日本語教員プラネット 日本語教員試験 対策の問題集

中級を学ぼう 中級前期 第4課「くしゃみ」の教案

『中級を学ぼう 日本語の文型と表現56 中級前期 第2版』

くしゃみという身近な生理現象を扱う読み物の課で、「Vタとたん」「〜ことに」のような出来事と気持ちを語る文型と、「複合動詞(だす・込む)」「助詞+の」「擬音語・擬態語」のような語の作り方・読み方の整理が半々に入っています。文型は会話より作文や読み物で使うものが多く、整理の項目は本文の語(吸い込む・押しだす・むずむずする)をそのまま材料にできます。体の感じを日本語で言えるようにする(病院や薬局で症状を伝える)を課の実用的な出口にすると、学習者の動機とつながります。

このページについて教科書の本文・例文・設問は載せていません。例文と場面はすべて自作です。項目番号は教科書の「学習項目」の番号に合わせています。
学習項目7時間90分×3コマ語彙115語

この課のねらい(Can-do)

  • 「Vタとたん」「〜ことに」で、自分の身に起きた予想外の出来事を気持ちと一緒に書ける
  • 複合動詞を2つの動詞に分けて意味を作り、「〜だす」「〜込む」の基本と発展の意味を読み分けられる
  • 「〜での〜」「〜からの〜」のような助詞+「の」の名詞句を、元の文に戻して読める
  • 体の感じを表す擬態語を使って、病院や薬局で症状を伝えられる

進め方と時間配分

目安は 90分×3コマ。コマの長さと学校のカリキュラムで配分は変わります。各段で押さえることと、かける時間の目安です。

段時間やること
扉(話しましょう)10分くしゃみはどんなときに出るか、自分の国ではくしゃみの音をどう書くかを出し合う。出た語(ほこり・花粉・まぶしい)を黒板に残し、「ハクション」「むずむず」を書いて学習項目6の種にする
本文の大意20分CD か範読で通して読み、段落ごとに「何の話か」を一言で。「〜とたん」「〜とともに」「〜ことに」が出る文に印を付けさせておく(学習項目1・3・7の導入に使う)
ことばを確かめよう30分語彙リストの読みと意味。複合動詞(吸い込む・取り込む・押しだす)は2語に分けて板書し、学習項目2につなぐ。体に関する語(鼻水・神経・症状)は「〜が出る・〜を刺激する・〜がある」の連語の形で練習する
学習項目 1〜7120分本文の文に戻りながら1項目ずつ。2(複合動詞)・4(助詞+の)・6(擬音語・擬態語)は整理の項目なので板書の表で一度に見せ、1・3・5・7は場面を作って言わせる。1コマ目の後半で1・2、2コマ目で3〜5、3コマ目の前半で6・7と進めると、症状を伝える練習(6)が精読の前に入る
内容を確かめよう・精読45分正誤問題→段落の大意→仕組みの順序を問う。精読では「〜からの〜」「〜での〜」の名詞句を元の文に戻しながら読み、長い名詞句の切れ目を確かめる
練習・チェックシート・聴解・作文・漢字45分練習は基本→応用→読もう・聞こう・書こう。チェックシートは次のコマの小テストに。作文は「〜ことに」「Vタとたん」を使って自分の体験を段落のある文章で

学習項目 1 Vタとたん(=〜するとすぐに)

意味・はたらき学習項目 1

前の動作や変化が起きたその瞬間に、次の事柄が起きたことを表します。後ろには、話し手が予想していなかった出来事や、自然に起きた変化が来るのがふつうで、話し手がこれからしようと思っていること(意志・命令・依頼)は置けません。すでに起きたことを述べる形なので、文末は過去形が多くなります。「〜たとたんに」と「に」を付けた形もあり、意味は同じです。

接続

Vた形+とたん(に)(過去の出来事が多いが、「家に帰ったとたん寝てしまう」のような習慣も言える。後件は予期しない出来事)

形
Vた とたん(に)、〜た〜たとたん、〜てしまった〜たとたんに、〜が始まった

導入

  • 扉で出た「くしゃみが出るとき」を形にする扉で学生が言った「外に出たとき」「ほこりを吸ったとき」を、教師が「外に出たとたん、くしゃみが出た」と言い直して板書する。「出た」と「くしゃみ」の間が0秒であることを手でパンと打って示し、「自分で決めたことではなく、勝手に起きた」ことを確かめる。学生の体験を同じ形で3つ集める。
  • 「〜たら」「〜てすぐ」との並べ方同じ場面を「ドアを開けたら、猫が飛び出してきた」「家に着いてすぐ、電話した」と並べ、「とたん」は後ろが自分の意志ではない出来事のときだけ、と線を引く。「家に着いたとたん、電話しよう」と言わせて変な感じを確かめ、予定や意志は「〜てすぐ」「〜たらすぐ」に戻す。

板書案

Vた + とたん(に)、〜た
ドアを開けたとたん、くしゃみが出た。
〔赤〕前=ある瞬間の動作・変化 〔青〕後ろ=予想しなかったこと(自分では決められない)
〔誤りの例〕*開けるとたん *家に着いたとたん、電話します。→ 着いたらすぐ

場面と発話(自作)

