中級を学ぼう 中級前期 第7課「お相撲さんの世界」の教案
『中級を学ぼう 日本語の文型と表現56 中級前期 第2版』
相撲取り(力士)の生活を描く読み物の課と推測できます。新出語に「入門する」「朝稽古」「兄弟子」「当番」「番付」が並ぶので、相撲部屋に入った新人の一日と、稽古を重ねた結果が番付に表れる、という話題のようです。文型は「Nだらけ」「〜たびに」「〜に加えて」「(数字)は」「〜ように」「Vテくる」と、生活を描写する・数字で見積もる・人に言われたことを伝えるための形がそろっています。扉は性格と職業の語が多いので、「自分はどんな仕事に向いているか」から入り、プラスアルファの自己アピールにつなぐ流れが自然です。
このページについて教科書の本文・例文・設問は載せていません。例文と場面はすべて自作です。項目番号は教科書の「学習項目」の番号に合わせています。
学習項目8時間90分×4コマ語彙127語
この課のねらい(Can-do)
- 「Nだらけ」「〜たびに」「Vテくる」を使って、生活の中で起こることや目に入る変化を描写できる
- 「(数字)は」「〜に加えて」で、見積もりや情報の積み重ねを書き言葉で言える
- 人に頼まれた・注意された内容を「〜ように言われた」の形で第三者に伝えられる
- 「すると・さらに・ようやく」などの接続詞・副詞を使って、一日の出来事を順序立てて書ける
進め方と時間配分
目安は 90分×4コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。
| 段 | 時間 | やること |
| 扉(話しましょう) | 20分 | 性格の語(社交的・冷静・活動的・器用・ストレスに強い)と職業(アイドル・漫画家・医師・料理人)を使って「どんな性格の人がどの仕事に向くか」を話す。最後に「お相撲さんにはどんな人が向くか」を聞いて本文へ |
| 本文の大意 | 40分 | CD か範読で通して読み、新人の一日を時間順に黒板に並べる。「〜たびに」「〜に加え」「〜ように」「〜からだ」の文に印を付けさせておく(学習項目2・3・4・6の導入に使う) |
| ことばを確かめよう | 30分 | 相撲の語(相撲取り・力士・朝稽古・兄弟子・番付)は写真や短い動画で見せ、動作の語は連語の形(相撲部屋に入門する・寝食を共にする・背中を流す・眠りにつく・稽古を重ねる・形に表れる)で口で言わせる |
| 学習項目 1〜8 | 150分(1項目15〜20分) | 本文の文に戻りながら1項目ずつ。5(数字は)は本文の数字で「は・も・しか」を並べ、8(接続詞・副詞)は板書した一日の順序を接続詞でつなぎ直す活動にする |
| 内容を確かめよう・精読 | 50分 | 正誤問題→段落の大意→細かい問い。精読では「一日の順序」と「なぜ厳しい生活を続けるのか」の理由の文を探させ、学習項目2の形と結びつける |
| 練習・チェックシート・作文・プラスアルファ・漢字 | 70分 | 練習は基本→応用→読もう・聞こう・書こう。チェックシートは課の終わりの小テストに。作文は「〜に加えて」「〜たびに」を使う条件を付け、プラスアルファの自己アピール(主体性・協調性・柔軟性)は就職活動の自己PRにつなぐ |
学習項目 1 Nだらけ
意味・はたらき学習項目 1
名詞に付いて、「それが一面にたくさんある」「それが多すぎる」という状態を表します。泥・ごみ・傷・間違い・借金のように、話し手が「よくない」「困った」と感じるものに使うのが基本で、好ましいものには使いません。全体を見わたして「〜ばかりだ」とあきれる・困る気持ちが入ります。文法の見方では、名詞に付いて話し手のマイナスの評価を加える接尾語の一つと整理できます。
接続
N+だらけ(述語なら「Nだらけだ」、名詞を修飾するときは「Nだらけの+N」、変化は「Nだらけになる」)
形
NだらけだNだらけのNNだらけになる
導入
- 稽古のあとの体から本文の語彙にある「砂」「泥」を使い、雨の日に転んだ学生の服の絵(または稽古のあとの力士の体)を描いて「どうなっていますか」と聞く。「泥がたくさん付いている」という答えを「泥だらけ」と板書し、「間違いだらけの作文」「ごみだらけの部屋」と広げて、全部「困った・よくない」ものだと確かめる。
- 「いっぱい」との違い「花がいっぱいの庭」と「花だらけの庭」を並べて聞かせ、後者が不自然なこと(花は困るものではない)を確かめる。「だらけ」には迷惑・不快の評価が入る、と整理する。
板書案
N + だらけ(〔赤〕よくないものが 一面に・多すぎる)
ズボンが 泥だらけだ。
間違いだらけ の 作文
〔赤〕だらけ の + N 〔青〕だらけ に なる
花が いっぱいの 庭(〔青〕「花だらけ」は 不自然)
場面と発話(自作)
- 雨の日に自転車で通勤して転んだ。会社に着いて同僚に見せる。見てください、ズボンが泥だらけです。
- 先生に作文を返してもらった。赤字の直しが多かった。友だちに。間違いだらけで、真っ赤になって返ってきたよ。
- 1週間の出張から帰って部屋を見た。独り言で。ほこりだらけだ。先に掃除しよう。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
