必須の教育内容の区分「コミュニケーション能力」の項目の一つで、ここから向きが変わり教員自身の力を指す。到達目標は「多様な価値観を持つ関係者や、学習者を取り巻くコミュニティと連携して教育実践を行うため、日本語教育人材として求められる対人関係能力について理解し、自らの対人関係能力を向上させることができる」。
想定されているのは教室の中だけではない。同僚の教師、機関の運営者、地域の支援者、保護者、受け入れ企業といった関係者との連携のための力として書かれている。
教室の中でも働く。相手の話をさえぎらずに聞く、あいづちや表情で受け取ったことを示す、言いにくいことを角を立てずに伝える。学習者が安心して間違えられるかどうかを左右し、情意フィルターを下げる働きやピア・ラーニングの成立も支えている。
地域の日本語教室で、支援者のボランティア、小学校の担任、保護者が、一人の子どもの学習について話し合う場面がある。教師はそれぞれの立場から見えていることを聞き取り、専門用語を避けて状況を説明し、次に誰が何をするかを確かめる。到達目標が想定している関係者との連携は、こうした場面で働く力である。
教室では、学習者が言い間違えても話をさえぎらずに最後まで聞き、あいづちで受け取ったことを示してから言い直しの機会を作る。同僚に授業の進め方を変えたいと伝えるときに、「わたしは〜だと助かる」と自分を主語にして話すのも、関係を壊さずに言いにくいことを伝える工夫である。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。