  • 朝、アパートのドアを開けたら外が寒かった。同僚にそのときのことを話す。ドアを開けたとたん、冷たい風が入ってきて、くしゃみが止まらなくなりました。
  • 電車の中で立ったまま寝ていた。駅に着いたときのことを友だちに話す。電車が止まったとたん、目が覚めて、あわてて降りたよ。
  • アルバイト先で、店長が帰った直後に店が急に忙しくなった。店長が帰ったとたん、お客さんがいっせいに入ってきたんです。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

教師が「〜た」で前件だけを言い、学生が「とたん、〜」で予期しない後件を続ける。後件が意志文になったら「それなら〜てすぐ」と直し、使える後件と使えない後件の違いを体で分からせる。

  1. 口頭教師が前の動作を絵か動作で見せ(エアコンを止める→汗が出る/ふたを開ける→においがする/立ち上がる→めまいがする/店を出る→雨が降りだす)、全体で「エアコンを止めたとたん、汗が出てきた」と言う。慣れたら後ろの絵を伏せ、学習者が予想しなかった結果を自分で作る。個人指名で3〜4人。
  2. ペアAは前の動作だけのカード、Bは「予想外の結果」の絵カードを持つ。Aが「電車に乗ったとたん……」と言い、Bが絵を見て後ろを続ける。Bの絵が「電話をかける」のような自分で決める動作のときは、Aが「それは『とたん』では言えないね」と返し、「〜てすぐ」で言い直す。4枚ごとに交替する。
  3. 産出「ハプニング報告」: 日本に来てから驚いた・困った一瞬の出来事を「〜たとたん、〜た」を入れて30秒で話し、聞き手は「それからどうなった?」と1つ質問する。教師は、前が た形か、後ろが話し手の意志ではない出来事になっているかを聞き取り、終わってから2、3例を全体で直す。

つまずきと手当て

  • 「Vるとたん」(「開けるとたん」)を作る。た形に付くことを板書に残す
  • 後件に意志・命令を置く(「家に着いたとたん、電話します」)。予定を言うときは「〜たらすぐ」「〜てすぐ」に直す
  • 「とたん」と「とたんに」で意味が変わると思う。どちらも同じで、「に」は付けても付けなくてもよいと言っておく

既習の文型との違い

  • Vてすぐ・Vたらすぐ(初級)「家に帰ってすぐ、シャワーを浴びた」は自分で決めた行動も言えるが、「とたん」の後ろには話し手が決めた行動は置きにくい。学習者が「家に帰ったとたん、シャワーを浴びた」と言ったら、予想外のことか、自分で決めたことかを聞き返す。予定や頼みを言うときは「〜たらすぐ」を使う。
  • ☆1 Vルとともに(同じ課の学習項目3)どちらも二つのことがほとんど同時だが、「とともに」は前がる形で、意外さの気持ちは入らず、書き言葉で淡々と述べる。「とたん」は前が た形で、話し手の驚きが入る。作文で出来事を報告するなら「とともに」、体験談で驚きを伝えるなら「とたん」と分けさせる。
関連する文型

学習項目 2 複合動詞(Vマス+だす・込む)

意味・はたらき学習項目 2・☆〜だす(開始)・☆〜込む(十分に)

動詞のマス形(「ます」を取った形)に別の動詞を付けて1語にしたものが複合動詞です。この課では「だす」と「込む」を扱います。「〜だす」の基本は中から外へ出る・出す動き(押しだす・取りだす・飛びだす)で、発展(☆)として「急に始まる」意味(降りだす・泣きだす)があります。「〜込む」の基本は外から中へ入る・入れる動き(飛び込む・吸い込む・持ち込む)で、発展(☆)として「十分に・深く・その状態のまま長く」の意味(考え込む・話し込む・煮込む)があります。本文にくしゃみの仕組みを表す語として出るので、語彙として覚えるだけでなく、2つの動詞に分けて意味を作らせると応用が利きます。

接続

Vマス(「ます」を取った形)+だす/込む。活用は後ろの動詞と同じ(飛び込む→飛び込んだ・飛び込める・飛び込み)

形
Vマス+だす(外へ: 押しだす・取りだす・飛びだす)☆Vマス+だす(急に始まる: 降りだす・泣きだす・動きだす)Vマス+込む(中へ: 飛び込む・吸い込む・持ち込む・駆け込む)☆Vマス+込む(十分に・深く: 考え込む・話し込む・煮込む)

導入

  • 2語に分けて意味を作る「吸う+込む」「押す+出す」と板書し、矢印で「中へ」「外へ」の向きを描く。学生に「飛ぶ+込む」「取る+出す」を言わせて、同じ矢印で意味を言わせる。本文に出る語(吸い込む・取り込む・押しだす)はこの向きで全部説明できるので、本文の語を黒板の矢印に貼っていく。
  • 発展の意味は「向きが薄れる」ことから「雨が降りだした」「ずっと考え込んでいる」を出し、「外へ」「中へ」の意味が薄れて「急に始まる」「深く・長く」になったと説明する。「降りだす」と「降りはじめる」を並べ、「だす」は急で、自分で決めて始めることには使いにくいと添える。

板書案

Vマス + だす/込む
吸う → 吸い(ます)+ 込む → 吸い込む
〔赤〕だす=中→外 の矢印 〔青〕込む=外→中 の矢印
☆だす=急に始まる(降りだす) ☆込む=深く・十分に(考え込む)
〔誤りの例〕*吸って込む

場面と発話(自作)

  • 駅のホームで「駆け込み乗車」の注意書きを見た後輩に、意味を説明する。「駆け込む」は、走って電車の中に入ることだよ。危ないから禁止なんだ。
  • 友だちと公園にいたら、急に雨が降ってきた。急に降りだしたね。コンビニまで走ろう。
  • 休憩時間に同僚がずっと黙っている。心配して声をかける。さっきから考え込んでいるけど、何かあった?