「泥・ごみ・傷・間違い・ほこり」のカードを見せ、学生が「〜だらけの+名詞」で状況を1文作って言う。そのあと「それは困りますか」と聞き、困るものにしか使っていないことを確かめる。
- 口頭絵カード(泥の付いた靴・ほこりの積もった棚・赤字の多い答案・傷の多い机)を見せ、全体で「〜だらけだ」と言わせてから、個人で「〜だらけの+名詞」に広げさせる。続けて「1日歩いたら、靴は?」「直しの多い作文は?」と状況だけを言い、学生が自分で語を選んで言う段に進む。
- ペアAは散らかった部屋の絵、Bは片づいた部屋の絵を持ち、相手に見せずに「床はどうですか」「机の上は?」と聞き合う。違うところを「〜だらけ」で言えたら1点。1回終わったら絵を交換して役を替える。
- 産出「ビフォー・アフター報告」: 大掃除や失敗の経験(雨の日の自転車・初めての作文など)を「〜だらけだったが、〜」を入れて2〜3文で話す。教師は、好ましいものに付けていないか、名詞を修飾するときに「の」が入っているかを見て、終わってから全体に返す。
つまずきと手当て
- 好ましいものに付ける(「友だちだらけ」「お金だらけ」)。「困るもの」に限ると板書に残す。お金なら「借金だらけ」は言える
- 「Nだらけ」のあとに名詞を直接続ける(「泥だらけ服」)。修飾は「の」が要ることを形で示す
- 読み物で「〜まみれ」が出たとき同じだと思う。「まみれ」は泥・血・汗のように液体や粉が表面に付く場合に限ることを一言添える程度でよい
既習の文型との違い
- 〜ばかり(初級)「部屋はごみばかりだ」は、ほかのものがなく同じものだけ、という限定の言い方。「ごみだらけ」は一面に広がって困った状態を言い、マイナスの評価が強い。「ばかり」は「肉ばかり食べる」と動詞の前にも置けるが、「*肉だらけ食べる」とは言えない。
- 〜がいっぱい(初級)「いっぱい」は量が多いことを言うだけで、良い・悪いの評価は入らない。「花がいっぱいの庭」は自然だが、「花だらけ」にすると困った感じが出て不自然になる。学生がうれしい場面で「だらけ」を使ったら、「いっぱい」に戻すとよい。
学習項目 2 Vナイないと、Vナイないからだ
意味・はたらき学習項目 2
前の文で述べたことの理由を、「AしなければBできない(から)」という形で説明する言い方です。「〜ないと」は「それをしないなら」という条件で、後ろには「〜ない」「〜できない」のような否定が来て、Aが欠かせないことを表します。文末の「〜からだ」は「なぜなら〜からだ」と理由を言う書き言葉の形で、「〜からです」の普通体です。説明文で「大変なことを続ける理由」を述べるときによく出ます。
接続
Vない+と、Vない+からだ(「からだ」の前は普通形。な形容詞・名詞は「〜だからだ」)
形
Vないと、VないからだVないと、Vられないからだ(可能の否定)〔前の文〕。〜ないと〜ないからだ。(2文で1組)
導入
- 理由の問いから本文で新人が毎日続けていることを1つ取り上げ、「なぜそんなに大変なことを毎日するのですか」と聞く。学生が「〜しないと強くなれないから」と答えたら、文末を「〜からだ」に直して板書し、「前の文の理由を説明する文」だと示す。
- 「〜ないと」の後ろは否定「毎日稽古をしないと…」と途中で止め、続きを言わせる。「強くなれない」「上に行けない」のように否定が自然に出ることを確かめ、「〜ないと、〜ない」を対の形で覚えさせる。
板書案
〔前の文〕私は 毎朝6時に 起きる。
早く 起きないと、〔青〕勉強できない 〔赤〕からだ。
Vない と + 〔青〕否定 + 〔赤〕からだ
〔赤〕理由の「からだ」=からです の 普通体(書き言葉)
場面と発話(自作)
- 作文で、毎朝6時に起きる理由を書く。私は毎朝6時に起きる。早く起きないと、仕事の前に日本語を勉強する時間が取れないからだ。
- レポートで、日本の会社が新人研修に時間をかける理由を説明する。多くの会社は新人の研修に数か月をかける。基本を身につけないと、客の前に一人で立てないからだ。
- 日記に、毎日漢字を練習する理由を書く。今日も漢字を30字書いた。毎日書かないと、次の週には忘れてしまうからだ。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
「毎日〜している」という自分の習慣を1文書かせ、次の文で「〜ないと〜ないからだ」と理由を続けさせる。2文1組で練習し、1文目と2文目が理由の関係になっているかをペアで確かめる。
- 口頭教師が二つの語を言い、学生が「〜ないと〜ないからだ」で理由の文にする。キューの例は「予約する/入れない」「早く並ぶ/買えない」「毎日書く/忘れる」「薬を飲む/治らない」。全体で言ってから個人に当て、最後は教師が前の文(「毎朝並ぶ」)だけを言い、理由の文を学生が作る。
- ペアAが「毎日〜している」と自分の習慣を言い、Bが「どうして?」と聞く。Aは「〜ないと〜ないからだ」で答え、Bは「しないと困る結果」になっているかを判定する。3回答えたら役を替える。
