も会社にいます」「月曜日は朝7時から働いています」と板書し、「つまり?」と聞く。「忙しい」という答えを受けて「つまり、とても忙しいということだ」と板書し、事実→結論を矢印で示す。前に事実があってはじめて使える形だと言う。
  • 相手の話をまとめる確認として学生に少し長く説明をさせ、教師が「つまり、〜ということですね」と受ける。会話で確認に使えることを見せてから、本文の中の「ということだ」を探させる。

板書案

事実・状況 → つまり、普通形 + ということだ(結論)
毎晩 10時まで 会社に いる。→ つまり、とても 忙しいということだ。
〔青〕ナ形・N:〜(だ)ということだ(休みだということだ/休みということだ)
〔赤〕「つまり」に丸 = 結論の合図
〔注〕「〜ということだ」には伝聞の意味もある → 「つまり」で区別

場面と発話(自作)

  • 会社で、上司の長い説明を聞いて、自分のやることを確認する。つまり、来週までに資料を直せばいいということですね。
  • 友だちが「あの店、いつ行っても行列だよ」と言った。それだけ人気があるということだね。
  • 作文で、自分が見たことから結論を書く。駅前のアパートは、駅から遠いアパートより家賃が2万円高い。つまり、それだけ駅に近いことに価値があるということだ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

事実を1〜2文書いたカードを配り、「つまり、〜ということだ」で結論を言わせる。結論が事実から離れすぎていないかをクラスで確かめ、離れていたら「それは分からない」と言って戻す。

  1. 口頭教師が事実のカードを読み上げる(店の前に毎日行列ができている/駅まで歩いて40分かかる/彼は毎日日本語で日記を書いている)。学生は「つまり、〜ということですね」で結論を言う。全体で一度言ったあと、個人に当てて別の結論も言わせる。
  2. ペアAが事実を2つ言い、Bが「つまり、〜ということ?」と結論で確かめる。Aは「そう」か「いや、そうじゃなくて〜」で答える。結論が事実から飛びすぎていたら、Aが「どうしてそう思うの?」と聞き返す決まりにする。
  3. 産出「まとめ役会議」。3〜4人のグループで、教師が配る短い状況(新しいアルバイトの条件・寮の新しいルール)を読み、まとめ役が「つまり、〜ということだ」で全員に結論を伝える。教師は、結論の前に事実が述べられているか、ナ形容詞と名詞に「な」「の」を付けていないか(*便利なということだ)を見る。

つまずきと手当て

  • 伝聞の「ということだ」と混同する(「先生は休みだということだ」は伝聞にも読める)。結論の意味で使うときは「つまり」を付けると分かりやすいと示す
  • な形容詞・名詞に「な」「の」を付ける(*便利なということだ・*休みのということだ)。「〜(だ)ということだ」と板書に残す
  • 前の事実を言わずにいきなり「〜ということだ」と言う。「事実。つまり、〜ということだ」のセットで練習する

既習の文型との違い

  • 〜そうだ(伝聞・初級)「〜そうだ」は聞いた情報をそのまま伝える形です。「〜ということだ」にも伝聞の使い方がありますが、この課では事実から結論を引き出す使い方を扱います。「先生は休みだということだ」は伝聞にも結論にも読めるので、前に事実が並び「つまり」が付けば結論の意味だ、と見分け方を教えます。
  • 〜わけだ「〜わけだ」も事実から結論を言えますが、理由が分かって「なるほど、だから〜」と納得する気持ちが強く出ます。「ということだ」は内容を言い換えてまとめる性格が強い形です。学習者が両方を習っている場合は、「どうりで寒いわけだ」(納得)と「つまり、明日は休みだということだ」(まとめ)を並べて示します。
関連する文型

学習項目 5 Vルまでもない・Vルまでもなく〜(=する必要はない/ないが〜)

意味・はたらき学習項目 5

「わざわざ〜するほどのことではない」「〜しなくても分かる・できる」という意味です。そのことが簡単・当然・小さいことなので、その行動は要らない、と言います。「〜必要はない」に近いですが、「それほどのことではない」という評価が入る点が違います。「言うまでもない」は決まった言い方です。「Vルまでもなく〜」は「〜するまでもなく、…だ」と文を続ける形で、「その行動をしなくても、…」という意味になります。文法の見方では、必要がないことを述べる形に、話し手の評価(その程度のことだ)が加わったものです。