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

前の動詞を教師がカードで出し、学生が「だす」「込む」のどちらが付くか、意味は「向き」か「発展」かを言う。「飛び」なら「飛びだす」と「飛び込む」の両方を作らせ、向きの違いを身ぶりで示させる。

  1. 口頭教師が前の動詞カード(飛ぶ・取る・吸う・持つ・走る・泣く・考える)を出し、全体で「だす」「込む」を付けて言う。言えたら教師が身ぶり(手を外へ/内へ動かす)で向きを示し、学習者は意味を「外へ」「中へ」「急に始まる」「深く」の4つから選んで答える。個人指名で1枚ずつ。
  2. ペアAは複合動詞を書いたカード、Bは場面の絵(ホームに走ってくる人・ポケットから財布・急に泣く子ども・鍋で長く煮る)を持つ。AがカードをBに見せずに語を言い、Bが合う絵を選んで「この人は電車に駆け込んでいます」と文にする。絵を選び違えたら、Aが2語に分けて向きを説明する。交替して全カードを回す。
  3. 産出「注意書き説明」: 駅や店の掲示(駆け込み乗車禁止・持ち込み禁止・飛びだし注意)の写真を見て、何が禁止されているかを初めて日本に来た人に説明する短い文を2〜3文書く。教師は、マス形に付いているか、意味の説明が「中へ・外へ」の向きと合っているかを見る。

つまずきと手当て

  • マス形ではなく て形に付ける(「吸って込む」)。「ます を取る」を板書に残す
  • ☆「〜だす」(開始)を意志文に使う(「明日から勉強しだそう」)。自分で始めようと思うことは「〜はじめる」と言う
  • 後ろの動詞の意味だけで辞書にない語を作る(「食べ込む」)。本文と練習に出た語を基本にし、新しい組み合わせは辞書で確かめる習慣を付ける

既習の文型との違い

  • Vマス+はじめる(初級)「雨が降りはじめた」と「雨が降りだした」はどちらも始まりを言うが、「だす」は急に・突然という感じが強い。また「〜はじめる」は「明日から勉強しはじめよう」のように意志の形でも使えるが、「だす」は意志・依頼の形にしにくい。学習者が「早く食べだしてください」と言ったら「食べはじめてください」に直す。
  • Vて+入る/出る(初級)「走って入る」は二つの動作を順に言うだけだが、「駆け込む」は勢いよく中へ入るという一つの動作になる。複合動詞は1語なので「駆け込みます・駆け込んだ」と後ろだけが活用する。学習者が「*駆けて込んだ」とて形をはさんだら、マス形に付くことを板書で確かめる。

学習項目 3 Nとともに(=〜と一緒に)

意味・はたらき学習項目 3・☆1 Vルとともに(=〜と同時に)・☆2 Vル/N とともに(=〜に伴って)

基本の「Nとともに」は「〜と一緒に」の書き言葉で、人や物と行動を共にすることを表します(家族とともに暮らす)。発展1(☆1)の「Vルとともに」は2つのことが同時に起きることを表し(卒業するとともに国へ帰った)、名詞でも出来事を表す語なら同じ意味になります(終了のベルとともに席を立った)。発展2(☆2)の「Vル/Nとともに」は、一方が変化すると、それにつれてもう一方も変わる関係を表します(医療技術の進歩とともに死亡率が下がった)。3つとも形は同じなので、前に来るのが「人・物」「出来事」「変化」のどれかで意味を見分けさせます。

接続

N+とともに/Vる+とともに(☆2 の変化の意味では、前は変化を表す名詞(進歩・増加・回復)か変化の動詞のる形、後ろにも変化の文が要る)

形
N とともに(=と一緒に)☆1 Vる/出来事のN とともに(=と同時に)☆2 Vる/変化のN とともに(=につれて)

導入

  • 「と一緒に」から硬くする学生に「週末はだれと過ごしましたか」と聞き、「友だちと一緒に」の答えを「友だちとともに」と書き直す。「意味は同じで、書き言葉・スピーチの言い方」と説明し、作文や挨拶で使う形と位置づける。会話ではそのまま「と一緒に」でよいと言っておく。
  • ☆2 は矢印を2本描く「年を取る↑ 忘れっぽくなる↑」のように、2つの変化を矢印で並べて板書し、「年を取るとともに、忘れっぽくなる」と読む。「〜につれて」と同じ関係だと言い、どちらか片方だけでは言えないことを、後ろを「東京に住んでいる」に替えて変な文を聞かせて確かめる。