- 産出「わたしのこだわり作文」: 自分が続けている習慣やルールを1つ選び、「〜ている。〜ないと、〜ないからだ。」を含む3〜4文の短い作文を書く。教師は、後ろが否定になっているか、「からだ」の前が普通形か、1文目と2文目が理由の関係でつながっているかを見る。
つまずきと手当て
- 「からだ」を会話で使って硬くなる。話すときは「〜からです」「〜から」に
- 「〜ないと」の後ろに肯定を続けて意味が変わる(「練習しないと、上手になる」)。この形は後ろが否定だと板書に残す
- 「からだ」を「体」と読んで意味が取れなくなる学生がいる。「理由の からだ」と最初に言っておく
- 「からだ」の前に丁寧形を置く(「〜ませんからだ」)。普通形に直す
既習の文型との違い
- 〜なければならない(初級)「早く起きなければならない」は義務を言うだけ。「早く起きないと、〜ないからだ」は、しないと困る結果を出して、その行動の理由を説明する。前の文と2文で1組になる点が違う。
- 〜から(初級)「〜から、〜」は理由を先に置いて結論へ進む一文。「〜からだ」は結論を先に言い、あとの文で理由を足す文末の形で、説明文によく出る。学生が「〜から。」で文を終えたら、書き言葉では「〜からだ。」にすると直す。
学習項目 3 Vル/Nの たびに(=〜の時はいつも)
意味・はたらき学習項目 3
「そのことが起こるときは、いつも必ず」という意味です。あることが繰り返し起こり、そのたびに同じことが起こる・同じ気持ちになる、と言うときに使います。回数は多くても少なくてもかまいませんが、毎日の当たり前の動作には使わず、何かの出来事や機会のあとに反応や発見が続く、という形が多い表現です。
接続
Vる+たびに/N+の+たびに(動詞は辞書形。書き言葉では「〜たび」と「に」を落とすこともある)
形
VるたびにNのたびにVるたび、〜(書き言葉)
導入
- 「〜とき、いつも」から「国の家族に電話をするとき、どんな気持ちになりますか」と聞き、「いつも〜」という答えを「電話するたびに〜」と板書する。「毎回そうだ」という意味を確かめてから、「Nのたびに」(試験のたびに・帰国のたびに)へ広げる。
- 使えない場合を見せる「毎晩寝るたびに歯を磨く」と書いて見せ、「変ですか」と聞く。毎日の決まった動作には使わず、出来事のあとに気持ちや変化が続くなら自然(「寝るたびに国の夢を見る」)と整理する。
板書案
Vる/Nの + たびに(=〜のときは いつも)
国の お菓子を 見るたびに、家を 思い出す。
試験の たびに 緊張する。
〔赤〕出来事 → 〔青〕反応・気持ち・変化
〔青〕毎日の 決まった 動作には 使わない
場面と発話(自作)
- 日本で働く人が、国の母にメールを書く。スーパーで国のお菓子を見るたびに、家のことを思い出します。
- 通勤の電車が遅れることが多い。同僚に愚痴を言う。電車が遅れるたびに会社に電話しなければならないので、大変です。
- 作文で、日本語の試験について書く。試験のたびに緊張して、知っている漢字まで忘れてしまう。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
「国に帰るたびに…」「新しい言葉を覚えるたびに…」のように前半を与え、後半を自分のことで言わせる。後半に気持ちや変化が入っているかを確かめる。
- 口頭教師が前半と後半の語を言い、学生が「〜たびに〜」の文にする。キューの例は「写真を見る/思い出す」「雨が降る/頭が痛くなる」「祖父母に会う/背が伸びたと言われる」「帰国/太る」。動詞のキューと名詞のキュー(帰国・試験・出張)を交ぜ、「の」が入るかを確かめる。
- ペアAが「〜するとき、いつもどうなりますか」と聞き、Bが「〜たびに〜」で答える。Aは答えをメモし、3問聞いたら交替。最後にAがBの答えを「〜さんは〜たびに〜そうです」とクラスに紹介する。
- 産出「あるあるスピーチ」: 自分の国や日本の生活で「〜たびに〜」となることを3つ書き、1分で発表する。教師は、出来事+反応の形になっているか、毎日の習慣を結んでいないか、動詞が辞書形かを見る。
つまずきと手当て
- 毎日の習慣に使う(「毎晩寝るたびに歯を磨く」)。「寝る前に」に直し、出来事+反応の形だと言う
- 動詞をた形にする(「行ったたびに」)。辞書形だけと板書に残す
- 「〜ごとに」「〜おきに」(間隔)と混同する。「たびに」は「そのとき必ず」で、数の間隔は表さない
既習の文型との違い
- 〜とき(初級)「〜とき」は一回だけの出来事にも使えるが、「〜たびに」は繰り返し起こることにだけ使い、「毎回必ず」という意味が加わる。「昨日駅に着いたとき」を「たびに」に替えると、一回の出来事なので不自然になる。
- 〜と(条件・初級)「春になると花が咲く」のような当然の結果や決まった手順は「と」。「たびに」は話し手の経験の中で繰り返される反応で、毎回そうなることを強調する。学生が自然の法則に「たびに」を使ったら「と」を勧める。
学習項目 4 〜に加え(て)
意味・はたらき学習項目 4
「すでにあるものの上に、さらに別のものが重なる」と付け足す言い方です。「AだけでなくBも」と情報を積み上げるときに使い、「Aに加えてBも」の形が多いです。説明文・レポート・ニュースのような書き言葉や改まった話し言葉で使い、ふだんの会話では「〜だけじゃなくて」「〜のほかに」が普通です。AとBは同じ方向の情報(どちらも良い点、どちらも負担など)になります。