接続

Vル+までもない/Vル+までもなく+文(辞書形に付く。ナイ形・タ形には付かない)

形
VルまでもないVルまでもなく、〜言うまでもない/言うまでもなく、〜

導入

  • 小さいことで「必要はない」を出してから置き換える「ペンを忘れました。コンビニに買いに行きますか」と聞き、「隣の人に借りればいい」という答えを引き出す。「買いに行く必要はない」と板書してから「買いに行くまでもない」に替え、「までもない」は小さいこと・簡単なことに使って「わざわざ〜するほどではない」の気持ちが入る、と説明する。
  • 「言うまでもなく」はみんなが知っていることで「日本語は漢字を使う」のように全員が知っていることを前置きして「言うまでもなく、日本語は漢字を使う」と板書する。作文の前置きとして使えることを示す。

板書案

Vる + までもない = わざわざ〜する必要はない
駅は すぐそこだから、地図を 見るまでもない。
Vる + までもなく、〜 (言うまでもなく、〜)
〔赤〕理由(簡単・当然・小さいこと)に下線 → 後ろに「までもない」
〔青〕辞書形だけに付く(*行ったまでもない)

場面と発話(自作)

  • 同僚が「この書類、部長にもう一度確認したほうがいいかな」と迷っている。すでに部長のサインがある。もうサインがあるから、確認するまでもないよ。
  • 少し風邪気味の友だちが、病院に行くか迷っている。それぐらいなら、病院に行くまでもないよ。薬を飲んで寝れば治る。
  • 作文で、だれでも知っていることを前置きして意見を書く。言うまでもなく、日本の電車は時間に正確だ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

学生が「〜したほうがいいですか」と聞き、相手役が理由を付けて「〜するまでもない」で返す。理由が「簡単・当然・小さいこと」になっているかを確かめ、大事なことに使っていたら「必要はない」でもきついと気づかせる。

  1. 口頭教師が「〜したほうがいいですか」と状況つきで聞く(傘を持っていく—空は晴れている/先生に確認する—答えは掲示板にある/病院に行く—軽い切り傷)。学生は理由を付けて「〜から、〜までもないですよ」で答える。理由の部分を先に全体で言わせてから文にする。
  2. ペアAが心配性の役、Bが落ち着いた先輩の役。Aが「〜したほうがいいかな」と3回相談し、Bは理由を言って「〜までもない」で安心させる。3回のうち1回は本当に必要なことを混ぜ、Bは「それはしたほうがいい」と区別する。交替して繰り返す。
  3. 産出「心配性さん相談室」。小グループで、教師が配る心配ごとのカード(日本の生活の小さな悩み)に先輩として返事を書く。一つは「〜までもない」、もう一つは「言うまでもなく、〜」で始める。教師は、大事なことに「までもない」を使って冷たく聞こえていないか、辞書形に付いているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「必要はない」と同じ軽さで、大事なことに使う(「試験勉強するまでもない」は強すぎる)。小さいこと・当然のことに限ると言う
  • タ形・ナイ形に付ける(「行ったまでもない」)。辞書形だけだと板書に残す
  • 「までもなく」のあとの文を言わない。「〜するまでもなく、…」と後ろの文まで言わせる

既習の文型との違い

  • Vる必要はない(初級)「必要はない」は事実として必要がないことを言うだけです。「までもない」には「それをするほどのことではない」という評価が入り、理由が簡単・当然であることが前提になります。大事な手続きに「確認するまでもない」と言うと、軽く扱っているように聞こえる点を伝えます。
  • Vなくてもいい(初級)「〜なくてもいい」は許可の形で、相手に選ばせる柔らかい言い方です。「までもない」は話し手が判断して言い切る形で、書き言葉や改まった場面に寄ります。日常の会話で相手に勧めるなら「しなくてもいいよ」で十分だ、と使い分けを示します。

学習項目 6 疑問語+Nであろうと(=「疑問語+N」でも)

意味・はたらき学習項目 6・☆N1であろうと、N2であろうと(=N1もN2も)

「どんな理由であろうと」「何歳であろうと」のように、「どんな場合でも関係なく、結果は同じだ」と言う書き言葉です。「〜でも」「〜であっても」を硬くした形で、規則・意見文・スピーチに向きます。「であろうと」は「だろうと」の書き言葉の形です。☆「N1であろうと、N2であろうと」は2つを並べて「どちらの場合も同じだ」と言う形で、「N1でもN2でも」の意味になります。文法の見方では、どんな条件でも結果が変わらないことを述べる逆条件(譲歩)の形で、「〜ても」の書き言葉的な仲間です。