板書案

N/Vる + とともに
家族とともに暮らす。(=と一緒に)
卒業するとともに、国へ帰った。(☆1 =と同時に)
年を取るとともに、体力が落ちる。(☆2 =につれて)
〔赤〕前が「人・物」「出来事」「変化」の箱 〔青〕☆2 は↑↑の矢印を2本

場面と発話(自作)

  • 会社の朝礼で、新しい部署の仲間に向けて挨拶する。新しいメンバーとともに、このプロジェクトを成功させたいと思います。
  • 作文で、国に帰る予定を書く。大学を卒業するとともに、国へ帰って働くつもりだ。
  • レポートで、日本の生活の変化についてまとめる。医療技術の進歩とともに、人々の暮らしも大きく変わった。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

前に来る語を「人・物」「出来事」「変化」の3つの箱に分けて黒板に書き、学生が文を作ってどの箱かを言う。「変化」の箱は後ろにも変化が要ることをペアで確かめさせる。

  1. 口頭教師が前の語をカードで出し(チームのみんな・試合終了の笛・人口の増加・技術の進歩・春の訪れ)、全体で「〜とともに、〜」の文を言う。言えたら教師が「人・物」「出来事」「変化」の3つの箱を指し、学習者はどの意味かを答える。「変化」の箱では、後ろにも変化の語(増える・変わる・減る)が入っているかを全員で確かめる。
  2. ペアAは前半(人口の減少とともに/試合開始の笛とともに/仲間とともに)、Bは後半(店が減った/選手が走りだした/山に登った)を数枚ずつ持ち、つながる組を探して1文にする。つながったら、その「とともに」を「と一緒に」「と同時に」「につれて」のどれに替えられるかを二人で決め、教師に報告する。
  3. 産出「わたしの町の10年」: 自分の町や国の変化を一つ選び、「〜とともに、〜」を2回以上使って200字ほどの作文を書く(技術・人口・物価・生活習慣など)。教師は、☆2 の文で前と後ろの両方が変化になっているか、会話調の文に混ざって硬さが浮いていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 会話で「友だちとともに」と言って硬くなる。話すときは「と一緒に」に
  • ☆2 で後ろに変化のない文を置く(「景気の回復とともに、東京に住んでいる」)。両方が変わることを矢印で確かめる
  • 「〜とともに」をどの意味でも「〜と同時に」に入れ替えられると思う。「一緒に」の意味には「同時に」は使えないと示す

既習の文型との違い

  • 〜と一緒に(初級)意味は同じだが「とともに」は書き言葉で、挨拶・作文・ニュースに合う。会話で「友だちとともに映画を見た」と言うと硬すぎて不自然に聞こえる。話すときは「と一緒に」、書くときは「とともに」と場面で分けさせる。
  • 〜に伴って(『中級へ行こう』第9課)☆2 と同じく、一方が変わるとそれに連れてもう一方も変わることを言う。どちらも後ろに変化の文が要り、「*人口の増加とともに、駅前にコンビニがある」のように状態の文を置くと言えない。「〜に伴って」は人の行動より社会の変化・制度の説明に多い傾向がある。
  • Vタとたん(同じ課の学習項目1)☆1 の「と同時に」と「とたん」は時間の近さが似ている。「とたん」は前が た形で後ろに予想外の出来事が来るが、☆1 は前がる形で、意志的な行動も後ろに置ける(卒業するとともに、国へ帰った)。
関連する文型

学習項目 4 助詞+「の」 での・からの・までの・との・への

意味・はたらき学習項目 4

「東京で暮らす」「友だちから手紙が来る」のように、助詞で場所・出発点・相手・方向を表す言い方を、「東京での暮らし」「友だちからの手紙」と名詞に付ける形です。助詞「で・から・まで・と・へ」の後ろに「の」を付けて、名詞を修飾します。「が」「を」はこの形にならず(×友だちがの手紙)、「に」も「にの」とは言えないので「への」「での」で言い換えます。読み物では「〜での〜」「〜からの〜」が長い名詞句の中に出るので、どの助詞かで意味を読み分けさせます。

接続

N+で/から/まで/と/へ+の+N(「が」「を」「に」は使えない。「に」の意味は「への」「での」で表す)

形
NでのN(場所・手段: 日本での生活)NからのN・NまでのN(起点・終点: 母からの手紙・駅までの道)NとのN(相手: 先生との約束)NへのN(方向・相手: 国への手紙)

導入

  • 文を名詞句に縮める「友だちから手紙が来た」を板書し、「どんな手紙?」と聞いて「友だちからの手紙」と縮める。同じ手順で「で」「まで」「と」「へ」の文を縮めさせ、助詞が残って「の」が付くことを見せる。縮めた名詞句を使って「友だちからの手紙を読んだ」と文に戻し、名詞として使えることを確かめる。
  • 「がの」「をの」ができないことを確かめる「友だちが書いた手紙」を同じ手順で縮めようとして「友だちがの手紙」が言えないことを確かめ、「が・を・に」は仲間に入らないと板書に残す。「先生に手紙を書く」は「先生への手紙」になると付け足す。

板書案

N + で/から/まで/と/へ + の + N
友だちから 手紙が来た → 友だちからの 手紙
〔赤〕助詞はそのまま残す 〔青〕+「の」
〔誤りの例〕*友だちがの手紙 *先生にの質問 → 先生への質問