接続
N+に加え(て)/普通形+の/こと+に加え(て)(「に加え」は書き言葉で使い、「に加えて」は書き言葉のほか改まった話し言葉でも使える)
形
Nに加えて、〜もNに加え、〜(書き言葉)Vるのに加えて/Vることに加えて
導入
- 仕事の条件を積み上げる「アルバイトを探すとき、何を見ますか」と聞いて「時給」「場所」と出させ、「時給に加えて、場所も大事です」と板書する。先に挙げたものに「さらに」別のものを足す形だと示し、本文で力士の生活に何が重なっているか(稽古に加えて何があるか)を探させる。
- 「〜だけでなく〜も」と並べる同じ文を「時給だけでなく場所も」と書き、意味はほぼ同じで「に加えて」のほうが改まった言い方だと確かめる。作文では「に加えて」、会話では「それに」でよいと分ける。
板書案
N + に加えて、〜〔赤〕も(「も」を伴うことが多い)
時給に 加えて、場所も 大事だ。
〔青〕書き言葉:〜に加え、〜
〔青〕会話:〜だけじゃなくて/それに
〔赤〕同じ方向の 情報を 積む
場面と発話(自作)
- 会社の月報に、今月の成果を書く。今月は新しい客が増えたのに加え、しばらく注文のなかった客からの連絡も戻ってきた。
- 大学の説明会で、先生が留学生に授業の内容を説明する。この学科では、専門の授業に加えて、日本語の授業も週に4回あります。
- 作文の自己紹介で、これからの目標を書く。母語と英語に加えて、日本語でも仕事ができるようになりたい。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
「Aに加えてBも」の形で、自分の国の学校と日本の学校の違いなど、2つの情報を積み上げる文を書かせる。会話の「〜だけじゃなくて」を書き言葉に直す練習も1回入れる。
- 口頭教師が二つの語のカードを見せ、学生が「Aに加えてBも〜」で言う。キューの例は「時給+場所(大事だ)」「雨+風(強い)」「宿題+小テスト(ある)」「家賃+電気代(上がった)」。全体→個人の順で言わせ、「も」が落ちたら教師が指で示す。
- ペア「物件くらべ」: Aは部屋Aの条件メモ、Bは部屋Bの条件メモを持ち、相手には見せない。自分の部屋の良い点を「〜に加えて〜も」で売り込み、聞いた側はどちらに住みたいかを理由とともに決める。終わったらメモを交換して役を替える。
- 産出「ふるさとPR文」: 自分の町や国の魅力を、「〜に加えて」を2回使って100〜150字で書く。教師は、「も」との対応、足した情報が同じ方向か、「だけじゃなくて」などの話し言葉が混ざっていないかを見る。
つまずきと手当て
- 足した情報が後ろではっきりせず、何を足したのか分からなくなる。後ろは「も」を伴うことが多いので、「〜に加えて、〜も」の形で板書に残す(「雨に加えて風が強くなった」のように「も」なしも言える)
- 反対の評価をつなぐ(「安いのに加えて、まずい」)。同じ方向の情報を積むと言う
- 会話で多用して硬くなる。話すときは「それに」「〜のほかに」に
既習の文型との違い
- 〜だけでなく〜も(初級〜中級)意味はほぼ同じで、どちらも情報を積み上げる。「に加えて」のほうが改まっていて、レポートやニュースに向く。会話で「に加えて」を多用すると硬く聞こえるので、場面で使い分ける。
- Nとともに(=〜と一緒に)(第4課)「Nとともに」は二つのものが一緒にある・同時に変わることを言い、「に加えて」はすでにある一つにもう一つを足す。「家族とともに暮らす」を「家族に加えて暮らす」にすると意味が通らなくなる。
- さらに・加えて(接続詞)文と文をつなぐときは「さらに」「加えて」を次の文の頭に置く。「〜に加えて」は名詞や文の後ろに付けて、一つの文の中で足す。作文で同じ形が続くときの言い換えに使える。
関連する文型
学習項目 5 (数字)は
意味・はたらき学習項目 5
数量を表す言葉に「は」を付けて、「少なくともそのくらい」「最低でもその数」という意味を表します。「3時間は寝たい」「1万円はかかる」のように、話し手が「それより下ではない」と見積もる数です。同じ数に「も」を付けると「多い」と驚く気持ち、「しか〜ない」だと「少ない」という評価になるので、3つを並べて教えると分かりやすい項目です。
接続
数量詞(数+助数詞)+は(後ろは「かかる・ある・いる・〜たい・〜なければならない・〜だろう」など)
形
(数量)は かかる/ある/いる(数量)は 〜たい/〜なければならない(数量)は 〜だろう
導入
- 見積もりの質問から「東京から大阪まで新幹線でどのくらいかかりますか」と聞き、「2時間ぐらい」の答えに「2時間はかかりますね」と返して板書する。「2時間より短くはない」という意味だと説明し、本文で力士の食事や稽古に出る数字を探させる。
- 「は・も・しか」の三段「3時間は寝る/3時間も寝る/3時間しか寝ない」を縦に並べ、話し手が多いと思っているか少ないと思っているかを言わせる。「は」は多い・少ないの評価ではなく「最低の線」だと整理する。