接続

疑問語(どんな・何・いつ・どこ・だれ)+N+であろうと、〜/N1であろうと、N2であろうと、〜(「〜であろうが」「〜だろうと」の形もある)

形
どんなN であろうと、〜何+助数詞 であろうと、〜いつ/どこ/だれ であろうと、〜☆N1であろうと、N2であろうと、〜

導入

  • 「〜でも」の規則文から硬い形へ「どんな理由でも、遅刻は遅刻です」と板書して意味を確かめる。次に「どんな理由であろうと」に替え、規則や意見文のような硬い文で使うと言う。学生に学校や職場の規則を「どんな〜であろうと、〜」で言わせる。
  • ☆「でも」を2つ並べる「学生でも社会人でも」と板書してから「学生であろうと社会人であろうと」に替える。後ろの文が「どちらにも当てはまる」ことを確かめる。

板書案

疑問語 + N + であろうと、〜(=どんなNでも)
どんな 理由であろうと、無断欠勤は 認められない。
☆N1であろうと、N2であろうと、〜(=N1でもN2でも)
子どもであろうと 大人であろうと、ルールは 同じだ。
〔青〕会話=〜でも / 書き言葉=〜であろうと の2段で板書

場面と発話(自作)

  • 会社の規則を説明する文書を書く。どんな理由であろうと、会議には時間どおりに出席しなければならない。
  • スピーチで、自分の決意を言う。相手がだれであろうと、私は自分の意見をはっきり言うつもりです。
  • 作文で、日本で暮らす人全体について書く。留学生であろうと社会人であろうと、日本で暮らすには日本語が必要だ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「〜でも」の文を「〜であろうと」に書き換えさせ、続けて後ろの文を自分の生活に合わせて作らせる。後ろが「どの場合でも同じ結果」になっているかを確かめる。

  1. 口頭教師が「〜でも」の文を言い(どんな天気でも、試合は行います/誰が相手でも、負けません)、学生は「〜であろうと」に言い換える。キューは疑問語だけを替えて出す(どんな・何・誰・どこ・いつ)。後ろの部分は教師が先に言い、言い換えに集中させる。
  2. ペアAが学校や職場の規則を一つ言い、Bが「どんな〜であろうと、〜」の形で規則の文に書き直して読み上げる。☆は、Bが例外になりそうな二つ(学生と先生・平日と休日)を挙げ、Aが「〜であろうと〜であろうと、〜」で答える。2題ごとに交替する。
  3. 産出「私たちのクラス憲章」。グループで教室のルールを4つ決め、「どんな〜であろうと」「〜であろうと〜であろうと」を使って掲示用の文に書く。教師は、疑問語が落ちていないか、動詞に直接付けていないか、後ろが「どの場合も同じ結果」になっているかを見て直す。

つまずきと手当て

  • 動詞に付ける(「行くであろうと」)。この項目は名詞に付く形で、動詞は「行こうと」という別の形だと言う
  • 話し言葉で使って硬い印象になる。会話では「どんな理由でも」でよいと言う
  • 疑問語を落として「理由であろうと」と書く。「どんな・何・いつ」などの疑問語とセットだと板書に残す

既習の文型との違い

  • 疑問語+Vても(初級)「何を食べても太らない」の「〜ても」は話し言葉でも書き言葉でも使える形です。「であろうと」は名詞に付き、規則・宣言・論説のような硬い文に使います。会話で「であろうと」を使うと演説のように聞こえるので、場面で選ぶことを伝えます。
  • 〜だろう(第1課)「であろう」は「だろう」の書き言葉の形ですが、「であろうと」になると推量ではなく「どんな〜でも」という意味になります。学習者は「であろう」を見て推量と読みがちなので、後ろに「と」が付いて文が続いたら逆条件だと見る、と読みの手がかりを示します。
  • ☆N1であろうと、N2であろうと(この課)疑問語の形は「どんなNでも」と範囲を全部覆い、二つ並べる形は具体的に二つを挙げて「どちらでも」と言います。二つ並べる形では、対になる語(学生と社会人・晴れと雨)を選ぶと自然です。
関連する文型

学習項目 7 V(移動動詞)テいる

意味・はたらき学習項目 7・☆V(移動動詞)テいる(状況の変化)