場面と発話(自作)

  • 国の家族から荷物が届いた。同僚に見せながら言う。これ、母からの荷物です。国のお菓子が入っていました。
  • 作文で、日本に来てからの生活を書き出す。日本での生活は、もうすぐ3年になる。
  • 面接で、仕事の内容について質問する。お客様との打ち合わせは、週に何回ぐらいありますか。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

本文から「助詞+の」の名詞句を抜き出させ、元の文(〜で〜する・〜から〜が来る)に戻して読ませる。読み分けができたら、自分のことで「〜での〜」「〜からの〜」を1つずつ書かせる。

  1. 口頭教師が短い文を言い(母から電話が来た/駅まで歩く/会社で働く/部長と相談する/国へ送る)、全体で「母からの電話」「駅までの道」のように名詞句に縮める。名詞(電話・道・仕事・相談・荷物)は教師が指で示す。慣れたら逆に名詞句を聞いて元の文に戻す。個人指名で各助詞を1つずつ。
  2. ペアAは名詞句カード(大学での研究・留学生との交流・家族への手紙・空港までのバス)を持ち、Bに読み上げる。Bはそれを使って自分のことで質問を1つ作り(「家族への手紙は、何語で書きますか」)、Aが答える。Bが元の文に戻せなかったら、Aがカードの裏の元の文を見せる。交替する。
  3. 産出「見出しづくり」: 短いニュースの説明(市が駅から公園までのバスを始めた、など教師が作ったもの)を読み、新聞の見出しのように名詞句で一行にまとめる(「駅から公園までのバス、来月から運行」)。教師は、助詞が残って「の」が付いているか、「が・を・に」の名詞句を作っていないかを見る。

つまずきと手当て

  • 「がの」「をの」「にの」を作る(「先生にの質問」)。「に」は「への」に替えると言う
  • 「の」を落として「東京で生活」を名詞句のつもりで書く。「で」で終わると文が続くことを確かめる
  • 「NへのN」と「NからのN」の向きを逆にする(「先生への手紙」を先生が書いた手紙だと思う)。矢印で向きを描く

既習の文型との違い

  • 名詞修飾節の「が」→「の」(第1課)第1課は「友だちが書いた手紙」→「友だちの書いた手紙」のように、修飾節の中の「が」が「の」に変わる形。この課は助詞を残して「の」を足す形で、述語が要らない。学習者が「*友だちがの書いた手紙」と二つを混ぜたら、述語があるかどうかで見分けさせる。
  • NのN(初級)「母の手紙」は母が書いたのか、母あての手紙なのかが文脈に頼る。「母からの手紙」「母への手紙」と助詞を残すと関係がはっきりする。読み物でこの形が多いのは、関係を短い名詞句で正確に言えるからだと説明する。
関連する文型

学習項目 5 Vル/Nの 途中

意味・はたらき学習項目 5

動作や出来事が始まってから終わるまでの間のある時点を表します。「帰る途中で」「会議の途中で」のように、「途中」のあとに「で」や「に」が付いて、そのときに起きたことや、そこで中断したことを言います。出来事が起きた時点を言うときは「で」が多いですが、「帰る途中に事故にあった」「行く途中にコンビニに寄った」のように「に」も使えます。「途中にコンビニがある」のように場所を言うときは「に」になります。「途中まで」「途中から」の形もあります。動詞は「帰る途中」のように る形が基本で、「帰っている途中」も使えますが、「帰った途中」とは言えません。

接続

Vる+途中(で/に)/N+の+途中(で/に)(動詞はる形。た形は不可)

形
Vる途中で、〜(出来事が起きた)Nの途中で、〜(やめた・抜けた)途中まで/途中から

導入

  • 道の絵で「途中」を示す家と学校を線でつなぎ、真ん中に×を打って「学校へ行く途中で、財布を忘れたことに気づいた」と板書する。×の位置が「途中」で、始めと終わりの間ならどこでもよいことを示す。次に線の名前を「会議」に替えて「会議の途中で」と名詞の形も見せる。
  • 「〜ながら」「〜間に」との違い「帰りながら」「帰る間に」と並べ、「途中」は移動や仕事の進み具合の「ある一点」で、そこで何かが起きた・止まったことを言うときに選ぶ、と線を引く。長い期間(日本にいる間に)には使わないことも添える。

板書案

Vる/Nの + 途中(で)
会社へ行く途中で、雨が降りだした。
〔図〕家 ────×──── 会社 ×=途中
〔赤〕Vる・Nの 〔青〕で=起きたこと 途中まで/途中から
〔誤りの例〕*行った途中で

場面と発話(自作)

  • 遅刻した理由を店長に説明する。すみません。来る途中で自転車がパンクしてしまって。
  • 授業中に体調が悪くなったことを、あとで友だちに話す。授業の途中で気分が悪くなって、保健室に行ったんだ。
  • 映画を最後まで見られなかった。途中まで見たけど、眠くなって寝てしまった。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