板書案
(数量)+ は = 〔赤〕少なくとも・最低でも
東京まで 2時間は かかる。
3時間は 寝る/3時間も 寝た/3時間しか 寝ない
〔青〕は=最低の線 も=多い しか〜ない=少ない
場面と発話(自作)
- 東京で一人暮らしを始める友だちに、生活費の目安を教える。家賃と生活費で、月に12万円はかかるよ。
- 健康診断で、医者に睡眠時間を聞かれた。忙しくても、1日に6時間は寝るようにしています。
- 後輩に、試験の準備についてアドバイスする。N2を受けるなら、漢字は1000字は覚えておいたほうがいい。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
「〜するのに、どのくらい必要ですか」という質問カードを配り、「(数量)は〜」で見積もりを言わせる。そのあと「それは多い?少ない?」と聞いて「も」「しか〜ない」に言い換えさせる。
- 口頭教師が見積もりの質問をし、学生が「(数量)は〜」で答える。キューの例は「一人暮らしの家賃は?」「N2の漢字は?」「新幹線で大阪まで?」「力士の朝ごはんは何杯?」。答えが出たら教師が「多い?少ない?」と聞き、「も」「しか〜ない」への言い換えまで口で回す。
- ペア「見積もりくらべ」: 同じ質問カード(引っ越しの費用・卒業までにかかる時間など)について、AとBがそれぞれ「〜は〜」で見積もりを言う。相手の数を聞いたら「えっ、〜も?」「〜しか?」で反応し、どちらが現実に近いかを話し合う。
- 産出「先輩アドバイス」: これから日本に来る後輩に向けて、お金・時間・持ち物について「(数量)は〜」を使ったアドバイスを3つ書き、ペアで読み合う。教師は、数量詞のすぐあとに「は」があるか、後ろの述語が「かかる・必要だ・〜たい」などになっているか、「も」と混ざっていないかを見る。
つまずきと手当て
- 主題の「は」と区別がつかず、「3時間は」を「3時間について言えば」と読む。後ろに「かかる・必要だ・〜たい」が続くときは最低の線だと言う
- 「も」と取り違えて「多い」の意味で使う。三段で整理し直す
- 数字の読み(6時間・1000字・12万円)で止まる。項目に入る前に助数詞の読みを確認しておく
既習の文型との違い
- 何〜も(第3課)「何時間も待った」は数がはっきりせず、とても多いという驚き。「(数字)は」は具体的な数を最低の線として示す見積もりで、驚きは入らない。両方を並べると、数を言う助詞の働きの違いが見えやすい。
- 〜ぐらい(初級)「2時間ぐらい」はおよその数で、上にも下にもずれうる。「2時間は」は「それより下ではない」と下の線だけを決める。見積もりの向きが違うので、「2時間ぐらいはかかる」と重ねることもできる。
関連する文型
学習項目 6 Vル/Vナイない ように
意味・はたらき学習項目 6
「〜ように」で、人に頼んだこと・命じたこと・注意したことの内容を表します。「早く来るように言われた」「遅れないように注意された」のように、後ろに「言う・頼む・注意する・伝える」などが来て、「〜てください」「〜ないでください」と言われた内容を間接的に伝える形です。掲示や連絡では、後ろの動詞を省いて「〜ように。」で文を終えることもあります。
接続
Vる/Vない+ように(+言う・頼む・注意する・伝える・お願いする)。文末で「〜ように。」と止める形も
形
Vるように 言う/頼む/伝えるVないように 注意する/言われるVるように。/Vないように。(掲示・連絡)
導入
- 直接の言葉を間接に直す教師が学生Aに「明日は8時に来てください」と言い、学生Bに「先生は何と言いましたか」と聞く。「8時に来るように言いました」と板書して、「〜てください」の内容が「〜ように」に入ることを見せる。次に「遅れないでください」→「遅れないように」で否定の形も。
- 掲示の「〜ように」「集合時間に遅れないように。」のような連絡文を見せ、「してください」が省かれていることを確かめる。本文で兄弟子や親方が新人に言うことがあれば、「〜ように言われる」で言い換えさせる。
板書案
「来てください」→ 来る〔赤〕ように 言われた。
「遅れないでください」→ 遅れない〔赤〕ように 注意された。
Vる/Vない + ように + 〔青〕言う・頼む・注意する・伝える
〔青〕掲示・連絡:〜ないように。
〔青〕「〜と言った」=言葉のまま 〜ように=内容の要約
場面と発話(自作)
- 店長に言われたことを、休みだった同僚に伝える。店長に、来週からは9時前に店を開けるように言われました。
- 日本で一人暮らしをしている。国の母からの電話の話を友だちにする。母から、夜遅く一人で歩かないように何度も言われている。
- 学校の掲示板に、遠足の連絡を書く。明日の遠足は8時集合。筆記用具を忘れないように。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
教師が「〜てください/〜ないでください」の文を言い、学生が「〜ように言われました」で第三者に伝える。ペアで伝言ゲームにすると、否定の「〜ないように」も自然に出る。
