学習者どうし(peer=仲間)が対話しながら、互いの学びを支え合う学習形態。教師から学習者への一方向の伝達に対し、学習者を学びの主体として位置づける協働学習の考え方に立つ。
理論的にはヴィゴツキーの社会文化的アプローチが背景にあり、他者との対話を通じて理解が深まると考える。作文を読み合うピア・レスポンス、読解過程を話し合うピア・リーディング、学習の進め方を検討し合うピア・モニタリングなどの形がある。
「学習者に任せれば成立する」わけではない点が要注意。役割分担・進め方・時間配分の設計、日本語で話し合うための表現の準備、活動後の振り返りまで教師が設計して初めて機能する。単なるグループ作業や、できる学習者が教える一方通行の形はピア・ラーニングとは言わない。
読解の授業で3人一組になり、短い新聞記事を読んで「筆者が一番言いたいことは何か」を話し合う。教師は事前に「私は〜だと思います。理由は〜です」「〜さんはどう思いますか」といった話し合いの表現を練習させ、司会・記録・発表の役割を割り当てる。話し合いのあと、各グループの結論を比べ、なぜ解釈が分かれたのかをクラスで振り返る。
この活動では、ある学習者が気づいた語の意味を別の学習者が文脈から補うなど、一人では読み切れなかった部分が対話の中で埋まっていく。教師が答えを教えるのではなく、学習者どうしが互いの理解を確かめ合う過程そのものが学びになる。読み終えたあとの振り返りでは、話し合いで何が分かったかを学習者自身に言葉にさせる。
読んだ用語を1冊で引き直す・体系で押さえ直すなら。