「〜する途中で、〜」の前半を教師が言い、学生が途中で起きた出来事を続ける。名詞の形は「会議・授業・試合・食事」をカードで出して「〜の途中で」を言わせる。

  1. 口頭教師が黒板の線(家→学校/映画の始まり→終わり/試合の開始→終了)の途中に×を打ち、×のところに絵(財布を落とす・電話が鳴る・雨が降る)を貼る。全体で「学校へ行く途中で、財布を落とした」と言う。次に線の名前を名詞に替えて「映画の途中で、電話が鳴った」と言わせる。個人指名で「途中まで」「途中から」も1文ずつ。
  2. ペアAは「途中で起きたこと」のカード(パンクした・忘れ物に気づいた・眠くなった)を持ち、Bが「何をしている途中だったの?」と聞く。Aは「〜る途中で」「〜の途中で」の形で答え、Bが「それでどうしたの?」と続けて質問する。3往復したら交替する。
  3. 産出「遅刻の連絡ロールプレイ」: アルバイト先や学校に電話して遅れる理由を伝える役割練習。理由は「〜途中で、〜てしまって」の形で言い、着く時間の見込みも添える。教師は、る形に付いているか、「途中で(に)」のあとに起きたことが続いているか、謝りの言い方が場面に合っているかを見る。

つまずきと手当て

  • 「Vた途中」(「帰った途中で」)を作る。る形に付くと板書に残す
  • 「途中で」と「途中に」のどちらかを誤りだと思い込む。出来事には両方使え(行く途中で/途中にコンビニに寄った)、「で」が多いと示す。場所(途中にコンビニがある)は「に」
  • 「〜ている間に」と同じだと思って長い期間に使う(「日本にいる途中で」)。「途中」は移動や出来事の進み具合に限ると言う

既習の文型との違い

  • 〜間に・〜ながら(初級)「〜間に」はある期間のどこかで何かが起きることを言い、長い期間にも使える(日本にいる間に、富士山に登りたい)。「途中で」は始まりと終わりがはっきりした移動や出来事の中の一点で、何かが起きた・止まったときに使う。「〜ながら」は二つの動作を同時にすることで、思いがけない出来事には使わない。
  • Vている間(初級)「帰っている間に」と「帰る途中で」は近いが、「途中」は目的地や終わりが意識されているときに選ぶ。「日本に住んでいる途中で、結婚した」は終わりの決まっていない期間なので不自然で、「住んでいる間に」を使う。

学習項目 6 擬音語・擬態語

意味・はたらき学習項目 6

擬音語は物の音や人・動物の声をことばで写したもので(ハクション・ワンワン・ドンドン)、擬態語は音のない様子や感じを写したものです(むずむず・ふらふら・さらさら)。この課では、鼻がむずむずする、頭がずきずきする、のような体の感じを表す擬態語を中心に扱います。使い方は「〜する」「〜だ」「〜と+動詞」の3つがほとんどです。同じ形を2回くり返す語が多いこと、濁点が付くと重く・大きくなる感じになること(さらさら→ざらざら、ころころ→ごろごろ)を知ると、初めて見た語の感じがつかめるようになります。

接続

擬態語+する(鼻がむずむずする)/擬態語+だ・の N(おなかがぺこぺこだ)/擬音語・擬態語+と+V(ドンドンとたたく)

形
〔体の部分〕が 擬態語 する擬態語 だ/擬態語 の N(さらさらの髪)擬音語 と V(擬音語はカタカナで書くことが多い)

導入

  • 扉のくしゃみから音をまねる教師がくしゃみのまねをして「日本語では何と書きますか」と聞き、「ハクション」と板書する。学生の国のくしゃみの書き方を言わせ、音を文字にしたものが擬音語だと説明する。次に「くしゃみの前、鼻はどんな感じ?」と聞いて「むずむず」を出し、音がないものは擬態語と分ける。
  • 体の部分と組み合わせる表「頭・鼻・のど・目・おなか」を縦に、「ずきずき・むずむず・いがいが・ちかちか・ぺこぺこ」を横に書き、線で結ばせる。「〜がむずむずする」の形で全部言わせ、病院や薬局で使える文として練習する。

板書案

擬音語=音・声(ハクション・ドンドン) 擬態語=様子・感じ(むずむず)
鼻が むずむずする。 頭が ずきずきする。
〔表〕縦: 頭・鼻・のど・目・おなか 横: ずきずき・むずむず・いがいが・ちかちか・ぺこぺこ
〔赤〕〜する/〜だ/〜と+V 〔青〕さらさら→ざらざら(濁点で重く)

場面と発話(自作)

  • 薬局で、花粉症の症状を店員に伝える。朝から鼻がむずむずして、くしゃみが止まらないんです。
  • 会社で、頭痛がひどいので早退したいと上司に言う。頭がずきずきして、仕事に集中できません。早退してもいいでしょうか。
  • 夜、隣の部屋の音がうるさいことを友だちに話す。隣の人が夜中にドンドンと壁をたたくんだよ。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