「来る・行く・帰る・入る・出る・着く」のような移動を表す動詞に「ている」が付くと、「移動している最中」ではなく、「移動したあとの状態がそのまま続いている」ことを表します。「田中さんは大阪に行っている」は「今、大阪にいる」の意味です。「食べている」(進行中)と同じ形なので、意味の違いに気づかせる項目です。☆同じ形が、「多くの外国人が日本に来ている」のように主語が多数で出来事がくり返されるときは、「状況が動いている・変わりつつある」という意味で読めることがあります(一人の状態ではなく、全体の傾向)。文法の見方では、「〜ている」のうち結果の状態(結果残存)を表す用法で、移動動詞では移動が終わったあとの状態を表します。

接続

移動動詞(来る・行く・帰る・入る・出る・着く・戻る)のテ形+いる

形
来ている(=来て、今ここにいる)行っている(=行って、今そこにいる)帰っている(=帰って、今家にいる)☆(多くの人が)来ている(状況の変化)

導入

  • 教室にいない人の居場所で「田中さんは教室にいません。昼ごはんを食べに食堂に行きました」と言い、「田中さんは今どこ?」と聞く。「食堂」という答えから「食堂に行っています」と板書する。次に「食堂で何をしていますか」「食べています」と並べ、同じ「ている」でも「今している」と「移動したあとの状態」で意味が違うと示す。
  • ☆ニュースの文で全体の傾向を読む「最近、多くの外国人が日本に来ている」と板書し、「一人の話?」と聞く。「たくさんの人・くり返し」と確かめて、これは「日本の状況が変わっている」という読み方になると説明する。

板書案

移動動詞(行く・来る・帰る・出る・入る)+ ている = 移動したあとの状態
山田さんは 今、郵便局に 行っている。(=今、郵便局にいる)
〔時間の線〕出発 ●━━→ 着いた ●==== 今 〔赤〕===の部分が「ている」
〔青〕食べている(動作の途中)と並べて比べる
☆最近、外国人の観光客が 大勢 来ている。(全体の状況の変化)

場面と発話(自作)

  • 電話で、同僚の居場所を聞かれた。同僚は外出中。鈴木は今、取引先に行っています。3時には戻ります。
  • 友だちから「田中さん、もう来た?」とメッセージが来た。田中さんは自分の隣にいる。もう来ているよ。入口のところで待ってる。
  • 作文で、自分の住む町の変化を書く。最近、私の町にも外国人がたくさん来ている。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「〜さんは今どこにいますか」の質問に、移動動詞+ている で答えさせる。そのあと「今何をしていますか」に「食べている」などで答えさせ、形が同じで意味が違うことを並べて比べる。

  1. 口頭教師が人物の絵と場所の絵を組にして見せる(田中さん—図書館/課長—大阪/弟—国)。学生は「〜は今、〜に行っています/帰っています」で言う。次に動作の絵(食べる・書く)を混ぜ、その「〜ている」が途中か、着いたあとかを手の形(進む手/止まった手)で示させる。
  2. ペア「居場所当て電話」。Aは会社の受付、Bは電話をかけてきた客。Aは自分だけが見ている予定表(○○さん—銀行・3時に戻る)を持ち、Bの「○○さんはいらっしゃいますか」に「今、〜に行っております」と答える。3人分聞いたら交替する。
  3. 産出「町の変化レポート」。自分の住む町や学校の最近の変化を、☆の「来ている」も使って3文で話す(観光客が来ている・駅前に新しい店が出ている)。教師は、移動の途中の意味で「来ている」を使っていないか、一人の状態と全体の変化を混ぜていないかを聞いて直す。

つまずきと手当て

  • 「来ている」を「今こちらに向かっている途中」と思う。途中なら「こちらに向かっているところだ」「来る途中だ」と言い分ける
  • 「帰っています」を「今帰る途中」と訳す。「もう家にいる」の意味だと時間の線で確かめる
  • 「行っていました」(過去の状態)と「行きました」(一度の出来事)の違いまで広げて混乱する。この課では現在の「ている」の形に絞る

