学校その他の教育機関において、授業の過程で利用するために必要と認められる限度で、著作物の複製や公衆送信を認める規定。営利を目的としない教育機関であることが前提で、授業を担当する教員と、授業を受ける学習者が主体となる。
ただし著作権者の利益を不当に害する場合は対象外という重要な限定がある。児童・生徒が各自購入すべき問題集やドリル、教材として販売されているものを人数分複製する行為は、この限定に触れる。2018(平成30)年の法改正で創設された授業目的公衆送信補償金制度(2020年4月28日施行)により、オンライン授業などでの公衆送信は、教育機関の設置者が補償金を支払う仕組みのもとで可能になった。補償金を扱う指定管理団体はSARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)。
「教育目的なら何でも自由」も「一切認められない」も誤り、というのが要点。必要な限度と権利者の利益を不当に害さないことという2つの条件で判断する。ウェブ上の画像や動画も当然に著作物であり、生教材を扱うときほど意識が要る。
大学の日本語の授業で、教師が新聞記事を1本コピーし、履修している学習者に配る。授業の過程での利用で、必要な限度にとどまると考えられる使い方である。一方、学習者が各自で買うことを前提に作られた市販のドリルを、1冊だけ買って全員分コピーして配るのは、著作権者の利益を不当に害するとして、この規定の対象外とされる典型例である。
オンライン授業で、教材の文章をスキャンし、授業の参加者だけが見られる学習管理システムに置くのは公衆送信にあたる。これは、授業目的公衆送信補償金制度のもとで設置者が補償金を支払う仕組みによって、個別の許諾なしに行える。必要な限度であることなどの条件は、複製の場合と同じく満たす必要がある。
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