症状カード(頭痛・鼻づまり・のどの痛み・空腹)を引いて、「〜が〜する」で医者に伝える役割練習。擬音語は「〜と+動詞」の形で、実際に音を出しながら言わせる。

  1. 口頭教師が体の部分を指しながら表情や身ぶりで感じを示し(頭を押さえて顔をしかめる・鼻をこする・のどに手を当てる・目をこする)、全体で「頭がずきずきします」「鼻がむずむずします」と言う。言えたら教師が擬態語だけを言い、学習者は合う体の部分を指して文にする。濁点の有無の対(さらさら/ざらざら・ころころ/ごろごろ)は教師が二つ言い、重く大きいほうを手で示させる。
  2. ペアAは症状カード(頭がずきずき・のどがいがいが・目がちかちか・おなかがごろごろ)を伏せて1枚引き、身ぶりと「いつから」「どんなときに」だけで伝える。Bが擬態語を当てて「〜が〜するんですね」と確かめる。当たったら交替する。
  3. 産出「薬局ロールプレイ」: 客は自分で選んだ症状を擬態語を使って伝え、店員役は「いつからですか」「熱はありますか」と2つ以上質問して、薬の飲み方を簡単に説明する。教師は、擬態語に「する」か「だ」が正しく付いているか、症状と擬態語が合っているかを見て、合わなければ表に戻る。

つまずきと手当て

  • 「むずむずです」のように名詞として使う。「〜する」「〜だ」のどちらが付くかは語ごとに決まるので、出た語ごとに形を板書する
  • 濁点の有無で感じが変わることを知らない(「さらさらした髪」と「ざらざらした紙」)。対にして見せる
  • 母語の擬音語をそのままカタカナで書く(犬の声を母語の形で)。日本語では決まった形があると言い、覚える語として扱う

既習の文型との違い

  • い形容詞「痛い・かゆい」(初級)「頭が痛い」は痛いことしか伝わらないが、「頭がずきずきする」「頭ががんがんする」は痛み方まで伝わる。病院では形容詞と擬態語をいっしょに言うと伝わりやすい(ずきずきと痛い)。学習者が「*頭がずきずきです」と言ったら、この語は「する」が付くと表で確かめる。

学習項目 7 〜ことに

意味・はたらき学習項目 7

「残念なことに」「驚いたことに」のように、気持ちを表す語に付けて文の頭に置き、これから言うことに対する話し手の感想を先に述べる形です。後ろには、すでに起きたことや決まっていることが来ます。話し手がこれからしようとすること(意志・命令)には続きません。書き言葉やスピーチで多く、会話では「残念だけど」「びっくりしたんだけど」のように言うほうがふつうです。

接続

い形+ことに/な形+な+ことに/Vた(感情を表す動詞: 驚いた・困った・あきれた)+ことに(後ろは事実の文)

形
い形 ことに(うれしいことに・悲しいことに)な形な ことに(残念なことに・幸いなことに・不思議なことに)Vた ことに(驚いたことに・困ったことに・あきれたことに)

導入

  • 感想を先に言う順番を見せる「試験に合格した。うれしい。」と2文を板書し、「日本語では気持ちを先に言える」と言って「うれしいことに、試験に合格した。」に組み替える。気持ちの語に「ことに」を付ければよいと示し、学生に「残念・驚いた・困った」で同じ組み替えをさせる。
  • 本文の感想の文を探す本文に「〜ことに」の文があれば、筆者がどんな気持ちでその事実を書いているかを問い、感想→事実の順で読ませる。筆者の立場を読み取る精読の目印になる。

板書案

気持ちの語 + ことに、〔起きたこと〕
うれしいことに、試験に合格した。
〔赤〕い形・な形な・Vた(驚いた・困った) 〔青〕後ろ=事実(意志・命令は置けない)
〔誤りの例〕*うれしいことに、パーティーをしよう。

場面と発話(自作)

  • スピーチで、日本での1年をふり返る。うれしいことに、アルバイト先の人たちが、私の誕生日を祝ってくれました。
  • 作文で、楽しみにしていた学校の行事のことを書く。残念なことに、体育祭は雨で中止になってしまった。
  • レポートで、アンケートの結果を書く。驚いたことに、朝ご飯を食べない学生が半分を超えていた。

練習の進め方(口頭 → ペア → 産出)

出来事のカード(合格した・財布をなくした・先生に会った)を引き、合う気持ちの語を選んで「〜ことに、〜」で1文を言う。後ろの文が意志文になっていないかをペアで確かめる。

  1. 口頭教師が出来事を言い(奨学金がもらえた/財布が戻ってきた/電車が止まった/祖母が日本に来る)、気持ちの語を板書から選ばせて、全体で「幸いなことに、財布が戻ってきた」と言う。言えたら、教師が気持ちの語だけを言い(残念な・驚いた・困った・ありがたい)、学習者が後ろの事実を自分で作る。個人指名で3〜4人。
  2. ペアAは出来事のカード、Bは気持ちの語のカードを持つ。Aが出来事を読み、Bは合う語を選んで「〜ことに、〜」と1文にする。Aは、Bの文の後ろが事実になっているかを聞き、意志の文になっていたら「それは予定だよ」と指摘する。役を替えて同じカードで繰り返す。
  3. 産出「一年のふり返りスピーチ」: 日本に来てからの一年(または今学期)をふり返る1分間のスピーチを書いて話す。「〜ことに」を2回以上、違う気持ちの語で使う。教師は、気持ちを表す語に付いているか、後ろが起きたことか、「ことに」が文の頭にあって話の区切りが聞き手に伝わっているかを見る。