既習の文型との違い

  • Vている(進行・初級)「食べている」「書いている」は動作の途中を表しますが、「行っている」「来ている」は移動が終わったあとの状態を表します。同じ形でも動詞の種類で意味が変わる点がこの項目の芯です。学習者は「行っている」を「行く途中」と読むので、途中なら「向かっている」と言い換えると見せます。
  • Vたところだ・Vるところだ(初級)「着いたところだ」は移動が終わった直後、「出るところだ」はこれから出る直前を表します。「行っている」は直後かどうかに関係なく、今その場所にいる状態です。「今、駅に着いたところです」と「今、駅に行っています」を並べると、時間の幅の違いが分かります。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は 135 語(本文を読むための語 29・練習などの語 106)。1語ずつの意味・いっしょに使う助詞と連語・例文は語彙のページにあります。

本文の語は「通勤電車・雰囲気・酒臭い・座席・押しのける・反対側」のように電車の中の場面に集まっているので、図を1枚描いて場面ごとにまとめて導入できます。評価の語(好意的・否定的・失礼・からかう)は、精読で筆者の立場を読むときの手がかりになります。練習の語には「〜社・〜通・〜割」のような助数詞的な語が多く、学習項目2「何〜も」の材料にできます。語彙の一覧は別ページに分けています。

第3課の語彙リスト(135語)新出語の意味・いっしょに使う助詞と連語・例文(自作)を五十音順に
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本文の扱い

日本で暮らす筆者が、通勤電車などで出会った思いがけない出来事を通して、日本の「面白さ」をどう受け止めるかを書いたエッセイ、という話題の課と推測されます(本文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください)。大意では段落ごとに「筆者が見た出来事」と「それをどう感じたか(好意的か否定的か)」を分けて言わせると、題の「面白い」に付いたかぎかっこの意味を考えさせられます。精読では学習項目3の「この・その」が指すものを線で結ばせ、学習項目1・7の時間の表現(以来・移動動詞+ている)で出来事の前後関係を確かめると、文法と読解が一度に進みます。

宿題と次のコマ

チェックシート(2択)を宿題にして次のコマの最初に答え合わせ。漢字練習は「ルビなし本文」を声に出して読めるところまで。作文は「私が面白いと思った日本」で、書き出しを「日本に来て以来、〜」にし、途中で「つまり、〜ということだ」を1回使わせる。次のコマはプラスアルファ(ステレオタイプ・国民性の語)を話し合いに使い、第4課へ。

よくある質問

  • 『中級を学ぼう 中級前期』第3課は何コマで終わりますか?

    90分のコマなら3コマが目安です。1コマ目で扉・本文の大意・ことば、2コマ目で学習項目1〜7、3コマ目で内容の確認・精読・練習・作文の準備に当てると無理がありません。学習項目が7つと多いので、☆の発展項目(何〜か・会話の「そ・あ」・状況の変化の「ている」)は読んで分かればよい扱いにすると時間に収まります。

  • 「〜て以来」と「〜てから」の違いはどう説明すればいいですか?

    「〜てから」は順番を言うだけで、後ろに一度きりの出来事も来ます。「〜て以来」は「それからずっと」で、後ろには今まで続いている状態や習慣が来ます。「日本に来てから、一度京都に行った」は言えても、同じ文を「来て以来」にすると不自然になる、という一組を見せるのが早い説明です。

  • 「何回も」と「何回か」はどう教え分けますか?

    数の線を板書して、「何〜か」は少ないほう(2〜3くらい)、「何〜も」は話し手が多いと感じているほう、と左右に置きます。実際の数ではなく話し手の感じ方で決まることを、同じ3回を「何回も」と言う人と言わない人がいる場面で確かめます。「何十人も・何百回も」は「何〜も」のあとに足します。

  • 文章の中の「この」と「その」はどちらを使えばいいと説明しますか?

    どちらも前に出たものを指せるので、正解は一つに決まらないことが多いと先に伝えます。そのうえで、書き手が話題の中心にして続けて述べるものは「この」、前の内容を少し離れて受けて次へ進むときは「その」が選ばれやすい、という傾向として示します。会話では、二人とも知っているものは「あ」、片方しか知らないものは「そ」と、別の基準になることも分けて板書します。

  • 移動動詞の「〜ている」(行っている・来ている)はどう導入しますか?

    教室にいない人の居場所を聞く場面が使いやすいです。「山田さんは今、銀行に行っています」は「今、銀行にいる」という意味だと、時間の線で「着いたあとの状態」に色を付けて見せます。同じ「〜ている」でも「食べている」は動作の途中なので、二つを並べて比べると違いが残ります。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

PRこの教科書

手引きで扱っている教科書。本文・例文は手元の教科書で確かめてください。