結束性(コヒージョン)は、指示語・接続表現・省略・語彙の言い換えといった言語形式によるつながり。一貫性(コヒーレンス)は、読み手にとって内容の筋が通っていること。
接続詞が正しく並んでいても話の筋が通らない文章はありうるので、結束性があっても一貫性があるとは限らない。
作文指導では、接続表現の使い方(結束性)と段落の組み立て(一貫性)を分けて見ると、どこを直せばよいかが定まる。
「昨日、駅前に新しいパン屋ができた。その店のクロワッサンは評判がいい。」では、「その店」が前の文の「パン屋」を指し、二つの文が言葉の上でつながっている。これが結束性の例である。一方「昨日、駅前に新しいパン屋ができた。だから、私は数学が苦手だ。」は接続詞があっても内容がつながらず、一貫性がない。
学習者の作文で「そして」「しかし」が毎文の頭に置かれていても、段落の主張がはっきりしなければ読みにくい。添削のときは、まず指示語や接続詞の使い方を見て結束性を確かめ、次に段落ごとの言いたいことが筋道立っているかを見て一貫性を確かめる、という二段階で見ると指摘が具体的になる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。