自分も相手も尊重しながら伝える態度をアサーションという。その実践によく使われる伝え方の一つが、ゴードン(T. Gordon)が親業訓練(PET)で示したわたしメッセージ(Iメッセージ)である。
「わたしは困っている」「わたしはこうしてほしい」と自分を主語にして、事実と自分の感情・要望を伝える。「あなたはいつも遅れる」というあなたメッセージ(Youメッセージ)は相手を責める形になり、防御を招く。学習者との関係だけでなく、同僚や保護者との対話にもそのまま使える。
授業中に私語を続ける学習者に「あなたはいつもうるさい」と言うと、相手は責められたと感じて反発しやすい。「話し声が聞こえると、わたしは説明が届いているか心配になる。今は前を向いて聞いてほしい」と、自分を主語にして事実・気持ち・要望を伝えると、相手を攻撃せずに伝えたいことを示せる。
同僚から急に授業の交代を頼まれ、引き受けると自分の準備が間に合わないとき、黙って引き受けるのでも、「なんで今言うの」と強く拒むのでもなく、「その日はわたしも準備があって難しい。翌週なら代われる」と自分の事情と代案を伝える。自分の都合も相手の頼みも尊重するこの伝え方が、アサーションにあたる。
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