- 口頭教師が依頼・注意の文カードを読み、学生が「〜ように言われました」で言い換える。キューの例は「窓を閉めてください」「ここで写真を撮らないでください」「レポートを金曜日までに出してください」「病院では静かにしてください」。肯定と否定を交ぜ、次に動詞を「頼まれた・注意された」に替えて回す。
- ペア「伝言リレー」: Aだけが店長(または先生)からのメモを見て、Bに「〜ように言われた」「〜ないように、とのことです」で伝える。Bはメモを見ずに書き取り、最後にメモと照らし合わせる。2枚目のメモで役を替える。
- 産出「バイト初日の報告」: アルバイトや仕事の初日に言われた注意を思い出して(または想定して)、友だちに話すロールプレイ。「〜ように言われた」「〜ないように注意された」を3つ以上使う。教師は、「*来てくださいように」のように「てください」が残っていないか、否定の形が「〜ないように」になっているかを見る。
つまずきと手当て
- 目的の「〜ように」(忘れないようにメモする)と同じだと思う。この項目は後ろに「言う・頼む」が来る「依頼の内容」だと分けて板書する
- 「〜ようにと言った」と「と」が入る形や、「〜ように」で止まる掲示の形を別の文型だと思う。同じ仲間だと言う
- 引用の「〜と言った」との違いで迷う。「〜と」はその言葉をそのまま、「〜ように」は頼んだ内容の要約、と整理する
- 習慣・努力の「〜ようにする」(毎日走るようにしている)と混同する。後ろの動詞で見分けさせる
既習の文型との違い
- 〜ように(目的・初級)「忘れないようにメモする」は、メモする目的を言う形。この課の「〜ように」は後ろに「言う・頼む・注意する」が来て、頼んだ内容を表す。後ろの動詞が依頼の動詞かどうかで見分けさせる。
- 〜と言った(引用・初級)「『8時に来てください』と言った」は相手の言葉をそのまま伝える。「8時に来るように言った」は頼んだ内容だけをまとめて伝える。直接の言葉が丁寧な形でも、「ように」の前は辞書形・ない形にそろう。
- 〜ようにする・〜ようになる(初級)「毎日走るようにしている」は自分の努力、「話せるようになった」は変化を言う。同じ「ように」でも、後ろが「する・なる」か「言う・頼む」かで意味が分かれる。三つを並べて板書すると混同が減る。
学習項目 7 Vテくる
意味・はたらき学習項目 7
動詞のて形に「くる」を付けて、今までなかったもの・見えなかったものが現れる、という意味を表します。「芽が出てくる」「涙が出てくる」「霧が出てくる」のように、話し手の目の前に何かが現れる場面で使います。移動の「来る」ではなく、「こちらに向かって現れる・始まる」という方向の気持ちが付いた形です。「暖かくなってくる」のように変化の始まりを表す使い方も同じ仲間です。試験では、補助動詞としての「くる」が出現や変化の始まりを表す例として、移動の「来る」との区別が問われやすいところです。
接続
Vて+くる(主に「出る・生える・見える・表れる・降る・上がる」のような、現れることを表す自動詞と。主語は「〜が」)
形
Vてくる(出てくる・生えてくる・見えてくる)Vてきた(現れたことの報告)〜くなってくる/〜になってくる(変化の始まり)
導入
- 絵で「現れる」を見せる土の絵を描き、次に小さな芽を描き足して「何が起きましたか」と聞く。「芽が出た」を「芽が出てきた」と板書し、「なかったものが現れた」と説明する。「赤ちゃんの歯が生えてくる」「坂の上に海が見えてくる」と、現れる例を足す。
- 「〜ていく」との向き「霧が出てくる(現れる)」と「霧が消えていく(なくなる)」を並べ、「くる」はこちらに現れる方向、「いく」は離れてなくなる方向、と整理する。
板書案
Vて + くる = 〔赤〕なかったものが 現れる
芽が 出てきた。
霧が 出てきた。/海が 見えてきた。
〔青〕〜く/〜に なってくる(変化の 始まり)
〔青〕くる=こちらに 現れる いく=離れて 消える
場面と発話(自作)
- 春になって、ベランダの植木鉢を見た。育てている花から、やっと芽が出てきた。
- 山登りで頂上に近づいたときのことを、日記に書く。頂上に近づくと、急に霧が出てきて、何も見えなくなった。
- 毎日ニュースを聞いている。日本語の先生に報告する。最近、知っている言葉が少しずつ聞こえてくるようになりました。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
「出る・生える・見える・聞こえる・表れる」の動詞カードで「〜てきた」の文を作らせ、「前はなかった→今ある」になっているかをペアで確かめる。
- 口頭絵カードを2枚ずつ(前・後)見せ、学生が「〜てきた」で言う。キューの例は「土→芽(出る)」「夜の空→星(見える)」「走ったあと→汗(出る)」「雨のあと→虹(出る)」。続けて「寒い→暖かい」のような変化のカードで「〜くなってきた」まで広げる。
- ペアAは4コマの絵(夜明けの空・日の出・鳥の声・町の人)を持ち、Bに見せずに「〜てきた」で順に説明する。Bは聞いた順に絵カードを並べ、最後にAの絵と比べる。次は別の4コマで役を替える。