つまずきと手当て

  • 後ろに意志や命令を続ける(「うれしいことに、パーティーをしよう」)。後ろは起きたこと・決まっていることだけ
  • 感情でない語に付ける(「大きいことに」「静かなことに」)。気持ちを表す語に限ると板書する
  • 理由の「〜ことから」と混同して理由の意味で使う。「ことに」は気持ちを先に言う形で、理由ではないと分ける

既習の文型との違い

  • 〜けど・〜んだけど(初級)会話では「残念だけど、体育祭は中止になった」のように言うのがふつうで、「残念なことに」は作文・スピーチ・ニュースの言い方。話すときに「ことに」を続けて使うと演説のように聞こえる。場面で言い方を選ばせる。
  • Vたことがある(初級)形が似ているので「驚いたことに」と「驚いたことがある」を混ぜる学習者がいる。「〜たことがある」は経験を言い、文末に置く。「驚いたことに」は気持ちを先に言い、文の頭に置いて読点で切る。
関連する文型

語彙の扱い

この課の新出語は 115 語(本文を読むための語 35・練習などの語 80)。1語ずつの意味・いっしょに使う助詞と連語・例文は語彙のページにあります。

体に関する語(鼻水・神経・症状・花粉症・アレルギー)が多く、学習項目6の擬態語と合わせて「症状を伝える」場面にまとめると使い道が見えます。複合動詞(押しだす・吸い込む・取り込む)は学習項目2で分解するので、ことばの段階では読みだけ確かめておけば足ります。練習の語には掲示の語(駆け込み乗車禁止・持ち込み禁止・飛びだし禁止)があるので、駅や店の写真と一緒に見せると定着します。

第4課の語彙リスト(115語)新出語の意味・いっしょに使う助詞と連語・例文(自作)を五十音順に
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本文の扱い

語彙から見ると、くしゃみという生理現象について、ほこりや光などのきっかけ、鼻から神経・脳へ伝わる反射の仕組み、花粉症やアレルギーとの関係、親子で似ることがある(遺伝)といった話題を扱う説明文と推測されます(断定はしていません。本文で確かめてください)。大意では「くしゃみは何のために出るか」「どんなときに出るか」を段落ごとに一言で言わせ、精読では仕組みの順序(きっかけ→神経→脳→くしゃみ)を矢印で板書させると、学習項目2の複合動詞や「〜とともに」「〜ことに」が出る位置も一緒に確かめられます。本文の文はここに載せていないので、手元の教科書で確かめてください。

宿題と次のコマ

チェックシート(2択10問)を宿題にして次のコマの最初に答え合わせ。漢字練習はルビなし本文を声に出して読めるところまで。作文は「〜ことに」で書き出し、「Vタとたん」を1回は使う条件で、自分の身に起きた予想外の出来事を書かせる。次のコマの最初に、擬態語を使って症状を伝える役割練習を5分だけ復習として入れる。

よくある質問

  • 第4課「くしゃみ」は何コマで終わりますか?

    90分なら3コマが目安です。1コマ目で扉・本文の大意・ことばと学習項目1・2、2コマ目で学習項目3〜5、3コマ目で学習項目6・7と精読・練習まで進めます。複合動詞と擬態語は語の量が多いので、時間が足りないときは練習の一部を宿題に回します。

  • 「〜たとたん」と「〜てすぐ」の違いは何ですか?

    どちらも前のことのすぐあとに次のことが起きるのを表しますが、「とたん」の後ろには話し手が予想しなかった出来事が来るのがふつうで、自分で決めた行動は置きにくい形です。「家に帰ってすぐシャワーを浴びた」は自然でも、「とたん」にすると不自然に聞こえます。予定や頼みを言うときは「〜たらすぐ」を使わせます。

  • 「〜とともに」の3つの意味はどう見分けさせればいいですか?

    前に来る語で見分けさせます。人や物なら「と一緒に」、出来事(卒業する・終了のベル)なら「と同時に」、変化(進歩・増加・年を取る)なら「につれて」です。変化の意味のときは後ろにも変化の文が要るので、矢印を2本描いて確かめると混ざりにくくなります。

  • 複合動詞の「〜だす」「〜込む」は、どこまで教えればいいですか?

    まず本文と練習に出る語を、2つの動詞に分けて「外へ」「中へ」の向きで説明できるようにします。発展の「急に始まる(降りだす)」「深く・十分に(考え込む)」は、例を2〜3語見せて意味の広がりに気づかせる程度で足ります。学習者が自分で組み合わせを作ると辞書にない語になりやすいので、使う前に辞書で確かめる習慣を付けさせます。

  • 体の感じを表す擬態語は、どう教えると定着しますか?

    体の部分と擬態語を組にした表を板書し、「〜が〜する」の形で病院や薬局の場面に結びつけると定着しやすくなります。濁点の有無で重さや大きさの感じが変わる対(さらさら/ざらざら)を見せると、初めて見た語の感じも推測できるようになります。語ごとに「する」「だ」のどちらが付くかも一緒に覚えさせます。

この課に関係する用語・解説・練習問題

この課の文型を、日本語教員試験の用語でいうと何にあたるか。授業の説明に迷ったときの確認と、試験対策に。

PRこの教科書

手引きで扱っている教科書。本文・例文は手元の教科書で確かめてください。