- 産出「変化の日記」: 日本に来てから自分の周りに現れたもの・見えてきたもの(聞き取れる言葉・行きつけの店など)を「〜てきた」を使って3〜4文で書く。教師は、主語に「が」が付いているか(「を」になっていないか)、移動の「来る」と混ざっていないかを見る。
つまずきと手当て
- 移動の「来る」と読んで「出て、(ここに)来る」と2つの動作に分ける。「出てくる」で1つの動きだと示す
- 助詞を「を」にする(「*芽を出てきた」→「芽が出てきた」)。「出る」は自動詞で、現れるものが主語になるので、助詞は「が」と板書
- 「持ってくる」「買ってくる」(移動+動作)と混同する。これは物を持って移動する意味で、別の使い方だと言う
既習の文型との違い
- Vてくる(移動+動作・初級「買ってくる」)「パンを買ってくる」は買う動作をしてから戻る、という移動の意味。「芽が出てくる」は移動ではなく、何かが現れることを言う。主語が人で他動詞なら移動、主語がものや現象で自動詞なら出現、と見分けさせる。
- Vていく「霧が出てくる」はこちらに現れる方向、「霧が消えていく」は離れてなくなる方向。変化でも「増えてきた」は今までの変化、「増えていく」はこれからの変化を言う。時間の向きを矢印で板書すると分かりやすい。
- Vマスつつある(=だんだん〜ている)(第5課)「暖かくなってきた」は変化が始まって話し手に感じられることを言う。「暖かくなりつつある」は変化が進んでいる途中だと書き言葉で述べる言い方。会話では「〜てきた」、論説的な文では「つつある」が出やすい。
関連する文型
学習項目 8 「接続詞・副詞」の整理
意味・はたらき学習項目 8
課の本文と学習項目に出た接続詞・副詞をまとめて整理する項目です(文型ではありません)。新出語には「すると」「さらに」「再び」「ようやく」「たっぷり」「どうしても」などが挙がっていて、話の順序や展開を示す語(すると・さらに・再び)と、程度や気持ちを表す語(ようやく・たっぷり・どうしても)に分けて見ると整理しやすくなります。どの語を扱うかは手元の教科書で確かめてください。
接続
(文型ではない)接続詞は文頭に置く。「たっぷり」のような様子・量の副詞は述語の近くに置くのが自然(「ようやく」「再び」は文頭にも置ける)
形
順序・展開: すると/さらに/再び程度・気持ち: ようやく/たっぷり/どうしても書き言葉と話し言葉の対: 再び/また、ようやく/やっと、さらに/もっと
導入
- 本文の順序を接続詞で言い直す大意のときに板書した新人の一日(朝稽古→風呂→食事→昼寝→夕食→眠る)を動作だけ残し、学生に「すると」「さらに」「再び」「ようやく」を入れて口で説明させる。語がどの位置に入るか(文頭か、述語の前か)を確かめる。
- 似た語の対比「ようやく」と「やっと」、「再び」と「また」、「さらに」と「もっと」を並べ、意味はほぼ同じで前者が書き言葉寄りだと整理する。作文では前者を使うように勧める。
板書案
〔赤〕順序・展開:すると/さらに/再び
〔青〕程度・気持ち:ようやく/たっぷり/どうしても
ボタンを 押した。〔赤〕すると、ドアが 開いた。
書き言葉―話し言葉:再び―また ようやく―やっと
場面と発話(自作)
- 作文で、自分の朝の過ごし方を書く。朝6時に起きて、まず30分走る。すると、頭がはっきりしてくる。
- レポートで、調査の手順を説明する。4月にアンケートを取った。さらに、1か月後に再び同じ質問をした。
- 日記に、忙しかった1週間のことを書く。残業が3日続いて、金曜日にようやく定時で帰れた。週末はたっぷり寝るつもりだ。
練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)
本文の段落を1つ選び、接続詞・副詞を空欄にしたプリントを作って入れさせる。次に、自分の一日を「すると・さらに・再び・ようやく」のうち3語以上を使って書かせる。
- 口頭教師が2つの文を続けて言い、学生が間に合う語を入れて言い直す。キューの例は「ボタンを押した/ドアが開いた(すると)」「漢字を覚えた/作文も書いた(さらに)」「3時間待った/バスが来た(ようやく)」「一度別れた/10年後に会った(再び)」。語が分かったら、「たっぷり」などの副詞を述語の前に置く位置も口で確かめる。
- ペア「並べかえ」: Aが自分の一日の出来事を5枚のカードに書いてばらばらにし、Bに渡す。Bはカードを並べ、接続詞・副詞でつないで声に出して話す。Aは順序が合っているか、語の選び方が自然かを判定し、交替する。
- 産出「わたしの一日レポート」: 自分の忙しかった一日を、この項目の接続詞・副詞を4語以上使って200字で書く。教師は、「すると」が理由の意味になっていないか、「たっぷり」のような副詞が述語の近くにあるか、書き言葉の語でそろっているかを見る。
つまずきと手当て
- 「すると」を「それで」(理由)の意味で使う。「すると」は前の動作の直後に起こったことを述べる語で、理由は表さない
- 「再び」「ようやく」を会話で使って硬くなる。話すときは「また」「やっと」でよいと言う
- 「たっぷり」のような様子・量の副詞を述語から離して「たっぷり、昨日は家で寝た」と言う。様子・量の副詞は述語の近くに置くと伝える(「ようやく、春が来た」のように文頭に置ける副詞もある)
既習の文型との違い
- 「すると」と「それで」「そして」(初級)「すると」は前の動作のすぐあとに起きたことや気づいたことを述べる。「それで」は理由と結果、「そして」は単に出来事を足す。「雨が降った。すると試合が中止になった」で理由を言いたいなら「それで」のほうが自然になる。
- 「ようやく」と「やっと」「とうとう」「ようやく」「やっと」はどちらも長く待ったことが実現したときに使い、「ようやく」のほうが書き言葉寄り。「とうとう」は最後にそうなったことを言い、悪い結果(とうとう壊れた)にも使う。良い結果を待ったのか、ただ最後にそうなったのかで分ける。
関連する文型
語彙の扱い
この課の新出語は 127 語(本文を読むための語 57・練習などの語 70)。1語ずつの意味・いっしょに使う助詞と連語・例文は語彙のページにあります。
新出語は扉・本文・ことば・学習項目・練習・チェックシート・作文・プラスアルファの8つに分かれて出ます。本文の語は相撲の専門語(相撲取り・力士・朝稽古・兄弟子・番付)と、生活の動作の連語(寝食を共にする・背中を流す・眠りにつく・稽古を重ねる・形に表れる)に分かれるので、専門語は写真や短い動画で見せ、連語は形のまま口で言わせます。扉の性格の語(社交的・冷静・器用)とプラスアルファの自己アピールの語(主体性・協調性・柔軟性・好奇心)はひと続きの語群なので、課の最初と最後でつなぐと定着します。語ごとの扱いは語彙のページで。
第7課の語彙リスト(127語)新出語の意味・いっしょに使う助詞と連語・例文(自作)を五十音順に
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本文の扱い
相撲部屋に入門した新人の一日と、その厳しい生活が番付という形に表れる、という話題の読み物と推測できます(新出語からの推測で、本文はここに載せていません。手元の教科書で確かめてください)。構造は「相撲取りの二面性→部屋の組織→新人の一日(朝稽古→風呂→食事の当番→昼寝→夕食→眠る)→食事の量→稽古の結果」のような順になっていると見込めるので、大意では一日の流れを時間順に板書させ、精読では「なぜそんな生活を続けるのか」の理由の文(学習項目2の「〜ないと〜ないからだ」)と、数字を含む文(学習項目5)を探させると、学習項目と本文理解が一度に進みます。
宿題と次のコマ
チェックシート(2択10問)を宿題にして次のコマの最初に答え合わせ。漢字練習は「ルビなし本文」を声に出して読めるところまで。作文は、語彙(発想・ユニーク・やる気・要望・保護者)から推測すると「自分が理想とする先生」や「やる気が出る条件」のようなテーマと考えられるので、「〜に加えて」「〜たびに」を1回ずつ使う条件を付ける。プラスアルファの自己アピールは、次のコマで就職活動の自己PRを1分で話す活動に。
よくある質問
『中級を学ぼう』第7課は何コマで終わりますか?
学習項目が8つあり、本文も一日の流れを追う読み物なので、90分×4コマが目安です。1コマ目で扉と本文の大意、2〜3コマ目で学習項目、4コマ目で精読と練習・作文に当てると収まります。項目8(接続詞・副詞)は作文の前に置くと、そのまま書く活動に使えます。
「〜ように言われた」と目的の「〜ように」はどう区別して教えればいいですか?
後ろの動詞で見分けさせるのがいちばん簡単です。「言う・頼む・注意する・伝える」が来れば頼んだ内容、「メモする・早く寝る」のような普通の動作なら目的です。導入では「〜てください」を言い換える形から入り、目的の「ように」とは別の板書にしておくと混ざりにくくなります。
「(数字)は」と「(数字)も」の違いはどう見せればいいですか?
「3時間は寝る/3時間も寝た/3時間しか寝ない」を縦に並べ、話し手が多いと思っているか少ないと思っているかを言わせます。「も」は多いという驚き、「しか〜ない」は少ないという評価で、「は」は多い・少ないではなく「最低の線」を示します。見積もりの質問(〜はどのくらいかかりますか)に答えさせると、「は」の使い場所がはっきりします。
「〜たびに」を毎日の習慣に使うと不自然なのはなぜですか?
「たびに」は、ある出来事が起こるたびに、それに続いて反応や気持ちの変化が起こることを言う形だからです。毎日決まって行う動作どうし(寝る・歯を磨く)を結ぶと、わざわざ言う必要のない当たり前のことになり、不自然に聞こえます。「〜前に」「〜とき」に直させ、出来事+反応の例(写真を見るたびに思い出す)と並べて見せます。
相撲を知らない学生が多いとき、扉と本文はどう扱えばいいですか?
本文に入る前に、写真や短い動画で力士・土俵・番付を見せ、専門語はそこで先に覚えさせます。扉は相撲ではなく「性格と仕事」の話から入れるので、相撲を知らなくても話せます。本文は一日の流れを時間順に板書して追えば、細かい相撲の知識がなくても大意は取れます。
この課に関係する用語・解説・練習問題
この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。